IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カナコーの特許一覧

<>
  • 特許-土嚢製造ユニット 図1
  • 特許-土嚢製造ユニット 図2
  • 特許-土嚢製造ユニット 図3
  • 特許-土嚢製造ユニット 図4
  • 特許-土嚢製造ユニット 図5
  • 特許-土嚢製造ユニット 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】土嚢製造ユニット
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/04 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
E02B3/04 301
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022116359
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520027420
【氏名又は名称】株式会社カナコー
(74)【代理人】
【識別番号】100199668
【弁理士】
【氏名又は名称】林 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】大久保 眞介
(72)【発明者】
【氏名】大久保 貴章
【審査官】大塚 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-287117(JP,A)
【文献】特開2001-253402(JP,A)
【文献】特開2000-142601(JP,A)
【文献】特開2000-027145(JP,A)
【文献】特開2000-062701(JP,A)
【文献】実開平03-054820(JP,U)
【文献】特開平10-025725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土嚢を製造するための機材を配設するとともに車両への積み降ろしを可能にする枠体と、前記枠体の所用高さ位置に配設され土嚢袋に土砂を投入する漏斗状形状のホッパーと、土砂を土嚢袋に挿入後に前記土嚢袋の開口部を封止する封止器具と、前記ホッパーと前記封止器具の間に配設された土嚢袋移動用のコンベアとを有し、前記ホッパーは、前記ホッパーへの土砂投入口であり前記枠体の上部に設置されたホッパー開口部と、土嚢袋への土砂投入口である下部開口部を有し、前記枠体が略矩形状に形成され、前記枠体の上部に設置され作業場上部を覆い尽くす天井部と、前記枠体の側面を覆う側壁部と、前記枠体の下側を覆い作業者の足場を形成する床部とを有し、さらに前記ホッパー開口部が略矩形状に形成され、矩形状の各辺縁部近傍に其々開閉自在に蝶設された複数の開閉フラップを有し、前記開閉フラップは閉鎖時に前記ホッパー開口部を覆い尽くす蓋体として機能し、また開放時に隣り合う前記開閉フラップを互いに係止することで前記ホッパー開口部から延設し土砂投入口を拡張する拡張体として機能することを特徴とする土嚢製造ユニット。
【請求項2】
前記ホッパー開口部から下部開口部へ漏斗状形状を形成するホッパー側壁部外側に、付設された土砂落下促進用の振動体を有することを特徴とする請求項1に記載の土嚢製造ユニット。
【請求項3】
前記枠体の側面を覆う側壁部が、前記枠体に対して開閉自在の開閉部分を有することを特徴とする請求項1に記載の土嚢製造ユニット。
【請求項4】
前記ホッパーは前記枠体に緩衝材を介して上部側が付設固定され、さらに、前記ホッパー側壁部外側に上部側が付設され下部側は床部に緩衝材を介して垂設されたホッパー柱部を有することを特徴とする請求項2に記載の土嚢製造ユニット。
【請求項5】
前記枠体の外側所要位置に、前記土嚢製造ユニットを車両に積載するための吊り上げフック部を有することを特徴とする請求項1に記載の土嚢製造ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風水害などの災害時に、被害を防止するために使用される土嚢を効率よく製造するための装置であり、詳しくは、災害時には車両に積載して災害現場に移動し、災害時以外の平常時には車両より降ろして保管が簡便となる土嚢製造ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、風水害などの災害時に土嚢を製造する場合には、一人若しくは複数人の作業者がスコップなどを用いて、作業者が保持した土嚢袋に土砂を投入し、土嚢を製造する所謂人海戦術に頼ることが多く、その為、作業者への負担が極めて大きく、作業員の確保が課題となっていた。
