(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】任意の寸法の積層板への木製薄板の幅接着のための自動機械およびそれに関連する方法
(51)【国際特許分類】
B27D 1/10 20060101AFI20220926BHJP
B27D 3/00 20060101ALI20220926BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B27D1/10
B27D3/00 Z
B27M3/00 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020153385
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2021-05-24
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SI
(73)【特許権者】
【識別番号】516002130
【氏名又は名称】レディネック グレゴール
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】レディネック グレゴール
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03542981(EP,A1)
【文献】特表2004-530580(JP,A)
【文献】特開平06-182719(JP,A)
【文献】特開2008-168496(JP,A)
【文献】特開2000-117705(JP,A)
【文献】米国特許第04547255(US,A)
【文献】特開2016-210171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27D 1/10
B27D 3/00
B27M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の寸法の積層板(27)への木製薄板(26)の幅接着用自動機械であって、プレス(1)と入口の接着剤塗布装置(2)とを有し、前記プレス(1)は支持フレームワークと、プッシャドッグ(12)を備える無限チェーン(13)を備えた作業テーブル組立体(5)と、および非駆動圧力ローラ(28)と駆動ローラ(29)と、を有し、前記プレスはさらに圧力シュー組立体(6)およびセグメントプッシャ組立体(7)を有し、以下の事実を有することを特徴とする自動機械:
a/前記プレス(1)はモジュール構造に基づいており、任意の数のストリングに配置された作業モジュール(3)で構成され、前記作業モジュール(3)は相互に接続され、中間の支持フレームワーク部位(4)によって一見して分離され、それにより、それぞれの個々の前記作業モジュール(3)は、片側に開いた細長い切り欠き(19)を備える少なくとも2つの支持フレームワーク部位(4)に囲まれており、
b/前記作業モジュール(3)は、対応する側面の前記支持フレームワーク部位(4)に固定されているため前記作業モジュール(3)の作業領域は、前記支持フレームワーク部位(4)の前記切り欠き(19)と同じ平面内に位置し、それにより前記木製薄板(26)の移送または輸送が、前記プレス(1)内の横方向と長手方向の両方において同じ平面内にあることが保証され、
そのことが任意の幅と長さの前記木製薄板(26)を任意の幅と長さの前記積層板(27)に高速で連続して結合することを可能にし、
c/各前記作業モジュール(3)は、少なくとも1つの前記作業テーブル組立体(5)と、少なくとも1つの前記圧力シュー組立体(6)と、および少なくとも1つの前記セグメントプッシャ組立体(7)とから構成され、ここで前記圧力シュー組立体(6)は、交互の順序で配置された任意の数の長い圧力シュー(9)と短い圧力シュー(10)を有し、
d/各前記圧力シュー組立体(6)の圧力要素(22)の端部は、シリンダ(17)を介して、担持要素(31)の両端に移動可能に結合され、前記担持要素(31)はフレームワーク(30)に固定され、そして前記圧力要素(22)はガイド(32)を介して案内され、そして一方、ピボット(33)およびガイド溝(34)内のトラックローラベアリング(41)を介して、前記圧力要素(22)は、共通のピボット(39)を備える、支持バー(20)とガイドバー(21)のはさみ構造に移動可能に接続され、これにより前記圧力要素(22)は(F)方向の垂直の動きが可能となり、
e/各セグメントプッシャ(8)の前面端部に、対応するシリンダ(15)を備えるリフティングフラップ(18)がピボット(42)を介して、首を振るように取り付けられ、それにより前記リフティングフラップ(18)は持ち上げおよび引き下げられることができ、ここで前記リフティングフラップ(18)はその引き下げられた位置では、歯付きラック(25)の上に載って支えられ、そしてこれにより、前記リフティングフラップ(18)と前記歯付きラック(25)は一緒に接触面(43)を形成し、ここで前記接触面(43)はプレス高さと同じ平面にあり、そしてこのようにして前記リフティングフラップ(18)は機械的に自動ロックする。
【請求項2】
前記支持フレームワーク部位(4)は前記プレス(1)の長手方向軸に垂直に配置され、それにより前記支持フレームワーク部位(4)は、切り欠き(19)の開いた部分で、プレス(1)の正面のプレス領域の方向に向けられる、ことを特徴とする、請求項1に記載の自動機械。
【請求項3】
前記セグメントプッシャ(8)は前記長い圧力シュー(9)の間に配置され、それにより前記木製薄板(26)が前記積層板(27)に接着された後、前記セグメントプッシャ(8)は前記短い圧力シュー(10)のすぐ隣にある、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項4】
前記リフティングフラップ(18)が引き下げられ、および/または前記セグメントプッシャ上に持ち上げられると、前記木製薄板(26)の、前記歯付きラック(25)の下を通る長手方向輸送が可能になる、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項5】
前記支持バー(20)および前記ガイドバー(21)のはさみ構造が5点で移動可能にクランプされ、前記支持バー(20)は、ピボット(33)を介して(H)方向に回転でき、一方、前記トラックローラベアリング(41)の動きは、前記ガイド溝(34)内に制限され、これは前記トラックローラベアリング(41)の並進が(G)方向に制限されることを意味する、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項6】
前記長い圧力シュー(9)および前記短い圧力シュー(10)の前記ガイド(32)が前記圧力要素(22)の担持要素(23)に対するアライメントを可能にする、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項7】
前記リフティングフラップ(18)が、前記シリンダ(15)によって、前記ピボット(42)の周りを(P)方向に回転し、それは、前記リフティングフラップ(18)が前記歯付きラック(25)上の接触面(43)上の妨害に起因してプレス高さで自動ロックすることを意味する、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項8】
互いに離間した少なくとも2つの前記プッシャドッグ(12)を備えた前記無限チェーン(13)が前記作業テーブル組立体(5)のスライド板(40)の間に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項9】
前記セグメントプッシャ(8)が前記歯付きラック(25)を介してサーボ駆動装置(14)で駆動される、ことを特徴とする請求項1に記載の自動機械。
