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  • 特許-フチ無しポストカードの製造方法 図1
  • 特許-フチ無しポストカードの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-21
(45)【発行日】2022-09-30
(54)【発明の名称】フチ無しポストカードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
B42D15/02 501G
B42D15/02 501A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022023036
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2022-02-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506031694
【氏名又は名称】株式会社JVIS
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古村 裕
(72)【発明者】
【氏名】飯谷 友俊
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-133973(JP,A)
【文献】特開2003-108993(JP,A)
【文献】特許第6321931(JP,B2)
【文献】特開平11-078304(JP,A)
【文献】特開平07-257073(JP,A)
【文献】特開2000-326663(JP,A)
【文献】特開平11-334261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多面連刷官製葉書を準備する葉書準備工程と、
前記多面連刷官製葉書とは異なる紙を準備する紙準備工程と、
前記多面連刷官製葉書の裏側の略全面に、前記紙を貼付する紙貼付工程と
外縁部に余白を有する画像のデータを準備する画像データ準備工程と、
記多面連刷官製葉書の裏側に貼付した前記紙の略全面に、前記画像をオンデマンド印刷するオンデマンド印刷工程と、
前記オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書における各葉書の外周部を、複数の切断刃を備えるカッターを用いて切断する外周部切断工程と
を備えるフチ無しポストカードの製造方法。
【請求項2】
前記多面連刷官製葉書として、販売されている四十面刷官製葉書及び前記四十面刷官製葉書を切断して得られる二十面刷官製葉書の少なくとも一方を用いる請求項1に記載のフチ無しポストカードの製造方法。
【請求項3】
前記外周部切断工程が、
前記オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書を第1方向に沿って切断する第1切断工程と、
前記第1切断工程後の各多面連刷官製葉書を前記第1方向と垂直な第2方向に沿って切断する第2切断工程と
を含む請求項1又は2に記載のフチ無しポストカードの製造方法。
【請求項4】
前記外周部切断工程において切断される前記各葉書の前記外周部の幅が、0.5mm以上3mm以下である請求項1から3のいずれか一項に記載のフチ無しポストカードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フチ無しポストカードの製造方法に関し、詳しくは、葉書準備工程と画像データ準備工程とオンデマンド印刷工程と外周部切断工程とを備えるフチ無しポストカードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロール状の印画紙上に一定間隔で複数個の画像が直列的にプリントされ現像処理された印画紙に葉書を貼り付けた後、画像毎に打ち抜くことによりはがき付写真プリントを製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-304901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法は、複数の画像の現像処理を行い、画像毎に打ち抜きを行うなど、時間を要する工程が多く、生産性が低いという不都合がある。一方、最近では、年賀状などにおいて、画像のまわりに余白がないフチ無しポストカードが好まれるようになってきている。また、ポストカードの製造に対し、多品種、小ロット化、短納期などの市場ニーズもますます大きくなっていることから、印刷する画像として、種々の多くの種類のものを用いることができることが要求されている。さらに、ポストカードには、印刷品質を向上させることも求められている。
