(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】噴射ノズル及びこれを用いた噴射装置
(51)【国際特許分類】
A61M 15/08 20060101AFI20220926BHJP
A61M 11/02 20060101ALI20220926BHJP
B65D 83/14 20060101ALI20220926BHJP
B65D 83/30 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A61M15/08
A61M11/02 Z
B65D83/14 200
B65D83/30
(21)【出願番号】P 2022001451
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2018038511の分割
【原出願日】2018-03-05
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】因幡 和晃
(72)【発明者】
【氏名】山口 大介
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 風人
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202015660(CN,U)
【文献】特開2016-168531(JP,A)
【文献】特開2005-118356(JP,A)
【文献】特開平06-047671(JP,A)
【文献】特開2009-156518(JP,A)
【文献】実開昭56-064767(JP,U)
【文献】特開2004-356317(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0057439(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00
A61M 15/08
B65D 83/30
B65D 83/14
B05B 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に設けられ、旋回噴流のための複数の旋回流路と、
前記複数の旋回流路の吐出口の下流側に設けられ、内側へ絞られた絞り部と
を具備する噴射ノズルであって、
前記複数の旋回流路は前記噴射ノズルの軸方向に螺旋状に向かう扇形断面を有し、
さらに、前記複数の旋回流路に囲まれ、排気又は吸気の直進気流のための直進気流路
と、
前記直進気流路の吐出口に開口を有する突出部と
を具備する噴射ノズル。
【請求項2】
前記複数の旋回流路は前記噴射ノズルの前記周方向に等間隔に設けられた請求項1に記載の噴射ノズル。
【請求項3】
前記直進気流路は
、前記旋回噴流の下流側から上流側に向って
広がる円錐状である請求項1に記載の噴射ノズル。
【請求項4】
前記突出部の外面は
、前記旋回噴流の下流側から上流側に向って広がる裾広がり状である請求項
1に記載の噴射ノズル。
【請求項5】
前記突出部の外面は
、前記旋回噴流の下流側から上流側に向って広がる円錐状である請求項
1に記載の噴射ノズル。
【請求項6】
前記突出部の外面は凹状である請求項
1に記載の噴射ノズル。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれかに記載の噴射ノズルと、
前記噴射ノズルの前記各旋回流路の吸込口に結合された気液2相タンクと
を具備する噴射装置。
【請求項8】
請求項1~
6のいずれかに記載された噴射ノズルと、
前記噴射ノズルの前記各旋回流路の吸込口に結合された気液2相タンクと、
前記噴射ノズルの前記直進気流路の吸込口又は吐出口に結合された正圧又は負圧のタンクと
を具備する噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は点鼻装置等に用いられる噴射ノズル及びこれを用いた噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薬剤の経鼻投与が注目されている。たとえば、インフルエンザワクチンの注射による投与は、あくまで重症化を防ぐためであり、感染を防止できない。これに対し、鼻腔内に薬液を噴霧する薬剤の経鼻投与は感染そのものを防ぐことが期待される。
【0003】
図15は従来の噴射ノズルを有する点鼻装置を示し、(A)は全体斜視図、(B)は部分拡大断面図である(参照:特許文献1)。尚、
図15の点鼻装置はポンプ式である。
【0004】
図15において、点鼻装置は、薬液タンク101、ポンプ102及び噴射ノズル103より構成されている。また、ポンプ102はスプリング102a及び逆止弁102bを有する。さらに、噴射ノズル103は流路を狭めて高速流を実現するためのロッド103a及び噴霧口としてのノズルチップ103bを有する。
