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特許7145158位相変調装置、照明装置、およびプロジェクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】位相変調装置、照明装置、およびプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20220922BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20220922BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220922BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220922BHJP
   G02B 26/06 20060101ALI20220922BHJP
   G02F 1/01 20060101ALI20220922BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20220922BHJP
   G02B 5/32 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1343
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
G02B26/06
G02F1/01 D
G02B5/18
G02B5/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019535063
(86)(22)【出願日】2018-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2018027115
(87)【国際公開番号】W WO2019031187
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-06-11
(31)【優先権主張番号】P 2017152623
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅
(72)【発明者】
【氏名】望月 崇宏
(72)【発明者】
【氏名】秋元 修
(72)【発明者】
【氏名】上島 正弘
(72)【発明者】
【氏名】持田 利彦
(72)【発明者】
【氏名】折井 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴之
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-059274(JP,A)
【文献】特開2016-114854(JP,A)
【文献】特開2015-099323(JP,A)
【文献】特開2000-221529(JP,A)
【文献】特開平05-066377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0183019(US,A1)
【文献】特開2016-099390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1343
G03B 21/00
G03B 21/14
G02B 26/06
G02F 1/01
G02B 5/18
G02B 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、前記画素ごとに光の位相を変調する光位相変調素子を備え
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記コンタクトホールが非周期的に配列されている
位相変調装置。
【請求項2】
前記複数の画素において、画素位置によって前記コンタクトホールのピッチが異なっている
請求項1に記載の位相変調装置。
【請求項3】
光源と、
第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と
を備え
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記コンタクトホールが非周期的に配列されている
照明装置。
【請求項4】
照明装置と、
前記照明装置からの照明光を強度変調して投影画像を生成する光強度変調素子と
を含み、
前記照明装置は、
光源と、
第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と
を備え
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記コンタクトホールが非周期的に配列されている
プロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光の位相を変調する位相変調装置に関する。また、光位相変調素子を用いて照明光を生成する照明装置、およびその照明光に基づいて映像を投影するプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