【0005】
本発明の課題は、多数のフチ無しポストカードを、多種類の画像を用い、生産性よくかつ印刷品質を向上させて製造することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るフチ無しポストカードの製造方法は、葉書準備工程と、画像データ準備工程と、オンデマンド印刷工程と、外周部切断工程とを備える。前記葉書準備工程では、多面連刷官製葉書を準備する。前記画像データ準備工程では、外縁部に余白を有する画像のデータを準備する。前記オンデマンド印刷工程では、前記多面連刷官製葉書の裏側の略全面に、前記画像をオンデマンド印刷する。前記外周部切断工程では、前記オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書における各葉書の外周部を、複数の切断刃を備えるカッターを用いて切断する。
【0007】
前記葉書準備工程の後、前記オンデマンド印刷工程の前に、紙を準備する紙準備工程と、前記多面連刷官製葉書の裏側の略全面に、前記紙を貼付する紙貼付工程とをさらに備えることが好ましい。
【0008】
前記多面連刷官製葉書として、二十面刷官製葉書を用いることが好ましい。
【0009】
前記外周部切断工程が、前記オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書を第1方向に沿って切断する第1切断工程と、前記第1切断工程後の各多面連刷官製葉書を前記第1方向と垂直な第2方向に沿って切断する第2切断工程とを含むことが好ましい。
【0010】
前記外周部切断工程において切断される前記各葉書の前記外周部の幅が、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多数のフチ無しポストカードを、多種類の画像を用い、生産性よくかつ印刷品質を向上させて製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明のフチ無しポストカードの製造方法のフローを示す図である。
図2図2は、オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書の裏側の面を示す概略の平面図である。
図3図3は、同上の多面連刷官製葉書において、外周部切断工程における切断線を示す概略の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を、図面を参照しつつ説明する。本発明の製造方法(以下、製造方法(X)ともいう)によって製造されるポストカードは、フチ無しポストカード1である。「フチ無し」とは、ポストカードの裏側の面に印刷されている画像のまわりに、4辺とも余白がないことを意味する。
【0014】
製造方法(X)は、図1のAで示されるように、葉書準備工程(S1)と、画像データ準備工程(S2)と、オンデマンド印刷工程(S11)と、外周部切断工程(S22)とを備えている。
【0015】
製造方法(X)によれば、オンデマンド印刷工程を採用することにより、数多くの種類の画像を用いることができ、かつポストカードの印刷品質を向上させることができると共に、外周部切断工程を行うことにより、多数のフチ無しポストカードを、製造時間、製造コストを抑え、生産性よく製造することができる。
【0016】
また、製造方法(X)は、図1のBで示されるように、画像データ準備工程(S2)の後、オンデマンド印刷工程(S11)の前に、紙準備工程(S101)と、紙貼付工程(S111)とをさらに備えていることが好ましい。
【0017】
この製造方法(X)によれば、再生紙使用葉書である多面連刷官製葉書10に紙を貼付することにより、オンデマンド印刷による画像の印刷品質をより向上させることができる。
以下、各工程について説明する。
【0018】
<葉書準備工程(S1)>
本工程では、多面連刷官製葉書10を準備する。「多面連刷官製葉書」とは、日本郵政株式会社が販売する複数枚の葉書(各葉書のサイズ:例えば長辺148mm、短辺100mm)が切り離されていない、一体となっているものをいう。多面連刷官製葉書10は、周縁に、一体となった葉書の部分(以下、葉書部ともいう)以外の他の部分をさらに有していてもよい。多面連刷官製葉書10は、通常、再生紙使用葉書である。多面連刷官製葉書10の表側(宛名面)には、郵便切手が印刷されており、裏側(文面)は通常、無印刷である。