【0003】
そこで、特許文献1には、上部が土砂の投入口となり下部が放出口となる上下方向に延伸した略筒形状であり、投入口から投入された土砂を下方に案内して放出口から放出するための1ないし複数のガイド体と、自立可能であって放出口が所定の高さに位置するように前記ガイド体を中空で支持する支持枠と、土嚢袋を前記ガイド体の放出口に下方から被せてつり上げた際に、当該土嚢袋の口分部に着脱自在に係止可能な係止体とを備えた土嚢作成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3123718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の土嚢作成装置は、係止体によって土嚢袋をつり上げた状態で保持し、土砂を投入することが可能ではあるが、土砂の投入自体は作業員がスコップなどで行い、さらに土嚢袋の着脱作業、土嚢袋の閉じ紐を結ぶ作業も作業員が行う必要があり作業効率が悪く、災害時に必要な土嚢を短時間で製造できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その具体的目的は、風水害などの災害時に土嚢が必要な場所に容易に輸送でき、土嚢を効率よく短時間で製造できると共に、平常時には保管が簡便である土嚢製造ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。詳述するならば、土嚢を製造するための機材を配設すると共に、車両への積み降ろしを可能にする所要強度を有する角柱形状材からなる枠体と、土嚢袋に土砂を投入する漏斗状形状のホッパーと、土砂を土嚢袋に投入後に前記土嚢袋の開口部を封止する封止器具と、前記ホッパーと前記封止器具の間に配設された土嚢袋移動用のコンベアとで構成されている。また、前記ホッパーは前記枠体の上部近傍より吊設され上部から土砂を投入可能なホッパー開口部と、前記ホッパー開口部より下方へ向け縮小し土嚢袋に土砂を投入する下部開口部とを有している。前記下部開口部は作業員が手動で開閉可能な構造であり、使用する土嚢袋に応じた所用高さ位置に配設されている構成からなる。
【0008】
本発明の土嚢製造ユニットは、車両への積み降ろしを可能にする所要強度を有する枠体を有することで、風水害などの災害時には、クレーンやフォークリフトでトラックの荷台に積載し、土嚢が必要な場所に容易に輸送でき、平常時には車両から降ろして保管が簡便となり、さらに移動に使用する車両は一般的なトラックを使用すれば良く、土嚢製造装置を積載した専用車両ではないことから経済的にも有益な効率が得られる。
【0009】
本発明には、前記枠体が略矩形状に形成され、前記枠体の上部近傍に設置された前記ホッパー開口部と、前記封止器具や前記コンベア周辺の作業場となる位置の上部を覆い尽くす天井部と、前記枠体の側面を覆う側壁部と、前記枠体の下側を覆い作業者の足場を形成する床部とを有し、前記ホッパー開口部が略矩形状に形成され、矩形状の各辺縁部近傍に其々開閉自在に蝶設された複数の開閉フラップを有し、前記開閉フラップは閉鎖時に前記ホッパー開口部を覆い尽くす蓋体として機能する略矩形状の開閉フラップ本体部と、開放時に隣り合い互いに係止する略三角形状の開閉フラップ連結部とで構成され、前記開閉フラップを開放し互いに係止することで、前記ホッパー開口部から外側に延設され土砂投入口を拡張する拡張体として機能する構成が含まれる。
【0010】
本発明の土嚢製造ユニットは、作業場上部を覆い尽くす天井部と、ホッパー開口部から外側に延設される開閉フラップとを有することで、作業員が土嚢製造作業中に土砂を重機等で投入しても作業場にこぼれ落ちる心配が無く、重機による土砂投入作業と、土嚢製造作業を同時に進めることができるので作業効率が向上する。
【0011】
