(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】固体成分混合装置および該装置を用いる方法
(51)【国際特許分類】
B01F 25/80 20220101AFI20220926BHJP
B01F 23/60 20220101ALI20220926BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20220926BHJP
B01F 35/80 20220101ALI20220926BHJP
【FI】
B01F25/80
B01F23/60
B01F35/71
B01F35/80
(21)【出願番号】P 2019542555
(86)(22)【出願日】2018-01-26
(86)【国際出願番号】 ES2018070061
(87)【国際公開番号】W WO2018146353
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-15
(32)【優先日】2017-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515275421
【氏名又は名称】ロラメンディ,エセ.クープ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス オリーヴ,ルイス アルフォンソ
(72)【発明者】
【氏名】オリア アバラテギ,アレサンダー
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-086509(JP,U)
【文献】特開昭48-047431(JP,A)
【文献】実開昭54-126268(JP,U)
【文献】特開平10-080745(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第00242596(GB,A)
【文献】特開昭59-179135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 21/00-35/95
B22C 1/00- 3/02
B22C 5/00- 9/30
B22C 11/00-25/00
B28C 1/00- 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂中子を作るために使用される材料を調製するための固体成分混合装置(100)であって、
上記装置(100)は、混合装置と、砂を供給するための少なくとも1つの第1投入装置(1)と、固体添加剤を供給するための第2投入装置(2)とを含み、
上記混合装置は、長方形状断面を有する垂直混合室(3)を備え、
上記混合室(3)の外形は、互いに対向する2つの側壁となる4つの側壁によって形成され、上記互いに対向する2つの側壁は互いに対向する他の2つの側壁よりも広く、
上記混合室(3)は、第1投入装置(1)と連通する第1入口(3.1)と、第2投入装置(2)と連通する第2入口(3.2)を有し、
上記第2入口(3.2)は上記第1入口(3.1)より低い高さにあり、上記第2入口(3.2)は上記混合室(3)のより広い方の対向する側壁の1つに配置され、
さらに、上記装置(100)にはバッフル(1.0)が備えられ、上記バッフル(1.0)
は、第2入口(3.2)を備える上記混合室(3)の壁に砂を向かわせるものである、固体成分混合装置。
【請求項2】
上記バッフル(1.0)は、上記第1投入装置(1)に取り付けられている、請求項1に記載の固体成分混合装置。
【請求項3】
さらに追加のバッフル(3.0)を備え、
上記バッフル(3.0)は、第2入口(3.2)を貫通し混合室(3)の内部に少なくともその一部分が延長し、上記第2入口(3.2)を備える壁に対向する混合室(3)の壁に固体添加物を向かわせるものであり、
上記混合室(3)は通路領域(3.3)を有し、上記通路領域(3.3)は上記追加バッフル(3.0)の端部と上記混合室(3)の壁によって確定されており、上記追加バッフル(3.0)は第2投入装置(2)に取り付けられている、請求項1または2に記載の固体成分混合装置。
【請求項4】
上記第1投入装置(1)の出口における砂の流れを調節するための第1調節装置(1.1)
と、
上記第2投入装置(2)の出口における固体添加物の流れを調節するための第2調節装置(2.1)
