(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】タッチデバイス及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220922BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 660
G06F3/041 495
G06F3/041 650
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 338
(21)【出願番号】P 2021040158
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】202110141839.7
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518382946
【氏名又は名称】業成科技(成都)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】518382957
【氏名又は名称】業成光電(深▲ゼン▼)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521106407
【氏名又は名称】業成光電(無錫)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】518382968
【氏名又は名称】英特盛科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 漢龍
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032106(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025680(WO,A1)
【文献】特開2013-246741(JP,A)
【文献】特開2014-096061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/041-3/047
G09F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間及び開口を有し、前記開口は前記収容空間につながっているハウジングと、
前記収容空間内に設置されるタッチセンサーであって、前記収容空間内に設置されるとともに前記ハウジングの形状と相互に対応する基板、前記基板上に設置される複数の第1金属パッド、及び前記基板上に設置されるとともに前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するセンサー層を含むタッチセンサーと、
前記ハウジングの前記開口に近接する位置に設置され、かつ前記収容空間に面するとともに前記複数の第1金属パッドにそれぞれ電気的に接続する複数の第2金属パッドを備える回路基板と、
前記第1金属パッド及び前記第2金属パッドに接続するコネクターと、
を含
み、
前記コネクターは複数の導電シリコンストリップ及び複数の絶縁シリコンストリップを含み、前記複数の導電シリコンストリップと前記複数の絶縁シリコンストリップは交互に配列される、タッチデバイス。
【請求項2】
各前記第1金属パッド又は各前記第2金属パッドは少なくとも3つの前記導電シリコンストリップに接続する、請求項
1に記載のタッチデバイス。
【請求項3】
収容空間及び開口を有し、前記開口は前記収容空間につながっているハウジングと、
前記収容空間内に設置されるタッチセンサーであって、前記収容空間内に設置されるとともに前記ハウジングの形状と相互に対応する基板、前記基板上に設置される複数の第1金属パッド、及び前記基板上に設置されるとともに前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するセンサー層を含むタッチセンサーと、
前記ハウジングの前記開口に近接する位置に設置され、かつ前記収容空間に面するとともに前記複数の第1金属パッドにそれぞれ電気的に接続する複数の第2金属パッドを備える回路基板と、
前記第1金属パッド及び前記第2金属パッドに接続するコネクターと、
を含み、
前記コネクターを前記ハウジングの内側に固定する固定フレームをさらに含み、前記コネクターは前記固定フレームと前記ハウジングの間に挟まれて設けられる
、タッチデバイス。
【請求項4】
前記固定フレームの上に設置される、又は前記固定フレームの係合溝に嵌め込まれるディスプレイをさらに含む、請求項
3に記載のタッチデバイス。
【請求項5】