本発明には、前記ホッパー開口部から前記下部開口部へ漏斗状形状を形成するホッパー側壁部の外側に沿うように付設された土砂落下促進用の振動モーターからなるバイブレータを有する構成が含まれる。
【0012】
本発明の土嚢製造ユニットは、ホッパー側壁部にバイブレータを付設してあることで、風水害などの災害現場で入手できるやや湿った粘度が高目の土砂などでも使用することができる。
【0013】
本発明には、前記枠体の側面を覆う側壁部が、前記枠体に対して開閉自在となる例えば、シャッターや着脱扉などを有する構成が含まれる。
【0014】
本発明の土嚢製造ユニットは、土嚢製造時には開閉自在の側壁部を開放して作業し、製造した土嚢は土嚢製造ユニット外へ搬出し、移動時や保管時には側壁部を閉鎖することで、保管時の機材盗難なども防止できると共に、例えば、本土嚢製造ユニットを使用する際に使用する付帯設備や材料なども、土嚢製造ユニット内に格納できる効果がある。
【0015】
本発明には、前記ホッパーは前記枠体に、例えば、ゴムマウントなどの緩衝材を介して上部側が付設固定され、さらに、前記ホッパー側壁部の外側に上部側が付設され下部側は床部に、例えば、ゴムマウントなどの緩衝材を介して垂設されたホッパー柱部を有する構成が含まれる。
【0016】
本発明の土嚢製造ユニットは、ホッパーが緩衝材を介して固定されていることから、ホッパーに付設されたバイブレータの振動を有効に利用でき土砂の落下促進効果がより期待できると共に、ホッパー取付け部の破損防止、作業時の騒音減少効果が期待できる。
【0017】
本発明には、前記枠体の外側所要位置に、前記土嚢製造ユニットを車両に積載するための所要強度を有する吊り上げフック部を有する構成が含まれる。
【0018】
本発明の土嚢製造ユニットは、吊り上げフック部を有することで、クレーン車やユニッククレーン車などで、移動用の車両への積み降ろしが容易となる効果がある。
【発明の効果】
【0019】
本発明の土嚢製造ユニットは、風水害などの災害時に土嚢が必要な場所に車両に積載して容易に輸送でき、現地で土嚢を効率よく短時間で製造できると共に、平常時には車両より降ろして、必要な機材をユニットとして一式で容易に保管ができると共に、土嚢製造用専用車両と比較すると経済的にも有益となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る土嚢製造ユニットを車両に積載し、さらに、土嚢を製造する状態を示す説明図である。
図2】本発明に係る土嚢製造ユニットの実施例を示す正面図である。
図3】開閉フラップを開放した状態を示す正面図である。
図4】本発明に係る土嚢製造ユニットの側面図である。
図5図3に示す開閉フラップを開放した状態の平面図である。
図6】本発明に係る土嚢製造ユニットの平面視における開閉フラップを開放する手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。ただし、図面は模式的に図示しており、実際の寸法や比率等とは必ずしも一致しない。また、図面相互間において、お互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることがある。
尚、本実施形態において、土嚢製造ユニットを説明する場合には、土嚢製造ユニット車両の荷台上に積載した状態を基準に、車両の左側面側を正面、車両の右側面側を背面、車両前後方向側を側面、車両上側を上または平面と、車両下側を下または底面と表現することとする。
【0022】
図1図2及び図5に示されるように、本実施形態の土嚢製造ユニット1は、土嚢100を製造するための機材を配設すると共に、車両200への積み降ろしを可能にする所要強度を有する角柱形状の鋼管からなる枠体2と、土嚢袋101に土砂を投入する漏斗状形状のホッパー10と、土砂を土嚢袋101に投入後に土嚢袋101の開口部を封止する封止器具20と、ホッパー10と封止器具20の間に配設された土嚢袋101を移動するためのコンベア30を備えている。
【0023】
また、ホッパー10は、枠体2の上部近傍より吊設され、上部から土砂を投入可能なホッパー開口部11と、ホッパー開口部11より下方へ向け縮小し土嚢袋101に土砂を投入する下部開口部12とを有している。さらに下部開口部12は、使用する土嚢袋101に応じた所用高さ位置に配設され、作業員400が手動で開閉するハンドル部13と一体に形成された開閉部14が枢着されている。