【0005】
【0006】
始めに、
図16の(A)に示すごとく、薬液L1がポンプ102からノズルチップ103bまで充填された状態とされている。
【0007】
次いで、
図16の(B)に示すごとく、噴射ノズル103を押し下げると、逆止弁102b周囲の薬液L1の容積が減少し、逆止弁102b周囲の薬液L1の圧力が上昇する。このとき、薬液L1が下方へ流れないように逆止弁102bが動作し、従って、薬液L1は上方のみへ流れる。この結果、薬液L1は噴射ノズル103の内面とロッド103aの外面との間の微小空間を通ってノズルチップ103bより微粒化した液滴L2として噴霧される。この結果、液滴L2は図示しない鼻腔内に噴霧される。
【0008】
噴霧が終了すると、
図16の(C)に示すごとく、噴射ノズル103はスプリング102aによって元の位置に戻り、薬液L1が負圧で薬液タンク101よりポンプ102に再充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述の
図15に示す点鼻装置においては、中空円錐状の液滴L2の噴霧角θは45°~65°と大きい。従って、噴霧された液滴L2の噴霧中心の薬液は少なく、かつ、鼻腔内の空間が狭くかつ噴射ノズル103と鼻腔壁との距離が小さいので、液滴L2は鼻腔壁に付着し易い。この結果、鼻腔深部への液滴L2の到達性が低いという課題がある。
【0011】
また、上述の
図15に示す点鼻装置においては、液滴L2の粒子速度が20m/s程度と大きく、この結果、鼻腔への噴霧の刺激が強く、患者の不快感が大きいつまり患者のデライト性が低いという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明に係る噴射ノズルは、周方向に設けられ、旋回噴流のための複数の旋回流路と、複数の旋回流路の吐出口の下流側に設けられ、内側へ絞られた絞り部とを具備する噴射ノズルであって、複数の旋回流路は噴射ノズルの軸方向に螺旋状に向かう扇形断面を有し、さらに、複数の旋回流路に囲まれ、排気又は吸気の直進気流のための直進気流路と、直進気流路の吐出口に開口を有する突出部とを具備するものである。
【0013】
また、本発明に係る噴射装置は、上述の噴射ノズルと、噴射ノズルの各旋回流路の吸込口に結合された気液2相タンクとを具備するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、旋回気流によって噴霧の拡散が抑制され、つまり、噴霧角が小さくされ、従って、液滴の対象物への到達性を高くできる。また、液滴は旋回気流に乗って対象物へ斜めに衝突するので、不快感を低減できる。排気直進気流の動圧効果によりさらに拡散を抑圧でき、つまり、噴霧角をさらに小さくできる。この結果、液滴の到達性をさらに高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の原理を説明するための図であり、(A)は気液2相旋回噴流を示し、(B)は(A)の液滴の衝突状態を示し、(C)は従来の液滴の衝突状態を示す。
【
図2】本発明に係る噴射ノズルの第1の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)は噴流流跡線を示す側面図である。
【
図3】本発明に係る噴射ノズルの第2の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【
図4】本発明に係る噴射ノズルの第3の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【
図5】本発明に係る噴射ノズルの第4の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【
図6】本発明に係る噴射ノズルの第5の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)は噴流流跡線を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2の原理を説明するための図であり、(A)は旋回気流及び排気直進気流を示し、(B)は旋回気流及び吸気直進気流を示す。
【
図8】本発明に係る噴射ノズルの第6の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)-1、(B)-2、(B)-3は噴流流跡線を示す側面図である。
【
図9】本発明に係る噴射ノズルの第7の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)-1、(B)-2は噴流流跡線を示す側面図である。
【
図10】
図9の突出部の変更例及び噴流流跡線を示す図である。
