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特許7145144インプラント-インプラント状態を測定するための測定システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】インプラント-インプラント状態を測定するための測定システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20220922BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
A61C19/04 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019502209
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017068541
(87)【国際公開番号】W WO2018015562
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-20
(31)【優先権主張番号】102016213399.3
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500058187
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ファイファー,ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ティール,フランク
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-510654(JP,A)
【文献】特表2015-523108(JP,A)
【文献】特開2008-132336(JP,A)
【文献】特表2011-504390(JP,A)
【文献】特表平03-502771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンテンプレート(2)が、インプラント(3、4、6、7)のそれぞれについて切り抜き(11、12、13、14)および第一のマーキング(25)を含み、前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)の縁部により形成されることを特徴とする、前記スキャンテンプレート(2)および前記インプラント(3、4、6、7)を含む、少なくとも2つのインプラント(3、4、6、7)で支持されたインプラント支持歯置換部(33)を計画するためのインプラント-インプラント状態(5)を測定するための測定システム(1)。
【請求項2】
前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)の周囲の表面領域(24)上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)のそれぞれを前記インプラント(3、4、6、7)に割り当てるためのバーコードとして構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の測定システム。
【請求項4】
前記測定システム(1)が、2つの前記インプラント(3、4、6、7)に取り付けられた少なくとも2つのスキャン本体(26)を追加的に含み、第二のマーキング(27)が前記スキャン本体(26)の上に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の測定システム。
【請求項5】
切り抜き(11、12、13、14)の直径が、対応する前記インプラント(3、4、6、7)の直径よりも大きいことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の測定システム。
【請求項6】
前記スキャンテンプレート(2)が、PMMAから作られることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の測定システム。
【請求項7】
前記スキャンテンプレート(2)を、セットされた前記インプラント(3、4、6、7)に対して固定的に位置させ、前記スキャンテンプレート(2)上の前記第一のマーキング(25)を、前記方法を使用して測定することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の測定システムのスキャンテンプレート(2)を使用して、インプラント支持歯置換部(33)を計画するためのインプラント-インプラント状態(5)を測定するための方法。
【請求項8】
前記インプラント(3、4、6、7)の目に見える表面またはそこに取り付けられた構造体を、前記測定方法を使用して測定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第二のマーキング(27)を含むスキャン本体(26)を、前記インプラント(3、4、6、7)に取り付け、前記スキャン本体(26)上の前記第二のマーキング(27)を、前記測定方法を使用して測定することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記インプラント(3、4、6、7)の互いに対するおよび/または歯の状態(8)に対する決定された位置および配向、前記インプラント支持歯置換部(33)を計画するのに使用されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