(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】路上パーキングシステムおよび路上パーキングシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G07F 17/24 20060101AFI20220926BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220926BHJP
【FI】
G07F17/24
G07B15/00 L
(21)【出願番号】P 2019011781
(22)【出願日】2019-01-28
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000101400
【氏名又は名称】アツミ電氣株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130281
【氏名又は名称】加藤 道幸
(72)【発明者】
【氏名】松島 正和
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-256890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 17/24
G07B 15/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上の駐車区域に駐車した車両を管理するための路上パーキングシステムにおいて、
前記車両の駐車情報を制御する制御手段と、
利用情報を入力するための入力手段と、
チケットを印刷するためのチケット印刷手段と、
駐車料金を入金するための入金手段を備え、
前記入力手段に後払いすることを入力し、前記入力手段からの前記利用情報に基づいて前記制御手段が前記チケット印刷手段に指令を出し、前記チケット印刷手段がチケットを印刷し、前記入金手段に前記駐車料金を入金することを特徴とする路上パーキングシステム。
【請求項2】
前記入力手段に後払いすることを入力した後、前記入力手段に前記車両の番号を入力することを特徴とする請求項1に記載の路上パーキングシステム。
【請求項3】
路上の駐車区域に駐車した車両を管理するための路上パーキングシステムの制御方法において、
利用者が、利用情報を入力するための入力手段に後払いすることを入力し、
前記車両の駐車情報を制御する制御手段が、前記入力手段からの前記利用情報に基づいてチケット印刷手段に指令を出し、
前記チケット印刷手段が、チケットを印刷し、
前記利用者が、入金手段に駐車料金を入金することを特徴とする路上パーキングシステムの制御方法。
【請求項4】
前記入力手段に前記後払いすることを入力した後、前記入力手段に前記車両の番号を入力することを特徴とする請求項3に記載の路上パーキングシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車可能時間の制限を有する路上の駐車区域に駐車した車両を管理するための路上パーキングシステムおよび路上パーキングシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
短時間駐車の需要に対応するため、時間を限って同一車両が引き続き駐車できる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間のことを「時間制限駐車区間」という。従来より、時間制限駐車区間での適正な駐車を可能にするために、パーキングメータやパーキングチケット発給設備が設けられている。
【0003】
パーキングメータやパーキングチケット発給設備を使用する場合には、利用者は、枠内に駐車し、先に手数料(駐車料金)を支払い、その後、制限時間内、例えば60分以内に車両を移動させる。パーキングチケット発給設備の場合、利用者は、手数料を支払った際にチケット(駐車券)の発給を受け、それを車内の前方に提示する。
【0004】
これまで、パーキングメータやパーキングチケット発給設備では、駐車料金(手数料)を先に支払うことが基本ではあるものの、無人で管理しているため、駐車料金を支払わなくても駐車が可能であった。このような問題を解決するために、特許文献1では、料金精算部が駐車時間管理部の指示により非接触式カードの読み・書きをして駐車料金の精算を行う非接触式カード処理部によって設けられ、検知部は入庫した自動車に向け信号を発射する発信部と自動車により反射した信号を受けて検知信号を出力する受信部とを備えていることを特徴とする路上有料駐車用のパーキングメータを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のパーキングメータやパーキングチケット発給設備は、料金精算を非接触式カードで行うため、利用者はまず非接触式カードを予め購入する必要がある。現在、国内に主に設置されているパーキングメータは、硬貨投入式のものであり、パーキングチケット発給設備も、硬貨投入式および/または紙幣挿入式であり、現金により精算を行っている。このため、利用者が、非接触式カードを購入したとしても、これに対応したパーキングメータ等の装置でなければ使用することはできない。
【0007】