【0019】
多面連刷官製葉書10としては、例えば四面連刷官製葉書(縦二列、横二列)、四十面刷官製葉書(縦四列、横十列)等が販売されており、入手可能である。これらの多面連刷官製葉書10を、切断することにより、例えば二面連刷官製葉書(縦二列、横一列)、八面連刷官製葉書(縦四列、横二列)、十二面連刷官製葉書(縦四列、横三列)、十六面連刷官製葉書(縦四列、横四列)、二十面連刷官製葉書(縦四列、横五列)、二十四面刷官製葉書(縦四列、横六列)、二十八面連刷官製葉書(縦四列、横七列)等を準備することもできる。
【0020】
これらの多面連刷官製葉書10の中で、縦横共に複数列であるものを用いることが、生産性をより向上できる点で好ましく、これらの中でも、四十面刷官製葉書又は二十面刷官製葉書を用いることがより好ましく、用いるオンデマンド印刷機のサイズの観点から、二十面連刷官製葉書を用いることがさらに好ましい。
【0021】
<画像データ準備工程(S2)>
本工程では、外縁部に余白を有する画像のデータを準備する。「外縁部に余白を有する画像」とは、その画像を、多面連刷官製葉書10の裏側の略全面に、裏面画像13として印刷した場合、図2に示すように、裏面画像13が、画像が印刷されている印刷画像部11と、この印刷画像部11の外側にある無印刷の余白部12とを有するものになる画像を意味する。
【0022】
印刷画像部11は、通常、多面連刷官製葉書10の各葉書の裏側に印刷される画像を集めたものである。印刷画像部11を構成する各印刷画像(図2において互いに模様が異なる)は、それぞれ多面連刷官製葉書10の各葉書に対応する領域に印刷されたものである。この各葉書に印刷される各印刷画像同士は、間隔を有さず一体化したものであってもよく、各印刷画像間に0.1mm以上3mm以下の隙間を有して離れているものであってもよいが、間隔を有さず一体化したものであることが好ましい。各印刷画像は、同じものであってよく、互いに異なるものであってもよい。
【0023】
余白部12の幅は、0.3mm以上であることが好ましい。「余白部12の幅」とは、印刷画像部11と多面連刷官製葉書10の端部との間の距離を意味する。余白部12の幅が0.3mm未満であると、オンデマンド印刷工程において用いるプリンターが汚染され、この汚染により裏面画像13が汚れるおそれがある。余白部12の幅は、0.5mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることがさらに好ましい。また、余白部12の幅の上限は、得られるフチ無しポストカード1が小さくなり過ぎず、郵便葉書の規格の大きさ(例えば長辺140mm以上、短辺90mm以上)を確保できる範囲であればよく、適宜設定することができる。余白部12の幅は、例えば13mm以下であり、2mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。
【0024】
この画像のデータは、通常、コンピューター等の記憶部に格納され、オンデマンド印刷工程(S11)において、プリンター等に送られて用いられる。
【0025】
この画像のデータにおいて、各葉書の裏側の面に印刷する各画像に対応して、表側の面に印刷する宛名等のデータを組み合わせて格納しておくとよい。これにより、各葉書の裏側の画像と表側の記載との組み合わせを正確に印刷することができ、個人情報流出等のリスクを低減でき、かつ間違いがなくなり、歩留まりをより向上させることができる。また、葉書の裏側と表側とを別々の印刷機で印刷する従来の方法に比べて、同時印刷することにより、生産性をさらに向上させることができる。
【0026】
<紙準備工程(S101)>
本工程では、紙を準備する。「紙」とは、植物繊維その他を膠着させて製造したもの以外に、素材として合成高分子物質を用いて製造したユポ紙等の合成紙や、繊維状無機材料を配合して製造したものも含む。再生紙使用葉書である多面連刷官製葉書10に紙を貼付することにより、オンデマンド印刷により印刷された画像の印刷品質をより向上させることができる。
【0027】
紙は、普通紙、上質紙、再生紙等の非加工紙、光沢紙(コート紙)、マット紙、和紙風紙等の加工紙のいずれであってもよい。また、紙は、接着紙等であってもよい。紙の色は、特に限定されず、例えば白色、淡黄色等が挙げられる。紙の質や色を適切に選択することにより、ポストカードの印刷品質をより向上させることができる。
