(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】頭部装着型ディスプレーのための取外し可能レンズ組立体
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20220922BHJP
G02C 3/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02C3/00
(21)【出願番号】P 2020505877
(86)(22)【出願日】2018-08-07
(86)【国際出願番号】 US2018045658
(87)【国際公開番号】W WO2019032611
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】チョアン, ブライアン ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】テンペル, マーク アラン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205003374(CN,U)
【文献】特開2011-145488(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0253574(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0366399(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0217613(US,A1)
【文献】国際公開第2013/076994(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205880375(CN,U)
【文献】中国実用新案第205608273(CN,U)
【文献】中国実用新案第205826964(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
G02C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部装着型ディスプレー(HMD)であって、
使用者の目のうちの一方に画像を表示するように構成されたアイコーンであって、前記HMDの後部に向かって延在する周壁を含むアイコーンと、
レンズ組立体と、
を備え、前記レンズ組立体が、
前記使用者の
目の視覚異常を補正するように構成された補正レンズであって、
前面、
後面、および、
前記前面と前記後面とを接続する側面
を含む補正レンズと、
前記
HMDのボディに取り付くように構成されたフレームであって、
前記補正レンズが取り付けられる内表面、および、
前記フレームの前方部分において延在し、かつ、前記レンズ組立体を前記HMDの
前記アイコーンに取外し可能に固定するために
当該アイコーンにおける
前記周壁を受け入れるように構成された壁
を含むフレームと、
を備
え、
前記壁の内表面が、前記アイコーンの前記周壁の外表面上の複数のノッチ内に受け入れられるように構成された複数の突出部を含む、HMD。
【請求項2】
前記使用者の目のうちの別の目に画像を表示するように構成された別のアイコーンであって、前記HMDの後部に向かって延在する別の周壁を含むアイコーン
をさらに備え、前記レンズ組立体が、前記アイコーンの前記周壁を受け入れるが前記別のアイコーンの前記別の周壁は受け入れない形状となされる、請求項
1に記載のHMD。
【請求項3】
前記別のアイコーンの前記別の周壁に取外し可能に取り付けられた別のレンズ組立体
をさらに備える、請求項
2に記載のHMD。
【請求項4】
前記アイコーンが、光学レンズを含む、請求項
1に記載のHMD。
【請求項5】
前記レンズ組立体が前記HMDの前記ボディに固定され
たときに、
前記アイコーンの前記
光学レンズが、前記
補正レンズと比較して前記使用者
の目からさらに離れて配置される、請求項
4に記載のHMD。
【請求項6】
前記補正レンズが、前記フレームに固定される、請求項
1に記載のHMD。
【請求項7】
前記補正レンズが、接着剤により前記フレームに取り付けられる、請求項
1に記載のHMD。
【請求項8】
前記補正レンズが、前記光学レンズの
内表面の汚染を防ぐようにさらに構成される、請求項
5に記載のHMD。
【請求項9】
レンズ組立体であって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の頭部装着型ディスプレー(HMD)の使用者の目の視覚異常を補正するように構成された補正レンズであって、
