(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/50 20060101AFI20220922BHJP
E06B 9/13 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
E06B9/50
E06B9/13 A
(21)【出願番号】P 2019011555
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】田中 修
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-220982(JP,A)
【文献】特開平11-117646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラケットと、
前記ブラケットに回転可能に支持される巻取パイプと、
前記巻取パイプに一端が巻取り及び巻解き可能に連結されるスクリーンと、
前記ブラケットに回転可能に支持される回転軸と、
前記巻取パイプと一体回転し前記回転軸に装着されることにより前記回転軸と一体に回転する巻取軸と、
前記巻取軸が前記回転軸に装着されていない状態では前記回転軸の回転を規制し、前記巻取軸が前記回転軸に装着された状態では前記回転軸の回転を許容するよう切替え可能な切替手段と、
を備えたことを特徴とする、ロールスクリーン。
【請求項2】
前記切替手段は、
前記ブラケットに固定されているケースに設けられた係止部と、
前記回転軸に設けられ前記係止部に係止可能な被係止部と、
前記係止部と前記被係止部とに係合可能であり、前記係止部と前記被係止部とを係止又は係止解除可能な係合部材と、
からなり、
前記係合部材は、前記係止部と前記被係止部とを係止すると前記回転軸の回転を規制し、前記係止部と前記被係止部とを係止解除すると前記回転軸の回転を許容することを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記係合部材は、前記回転軸に回動可能に連結されており、前記巻取軸が前記回転軸に装着されると前記巻取軸に当接して前記係止部との係止が解除される方向に回動することを特徴とする、請求項2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記係止部は、前記回転軸の回転方向に複数設けられていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のロールスクリーン。
【請求項5】
前記係合部材は、前記回転軸の径方向に移動可能に前記ケースに設けられており、
前記係合部材は、前記被係止部に挿入及び離脱可能に前記係止部を挿通しており、前記被係止部に挿入されると前記係止部と前記被係止部とを係止し、前記被係止部から離脱すると前記係止部と前記被係止部とを係止解除することを特徴とする、請求項2に記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記巻取軸には、前記係合部材が前記被係止部から離脱するように押圧する押圧片が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のロールスクリーン。
【請求項7】
前記切替手段は、前記回転軸に配置されて軸方向に摺動する摺動部材を備えており、前記巻取軸が前記回転軸に装着されると前記摺動部材が軸方向に摺動して前記係合部材を前記被係止部から離脱するように移動させることを特徴とする、請求項5に記載のロールスクリーン。
【請求項8】
ロールスクリーン取付対象に固定されている支持部材をさらに備え、
前記ブラケットは、前記支持部材に相対移動可能に支持されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載のロールスクリーン。
【請求項9】
ブラケットと、
前記ブラケットに回転可能に支持される巻取パイプと、
前記巻取パイプに一端が巻取り及び巻解き可能に連結されるスクリーンと、
を備えたロールスクリーンであって、
前記巻取パイプと一体回転し前記ブラケットに回転可能に装着される巻取軸と、
前記巻取軸が前記ブラケットに装着されていない状態では前記巻取軸の回転を規制し、前記巻取軸が装着された状態では前記巻取軸の回転を許容するよう切替え可能な切替手段と、
を備えたことを特徴とする、ロールスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロールスクリーンとしては、特開2002-220982号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に開示されているロールスクリーンは、巻取パイプの一端側において、ブラケットにケースが固定されており、ケース内でシャフト受けが軸支されている。シャフト受けは操作コードによって回転駆動するプーリから回転が伝達される。そして、シャフト受けに対して、巻取パイプの一端に装着されるシャフトキャップが一体回転可能に挿入されている。