前記ハウジングに接続されるとともに前記開口を覆う下蓋をさらに含み、前記回路基板は前記下蓋の上に固定される、請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項6】
前記センサー層は透明導電膜を含み、前記透明導電膜は前記複数の第1金属パッドに接続される複数の透明導線を備える、請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項7】
前記複数の透明導線の材料はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン
)である請求項
6に記載のタッチデバイス。
【請求項8】
前記センサー層は
前記複数の第1金属パッドの一部に接続する複数の第1透明導線を備える第1透明導電膜と、
前記複数の第1金属パッドの残りの部分に接続する複数の第2透明導線を備える第2透明導電膜と、
前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜の間にある絶縁層と、
を含む、請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項9】
前記複数の第1透明導線及び前記複数の第2透明導線の材料はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン
)である、請求項
8に記載のタッチデバイス。
【請求項10】
収容空間及び開口を有し、前記開口は前記収容空間につながっているハウジングと、
前記収容空間内に設置されるタッチセンサーであって、前記収容空間内に設置されるとともに前記ハウジングの形状と相互に対応する基板、前記基板上に設置される複数の第1金属パッド、及び前記基板上に設置されるとともに前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するセンサー層を含むタッチセンサーと、
前記ハウジングの前記開口に近接する位置に設置され、かつ前記収容空間に面するとともに前記複数の第1金属パッドにそれぞれ電気的に接続する複数の第2金属パッドを備える回路基板と、
を含み、
前記センサー層は、
前記複数の第1金属パッドの一部に接続する複数の第1透明導線を備える第1透明導電膜と、
前記複数の第1金属パッドの残りの部分に接続する複数の第2透明導線を備える第2透明導電膜と、
前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜の間にある絶縁層と、
を含み、
前記絶縁層は光学接着剤である
、タッチデバイス。
【請求項11】
前記基板の材料はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートである、請求項1に記載のタッチデバイス。
【請求項12】
基板の上に複数の第1金属パッド及びセンサー層を形成してタッチセンサーを製作し、前記センサー層を前記複数の第1金属パッドに接続するステップと、
前記タッチセンサーをモールドの中に載置して熱プレス成形を行うことにより、立体的なタッチセンサーを製作し、前記複数の第1金属パッドを前記立体的なタッチセンサーの内側に位置させるステップと、
射出成形方式により前記立体的なタッチセンサーの外側に立体的なハウジングを形成するステップと、
回路基板の複数の第2金属パッドを個々に前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するステップと、
を含むタッチデバイスの製造方法。
【請求項13】
前記複数の第2金属パッドを個々に前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するステップは、コネクターを利用して前記第1金属パッドと前記第2金属パッドを接続することを含む、請求項
12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記コネクターは複数の導電シリコンストリップ及び複数の絶縁シリコンストリップを含み、前記複数の導電シリコンストリップと前記複数の絶縁シリコンストリップを交互に配列する、請求項
13に記載の製造方法。
【請求項15】
各前記第1金属パッド又は各前記第2金属パッドを少なくとも3つの前記導電シリコンストリップに接続することをさらに含む、請求項
14に記載の製造方法。
【請求項16】
固定フレームを使用して前記コネクターを前記立体的なタッチセンサーの内側に固定し、前記コネクターは前記複数の第1金属パッドに接続することをさらに含む、請求項
13に記載の製造方法。
【請求項17】
前記固定フレームの上にディスプレイを設置すること、又は前記ディスプレイを前記固定フレームの係合溝に嵌め込むことをさらに含む、請求項
16に記載の製造方法。
【請求項18】