と、を有する、請求項3に記載の固体成分混合装置。
【請求項5】
上記第1投入装置(1)は上記混合室(3)の上方に配置され、
上記混合室(3)の上面に対向する断面を有する、出口セグメント(1.8)を有し、
上記混合室(3)の第1入口(3.1)は上記上面に配置され、
上記第1調節装置(1.1)は、その端部と当該端部に対向する上記出口セグメント(1.8)の壁との間の通路幅を画定する、可動調節要素を備え、
上記壁は、第2入口(3.2)を備える混合室(3)の壁と実質的に整列している、請求項4に記載の固体成分混合装置。
【請求項6】
上記第1投入装置(1)に取り付けられた上記バッフル(1.0)と、上記第1調節装置(1.1)の調節要素とが、1つの同一の要素である、請求項5に記載の固体成分混合装置。
【請求項7】
第2調節装置(2.1)が可動の調節要素を備え、
上記可動の調節要素は、上記第2入口(3.2)にその少なくとも一部分が対向して固体成分の流出を調節し、部分的に第2入口(3.2)を上から覆って上記調節を行い、固体添加剤が供給される上記第2入口(3.2)の面積が制限されている、請求項5または
6に記載の固体成分混合装置。
【請求項8】
上記調節装置(1.1)が回転自在に上記第1投入装置(1)に取り付けられることによって対応する成分の流れが調節されるか、あるいは、上記回転自在の手段により上記調節が行われる、請求項7に記載の固体成分混合装置。
【請求項9】
調節装置(1.1),(2.1)のそれぞれが、対応する調節要素(2.0)に平行に対向する閉鎖要素(1.2),(2.2)を有し、
上記閉鎖要素(1.2),(2.2)が上記対応する調節要素(2.0)に対して相対的に長手方向に自由に動くことができるよう連結されている、請求項7または8に記載の固体成分混合装置。
【請求項10】
上記投入装置(1),(2)の少なくとも1つに対する、振動を発生する振動デバイス(1.3),(2.3)を備える、請求項5~9のいずれか1項に記載の固体成分混合装置。
【請求項11】
上記第1投入装置(1)のための第1振動装置(1.3)と、上記第2投入装置(2)のための第2振動装置(2.3)とを備え、
上記投入装置(1),(2)の少なくとも1つが上記混合室(3)から物理的に分離されており、
上記装置(100)が、上記投入装置(1),(2)と上記混合室(3)との連結手段を有しており、上記連結手段が上記投入装置(1),(2)の振動を吸収することによって上記投入装置(1),(2)と上記混合室(3)との間に相互作用が生じる、請求項10に記載の固体成分混合装置。
【請求項12】
上記連結手段は、外側で上記投入装置(1),(2)および上記混合室(3)に連結する、中空かつ可撓性の連結要素(4)を備える、請求項11に記載の固体成分混合装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の固体成分混合装置の中で、中子製造用材料を調節するための、混合方法であって、
混合物を作るために、上記投入装置の出口で砂および/または固体添加剤の流れが、上記砂と上記固体添加物が混合室に供給される前に、調節され、上記投入装置の両方の出口への通路が閉じられ、一旦必要な調節が実行されると、上記投入装置の両方の出口への通路が開かれる、混合方法。
【請求項14】
砂が供給されている間は、上記砂の投入装置の振動が発生し、さらに/あるいは、固体添加物が供給されている間は、上記固体添加物の投入装置の振動が発生する、請求項13に記載の混合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体成分混合装置、特に砂中子の製造に使用される材料を調製するための混合装置と、この装置に関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
砂中子として知られる中子は、砂をその主成分とする。ただし、中子は砂だけで構成されているのではなく、別のタイプの成分を含んでおり、これらは中子を作成する前に砂と混合され、その結果得られる材料が中子の作成のための材料として用いられる。しばしば、砂は少なくとも1つの固体成分(添加剤)と混合されるが、両方の成分(もしあれば、他の成分も)がそのような目的に適合された混合装置で混合される。
【0003】