【0003】
これによれば、操作コードを操作することによりプーリの回転がシャフト受けに伝達され、シャフトキャップを介して巻取パイプを回転駆動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような従来のロールスクリーンでは、巻取パイプのシャフトキャップをシャフト受けに挿入する際、シャフトキャップをシャフト受けの奥まで差し込むが、シャフトキャップがシャフト受けに正確に取付けられたことの確認は人の感覚にのみ頼っているという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、巻取パイプとブラケットとの正確な取付けを機械的に確認することが可能なロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によれば、ブラケットと、前記ブラケットに回転可能に支持される巻取パイプと、前記巻取パイプに一端が巻取り及び巻解き可能に連結されるスクリーンと、前記ブラケットに回転可能に支持される回転軸と、前記巻取パイプと一体回転し前記回転軸に装着されることにより前記回転軸と一体に回転する巻取軸と、前記巻取軸が前記回転軸に装着されていない状態では前記回転軸の回転を規制し、前記巻取軸が前記回転軸に装着された状態では前記回転軸の回転を許容するよう切替え可能な切替手段と、を備えたことを特徴とする、ロールスクリーンが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、回転軸の回転の規制又は許容を切替え可能な切替手段を設けることで、巻取軸が回転軸に正確に取付けられていない(誤った取付けを行う)と回転軸の回転が規制される。よって、巻取パイプとブラケットとの正確な取付けを機械的に確認することができる。このような正確な取付けの確認は、巻取パイプの落下などを未然に防ぐことにもつながる。
【0009】
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記切替手段は、前記ブラケットに固定されているケースに設けられた係止部と、前記回転軸に設けられ前記係止部に係止可能な被係止部と、前記係止部と前記被係止部とに係合可能であり、前記係止部と前記被係止部とを係止又は係止解除可能な係合部材と、からなり、前記係合部材は、前記係止部と前記被係止部とを係止すると前記回転軸の回転を規制し、前記係止部と前記被係止部とを係止解除すると前記回転軸の回転を許容するようにしてもよい。係合部材を係止部と被係止部に係合したり係合を解除したりすることにより、係止部と被係止部とを係止又は係止解除して、回転軸の回転を規制又は許容を切替えることができる。
【0010】
また、前記係合部材は、前記回転軸に回転可能に連結されており、前記巻取軸が前記回転軸に装着されると前記巻取軸に当接して前記係止部との係止が解除される方向に回動するようにしてもよい。巻取軸が係合部材に当接するまで回転軸に装着させないと、回転軸が回転できないようにすることができる。
【0011】
また、前記係止部は、前記回転軸の回転方向に複数設けられていてもよい。係止部を複数個所に設けることで、回転軸がどの回転角度にあっても、係合部材が係止部に係合可能となり、回転軸の回転を規制することができる。
【0012】
また、前記係合部材は、前記回転軸の径方向に移動可能に前記ケースに設けられており、前記係合部材は、前記被係止部に挿入及び離脱可能に前記係止部を挿通しており、前記被係止部に挿入されると前記係止部と前記被係止部とを係止し、前記被係止部から離脱すると前記係止部と前記被係止部とを係止解除するようにしてもよい。係合部材が回転軸の径方向に移動することにより、係止部と被係止部との係止と係止解除とを切り替えることができる。
【0013】
また、前記巻取軸には前記係合部材を摺動するように押圧する押圧片が設けられていてもよい。よって、係合部材を摺動するための機構を巻取軸以外に別途設ける必要がない。
【0014】
また、前記切替手段は、前記回転軸に配置されて軸方向に摺動する摺動部材を備えており、前記巻取軸が前記回転軸に装着されると前記摺動部材が軸方向に摺動して前記係合部材を前記被係止部から離脱するように移動させるようにしてもよい。摺動部材によって係合部材を確実に摺動させることができる。
【0015】