記測定方法が、光学三次元測定方法または触覚測定方法であることを特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スキャンテンプレート(2)を、CAD/CAM作製方法を使用して作製することを特徴とする、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記スキャンテンプレート(2)を、前記インプラントをセットするために以前に使用されたドリルテンプレートから作製し、ドリルスリーブを前記ドリルテンプレートから除去しおよび/または前記切り抜きを作り、前記第一のマーキング(25)を、前記切り抜き(11、12、13、14)の周囲の前記表面領域(24)上に配置するか、または前記切り抜きの前記縁部をマーキングとして使用することを特徴とする、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記切り抜き(11、12、13、14)および前記第一のマーキング(25)を、前記CAD/CAM作製方法を使用して作製することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つのインプラント(3、4、6、7)で支持されたインプラント支持歯置換部(33)を計画するためのインプラント-インプラント状態(5)を測定するためのスキャンテンプレート(2)であって、前記スキャンテンプレート(2)は、前記インプラント(3、4、6、7)のそれぞれについて切り抜き(11、12、13、14)および第一のマーキング(25)を含み、前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)の前記縁部により形成されることを特徴とする、スキャンテンプレート。
【請求項16】
前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)の周囲の表面領域(24)上に配置されることを特徴とする、請求項15に記載のスキャンテンプレート(2)。
【請求項17】
前記第一のマーキング(25)は、前記切り抜き(11、12、13、14)のそれぞれを前記インプラント(3、4、6、7)に割り当てるためのバーコードとして構成されることを特徴とする、請求項15または16に記載のスキャンテンプレート(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャンテンプレートおよび少なくとも2つのセットされたインプラントを含む、少なくとも2つのインプラントで支持された、インプラント支持歯置換部を計画するためのインプラント-インプラント状態を測定するための測定システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯の状態を測定するための複数の方法および装置が、当技術分野で公知である。
【0003】
DE 10 2012 207 499 B3は、複数のインプラントを含む歯の状態を測定するための方法を開示しており、全体的な歯の状態は、第一の測定方法を使用して捕捉され、インプラント周囲の限定された対象領域は、続いて第二のより正確な測定方法の手段により測定される。第二のより正確な測定方法は、写真測量方法を使用したマルチカメラシステムの支援を用いて行うことができる。インプラントの位置および配向の決定を可能にする測定幾何学的配置を有する測定器本体は、測定を改善するために使用することができる。その際、測定幾何学的配置は、特定の幾何学的形状を示すことができる。概観像のための第一の測定方法は、縞投影法、共焦点顕微鏡検査法、白色光干渉法、有色パターンを伴う三角測量法、または三次元X線撮像法に基づくものであり得る。
【0004】
DE 10 2004 035 091 A1は、歯科インプラントの位置および配向を決定するための方法を開示し、測定幾何学的配置はインプラントの上に配置され、そこからインプラントの位置と配向が推定可能である。
【0005】
これらの方法の欠点の1つは、特にインプラント-インプラント状態を決定するために使用された測定方法の精度であり、すなわちインプラントの互いに対する相対的な位置および配向が不適当である。
【0006】
本発明の目的は、従って、インプラント支持歯置換部の計画に使用するためのインプラント-インプラント状態を測定するための測定システムおよび方法を提供することであり、これによりインプラント-インプラント状態の正確な測定および決定が可能になる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、スキャンテンプレートおよび少なくとも2つのセットされたインプラントを含む、少なくとも2つのインプラントで支持された、インプラント支持歯置換部を計画するためのインプラント-インプラント状態を測定するための測定システムに関する。スキャンテンプレートは、個々のインプラントおよび第一のマーキングのための切り抜きを含む。
【0008】