【請求項10】
木製薄板を積層板にプレスして接着する方法であって、
前記方法は請求項1に記載の自動機械を提供するステップを有し、ここにおいて:
a/木製薄板(26)は、接着剤塗布装置(2)から非駆動圧力ローラ(28)と駆動ローラ(29)の間で、支持フレームワーク部位(4)の切り欠き(19)を経由してプレス(1)の作業モジュール(3)内に長手方向に輸送され、ここで、前記木製薄板(26)は、サーボ駆動装置(11)によって前記駆動ローラ(29)上の最終位置で停止され、
b/セグメントプッシャ(8)は、長い圧力シュー(9)と短い圧力シュー(10)の下で、前記最終位置から前記木製薄板(26)を横方向に押し、ここで無限チェーン(13)上のプッシャドッグ(12)がサーボ駆動装置(37)の手段によって前記木製薄板(26)に近づき、ある場合、それらの非直線性または曲率をアライメントし、
c/これに続いて、前記セグメントプッシャ(8)のリフティングフラップ(18)の持ち上げ、および前記セグメントプッシャ(8)の停止位置への戻りストロークが続き、これにより、観察される前記木製薄板(26)を接着するサイクルが終了し、一方で、同時に、次の前記木製薄板(26)の前記駆動ローラ(29)に沿った前記プレス(1)への輸送が、次の接着サイクル内で実行され、これは、上記の順序で循環的に繰り返される
、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製薄板を任意の寸法の積層板へ幅接着するための自動機械、およびその方法に関する。より具体的には、接着完成後に積層板の表面加工を伴わない、任意の幅と長さの木製薄板を任意の幅と長さの積層板に高速連続接合、プレス、幅接着するためのプレス、およびそれに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(技術的な問題)
本発明によって解決される技術的問題は、任意の長さと幅の木製薄板をプレスで任意の幅の積層板に接着する自動機械であって、その機械の構造は、任意の寸法の木製薄板の任意の寸法の積層板への連続したプレスと接着を可能にし、その積層板は接着後の機械加工を必要としない。プレスの構造は、プレス機への同時連続充填による木製薄板のシンプルで高効率、高品質の連続接合および接着を可能とする。さらに、それは木製薄板がプレス内を高速走行し、その後に急減速で停止し、同時に、プレス内の中間位置と最終位置で、木製薄板の迅速かつ正確な位置決めを可能にする。これは、プレスの革新的なモジュール構造で実現され、それは任意の長さの連続したストリングに接続された幾つかの作業モジュールを有し、ここで作業モジュールは、横方向の支持フレームワークによって一見分離され、それにより、作業モジュールの数がプレスの長さを画定し、これによりプレスは任意の長さを有する。さらに、木製薄板をプレスおよび接着する前述の方法は、リフティングフラップと圧力シューを備えたセグメントプッシャの革新的な構造により可能となる。セグメントプッシャは、木製薄板のプレスへの長手方向の同時輸送と、任意の幅の積層板に形成されるプレスのプレス領域への木製薄板の横方向輸送を同時に可能にする。同時に、本発明によるプレスは、コンパクトで使用が簡単であるが、その構造上の特徴は、任意の幅の積層板に木製薄板をプレスして接着する、単純、高速、効率的、高品質で合理的な方法を可能にし、その積層板の接着後の表面はさらに加工する必要がない程の品質である。
【0003】
(最新の従来技術)
木製薄板を積層板にプレスおよび接着するための機械またはプレスの多くの既知の解決策がある。
【0004】
文書EP1669175B1(特許文献1)によれば、積層板への木製薄板の接着のためのプレス、およびプレスと接着の方法が知られており、そこでは最終の積層板の所望の寸法が得られるまで木製薄板が最初に装填ユニットに装填される。このように装填された木製薄板は、パッケージでプレスの中に押し出され、その後上部プレスセグメントが閉じられ、そしてプレス要素により、押圧力が木製薄板に印加される。プレスと接着が終了すると、プレスが開き、接着された積層板がプレスから押し出される。次に、木製薄板が次の積層板のためにプレスに押し込まれ、このプロセスが循環的に繰り返される。この解決策の弱点と欠陥は第一に、木製薄板がその幅寸法が制限されるプレス領域の幅内でのみプレスされ接着されるため、最終製品は寸法的に限られた積層板であるという事実にある。このプレスのさらなる弱点と欠陥は、また、積層板を製造する循環的な手順であり、それは高速連続製造を可能にしない。
【0005】
文書DE2940802A1(特許文献2)によれば、片方または両方の長い方の側面が面取りされ、それにより、2つの隣接する薄板の端が互いに平行ではない木製薄板から板に接着およびプレスするためのプレスが知られている。プレスと接着は、2つの水平加熱板の間に個々の木製薄板を押し出すプッシャで実行される。この解決策の弱点と欠陥は、プレスと接着の初期段階で、木製薄板が垂直方向に誘導されず、このため一部の木製薄板が制御不能に正しい方向から外れるという事実にある。さらに、この解決策の弱点と欠陥は、支持構造の実行モードに起因して、任意の長さの木製薄板を接着することが不可能であるという事実にある。さらに、この解決策の弱点と欠陥は、プッシャの構造に起因して、木製薄板のプレスと接着およびプレスへの輸送を同時に可能にしないという事実にある。
【0006】
文書EP1157794A2(特許文献3)によると、積層された木製要素から板を接着するための機械が知られている。木製薄板はコンベヤベルトに沿って長手方向にフィードユニットに送られるが、接着剤は接着剤塗布装置で長手方向の端部に同時に塗布される。フィードユニットでは、積層板の希望の幅に応じて、木製薄板が形成され、これは、長さと同様に、機械の幅によって制限される。このようにして準備された積層板は、コンベヤベルトまたはチェーンの手段によって、上部クランプユニットと下部プレス板の間のプレス領域に輸送され、そこで積層板は垂直および水平方向にプレスされる。接着が完了すると、上部のクランプユニットとプレス板は停止位置に引き戻され、既にプレスされ接着された積層板は装置から押し出され、新しい積層板の挿入が可能となり、これが循環的に繰り返される。この機械またはプレスの弱点と欠点は、接着された積層板を連続的に製造できないこと、および積層板の寸法が機械の寸法によって制限されることである。さらに、その弱点と欠陥は、積層板がプレスされそしてプッシュ板で一方の側のみ整列され、そしてプッシュ板の動作の反対方向には、積層板の正しい位置合わせを保証する固定レストとプッシャドッグがないことである。
【0007】
文書SI 25323によれば、木製薄板を連続的にプレスおよび接着するためのプレスおよびプレス方法が知られている。プレスに入る前に、接着剤の層が木製薄板の長い側面端部に塗布される。その後、木製薄板はプレスに送られ、そこで中央にアライメントされる。これにより、横方向のプッシャが観察される木製薄板を垂直プッシャに押し込み、そしてこのようにしてコンベヤベルトに次の薄板のためのスペースを提供する。垂直プッシャは、観察される木製薄板をプレスと接着の高さレベルまで下げ、その後、セグメントプッシャが薄板をプレスに押し込む。これは、各木製薄板に対して繰り返される連続的な循環プロセスである。接着が終了したら、積層板はカットソーで希望の寸法にカットされる。このプレスの弱点と欠陥は、木製薄板の入口の高さが接着された積層板の出口の高さと異なることである。これは、同じ入口と出口の高さを可能にしないセグメントプッシャの不適切な構造の結果である。さらに、その弱点と欠陥は、木製薄板がプレスされ接着される間に、プレスラックが自動力調整を可能にせず、そしてその結果、特別な油圧コンポーネントによる追加の調整が必要である、という事実にもある。さらに、その弱点と欠点は、また、接着された積層板の最大長がプレスの長さによって制限されることである。