光の位相を変調して所望の再生像を得る光位相変調素子が知られている。光位相変調素子は、例えば液晶パネル等のSLM(Spatial Light Modulator)で構成される。このような光位相変調素子の応用例として、プロジェクタにおいて、照明装置に光位相変調素子を用いることで画像に応じて位相変調された再生像を生成し、その再生像を映像表示用の光強度変調素子への照明光として利用する技術がある。また、光位相変調素子は、ホログラフィ技術等にも用いられる。また、光位相変調素子は、光スイッチや光コンピュータ等の技術にも用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2009-524845号公報
【文献】特表2011-507022号公報
【文献】特開2014-206710号公報
【発明の概要】
【0004】
光位相変調素子では、画素の構造に起因して、高次回折光が発生し、回折効率が低下し得る。
【0005】
光位相変調素子における回折効率の向上を図ることが可能となる位相変調装置、照明装置、およびプロジェクタを提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る位相変調装置は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、画素ごとに光の位相を変調する光位相変調素子を備え、各画素が、画素電極と、画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、第1の方向および第2の方向の少なくとも一方の方向において、コンタクトホールが非周期的に配列されているものである。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る照明装置は、光源と、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、画素ごとに光源からの光の位相を変調する光位相変調素子とを備え、各画素が、画素電極と、画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、第1の方向および第2の方向の少なくとも一方の方向において、コンタクトホールが非周期的に配列されているものである。
【0008】
本開示の一実施の形態に係るプロジェクタは、照明装置と、照明装置からの照明光を強度変調して投影画像を生成する光強度変調素子とを含み、照明装置は、光源と、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列された複数の画素を有し、画素ごとに光源からの光の位相を変調する光位相変調素子とを備え、各画素が、画素電極と、画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、第1の方向および第2の方向の少なくとも一方の方向において、コンタクトホールが非周期的に配列されているものである。
【0009】
本開示の一実施の形態に係る位相変調装置、照明装置またはプロジェクタでは、画素の構造に起因する高次回折光の発生が抑制される。
【0014】
本開示の一実施の形態に係る位相変調装置、照明装置またはプロジェクタによれば、光位相変調素子の画素構造を高次回折光の発生を抑制する構造にしたので、光位相変調素子における回折効率の向上を図ることが可能となる。
【0016】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】比較例に係る光位相変調素子の一例を概略的に示す平面図である。
図2】比較例に係る光位相変調素子の画素位置と位相変調量との関係の一例を示す説明図である。
図3】比較例に係る光位相変調素子の一構成例を示す断面図である。
図4】比較例に係る位相変調装置の回路構成例を示すブロック図である。
図5】比較例に係る光位相変調素子において発生する高次回折光の発生についての説明図である。
図6】比較例に係る光位相変調素子の画素構造についての説明図である。
図7】比較例に係る光位相変調素子における画素構造を考慮しなかった場合の回折現象についての説明図である。
図8】比較例に係る光位相変調素子における画素構造を考慮した場合の回折現象についての説明図である。
図9】本開示の第1の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の一構成例を示す説明図である。
図10】第1の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造についての説明図である。
図11】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造の一例を示す断面図である。
図12】比較例に係る光位相変調素子の画素構造の一例を示す平面図である。
図13】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造の第1の例を示す平面図である。
図14】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造の第2の例を示す平面図である。
図15】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造の第3の例を示す平面図である。
図16】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造と画素構造に起因する回折パターンとの一例を示す説明図である。
図17】第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子の画素構造の第4の例を示す平面図である。
図18】第3の実施の形態に係る位相変調装置の第1の構成例を示す断面図である。
