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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 9/12 20060101AFI20220926BHJP
   F26B 3/28 20060101ALI20220926BHJP
   F26B 9/10 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B05C9/12
F26B3/28
F26B9/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021001877
(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公開番号】P2021133361
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】P 2020030813
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】井上 智彦
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-195347(JP,A)
【文献】特開2010-214312(JP,A)
【文献】特開2003-279245(JP,A)
【文献】特開2017-047633(JP,A)
【文献】特開2009-000636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 9/12
F26B 3/28
F26B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に乾燥対象物が塗布されたワークに光を照射するLEDランプユニットと、
ステージ上に配置されて前記LEDランプユニットの反対側から前記ワークを支持するとともに、前記ワークを透過した前記光を受けて発熱する熱分散部材とを備える
乾燥装置。
【請求項2】
前記熱分散部材は、前記ワークに対して面で接している
請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
前記LEDランプユニットは、複数のLEDランプで構成されており、
複数の前記LEDランプは、第1の波長の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有しており、かつ、第2の波長の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有している
請求項1または2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記LEDランプユニットは、複数のLEDランプで構成されており、
複数の前記LEDランプは、第1の強度の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有しており、かつ、第2の強度の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有している
請求項1から3のいずれか1項に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記乾燥装置は、前記ステージから離間した位置に前記熱分散部材を配置するために、前記ステージと前記熱分散部材との間に配設される離間部材をさらに備えている
請求項1から4のいずれか1項に記載の乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば透明なガラス板で構成されたワークの表面に塗布された乾燥対象物を乾燥させるために使用される乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、スマートフォン等のカバー部材として使用される透明なガラスパネル(ワーク)の表面にデザイン等を施すための溶剤系インクを塗布する作業がインクジェット装置等を用いて行われている。(例えば、特許文献1)
【0003】
インクジェット装置等を用いて塗布した後で、このインクを乾燥させる工程が必要となっており、ホットプレートやドライヤー、あるいは乾燥炉等を用いて乾燥させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-7029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の乾燥方法にはインクを乾燥させるのに時間がかかりすぎるという問題があった。このため、例えば曲面にインクを塗布したとき、乾燥する前のインクが重力で垂れてくるよりも先に乾燥を完了させたいという要望に応えきれていなかった。
【0006】
加えて、ドライヤーを使用した場合は、ドライヤーからの風圧によって乾燥する前のインクが移動してしまい、塗布面にインクのムラが生じるという問題も指摘されていた。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワークの表面に塗布された乾燥対象物を素早く乾燥させることのできる乾燥装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面によれば、
表面に乾燥対象物が塗布されたワークに光を照射するLEDランプユニットと、