前面、
後面、および、
前記前面と前記後面とを接続する側面
を含む補正レンズと、
前記HMDのボディに取り付くように構成されたフレームであって、
前記補正レンズが取り付けられる内表面、および、
前記フレームの前方部分において延在し、かつ、前記レンズ組立体を前記HMDの
アイコーンに取外し可能に固定するために
当該アイコーンにおける周壁を受け入れるように構成された壁
を含むフレームと、
を備
え、
前記壁の内表面が、前記アイコーンの前記周壁の外表面上の複数のノッチ内に受け入れられるように構成された複数の突出部を備える、レンズ組立体。
【請求項10】
前記補正レンズが、前記フレームに固定され
る、請求項
9に記載のレンズ組立体。
【請求項11】
前記補正レンズが、接着剤により前記フレームに固定される、請求項9に記載のレンズ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、頭部装着型ディスプレー(HMD)に関し、具体的には、HMD内に取外し可能に挿入され得るレンズ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実(VR)または拡張現実(AR)用途のためのHMDの使用は、ますます一般的になってきた。しかし、HMDの多くの使用者は、視覚異常(vision error)を有しており、現在市販されているHMDは、そのような使用者のための度付き眼鏡を装着する必要性に対応していない。一部の使用者は、HMDを使用しているときにコンタクトレンズを装着することを選択するが、これは、使用者のHMD体験を損なう。一部の使用者は、HMDの内側で使用者らの度付き眼鏡を装着することを選ぶ。しかし、HMDは、常に使用者の度付き眼鏡のための十分な空間を有する訳ではない。使用者が装着する度付き眼鏡を収容するためにHMDの前部組立体と使用者の顔との間に十分な空間を有するようにHMDを設計することは、可能である。しかし、そのような設計は、HMDのサイズを大きくするであろうし、度付き眼鏡を装着することを必要とする使用者の体験を損なう恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
実施形態は、HMDの使用者の1つまたは複数の視覚異常を補正するための取外し可能レンズ組立体に関する。取外し可能レンズ組立体は、HMDの対応するアイコーン(eye cone)に取外し可能に取り付けられ得る。例えば、取外し可能レンズ組立体は、視覚異常補正が必要とされるときにアイコーンに取り付けられて、視覚異常補正が必要とされないときまたは異なる度付きレンズを使用するためにアイコーンから分離されてもよい。
【0004】
いくつかの実施形態では、取外し可能レンズ組立体は、補正レンズおよびフレームを含む。補正レンズは、使用者の目の1つまたは複数の視覚異常を補正する。いくつかの実施形態では、補正レンズは、眼科医または検眼医によって処方された度付きレンズである。補正レンズは、フレーム上に取り付けられ得る。フレームは、アイコーンの周壁が取外し可能に取り付けられる壁を、フレームの前方部分に含む。
【0005】
HMDは、使用者の両目のために2つのアイコーンを有することができ、アイコーンのそれぞれは、別々の取外し可能レンズ組立体を受け入れる。いくつかの実施形態では、2つのアイコーンは、対称である。2つの取外し可能レンズ組立体の補正レンズは、使用者の2つの目で異なる視覚異常を補正するために、異なっていてもよい。
【0006】
本発明による実施形態は、レンズ組立体および頭部装着型ディスプレー(HMD)を対象とする添付の特許請求の範囲において特に開示され、特許請求の範囲では、例えばレンズ組立体といった1つの請求カテゴリにおいて言及される任意の特徴は、例えばHMD、システム、方法、記憶媒体、およびコンピュータプログラム製品といった別の請求カテゴリにおいても特許請求され得る。添付の特許請求の範囲における従属関係または遡っての参照は、形式的な理由のためにのみ選択される。しかし、任意の先の請求項(特に、多重の従属関係)への遡っての意図的な参照からもたらされる任意の主題は同様に特許請求され得るので、請求項およびその特徴の任意の組合わせが添付の特許請求の範囲において選択された従属関係にかかわらず開示され、特許請求され得る。特許請求され得る主題は、添付の特許請求の範囲に記載される特徴の組合わせだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組合わせをも含み、この場合、特許請求の範囲において言及される各特徴は、特許請求の範囲における任意の他の特徴または他の特徴の組合わせと組み合わせられ得る。さらに、本明細書において説明または叙述される実施形態および特徴のいずれかは、別の請求項において特許請求され、かつ/または、本明細書において説明もしくは叙述される任意の実施形態もしくは特徴との任意の組合わせで、または、添付の特許請求の範囲の特徴のいずれかとの組合わせで、特許請求され得る。