【0008】
特許文献DE3921368A1(特許文献4)によれば、木製薄板を積層板にプレスして接着するための装置が知られており、2つの高さレベルで木製薄板を同時にプレスして接着することができる。その前に、接着剤が木製薄板の長い側面の端部に塗布され、その後、垂直パッケージからの木製薄板が限られた幅の積層板に順次置かれる。次に、ドローバーを使用して、積層板がバックストップと油圧クッションの下に挿入され、ここで、薄板が押し付けられて接着され、これが循環的に繰り返される。この装置の弱点と欠陥は、無限の長さの木製薄板を無限の長さの積層板にプレスして接着することができないため、寸法上の制限があることである。さらに、その弱点と欠点は、薄板が積層板に入れられた時点で接着剤がすでに乾燥しているため、速乾性接着剤を使用できないことである。そのさらなる弱点と欠陥は、接着が終了した後、積層された板を装置から自動で取り外せないことである。また、その弱点と欠陥は、油圧クッションが高い方と低い方の木製薄板の間で動かなくなる可能性があることであり、これは、木製薄板を接着するときに高い押圧力を必要とする。
【0009】
文書EP1247628A2(特許文献5)によると、木製薄板を積層板に接着するために使用される、プレスに木製薄板を供給するためのユニットが知られている。木製薄板の長い側面の端部に接着剤が塗布された後、それらはコンベヤベルトに沿って1つの装置に移動し、そこで停止され追加される。各観察される木製薄板は、その前面側がリフティングおよびリミッティング板で停止し、その後、木製薄板が1つの積層板に一緒にされる準備領域まで、支持ユニットで横方向に押され、それが循環的に繰り返される。この装置の弱点と欠陥は、無限の長さの木製薄板を無限の長さの積層板にプレスして接着することができないため、寸法上の制限があることである。さらに、その弱点と欠陥は、装置が積層板に対して横方向に木製薄板を配置するため、準備された木製薄板をプレスの中に押すために追加の操作と追加の組立体が必要になることである。さらに、その弱点と欠陥は、支持要素の構成にもあり、それは薄板をプレスに直接押し込むのには適さないと同時に、支持要素のプレス方向の操作が同期されていないことである。さらに、その弱点と欠陥は、薄板を一緒にして積層板を形成する段階で既に接着剤が乾燥するので、速乾性接着剤の使用を可能にしないことである。この装置の主な弱点と欠陥は、停止時に減速が非常に急で、その結果制限板に作用する力が非常に強いため、長い木製薄板を停止しそして追加できないことである。同時に、湾曲した木製薄板の適切なガイドを保証する高さガイドが、コンベヤベルトの長さに沿って配置されていない。
【0010】
特許文献DE4041553A1(特許文献6)によると、木製薄板を連続的に接着するための方法および装置が既知であり、ここで木製薄板は最初にローラコンベヤ上に配置され、それにより木製薄板は接着剤塗布装置を通過し、そこで接着剤が木製薄板の長手方向端部の片側に塗布され、その後、次の木製薄板のためのスペースを作るため横方向に運ばれる。横向きに配置された木製薄板は、後に幅と長さが制限された積層板を形成し、積層板は、ローラコンベヤベルトによってプレステーブルに送られ、そこでプレスされ接着される。この手順は循環的に繰り返される。最初に薄板を積層板に入れて、その後プレステーブルに輸送し、その後にのみプレスに押し込んで接着するような方法で実行される装置内のプロセスに起因して、装置の構造は大規模で複雑であり、このことがこの解決策の弱点と欠陥である。さらに、その弱点と欠陥は、空気がその圧縮性に起因して高速の圧力調整に適さず、それが接着時間を増加させるため、プレス領域の上部プッシャのエアクッションの圧力調整にある。さらに、装置は無限に長い木製薄板のプレスと接着ができない。装置が薄板を積層板に横方向に挿入するため、このようにして準備された積層板をプレスに押し込むには、追加の操作と追加の組立体が必要である。別の欠点は支持構造であり、それは薄板のプレス内での直接プレスには適していない。また、薄板を積層板に挿入する段階で既に乾燥しているため、この装置では速乾性の接着剤を使用できない。
【0011】
特許文献DE3317522A1(特許文献7)によれば、木製薄板をプレスに挿入して、木製薄板を無限に長い積層板に連続的に接着できるようにする装置が知られている。木製薄板はローラコンベヤ上で長手方向に装置に入り、その端で、横送りユニットによって、垂直に移動可能な受け取りテーブルに移動し、それは木製薄板をプレスレベルに移動し、そこで上部プッシャが木製薄板をつかんでプレスに押し込み、そこで木製薄板は接着される。ローラコンベヤとプッシャは同時に機能するので、手順は循環的に重複したサイクルで繰り返される。この装置の弱点と欠点は、木製薄板を高速で案内する適切なプッシャローラまたはガイドがないため、木製薄板の高速輸送ができないことである。さらに、ローラコンベヤの入口の高さは、積層板の出口の高さとは異なり、それが、木製薄板の中間的ハンドリングを必要とする。また、支持要素の構造は木製薄板をプレス内で直接プレスすることを可能にしない。
【0012】
特許文献DE2834288(特許文献8)によれば、プレスに木製薄板を挿入する装置であって、個々の木製薄板は、厚みに沿ってそして長手軸を横切って接着され、それにより、木製薄板がエンドレスの積層板を形成する、装置が知られている。これにより、木製薄板がローラコンベヤを介して長手方向に装置に入り、その後、終了位置で、フィードユニットがそれらを移動させ、そこからスライドプッシャが木製薄板をプレスに押し込み、そこで木製薄板は積層板に接着される。この手順は循環的に繰り返され、ローラコンベヤとスライドプッシャが同時に動作できるため、サイクルは重複する。この装置の弱点と欠陥は、木製薄板を高速でガイドできる上部プッシュローラまたはガイドを有さず、その結果、高速輸送が不可能であることである。さらに、ローラコンベヤの入口の高さは、積層板の出口の高さとは異なる。また、支持要素の構造は、木製薄板をプレスに直接押し込むには適しておらず、その結果、木製薄板の接着の時間が延びる。さらに、スライドプッシャは木製薄板をその厚さ全体に沿って押圧せず、それにより、スライドプッシャの痕跡が木製薄板に刻印されるため、木製薄板の表面が損傷する可能性がある。
【0013】
木製薄板を積層板にプレスおよび接着するための装置またはプレスの前述の既知の解決策には、それらの構造が、積層板の表面を後加工せずに、任意の長さおよび幅の木製薄板を任意の長さおよび幅の積層板に高速かつ連続的にプレスまたは接着することが出来ないという共通の弱点および欠陥がある。さらに、それらの共通の弱点と欠陥は、異なる長さの木製薄板を接着するとき、接合部分の全長に沿って互いに適切に押圧されず、そしてそれら解決策の殆どが速乾性接着剤を使用出来ないことである。前述の既知のプレスの弱点と欠陥は、未解決の技術的問題を表し、それは、本発明による、木製薄板の任意の寸法の積層板への幅接着のための自動機械およびそれに関連する方法、により解決されるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】EP1669175B1
【文献】DE2940802A1
【文献】EP1157794A2
【文献】DE3921368A1
【文献】EP1247628A2
【文献】DE4041553A1
【文献】DE3317522A1
【文献】DE2834288
【発明の概要】
【0015】