下蓋と前記ハウジングを組み合わせることをさらに含む請求項
12に記載の製造方法。
【請求項19】
前記センサー層を形成するステップは透明導電膜を形成することを含み、前記透明導電膜は前記複数の第1金属パッドに接続される複数の透明導線を備える、請求項
12に記載の製造方法。
【請求項20】
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン
)を使用して前記複数の透明導線を形成することをさらに含む、請求項
19に記載の製造方法。
【請求項21】
前記センサー層の形成は、
第1透明導電膜を形成し、前記第1透明導電膜は前記複数の第1金属パッドの一部に接続する複数の第1透明導線を備えるステップと、
前記第1透明導電膜の上に絶縁層を形成するステップと、
前記絶縁層の上に第2透明導電膜を形成し、前記第2透明導電膜は前記複数の第1金属パッドの残りの部分に接続する複数の第2透明導線を備え、かつ前記絶縁層を前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜の間に位置させるステップと、
を含む、請求項
12に記載の製造方法。
【請求項22】
ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン
)を使用して前記複数の第1透明導線及び前記複数の第2透明導線を形成することをさらに含む、請求項
21に記載の製造方法。
【請求項23】
前記絶縁層を形成するステップは光学接着剤を使用して前記絶縁層を形成することを含む、請求項
21に記載の製造方法。
【請求項24】
ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートを使用して前記基板を形成することをさらに含む、請求項
12に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチデバイスに関し、特に、フレームがなく立体的なタッチデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、タッチデバイスは様々な電子デバイスに広く応用され、例えば携帯電話、デジタルカメラ、タブレットコンピューター等のモバイル電子デバイスに用いられている。従来の物理ボタンと比較して、タッチデバイスはより便利に使用でき、使用者は直接手指をタッチデバイス上で滑らせて様々な操作コマンドを入力できる。
【0003】
図1は1つ目の従来のタッチデバイス100を示す。タッチデバイス100においてLED104及びタッチセンサー106は基板102上に設置され、かつ配線108は回路基板(図中未表示)に電気的に接続する。プラスチック樹脂110はLED104及びタッチセンサー106を覆う。タッチデバイス100は、プラスチック樹脂110上にはパターン層を有し、パターン層は遮光領域112、光漏れ領域114、パターン領域116及びパターン領域118を含む。遮光領域112はLED104の光線を遮ることができ、光漏れ領域114はLED104の光線を透過させることができ、パターン領域116及びパターン領域118はパターン(例えば数字のパターン)を設定することができる。タッチデバイス100はLED104及びパターン層によりパターンを表示できる。保護層120はパターン層を覆う。タッチデバイス100は回路基板に接続するのに用いられるテール部122を有する。しかし、タッチデバイス100のテール部122は高温の製造工程後に破損しやすい。また、タッチデバイス100は配線ハブ領域124となるフレームを設ける必要があり、これによりタッチデバイス100のフルスクリーンタッチが実現できなくなる。
【0004】
図2は2つ目の従来のタッチデバイス200を示す。タッチデバイス200は基板202、LED204、タッチセンサー206、プラスチック樹脂210、パターン層及び保護層220を含む。LED204及びタッチセンサー206は、基板202上に設置され、かつ配線208により回路基板222に電気的に接続する。プラスチック樹脂210はLED204及びタッチセンサー206を覆う。パターン層は遮光領域212、光漏れ領域214、パターン領域216及びパターン領域218を含む。遮光領域212はLED204の光線を遮ることができ、光漏れ領域214はLED204の光線を透過させることができ、パターン領域216及びパターン領域218はパターン(例えば数字のパターン)を設定することができる。タッチデバイス200はLED204及びパターン層によりパターンを表示できる。保護層220はパターン層を覆う。タッチデバイス200の配線208は、通過孔を経て回路基板222に接続できる。しかし、タッチデバイス200についてまずワイヤーボンディング工程を行って配線208を回路基板222に接続した後に成形工程を行った場合、回路基板222が剥がれるリスクがある。タッチデバイス200についてまず成形工程を行った後にワイヤーボンディング工程を行う場合、成形後の外形によりワイヤーボンディングの方式が制限される。また、タッチデバイス200も配線ハブ領域224となるフレームを設ける必要があり、これによりタッチデバイス200のフルスクリーンタッチが実現できなくなる。