【0007】
本発明による一実施形態では、レンズ組立体が、頭部装着型ディスプレー(HMD)の使用者の目の視覚異常を補正するように構成された補正レンズであって、
前面、
後面、および、
前面と後面とを接続する側面
を含む補正レンズと、
HMDのボディに取り付くように構成されたフレームであって、
補正レンズが取り付けられる内表面、および、
フレームの前方部分において延在し、かつ、レンズ組立体をHMDのボディに取外し可能に固定するためにHMDのボディの後側における周壁を受け入れるように構成された壁
を含むフレームと、
を備え得る。
【0008】
壁は、周壁内の複数のノッチに受け入れられる複数の突出部を備え得る。
【0009】
周壁は、HMDの表示デバイスに取り付けられるアイコーンの一部であり得る。
【0010】
アイコーンは、光学レンズを含み得る。
【0011】
レンズ組立体がHMDのボディに固定されるときに、補正レンズは、アイコーンの光学レンズと比較して使用者の目からさらに離れて配置され得る。
【0012】
補正レンズは、フレームに固定され得る。
【0013】
補正レンズは、接着剤によりフレームに固定され得る。
【0014】
補正レンズは、アイコーンの光学レンズの前面の汚染を防ぐように構成され得る。
【0015】
本発明による一実施形態では、頭部装着型ディスプレー(HMD)が、
使用者の目のうちの一方に画像を表示するように構成されたアイコーンであって、HMDの後部に向かって延在する周壁を含むアイコーンと、
周壁に取外し可能に取り付けられるレンズ組立体と、
を備えることができ、レンズ組立体は、
使用者の目のうちの一方の目の視覚異常を補正するように構成された補正レンズであって、
前面、
後面、および、
前面と後面とを接続する側面
を含む補正レンズと、
周壁に取り付くように構成されたフレームであって、
補正レンズが取り付けられる内表面、および、
フレームの前方部分において延在し、かつ、レンズ組立体をHMDに取外し可能に固定するためにHMDのボディの後側における周壁を受け入れるように構成された壁
を含むフレームと、
を備える。
【0016】
本発明による一実施形態では、HMDが、
使用者の目のうちの別の目に画像を表示するように構成された別のアイコーンであって、HMDの後部に向かって延在する別の周壁を含むアイコーン
を備えることができ、レンズ組立体は、アイコーンの周壁を受け入れるが該別のアイコーンの該別の周壁は受け入れない形状となされる。
【0017】
本発明による一実施形態では、HMDが、
該別のアイコーンの該別の周壁に取外し可能に取り付けられた別のレンズ組立体
を備え得る。
【0018】
フレームの壁は、アイコーンの周壁内の複数のノッチに受け入れられる複数の突出部を備え得る。
【0019】
アイコーンは、光学レンズを含み得る。
【0020】
レンズ組立体がHMDのボディに固定されるときに、補正レンズは、アイコーンの光学レンズと比較して使用者の目からさらに離れて配置され得る。
【0021】
補正レンズは、フレームに固定され得る。
【0022】
補正レンズは、接着剤によりフレームに取り付けられ得る。
【0023】
補正レンズは、光学レンズの前面の汚染を防ぐように構成され得る。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、コンピュータによって読取り可能な1つまたは複数の非一過性の記憶媒体が、本発明または上述の実施形態のいずれかによるシステムにおいて機能するように実行されたときに動作可能であるソフトウェアを具現化する。
【0025】
本発明のさらなる実施形態では、コンピュータによって実施される方法が、本発明または上述の実施形態のいずれかによるシステムを使用する。
【0026】
本発明のさらなる実施形態では、好ましくはコンピュータによって読取り可能な非一過性の記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品が、本発明または上述の実施形態のいずれかによるシステムにおいて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施形態による、取外し可能レンズ組立体の対を含むHMDの斜視図である。
【