図19】第3の実施の形態に係る位相変調装置の第2の構成例を示す断面図である。
図20】第3の実施の形態に係る位相変調装置の第3の構成例を示す断面図である。
図21】光位相変調素子のプロジェクタへの第1の適用例を示す構成図である。
図22】光位相変調素子のプロジェクタへの第2の適用例を示す構成図である。
図23】光位相変調素子の各種光学素子への適用例を示す説明図である。
図24】ブレーズド回折格子の一例を示す断面図である。
図25】光位相変調素子のブレーズド回折格子への適用例を示す説明図である。
図26】光位相変調素子の光スイッチへの適用例を示す説明図である。
図27】光位相変調素子の光コンピュータへの適用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(図1図10
1.1 比較例に係る位相変調装置の概要
1.2 比較例に係る位相変調装置の課題と課題を解決する構成
1.3 効果
2.第2の実施の形態(図11図17
2.1 構成
2.2 効果
3.第3の実施の形態(図18図20
3.1 構成
3.2 効果
4.第4の実施の形態(光位相変調素子の適用例)(図21図27
4.1 プロジェクタへの適用例
4.2 各種光学素子への適用例
4.3 光スイッチへの適用例
4.4 光コンピュータへの適用例
5.その他の実施の形態
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[1.1 比較例に係る位相変調装置の概要]
図1は、比較例に係る位相変調装置に適用される光位相変調素子101の一例を概略的に示している。図2は、光位相変調素子101の画素位置と位相変調量との関係の一例を示している。図3は、光位相変調素子101の一断面の構成例を示している。
【0020】
光位相変調素子101は、第1の方向(例えば水平(横)方向)および第2の方向(例えば垂直(縦)方向)にマトリクス状に配置された複数の画素10を有している。光位相変調素子101において、各画素10ごとに光源からの光の位相を変調することで、回折格子として用いることができる。例えば図2に示したように、ブレーズド回折格子を構成できる。図2において、横軸は画素位置、縦軸は位相変調量を示す。位相の変調量は例えば0~2πの範囲となる。
【0021】
光位相変調素子101は、例えば、位相変調液晶パネルで構成されている。光位相変調素子101は、デジタルミラーデバイス(DMD)で構成されていてもよい。
【0022】
図3は、光位相変調素子101を位相変調液晶パネルで構成した例を示している。光位相変調素子101は、例えば、互いに対向配置された第1のガラス基板2と第2のガラス基板3とを備えている。第1のガラス基板2と第2のガラス基板3との間には、液晶分子14を含む液晶層13が図示しない封止部材によって封止されている。
【0023】
第1のガラス基板2には、対向電極(共通電極)4が設けられている。第2のガラス基板3には、複数の画素電極11が設けられている。図3には、複数の画素電極11の一例として、隣り合う2つの画素電極のみを示している。
【0024】
対向電極4には、複数の画素電極11に共通の共通電圧(例えば0[V])が印加される。複数の画素電極11には、入力信号に応じた印加電圧(例えばV1[V])が印加される。光位相変調素子101における各画素10の位相変調量は、印加電圧に応じて変化する。
【0025】
光位相変調素子101は、反射型の位相変調液晶パネルであってもよいし、透過型の位相変調液晶パネルであってもよい。反射型の位相変調液晶パネルの場合、対向電極4は光を透過する透明電極、画素電極11は光を反射する反射電極で構成される。透過型の位相変調液晶パネルの場合、対向電極4と画素電極11とが共に、光を透過する透明電極で構成される。
【0026】
このような光位相変調素子101は、例えばプロジェクタにおける光強度変調素子への照明光を生成する照明装置の一部として利用される。また、光位相変調素子101は、ホログラフィ技術等にも用いられる。また、光位相変調素子101は、光スイッチや光コンピュータ等の技術にも用いられる。
【0027】
図4は、比較例に係る位相変調装置の回路構成例を示している。
【0028】
位相変調装置は、光源50からの光の位相を変調する光位相変調素子101と、位相分布演算回路51と、位相変調素子駆動回路52とを備えている。
【0029】
位相分布演算回路51は、入力信号に基づいて、目的位相分布データ(位相変調信号)を生成する位相分布演算部である。目的位相分布データは、目的とする再生像60(目的再生像)を光位相変調素子101によって再生することが可能となるような位相分布を持つデータである。
【0030】
ここで、例えば、光位相変調素子101をプロジェクタにおける照明装置の一部として利用する場合、入力信号は例えば画像信号である。この場合、再生像60は照明対象物5を照明する照明像となる。照明対象物5は、例えばプロジェクタにおける強度変調液晶パネル等の光強度変調素子である。この場合、目的位相分布データは、プロジェクタで表示する画像に応じた輝度分布を持つ照明像を形成することが可能な位相分布パターンを持つデータである。
【0031】
位相変調素子駆動回路52は、位相分布演算回路51で生成された目的位相分布データに基づく印加電圧(駆動電圧)を生成し、各画素10が目的とする位相分布となるように光位相変調素子101を駆動する。
【0032】
光位相変調素子101は、位相変調素子駆動回路52によって与えられた印加電圧に基づいて光源50からの光の位相を変調する。
【0033】