【
図11】
図10の突出部を用いた
図9の噴射ノズルの噴流幅及びその半値幅を説明するためのグラフである。
【
図12】
図10の突出部を用いた
図9の噴射ノズルの渦度を説明するためのグラフである。
【
図14】
図8、
図9の噴射ノズルを用いた第2の噴射装置を示す一部透視斜視図である。
【
図15】従来の噴射ノズルを有する点鼻装置を示し、(A)は全体斜視図、(B)は部分拡大断面図である。
【
図16】
図15の点鼻装置の動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の第1の原理を説明するための図であり、(A)は気液2相旋回噴流を示し、(B)は(A)の液滴の衝突時状態を示し、(C)は従来の液滴の衝突時状態を示す。
【0017】
図1の(A)の気液2相旋回噴流においては、噴射ノズルN上に旋回気流S及びそれに追随する液滴Lを示している。液滴Lは旋回気流Sに乗って飛翔することによって対象患部たとえば鼻腔深部Pと無関係に広く拡散することを抑制でき、つまり、噴霧角を小さくできる。この結果、対象部たとえば鼻腔深部への液滴L(薬剤)の到達性を高くできる。また、
図1の(B)に示すごとく、液滴Lは鼻腔深部Pへ斜め(U)に衝突するので垂直抗力U
Nが小さく患者の不快感を低減でき、つまり、患者のデライト性を高くできる。尚、従来の場合、
図1の(C)に示すごとく、液滴Lは鼻腔深部Pへ垂直(U)に衝突するので垂直抗力U
Nが大きく患者の不快感は増大する。
【0018】
尚、気液2相旋回噴流においては、液滴Lに加えて大量の気体が鼻腔内へ流入されるが、この場合、実験によれば、たとえば、10μm以上の液滴を総液体量70μLに対して空気量700mLを投入しても投入時間が1秒以上であれば、患者に危険が及ぶこと及び耐え難い苦痛に晒されることはないことが確認された。
【0019】
図1に示す第1の原理は
図2~
図6に示す本発明の第1~第5の実施の形態によって実現される。
【0020】
図2は本発明に係る噴射ノズルの第1の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)は噴流流跡線を示す側面図である。
【0021】
図2の(A)において、噴射ノズル1Aは、周方向に等間隔で設けられ、軸方向の下方から上方へ螺旋状に向う扇形断面の旋回気流路11-1、11-2、11-3、11-4、11-5よりなる。尚、アタッチメント用ねじ部12は必要に応じてアタッチメントを取付けるためのものである。
【0022】
図2の(A)の噴射ノズル1Aの噴流流跡線をシミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)した結果を
図2の(B)に示す。
図2の(B)に示すように、旋回流形成が確認され、従って、噴流の拡散が抑制され、噴霧角は小さかった。但し、吐出後即座に拡散していた。
【0023】
図3は本発明に係る噴射ノズルの第2の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【0024】
図3においては、噴射ノズル1Bは、
図2の噴射ノズル1Aの吐出口の下流側に円筒部21を付加してある。シミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)結果を示すように、旋回流形成が確認され、従って、噴流の拡散が
図2の(B)の場合よりも抑制され、噴霧角はさらに小さかった。但し、吐出後即座に拡散していた。
【0025】
図4は本発明に係る噴射ノズルの第3の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【0026】
図4においては、噴射ノズル1Cは、
図2の噴射ノズル1Aの吐出口の下流側に内面が下流側へ絞られた
絞り円筒部22を付加してある。シミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)結果を示すように、旋回流形成が確認され、従って、噴流の拡散が
図3の(B)の場合よりも抑制され、噴霧角はさらに小さかった。
【0027】
図5は本発明に係る噴射ノズルの第4の実施の形態の噴流流跡線を示す側面図である。
【0028】
図5においては、噴射ノズル1A’は、
図2の噴射ノズル1Aの吐出口の内面が絞られた絞り部23を形成してある。この場合、下流側つまり吐出口側の旋回気流路11-1、11-2、11-3、11-4、11-5の
扇形断面の面積は小さくなる。シミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)結果を示すように、旋回流形成が確認され、従って、噴流の拡散が
図4の場合よりも抑制され、従って、噴霧角はさらに小さかった。
【0029】