図2】一実施形態による、HMDから分離された取外し可能レンズ組立体のうちの1つを示す、HMDの別の斜視図である。
【
図3A】一実施形態による、アイコーンを含むHMDの一部分を示す斜視図である。
【
図3B】一実施形態による、アイコーンの側面図である。
【
図4】一実施形態による、取外し可能レンズ組立体の構成要素を示す分解組立図である。
【
図5A】一実施形態による、取外し可能レンズ組立体の後面斜視図である。
【
図5B】一実施形態による、補正レンズがフレームから取り外された取外し可能レンズ組立体の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図は、例示のみを目的として、本開示の実施形態を示す。
【0029】
実施形態は、頭部装着型ディスプレー(HMD)で使用するための取外し可能レンズ組立体に関する。取外し可能レンズ組立体は、補正レンズおよびフレームを含む。補正レンズは、HMDの使用者の目の視覚異常を補正する。補正レンズは、フレームの片側に取り付けられ得る。取外し可能レンズ組立体は、フレームの1つまたは複数の突出部およびアイコーンの1つまたは複数のノッチを通じて、HMDのアイコーンに取外し可能に取り付けられ得る。
【0030】
図1は、一実施形態による、取外し可能レンズ組立体110Aおよび110Bの対を含むHMD100の斜視図である。
図1の実施形態では、HMD100は、前部剛性ボディ120および頭部ストラップ130をさらに含む。頭部ストラップ130は、いくつかの実施形態では、調節可能な長さを有する。HMD100の前部剛性ボディ120と頭部ストラップ130との間には、使用者がHMD100を使用者の頭部に装着することを可能にするのに十分な空間が存在する。他の実施形態では、HMD100は、追加の構成要素、より少数の構成要素、または異なる構成要素を含み得る。例えば、HMD100は、頭部ストラップ130の代わりに、眼鏡テンプルおよびテンプル先端を含む。
【0031】
HMD100は、コンピュータによって生成された要素とともに物理的な現実世界の環境の仮想のかつ/または拡張された視界を含むメディアを使用者に提示する、頭部装着型ディスプレーである。HMD100によって提示されるメディアの例には、画像(例えば、2Dまたは3Dの画像)、映像(例えば、2Dまたは3Dの映像)、音声、またはそれらのいくつかの組合わせが含まれる。画像および映像は、HMD100の前部剛性ボディ120内に封入された電子ディスプレーを使用することにより、使用者の目のそれぞれに提示され得る。
【0032】
HMD100は、例えば、VRシステム、ARシステム、MR(複合現実)システム、またはそれらのいくつかの組合わせの一部であってもよい。ARシステムおよび/またはMRシステムを説明する実施形態では、HMD100の前側と使用者の目との間に位置するHMD100の部分は、少なくとも部分的に透明(例えば、部分的に透明な電子ディスプレー)である。
【0033】
HMD100は、2つのアイコーン210(
図2に示される)を有し、一方のアイコーン210は、前部剛性ボディ120によって生成された画像を使用者の左目に向けるためのものであり、もう一方のアイコーン210は、前部剛性ボディ120による画像を使用者の右目に向けるためのものである。アイコーン210は、光学レンズ213(
図2に示される)を含む。光学レンズ213は、アパーチャ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、フィルタ、または電子ディスプレーから放射された画像光に影響を及ぼす任意の他の適切な光学素子などの、光学素子である。さらに、光学レンズ213は、様々な光学素子の組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、光学レンズ213内の光学素子のうちの1つまたは複数が、部分反射体もしくは反射防止被覆などの1つまたは複数の被覆を有し得る。
【0034】
光学レンズ213は、対応する電子ディスプレーから受け取った光を拡大してもよい。光学レンズ213による画像光の拡大は、HMD100の電子ディスプレーが、より大きいディスプレーよりも物理的に小さくなり、重量が軽くなり、かつ、電力消費が少なくなることを可能にする。さらに、拡大は、表示されるメディアの視野を大きくすることができる。例えば、表示されるメディアの視野は、表示されるメディアが使用者の視界のほぼ全体(例えば、対角画角110°)を、また場合により使用者の瞬時視野角全体をカバーするように提示されるような視野である。いくつかの実施形態では、光学レンズ213の有効焦点距離は、電子ディスプレーまでの間隔よりも大きい。したがって、光学レンズ213は、電子ディスプレーによって投影された画像光を拡大する。さらに、いくつかの実施形態では、拡大の程度は、光学素子を追加または除去することによって調節され得る。