【0005】
図3は3つ目の従来のタッチデバイス300を示す。タッチデバイス300において、パターン層は基板302の下方に設置され、パターン層は遮光領域312、光漏れ領域314、パターン領域316及びパターン領域318を含む。遮光領域312はLED304の光線を遮ることができ、光漏れ領域314はLED304の光線を透過させることができ、パターン領域316及びパターン領域318はパターン(例えば数字のパターン)を設定することができる。LED304及びタッチセンサー306はパターン層の下方に設置され、かつ配線308及びヘッダー320は回路基板(図中未表示)に電気的に接続する。プラスチック樹脂310はLED304及びタッチセンサー306を覆う。基板302はタッチデバイス300の保護層とすることができる。タッチデバイス300はLED304及びパターン層によりパターンを表示できる。しかし、タッチデバイス300についてヘッダー320の固定後に成形工程を行った場合、モールドのずれによりヘッダー320が押されて、ヘッダー320が変形したり樹脂が溢れ出したりする問題が起こらないように、モールドはヘッダー320を回避する必要がある。反対に、タッチデバイス300について成形工程を先に行ってからヘッダー320を固定した場合、成形工程時にヘッダーパッド領域を回避し、その後導電ペースト及びエポキシ樹脂を用いてヘッダー320を固定する必要がある。このようなことから、後続の加工及び不良品の加工し直しは困難となる。また、タッチデバイス300も配線ハブ領域322となるフレームを設ける必要があり、これによりタッチデバイス300のフルスクリーンタッチが実現できなくなる。
【0006】
図4は4つ目の従来のタッチデバイス400を示す。タッチデバイス400は基板402、タッチセンサー406、プラスチック樹脂410及びパターン層を含む。基板402はタッチデバイス400の保護層にできる。パターン層は基板402の下方に設置され、パターン層は遮光領域412、光漏れ領域414、パターン領域416及びパターン領域418を含む。遮光領域412はLED404の光線を遮ることができ、光漏れ領域414はLED404の光線を透過させることができ、パターン領域416及びパターン領域418はパターン(例えば数字のパターン)を設定することができる。LED404及びタッチセンサー406はパターン層の下方に設置され、かつ配線408及びヘッダー雌型コネクター420は回路基板(図中未表示)に電気的に接続する。プラスチック樹脂410はLED404及びタッチセンサー406を覆う。タッチデバイス400はLED404及びパターン層によりパターンを表示できる。しかし、タッチデバイス400についてヘッダー雌型コネクター420の固定後に成形工程を行った場合、モールドのずれによりヘッダー雌型コネクター420が押されて、ヘッダー雌型コネクター420が変形したり樹脂が溢れ出したりする問題が起こらないように、モールドはヘッダー雌型コネクター420を回避する必要がある。反対に、タッチデバイス400について成形工程を先に行ってからヘッダー雌型コネクター420を固定した場合、成形工程時にヘッダー雌型コネクターパッド領域を回避し、その後導電ペースト及びエポキシ樹脂を用いてヘッダー雌型コネクター420を固定する必要がある。このようなことから、後続の加工及び不良品の加工し直しは困難となる。また、タッチデバイス400も配線ハブ領域422となるフレームを設ける必要があり、これによりタッチデバイス400のフルスクリーンタッチが実現できなくなる。
【0007】
従来のタッチデバイス100、200、300及び400はいずれも配線ハブ領域を設計するためのフレームを設ける必要があるため、フルスクリーンタッチを実現できない。また、従来のタッチデバイス100、200、300及び400は、モールド内における電子素子の電気的接続の積層構造及び工程の問題をさらに有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的はタッチデバイス及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のタッチデバイスは、ハウジング、タッチセンサー及び回路基板を含む。前記ハウジングは少なくとも1つの側壁、収容空間及び開口を有し、少なくとも1つの側壁は前記収容空間を定め、前記開口は前記収容空間につながっている。前記タッチセンサーは前記収容空間内に設置され、前記タッチセンサーは基板、複数の第1金属パッド及びセンサー層を含む。前記基板は前記少なくとも1つの側壁上に設置され、かつ前記少なくとも1つの側壁の形状と相互に対応する。前記複数の第1金属パッド及び前記センサー層は前記基板上に設置され、かつ前記センサー層は前記複数の第1金属パッドに電気的に接続する。前記回路基板は前記ハウジングの前記開口に近接する位置に設置され、かつ複数の第2金属パッドを備え、前記複数の第2金属パッドは前記収容空間に面するとともに前記複数の第1金属パッドにそれぞれ電気的に接続する。