測定システムは、インプラント-インプラント状態の正確な測定のために使用される。インプラント-インプラント状態は、インプラントの互いに対するおよび/または歯の状態に対する、位置および配向として定義される。インプラント支持歯置換部は、例えば、インプラント支持ブリッジ、組み込まれた歯肉要素を伴うインプラント支持ブリッジ、またはインプラント支持クロスピースであってもよい。インプラント支持クロスピースは、クロスピース支持の取り外し可能な義歯のためのベース構造として機能する。歯置換部は、少なくとも2つのインプラントで支持されているので、インプラント支持歯置換部を計画するために、2つのインプラントの互いに対する位置および配向の決定が、可能な限り正確であることは必須である。スキャンテンプレートはドリルテンプレートと類似しており、測定のためには、スキャンテンプレートはセットされたインプラントの上に配置され、その後インプラントと共に測定される。該スキャンテンプレートは、PMMAなどの寸法が安定した材料から、例えばCAD/CAM作製方法を使用して、作製することができる。スキャンテンプレート上の切り抜きは、インプラントよりも大きくてもよく、インプラント上に配置されたスキャンテンプレートが、容易に前後に移動できるようにする。切り抜きは、従って、インプラントをセットする前に、例えばドリルテンプレートを設計するときに、画定したインプラントの位置に配置される。インプラントの実際の位置は、しかしながら、計画した位置から逸脱する。なぜなら、インプラントをセットしている間に、およびドリルテンプレート作製中の可能性のあるエラーの結果として、計画した位置からのわずかな逸脱が発生し得る。従って、本測定システムは、互いに対しておよび歯の状態に対して、インプラントの正確な位置および配向を測定するための微調整された測定を提供する。その形状およびカラーデザインに関して、第一のマーキングは、マーキングの位置および配向が独自に決定できるように構成される。第一のマーキングは、3つの点状に隆起していてもよく、例えば三角形に配置される。マーキングはまた、立方体などの基本的幾何学形状からなる他の測定幾何学的配置であってもよい。切り抜きの縁部は、それ自身が第一のマーキングとして機能することができる。これは、位置および配向が、切り抜きの縁部の輪郭によって独自に決定されるからである。
【0009】
このような測定システムの利点の1つは、インプラントの互いに対するインプラントのおよび歯の状態に対する位置および配向の決定が改善することである。縞投影法などの光学三次元測定方法に基づく典型的な三次元口腔内カメラについては、脆弱な構造のより大きな領域の測定の精度は、典型的に50μm~100μmである。協調プロファイルの光学測定の場合、測定のこの精度は、わずかな距離で数μmまで低下する。付近のインプラントに対する第一のマーキングの位置および配向は、従って、全体的な歯の状態の三次元光学測定を使用したときよりも、より大きな精度で決定され得る。
【0010】
このような測定システムの別の利点は、スキャンテンプレートの機械的精度が、従来の光学3Dカメラの測定精度よりも高いことである。結果的に、特に切り抜きの相対的な位置は、より正確に測定される。これは特に、セットされたインプラントの間に歯茎だけがある場合である。これは、従来の3Dカメラを使用した測定で、記録する領域における特徴的幾何学的構造の欠如が、より高い登録エラーへとつながり、従って測定不正確さにつながり得るためである。
【0011】
スキャンテンプレート内のインプラントに関連する第一のマーキング間の互いの間の位置関係が、弱く構造化されたより大きな領域の測定のための典型的な3D測定カメラの精度よりも高い精度で作製されたと考えられる。NC制御加工機上でのスキャンテンプレートの機械加工生産については、これが典型的に示されたものである。
【0012】
第一のマーキングは、有利には、切り抜きの周囲の表面領域に配置され得る。
【0013】
マーキングを伴う表面領域は、直接切り抜きの縁部に、または切り抜き付近に、例えば、切り抜きの縁部から5mmを超えない距離に配置され得る。
【0014】
第一のマーキングは、有利には、切り抜きの縁部により形成され得る。
【0015】
これは、切り抜きの縁部の形状が、スキャンテンプレートの位置と配向の一意的な決定を可能にするからである。
【0016】
第一のマーキングは、有利には、個々の切り抜きを割り当てるためのバーコードとして構成され得る。
【0017】
バーコードは光学的に検出することができ、個々の切り抜きの一意的な識別を可能にする。従って、どのインプラントに対して正確な位置および配向が測定されたかを、自動的に決定することが可能である。その形状により、バーコードはスキャンテンプレートの位置および配向の正確な決定も可能にする。
【0018】
測定システムは、有利には、2つのインプラントに取り付けられた少なくとも2つのスキャン本体を追加的に含むことができ、第二のマーキングはスキャン本体に配置される。
【0019】
従って、インプラントに取り付けられたスキャン本体は、第二のマーキングを含み、スキャンテンプレートに対するスキャン本体の位置および配向のより正確な決定を可能にする。第一のマーキング同様、第二のマーキングは、位置および配向の一意的な決定を容易にするために、必要に応じて構成することができる。
【0020】
スキャンテンプレートに対する位置および配向の正確な決定を容易にするために、光学3Dカメラにより測定可能なアバットメントまたはチタンベースは、スキャンボディの代わりに代替的に使用することができる。
【0021】
スキャンテンプレートは、有利には、CAD/CAM作製方法を使用して、公知の寸法で作製することができる。
【0022】
スキャンテンプレートは、従って、従来のCAD/CAM装置により、ドリルテンプレート同様に作製することができる。スキャンテンプレートは、ブランクから、例えば5軸CAMフライス盤により、作製することができる。従って、作製は、公知の寸法で、計画された3Dモデルに従って行われる。作製されたスキャンテンプレートの寸法は、従って、許容範囲内であることが知られる。
【0023】