ステージ上に配置されて前記LEDランプユニットの反対側から前記ワークを支持するとともに、前記ワークを透過した前記光を受けて発熱する熱分散部材とを備える
乾燥装置が提供される。
【0009】
好適には、
前記熱分散部材は、前記ワークに対して面で接している。
【0010】
好適には、
前記LEDランプユニットは、複数のLEDランプで構成されており、
複数の前記LEDランプは、第1の波長の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有しており、かつ、第2の波長の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有している。
【0011】
好適には、
前記LEDランプユニットは、複数のLEDランプで構成されており、
複数の前記LEDランプは、第1の強度の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有しており、かつ、第2の強度の光を放射する前記LEDランプを少なくとも1つ有している。
【0012】
好適には、
前記乾燥装置は、前記ステージから離間した位置に前記熱分散部材を配置するために、前記ステージと前記熱分散部材との間に配設される離間部材をさらに備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る乾燥装置によれば、LEDランプユニットから放射された光の一部がワークの表面に塗布された乾燥対象物に当たることにより、当該乾燥対象物が光を吸収して昇温する。加えて、乾燥対象物に当たらなかった残部の光については、ワークを透過した後、熱分散部材に当たることによって当該熱分散部材に吸収される。
【0014】
これにより、光を吸収して昇温した熱分散部材がワーク全体を加熱することになり、結果として乾燥対象物の温度がさらに高くなることで、より短い時間で乾燥対象物を乾燥させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明が適用された、実施形態に係る乾燥装置10を示す図である。
図2】ワークWに対するインクIの塗布形態の一例を示す図である。
図3】ワークWに対するインクIの塗布形態の別の例を示す図である。
図4】熱分散部材14に吸収される光の経路を示す図である。
図5】変形例1に係る乾燥装置10を示す図である。
図6】変形例5に係る乾燥装置10を示す図である。
図7】変形例5に係る別の乾燥装置10を示す図である。
図8】変形例6に係る乾燥装置10を示す図である。
図9】変形例7に係る乾燥装置10を示す図である。
図10】変形例7に係る別の乾燥装置10を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(乾燥装置10の構成)
以下、図面を用いて、本発明に係る乾燥装置10の構成について説明する。なお、この乾燥装置10と上述したインクジェット装置等のインク塗布装置とを組み合わせたものをワークデザイン装置という。
【0017】
図1に示すように、乾燥装置10は、大略、LEDランプユニット12と、熱分散部材14と、離間部材16とで構成されている。
【0018】
LEDランプユニット12は、ワークWに光を照射する部材であり、ランプユニット本体18と、このランプユニット本体18の表面に実装された複数のLEDランプ20とを有している。
【0019】
ランプユニット本体18は、例えば一般的なプリント基板であり、その表面に複数のLEDランプ20がCOBやSMD等の形態で実装されている。
【0020】
複数のLEDランプ20は所定の波長の光を放射する部材であり、各波長は、乾燥させるインクIの色や成分等に応じて、当該インクIが最も吸収しやすいものを選定するのが好適である。
【0021】
また、複数のLEDランプ20が放射する光の波長は、すべて同じ波長に設定してもよいし(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の波長は1種類)、すべて異なる波長にしてもよい(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の波長はLEDランプ20の数と同じ種類数ある)。さらに言えば、LEDランプユニット12として、第1の波長の光を放射するLEDランプ20を少なくとも1つ有しており、かつ、第2の波長の光を放射するLEDランプ20を少なくとも1つ有しているようにしてもよい(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の波長は2種類以上となる)。
【0022】
このように、1つのLEDランプユニット12から複数種類の波長の光を放射できるようにしておくことで、複数種類の波長の光を同時に放射することもできるし、異なる波長の光を互いに区別して同じ波長の光を放射することもできる。もちろん、すべてのLEDランプ20を同時に点灯させてもよいし、一部のLEDランプ20のみを選択的に点灯させることもできる。例えば、乾燥装置10を単独で使用する場合には、予めプログラムしておいた点灯パターンで各LEDランプ20を点灯させることが考えられ、乾燥装置10を図示しない印刷機と連動させる場合には、例えば当該印刷機からインクIの色情報を得て、当該色情報によるインクIの色に適した波長の光を放射するLEDランプ20のみを選択的に点灯させることが考えられる。
【0023】
