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  • 特許-多経路作業カニューレ 図1
  • 特許-多経路作業カニューレ 図2
  • 特許-多経路作業カニューレ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】多経路作業カニューレ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021509767
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2018000388
(87)【国際公開番号】W WO2020047688
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-02-18
(31)【優先権主張番号】201821449663.1
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516272319
【氏名又は名称】山東冠龍医療用品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】楊 文州
(72)【発明者】
【氏名】潘 会会
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516620(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108309395(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドカニューレを含み、ガイドカニューレはメイン案内カニューレ(1)とサブ案内カニューレ(2)とを含み、前記メイン案内カニューレ(1)とサブ案内カニューレ(2)は一体化されて設置され、
ガイドカニューレは、一端が入口端となり、他端が出口端となり、
ガイドカニューレの入口端にはガイドプレート(3)が設けられ、ガイドプレート(3)にはガイドカニューレに合わせる第1貫通孔(31)が設けられ、ガイドカニューレの入口端は第1貫通孔(31)内に挿入されて、ガイドカニューレとガイドプレート(3)とを固定接続し、
前記メイン案内カニューレ(1)の長さは、前記サブ案内カニューレ(2)の長さより長く、
前記メイン案内カニューレ(1)の入口端と前記サブ案内カニューレ(2)の入口端は、前記第1貫通孔(31)の位置において離れており、
前記サブ案内カニューレ(2)の中心軸は、前記メイン案内カニューレ(1)の中心軸に対して傾斜し、
前記サブ案内カニューレ(2)の出口端の開口(6)は、前記メイン案内カニューレ(1)の外側壁の前記サブ案内カニューレ(2)側の面であって、前記メイン案内カニューレ(1)の出口端よりも入口端寄りに密着し、
メイン案内カニューレ(1)の外側壁の前記サブ案内カニューレ(2)側の出口端の開口(6)が密着している面には、前記サブ案内カニューレ(2)の出口端と前記メイン案内カニューレ(1)の出口端との間であって、前記サブ案内カニューレ(2)の出口端の開口に接する位置に内視鏡視野孔(4)が設けられ、
器具が前記サブ案内カニューレ(2)に挿入されて作動し、内視鏡が前記メイン案内カニューレ(1)に挿入された場合、内視鏡は、前記内視鏡視野孔(4)を介して器具の作動状態を確認可能であり、器具が前記メイン案内カニューレ(1)に挿入されて作動し、内視鏡がサブ案内カニューレ(2)に挿入された場合、内視鏡は、前記内視鏡視野孔(4)を介して、器具の作動状態を確認可能である、ことを特徴とする多経路作業カニューレ。
【請求項2】
前記内視鏡視野孔(4)は、前記メイン案内カニューレ(1)の出口端の開口(5)まで延在し、前記内視鏡視野孔(4)は、前記メイン案内カニューレ(1)の出口端の開口(5)と連続していることを特徴とする請求項に記載の多経路作業カニューレ。
【請求項3】
前記メイン案内カニューレ(1)の出口端の開口(5)は、傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の多経路作業カニューレ。
【請求項4】
前記サブ案内カニューレ(2)の出口端の開口(6)は、傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の多経路作業カニューレ。
【請求項5】
前記メイン案内カニューレ(1)の直径は、サブ案内カニューレ(2)の直径と異なる、ことを特徴とする請求項1に記載の多経路作業カニューレ。
【請求項6】
前記ガイドカニューレの材質はステンレス鋼とする、ことを特徴とする請求項1に記載の多経路作業カニューレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療器具技術の分野に関し、特に多経路作業カニューレに関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲手術には、創傷が小さく、痛みが少なく、回復が早い長所があるため、「低侵襲」という概念は外科手術の各分野に浸透している。低侵襲手術とは、腹腔鏡や胸腔鏡など最新の医療器具を利用し、低侵襲経路装置及び関連装置と組み合わせて行われる手術である。