最も一般的な混合装置は、混合される成分が個別に、または同一の導管を介して容器に導入されるものであって、そのような混合装置は例えば特許文献US 3920223Aに開示されている。後者の場合、各成分が同一の導管を介して到達するものの、導管の機能は単に各成分を容器に導入することであるため、各成分が容器へ導入される過程で混ざり合うことはない。その後、容器内の各成分は一般的には撹拌翼を使用して混合される。各成分は通常、制御された方法で供給され、いずれの場合でも必要な量が供給される。
【0004】
このタイプの混合を実行するためには成分が容器に入った後に一定の時間を必要としており、これは、生産性の点での直接的な欠点を意味するだけでなく、上記一定の時間中、上記成分を移動し混合するための撹拌翼(または同等の機械要素)に上記成分が接触することによって生じる摩擦に、上記成分が晒されることを意味する。この摩擦によって、上記成分および/または得られる混合物の温度上昇を引き起こす。このような加熱によって上記成分および/または得られる混合物の特性が悪化しないか、あるいは、これらの性質に好ましくない変化が起こることに、考慮する必要がある。
【0005】
特許文献JP2005-238263Aは、別のタイプの混合を開示している。この例では、2つの成分投入装置が互いに隣接して配置され、上記装置の両方がコンベヤベルト上に配置されている。コンベヤベルトの前進方向の上流に配置された投入装置は、上記ベルトに第1成分を供給し、ベルトは、上記第1成分を上記前進方向に前進させる。他の投入装置は、第2成分をベルトに供給し、それは上記ベルト上に既に配置された第1成分上に堆積される。こうして両方の成分は必要に応じて上記ベルトによって一緒に供給され混合される。両方の成分は、混合を確実にするために追加の混合機に搬入される。
【0006】
特許文献GB242596Aは、セメントと繊維材料を混合するための装置を開示している。この装置は、混合装置と、繊維材料を供給するための第1投入装置と、上記混合装置と連通するセメントを供給する第2投入装置とを備える。混合装置は、長方形状断面の垂直混合室を備え、したがって、混合室の外形は、互いに対向する2つの側壁が互いに対向する他の2つの側壁よりも広くなるように、4つの側壁によって形成される。混合室には、第1の注入装置と連通する第1入口と、第2の注入装置と連通する第2入口とがつながっている。第2の入り口は第1の入り口よりも低い位置にあり、混合室の幅広い側壁の一つに取り付けられている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、特許請求の範囲で定義されるように、砂中子を作るために使用される材料を調製するための固体成分混合装置、およびこの固体成分混合装置を用いる方法を提供することである。
【0008】
本発明の第1の態様は、砂中子を作るために使用される材料を構成する砂と固体添加物を混合するのに適した装置に関する。本発明の装置は、混合装置と、砂(または他の同等の粒状成分)を混合装置に供給するための第1投入装置と、固体添加剤(第2の固体成分)を混合装置に供給するための第2投入装置とを含む。
【0009】
上記混合装置は、長方形状断面を有する垂直混合室を備え、したがって、混合室の外形は、互いに対向する2つの側壁が互いに対向する他の2つの側壁よりも広くなるように、4つの側壁によって形成される。
【0010】
上記混合室は第1入口を備え、上記第1の入り口は砂を受け入れるために第1投入装置と連通する。上記混合室はさらに第2入口を備え、上記第2入口は固体添加物を受け入れるために第2投入装置と連通する。上記第2入口は、上記第1入口よりも低い高さにあり、さらに、上記混合室のより広い側壁の1つに配置されている。
【0011】
このように、混合室は垂直で混合に重力が利用され、追加の機械要素を必要としない。さらに、砂と固体添加剤の両方が、単純かつ簡単な方法で互いに接触し混合され所望の混合物が生成する。その際に、追加の機械要素、例えば別のタイプの撹拌翼やミキサーを使用する必要がない。最も単純な場合、両方の成分から予備混合物を得れば、その後の最終混合において短時間で成分同士が接触する。
【0012】