【0010】
一実施形態において、前記タッチデバイスは前記第1金属パッド及び前記第2金属パッドに接続するコネクターをさらに含む。
【0011】
一実施形態において、前記コネクターは複数の導電シリコンストリップ及び複数の絶縁シリコンストリップを含み、前記複数の導電シリコンストリップと前記複数の絶縁シリコンストリップは交互に配列される。
【0012】
一実施形態において、各前記第1金属パッド又は各前記第2金属パッドは少なくとも3つの前記導電シリコンストリップに接続する。
【0013】
一実施形態において、前記タッチデバイスは前記コネクターを前記ハウジングの内側に固定する固定フレームをさらに含む。
【0014】
一実施形態において、前記タッチデバイスは前記固定フレーム上に設置されるディスプレイをさらに含む。
【0015】
一実施形態において、前記タッチデバイスは前記ハウジングに接続されるとともに前記開口を覆う下蓋をさらに含み、前記回路基板は前記下蓋上に固定される。
【0016】
一実施形態において、前記センサー層は透明導電膜を含み、前記透明導電膜は前記複数の第1金属パッドに接続される複数の透明導線を備える。
【0017】
一実施形態において、前記複数の透明導線の材料はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である。
【0018】
一実施形態において、前記センサー層は、前記複数の第1金属パッドの一部に接続する複数の第1透明導線を備える第1透明導電膜と、前記複数の第1金属パッドの残りの部分に接続する複数の第2透明導線を備える第2透明導電膜と、前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜の間にある絶縁層と、を含む。
【0019】
一実施形態において、前記複数の第1透明導線及び前記複数の第2透明導線の材料はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)である。
【0020】
一実施形態において、前記絶縁層は光学接着剤である。
【0021】
一実施形態において、前記基板の材料はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートである。
【0022】
一実施形態において、タッチデバイスの製造方法は、基板上に複数の第1金属パッド及びセンサー層を形成してタッチセンサーを製作し、前記センサー層を前記複数の第1金属パッドに接続するステップと、前記タッチセンサーをモールド中に載置して熱プレス成形を行うことにより立体的なタッチセンサーを製作し、前記複数の第1金属パッドを前記立体的なタッチセンサーの内側に位置させるステップと、射出成形方式により前記立体的なタッチセンサーの外側に立体的なハウジングを形成するステップと、回路基板の複数の第2金属パッドを個々に前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するステップと、を含む。
【0023】
一実施形態において、前記複数の第2金属パッドを個々に前記複数の第1金属パッドに電気的に接続するステップは、コネクターを利用して前記第1金属パッドと前記第2金属パッドを接続することを含む。
【0024】
一実施形態において、前記コネクターは複数の導電シリコンストリップ及び複数の絶縁シリコンストリップを含み、前記複数の導電シリコンストリップと前記複数の絶縁シリコンストリップを交互に配列する。
【0025】
一実施形態において、前記製造方法は、各前記第1金属パッド又は各前記第2金属パッドを少なくとも3つの前記導電シリコンストリップに接続することをさらに含む。
【0026】
一実施形態において、前記製造方法は、固定フレームを使用して前記コネクターを前記立体的なタッチセンサーの内側に固定し、前記コネクターは前記複数の第1金属パッドに接続することをさらに含む。
【0027】
一実施形態において、前記製造方法は、前記固定フレーム上にディスプレイを設置することをさらに含む。
【0028】