[1.2 比較例に係る位相変調装置の課題と課題を解決する構成]
次に、比較例に係る位相変調装置の課題と、その課題を解決するための第1の実施の形態に係る位相変調装置の構成を説明する。なお、以下では、比較例に係る位相変調装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0034】
図5は、比較例に係る光位相変調素子101において発生する高次回折光の発生についての説明図である。
【0035】
比較例に係る光位相変調素子101では、複数の画素10が、横方向および縦方向に同一の画素ピッチ(ピクセルピッチ)pで等間隔に(一定の周期で)配列されている。このため、比較例に係る光位相変調素子101では、図5に示したように、画素ピッチをp、回折角をθ、入射する光の波長をλとすると、再生面(フーリエ変換面)では0次光のほか、以下の式の周期で高次回折光が発生する。この高次回折光は、光位相変調素子101において回折効率の低下の原因となる
Sinθ = λ/p
【0036】
図6は、比較例に係る光位相変調素子101の画素構造についての説明図である。
【0037】
比較例に係る光位相変調素子101の画素構造は、図6に示したように、くし型関数comb(x)で表される。くし型関数comb(x)のフーリエ変換した関数も、くし型関数comb(u)で表される。
【0038】
図7は、比較例に係る光位相変調素子101における画素構造を考慮しなかった場合の回折現象についての説明図である。
【0039】
図7に示したように、画素構造を考慮しなかった場合、光位相変調素子101における位相分布g(x,y)による再生像(回折像)G(μ,ν)は、位相分布g(x,y)をフーリエ変換した関数FT[g(x,y)]で表される。また、光位相変調素子101から再生面までの伝搬距離をLとすると、光位相変調素子101による回折により結像可能な範囲Dは、L(λ/2p)となる。
【0040】
図8は、比較例に係る光位相変調素子101における画素構造を考慮した場合の回折現象についての説明図である。
【0041】
図8に示したように、画素構造を考慮した場合、光位相変調素子101における分布関数は、図8の式(1)で示したように、位相分布g(x,y)と画素構造を示すくし型関数comb(x/p)・comb(y/p)との積で表される。この場合の再生像(回折像)Ga(μ,ν)は、図8の式(2)で示したように、位相分布g(x,y)をフーリエ変換した関数FT[g(x,y)]と画素構造を示すくし型関数combをフーリエ変換した関数FT[comb(x/p)・comb(y/p)]との畳み込み関数で表される。また、画素構造の回折により生じる高次回折光の周期Tは、L(λ/p)となる。
【0042】
図9は、本開示の第1の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の一構成例を示す説明図である。
【0043】
上記したような高次回折光の発生を抑制するため、本実施の形態に係る光位相変調素子1は、画素構造が高次回折光の発生を抑制する構造とされている。
【0044】
本実施の形態に係る光位相変調素子1では、図9に示したように、複数の画素10が、横方向および縦方向に非等間隔に(非周期で)配列されている。本実施の形態に係る光位相変調素子1では、隣り合う2つの画素10の画素ピッチpが互いに異なるように配列されている。なお、図9では、一例として、3つの異なる画素ピッチp1,p2,p3のみを図示している。このような構造は、例えば隣り合う画素間の幅(画素溝幅)を画素位置によって異ならせるようにすることで実現できる。この場合、画素10は、隣り合う2つの画素間の画素溝12の画素溝ピッチが変化するように配列される。これにより、画素位置によって、画素10の重心位置、または画素溝12の重心位置が変化するように画素10を配列してもよい。図9では、一例として、2つの異なる画素溝ピッチpg1,pg2のみを図示している。この場合、画素位置によって画素溝幅の重心位置が変化することで、画素ピッチpの周期性が低下し、高次回折成分が減少する。
【0045】
なお、複数の画素10は、横方向および縦方向のいずれか一方のみ、非等間隔に(非周期で)配列されていてもよい。
【0046】
図10は、第1の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造についての説明図である。
【0047】
比較例に係る光位相変調素子101の画素構造は、図10の上段に示したように、くし型関数comb(x)で表される。これに対して、本実施の形態に係る光位相変調素子1では、図10の下段に示したように、画素構造がくし型関数comb(x)とは異なる関数によって表される。
【0048】
[1.3 効果]
以上のように、本実施の形態によれば、光位相変調素子1の画素構造を高次回折光の発生を抑制する構造にしたので、光位相変調素子1における回折効率の向上を図ることが可能となる。また、高次回折光による迷光の影響を低減できる。
【0049】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。以降の他の実施の形態の効果についても同様である。
【0050】
<2.第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る位相変調装置について説明する。なお、以下では、上記第1の実施の形態に係る位相変調装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0051】
[2.1 構成]