また、ロールスクリーン取付対象(窓枠や壁)に固定されている支持部材をさらに備え、前記ブラケットは、前記支持部材に相対移動可能に支持されているようにしてもよい。ブラケットと支持部材とを相対移動させてブラケットの位置を調整できるため、ネジによる固定のようにネジの取り外しなどの作用を必要とせず容易にブラケットの位置の調整を行うことができる。
【0016】
また、本発明の第2の観点によれば、ブラケットと、前記ブラケットに回転可能に支持される巻取パイプと、前記巻取パイプに一端が巻取り及び巻解き可能に連結されるスクリーンと、を備えたロールスクリーンであって、前記巻取パイプと一体回転し前記ブラケットに回転可能に装着される巻取軸と、前記巻取軸が前記ブラケットに装着されていない状態では前記巻取軸の回転を規制し、前記巻取軸が装着された状態では前記巻取軸の回転を許容するよう切替え可能な切替手段と、を備えたことを特徴とする、ロールスクリーンが提供される。
【0017】
かかる構成によれば、巻取軸の回転を規制又は許容を切替え可能な切替手段を設けることで、巻取軸の正確な取付けが行うことができていない(誤った取付けを行う)と回転が規制される。よって、巻取パイプとブラケットとの正確な取付けを機械的に確認することができる。このような正確な取付けの確認は、巻取パイプの落下などを未然に防ぐことにもつながる。上記本発明の第1の観点と同様の応用も可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、巻取パイプとブラケットとの正確な取付けを機械的に確認することが可能なロールスクリーンが提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ロールスクリーン100の全体構成を概略的に示した正面図である。
【
図2】操作側ブラケット110-1近傍の図であり、(a)は正面から見た部分断面図であり、(b)は(a)のA-A断面図である。
【
図3】ロールスクリーン100の動作を説明するための図であり、(a)は正面から見た部分断面図であり、(b)は(a)のB-B断面図である。
【
図4】第2の実施形態のロールスクリーン200の構成を示す図である。
【
図5】第3の実施形態のロールスクリーン300の構成を示す図であり、(a)は係合部材353が頂上の係止部351に係止している状態を示し、(b)は係合部材353が横の係止部351に係止している状態を示す。
【
図6】第4の実施形態のロールスクリーン400の構成を示す図であり、(a)は巻取軸421を回転軸440に装着する前の状態を示し、(b)は巻取軸421を回転軸440に装着した状態を示す。
【
図7】第5の実施形態のロールスクリーン500の構成を示す図であり、(a)は巻取軸521を回転軸540に装着する前の状態を示し、(b)は巻取軸521を回転軸540に装着した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
本実施形態のロールスクリーン100の全体の構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1はロールスクリーン100の全体構成を概略的に示した図である。
図2は、操作側ブラケット110-1近傍の図であり、(a)は正面から見た部分断面図であり、(b)は(a)のA-A断面図である。
【0022】
ロールスクリーン100は、
図1及び
図2に示したように、ブラケット110と、ブラケット110に回転可能に支持される巻取パイプ120と、巻取パイプ120に一端が巻取り及び巻解き可能に連結されるスクリーン130と、ブラケット110に回転可能に支持される回転軸140と、巻取パイプ120と一体回転し回転軸140に装着されることにより回転軸140と一体に回転する巻取軸121と、巻取軸121が回転軸140に装着されていない状態では回転軸140の回転を規制し、巻取軸121が回転軸140に装着された状態では回転軸140の回転を許容するよう切替え可能な切替手段150と、を備えたことを特徴とする。以下、本実施形態のロールスクリーン100の各構成要素について説明する。
【0023】
(ブラケット110)
ブラケット110は、壁や窓枠などの取付対象に取付けられて巻取パイプ120を回転可能に支持するものである。ブラケット110は、
図1に示したように、L字状に形成されており、巻取パイプ120の回転を操作する操作部が設けられる操作側ブラケット110-1と、操作部が設けられない反操作側ブラケット110-2と、から構成される。操作側ブラケット110-1には操作部を介して巻取パイプ120の一端が回転可能に支持される。また、反操作側ブラケット110-2には、巻取パイプ120が直接回転可能に支持される。
【0024】
操作側ブラケット110-1には、