一実施形態において、前記製造方法は、下蓋と前記ハウジングを組み合わせることをさらに含む。
【0029】
一実施形態において、前記センサー層を形成するステップは透明導電膜を形成することを含み、前記透明導電膜は前記複数の第1金属パッドに接続される複数の透明導線を備える。
【0030】
一実施形態において、前記製造方法は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を使用して前記複数の透明導線を形成することをさらに含む。
【0031】
一実施形態において、前記センサー層の形成は、第1透明導電膜を形成し、前記第1透明導電膜は前記複数の第1金属パッドの一部に接続する複数の第1透明導線を備えるステップと、前記第1透明導電膜上に絶縁層を形成するステップと、前記絶縁層上に第2透明導電膜を形成し、前記第2透明導電膜は前記複数の第1金属パッドの残りの部分に接続する複数の第2透明導線を備え、かつ前記絶縁層を前記第1透明導電膜と前記第2透明導電膜の間に位置させるステップと、を含む。
【0032】
一実施形態において、前記製造方法は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を使用して前記複数の第1透明導線及び前記複数の第2透明導線を形成することをさらに含む。
【0033】
一実施形態において、前記絶縁層を形成するステップは光学接着剤を使用して前記絶縁層を形成することを含む。
【0034】
一実施形態において、前記製造方法は、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートを使用して前記基板を形成することをさらに含む。
【発明の効果】
【0035】
本発明のタッチデバイスは、配線を配置するためのフレームを設ける必要がなく、フルスクリーンタッチを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】1つ目の従来タッチデバイスを示す図である。
【
図2】2つ目の従来タッチデバイスを示す図である。
【
図3】3つ目の従来タッチデバイスを示す図である。
【
図4】4つ目の従来タッチデバイスを示す図である。
【
図8】
図6におけるセンサー層の1つ目の実施形態である。
【
図9】
図6におけるセンサー層の2つ目の実施形態である。
【
図10】
図9における2つの透明導電膜の上面図である。
【
図11】
図7におけるコネクターの局部拡大図である。
【
図12】固定フレームのもう1つの実施形態である。
【
図13】本発明のタッチデバイスの製造方法を示す図である。
【
図14】本発明のタッチデバイスの製造方法を示す図である。
【
図15】本発明のタッチデバイスの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の内容をより詳しく整ったものにするため、以下に本発明の実施態様及び具体的な実施形態について説明を記載する。しかしこれは本発明を実施又は活用する際の唯一の形式ではない。
【0038】
以下の専門用語は特定の実施例を説明するのに用いられるにすぎず、本発明を限定する意図はない。単数形式の「1」、「1つ」及び「前記」は、複数形式を含むことを意図するが、前後の文脈から明らかにその他の状況を示す場合は除外される。本明細書において「含む」、「備える」という語句が使用されている場合、記載された特徴、全体、ステップ、操作、素子及び/又は部材の存在が明示されているが、1つ又は複数のその他の特徴、全体、ステップ、操作、素子及び/又は部材の存在を排除するわけではないことは理解されよう。
【0039】
以下に断面図及び斜視図を用いて本発明の実施形態を説明するが、これらの断面図及び斜視図は本発明の理想化された実施形態である。したがって、製造技術及び/又は公差により生じた図中の形状の違いは予想できるものである。本発明の実施形態は、ここに図示された領域の特定形状に限定されると解釈すべきではなく、例えば製造で生じた形状の誤差も含まれる。図に示す領域自体は例示的なものにすぎず、その形状は本発明の範囲を限定するのに用いられるものではない。
【0040】
図5に示すのは本発明のタッチデバイス500の斜視図であり、
図6に示すのは本発明のタッチデバイス500の断面図であり、
図7に示すのは本発明のタッチデバイス500の分解図である。
図5、
図6及び
図7を参照すると、タッチデバイス500はハウジング502、タッチセンサー504、下蓋506、回路基板508、ディスプレイ512、固定フレーム514及びコネクター516を含む。ハウジング502は収容空間519を定める側壁を有し、ハウジング502の底部には収容空間519につながる開口520を有する。
図5から