本発明による、木製薄板を任意の寸法の積層板に幅接着するための自動機械は、プレスおよび接着剤塗布装置からなる。プレスはモジュラー構成でコンパクトな構造を有し、特にその支持フレームワークにより、任意の幅と長さの木製薄板を任意の幅と長さの積層板に連続的に幅接着または接合することが可能になり、接着プロセスが終了した後、その表面を追加で機械加工する必要はない。さらに、本発明によるプレスの特徴は、木製薄板の積層板への幅結合および接着が予定されていない場合、プレスは木製薄板の独立した横方向コンベヤとしても動作できることにある。本発明によるプレスは、このようにして、上記の2つの動作モードを可能にする。
【0016】
本プレスの構造は、同時にいくつかの作業操作を可能にするため、シンプルで高速、したがって高い生産性で木製薄板を積層板に接合し接着することができる。即ち、本プレスは、木製薄板を接合して接着することが可能であり、そして同時に、新しい木製薄板を駆動ローラでプレスを通過して搬送することができる。プレスのハウジングは、いくつかの支持フレームワークで構成されて、それらは、任意の長さの連続したストリング内で互いに離反し、これにより、少なくとも1つの作業モジュールが2つのセグメントの間に配置される。支持フレームワーク部位と中間の作業モジュールの数は任意である。プレスのこのような革新的なモジュール構造により、任意の寸法の木製薄板をプレスで接合できる。これは、この手順の最終製品としての接着積層板にも適用される。
【0017】
各作業モジュールは基本的に、作業テーブル組立体、圧力シュー組立体、セグメントプッシャ組立体の3つの組立体で構成されている。
セグメントプッシャ組立体は、任意の数のセグメントプッシャから構成され、それはサーボ駆動装置の手段により歯付きラックを介して駆動され、セグメントプッシャ組立体はさらに対応するシリンダとリフティングフラップを備える。リフティングフラップ付きのセグメントプッシャの革新的な構造により、2つの操作を同時に実行できる。即ち、プレスのプレス領域への木製薄板の横方向輸送のプロセスにおいて木製薄板をプレスすることと、そして同時に、プレス内の最終位置へ木製薄板を長手方向に輸送することである。セグメントプッシャのリフティングフラップは、横方向の動きの段階において、即ち木製薄板を押すときに、プレス高さで機械的に自動ロックするように構成されている。戻りストロークの段階において、リフティングフラップは、対応する空気圧シリンダの手段によって、プレスを通ってプレスの中に木製薄板を長手方向輸送するゾーンから引き戻る。説明した実施形態では、リフティングフラップはピボットを介して回転するが、他の実施形態では、例えば水平吊り上げなど他の方法で実行できる。
【0018】
プレス内の最終位置への木製薄板の輸送は、非駆動圧力ローラの下にある駆動ローラ上で実行される。これにより、木製薄板を急減速で停止させることができる。このように配置されたサーボ駆動装置を備える駆動ローラと非駆動圧力ローラは木製薄板のプレス内の最終位置へのすばやく正確な位置決めを可能にする。圧力シュー組立体は、連続するセットの中で交互に配置される長い圧力シューと短い圧力シューで形成される。
【0019】
圧力シュー組立体は、連続するセットの中で交互に配置される長い圧力シューと短い圧力シューで形成され、その革新的な構造により、木製薄板のプレスまたは幅接合の段階で圧力を調整または低減できる。後者は、圧力シューの支持バーとガイドバーを5点でクランプした結果である。これは、圧力の調整または低減は、支持バーを配置する角度に依存することを意味する。
長い圧力シューと短い圧力シューの革新的な構造により、停止時にこれらの圧力シューが公称力で木製薄板を押し、そしてこのようにして接着剤の接合部に必要な圧力を維持する。木製薄板のプレスまたは接着の段階で、圧力シューは、前述の低減力により、観測される木製薄板を低減した公称力で押す。その結果、プレスのプレス領域で木製薄板を接着またはプレスするために必要な力が減少する。
長い圧力シューの機能は、幅接合の直前に高さと長さにおいて木製薄板を整列させることであり、これにより、木製薄板の全長に沿って高品質の接着接合が保証され、そして同時に、幅接合後に積層板が真っ直ぐであることが保証される。
【0020】
作業テーブル組立体には、プッシャドッグ付きの1つ以上の無限チェーン、非駆動圧力ローラ、およびサーボ駆動装置付きの駆動ローラが含まれる。本発明のこの実施形態では、無限チェーンに2つのプッシャドッグが装備されており、積層板のプレスからの迅速な取り外し、そして同時に起動時またはプレス機への木製薄板の最初の装填時に木製薄板の保持を可能にする。上記に基づき、プッシャドッグはプレスを開始する段階と同様に2方向操作を可能にし、サーボ駆動装置の手段により一定の力で木製薄板を保持し位置決めする。前述のように、2つのプッシャドッグが無限チェーンに配置され、それらの間の距離は任意であり、これにより、すでに接続され接着された積層板がプレスから取り外されるのと同時に、プレスに新しい木製薄板を再充填できる。
【0021】
木製薄板を積層板にプレスして接着または接合する段階では、接着剤塗布装置で長手方向の端部が事前に接着剤を塗布された木製薄板が、長手方向にプレス機に輸送され、そしてその後、セグメントプッシャで、以前部分的に接着された積層板の中の最後の木製薄板へ横方向に押される。この圧力は、最後の木製薄板の接着剤が乾くまで続く必要がある。高品質の接合のため、接着剤乾燥フェーズでは、接着剤接合部に不変の圧力が必要であり、これは、セグメントプッシャの圧力によって保証される。接着剤の接合部で一定の圧力を保証し、したがって木製薄板が間隔をあけないようにするために、積層板は、長いおよび短い圧力シューによってプレス領域内でプレスされる。プレス領域では、積層板に接着された木製薄板が、接着剤が十分に乾燥していない限り保持される。
木製薄板を積層板に接着するこのような方法では、プレス領域でプレスするときに圧力シューによって生成される力を適切に低減する必要がある。木製薄板のプレスが完了した後、接着接合部内の適切な圧力を保持するために、圧力シューの力を公称値に増加させて戻す必要がある。圧力シューの構造の革新的な実行は、プレスのプレス領域に木製薄板を押し込むときの力の自動かつ独立した調整を可能にする。
【0022】
本発明によるプレスは、2つの方法、第1および第2の作動を可能にする。プレスの第1または主要な機能は、積層板の表面を後で加工することなく、任意の幅と長さの木製薄板を任意の幅と長さの積層板に連続的に接着することである。プレスの第2または補助的な機能は、木製薄板を積層板に接着する必要がない場合の、木製薄板の横方向輸送に関する作動である。
【0023】
木製薄板のプレス、接着、接合の第1の機能は、本質的に、本発明によるプレスの3つのステップの作動からなる。第1のステップは、プレスに最初の薄板の装填を開始するステップを示し、これに2番目と他のすべての木製薄板を積層板に接着する第2のステップが続き、そしてプレスを空にする第3のステップが続く。
【0024】
プレスの充填開始は、最初の木製薄板を、接着剤塗布装置を介してプレスの中に輸送することによって実行され、ここで接着剤は最初の薄板には塗布されない。プレスに到着した木製薄板の長手方向の輸送は、個々の作業モジュール内の作業テーブル組立体に配置された、サーボ駆動装置を備えた駆動ローラ上で行われる。木製薄板の作業位置での停止は、急な減速で発生し、それは、駆動ローラの上に配置され、作業テーブル組立体に配置された非駆動圧力ローラによって可能になる。非駆動圧力ローラは、シリンダの手段によって木製薄板を押し、このようにして、駆動ローラと木製薄板の間の適切な摩擦を保証する。前述の方法において、木製薄板は作業位置で+-1mmの精度で停止される。非駆動圧力ローラは循環的に作動するため、木製薄板が非駆動圧力ローラの下にある場合にのみ圧力をかける。非駆動圧力ローラは、木製薄板がプレス領域に到達しない限り、前述の圧力を木製薄板に加える。プレス領域への木製薄板のエントリは圧力シューが停止位置にある時のみ可能である。木製薄板がその幅の60%までプレス領域に入ると、非駆動圧力ローラは最初の、すなわち静止位置に戻る。並行して、木製薄板の幅に応じて、プッシャドッグ付きの無限チェーンが位置決めされる。