図11は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造の一例を示している。
【0052】
光位相変調素子1は、複数の画素電極11と、画素電極11の下層に配置された、遮光層82と、信号線層83と、トランジスタ・キャパシタ領域84とを備えていてもよい。各層間は、コンタクトホール81によって互いに接続されている。
【0053】
図12は、比較例に係る光位相変調素子101の画素構造の一例を示している。
【0054】
比較例に係る光位相変調素子101では、複数の画素電極11が、横方向および縦方向に同一の画素ピッチ(ピクセルピッチ)pで等間隔に(一定の周期で)配列されている。画素電極11上のコンタクトホール81のピッチpcは、画素ピッチpとは異なるピッチとなるように配列されている。
【0055】
図13は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造の第1の例を示している。図14は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造の第2の例を示している。
【0056】
本実施の形態に係る光位相変調素子1においても、比較例に係る光位相変調素子101と同様に、複数の画素電極11が、横方向および縦方向に同一の画素ピッチ(ピクセルピッチ)pで等間隔に(一定の周期で)配列されている。また、画素電極11上のコンタクトホール81のピッチpcが、画素ピッチpと略同一のピッチとなるように配列されている。これにより、横方向および縦方向において、画素電極11の配列の周期と、コンタクトホール81の配列の周期とが略同一とされている。
【0057】
図15は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造の第3の例を示している。
【0058】
また、本実施の形態に係る光位相変調素子1は、図15に示したように、横方向および縦方向において、コンタクトホール81の配列の周期がランダムとされていてもよい。すなわち、コンタクトホール81が非周期的に配列されていてもよい。これにより、画素位置によってコンタクトホール81のピッチpcが異なっていてもよい。なお、図15では、一例として、2つの異なるピッチpc1,pc2のみを図示している。
【0059】
図16は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造と画素構造に起因する回折パターンとの一例を示している。
【0060】
図16の表の上段には、画素電極11の配列の周期と、コンタクトホール81の配列の周期とが略同一とされている場合の空間周波数成分と回折パターンとの一例を示す。図16の表の下段には、比較例として、画素電極11の配列の周期と、コンタクトホール81の配列の周期とが異なる場合の空間周波数成分と回折パターンとの一例を示す。比較例の場合、コンタクトホール81の配列の周期に起因して、短周期回折光が生じており、回折効率の低下を招く。
【0061】
図17は、第2の実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1の画素構造の第4の例を示している。
【0062】
図17には、画素電極11の下層に配置された下地電極層85を考慮した画素構造を示す。ここで、下地電極層85は、例えば図11に示した遮光層82であってもよい。
【0063】
図17に示したように、下地電極層85のピッチpdを、画素ピッチpと略同一のピッチとなるように配列することが好ましい。これにより、横方向および縦方向において、画素電極11の配列の周期と、下地電極層85の配列の周期とを略同一にすることが好ましい。これにより、下地電極層85に起因する不要な回折光を低減することができる。
【0064】
[2.2 効果]
本実施の形態によれば、コンタクトホール81の構造を考慮した画素構造にしたので、光位相変調素子1における回折効率の向上を図ることが可能となる。また、高次回折光による迷光の影響を低減できる。
【0065】
その他の構成は、上記第1の実施の形態に係る位相変調装置と略同様であってもよい。
【0066】
<3.第3の実施の形態>
次に、本開示の第3の実施の形態に係る位相変調装置について説明する。なお、以下では、上記第1または第2の実施の形態に係る位相変調装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0067】
[3.1 構成]
本実施の形態に係る位相変調装置は、光位相変調素子1の各画素10で発生した複数の高次回折光を取り込む取り込み光学系を備えた構成とされている。なお、本実施の形態に係る位相変調装置における光位相変調素子1を、上記した比較例に係る光位相変調素子101で構成してもよい。比較例に係る光位相変調素子101で構成した場合、上記したように、各画素10で複数の高次回折光が発生しやすくなる。本実施の形態では、この高次回折光を、取り込み光学系によって有効な回折光として取り込むことで、回折効率の向上を図る。
【0068】
図18は、本実施の形態に係る位相変調装置の第1の構成例を示している。
【0069】
図18では、取り込み光学系が、光位相変調素子1から出射された複数の高次回折光を反射する複数のミラー91と、複数のミラーによって反射された複数の高次回折光を取り込むフライアイレンズアレイ92とを含む構成されている。フライアイレンズアレイ92は、複数のフライアイレンズ92Aを有している。
【0070】