図6は本発明に係る噴射ノズルの第5の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)は噴流流跡線を示す側面図である。
【0030】
図6における噴射ノズル1A”においては、
図2の噴射ノズル1Aの中心部を空洞24とした。この場合、空洞24は旋回気流路11-1、11-2、11-3、11-4、11-5と導通している。
【0031】
図6の(A)の噴射ノズル1A”の噴流流跡線をシミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)した結果を
図6の(B)に示す。
図6の(B)に示すように、旋回流形成が確認され、従って、噴流の拡散が
図2の(B)の場合より抑制され、噴霧角はさらに小さかった。
【0032】
図7は本発明の第2の原理を説明するための図であり、(A)は旋回気流及び排気直進気流を示し、(B)は旋回気流及び吸気直進気流を示す。
【0033】
図7の(A)の気液2相旋回噴流においては、噴射ノズルN上の旋回気流S及びそれに追随する液滴Lに加えて旋回気流Sの内側に排気直進気流Eを導入する。この排気直進気流Eの動圧効果によりさらに拡散を抑圧でき、つまり、噴霧角をさらに小さくできる。この結果、鼻腔深部Pへの液滴L(薬剤)の到達性をさらに高くできる。また、遠方での渦度が上昇する。但し、鼻腔内の圧力上昇により患者の不快感が高まる可能性がある。
【0034】
他方、
図7の(B)の気液2相旋回噴流においては、噴射ノズルN上の旋回気流S及びそれに追随する液滴Lに加えて旋回気流Sの内側に吸気直進気流Iを導入する。この吸気直進気流Iの動圧効果によりさらに拡散を抑圧でき、つまり、噴霧角をさらに小さくできる。この結果、鼻腔深部Pへの液滴L(薬剤)の到達性をさらに高くできる。また、噴射ノズルN近傍での渦度が上昇して遠方での渦度が下降する。但し、液滴L(薬剤)を吸い戻してしまう可能性がある。
【0035】
図7に示す第2の原理は
図8、
図9に示す本発明の第7、第8の実施の形態によって実現される。
【0036】
図8は本発明に係る噴射ノズルの第6の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)-1、(B)-2、(B)-3は噴流流跡線を示す斜視図である。
【0037】
図8の(A)において、噴射ノズル1Dは、
図2の(A)の旋回気流路と同一の6つの旋回気流路11-1、11-2、11-3、11-4、11-5、11-6を有しているが、
図5と同様に、突出口の絞り部となっている。但し、絞り部を形成しなくてもよい。さらに、噴射ノズル1Dは、旋回気流路11-1、11-2、11-3、11-4、11-5、11-6に囲まれた中心部に排気又は吸気のための直進気流路13を有している。直進気流路13は下流側から上流側に向って円錐状をなし、排気又は吸気し易くする。
【0038】
図8の(A)の噴射ノズル1Dの噴流流跡線をシミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)した結果を
図8の(B)-1、(B)-2、(B)-3に示す。尚、
図8の(B)-1は直進気流路13に排吸気を行わない場合、つまり、
図5の噴射ノズル1A’の場合を示している。
【0039】
図8の(B)-2に示すごとく、直進気流路13から排気直進気流が流れ出た場合、
図8の(B)-1の場合に比較して、その動圧効果により拡散が抑圧されていることが分る。さらに、遠方での渦度向上が認められる。また、同様に、
図8の(B)-3に示すごとく、直進気流路13へ吸気直進気流が流れ込んだ場合、
図8の(B)-1の場合に比較して、その動圧効果により拡散が抑圧されていることが分る。さらに、遠方での渦度向上が認められる。
【0040】
図9は本発明に係る噴射ノズルの第7の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)-1、(B)-2は噴流流跡線を示す斜視図である。
【0041】
図9の(A)において、噴射ノズル1Eにおいては、
図8の(A)の噴射ノズル1Eの直進気流路13の上流側に直進気流路13に対向する開口14aを有する突出部14を付加してある。
【0042】
図9の(A)の噴射ノズル1Eの噴流流跡線をシミュレーション(商標:SolidWorks Flow Simulation)した結果を
図9の(B)-2に示す。尚、
図9の(B)-1は直進気流路13に突出部14を設けない場合、つまり、
図8の噴射ノズル1Dの場合を示している。
【0043】
図9の(B)-2に示すごとく、突出部14及び直進気流路13へ吸気直進気流が流れ込む場合、
図9の(B)-1の場合に比較して、さらなる動圧効果により拡散が抑圧されていることが分る。さらに、遠方での渦度向上が認められる。