上記断面の幅が小さければ小さいほど、混合がより確実になるが、同時に、両方の成分が通過するのに十分な幅がなければならない。たとえば、混合室が円形断面などの別のタイプの断面を有する場合、すべての成分が混合室内で確実に混合されないため、成分間の混合または事前混合が確実に行われない。たとえば、固体添加物が砂と混合する代わりに砂を押し込むことによって、あるいは、砂が混合室を通って落下する間に砂または砂の少なくとも一部が固体添加物の存在するセクションに到達しないことによって、完全で確実な混合が行われない(その結果、最終的に得られる中子に欠陥を発生させる可能性がある)。こうして、完璧な混合物が得られない、あるいは、得られた混合物を引き続き後機械要素によって長い時間をかけて混合する必要がある。
【0013】
したがって、適切な混合を行うには、砂と固体添加剤が通過する断面が狭くて細長いことが不可欠です。したがって、この断面は「長方形状断面」と呼ばれ、これがここで要求される特徴をよく表している。いずれにせよ、本発明の概念において、2つの長辺と2つの短辺を有する断面は、上記辺が直角の断面を形成したかどうかにかかわらず、上記「長方形状断面」に含まれることは明らかである。したがって、たとえば、角が丸い長方形状断面や細長い楕円形の断面も、「長方形状断面」に該当する。同様に、密閉された混合室の外形を形成する4つの側壁について言及するとき、上記チャンバーが頂点によって分離された壁を有することは必須ではく、最も重要なのは、そこに二つの対向した壁面(二つの反対の面)があり、互いに二つの狭い壁に繋がり所望の形状をもつ断面を形成することである。そこを砂と個体添加物が通過する。
【0014】
さらに、本発明の装置にはバッフルが備わっている。このバッフルは、第2入口を備えた混合室の壁に砂を向かわせるためのものである。
【0015】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による装置で砂中子製造用材料を調製するための、混合方法に関する。
【0016】
この方法では、砂と少なくとも1つの固体添加剤が互いに混合され、それらを混合する目的で、砂と固体添加剤のそれぞれが、砂投入装置と固体添加剤投入装置から、垂直混合
室に供給される。上記混合室は長方形状断面を備え、したがって、混合室の外形は、互いに対向する2つの側壁が互いに対向する他の2つの側壁よりも広くなるように、4つの側壁によって形成される。混合室の幅の広い側壁の1つにあり、砂が供給される高さより低い高さの入口を通して、固体添加剤が混合室に供給さる。その結果、発明の第1の様態で論じた同様な利点が得られる。
【0017】
本発明のこれらおよび他の利点および特徴は、図面および本発明の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1a】本発明の混合装置の実施形態の2つの斜視図である。第1投入装置と上記装置の混合室との間の連結要素は示されていない。
【
図1b】本発明の混合装置の実施形態の2つの斜視図である。第1投入装置と上記装置の混合室との間の連結要素は示されていない。
【
図2】
図1aおよび
図1bの混合装置の断面図である。混合装置の投入装置の通路が開いている様子を示す。
【
図3】
図1aおよび
図1bの混合装置の断面図である。混合装置の投入装置の通路が閉じた様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の態様は混合装置(100)に対応する。混合装置(100)は、異なる固体成分を互いに混合し、続いて砂中子を製造するため使用される混合物を製造するよう、適合されている。混合装置(100)において混合される成分は、少なくとも1つの砂および少なくとも1つの固体添加物(例えば、木粉またはデンプンであり得る)である。
【0020】
混合装置(100)は、混合装置および所望の混合に関与する各成分のための投入装置を備える。図示の実施形態では、混合装置(100)は、混合装置に砂(第1の固体成分)を供給するための第1投入装置(1)と、混合物に固体添加剤(第2の固体成分)を供給するための第2投入装置(2)とを備える。
図1aおよび
図1bに例示されるように、両方の成分が上記混合装置で混合される。2つ以上の砂および/または2つ以上の固体添加物を使用する場合、混合装置(100)は、各追加成分用の追加投入装置を含む。
【0021】
本発明の混合装置は、長方形状断面を有する垂直混合室(3)を備える。したがって、混合室(3)の外形は、互いに対向する2つの側壁が互いに対向する他の2つの側壁よりも広くなるように、4つの側壁によって形成される。