なお、取り込み光学系は、図18における紙面に直交する方向も略同様の構造であってもよい。
【0071】
図19は、本実施の形態に係る位相変調装置の第2の構成例を示している。
【0072】
図19では、取り込み光学系が、光位相変調素子1から出射された複数の高次回折光のそれぞれの光路長を補正する光路長補正部材としての複数のプリズム93と、複数のプリズム93によって光路長補正された複数の高次回折光を取り込むフライアイレンズアレイ92とを含む構成されている。フライアイレンズアレイ92は、複数のフライアイレンズ92Aを有している。
【0073】
図20は、本実施の形態に係る位相変調装置の第3の構成例を示している。
【0074】
図20では、本実施の形態に係る位相変調装置を、例えばプロジェクタを構成する照明光学系320と組み合わせた構成例を示している。照明光学系320は、ダイクロイックプリズム等の偏光分離素子302を介して光強度変調素子301を照明する光学系である。
【0075】
照明光学系320は、集光レンズ321を有している。照明光学系320は、ミラー等の光学素子322を有していてもよい。
【0076】
図20では、取り込み光学系として、高次光取り込み光学系310を備えている。高次光取り込み光学系310は、光位相変調素子1から出射された複数の高次回折光を取り込む一対のレンズアレイ311およびレンズアレイ312と、集光レンズ313とを有している。高次光取り込み光学系310の集光レンズ313は、照明光学系320の集光レンズ321と共に、テレセントリック光学系330の一部を構成している。
【0077】
[3.2 効果]
本実施の形態によれば、光位相変調素子1の各画素10で発生した複数の高次回折光を、取り込み光学系によって取り込むようにしたので、光位相変調素子1における回折効率の向上を図ることが可能となる。また、高次回折光による迷光の影響を低減できる。
【0078】
その他の構成は、上記第1または第2の実施の形態に係る位相変調装置と略同様であってもよい。
【0079】
<4.第4の実施の形態>
次に、本開示の第4の実施の形態について説明する。なお、以下では、上記第1ないし第3の実施の形態に係る位相変調装置の構成要素と略同じ部分については、同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0080】
本実施の形態では、光位相変調素子1の適用例を説明する。
【0081】
[4.1 プロジェクタへの適用例]
本実施の形態に係るプロジェクタは、照明装置と、照明装置からの照明光を強度変調して投影画像を生成する光強度変調素子とを含んでいる。照明装置は、光源と、光源からの光の位相を変調する位相変調装置とを含んでいる。位相変調装置は、上記第1ないし第3の実施の形態に係る位相変調装置で構成され、光位相変調素子1を含んでいる。光位相変調素子1による再生像は、プロジェクタで表示する画像に応じた輝度分布を持つ照明像として利用される。この照明像を光強度変調素子に対する照明光として利用する。
【0082】
図21は、光位相変調素子1のプロジェクタ100への第1の適用例を示している。
【0083】
この第1の適用例は、光位相変調素子1が反射型光位相変調素子111である場合の構成例である。
【0084】
プロジェクタ100は、光源装置110と、照明光学系120と、画像形成部130と、投影光学系140とを備えている。反射型光位相変調素子111は、光源装置110と、照明光学系120との間に配置されている。
【0085】
画像形成部130は、反射型偏光板31A,31B,31Cと、反射型液晶パネル32A,32B,32Cと、ダイクロイックプリズム33とを有している。反射型液晶パネル32A,32B,32Cは、光強度変調素子である。
【0086】
光源装置110は、赤色光、緑色光、および青色光を含む光を発する。光源装置110は、例えば赤色光、緑色光、および青色光を含む白色光を発する単一または複数のレーザ光源で構成されている。また、光源装置110は、それぞれ、赤色(R)光、緑色(G)光、および青色(B)光の各色光を発する各色のレーザ光源を、色ごとに1または複数、用いた構成であってもよい。
【0087】
反射型光位相変調素子111は、光源装置110からの光の位相を変調して所望の照明像(照明光)を生成する。反射型光位相変調素子111によって生成された照明光は、照明光学系120を介して、反射型液晶パネル32A,32B,32Cを照明する。
【0088】
照明光学系120は、ダイクロイックミラー24A,24Bと、反射ミラー25A,25Bと、レンズ26A,26Bと、ダイクロイックミラー27と、偏光板28A,28B,28Cとを有している。
【0089】
ダイクロイックミラー24A,24Bは、所定の波長域の光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を選択的に透過させる。例えばダイクロイックミラー24Aは、主に赤色光と緑色光とを反射ミラー25Aの方向へ反射させる。また、ダイクロイックミラー24Bは、主に青色光を反射ミラー25Bの方向へ反射させる。反射ミラー25Aは、ダイクロイックミラー24Aからの光(主に赤色光と緑色光)をレンズ26Aに向けて反射する。反射ミラー25Bは、ダイクロイックミラー24Bからの光(主に青色光)をレンズ26Bに向けて反射する。レンズ26Aは、反射ミラー25Aからの光(主に赤色光と緑色光)を透過し、ダイクロイックミラー27へ集光させる。レンズ26Bは、反射ミラー25Bからの光(主に青色光)を透過し、ダイクロイックミラー27へ集光させる。ダイクロイックミラー27は、緑色光を選択的に反射すると共にそれ以外の波長域の光を選択的に透過する。ダイクロイックミラー27は、例えば赤色光成分を透過し、緑色光成分を偏光板28Cへ向けて反射する。偏光板28A,28B,28Cは、所定方向の偏光軸を有する偏光子を含んでいる。偏光板28A,28B,28Cは、例えばP偏光の光を透過し、S偏光の光を反射する。