【0025】
最初の木製薄板が終了位置で停止した後、セグメントプッシャが歯付きラックを介して、圧力シューの下で木製薄板を押し、同時に木製薄板はプッシャドッグと接触する。木製薄板が曲がっている場合、プッシャドッグはサーボ駆動装置の手段によって曲がりを直線にする。これに続いて、木製薄板に圧力シューの圧力がかかり、ここで圧力シューのはさみ様のメカニズムにより、圧力シューは水平なアライメントに維持されることができる。木製薄板への長い圧力シューおよび短い圧力シューの圧力は、曲率がある可能性にもかかわらず、木製薄板がアライメントされた形状を維持することを可能にし、それは観察される薄板と圧力シューの間の摩擦の結果である。
【0026】
これに続いて、シリンダによってセグメントプッシャのリフティングフラップが持ち上げられる。これにより、リフティングフラップは、セグメントプッシャの開始位置への移動と同時に搬送エリアから後退する。同時に、2番目の木製薄板の接着剤塗布装置からプレスへの輸送が始まり、それは新しいサイクルの始まりを意味する。2番目以降のすべての木製薄板が接着剤塗布装置を通過するときに、接着剤が木製薄板の接触面に塗布される。前述のプレスの最初の充填サイクルは、セグメントプッシャが開始位置に戻り、リフティングフラップがプレス高さに下がると終了する。
【0027】
プッシャドッグによる保持は次の薄板でも、長い圧力シューと短い圧力シューの下のゾーンの中でプレス領域が80%満たされるまで行われ、その後、プッシャドッグは停止位置まで引き戻される。
プッシャドッグの機能は、プレスのプレス領域を充填する段階で木製薄板を保持し、そしてプレス領域を空にする段階で接着された積層板が横方向に輸送されるときに、木製薄板を保持することである。
接着の第2段階は、木製薄板を積層板に接着する通常のサイクルで構成され、そしてそれは接着剤塗布装置で2番目の木製薄板に接着剤を塗布する時に始まり、2番目の木製薄板は、すでに説明した方法でその最終位置に配置される。木製薄板をプレスに輸送している間、非駆動圧力ローラが木製薄板を循環的にプレスする。観測される2番目のそしてそれぞれの次の木製薄板がその終了位置で停止すると、セグメントプッシャが歯付きラックの手段によりそれをプレス領域に押し、現在のまたは以前の木製薄板、またはすでに形成されている場合は積層板に接着する。前述のように、非駆動圧力ローラは、観察される木製薄板がプレス領域に入るまで圧力を加え、その後、木製薄板がその幅の60%がプレス領域に入ると、非駆動圧力ローラは開始位置または停止位置に戻る。木製薄板がプレスのプレス領域でプレスされた後、セグメントプッシャの開始位置への戻り動作が続き、そして同時にリフティングフラップが上がり、そしてその後、輸送エリアから引き戻る。木製薄板の接着サイクルは、セグメントプッシャが開始位置に戻り、そしてリフティングフラップがプレスの高さまで下がると終了する。セグメントプッシャの戻り動作と同時に、新しいまたは次の木製薄板の、プレスへの、またはプレスを通過した長手方向輸送が始まる。
【0028】
前述のように接着剤塗布装置を通過する最初の木製薄板の輸送中、接着剤はその上に塗布されない。2番目以降のすべての木製薄板の輸送中には、接着剤が木製薄板の接合面に塗布され、これはプレスから出る前の接着された積層板内の最後の木製薄板にも適用される。他のいくつかの実施形態では、例えば少数の木製薄板の接着の場合には、接着剤塗布は、2番目ごと、または任意の木製薄板に対してのみ実行されうる。このようにして、プレスは積層板の2重、3重、または類似の数の連続接合を可能にする。
【0029】
最後の木製薄板がプレス領域に押し込まれると、セグメントプッシャの開始位置への戻り動作が続き、同時に、リフティングフラップが持ち上げられ、リフティングフラップが輸送エリアから後退する。その後、長い圧力シューと短い圧力シューが停止位置まで上昇し、接着された積層板がプッシャドッグによるプレスのプレス領域から輸送される。
【0030】
積層板への木製薄板の接着が終了した後、投入する木製薄板の長さおよび/または厚さを変更するため、プレスは空にされる。これは、木製薄板の幅が変更された場合には適用されず、その場合、プレスは木製薄板の連続的な接着を継続することができる。
【0031】
前述のように、本発明による機械またはプレスは、木製薄板の接着または幅接合が行われない場合、横方向運送の作動に関する2次的機能を実行することができる。また、このモードで作動する場合、接着剤が塗布されないという違いはあるが、木製薄板は接着剤塗布装置を介して長手方向にプレスまで運ばれる。木製薄板は、接着剤塗布装置からプレス機に循環的に作動する非駆動圧力ローラの手段により輸送され、非駆動圧力ローラは木製薄板の配置が完了した後、開始位置、つまり停止位置に戻る。木製薄板の最終位置への配置は、プレスの第1の機能で前述した方法に従って行われる。これに続いて、プレスからの木製薄板の横方向輸送が無限チェーン上のプッシャドッグの手段により行われる。従って、セグメントプッシャの使用は必要ない。
【0032】
本発明の新規性は、機械加工ユニットの中間作業モジュールを備えたプレスハウジングのモジュール構造にあり、これにより、任意の寸法の木製薄板を任意の寸法の積層板に連続幅接着することができ、さらに本発明の新規性は、積層板をプレスして接着する方法にある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明は、以下の好ましい実施形態および図においてより詳細に説明されよう:
【
図1】本発明による、任意の寸法の積層板への木製薄板の幅接着のための自動機械の等角投影図である。
【
図4】作業(プレス)モジュールの等角投影の正面図である。
【
図5】作業(プレス)モジュールの等角投影の背面図である。
【
図7】セグメントプッシャ組立体の等角投影図である。
【
図8】相互に適合したセグメントプッシャ組立体と圧力シュー組立体を示す図である。
【
図13】セグメントプッシャのC-Cでの縦断面図である。
【
図15】木製薄板の、プレスを通過する長手方向輸送を示す図である。
【
図16】木製薄板の、セグメントプッシャとプッシャドッグの手段による横方向輸送と、その上の圧力シューの押圧を示す図である。
【
図17】幅方向の接合を開始する前の、木製薄板と長い圧力シューのアライメントを示す図である。
【
図18】幅方向の接合が完了した後の、セグメントプッシャを使用したリフティングフラップの引き込みを示す図である。
【
図19】積層板への圧力を印加している圧力シューに対する力の操作の概略図である。
【
図20】木製薄板を積層板に幅方向に接合する際の、圧力シューに対する力の操作の概略図である。
【
図21】
図16と同じであるが、木製薄板のプレスに沿った同時輸送を示す図である。
【
図22】プレスから外に出る途中の、プッシャドッグによる木製薄板の横移動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の主な特徴は、任意の寸法の積層板への木製薄板の幅接着のための機械の革新的構成による、前述の技術的問題の解決策であり、特に任意の寸法の木製薄板26を任意の寸法の積層板27に連続的にプレスまたは接合および接着するためのプレス1の革新的な構成である。後者はプレス1の主な機能を表し、一方その副次的な機能は木製薄板26の単に横方向の輸送によって表される。
【0035】
図1と
図2は、本発明による任意の寸法の積層板への木製薄板の幅接着のための自動機械を示し、機械はプレス1と入口にある接着剤塗布装置2とからなる。プレス1は、1つのセットの中に配置され、対応する支持フレームワーク部位4へ固定される作業モジュール3で構成され、それらは概略接続され、そして一見すると離れている。プレス1のモジュール構造は、任意の数の作業モジュール3とそれに対応する数の支持フレームワーク部位4でのプレスの実行を可能にし、それらは必要に応じて簡単に追加または除外できる。