図2に示したように、巻取パイプ120を操作する操作機構を収容する第1のケース160と第2のケース161とが取り付けられている。操作機構は、第1のケース160及び第2のケース161内に回転可能に配置されるプーリ162と、プーリ162に巻き掛けられ、プーリ162を回転駆動する操作チェーン163と、第1のケース160に回転可能に支持される回転軸140と、を備える。
【0025】
プーリ162は、これと一体に回転する第1連結部材164又は第2連結部材165がクラッチばね166を緩めながら回転軸140を回転する。クラッチドラム167は、第1のケース160に回転不能に支持されており、巻取軸121側からの回転は、第1連結部材164又は第2連結部材165がクラッチバネ166をクラッチドラム167に締結することで回転を不能にする。よって、プーリ162の回転は巻取軸121に伝達されるが、巻取軸121からの回転はプーリ162に伝達されないようになっている。
【0026】
操作チェーン163は、
図2(a)に示したように、プーリ162に巻き掛けられプーリ162を回転駆動可能である。操作チェーン163は、手前側を引き下ろすと、プーリ162がスクリーン130を上昇させる方向に回転し、奥側を引き下ろすと、プーリ162がスクリーン130を下降させる方向に回転する。
【0027】
(巻取パイプ120)
巻取パイプ120は、スクリーン130を昇降させるものである。巻取パイプ120は、
図1に示したように、スクリーン130の上端が巻取り及び巻解き可能に連結されている。巻取パイプ120の一方の端部には、
図2(a)に示したように、巻取パイプ120と一体に回転する巻取軸121が設けられている。巻取軸121と巻取パイプ120の回転中心は同じである。巻取軸121は、巻取パイプ120と一体に形成されていてもよいし、別体に構成されて巻取パイプ120の端部に取付けられてもよい。
【0028】
巻取軸121は、
図2(a)の矢印Cで示したように、後述する回転軸140の挿入孔140aに挿入されることにより、回転軸140に装着可能である。巻取軸121は、
図2(b)に示したように、断面方形状である。巻取パイプ120の多方の端部は、
図1に示したように、反操作側ブラケット110-2に回転可能に支持されている。
【0029】
(スクリーン130)
スクリーン130は、窓や部屋の開口部などを閉鎖又は開放するものである。スクリーン130は、
図1に示したように、上端が巻取パイプ120に巻取り及び巻解き可能に連結されている。スクリーン130の下端には、ウエイトバー131が取付けられている。
【0030】
(回転軸140)
回転軸140は、プーリ162の回転を巻取パイプ120に伝達するものである。回転軸140は、
図2(a)に示したように、操作側ブラケット110-1に固定された第1のケース160に回転可能に支持されている。また、回転軸140の軸心には、
図2(b)に示したように、断面方形状の挿入孔140aが軸方向に伸びて形成されている。挿入孔140aには巻取軸121が装着されて一体に回転可能である。
【0031】
(切替手段150)
切替手段150は、巻取軸121が回転軸140に装着されていない状態では回転軸140の回転を規制し、巻取軸121が回転軸140に装着された状態では回転軸140の回転を許容するものである。切替手段150は、
図2に示したように、操作側ブラケット110-1に固定されている第1のケース160に設けられた係止部151と、回転軸140に設けられ係止部151に係止可能な被係止部152と、係止部151と被係止部152とに係合可能であり、係止部151と被係止部152とを係止又は係止解除可能な係合部材153と、からなり、係合部材153は、係止部151と被係止部152とを係止すると回転軸140の回転を規制し、係止部151と被係止部152とを係止解除すると回転軸140の回転を許容するように構成される。
【0032】
係止部151は、
図2(a)に示したように、第1のケース160の回転軸140との対面側に設けられている。係止部151は、
図2(b)に示したように、回転軸140の端部近傍から軸方向に伸びる断面方形状の溝であり、円周方向の1か所に形成されている。
【0033】
被係止部152は、
図2(a)に示したように、回転軸140の巻取軸121が挿入される側の端部近傍から軸方向に伸びて形成されている。被係止部152は、
図2(b)に示したように、回転軸140の円周方向の1か所において挿入孔140aから外径部まで貫通している。
【0034】
係合部材153は、
図2(a)に示したように、被係止部152に回転可能に連結されている。係合部材153は、巻取軸121が回転軸140に装着されていないときは、一端153aが係止部151に係止し、他端153bが挿入孔140aに挿入した姿勢をとっている。そして、係合部材153は、巻取軸121が回転軸140に装着されると他端153bが巻取軸121に当接して係止部151との係止が解除される方向に回動し、被係止部152に収容される。
