(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220922BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/26
(21)【出願番号】P 2021160462
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2022-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-82054(JP,A)
【文献】特開2016-58677(JP,A)
【文献】特開2016-50034(JP,A)
【文献】特開2019-91760(JP,A)
【文献】特開2013-110244(JP,A)
【文献】特開2011-198979(JP,A)
【文献】特開2010-225876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
B65C 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給する供給手段と、
前記供給手段で供給された前記接着シートを被着体の外縁端面に押圧する押圧手段と、
前記押圧手段と前記被着体とを相対移動させ、前記外縁端面に前記接着シートを貼付する移動手段とを備え、
前記押圧手段は、前記接着シートの供給方向に沿う一方の外縁側および他方の外縁側のうち少なくとも一方が、前記外縁端面からはみ出したはみ出し領域を形成するように当該接着シートを前記外縁端面に押圧するシート貼付装置において、
前記はみ出し領域に前記所定のエネルギーを
非接触で付与して変形させ、当該はみ出し領域を前記外縁端面に隣接する他の面方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記はみ出し領域を前記他の面に押圧するはみ出し領域押圧手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給する供給工程と、
前記供給工程で供給された前記接着シートを被着体の外縁端面に押圧手段で押圧する押圧工程と、
前記押圧手段と前記被着体とを相対移動させ、前記外縁端面に前記接着シートを貼付する移動工程とを実施し、
前記押圧工程では、前記接着シートの供給方向に沿う一方の外縁側および他方の外縁側のうち少なくとも一方が、前記外縁端面からはみ出したはみ出し領域を形成するように当該接着シートを前記外縁端面に押圧するシート貼付方法において、
前記はみ出し領域に前記所定のエネルギーを
非接触で付与して変形させ、当該はみ出し領域を前記外縁端面に隣接する他の面方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付工程をさらに行うことを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート貼付装置1(シート貼付装置)では、ウェハW(被着体)の一方の面の外縁部に両面接着テープS(接着シート)を貼付したとしても、当該被着体の外縁端面には接着シートを貼付することができない。従って、例えば、被着体を液体中に浸したり、気体中に晒したりして所定の処理を施すような場合、被着体の外縁端面に液体や気体等の異物が付着するといった不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、被着体の外縁端面および当該外縁端面に隣接する他の面の外縁端面側を接着シートで確実に保護することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、はみ出し領域に所定のエネルギーを付与して当該接着シートを変形させ、当該はみ出し領域を外縁端面に隣接する他の面方向に折り曲げて貼付するので、被着体の外縁端面および当該外縁端面に隣接する他の面の外縁端面側を接着シートで確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1中下方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、
図1(E)(F)は、X-Y平面上で斜め方向から観た図なので、方向を示す矢印を示していない。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、所定のエネルギーとしての熱によって変形可能な接着シートASを供給する供給工程を実施する供給手段10と、供給手段10で供給された接着シートASを被着体WKの外縁端面WKEに押圧する押圧工程を実施する押圧手段20と、押圧手段20と被着体WKとを相対移動させ、外縁端面WKEに接着シートASを貼付する移動工程を実施する移動手段30と、はみ出し領域ASHに熱を付与して変形させ、当該はみ出し領域ASHを外縁端面WKEに隣接する他の面としての一方の面WK1および他方の面WK2方向に折り曲げて貼付する折り曲げ貼付工程を実施する折り曲げ貼付手段40と、はみ出し領域ASHを一方の面WK1および他方の面WK2の両方に押圧するはみ出し領域押圧工程を実施するはみ出し領域押圧手段50とを備えている。
なお、本実施形態では、基準位置WKRを中心とする円形形状の被着体WKが採用されている。
【0011】