【0035】
光学レンズ213は、1つまたは複数のタイプの光学誤差を補正するように設計され得る。光学誤差の例には、2次元的な光学誤差、3次元的な光学誤差、またはそれらのいくつかの組合わせが含まれる。2次元的な誤差は、2次元で生じる光学収差である。2次元的な誤差のタイプの例には、樽形歪み、糸巻き形歪み、縦色収差、横色収差、または任意の他のタイプの2次元的な光学誤差が含まれる。3次元的な誤差は、3次元で生じる光学誤差である。3次元的な誤差のタイプの例には、球面収差、色収差、像面湾曲、非点収差、または任意の他のタイプの3次元的な光学誤差が含まれる。いくつかの実施形態では、表示するために電子ディスプレーに提供されるコンテンツは、予め歪められ、光学レンズは、コンテンツに基づいて生成された電子ディスプレーからの画像光を受け取るときに、歪みを補正する。いくつかの実施形態では、アイコーン210はまた、光学レンズ213をアイコーン210と係合させるために、表面上にリングを含む。リングは、接着性を有する。リングおよび光学レンズ213の両方が、アイコーン210に恒久的に取り付けられ得る。
【0036】
取外し可能レンズ組立体110は、例えば突出部およびノッチを含む機械的な機構を使用して、HMD100のアイコーン210に取外し可能に取り付けられ得る。例えば、突出部がノッチ内に嵌まり込むときに、取外し可能レンズ組立体110が、対応するアイコーン210上に取り付けられる。また、取外し可能レンズ組立体110は、取外し可能レンズ組立体110をアイコーン210から引っ張ることによりアイコーンから分離されてもよい。
【0037】
取外し可能レンズ組立体110は、補正された画像を、使用者の対応する目に提示する。取外し可能レンズ組立体110が、使用者の目における屈折異常を補正する補正レンズを含む。補正レンズはまた、対応する光学レンズの表面を塵または水分が汚染するのを防ぐことができる。
【0038】
取外し可能レンズ組立体110は、
図4に関連して以下で詳細に説明されるように、補正レンズを保持するフレームをさらに含む。2つの取外し可能レンズ組立体110の補正レンズは、例えば、使用者の両目の異なる屈折異常に起因して、または、3次元的な効果をもたらす目的のために、異なる構成を有し得る。取外し可能レンズ組立体110のこれらの構成要素に関するさらなる詳細は、
図4と併せて説明される。
【0039】
図2は、一実施形態による、HMD100から分離された取外し可能レンズ組立体110のうちの一方を示す、HMD100の別の斜視図である。頭部ストラップ130を含む種々の構成要素は、理解を容易にするために、
図2では示されていない。
図2に示されるように、取外し可能レンズ組立体110Aは、その対応するアイコーン210Aから分離されている。したがって、光学レンズ213Aは目に見える。いくつかの実施形態では、光学レンズ213Aの背後のHMD100の構成要素は、HMD100の使用者の左目のための電子ディスプレーである。
【0040】
図3Aは、一実施形態による、アイコーン210Aを含むHMD100の一部分を示す斜視図である。アイコーン210Aは、HMD100の使用者の左目のためのものであり、かつ、取外し可能レンズ組立体110Aを受け入れることができる。
図3Aには示されていないが、HMD100は、HMD100の使用者の右目のためのものでありかつ取外し可能レンズ組立体110Bを受け入れる、別のアイコーン210Bを含む。1つの実施形態では、アイコーン210Bは、一方のアイコーンのための取外し可能レンズ組立体が他方のアイコーンには嵌まらないように、アイコーン210Aと対称的であるが形状が異なり得る。
【0041】
アイコーン210Aは、光学レンズ213Aと、剛性および強度を提供するための複数のリブ217を有する周壁215とを含む。
図3Aは、周壁215の右側上の3つのリブ217を示しているけれども、アイコーン210Aは、例えば周壁215の左側上により多くのリブ217を有することができる。
【0042】
図3Bは、1つの実施形態による、アイコーン210Aの側面図である。アイコーン210Aは、そこから周壁215が延在する、円錐形ボディ333を有する。周壁215の外表面上には、取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210Aに固定するために、少なくとも1つのノッチ343が形成される。