【0090】
反射型偏光板31A,31B,31Cは、それぞれ、偏光板28A,28B,28Cからの偏光光の偏光軸と同じ偏光軸の光(例えばP偏光)を透過し、それ以外の偏光軸の光(S偏光)を反射する。具体的には、反射型偏光板31Aは、偏光板28AからのP偏光の赤色光を反射型液晶パネル32Aの方向へ透過させる。反射型偏光板31Bは、偏光板28BからのP偏光の青色光を反射型液晶パネル32Bの方向へ透過させる。反射型偏光板31Cは、偏光板28CからのP偏光の緑色光を反射型液晶パネル32Cの方向へ透過させる。さらに、反射型偏光板31Aは、反射型液晶パネル32AからのS偏光の赤色光を反射してダイクロイックプリズム33に入射させる。反射型偏光板31Bは、反射型液晶パネル32BからのS偏光の青色光を反射してダイクロイックプリズム33に入射させる。反射型偏光板31Cは、反射型液晶パネル32CからのS偏光の緑色光を反射してダイクロイックプリズム33に入射させる。
【0091】
反射型液晶パネル32A,32B,32Cは、それぞれ、赤色光、青色光または緑色光の強度変調を行う。
【0092】
ダイクロイックプリズム33は、反射型液晶パネル32A,32B,32Cによって強度変調された赤色光、青色光および緑色光を合成し、投影画像として投影光学系140へ向けて出射する。
【0093】
投影光学系140は、レンズL41,L42,L43,L44を有する。投光学系140は、画像形成部130によって生成された投影画像を拡大して図示しないスクリーン等の投影面に投影する。なお、投影光学系140のレンズ枚数やレンズ構成は、図示した構成に限らず、他のレンズ枚数やレンズ構成を取り得る。また、光路中に反射ミラーや光学フィルタ等、他の光学素子を含んでもよい。
【0094】
図22は、光位相変調素子1のプロジェクタ100への第2の適用例を示している。
【0095】
この第2の適用例は、光位相変調素子1が透過型光位相変調素子112である場合の構成例である。
【0096】
透過型光位相変調素子112は、光源装置110と、照明光学系120との間に配置されている。
【0097】
その他の構成は、図21の第1の適用例と同様である。
【0098】
[4.2 各種光学素子への適用例]
図23は、光位相変調素子1の各種光学素子への適用例を示している。
【0099】
図23に示したように、各種光学素子として、凸レンズ、凹レンズ、レンズアレイ、フレネルレンズ、および自由曲面レンズ等の各種レンズが知られている。これらのレンズでは、レンズ材料の厚みを変えることで、光路長を変化させている。光位相変調素子1では、素子内の屈折率分布を変えることで、光路長を変化させることができる。これにより、各種レンズと同等の光学特性を得ることができる。
【0100】
図24は、ブレーズド回折格子201の一例を示している。
【0101】
ブレーズド回折格子201は、断面形状が鋸歯状の回折格子となっている。ブレーズド回折格子201は、回折ピッチをpa、回折角をθ、入射する光の波長をλとすると以下の式が成り立つ。
sinθ≦λ/2pa
【0102】
図25は、光位相変調素子1のブレーズド回折格子201への適用例を示している。
【0103】
図1図3にも示したように、光位相変調素子1は、各画素10ごとに光源からの光の位相を変調して素子内の屈折率分布を変えることで、回折格子として用いることができる。図25に示したように、光位相変調素子1の画素ピッチはpであるが、複数の画素10の屈折率分布を鋸歯状にすることで、回折ピッチpaのブレーズド回折格子201と同等の光学特性を得ることができる。
【0104】
[4.3 光スイッチへの適用例]
図26は、光位相変調素子1の光スイッチへの適用例を示している。
【0105】
光スイッチは、光ファイバ210と、回折格子221と、複数の光ファイバ211,212,213とを備えている。回折格子221と、複数の光ファイバ211,212,213との間に光位相変調素子1を配置する。また、さらに回折格子221に代えて光位相変調素子1を配置した構成であってもよい。
【0106】
この光スイッチでは、異なるキャリア波長(λ1、λ2、λ3)の信号を光ファイバ210に入力して伝送する。回折格子221は、光ファイバ210によって伝送された各キャリア波長の信号が、波長ごとに光位相変調素子1の異なる位置に入力されるように信号を分離する。光位相変調素子1に入力された各キャリア波長の信号は、複数の光ファイバ211,212,213のうち、所望の光ファイバに振り分けられる。
【0107】
[4.4 光コンピュータへの適用例]
図27は、光位相変調素子1の光コンピュータへの適用例を示している。
【0108】
この光コンピュータは、それぞれが光位相変調素子1で構成された複数の光位相変調素子1A,1B,1C,1Dを備えている。
【0109】
入射した光を光位相変調素子1Aによって位相変調することにより、信号Aに基づく信号A(x,y)を生成する。次に、光位相変調素子1Bによって、信号A(x,y)をフーリエ変換した信号FT(A)を得る。次に、光位相変調素子1Cによって、信号Bとのコンボリューション信号FT(A)*FT(B)を得る。次に、光位相変調素子1Dによって、信号FT(A)*FT(B)を逆フーリエ変換することにより、信号A(x,y)と信号B(x,y)との積A(x,y)×B(x,y)を得る。