【0022】
上述のように、「長方形状断面」は、任意の狭い辺と長い辺からなる断面として解釈されており、長方形はその最も代表的な形状である。ただし、2つの例を挙げると、楕円形や端が丸い長方形などの他の形状は、「長方形状断面」に該当する。同様に、混合室(3)の外形は4つの側壁を含むことが定義されているが、本発明では、楕円形の断面の場合のように、これらの壁をあまり明確に限定できないことは明らかである。たとえば、4つの壁が頂点で区切られていないが、どちらの壁が互いに対向する幅の広い2つの側壁である場合でも、同様に「長方形状断面」と解釈できる。
【0023】
例えば、
図2に示すように、混合室(3)は、砂を受け入れるために第1投入装置(1)と連通する第1入口(3.1)と、固体添加物を受け入れるために第2投入装置(2)と連通する第2入口(3.2)をさらに備える。第2入口(3.2)は、第1入口(3.1)よりも低い高さにあり、さらに、混合室(3)のより広い側壁の1つに配置されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、混合装置(100)は、第1投入装置(1)に取り付けられ、第2入口(3.2)を含む混合室(3)の壁に向かって砂を向けるのに適したバッフル(1.0)を含む。したがって、砂は、固体添加剤が混合室(3)に入るとすぐに固体添加剤と接触するように強制される。重力により砂が落下する力により、砂は固体添加物を巻き込み、混合される。
【0025】
いくつかの実施形態では、バッフル(1.0)に加えて、混合装置(100)はさらにバッフル(3.0)を備える。バッフル(3.0)は第2投入装置(2)に取り付けられ、第2入口(3.2)を介して混合室(3)に少なくとも部分的に収容される。バッフル(1.0)によって導かれた砂は、追加のバッフル(3.0)に落下し、その上にある固体添加剤を巻き込み、両方の成分(砂と固体添加剤)の適切な混合をより確実にすることになる。さらに、追加のバッフル(3.0)は、上記第2入口(3.2)を含む壁の反対側にある、混合室(3)の壁に、固体添加剤を向かわせるよう適合されており、上記固体添加剤はすでに砂と接触しているため、砂と個体添加物の混合物が上記壁に向かって移動する。追加のバッフル(3.0)は、さらに、混合室(3)の通路領域(3.3)で混合室(3)の断面の幅を小さく制限し(通路領域(3.3)は、追加のバッフル(3.0)の端と混合室(3)の壁との間に残されたスペースである)、このように通路領域(3.3)を狭くすることにより、両方の成分が強制的に通路領域(3.3)を一緒に通過して、より完全に混合され、より大規模に巻き込みが行われる。さらに、両方の成分が一緒に(どれだけ小さいかに関係なく)同じ経路を移動して通路領域(3.3)に到達することに注意しなければならない。
【0026】
一般に、使用される砂の密度(通常は約1.6kg/dm3から約0.4kg/dm3までの範囲)は、使用される固体添加物の密度よりも大きく、これは、重力によりバッフル(3.0)に到達した砂が固体添加物の巻き込みをより確実にし、それにより両方の混合がより完全になる(これは、その後通過する通路領域(3.3)でさらに確実となる)。
【0027】
いくつかの実施形態では、混合装置(100)は、必要に応じて、第1投入装置(1)の出口で砂の流れを調節するための第1調節装置(1.1)と、第2投入装置(2)の出口で固体添加剤の流れを調節するための第2調節装置(2.1)とを備える。これらの調節装置によって、異なるサイズ、形状、特性などが異なる中子を製造するために、混合装置(100)で供給される成分の量を容易に調節することができる。
【0028】
第1投入装置(1)および第2投入装置(2)で一定時間内に必要な砂または固体添加物の量を調節することにより、本発明の製造方法において砂と固体添加物との適切な比率が達成される。たとえば、50 kgの砂を300 gの固体添加剤と混合する必要がある場合、第1投入装置(1)および第2投入装置(2)の両方の出口を第1調節装置(1.1)と第2調節装置(2.1)とで調節し、それぞれに必要な量を同時にまたは同じ時間間隔で供給して、混合物全体における各成分の正確な比率を達成する。したがって、可能な限り固体添加剤と砂(中子を作るための材料)との混合物は材料から見て可能な限り均質化される。砂と個体添加物との不均一に起因する部分的な脆弱性は、こうした混合物から製造される中子では発生しない。