供給手段10は、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、接着シートASが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、接着シートASを切断する切断手段としての長さ調整手段17とを備えている。
長さ調整手段17は、駆動機器としてのエアシリンダ17Aと、その出力軸17Bに支持されたカッター刃17Cとを備えている。
【0012】
押圧手段20は、図示しないブラケットに回転自在に支持された押圧ローラ21を備え、接着シートASの供給方向SDに沿う一方の外縁AS1側および他方の外縁AS2側の両方が、外縁端面WKEからはみ出したはみ出し領域ASHを形成するように当該接着シートASを外縁端面WKEに押圧するようになっている。
【0013】
移動手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、そのスライダ31Aに支持された駆動機器としての回動モータ32と、その出力軸32Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面33Aを有する支持テーブル33と、当該支持テーブル33に対し被着体WKを上方から押さえつける上押え手段34とを備えている。なお、支持テーブル33は、回動モータ32によってテーブル中心33Rを中心に回転する構成となっている。
上押え手段34は、駆動機器としての直動モータ34Aと、その出力軸34Bに支持され、支持テーブル33の移動に追従して回転可能な上押え板34Cとを備えている。なお、上押え板34Cは、上押え板中心34Rを中心に回転するようになっている。
【0014】
折り曲げ貼付手段40は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の図示しない加熱機器で加熱した気体を吹き付ける熱風送風機41を備えている。
【0015】
はみ出し領域押圧手段50は、図示しないブラケットに回転自在に支持された第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53を備えている。本実施形態では、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53は、
図1(E)~(G)に示すように、それぞれ上下一対配置され、被着体WKを間に挟んだ際、当該被着体WKの外縁に沿って配置されるようになっており、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53は、例えば、Z軸に対してそれぞれ30度、60度、90度基準位置WKR方向に傾斜した図示しない回転軸を中心に回転するようになっている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10が回動モータ15Aを駆動し、原反RSを繰り出して
図1(A)中実線で示すように、接着シートASの供給方向先端部が剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、回動モータ15Aの駆動を停止する。
【0017】
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、基準位置WKRがテーブル中心33Rと重なるように、被着体WKを支持面33A上に載置すると、移動手段30が図示しない減圧手段を駆動し、当該支持面33Aでの吸着保持を開始する。また、供給手段10が回動モータ15Aを駆動し、原反RSを繰り出して
図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASの供給方向先端部を押圧ローラ21の前方所定位置に位置させる。この際、接着シートASの供給方向先端部は、図示しないエアノズルやイオナイザ等の付勢手段による付勢によって押圧ローラ21の前方に接触状態とされる。
【0018】
その後、移動手段30がリニアモータ31を駆動し、被着体WKを左方へ移動させて
図1(B)、(C)に示すように、テーブル中心33R(基準位置WKR)が上押え板中心34Rと一致すると、リニアモータ31の駆動を停止する。この際、接着シートASの供給方向先端部は、
図1(B)に示すように、押圧ローラ21と被着体WKの外縁端面WKEとで挟み込まれた状態になるとともに、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53は、被着体WKの外縁部に接着シートASを押圧可能な状態となる。
【0019】
次に、移動手段30が直動モータ34Aを駆動し、
図1(C)に示すように、上押え板34Cと支持テーブル33とで被着体WKを挟み込んだ後、回動モータ32を駆動し、被着体WKを反時計方向に回転させ、被着体WKの外縁端面WKEに接着シートASを貼付する。この際、折り曲げ貼付手段40が熱風送風機41を駆動し、熱風をはみ出し領域ASHに吹き付けて当該はみ出し領域ASHを加熱する。これにより、はみ出し領域ASHが収縮を伴って変形を起こし、
図1(C)中二点鎖線で示すように、一方の外縁AS1側のはみ出し領域ASHが一方の面WK1側に折れ曲がって当該一方の面WK1に貼付するとともに、他方の外縁AS2側のはみ出し領域ASHが他方の面WK2側に折れ曲がって当該多方の面WK2に貼付する。