【0035】
以上、本実施形態のロールスクリーン100の構成について説明した。次に、本実施形態のロールスクリーン100の動作について、
図2に加えて
図3をさらに参照しながら説明する。
図3は、ロールスクリーン100の動作を説明するための図であり、(a)は正面から見た部分断面図であり、(b)は(a)のB-B断面図である。
【0036】
巻取軸121を回転軸140に装着する前は、
図2に示したように、切替手段150は、係合部材153の一端153aが係止部151に係止し、他端153bが挿入孔140aに挿入した状態となっている。回転軸140は、被係止部152に係合部材153が連結されているため、回転が拘束される。
【0037】
巻取軸121を装着するときは、
図2(a)の矢印Cに示したように、回転軸140の挿入孔140aに巻取軸121を挿入する。すると、係合部材153の他端153bが巻取軸121に当接して、
図3(a)の矢印Dに示したように、係止部151との係止が解除される方向に係合部材153が回動する。巻取軸121が挿入孔140aに完全に挿入されて回転軸140に装着されると、係合部材153は被係止部152に収容される。よって、回転軸140は、
図3(b)の矢印Eに示したように、回転可能となって操作チェーン163が操作可能な状態になる。
【0038】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、回転軸140の回転の規制又は許容を切替え可能な切替手段150を設けることで、巻取軸121が回転軸140に正確に取付けられていない(誤った取付けを行う)と回転軸140の回転が規制される。よって、巻取パイプ120とブラケット110との正確な取付けを機械的に確認することができるため、巻取パイプ120の落下を未然に防ぐことができる。
【0039】
また、係合部材153を係止部151と被係止部152に係合したり係合を解除したりすることにより、係止部151と被係止部152とを係止又は係止解除して、回転軸140の回転を規制又は許容を切替えることができる。
【0040】
また、巻取軸121が係合部材153に当接するまで回転軸140に装着させないと、係合部材153が回動しない。このため、巻取軸121が回転軸140に装着されていない状態では、回転軸140が回転できないようにすることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン200の構成について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態のロールスクリーン200の構成を示す図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは操作側ブラケット210-1の構成が異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0042】
本実施形態のロールスクリーン200について、
図4を参照しながら説明する。ロールスクリーン200は、壁や窓枠などのロールスクリーン取付対象に固定されている支持部材211をさらに備え、操作側ブラケット210-1は、支持部材211に相対移動可能に支持されている。
【0043】
支持部材211は、操作側ブラケット210-1の先端が挿入される凹部211aを備えている。凹部211aと操作側ブラケット210-1の先端の対向する面は互いに噛み合うのこぎり歯状の位置調整手段211b、210-1aが形成されている。凹部211aの位置調整手段211bと操作側ブラケット210-1の位置調整手段210-1aの噛み合う位置を変更することができる。操作側ブラケット210-1を移動させて、凹部211aの位置調整手段211bと操作側ブラケット210-1の位置調整手段210-1aの噛み合う位置を変更することにより、操作側ブラケット210-1の位置を調整することができる。
【0044】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、操作側ブラケット210-1を支持部材211に対して左右に移動させて位置調整手段210-1aと位置調整手段211bとを噛み合わせることで操作側ブラケット210-1の位置を調整して固定できる。よって、ネジによる固定のようにネジの取り外しなどの作用を必要とせず容易に操作側ブラケット210-1の位置の調整を行うことができる。このように操作側ブラケット210-1の位置の調整を可能とすることで、巻取軸221の回転軸240への挿入が不完全とならないように調整することができ、巻取軸221を回転軸240に正確に取付けることができる。