図7の実施形態において、ハウジング502は球形曲面を有する半球形の立体ハウジングであり、その他の実施形態において、ハウジング502は非球形曲面を有する立体ハウジングであってもよく、あるいはハウジング502は、例えば矩形のような2つ以上の側壁を有する多辺形の立体ハウジングであってもよい。タッチセンサー504はハウジング502の側壁上にある。タッチセンサー504は複数の金属パッド518、基板526及びセンサー層528を含む。下蓋506はハウジング502と組み合わされるとともに開口520を覆う。回路基板508は開口に近接する位置に設置される。例えば回路基板508はハウジング502の底部に設置され、かつ開口520を完全に又は部分的に覆うことができる。回路基板508は下蓋506に固定され、又はコネクター516に貼り付けられ、回路基板508は収容空間519に面した複数の金属パッド510を備える。コネクター516はタッチセンサー504の金属パッド518と回路基板508の金属パッド510に接続し、金属パッド510を金属パッド518に電気的に接続させる。固定フレーム514はコネクター516をハウジング502の内側に固定する。ディスプレイ512は固定フレーム514上に設置され、ディスプレイ512は光線を発して立体タッチデバイス500を発光させる、あるいはハウジング502上に設定されたパターンを表示することができる。ディスプレイ512にパターンを表示できるようにするため、ハウジング502及びタッチセンサー504の少なくとも一部は光を透過できる。本発明のタッチデバイス500は立体構造であり、タッチセンサー504と回路基板508の電気的接続領域(配線ハブ領域)は構造内部にあるため、本発明のタッチデバイス500はフレームを設ける必要がなく、フルスクリーンタッチを実現できると同時に、モールド内における電子素子の電気的接続の積層構造及び工程の問題も解決できる。
図6では、ハウジング502及びタッチセンサー504は半球形であるが、本発明はこれに限定されず、その他規則的又は不規則な形状であってもよい。実施形態において下蓋506、ディスプレイ512及び固定フレーム514は省略されてもよい。
【0041】
図6に示すように、タッチセンサー504は複数の金属パッド518、基板526及びセンサー層528を含む。基板526はハウジング502の側壁上に設置され、かつ前記ハウジングの形状と相互に対応する。複数の金属パッド518及びセンサー層528は基板526上に設置され、かつセンサー層528は複数の金属パッド518に接続する。センサー層528は物体の位置を検出するのに用いられる。センサー層528は基板526の少なくとも一部を覆い、かつセンサー層528の基板526を覆う部分の形状は基板526と相互に対応している。基板526の材料はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートであってよい。
図8はセンサー層528の1つ目の実施形態を示し、
図8のセンサー層528は透明導電膜530を備え、透明導電膜530は金属パッド518に接続する複数の透明導線532を備える。
図9はセンサー層528の2つ目の実施形態の断面図を示し、
図9のセンサー層528は2つの透明導電膜534及び538を備え、透明導電膜534と538の間は絶縁層536で隔てられている。実施形態において、絶縁層536は光学接着剤であってよい。
図10は
図9の透明導電膜534及び538の上面図を示し、透明導電膜534は複数の金属パッド518の一部に接続する複数の透明導線540を備え、透明導電膜538は複数の金属パッド518の残りの部分に接続する複数の透明導線542を備える。
図8及び
図10において、透明導線532、540及び542の材料はポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン
)であってよい。
【0042】
図7の実施形態において、コネクター516は縞模様のコネクターであり、縞模様のコネクターは複数の導電シリコンストリップ522及び複数の絶縁シリコンストリップ524を備える。
図11に示すように、複数の導電シリコンストリップ522と複数の絶縁シリコンストリップ524は交互に配列される。
図11のコネクターは複数の導電シリコンストリップ522及び複数の絶縁シリコンストリップ524から構成されるため、シリコンストリップコネクターとも呼ばれる。良好な導電接触を保持するため、各金属パッド510又は518は少なくとも3つの導電シリコンストリップ522に接続する。
図6及び
図7の実施形態において、コネクター516はL字型であるが、本発明はこれに限定されない。コネクター516はその他の規則的又は不規則な形状であってもよい。
【0043】