【0024】
図3及び図5に示されるように、枠体2は略矩形状に形成され、枠体2の上部に設置されたホッパー開口部11と、封止器具20やコンベア30の周辺作業場上部を覆い尽くす天井部3と、枠体2の正面と背面と側面とを覆う側壁部4と、枠体2の下部所要位置を覆い作業者の足場を形成する床部5とを有する。
【0025】
また、ホッパー開口部11は略矩形状に形成され、矩形状の各辺縁部近傍に其々開閉自在に蝶設された複数の開閉フラップ6を有し、開閉フラップ6は閉鎖時にホッパー開口部11を覆い尽くす蓋体として機能する。
【0026】
開閉フラップ6は、略矩形状の開閉フラップ本体部7と、開閉フラップ本体部7の長さ方向に沿った方向の両端部に開閉自在に蝶設され、開放時に互いに係止する略三角形状の開閉フラップ連結部8A,8Bとで構成され、開閉フラップ6を開放し開閉フラップ連結部8Aと開閉フラップ連結部8Bとを互いに係止することで、ホッパー開口部11から外側に延設され土砂投入口を拡張することができる機能を備えている。
【0027】
図3に示されるように、ホッパー10は、ホッパー開口部11から下部開口部12へ漏斗状形状を形成するホッパー10の側壁部外側に沿うように付設された土砂落下促進用の振動モーターからなる振動部15を備えている。
【0028】
また、ホッパー10の固定方法は、ホッパー開口部11近傍の所要位置に、例えば略矩形状のゴムマウントなどの緩衝材16を介在させて枠体2にボルトとナット(図示せず)で付設固定され、さらに、ホッパー10の側壁部外側に上端部側が付設され下端部側は床部5に、例えば、略矩形状のゴムマウントなどの緩衝材16を介在させて垂設されたホッパー柱部17をボルトとナット(図示せず)で固定しても良い。
【0029】
側壁部4は、正面と車両後方側である側面が枠体2に対して開閉自在となる例えば、シャッター、跳ね上げ式開閉扉や着脱可能な扉などで構成され、作業員400が天井部3へ昇降するための足場となる梯子部50を備え、さらに枠体2の外側所要位置に、土嚢製造ユニット1をクレーン車300で吊り上げて、車両200に積載するための所要強度を有する吊り上げフック部60を有する構成としても良い。
【0030】
本実施形態では、枠体2は所要強度が得られる金属製の角パイプ材を用いて構成し、ホッパー10は金属製の板材を用いて構成されている。封止器具20は電動式の所謂袋口縫ミシンを使用し、図1に示すように天井部3から吊設して配置するか、図3に示すように床部5にスタンドで立設し配設しても良い。
【0031】
コンベア30は所謂フリーローラコンベア(W365mm、H63mm、L2000mm)を使用し、また、土嚢100を土嚢製造ユニット1の外へ搬出するベルトコンベア500は電動モーターで駆動されるユニット式のベルトコンベアを使用し、さらに、振動部15は電動モーターのバイブレータ装置を使用し4か所に配設した。
【0032】
電動式の袋口縫ミシン、ユニット式のベルトコンベア、電動モーターのバイブレータ装置を駆動するための電力は、発電装置600で発電すれば良く、本実施形態では所謂ポータブルタイプのインバーター発電機を使用した。
【0033】
次に、本実施形態に係る土嚢製造ユニット1の使用方法について説明する。最初に、図6を用いて、開閉フラップ6を開放し土砂投入口を拡張する手順を説明する。 図6は、土嚢製造ユニット1の平面視における開閉フラップを示しており、(a)に示すのは開閉フラップ6を閉鎖した状態であって、ホッパー開口部11を覆い尽くす蓋体となっている状態を示している。
【0034】
ここで、開閉フラップ6を開放するには、最初に(b)に示すように、向かい合う左右の開閉フラップ本体部7Aを車両の前後方向に開放する。さらに(c)に示すように、もう一対の開閉フラップ本体部7Bを車両の左右方向に開放し、開閉フラップ連結部8AをA視において上側に開放する。最後に(d)に示すように、開閉フラップ連結部8BをB視において下側に開放し、開閉フラップ連結部8Aと開閉フラップ連結部8Bの先端部分に垂設された上向きの係合爪81と、下向きの係合爪82を嵌合することで、ホッパー開口部11から外側に延設して土砂投入口を拡張することができる。