【0045】
(第3の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン300の構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態のロールスクリーン300の構成を示す図であり、(a)は係合部材353が頂上の係止部351に係止している状態を示し、(b)は係合部材353が横の係止部351に係止している状態を示す。本実施形態は、上記第1の実施形態とは係止部351を複数個所に設けたことが異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0046】
本実施形態の操作側ブラケット310-1は、第1の実施形態の操作側ブラケット110-1と実質的に同様である。
【0047】
本実施形態のロールスクリーン300について、
図5を参照しながら説明する。第1のケース360には、
図5に示したように、係止部351が回転軸340の回転方向に等間隔に8つ設けられている。例えば、
図5(a)に示したように、係合部材353が上に位置しているときに巻取軸321の回転軸340との装着が解除された場合、上の係止部351に係合部材353が係止される。
【0048】
また、
図5(b)に示したように係合部材353が横に位置しているときに巻取軸321の回転軸340との装着が解除された場合、横の係止部351に係合部材353が係止される。このように、巻取軸321の回転軸340との装着が解除される位置を特定の位置に限定しなくても係合部材353を係止部351に容易に係止させることができる。なお、係止部351の数は任意の数に設計してよい。
【0049】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、係止部351を複数個所に設けることで、回転軸340がどの回転角度にあっても、係合部材353が係止部351に係合可能となり、回転軸340の回転を規制することができる。
【0050】
(第4の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン400の構成について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態のロールスクリーン400の構成を示す図であり、(a)は巻取軸421を回転軸440に装着する前の状態を示し、(b)は巻取軸421を回転軸440に装着した状態を示す。本実施形態は、主に切替手段450の構成が第1の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0051】
本実施形態のロールスクリーン400について、
図6を参照しながら説明する。切替手段450は、
図6に示したように、係合部材453が、第1のケース460に径方向に摺動可能に設けられている。係合部材453の一端453aは第1のケース460の上部から外部に突出しており、第1のケース460の外周に当接してそれ以上の下方への移動が規制されている。係合部材453の状態は外部から目視できるようになっている。
【0052】
係合部材453の他端453bは、
図6(a)に示したように、巻取軸421が回転軸440に装着されていない状態では係止部451を挿通して被係止部452に挿入している。また、係合部材453の他端453bは、
図6(b)に示したように、巻取軸421が回転軸440に装着された状態では被係止部452から離脱して係止部451に収容される。
【0053】
被係止部452は、第1の実施形態では、回転軸140の巻取軸121が挿入される側の端部近傍まで形成されていたが、本実施形態では、
図6に示したように、回転軸440の巻取軸421が挿入される側の端部まで形成されている。
【0054】
巻取軸421には、係合部材453を摺動するように押圧する押圧片421aが設けられている。押圧片421aは、
図6(a)に示したように、巻取軸421の上方に突出しており、回転軸440の被係止部452に挿入可能な大きさである。押圧片421aは、
図6(b)に示したように、被係止部452に挿入された際に上端が回転軸440の外周と同じ位置になる。
【0055】
以上、本実施形態のロールスクリーン400の構成について説明した。以下、ロールスクリーン400の動作について、前述の
図6を参照しながら説明する。巻取軸421を回転軸440に装着する前は、
図6(a)に示したように、切替手段450は、係合部材453の他端453bが被係止部452に挿入した状態となっている。このため、回転軸440は、係合部材453の他端453bに当接して、回転が拘束される。