【0003】
従来技術において、低侵襲経路装置はガイドカニューレと拡張カニューレとを含み、ガイドカニューレは拡張カニューレの内部に設置される。実際の施術において、患部の周辺の骨部位を研削する必要がある場合、ドリルをガイドカニューレに沿って患部まで挿入して研削しなければならない。拡張カニューレ内にはガイドカニューレが1本しかないため、ドリルを挿入すると同時に内視鏡を挿入することができない。したがって、実際に研削を行う場合、ドリルの研削状態を確認することができず、常に研削部位に正確に位置合わせすることができない。一方、研削が終わってから、内視鏡を挿入して観察する場合、ドリルをガイドカニューレから抜き出してから内視鏡をガイドカニューレ内に挿入しなければならないため、操作手順が複雑であるため、施術が長引き、患者に損傷を与えてしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術において内視鏡の作業状態を観察しにくい課題を解決する多経路作業カニューレを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、多経路作業カニューレを提供ししており、ガイドカニューレを含み、ガイドカニューレはメイン案内カニューレとサブ案内カニューレとを含み、前記メイン案内カニューレとサブ案内カニューレとは一体化されて設置され、
ガイドカニューレは一端が入口端となり、他端が出口端となり、
【0006】
ガイドカニューレの入口端にはガイドプレートが設けられ、ガイドプレートにはガイドカニューレに合わせる第1貫通孔が設けられ、ガイドカニューレの入口端は第1貫通孔内に挿入されて、ガイドカニューレとガイドプレートとを固定接続し、
【0007】
メイン案内カニューレの長さはサブ案内カニューレの長さより長く、サブ案内カニューレの出口端はメイン案内カニューレの外側壁に密着し、
メイン案内カニューレの外側壁のサブ案内カニューレの出口端に密着する箇所には内視鏡視野孔が設けられる。
【0008】
選択的に、前記内視鏡視野孔は長尺孔であり、サブ案内カニューレの長手方向に沿って延在する。
【0009】
選択的に、前記内視鏡視野孔の上端開口は、メイン案内カニューレの外側壁のサブ案内カニューレの出口端に密着する箇所に設置され、内視鏡視野孔の下端開口はメイン案内カニューレの出口端に連通していない。
【0010】
選択的に、前記内視鏡視野孔の下端開口はメイン案内カニューレの出口端まで延在する。
【0011】
選択的に、前記メイン案内カニューレの中心線はサブ案内カニューレの中心線に対して平行ではない。
選択的に、前記メイン案内カニューレの出口端には第1傾斜開口が設けられる。
【0012】
選択的に、前記サブ案内カニューレの出口端には第2傾斜開口が設けられる。
選択的に、前記メイン案内カニューレの直径はサブ案内カニューレの直径と異なる。
【0013】
選択的に、前記ガイドカニューレの材質はステンレス鋼とする。
従来の技術に比べて、本発明には下記の有益な効果を有する。
【0014】
本発明はガイドカニューレを含み、ガイドカニューレはメイン案内カニューレとサブ案内カニューレとを含み、前記メイン案内カニューレとサブ案内カニューレとは一体化されて設置され、メイン案内カニューレの長さはサブ案内カニューレの長さより長く、サブ案内カニューレの出口端はメイン案内カニューレの外側壁に密着し、メイン案内カニューレの外側壁のサブ案内カニューレの出口端に密着する箇所には内視鏡視野孔が設けられる。実際の施術過程中において、器具がサブ案内カニューレを介して作動する場合、内視鏡はメイン案内カニューレ内から内視鏡視野孔を介して器具の作動状態を確認することができるのに対して、器具がメイン案内カニューレを介して作動する場合、同様に内視鏡はサブ案内カニューレ内から内視鏡視野孔を介して器具の作動状態を確認することができる。前記メイン案内カニューレの中心線がサブ案内カニューレの中心線に対して平行ではないため、サブ案内カニューレの出口端はメイン案内カニューレの外側壁に密着しているため、メイン案内カニューレの入口端はサブ案内カニューレの入口端に隣接せず、両者間で所定の距離をあけて、これにより、メイン案内カニューレに大きな器具が挿入された場合、サブ案内カニューレ内に挿入されている器具を障害することを防止することができる。当該作業カニューレは簡単な構造を持ち、取り付けが便利で、柔軟な操作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
背景技術や本発明の技術案をより明瞭に説明するために、以下、従来技術や具体的な実施例に組み合わせて使用される図面を簡単に説明する。明らかに、以下の具体的な実施例に組み合わせて使用される図面は本発明の実施例を理解させるものに過ぎず、当業者は創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて、ほかの図面を得ることができる。