その形状および/または色に関して、第一のマーキングおよび/または第二のマーキングは、有利には、第二のマーキングに対する第一のマーキングの正確な位置および配向が、三次元光学測定方法を使用して決定できるように、設計することができる。
【0024】
従って、マーキングの一意的で正確な測定が、可能となる。
【0025】
切り抜きの直径は、有利には、対応するインプラントの直径よりも大きくなり得る。
【0026】
スキャンテンプレートは従って、セットされたインプラントの実際の位置が、インプラントの計画した位置から逸脱していたとしても、インプラントの上に配置することができる。
【0027】
スキャンテンプレートは、有利には、PMMAなどの寸法が安定した材料で作ることができる。
【0028】
結果として、スキャンテンプレートは、インプラントの上に配置されたとき変形せず、スキャンテンプレートの公知の寸法は、スキャンテンプレートの実際の寸法に対応する。
【0029】
本発明はさらに、上記のスキャンテンプレートを使用した、インプラント支持歯置換部を計画するための、インプラント-インプラント状態を測定するための方法に関する。スキャンテンプレートは、セットされたインプラントに対して固定的に位置し、第一のマーキングは、測定方法を使用して測定されたスキャンテンプレート上にある。
【0030】
従って、スキャンテンプレートを使用する本方法は、インプラントの互いに対するおよび歯の状態に対する、位置および配向の正確かつ明確な測定を可能にする。歯の状態とは、隣接する歯、歯肉領域、および/または歯置換部を包含することができる。測定方法は、インプラントに対する第一のマーキングの位置および配向の一意的かつ正確な決定を可能にする、いかなる測定方法でもよい。測定方法は、例えば、縞投影法、共焦点顕微鏡検査法、白色光干渉法、有色パターンを伴う三角測量法、触覚スキャナを使用した触覚法、または三次元X線撮像法であり得る。
【0031】
セットされたインプラントに対するスキャンテンプレートの位置決めは、例えば、セットされたインプラントの周囲の歯の表面にスキャンテンプレートを接着剤でつけることによって、および/またはセットされたインプラントにスキャンテンプレートを接着剤でつけることによって、および/またはセットされたインプラントにスキャンテンプレートをねじ留めすることによって、および/または固定インプラントを使用して顎骨にスキャンテンプレートをしっかり留めることによって、行うことができる。
【0032】
インプラントの目に見える表面またはそこに取り付けられた構造体は、有利には、測定方法を使用して測定することもでき、インプラントに対するスキャンテンプレートの正確な位置および配向が決定される。
【0033】
従って、インプラントに対するスキャンテンプレートの相対的な位置および配向は、スキャン本体を使用せずに決定される。
【0034】
第二のマーキングを含むスキャン本体は、有利には、インプラントに取り付けることができ、スキャン本体上の第二のマーキングは、測定方法を使用して測定され、従って、スキャン本体およびインプラントに対するスキャンテンプレートの正確な位置および配向が決定される。
【0035】
結果的に、スキャンテンプレートに対するインプラントの位置および配向の決定は、スキャン本体を使用することによって改善する。これは、スキャン本体が第二のマーキングを含み、第二のマーキングは、例えば、形状および光学特性に関して、光学測定に適している。
【0036】
インプラントの互いに対するおよび/または歯の状態に対する正確な位置および配向は、有利には、セットされたインプラントに対するスキャンテンプレートの決定された位置および配向を使用して、およびスキャンテンプレートの公知の寸法を使用して、決定することができる。
【0037】
その結果、インプラント-インプラント状態は、従来の方法を使用するときよりも、より高い精度で決定される。複数のセットされたインプラントを伴う全体的な歯の状態の従来の三次元光学測定を使用するとき、例えば登録エラーおよび測定エラーなどの不正確さが生じ得る。
【0038】
インプラントの互いに対する、および/または歯の状態に対する決定された位置および配向は、有利には、インプラント支持歯置換部を計画するのに使用することができる。
【0039】
セットされたインプラントに対する作製されるべき歯置換部の取付精度は、従って改善される。
【0040】
測定方法は、有利には、光学三次元測定方法または触覚測定方法であってもよい。
【0041】
縞投影法、共焦点顕微鏡検査法、または白色光干渉法などの光学三次元測定方法は、口腔内測定にとって特に有利である。触覚測定方法は、触覚スキャナを使用し、対象の表面を一点毎に走査し、従って、対象の三次元点群を生成する。測定方法は、写真測量方法でもよい。
【0042】
写真測量方法は、画像から対象物の空間的な位置または三次元形状を決定するために使用されるリモートセンシングのための測定方法および評価方法であり、異なる空間方向から撮影された該対象物の正確なサーベイ写真である。画像は典型的に、特殊なマルチカメラシステムを使用して記録される。この方法を使用して、記録されるべき対象の三次元画像は、マルチカメラシステムの個々のカメラにより撮影された、二次元光学画像から計算することができる。
【0043】
スキャンテンプレートは、有利には、CAD/CAM作製方法を使用して、公知の寸法で作製することができる。
【0044】
従って、スキャンテンプレートは、公知の寸法で計画された3Dモデルに従って、CAD/CAM装置を使用して作製される。
【0045】