【0056】
巻取軸421を装着するときは、
図6(a)の矢印Cに示したように、被係止部452に押圧片421aが挿入するように回転軸440の挿入孔440aに巻取軸421を挿入する。すると、押圧片421aが係合部材453の他端453bを押圧して、
図6(b)に示したように、係合部材453が被係止部452から離脱するように摺動する。巻取軸421が挿入孔440aに完全に挿入されて回転軸440に装着されると、押圧片421aが係合部材453の他端453bを回転軸440の外側に完全に押し上げる。このため、係合部材453の他端453bは被係止部452から離脱して係止部451に収容され、回転軸440は回転可能な状態になる。
【0057】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、係合部材453が回転軸440の径方向に移動することにより、係止部451と被係止部452との係止と係止解除とを切り替えることができる。
【0058】
また、巻取軸421には係合部材453を摺動するように押圧する押圧片421aが設けられていているため、係合部材453を摺動するための機構を巻取軸421以外に別途設ける必要がない。さらに、巻取軸421が回転軸440に装着されると、係合部材453の一端453aが上方に突出して係合部材453の状態が外部から目視できるようになり、巻取軸421が回転軸440に完全に装着されたことを把握できる。
【0059】
(第5の実施形態)
本実施形態に係るロールスクリーン500の構成について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態のロールスクリーン500の構成を示す図であり、(a)は巻取軸521を回転軸540に装着する前の状態を示し、(b)は巻取軸521を回転軸540に装着した状態を示す。本実施形態は、主に切替手段550の構成が第4の実施形態と異なるものである。本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0060】
本実施形態のロールスクリーン500について、
図7を参照しながら説明する。切替手段550は、
図7に示したように、被係止部552が、第1の実施形態の被係止部152と同様に、回転軸540の巻取軸521が挿入される側の端部近傍まで形成されている。また、巻取軸521には第4の実施形態の押圧片421aは設けられておらず、第1の実施形態の巻取軸121と同様の構成である。
【0061】
回転軸540の挿入孔540a及び被係止部552には、
図7に示したように、摺動部材554が設けられている。摺動部材554の上端554aは、回転軸540とともに回転軸540の外周面を構成する。摺動部材554は、被係止部552の入り口側端部552aから係合部材553まで回転軸540の軸方向に摺動可能である。摺動部材554は、被係止部552の入り口側端部552aに位置しているときは、係合部材553から離間している。回転軸540の底部540bと摺動部材554との間には、摺動部材554を巻取軸521が挿入される方向に付勢するばね555が設けられている。摺動部材554は、巻取軸521によって押圧可能である。摺動部材554の上端554aは係合部材553の他端553bに当接すると押圧して係合部材553を上方に摺動させる。
【0062】
摺動部材554は、巻取軸521が挿入孔540aに挿入されることによって巻取軸521に押圧されて回転軸540の底部540bの方向に摺動し、巻取軸521が挿入孔540aから引き出されると、ばね555によって回転軸540の入り口の開口部540cの方向に摺動する。摺動部材554の上端554aは係合部材553の他端553bを押圧して係合部材553を上方に摺動させる。
【0063】
以上、本実施形態のロールスクリーン500の構成について説明した。以下、ロールスクリーン500の動作について、前述の
図7を参照しながら説明する。巻取軸521を回転軸540に装着する前は、
図7(a)に示したように、摺動部材554が被係止部552の入り口側端部552aに位置しており、摺動部材554が係合部材553から離間している。よって、係合部材553の他端553bが被係止部552に挿入した状態となっている。このため、回転軸540は、係合部材553の他端553bに当接して、回転が拘束される。
【0064】
巻取軸521を装着するときは、
図7(a)の矢印Cに示したように、回転軸540の挿入孔540aに巻取軸521を挿入する。すると、巻取軸521が摺動部材554を押圧して、
図7(b)に示したように、摺動部材554が係合部材553の方向に移動する。摺動部材554の上端554aが係合部材553の他端553bに当接すると、係合部材553が被係止部552から離脱するように摺動する。