図1】は本発明の実施例が提供する作業カニューレの軸側構造図1である。
図2】は本発明の実施例が提供するガイドプレートの構造図である。
図3】は本発明の実施例が提供する作業カニューレの軸側構造図2である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者に本発明の技術案をよく理解してもらうために、以下、本発明の実施例の図面に合わせて、本発明の実施例の技術案について明瞭で包括的に説明する。明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、実施例の全部ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力をせずに得られたほかの実施例は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0017】
本発明の実施例が提供する多経路作業カニューレはガイドカニューレを含み、前記ガイドカニューレはメイン案内カニューレ1とサブ案内カニューレ2とを含み、その材質はステンレス鋼とする。
【0018】
図1は本発明の実施例が提供する作業カニューレの軸側構造図1である。図1に示すように、前記メイン案内カニューレ1とサブ案内カニューレ2とは接続プレート7を介して一体化されて設置される。ガイドカニューレは、一端が入口端となり、他端が出口端となる。
【0019】
ガイドカニューレの入口端にはガイドプレート3が設けられる。図2は本発明の実施例が提供するガイドプレートの構造図であり、図2に示すように、ガイドプレート(3)は、ガイドカニューレに垂直な長手方向に延在する。ガイドプレート3にはガイドカニューレに合わせる第1貫通孔31が設けられ、第1貫通孔31は長尺状となり、ガイドプレート3の長手方向に沿って延在する。ガイドカニューレの入口端は第1貫通孔31内に挿入されて、ガイドカニューレとガイドプレート3とを固定接続する。
メイン案内カニューレ1の長さはサブ案内カニューレ2の長さより長く、サブ案内カニューレ2の出口端はメイン案内カニューレ1の外側壁に密着する。
【0020】
本実施例において、前記メイン案内カニューレ1の中心線がサブ案内カニューレ2の中心線に対して平行ではないため、前記メイン案内カニューレの入口端はサブ案内カニューレの入口端に隣接せず、且つ両者間で所定の距離をあけて、これにより、メイン案内カニューレ1内に大きな器具が挿入された場合、サブ案内カニューレ2内に挿入されている器具を障害することを防止することができる。
【0021】
メイン案内カニューレ1の外側壁のサブ案内カニューレ2の出口端に密着する箇所には内視鏡視野孔4が設けられる。図1に示すように、前記内視鏡視野孔4は長尺孔となり、且つサブ案内カニューレ2の長手方向に沿って延在する。前記内視鏡視野孔4の上端開口は、メイン案内カニューレ1の外側壁のサブ案内カニューレ2の出口端に密着する箇所に設置され、内視鏡視野孔4の下端開口はメイン案内カニューレ1の出口端に連通していない。
【0022】
図3は本発明の実施例が提供する作業カニューレの軸側構造図2である。図3に示すように、ほかの実施例において、前記内視鏡視野孔4の下端開口はメイン案内カニューレ1の出口端まで延在してもよく、内視鏡視野孔4の開口の長さを延長し、サブ案内カニューレ2内での器具の作業状態を便利に観察することができる。
【0023】
ガイドカニューレをうまく人体の施術位置に挿入するために、前記メイン案内カニューレ1の出口端には第1傾斜開口5が設けられ、前記サブ案内カニューレ2の出口端には第2傾斜開口6が設けられる。第1傾斜開口5の傾斜方向は第2傾斜開口6の傾斜方向と一致している。
【0024】
本実施例において、前記メイン案内カニューレ1及びサブ案内カニューレ2の直径は異なっており、メイン案内カニューレ1の直径はサブ案内カニューレ2の直径より大きい。メイン案内カニューレ1は体積の大きい施術器具の配置に使用し、サブ案内カニューレ2は体積の小さい施術器具の配置に使用する。当然ながら、ほかの実施例において、メイン案内カニューレ1の直径がサブ案内カニューレ2の直径よりも小さい、または同じであるように設定してもよい。
【0025】
以上、本発明の実施例の多経路作業カニューレについて詳しく説明した。この部分は具体的な実施例を用いて本発明の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は本発明の技術的思想を理解されるためのものだけで、本発明の原理から逸脱しない限り、当業者が創造的な労力をせずに得られたほかの実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
1、メイン案内カニューレ;2、サブ案内カニューレ;3、ガイドプレート;31、第1貫通孔;4、内視鏡視野孔;5、第1傾斜開口;6、第2傾斜開口;7、接続プレート
図1
図2
図3