【0029】
いくつかの実施形態において、混合装置(100)は、投入装置(1)および投入装置2に存在する成分の量を検出するために、投入装置(1)または投入装置(2)の少なくとも一方、好ましくは投入装置(1)と投入装置(2)の両方に、充填装置(または同等の要素)を備える。これにより、投入装置(1)と投入装置(2)への充填操作を容易にすることができ、それぞれの成分の必要量を簡便な方法で充填することができる。例えば、必要量の充填が完了するまでは投入装置(1)と投入装置(2)に充填し、必要量の重点が完了した時点で充填を停止することができる。結果として、必要な量の成分が投入装
置(1)と投入装置(2)から供給され、その結果、混合室(3)にて所望の混合物が得られる。
【0030】
混合装置(100)の好ましい実施形態では、第1投入装置(1)が混合室(3)の上方に配置され、出口セグメント(1.8)を備える。出口セグメント(1.8)が有する断面は、混合室(3)の断面に等しく混合室(3)の上面に対向している。混合室(3)の第1入口(3.1)は、上記混合室(3)の上面に配置されている。第1調節装置(1.1)は、端部と該端部に対向する出口セグメント(1.8)の壁との間の通路幅を画定する可動調節要素を備え、上記壁は、第2入口(3.2)を含む混合室(3)の壁とほぼ一直線に整列している。砂の流れを調節するために、上記調節要素は、その端部を反対側の壁に近づけたり遠ざけたりすることにより移動する。上記実施形態において、第1投入装置(1)に取り付けられたバッフル(1.0)と第1調節装置(1.1)の調節要素とは、一つの同じ要素である。このような一つの同じ要素によって、砂は、所望の場所に(バッフル機能により)、所望の流れで(調節要素により)に向かう。
【0031】
第2調節装置(2.1)は、第2入口(3.2)と少なくとも部分的に対向する可動の調節要素(2.0)を備える。可動調節要素(2.0)によって、固体添加物の流出を調節し、上から第2入口(3.2)を部分的に覆い、調節を実行し、それにより、固体添加剤が供給される第2入口(3.2)の面積を制限する。
【0032】
混合装置(100)のいくつかの実施形態において、例えば、図に示されるように、第1調節装置(1.1)は投入装置(1)に取り付けられ、回転調節機能を備える。この機能より、それぞれの成分の流れを調節する。他の実施形態では、回転調節機能を有する第2調節装置(2.1)を第2投入装置(2)に取り付けることもできる。
【0033】
混合装置(100)のいくつかの実施形態では、調節装置(1.1),(2.1)は、対応する調節要素に平行かつ対向する閉鎖要素(1.2),(2.2)をさらに含む。
図3に閉位置の例を示す。上記調節要素のそれぞれは、相対的な長手方向の動きの自由を有して、調節装置(1.1),(2.1)の閉鎖要素(1.2),(2.2)に独立して取り付けられている。
【0034】
第1調節装置(1.1)の閉鎖要素(1.2)は、混合室(3)への砂の流れを調節することによって、混合室(3)への砂の通過を許可または妨害する。同様に、第2調節装置(2.1)の閉鎖要素(2.2)は、混合室(3)への固体添加物の流れを調節することによって、混合室(3)への砂の通過を許可または妨害する。
【0035】
いくつかの実施形態では、混合装置(100)は、第1投入装置(1)に関連付けられた振動装置(1.3)を備えても良い。必要に応じて振動装置(1.3)で振動が発生することによって、混合室(3)への第1の成分の供給を促進または加速する。第2投入装置(2)に関連付けられた振動装置(2.3)を、振動装置(1.3)の代わりに、あるいは、振動装置(1.3)と共に、備えても良い。必要に応じて振動装置(2.3)で振動が発生することによって、混合室(3)への第2の成分の供給を促進または加速する。
【0036】
混合装置(100)が投入装置(1),(2)に対して2つ以上の振動装置を有する場合には、1つの投入装置の振動が他の投入装置に影響を及ぼすのを防ぐために、混合装置(100)にはこのような欠点を妨げる手段が設けられ、投入装置(1)と投入装置(2)を分離する。例えば図に示される場合は、混合装置(100)は、第1投入装置(1)に対する振動装置(1.3)と、第2の装置(2)に対する振動装置(2.3)とを備える。一方の振動が他方に影響を与えるのを防ぐために、この場合、第1投入装置(1)と混合室(3)は物理的に分離され、混合装置(100)は、第1投入装置(1)を混合室