図3Bには1つのノッチ343のみが示されているが、複数のノッチ343が、周壁215の周りに形成され得る。取外し可能レンズ組立体110Aの内表面上に形成された1つまたは複数の突出部510(
図5に示される)が、1つまたは複数のノッチ343に嵌まり込んで、取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210A上に固定する。使用者は、取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210Aに向かって押して取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210Aに取り付けるか、または、取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210Aから引っ張って取外し可能レンズ組立体110Aをアイコーン210Aから分離することができる。
【0043】
図4は、一実施形態による、取外し可能レンズ組立体110の構成要素を示す分解組立図である。
図4に示されるように、取外し可能レンズ組立体110は、補正レンズ410およびフレーム420を含む。
【0044】
補正レンズ410は、HMD100の使用者の目の視覚における屈折異常を補正する。例えば、補正レンズ410は、眼科医または検眼医によって処方され、かつ、眼科医または検眼医によって決定された能力を有する。補正レンズ410は、近視、遠視、乱視、老眼、他のタイプの視覚における異常、またはそれらの任意の組合わせに対処することができる。補正レンズ410の例には、単焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、可変焦点レンズ、等が含まれる。補正レンズ410は、前面413、後面517(
図5Bに示される)、および、前面413と後面とを接続する側面415を有する。
【0045】
補正レンズ410はまた、塵または水分が光学レンズ213の内表面を汚染するのを防ぐ。補正レンズ410はまた、光の偏光、拡大、または屈折などの、さらなる光学的機能を果たし得る。いくつかの実施形態では、補正レンズ410内の光学素子のうちの1つまたは複数は、部分反射体もしくは反射防止被覆などの1つまたは複数の被覆を有し得る。補正レンズ410はまた、1つまた複数のタイプの光学的な誤差を補正し得る。
【0046】
フレーム420は、その前方部分において補正レンズ410を保持する。
図4の実施形態では、取外し可能レンズ組立体110がHMD100の対応するアイコーン210上に取り付けられると、補正レンズ410は、使用者の目からより近くなり、アイコーン210の光学レンズ213は、使用者の目に対してより遠くなる。いくつかの代替的な実施形態では、補正レンズ410は、使用者の目に対してより遠くなり得るが、光学レンズ213は、使用者の目からより近くなり得る。
【0047】
フレーム420は、フレーム420を取り囲む壁428をその前方部分にさらに含む。アイコーン210の周壁215は、壁428の内表面を通して挿入される。壁428の内表面は、周壁215の表面上に形成された1つまたは複数のノッチ343に嵌まり込む1つまたは複数の突出部510(
図5Aおよび5Bに示される)を有して形成される。ノッチ343と突出部510の組合わせは、取外し可能レンズ組立体110をアイコーン210上にロックする。しかし、取外し可能レンズ組立体110は、十分な力でフレーム420をアイコーン210から引っ張り出すことによりアイコーン210から分離されてもよい。
【0048】
図5Aは、1つの実施形態による、取外し可能レンズ組立体110の後面斜視図である。アイコーン210の周壁215は、壁428の内表面から突出している突出部510が周壁215の外表面上に形成されたノッチ343に嵌まり込むように、壁428の内表面内に挿入される。他の実施形態では、アイコーン210の周壁215は、取外し可能レンズ組立体110がノッチを有して形成されるのに反して、突出部を有して形成され得る。
【0049】
図5Bは、一実施形態による、補正レンズ410がフレーム420から取り外された取外し可能レンズ組立体110の分解組立図である。補正レンズ410の側面415は、フレーム420の内表面515に固定される。補正レンズ410は、例えば接着剤により、フレーム420に固定され得る。しかし、ねじまたはラッチなどの他の固定機構もまた、補正レンズ410をフレーム420に固定するために使用され得る。
【0050】
本開示の実施形態に関する上記の説明は、例示の目的のために提示された。網羅的であること、または、開示された厳密な形態に本開示を限定することは、意図されていない。