【0065】
巻取軸521が挿入孔540aに完全に挿入されて回転軸540に装着されると摺動部材554の上端554aが係合部材553の他端553bを回転軸540の外側に完全に押し上げる。このため、係合部材553の他端553bは被係止部552から離脱して係止部551に収容され、回転軸540は回転可能な状態になる。
【0066】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、係合部材553を移動させる摺動部材554を回転軸540に軸方向に摺動可能に配置したため、摺動部材554によって係合部材553を確実に摺動させることができる。また、巻取軸521が回転軸540に装着されると、係合部材553の一端553aが上方に突出して係合部材553の状態が外部から目視できるようになり、巻取軸521が回転軸540に完全に装着されたことを把握できる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
例えば、上記実施形態では、切替手段は、ブラケットに固定されているケースに設けられた係止部と、回転軸に設けられた被係止部とを係止又は係止解除可能な係合部材を備えた構成としたが、本発明はこの例に限定されない。切替手段は、巻取軸が回転軸に装着されていない状態では回転軸の回転を規制し、巻取軸が回転軸に装着された状態では回転軸の回転を許容するよう切替え可能であれば、任意に設計することができる。
【0069】
また、上記第1の実施形態では、係合部材153は、回転軸140に回転可能に連結されており、巻取軸121が回転軸140に装着されると巻取軸121に当接して係止部151との係止が解除される方向に回動する構成としたが、本発明はこの例に限定されない。切替手段は、巻取軸が回転軸に装着されていない状態では回転軸の回転を規制し、巻取軸が回転軸に装着された状態では回転軸の回転を許容するよう切替え可能であればよい。例えば、係合部材が回転軸の軸方向に摺動することによって、回転の規制と許容とを切替るようにするなど、任意に設計することができる。第2、第3の実施形態も同様である。
【0070】
また、上記第2の実施形態では、操作側ブラケット210-1は、取付対象に取り付けられる支持部材211に支持され、操作側ブラケット210-1と支持部材211とは相対移動可能であるように構成したが、本発明はこの例に限定されない。巻取軸に対する操作側ブラケットの位置を変更することができれば任意の設計とすることができる。
【0071】
また、上記第3の実施形態では、第1のケース360の係止部351は、回転軸340の回転方向に8つ設けたが、本発明はこの例に限定されず、係止部351は任意の数に設計することができる。
【0072】
また、上記第4の実施形態では、巻取軸421には係合部材453を摺動するように押圧する押圧片421aが設けられている構成としたが、本発明はこの例に限定されない。係合部材を摺動するように押圧する構成であれば任意に設計することができる。
【0073】
また、上記第5の実施形態では、切替手段550は、回転軸540の被係止部552に配置されて軸方向に摺動する摺動部材554を備えており、巻取軸521が回転軸540に装着されると摺動部材554が軸方向に摺動して係合部材553を被係止部552から離脱するように摺動させるように構成したが、本発明はこの例に限定されない。
【0074】
以上説明した実施形態、変更例及び応用例の内容は、適宜組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0075】
100、200、300、400、500 ロールスクリーン
110 ブラケット
110-1、210-1、310-1 操作側ブラケット
110-2 反操作側ブラケット
120 巻取パイプ
121、221、321、421、521 巻取軸
130 スクリーン
131 ウエイトバー
140、240、340、440、540 回転軸
140a、440a、540a 挿入孔
150、450、550 切替手段
151、351、451、551 係止部
152、452、552 被係止部
153、353、453、553 係合部材
153a、453a、553a 一端
153b、453b、553b 他端
160、360、460 第1のケース
161 第2のケース
162 プーリ
163 操作チェーン
164 第1連結部材
165 第2連結部材
166 クラッチばね
167 クラッチドラム
211 支持部材
210-1a、211b 位置調整手段
211a 凹部
421a 押圧片
540b 底部
540c 開口部
552a 入り口側端部
554 摺動部材
554a 上端