【0036】
図3、
図4、および
図5から、すべての単一の作業モジュール3が作業テーブル組立体5、圧力シュー組立体6、およびサーボ駆動装置14を備えたセグメントプッシャ組立体7から構成され、それらは両脇で、少なくとも1つの支持フレームワーク部位4によって囲まれ、その支持フレームワーク部位4に取り付けられている。圧力シュー組立体6は、交互に配置された長い圧力シュー9と短い圧力シュー10からなり、圧力シュー組立体6はプレス1または作業モジュール3の前側に配置され、そして作業テーブル組立体5の上方に配置される。作業テーブル組立体5はこの実施形態では、少なくとも2つのプッシャドッグ12を備え、対応するスプロケット38のペアの間にクランプされた4つの無限チェーン13からなる。セグメントプッシャ組立体7は、プレス1の作業モジュール3の背面に配置され、セグメントプッシャ8とサーボ駆動装置14で構成されている。作業テーブル組立体5内のプッシャドッグ12を備えた無限チェーン13の数は任意であってよく、これは圧力シュー組立体6内の長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の数、およびまた、セグメントプッシャ組立体7内のセグメントプッシャ8の数にも当てはまる。これにより、少なくとも1つのセグメントプッシャ8が、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の各ペアに属する。
【0037】
非駆動圧力ローラ28および駆動ローラ29は、作業テーブル組立体5、圧力シュー組立体6およびセグメントプッシャ組立体7の間に配置される。非駆動圧力ローラ28のセットおよび駆動ローラ29のセットの長手方向軸は、互いに平行であり、ここで非駆動圧力ローラ28は駆動ローラ29の上方に互いに所定の距離離れて配置される。作業モジュール3内で、駆動ローラ29は、プレス1内の末端位置に木製薄板26を位置決めするための、サーボ駆動装置11を備えている。
【0038】
各支持フレームワーク部位4の中に、少なくとも1つの細長い切り欠き19が設けられ、それはプレス1の前側に一方だけが開いている。支持フレームワーク部位4の中の細長い切り欠き19は、好ましくは同じ寸法および形状であり、そしてそれらは作業モジュール3間の木製薄板26の通過、すなわち、自由な輸送を可能にし、それによりプレス1の長さ全体に沿った木製薄板の流れを可能にする。この目的で、圧力シュー9および10、ローラ28および29およびプッシャドッグ12を備えた無限チェーン13は、細長い切り抜き19の中に配置される。上記の要素は
図4に示されている。
【0039】
図6から明らかなように、圧力シュー組立体6は、担持要素31が連続的に固定されるフレームワーク30から構成される。各担持要素31の両端において、1つのシリンダ17が固定され、両方のシリンダ17は、対応する長い圧力シュー9または短い圧力シュー10に接続される。一組のシリンダ17は、長い圧力シュー9のセットおよび短い圧力シュー10のセットの上方に配置され、それらは観察されるセットにおいては交互に隣り合って配置される。さらに、明らかなように、各圧力シュー9および10は、圧力要素22と、はさみ状の接続で相互接続され、圧力要素22と移動可能に接続される支持バー20およびガイドバー21とを含む。
【0040】
図7に示されているように、セグメントプッシャ組立体7は、フレームワーク36からなり、フレームワーク36には、一連のセグメントプッシャ8が下側から固定されており、セグメントプッシャ8は、歯付きラック25を介してサーボ駆動装置14を備える駆動シャフト35に接続されている。各セグメントプッシャ8は、片方の自由端に配置されたリフティングフラップ18を備え、ここでリフティングフラップ18は対応するシリンダ15に移動可能に接続されている。
【0041】
図8は、圧力シュー組立体6とセグメントプッシャ組立体7の相互のマッチングを示している。セグメントプッシャ8は、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10との間に位置し、それによりセグメントプッシャ8は短い圧力シュー10のすぐ隣にある。
【0042】
図9と
図10は、圧力シュー組立体6がフレームワーク30、担持要素31、シリンダ17、および長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の交互のセットから構成されることを示す。担持要素31はフレームワーク30に固定され、ここでシリンダ17は個々の担持要素31の両端に取り付けられる。反対側の端では、シリンダ17は、長い圧力シュー9または短い圧力シュー10の圧力要素22に移動可能に取り付けられている。個々の長い圧力シュー9または短い圧力シュー10は、ガイド32、担持要素23、支持バー20およびガイドバー21を備える平らな圧力要素22から構成される。後者の2つは、共通ピボット39を介して互いにはさみのように保持され、それにより、支持バー20は、両端で対応するピボット33にまた移動可能にクランプされる。ガイドバー21の両端で、トラックローラベアリング41が配置され、そのそれぞれが対応するガイド溝34に挿入され、ここで下側ガイド溝34は圧力要素22に形成され、上側ガイド溝34はフレームワーク30上に形成される。記載された要素は
図19および
図20に示されている。
【0043】
長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の説明された革新的な構造により、プレス段階中、または木製薄板26の幅接合および接着中に圧力の調整または低減が可能になり、これは、支持バー20とガイドバー21の前述の5点クランプの結果である。このように、圧力の調整または減少は、支持バー20の配置の角度に依存する。停止段階では、圧力シュー9および10は、観察される木製薄板26を公称力で押し、そしてそれによって、木製薄板26の間の接着部に必要な圧力が維持される。後に、木製薄板26をプレスして接着する段階では、長い圧力シュー9は限定的な減少力に起因して、観察される木製薄板26を減少した公称力で押す。その結果、木製薄板26をプレス1のプレス領域に押し込むのに必要な力が減少する。長い圧力シュー9の仕事はまた、幅接合および接着の手順の前に、その高さと長さに沿って各木製薄板26を整列させることであり、そのことが木製薄板26の全長に沿って高品質の接着接合部を可能にし、このことはプレスして接着した後に、積層板27が完全に直線である条件である。この説明は
図17と
図18に示される。
【0044】
木製薄板26を積層板27にプレスして接着する前の、圧力シュー9および10の必要とされる多様な可動性は、シリンダ17とはさみ接続された支持バー20とガイドバー21によって提供され、これらすべては、観察される木製薄板26に対する圧力要素22の全方向の必要な移動と圧力作用を保証する。
【0045】
図11は、長い圧力シュー9および短い圧力シュー10の前述の構成要素の自由回転および並進を示す。このように、ピボット33は、H方向での支持バー20の回転を可能にする。トラックローラベアリング41の動きは、ガイド溝34の中に制限され、これは、両方のトラックローラベアリング41の並進がG方向に制限されていることを意味する。共通ピボット39で結合される支持バー20とガイドバー21は共に圧力要素22の方向Fの垂直移動を可能にする。ガイド32は、担持要素23に対する、圧力要素22のアライメントを確実にする。
【0046】
図12と