【0110】
<5.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記各実施の形態の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0111】
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
(1)
高次回折光の発生を抑制する画素構造とされた複数の画素を有し、前記画素ごとに光の位相を変調する光位相変調素子
を備える
位相変調装置。
(2)
前記複数の画素は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列され、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、隣り合う2つの画素間の画素溝のピッチが変化するように配列されている
上記(1)に記載の位相変調装置。
(3)
前記複数の画素は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列され、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、画素の重心位置、または隣り合う2つの画素間の画素溝の重心位置が変化するように配列されている
上記(1)に記載の位相変調装置。
(4)
前記複数の画素は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列され、
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記画素電極の配列の周期と、前記コンタクトホールの配列の周期とが略同一とされている
上記(1)に記載の位相変調装置。
(5)
前記複数の画素は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列され、
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極に接続されたコンタクトホールとを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記コンタクトホールが非周期的に配列されている
上記(1)に記載の位相変調装置。
(6)
前記複数の画素は、第1の方向および第2の方向にマトリクス状に配列され、
前記各画素は、画素電極と、前記画素電極の下層に配置された下地電極層とを含み、
前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向において、前記画素電極の配列の周期と、前記下地電極層の配列の周期とが略同一とされている
上記(1)または(4)に記載の位相変調装置。
(7)
複数の画素を有し、前記画素ごとに光の位相を変調する光位相変調素子と、
前記各画素で発生した複数の高次回折光を取り込む取り込み光学系と
を備える
位相変調装置。
(8)
前記取り込み光学系は、
前記光位相変調素子から出射された前記複数の高次回折光を反射するミラーと、
前記ミラーによって、反射された前記複数の高次回折光を取り込むレンズアレイと
を含む
上記(7)に記載の位相変調装置。
(9)
前記取り込み光学系は、
前記光位相変調素子から出射された前記複数の高次回折光のそれぞれの光路長を補正する複数の光路長補正部材と、
レンズアレイと
を含む
上記(7)に記載の位相変調装置。
(10)
前記取り込み光学系は、
前記光位相変調素子から出射された前記複数の高次回折光を取り込むレンズアレイと、
テレセントリック光学系の一部を構成する集光レンズと
を含む
上記(7)に記載の位相変調装置。
(11)
光源と、
高次回折光の発生を抑制する画素構造とされた複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と
を備える
照明装置。
(12)
光源と、
複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と、
前記各画素で発生した複数の高次回折光を取り込む取り込み光学系と
を備える
照明装置。
(13)
照明装置と、
前記照明装置からの照明光を強度変調して投影画像を生成する光強度変調素子と
を含み、
前記照明装置は、
光源と、
高次回折光の発生を抑制する画素構造とされた複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と
を備える
プロジェクタ。
(14)
照明装置と、
前記照明装置からの照明光を強度変調して投影画像を生成する光強度変調素子と
を含み、
前記照明装置は、
光源と、
複数の画素を有し、前記画素ごとに前記光源からの光の位相を変調する光位相変調素子と、
前記各画素で発生した複数の高次回折光を取り込む取り込み光学系と
を備える
プロジェクタ。
【0112】
本出願は、日本国特許庁において2017年8月7日に出願された日本特許出願番号第2017-152623号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0113】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
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