【0028】
紙の厚みとしては、特に限定されないが、例えば1mm以下である。紙の大きさとしては、例えば日本工業規格におけるA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8等のA判;B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8等のB判のもの等が挙げられる。
【0029】
多面連刷官製葉書10として二十面連刷官製葉書(サイズ:短辺500mm、長辺592mm)を用いる場合、大きさが同程度であるB2サイズ(短辺515mm、長辺728mm)の紙を貼付して用いること、又は四十面連刷官製葉書に、大きさが同程度であるB1サイズ(短辺728mm、長辺1030mm)の紙を貼付した後、切断して2つの二十面刷官製葉書にして用いることが好ましい。
【0030】
<紙貼付工程(S111)>
本工程では、多面連刷官製葉書10の裏側の略全面に、紙を貼付する。これにより、オンデマンド印刷工程によるポストカードの印刷品質を、さらに向上させることができる。「略全面」とは、多面連刷官製葉書10の裏側の全面、又は裏側の全面積の95%以上の面積となる領域を意味する。紙の貼付方法としては、例えば糊等の接着剤を用いる方法、紙として接着紙を用いる方法などが挙げられる。
【0031】
本工程は、公知の貼付装置を用いて行うことができる。また、手作業で行ってもよい。
【0032】
<オンデマンド印刷工程(S11)>
本工程では、多面連刷官製葉書10の裏側の略全面に、画像データ準備工程(S2)のデータの画像をオンデマンド印刷する。「オンデマンド印刷」とは、コンピューター等の記憶部に格納されているデジタルデータを用い、プリンター等により葉書等の紙などに直接印刷することをいう。オンデマンド印刷では、オフセット印刷のように、版やスクリーンを作製する必要がないため、多くの種類の画像を印刷することができ、多品種、小ロットの製造が可能になる。また、オンデマンド印刷によれば、用いる印刷機の種類、印刷インキ等を適切に選択することにより、ポストカードの印刷品質をより向上させることができる。
【0033】
オンデマンド印刷工程(S11)を行う方法としては、例えばレーザープリンターを用いる方法、デジタルオフセットプリンターを用いる方法、インクジェットプリンターを用いる方法などが挙げられる。「デジタルオフセットプリンター」は、画像等のデジタルデータにより、従来の製版工程を行うことなく、プリンターにて版を一時的に形成して印刷するプリンターである。
【0034】
本工程により、図2に示すような裏側の略全面に余白を有する画像が印刷された多面連刷官製葉書10が得られる。
【0035】
また、画像データ準備工程(S2)において、各葉書の裏側の面に印刷する各画像に対応する表側の面に印刷する宛名等のデータを組み合わせて格納しておき、これらのデータを用いて、オンデマンド印刷工程(S11)において、各葉書の裏側と表側とを一緒に印刷するようにしておくことにより、各葉書の裏側の画像に正確に対応する表側の記載が印刷される。
【0036】
<外周部切断工程(S22)>
本工程では、オンデマンド印刷工程(S11)後の多面連刷官製葉書10における各葉書の外周部を、複数の切断刃を備えるカッターを用いて切断する。「各葉書の外周部」とは、多面連刷官製葉書10を構成する各官製葉書に対応する領域における外周部をいう。外周部の切断を、複数の切断刃を備えるカッターを用いて行うことで、製造時間が短縮され、生産性が高いものとなる。
【0037】
複数の切断刃を備えるカッターとしては、例えば互いに平行に配置される複数の回転刃を備えるロータリーカッターなどが挙げられる。
【0038】
本工程における切断は、1枚の多面連刷官製葉書10に対して行ってもよいが、複数の多面連刷官製葉書10を積み重ねて集積し、この集積された多面連刷官製葉書10に対して行うことが好ましい。複数の多面連刷官製葉書10を集積してから切断することにより、製造時間の短縮及び生産性の向上をより図ることができると共に、歩留まりをより向上させることができる。
【0039】
本工程の切断は、一回、二回及び三回以上のいずれの回数で行ってもよいが、製造時間の短縮及び生産性の向上の観点から、二回の切断で行うことが好ましい。一回で切断する方法としては、例えばカッターを用いた打ち抜きにより外周部を切断する方法等が挙げられる。二回で切断する方法としては、例えば、まず多面連刷官製葉書10を第1方向に沿って切断した後、切断により得られた各多面連刷官製葉書を第1方向と垂直な第2方向に沿って切断する方法等が挙げられる。第1方向は、例えば多面連刷官製葉書10の短手方向等である。第2方向は、例えば多面連刷官製葉書10の長手方向等である。