【0020】
なお、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件によっては、各はみ出し領域ASHが
図1(C)中二点鎖線で示すように被着体WKに接触するまで折れ曲がらない場合や、各はみ出し領域ASHが被着体WKに接触するまで折れ曲がったとしても、押圧力不足で所定の接着力が得られない場合や、念のために各はみ出し領域ASHを一方の面WK1および他方の面WK2に押圧しておきたい場合等があれば、はみ出し領域押圧手段50によって、各はみ出し領域ASHを一方の面WK1および他方の面WK2に押圧するはみ出し領域押圧工程を行ってもよい。このはみ出し領域押圧工程は、
図1(D)、(E)、(F)に示すように、被着体WKの反時計方向への回転が続行される中、第1、第2押圧ローラ51、52が各はみ出し領域ASHを段階的に折り曲げ、最終的に、
図1(G)に示すように、第3押圧ローラ53が各はみ出し領域ASHを被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に押圧して貼付する(以上が「はみ出し領域押圧工程」)。
【0021】
そして、支持テーブル31の回転と接着シートASの貼付とが続行される中、供給手段10がエアシリンダ17Aを駆動し、カッター刃17Cを進退させて、被着体WKの外縁端面WKEに1周に亘って接着シートASを貼付できる長さとなるように、当該接着シートASを切断する。次いで、切断によって形成された接着シートASの新たな供給方向先端部が剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15Aの駆動を停止し、原反RSの繰り出しを停止する。その後、切断によって形成された接着シートASの供給方向後端部が被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付されて一体物UPが形成されると、移動手段30が回動モータ32の駆動を停止する。この際、被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付された接着シートASの先端部と後端部は、相互に重なり合っていてもよいし、離間していてもよいし、突き合わせられるように接触していてもよい。
【0022】
次に、移動手段30が直動モータ34Aを駆動し、上押え板34Cを初期位置に復帰させた後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面33Aでの吸着保持を解除する。その後、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを次工程に搬送すると、移動手段30がリニアモータ31を駆動し、支持テーブル33を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0023】
以上のような実施形態によれば、はみ出し領域ASHに熱を付与して当該接着シートASを変形させ、当該はみ出し領域ASHを外縁端面WKEに隣接する一方の面WK1および他方の面WK2方向に折り曲げて貼付するので、被着体WKの外縁端面WKEおよび当該外縁端面WKEに隣接する一方の面WK1および他方の面WK2の外縁端面WKE側を接着シートで確実に保護することができる。
【0024】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、供給手段は、所定のエネルギーによって変形可能な接着シートを供給可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0025】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートASが仮着された原反RSから当該帯状の接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、図示しない付勢手段が備わっていてもよいし、備わっていなくてもよいし、供給手段10と押圧ローラ21との間CLに跨っている接着シートASを切断したり、被着体WK上で接着シートASを切断したりする長さ調整手段17を採用してもよいし、予め所定長さとされた接着シートASが採用された場合や、帯状接着シート原反を繰り出す途中で所定形状の接着シートASを形成する場合等において、長さ調整手段17は、あってもよいし、なくてもよい。
【0026】
押圧手段20は、接着シートASの供給方向SDに沿う一方の外縁AS1側のみが、外縁端面WKEからはみ出したはみ出し領域ASHを形成するように当該接着シートASを外縁端面WKEに押圧してもよいし、接着シートASの供給方向SDに沿う他方の外縁AS2側のみが、外縁端面WKEからはみ出したはみ出し領域ASHを形成するように当該接着シートASを外縁端面WKEに押圧してもよい。
【0027】
移動手段30は、支持テーブル33を移動させることなくまたは移動させつつ、供給手段10や押圧手段20を移動させ、被着体WKに接着シートASを貼付してもよいし、保持面33Aでの吸着保持ができない支持テーブル33が採用されてもよいし、上押え手段34を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0028】