【0035】
ここで、開閉フラップ連結部8Aと開閉フラップ連結部8Bは、それぞれ開閉フラップ本体部7Aと開閉フラップ本体部7Bに蝶設され、それぞれ所要角度に開度を制限され保持される蝶番21,22を使用することで、開閉フラップ連結部8Aと開閉フラップ連結部8Bとがお互いに開放状態を保持し合うことができる。
【0036】
開閉フラップ6が開放されたら、次にホッパー開口部11に重機などを利用して、土嚢製造現場で調達できる土砂を投入する。土砂は基本的に自然落下でホッパー開口部11から下部開口部12へ供給されるが、土砂の状況によっては振動部15を稼動させて土砂が落下する動作を促進する。
【0037】
作業員400は、下部開口部12近傍に土嚢袋101を開口した状態で配置し、ハンドル部13を操作して、適量の土砂を土嚢袋101に投入する。適量の土砂が投入された土嚢袋101をコンベア30の上を手動で移動し、次の作業員400に引き渡す。適量の土砂が投入された土嚢袋101を受け取った作業員400は、土嚢袋101の開口部を封止器具20によって封止して土嚢100を完成させる。完成させた土嚢100は、ベルトコンベア500を利用して搬出される。
【実施例
【0038】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で適宜変更して実施できる。
【0039】
本実施例では、枠体2を高さ2000mm、長さ3000mm、幅1900mmの外側寸法で一般構造用角形鋼管を使用して構成した。また、ホッパー開口部11の寸法は1700mm×1700mmとし、漏斗状形状を形成するホッパー10の側壁部傾斜角度α1を60度、α2を45度として形成した。
【0040】
上記の通り、本実施例の土嚢製造ユニット1は、所謂2トントラック(最大積載量2000kg~3000kg)の荷台に積載可能な寸法であり、さらに、土嚢製造時には側壁部4のシャッターを開放して作業し、土嚢100を土嚢製造ユニット1の外へベルトコンベア500で搬出し、移動時や保管時には側壁部4のシャッターを閉鎖することで、保管時の機材盗難なども防止できると共に、例えば、土嚢製造ユニット1を使用する際に必要となるベルトコンベア500や発電装置600、土嚢袋101なども本土嚢製造ユニット1の内部に格納できる効果がある。
【0041】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、緩衝材としてゴムマウントを使用したが、これは材料を限定するものではなく、例えばコイルスプリングや樹脂マウントなどを緩衝材として使用しても良いし、さらに、前記実施形態では、枠体を一般構造用角形鋼管で構成したが、これは材料を限定するものではなく、例えばアルミニウム合金、ステンレス合金等の金属やエンジニアリングプラステイツクなどを構成材料として使用しても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 土嚢製造ユニット
2 枠体
3 天井部
4 側壁部
5 床部
6 開閉フラップ
7A,7B 開閉フラップ本体部
8A,8B 開閉フラップ連結部
10 ホッパー
11 ホッパー開口部
12 下部開口部
13 ハンドル部
14 開閉部
15 振動部
16 緩衝材
17 ホッパー柱部
20 封止器具
21,22 蝶番
30 コンベア
50 梯子部
60 吊り上げフック部
100 土嚢
101 土嚢袋
200 車両
300 クレーン車
400 作業員
500 ベルトコンベア
600 発電装置
α1,α2 側壁部傾斜角度
【要約】
【課題】風水害などの災害時に土嚢が必要な場所に容易に輸送でき、土嚢を効率よく短時間で製造できると共に、平常時には保管が簡便である土嚢製造ユニットを提供することにある。
【解決手段】土嚢100を製造するための機材を配設すると共に車両200への積み降ろしを可能にする所要強度を有する角柱形状材からなる枠体2と、土嚢袋101に土砂を投入する漏斗状形状のホッパー10と、土砂を土嚢袋101に挿入後に土嚢袋101の開口部を封止する封止器具20と、ホッパー10と封止器具20の間に配設された土嚢袋移動用のコンベア30とで構成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6