(3)に連結するための中空で柔軟な連結要素(4)(振動を分離するための連結要素)を備え、それにより、両方装置は繋がり、砂が供給される。
【0037】
第2投入装置(2)および混合室(3)は互いに連結しており、それらは同一の本体の一部であってもよい。好ましい実施形態では、上述のように、第1投入装置(1)は混合室(3)の上方に配置される。上記実施形態では、連結要素(4)は、第1投入装置(1)の出口セグメント(1.8)と混合室(3)を結合している。連結要素(4)が中空であるため、出口セグメント(1.8)と混合室(3)が物理的に分離しているにもかかわらず、砂は第1投入装置(1)から混合室(3)に到達する。上述のように連結要素(4)は可撓性であって、振動装置(1.3)によって第1投入装置(1)で発生した振動を吸収し、それらが混合室(3)に伝達されるのを防ぐ。
【0038】
本発明の第2の態様は、砂と少なくとも1つの固体添加剤とが互いに混合される混合装置を用いて、砂中子を作るために使用される材料を調製するための、混合方法である。固体添加物は、例えば木粉またはデンプンであり得る。それらを混合する目的のために、砂および固体添加剤は、砂投入装置およびそれぞれの固体添加剤投入装置から装置の垂直混合室に供給される。混合室は長方形状断面を有し、したがって、混合室の外形は、互いに対向する2つの側壁が互いに対向する他の2つの側壁よりも広くなるように、4つの側壁によって形成される。「長方形状断面」という表現は、本発明の第1の態様の混合室について説明したのと同じ方法で解釈しなければならない。本発明の方法では、混合室は、より広い側壁の1つを介して、砂を受け取る高さより低い高さで固体添加物を受け取る。
【0039】
したがって、この方法では、砂は、固体添加剤が導入される高さよりも高い高さから、および砂の落下力により(少なくとも大部分は重力によって引き起こされる)混合室に導入される。混合室は垂直であり、混合室の断面形状から、砂および固体添加物は、ブレードや別のタイプのミキサーなどの追加の機械要素を使用する必要なく、シンプルかつ簡単な方法で混合されます。または、両方の成分(砂および固体添加物)間の予備混合物を、最終混合を達成する際にも、より短い時間で上記要素の1つと接触するだけで済む。
【0040】
本方法のいくつかの実施形態において、砂は、供給時に混合室の特定の領域に移動することができる。このことは、固体添加剤にも、両方の成分が一緒になった場合でも同様に起こる。これに関して本発明の第1の態様に関して与えられた説明は、この方法にも有効であり、ここでは繰り返さない。
【0041】
したがって、本方法のいくつかの実施形態では、砂および/または固体添加剤の流れを調節することができ、本発明の第1の態様に関してこれに関して与えられた説明も本方法に有効であり、繰り返さない。
【0042】
混合サイクルでは、一定量の砂を一定量の固体添加剤と一定時間混合し、混合物が均一になるように、それぞれの流れ(砂と固体添加剤)を調節する。一連の所定のサイクルの実行後に同じ混合物を調製する場合、砂と固体添加剤の流れは前の混合サイクルと同様に維持される。ただし、調節や量変更が必要な場合は、新しい混合物が均一になるように、2つのうち少なくとも1つの流量を調節する必要がある。この方法のいくつかの実施形態では、混合室への砂および固体添加物の供給を開始する前に、上記流量(または上記流量)の調節が実行される。調節中、砂が砂投入装置から出ることを防ぎ、固体添加剤が固体添加剤投入装置から出るのを防ぎ、両方の投入装置の出口への通路を閉じたままにする(
図3を参照)。必要な調節が実行された後に通路が開かれる(
図2を参照)。
【0043】
いくつかの実施形態では、砂の供給を誘発、促進または加速するために、砂の供給中に砂の投入装置に振動を発生させる。あるいは、あるいは加えて、固体添加剤の供給を誘発
、促進または加速するために、固体添加剤の供給中に固体添加剤の投入装置に振動を発生させる。
【0044】
本発明の第1の態様の混合装置(100)に関連して説明されたすべての特徴は、本発明の第2の態様の方法について説明されたものとして理解される。