図13から明らかなように、セグメントプッシャ組立体7内の各セグメントプッシャ8は、リニアガイド16に沿って移動する2つのランナーブロック24で構成され、さらに1つのシリンダ15と1つのリフティングフラップ18で構成され、それらは互いに移動可能に接続され、そしてセグメントプッシャ8の正面側に配置されている。前述したように、2つのランナーブロック24は、リニアガイド16上に移動可能に間隔をあけて配置され、一方歯付きラック25は、リニアガイド16に固定されている。シリンダ15は、リフティングフラップ18を昇降させ、それによってリフティングフラップ18は、ピボット42の周りをP方向に回転する。リフティングフラップ18は、プレス高さで機械的に自動ロックし、そしてその位置が歯付きラック25の接触面43でブロックされるという特徴を有する。リフティングフラップ18の動きは、シリンダ15の動きによって制限される。本実施形態では、リフティングフラップ18は、ピボット42を介して回転するが、他のいくつかの実施形態では、別の方法で、たとえば水平に持ち上げなどで実行することもできる。
【0047】
リフティングフラップ18を備えたセグメントプッシャ8の革新的な構造は、2つの操作の同時実行、すなわち、木製薄板26のプレスおよび木製薄板のプレス1のプレス領域への横方向輸送、ならびに観察される木製薄板26のプレス1内の最終位置までの長手方向輸送を同時に実行することを可能にする。既に述べたように、リフティングフラップ18は、そのストロークを表す木製薄板26のプレス段階において、プレス高さで機械的に自動ロックするように構成される。戻りストロークでは、空気圧シリンダ15によって、リフティングフラップ18は長手方向輸送エリアから引き戻る。
【0048】
図14は、一組の非駆動圧力ローラ28とその下にある一組の駆動ローラ29からなる作業テーブル組立体5の構造を示し、それはプレス1を通過する木製薄板26の長手方向の輸送を可能にする。さらに、それは、一組のスライド板40からなり、それに沿って、木製薄板26および接着後の積層板27がスライドする。スライド板40の間には、サーボ駆動装置37の手段によりスプロケット38によって駆動される無限チェーン13が、互いに距離を置いて配置されている。少なくとも2つのプッシャドッグ12が各無限チェーン13に配置されている。作業テーブル組立体5内のプッシャドッグ12を備えた無限チェーン13により、プレスの高速充填と引き払い、および開始時または初期充填時の木製薄板26の保持が可能になる。プッシャドッグ12は、無限チェーン13の2つの動作モードを可能にする。第1のモードによれば、プッシャドッグ12は、サーボ駆動装置37の手段によって、一定の力でプレス1内の木製薄板26を保持および位置決めすることを可能にする。第2のモードでは、接着された積層板27を押し出してプレス領域を空にすることができる。す。無限チェーン13上のプッシャドッグ12間の距離は常に同じである。
【0049】
木製薄板26の積層板27への幅プレスと接着の手順は、連続して示される3つのステップで実行される。
【0050】
図15と
図16は、木製薄板26の幅接合の最初のステップ、即ち、第1の木製薄板26のプレス1を通過する長手方向の輸送を示し、それは、作業テーブル組立体5内の駆動ローラ29と非駆動圧力ローラ28で実行される。長い圧力シュー9と短い圧力シュー10は持ち上げられた位置にあり、木製薄板26がそれらの下入ることを可能にする。
【0051】
図16は、セグメントプッシャ8およびプッシャドッグ12を備えた無限チェーン13による第1の木製薄板26の横方向輸送を示している。
プッシャドッグ12は、木製薄板26をその前側からフラップ18に対して押圧し、それにより、木製薄板26はその長手方向軸に沿って整列し、そして長い圧力シュー9および短い圧力シュー10の下で木製薄板26を押し、それら圧力シューは木製薄板26上に圧力を加え、それにより木製薄板は整列した位置に維持される。
【0052】
幅接合の前に、木製薄板26を長手方向およびその厚さの方向に位置合わせする必要がある。木製薄板26を整列させる機能は、長い圧力シュー9によって実行され、それにより長い圧力シュー9が木製薄板26に垂直方向に圧力をかける。これは
図17に示される。
【0053】
図21は、木製薄板26を積層板27に幅結合する第2ステップを示している。即ち、第2のおよびそれ以降の木製薄板26をプレスしそして幅結合し、一方で次の木製薄板26をプレス1の中やそれに沿って輸送する。それにより、セグメントプッシャ8は、横方向の輸送の間、木製薄板26を長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の下で押し、そして木製薄板26を積層板27にプレスし、同時に一方で新しく入力された木製薄板26を、プレス1を通過して長手方向に輸送する。
【0054】
図22は、木製薄板26を積層板27に幅結合する最後の3番目のステップ、即ち、プレス1からの出口における、無限チェーン13上のプッシャドッグ12による、接着された積層板27の横方向の輸送を示す。
【0055】
図18は、セグメントプッシャ8の位置と、幅接合後、およびリフティングフラップ18が積層板27から引き戻された後の、木製薄板26および積層板27の位置を示す。したがって、セグメントプッシャ8およびそれらのリフティングフラップ18の加圧終了後の木製薄板26の最終位置が示されており、そこでは、木製薄板26の前面端部が、短い圧力シュー10の端部と整列している。
【0056】
図19は、それらが積層板27に加圧するときの、観察される長い圧力シューおよび/または短い圧力シュー10上の力の作用を示している。圧力は、シリンダ17を有する長い圧力シュー9または短い圧力シュー10の圧力要素22にJおよびK方向に1つの異なる力で加えられる。その結果、圧力要素22は、シリンダ17で印加される力の合計で積層板27を加圧する。
【0057】
図20は、木製薄板26を積層板27に幅接合し、接着する際の、長い圧力シュー9または短い圧力シュー10上の力の作用を示している。リフティングフラップ18は横方向に木製薄板26を運搬し、そして一定の力で木製薄板をR 方向に押す。木製薄板26が既に接着された積層板27内の以前のまたは最後の木製薄板26に接触または接合すると、その瞬間に以前に接合および接着された積層板27のR方向への輸送が同時に開始する。同時に、スライド板40のベースの摩擦力がN方向に、そして、圧力要素22の摩擦力がM方向に発生する。圧力要素22のM方向の摩擦力に起因してL方向の反力が、圧力シュー9および10の支持バー20に生成され、これは、シリンダ17の動作方向JおよびKと反対の方向に作用する。その結果、力JおよびKは対応して減少し、その結果、圧力要素22は、減少した力J K -Lで積層板27を押す。
【0058】
木製薄板26の積層板27への高速幅接着のための自動機またはプレス1は、2つのモードで動作可能である:第1および第2のモード。第1のモードとは、任意の幅と長さの木製薄板26を任意の幅と長さの積層板27に、積層板の表面を後で機械加工することなく、連続してプレスし接着するモードである。第2のモードは、木製薄板26を積層板27に接着する必要がない場合の、木製薄板26の横方向運搬の機能における、プレス1の作動からなる。
【0059】
積層板27への木製薄板26の連続プレスおよび接着は、3つのステップで実行される。第1のステップはプレス1を充填することであり、第2のステップは木製薄板26を積層板27へプレスして接着することであり、そして第3のステップは、プレス1を空にするか、接着した積層板27を取り出すことである。以下、プレス1内で木製薄板26をプレスして接着する記載は、透明性を高めるために、単一の木製薄板26に関しており、その記載は、特定の寸法の積層板27を接着するために使用されるすべての他の木製薄板26に等しく適用される。
【0060】