折り曲げ貼付手段40は、はみ出し領域ASHに熱を付与して変形させ、当該はみ出し領域ASHを外縁端面WKEに隣接する一方の面WK1方向のみに折り曲げて貼付してもよいし、はみ出し領域ASHを外縁端面WKEに隣接する他方の面WK2方向のみに折り曲げて貼付してもよいし、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する熱風の温度を使用者が任意に決定することができる。
折り曲げ貼付手段40が接着シートASに付与する所定のエネルギーは、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して任意に決定することができる。
【0029】
はみ出し領域押圧手段50は、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53の3体でなく、例えば、1体または2体の押圧ローラで構成したり、4体以上の押圧ローラで構成したりしてもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53に代えてまたは併用して、気体の噴き付けによるもの、ブラシ状部材によるもの、ブレード状部材によるもの等が採用されてもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53等の押圧するものの材質が、ゴム、樹脂、スポンジ、金属等であってもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53が一対でなくてもよく、被着体WKの一方の面WK1側または他方の面WK2側のみに設けられ、はみ出し領域ASHを一方の面WK1のみに押圧してもよいし、他方の面WK2のみに押圧してもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ51、52、53のZ軸に対する傾斜角度が、それぞれ30度、60度、90度以外の傾斜角度でもよく、例えば、それぞれの傾斜角度が、それぞれ15度、45度、91度等どのような傾斜角度でもよいし、はみ出し領域押圧工程を行わなくても、当該はみ出し領域ASHが一方の面WK1や他方の面WK2に貼付する場合、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
シート貼付装置EAは、被着体WKの外縁端面WKEと当該外縁端面WKEに隣接する他の面とに1枚の接着シートASまたは複数枚の接着シートASを貼付してもよいし、被着体WKの外縁端面WKEと当該外縁端面WKEに隣接する他の面とに1枚の接着シートASまたは複数の接着シートASを貼付する場合、接着シートASの供給方向先端部と供給方向後端部とが相互に重なり合っていてもよいし、離間していてもよいし、突き合わせられるように接触していてもよい。
シート貼付装置EAは、支持テーブル33と被着体WKとの間に金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材を配置し、接着シートASで被着体WKと支持部材とを一体化させてもよい。
接着シートASは、所定のエネルギーとして紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等によって変形可能なものでもよいし、所定のエネルギーによって収縮を伴って変形するものでもよいし、膨張を伴って変形するものでもよいし、収縮も膨張も伴うことなく変形するものでもよい。
【0031】
本発明における接着シートAS、支持部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、支持部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、支持部材および被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよいし、付勢手段が採用されている場合、ばね、ゴム、樹脂または駆動機器等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート貼付装置
10…供給手段
20…押圧手段
30…移動手段
40…折り曲げ貼付手段
50…はみ出し領域押圧手段
AS…接着シート
AS1…一方の外縁
AS2…他方の外縁
ASH…はみ出し領域
SD…供給方向
WK…被着体
WK1…一方の面(他の面)
WK2…他方の面(他の面)
WKE…外縁端面
【要約】 (修正有)
【課題】被着体の外縁端面及び当該外縁端面に隣接する他の面の外縁端面側を接着シートで確実に保護するシート貼付装置及びシート貼付方法を提供する。
【解決手段】シート貼付装置EAは、所定のエネルギーによって変形可能な接着シートASを供給する供給手段10と、接着シートASを被着体WKの外縁端面WKEに押圧する押圧手段20と、外縁端面WKEに接着シートASを貼付する移動手段30と、折り曲げ貼付手段40と、を備える。押圧手段20は、接着シートASの供給方向に沿う一方の外縁AS1側及び他方の外縁AS2側のうち少なくとも一方が、外縁端面WKEからはみ出したはみ出し領域ASHを形成するように接着シートASを外縁端面WKEに押圧する。折り曲げ貼付手段40は、はみ出し領域ASHに熱を付与して変形させ、はみ出し領域ASHを外縁端面WKEに隣接する他の面WK1、WK2方向に折り曲げて貼付する。
【選択図】
図1