【0044】
図10は
図9の突出部の変更例及び噴流流跡線を示す図である。
【0045】
図10の(A)においては、突出部14-Aの外面を下流側から上流側に向って円錐状とし、
図10の(B)においては、突出部14-Bの外面を凹状し、
図10の(C)においては、突出部14-Cの外面を裾広がり状とする。
図10の(A)、(B)、(C)の噴射ノズル1Eの噴流流跡線をシミュレーション(商標:SolidWorks Flow Software)した結果、
図11の(A)、(B)に示す突出部14先端からy=40mmでの噴流幅及び噴流幅からも分かるように、拡散の抑制の点は
図10の(C)の突出部14-C、
図10の(A)の突出部14-A、
図10の(B)の突出部14-Bの順でよい。他方、
図12の(A)、(B)に示す
開口14aの中心面及び突出部14-A、14-B、14-C先端からy=40mmでの面における渦度から分かるように、渦度は同程度であった。
【0046】
【0047】
図13においては、噴射ノズル1A、1B、1C、1A'、1A”の旋回気流路の吸込口に気液2相タンク1301を管1301aによって結合し、
図13の(A)においては、噴射ノズル1A、1B、1C、1A'、1A”と気液2相タンク1301とは横に結合されており、他方、
図13の(B)においては、噴射ノズル1A、1B、1C、1A'、1A”と気液2相タンク1301とは縦に結合されている。気液2相タンク1301はたとえば直径10μm以上の液滴及び圧縮空気を予め含んでいる。この場合、噴射ノズル1A、1B、1C、1A'、1A”と気液2相タンク1301との間の管1301aには開閉弁(図示せず)が設けられており、この開閉弁を開とすることによって噴射ノズル1A、1B、1C、1A'、1A”の先端より液滴が旋回気流に乗って飛翔した気液2相旋回噴射1302が噴露される。
【0048】
図13の(A)に示す縦型噴射装置はたとえば点鼻装置に適用され、他方、
図13の(B)に示す横型噴射装置は塗料塗布装置に適用される。
【0049】
図14は、
図8、
図9の噴射ノズル1D、1Eを用いた第2の噴射ノズル装置を示す図である。
【0050】
図14においては、噴射ノズル1D、1Eの旋回気流路に気液2相タンク1401を管1401aによって結合し、また、直進気流路の吸込口又は吐出口に正圧又は負圧のタンク1402を管1402aによって結合する。尚、正圧の場合、タンク1402は直進気流路を排気状態とし、負圧の場合、タンク1402は直進気流路を吸気状態とする。
図14の(A)においては、噴射ノズル1D、1Eと気液2相タンク1401及び正圧は負圧のタンク1402とは横に結合されており、他方、
図14の(B)においては、噴射ノズル1D、1Eと気液2相タンク1401とは縦に結合されている。気液2相タンク1401はたとえば直径10μm以上の液滴及び圧縮空気を予め含んでおり、正圧又は負圧のタンク1402は正圧又は負圧の空気を含んでいる。この場合、噴射ノズル1D、1Eと気液2相タンク1401、正圧又は負圧のタンク1402との間の管1401a、管1402aには開閉弁(図示せず)が設けられており、この開閉弁を開とすることによって噴射ノズル1D、1Eの先端より液滴が旋回気流に乗って飛翔した気液2相旋回気流1403が噴露され、排気直進気流又は吸気直進気流1404が排出又は吸気される。
【0051】
図14の(A)に示す縦型噴射装置はたとえば点鼻装置に適用され、他方、
図14の(B)に示す横型噴射装置は塗料塗布装置に適用される。
【0052】
尚、上述の実施の形態において、気液2相旋回気流は気体又は液体の1相旋回気流でもよい。この場合には、旋回気流路は旋回流路となる。
【0053】
尚、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲でいかなる変更にも適用される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は点鼻装置以外の噴射装置たとえば塗料塗布装置、燃料噴射装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0055】
N、1A、1B、1C、1A'、1A”、1D、1E:噴射ノズル
11-1、11-2、11-3、11-4、11-5、11-6:旋回気流路
12:アタッチュメント用ねじ部
13:直進気流路
14、14-A、14-B、14-C:突出部
14a:開口
21:円筒部
22:絞り円筒部
23:絞り部
24:空洞
L:液滴
S:旋回気流
E:排気直進気流
I:吸気直進気流
1301:気液2相タンク
1302:気液2相旋回噴流
1401:気液2相タンク
1402:正圧または負圧のタンク
1403:気液2相旋回噴流
1404:排気直進気流又は吸気直進気流