充填の開始は、第1の木製薄板26を、接着剤を塗布せずに、接着剤塗布装置2を通過してプレス1に輸送することから始まる。
【0061】
プレス1での木製薄板26の輸送は、作業テーブル組立体5に配置され、サーボ駆動装置11で駆動される駆動ローラ29上で実行される。1つのサーボ駆動装置11が個々の作業モジュール3の4つの駆動ローラ29を駆動し、すべての組み込み作業モジュール3のサーボ駆動装置11は互いに同期している。
【0062】
プレス1内の木製薄板26の所定の位置での停止は急減速で実行され、そしてしたがって、非駆動圧力ローラ28は作業テーブル組立体5の中に位置する。非駆動圧力ローラ28は循環的に動作し、駆動ローラ29の上方に配置される。非駆動圧力ローラ28は、示されていないシリンダによって観察される木製薄板26を加圧し、そしてそれによって非駆動圧力ローラ28は、駆動ローラ29と木製薄板26との間に必要な摩擦を提供する。このようにして、駆動ローラ29上のサーボ駆動装置11によって、木製薄板26が、プレス1内の正確に決定された位置または最終位置で停止することが達成される。非駆動圧力ローラ28は、循環的に動作し、それにより非駆動圧力ローラ28は、木製薄板26が非駆動圧力ローラ28の下にある場合のみ木製薄板26に圧力をかけるようにし、そして木製薄板26がプレス1のプレス領域に入らない限り、それを実行する。即ち、木製薄板26がその幅の少なくとも半分がプレス領域に入らないところまで圧力をかけ、その後、非駆動圧力ローラ28はそれらの初期位置、すなわち停止位置に戻る。
【0063】
前述の手順と並行して、プッシャドッグ12を備えた無限チェーン13が木製薄板26の幅に応じて配置される。長い圧力シュー9と短い圧力シュー10が停止位置にあるため、木製薄板26のプレス領域への妨害の無い入り込みが可能になる。
【0064】
観察される木製薄板26がプレス1に入り、最終位置で停止した後、セグメントプッシャ8は、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の下で木製薄板26を横方向に押す。同時に、プッシャドッグ12が木製薄板26に近づき、木製薄板が湾曲している場合、プッシャドッグ12はサーボ駆動装置37の手段により木製薄板26を真っ直ぐにする。この後、木製薄板26に対する長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の圧力が続き、それははさみのような機構の支持バー20およびガイドバー21の手段により、長い圧力シュー9および短い圧力シュー10の圧力要素22が水平に整列したままに維持されることを保証する。木製薄板26にかかるそれらの圧力はまた、木製薄板26が、それに曲率があっても、直線形状を保持することを保証する。
【0065】
前述の動作の後に、シリンダ15によりリフティングフラップ18が持ち上げられ、そしてプレス1の輸送領域からそれらが引き戻され、一方セグメントプッシャ8がそれらの初期位置に移動される。同時に、第2のまたは次の木製薄板26が接着剤塗布装置2を通過してプレス1に入る輸送が始まり、それは新しいサイクルの始まりを表す。記載された、接着剤塗布装置2を通過する第2のおよびその後のすべての木製薄板26の輸送において、接着剤は、接着されるべきそれらの表面に塗布される。プレス1の最初の充填のサイクルは、セグメントプッシャ8が初期位置に戻り、リフティングフラップ18がプレス高さまで下げられると終了する。
【0066】
プレス1に入る後続の木製薄板26は、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10の下のプレス領域が80%充填されるまでプッシャドッグ12で保持され、その後プッシャドッグ12はそれらの静止位置に後退する。したがって、プッシャドッグ12の目的は、加圧領域を充填する段階では、木製薄板26を保持し、プレス領域を空にするときには、木製薄板26または積層板27を輸送することである。
【0067】
前述のように、木製薄板26を接着する第2ステップは、接着剤が接着剤塗布装置2内の第2の木製薄板26および後続の全ての木製薄板26に塗布された時に始まり、そして木製薄板26は従前に記載された手順に従って最終位置に配置される。その後、個々の木製薄板26は、セグメントプッシャ8でプレス1のプレス領域に押し出され、そしてこのように木製薄板26は従前の木製薄板26と接着され、他の木製薄板26と共に積層板27を形成する。ここで非駆動圧力ローラ28は、観察される木製薄板26をそれがプレス領域に入るまで加圧する。木製薄板26がその幅の60%までプレス領域に入ると、非駆動圧力ローラ28は初期、つまり停止位置に戻る。
【0068】
接着された接合部で一定の圧力を確保するために、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10は積層板27に圧力をかけ、そしてそれにより個々の木製薄板26の間のありうる空間を防止し、それは木製薄板26の間の摩擦により達成される。このため、木製薄板26と積層板27は、接着剤が乾燥するまでプレス1のプレス領域内に維持される。最後の木製薄板26を積層板27に接着した後、リフティングフラップ18が持ち上げられ、そして同時に、セグメントプッシャ8の静止位置への戻り移動が行われる。これと同時に、1つの木製薄板26が接着剤塗布装置2を通過してプレス1に至る長手方向輸送が、その木製薄板26が最終位置で停止するまで行われる。
【0069】
木製薄板26の積層板27への接着が終了した後、プレス1の排出が開始される。木製薄板26の幅を変更する場合、プレス1は、停止することなく、積層板27の連続的な接着を続けることができる。
【0070】
最後の木製薄板26がプレス1のプレス領域に押し込まれた後に、セグメントプッシャ8の初期位置への戻りストロークが続き、同時にリフティングフラップ18が持ち上げられて輸送エリアから引き戻される。その後、長い圧力シュー9と短い圧力シュー10が停止位置まで持ち上げられ、そして接着された積層板27の、プッシャドッグ12の手段によるプレス1からの輸送の準備が完了する。
【0071】
幅の広い木製薄板26の場合で、積層板27への接着または幅結合が必ずしも必要ではない時は、本発明によるプレス1の構造は、横方向コンベヤとしての作動を可能にする。
【符号の説明】
【0072】
図中の参照番号は次のように示される:
1.プレス
2.接着剤塗布装置
3.作業モジュール
4.支持フレームワーク部位
5.作業テーブル組立体
6.圧力シュー組立体
7.セグメントプッシャ組立体
8.セグメントプッシャ
9.長い圧力シュー
10.短い圧力シュー
11.サーボ駆動装置
12.プッシャドッグ
13.無限チェーン
14.サーボ駆動装置
15.シリンダ
16.リニアガイド
17.シリンダ
18.リフティングフラップ
19.切り欠き
20.支持バー
21.ガイドバー
22.圧力要素
23.担持要素
24.ランナーブロック
25.歯付きラック
26.木製薄板
27.積層板
28.非駆動圧力ローラ
29.駆動ローラ
30.フレームワーク
31.担持要素
32.ガイド
33.ピボット
34.ガイド溝
35.駆動シャフト
36.フレームワーク
37.サーボ駆動装置
38.スプロケット
39.共通ピボット
40.スライド板
41.トラックローラベアリング
42.ピボット
43.接触面
F-圧力要素22の移動方向
G-トラックローラベアリング41の移動方向
H-支持バー20のピボット33内の回転運動
P-リフティングフラップ18の回転運動の方向
J-圧力要素22に作用する力の方向
K-圧力要素22に作用する力の方向
R-積層板27の中の木製薄板26に対するリフティングフラップ18の圧力の作用方向
M-圧力要素22に対する摩擦力の作用方向
N-スライド板40に対する摩擦力の作用方向