また、前払いが前提であるため、急ぎの用事がある場合は駐車後すぐに車両を離れることができず、また、小銭を持っていない場合は硬貨投入口しかないパーキングメータやパーキングチケット発給設備では両替をする必要があるため、不便である。また、パーキングチケット発給設備が混雑している場合は、チケットを発給するまでに時間が掛かるため、入庫を感知してそこから駐車時間を測定する装置においては駐車可能な時間が短くなってしまうという問題がある。さらに、駐車監視員が見回りで前払いせずに駐車している車両を発見しても、制限時間が終了するまでは取り締まることができない。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、利用者の利便性を高める路上パーキングシステムおよび路上パーキングシステムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の路上パーキングシステムは、車両の駐車情報を制御する制御手段と、利用情報を入力するための入力手段と、チケットを印刷するためのチケット印刷手段と、駐車料金を入金するための入金手段を備え、入力手段に後払いすることを入力し、入力手段からの利用情報に基づいて制御手段がチケット印刷手段に指令を出し、チケット印刷手段がチケットを印刷し、入金手段に駐車料金を入金することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の路上パーキングシステムは、入力手段に後払いすることを入力した後、入力手段に車両の番号を入力することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の路上パーキングシステムの制御方法は、利用者が、利用情報を入力するための入力手段に後払いすることを入力し、車両の駐車情報を制御する制御手段が、入力手段からの利用情報に基づいてチケット印刷手段に指令を出し、チケット印刷手段が、チケットを印刷し、利用者が、入金手段に駐車料金を入金することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の路上パーキングシステムの制御方法は、入力手段に後払いすることを入力した後、入力手段に車両の番号を入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、利用者の利便性を高める路上パーキングシステムおよび路上パーキングシステムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る路上パーキングシステムの第1の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る路上パーキングシステムの第1の実施例を示す説明図である。
【0016】
路上パーキングシステム1は、路上の駐車区域に駐車した車両を管理するためのものであり、制御手段2と、入力手段3と、チケット印刷手段4と、入金手段5とを備えている。尚、路上パーキングシステム1は、パーキングチケット発給設備やパーキングメータ等の装置(以下、「装置」という)に含まれている。パーキングメータの場合、チケット印刷手段4を備えてもよいが、チケット印刷手段4の代わりに後払いであることを装置に表示する手段を備えていてもよい。
【0017】
制御手段2は、路上の駐車区域に駐車した車両の駐車情報を制御する手段である。駐車情報とは、例えば、入力手段3からの利用情報、入金手段5からの駐車料金の入金情報、車両が路上の駐車区域に駐車していることを検出する検出手段(不図示)からの車両検出情報、車両の駐車時間を計測する計測手段(不図示)からの駐車時間計測情報、その他センサやカメラからの周辺情報等が考えられる。
【0018】
入力手段3は、利用情報を入力するための手段である。入力手段3は、例えば、「後払い」の入力ボタンや数値を入力するためのテンキー等であって、装置のパネル部等に備えられている。また、利用情報とは、前払いか後払いかの選択、利用者の車両の番号、駐車位置番号等である。
【0019】
チケット印刷手段4は、制御手段2からの指令を受けてチケット(駐車券)を印刷するための手段である。そして、利用者は、装置に設けられたチケット取り出し口から印刷されたチケットを取り出し、車両に戻ってチケットを提示する。尚、チケットは、駐車料金を前払いするか、後払いするかによって、印刷内容だけでなく、チケットのデザイン、色、形等が異なるものであってもよい。その場合、一目で前払いか後払いかを判断することができる。
【0020】
入金手段5は、駐車料金(手数料)を入金するための手段である。利用者は、入金手段5に入金して駐車料金を清算する。尚、入金手段5は、硬貨および/または紙幣だけでなく、クレジットカード、電子マネー、サービス券、定期券等に対応していてもよい。
【0021】
本実施の形態の路上パーキングシステム1において、利用者は、駐車料金を前払いするか、あるいは、後払いするかを選択することができる。尚、路上パーキングシステム1は、後払い専用であってもよい。
【0022】
前払いか後払いかを選択可能で「前払い」を選択した場合、利用者は先に入金手段5に駐車料金を入金する。そして、制御手段2は、入金手段5からの入金情報を受け取る。
一方、「後払い」の場合には、利用者は入力手段3で「後払い」することを入力する。入力手段3からの「後払い」という情報を含む利用情報に基づいて、制御手段2はチケット印刷手段4にチケットを印刷するよう指令を出す。そして、チケット印刷手段4は、日付、入庫時刻、終了時刻、車両番号、「後払い」であるということ等をチケットに印刷し、利用者は、車両に戻って印刷されたチケットを車両に提示する。そして、一旦車両を離れた利用者は、戻ってきて車両を動かす前に、入金手段5に駐車料金を入金し、制御手段2は、入金手段5からの入金情報を受け取る。
【0023】
このような構成の路上パーキングシステム1によれば、利用者は、後払いできるため、時間制限駐車区間に車両を駐車してすぐにその場を離れることが可能になり、小銭やサービス券等を必要とする場合には準備するための時間的余裕ができ、利便性を高めることができる。
【0024】
また、利用者が、入力手段3で後払いすることを入力した後、入力手段3で利用者の車両の番号を入力するようにすれば、後払いであっても、駐車料金の未納を防止する可能性が高まる。
【0025】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明によれば、利用者の利便性を高める路上パーキングシステムおよび路上パーキングシステムの制御方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0027】
1・・・・路上パーキングシステム
2・・・・制御手段
3・・・・入力手段
4・・・・チケット印刷手段
5・・・・入金手段