【0040】
すなわち、本工程は、オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書10を第1方向に沿って切断する第1切断工程と、第1切断工程後の各多面連刷官製葉書10を第1方向と垂直な第2方向に沿って切断する第2切断工程とを含むことが好ましい。
【0041】
また、この場合、第1切断工程後の各多面連刷官製葉書10を積み重ねて集積し、この集積された多面連刷官製葉書10に対して、第2切断工程を行うことが好ましい。これにより、製造時間の短縮及び生産性の向上をさらに図ることができ、また、歩留まりをさらに向上させることができる。
【0042】
図2及び図3において、左右方向が、多面連刷官製葉書10の長手方向であり、上下方向が短手方向である。第1方向が多面連刷官製葉書10の短手方向である場合、切断は、例えば図3に示される切断線A(1)、A(2)、A(3)、A(4)、A(5)、・・・、A(n-2)、A(n-1)、A(n)に沿って行う。第2方向が多面連刷官製葉書10の長手方向である場合、切断は、例えば図3に示される切断線B(1)、B(2)、B(3)、B(4)、B(5)、・・・、B(n-2)、B(n-1)、B(n)に沿って行う。これにより、より生産性よく製造することができる。
【0043】
本工程において切断される各葉書の外周部の幅は、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。「切断される各葉書の外周部の幅」とは、多面連刷官製葉書10を構成する各葉書の外周部のうち、切断されて除去される部分の幅を意味する。この場合、カッターにおいて葉書送りに誤差が生じた場合でも、適切な箇所で切断することができ、フチ無しポストカード1の歩留まりをより向上させることができる。切断される各葉書の外周部の幅は、0.7mm以上2.5mm以下であることがより好ましく、1mm以上2mm以下であることがさらに好ましい。この外周部の幅は、図3において、例えばA(2)とA(3)との間隔の半分、A(4)とA(5)との半分、A(n-2)とA(n-1)との間隔の半分であり、例えばB(2)とB(3)との間隔の半分、B(4)とB(5)との間隔の半分、B(n-2)とB(n-1)との間隔の半分である。
【0044】
本工程において切断される多面連刷官製葉書10の周辺部の幅は、0.5mm以上であることが好ましい。「切断される多面連刷官製葉書の周辺部の幅」とは、多面連刷官製葉書10の周辺部のうち、切断され除去される部分の幅を意味する。この場合、カッターのブレがある場合でも、得られるフチ無しポストカード1の歩留まりをより向上させることができる。切断される周辺部の幅は、1mm以上であることがより好ましく、1.5mm以上であることがさらに好ましい。切断される周辺部の幅の上限は、特に限定されないが、例えば13mm以下であり、4mm以下であることが好ましく、2.5mm以下であることがより好ましい。この周辺部の幅は、図3において、多面連刷官製葉書10の端部と、切断線A(1)、A(n)、B(1)又はB(n)との距離を意味する。
【0045】
以上のように、本発明の製造方法によれば、数多くの種類の画像を用いることができ、多数のフチ無しポストカード1を、製造時間、製造コストを抑え、生産性よくかつ印刷品質を向上させて製造することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 フチ無しポストカード
10 多面連刷官製葉書
11 印刷画像部
12 余白部
13 裏面画像
【要約】
【課題】多数のフチ無しポストカードを、多種類の画像を用い、生産性よくかつ印刷品質を向上させて製造することができる方法を提供する。
【解決手段】フチ無しポストカード1の製造方法は、葉書準備工程と、画像データ準備工程と、オンデマンド印刷工程と、外周部切断工程とを備える。葉書準備工程では、多面連刷官製葉書10を準備する。画像データ準備工程では、外縁部に余白を有する画像のデータを準備する。オンデマンド印刷工程では、多面連刷官製葉書10の裏側の略全面に、画像をオンデマンド印刷する。外周部切断工程では、オンデマンド印刷工程後の多面連刷官製葉書10における各葉書の外周部を、複数の切断刃を備えるカッターを用いて切断する。
【選択図】図1
図1
図2
図3