スキャンテンプレートは、有利には、インプラントをセットするのに以前に使用されたドリルテンプレートから作製することができ、ドリルテンプレートからはドリルスリーブが除去され、および/または切り抜きが作られ、第一のマーキングは、切り抜きの周囲の表面領域に配置される。
【0046】
従って、スキャンテンプレートは、インプラントの穴をあけるのに以前に使用されたドリルテンプレートから作製される。
【0047】
切り抜きおよび第一のマーキングの作製は、有利には、CAD/CAM作製方法を使用して行うことができる。
【0048】
従って、ドリルテンプレートは、切り抜きおよび第一のマーキングの作製により、CAD/CAM装置を使用して自動的に適合される。
【0049】
本発明は、図面を参照して説明されることになる。当該図面は以下のものを示している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】測定システムを図示する略図。
図2】スキャンテンプレートの詳細の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、スキャンテンプレート2、ならびにインプラント-インプラント状態5を測定するための少なくとも2つのセットされたインプラント3および4を含む、測定システム1を図示する略図を示す。本ケースでは、第三のインプラント6および第四のインプラント7は、追加的にセットされた。従って、測定システム1を使用した本方法は、セットされたインプラント4、3、7および6の互いに対する、および残りの歯の状態8に対する、セットされた位置および配向の微調整された測定を可能にし、歯の状態8は、隣接した歯9および歯肉領域10を含む。スキャンテンプレート2は、インプラント3、4、6、および7の上に配置され、第一の切り抜き11、第二の切り抜き12、第三の切り抜き13、および第四の切り抜き14は、インプラントの位置に配置される。第一のインプラント3は、従って、第一の位置15、およびインプラント4の対称軸17に沿った第一の配向16を有する。第二のインプラント4は、第二の位置18および第二の配向19を有する。第三のインプラント6は、第三の位置20および第三の配向21を有する。第四のインプラント7は、第四の位置22および第四の配向23を有する。第一のマーキング25は、切り抜き11、12、13、および14の周囲の表面領域24の上に配置される。第二のマーキング27を有するスキャン本体26は、インプラント3、4、6および7に取り付けられる。その形状に関して、そのカラーデザインに関して、およびその光学特性に関して、第二のマーキング27および第一のマーキング25は、該マーキングの位置の正確かつ明確な測定を可能にするように設計することができる。本ケースでは、第二のマーキング27は、三角形に配置される、3つの半球状に隆起した形態に設計される。第一のマーキング25は、同様に半球状に隆起して設計される。マーキングは、ピラミッドまたは立方体などの他の基本的幾何学形状も有してもよい。スキャンテンプレート2は、例えば、3Dモデルに従って、CAD/CAM装置により作製することができる。隣接する歯9を含む歯の状態8の表面データ、およびインプラントの計画からわかるインプラント3、4、6および7の位置は、例えば、スキャンテンプレートの計画に使用することができる。切り抜き11、12、13および14の直径は、セットされたインプラント3、4、6および7ならびに取り付けられたスキャン本体26の直径よりも大きい。スキャンテンプレート2およびインプラントに取り付けられたスキャン本体26は、例えば縞投影法に基づいた口腔内3Dカメラ28を使用して測定される。破線で表される記録領域29は、従って、口腔内3Dカメラ28を使用して測定される。3Dカメラ28の記録領域29は、従って、スキャンボディ26の第二のマーキング27同様、スキャンテンプレート2の第一のマーキング25も含み、三次元光学記録を用いて、第二のマーキング27に対する第一のマーキング25の位置および配向の正確な決定を可能にする。3Dカメラ28の三次元光学記録の画像データは、コンピュータ30に転送される。キーボード31およびマウス32などの操作要素は、コンピュータ30に接続される。インプラント3、4、6および7の互いに対するおよび歯の状態8に対する、決定された位置および配向は、インプラント支持歯置換部33を計画するのに使用される。従って、歯置換部33を計画するのに、隣接する歯9にマッチするように外側形状が計画され、セットされたインプラントの正確な位置および配向に関連して内側形状が計画される。
【0052】
図2は、隣接する歯9の上に配置された、スキャンテンプレート2の詳細な側面図を示す。第二のマーキング27を有するスキャンボディ26は、第一のインプラント3の上に配置され、切り抜き11の直径は、スキャンボディ26の直径よりも大きい。第一のマーキング25は、切り抜き11の縁部の周囲にリング状に配置された半球状の隆起である。
【符号の説明】
【0053】
1 測定システム
2 スキャンテンプレート
3 第一のインプラント
4 第二のインプラント
5 インプラント-インプラント状態
6 第三のインプラント
7 第四のインプラント
8 歯の状態
9 隣接する歯
10 歯肉領域
11 第一の切り抜き
12 第二の切り抜き
13 第三の切り抜き
14 第四の切り抜き
15 第一の位置
16 第一の配向
17 対称軸
18 第二の位置
19 第二の配向
20 第三の位置
21 第三の配向
22 第四の位置
23 第四の配向
24 表面領域
25 第一のマーキング
26 スキャンボディ
27 第二のマーキング
28 口腔内3Dカメラ
29 記録領域
30 コンピュータ
31 キーボード
32 マウス
33 歯置換部
図1
図2