図6の実施形態において、ディスプレイ512は接着剤により固定フレーム514上に接着されてもよく、あるいはネジのようなその他の部材により固定フレーム514上に固定されてもよい。
図12は固定フレーム514のもう1つの実施形態を示す。
図12において、固定フレーム514はディスプレイ512を嵌め込むことができる係合溝515を有する。
【0044】
以下に本発明のタッチデバイス500の製造方法を説明する。まず基板526上に複数の金属パッド518及びセンサー層528を形成してタッチセンサー504を製作する。
図13に示すように、センサー層528は複数の金属パッド518に接続する。タッチセンサー504を製作した後、タッチセンサー504をモールド544中に載置して熱プレス成形を行う。
図14に示すように、タッチセンサー504は熱プレス成形を経た後、立体的なタッチセンサー504が形成され、複数の金属パッド518は立体的なタッチセンサー504の内側に位置する。続いて、
図15に示すように、射出成形方式により立体的なタッチセンサー504の外側に立体的なハウジング502を形成する。タッチセンサー504の外側にハウジング502を形成した後、適当な形状にするステップを経て、例えば球形曲面を有するハウジング、非球形曲面を有するハウジング、規則的な形状のハウジング又は不規則な形状のハウジングのように、ハウジング502を必要な形状に修整する。ハウジング502が完成した後、
図7に示す下蓋506、回路基板508、ディスプレイ512、固定フレーム514及びコネクター516とハウジング502及びタッチセンサー504を組み立てて、
図6のようなタッチデバイス500にする。具体的には、ディスプレイ512を固定フレーム514上に貼り付け、あるいは固定フレーム514の係合溝に嵌め込み、その後、固定フレーム514を利用してコネクター516をタッチセンサー504の内側に固定するとともに、コネクター516を複数の金属パッド518に接続する。続いて、回路基板508上の複数の金属パッド510をコネクター516に接続し、複数の金属パッド510を個々に複数の金属パッド518に接続させる。最後に下蓋506とハウジング502を組み合わせてタッチデバイス500を完成させる。
【0045】
以上の記載は本発明の一実施形態にすぎず、本発明の形式を制限するものではない。本発明はすでに上記のように一実施形態が開示されているが、これは本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の技術案を逸脱しない範囲で、上述の開示された技術内容を利用して変更や潤色を加え、同等に変化した等価の実施形態としてもよい。本発明の技術思想を逸脱しない内容であれば、本発明の技術に基づいて実質的に以上の実施形態に加えた簡単な修正、同等の変更及び潤色は、すべて本発明の技術案の範囲内に属する。本発明の図面は大きさ、サイズ及び比率について限定されず、本発明を実際に実施する際の大きさ、サイズ、形状及び比率は本発明の図面により制限されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
100 タッチデバイス
102 基板
104 LED
106 タッチセンサー
108 配線
110 プラスチック樹脂
112 遮光領域
114 光漏れ領域
116 パターン領域
118 パターン領域
120 保護層
122 テール部
124 配線ハブ領域
200 タッチデバイス
202 基板
204 LED
206 タッチセンサー
208 配線
210 プラスチック樹脂
212 遮光領域
214 光漏れ領域
216 パターン領域
218 パターン領域
220 保護層
222 回路基板
224 配線ハブ領域
300 タッチデバイス
302 基板
304 LED
306 タッチセンサー
308 配線
310 プラスチック樹脂
312 遮光領域
314 光漏れ領域
316 パターン領域
318 パターン領域
320 ヘッダー
322 配線ハブ領域
400 タッチデバイス
402 基板
404 LED
406 タッチセンサー
408 配線
410 プラスチック樹脂
412 遮光領域
414 光漏れ領域
416 パターン領域
418 パターン領域
420 ヘッダー雌型コネクター
422 配線ハブ領域
500 タッチデバイス
502 ハウジング
504 タッチセンサー
506 下蓋
508 回路基板
510 金属パッド
512 ディスプレイ
514 固定フレーム
515 係合溝
516 コネクター
518 金属パッド
519 収容空間
520 開口
522 導電シリコンストリップ
524 絶縁シリコンストリップ
526 基板
528 センサー層
530 透明導電膜
532 透明導線
534 透明導電膜
536 絶縁層
538 透明導電膜
540 透明導線
542 透明導線
544 モールド