さらに、複数のLEDランプ20が放射する光の強度についても、すべて同じ強度に設定してもよいし(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の強度は1種類)、すべて異なる強度にしてもよい(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の強度はLEDランプ20の数と同じ種類数ある)。加えて、LEDランプユニット12として、第1の強度の光を放射するLEDランプ20を少なくとも1つ有しており、かつ、第2の強度の光を放射するLEDランプ20を少なくとも1つ有しているようにしてもよい(つまり、LEDランプユニット12からの放射される光の強度は2種類以上となる)。
【0024】
このように、1つのLEDランプユニット12から複数種類の強度の光を放射できるようにしておくことで、複数種類の強度の光を同時に放射することもできるし、異なる強度の光を互いに区別して同じ強度の光を放射することもできる。もちろん、すべてのLEDランプ20を同時に点灯させてもよいし、一部のLEDランプ20のみを選択的に点灯させることもできる。例えば、曲面を有するワークWの表面にインクIが塗布されており、各LEDランプ20からワークWまでの距離がそれぞれ異なるような場合においては、ワークWまでの距離が近いLEDランプ20からは比較的低い強度の光を放射し、ワークWまでの距離が遠いLEDランプ20からは比較的高い強度の光を放射することが考えられる。
【0025】
熱分散部材14は、LEDランプユニット12からの光を受けて発熱する材料で構成された部材である。また、熱分散部材14は、ステージS上に配置されており、ワークWのLEDランプユニット12によって照射される面とは反対側の面に当接することによって当該ワークWを支持するようになっている。また、熱分散部材14の材質としては、例えば、黒アルマイト処理したアルミニウム、グラファイト、シリコンウエハ、カーボンを混練した樹脂成形部材、黒セラミック(Al+TiC)、黒色メッキ等が考えられる。
【0026】
本実施形態において、ワークWにおける熱分散部材14と当接する面は平面に形成されていることから、ワークWと熱分散部材14とは互いに面接触しているが、ワークWの形状によっては、ワークWと熱分散部材14とが複数の点で接触する場合も考えられる。後述するように、ワークWに塗布されたインクIを乾燥させる効率の観点から言えば、ワークWと熱分散部材14とは互いに面接触している方が好適である。
【0027】
離間部材16は、ステージSと熱分散部材14との間に配置される部材であり、本実施形態では、熱分散部材14の四隅に配置されている。この離間部材16は、熱分散部材14をステージSから離間した位置に配置する役割を有している。このように熱分散部材14をステージSから離間させておくことにより、熱分散部材14とステージSとの間の空間が断熱層となり、LEDランプユニット12からの光を受けて発熱した熱分散部材14の熱がステージSに伝わり難くすることができる。
【0028】
なお、ワークWに対するインクIの塗布形態について例示する。インクIの塗布形態の一例として、図2に示すように、ワークWの表面における中央部にインクIを矩形状に塗布し、当該インクIの外周にはインクIが未塗布の部分を残す態様が考えられる。
【0029】
あるいは、別の例として、図3に示すように、先にワークWの周縁部にインクI1を塗布し、乾燥させておき、さらに、インクI1が未塗布だったワークWの中央部にインクI2を塗布して乾燥させる態様も考えられる。
【0030】
(乾燥装置10の特徴)
図4に示すように、本実施形態に係る乾燥装置10によれば、LEDランプユニット12から放射された光の一部(L1)がワークWの表面に塗布されたインクIに当たることにより、当該インクIが光を吸収して昇温する。加えて、インクIに当たらなかった残部の光(L2)については、ワークWを透過した後、熱分散部材14に当たることによって当該熱分散部材14に吸収される。さらに言えば、インクI自体の光透過率やインクIの膜厚によっては、インクIに当たった後、当該インクIを透過して、さらにワークWを透過して熱分散部材14に吸収される光(L3)も存在する。
【0031】
これにより、光を吸収して昇温した熱分散部材14がワークW全体を加熱することになり、結果としてインクIの温度がさらに高くなることで、より短い時間でインクIを乾燥させることができるようになる。
【0032】
また、上述した実施形態では、離間部材16によって熱分散部材14とステージSとの間に断熱層が形成されているので、LEDランプユニット12からの光を受けて発熱した熱分散部材14の熱がステージSに伝わり難くなる。これにより、熱分散部材14からの熱でワークW全体をより高く昇温できるので、さらに短い時間でインクIを乾燥させることができるようになる。
【0033】
(変形例1)
上述した実施形態では、離間部材16を用いて熱分散部材14とステージSとの間に断熱層を形成するようにしていたが、図5に示すように、これら離間部材16を省略して熱分散部材14がステージSに直接接触するようにしてもよい。
【0034】
なお、このように熱分散部材14がステージSに直接接触すると、ステージSに伝わる熱分散部材14からの熱量が多くなってしまい、ワークWを加熱する熱量が少なくなってしまうことから、離間部材16を設けるのが好適である。
【0035】
(変形例2)
また、離間部材16に変えて、ステージSと熱分散部材14との間に、これらステージSや熱分散部材14よりも相対的に熱伝導率が低い材質で構成した断熱部材を介在させてもよい。
【0036】
(変形例3)
さらに、LEDランプユニット12は、ワークWに対して固定されていてもよいし、当該LEDランプユニット12がプリンタヘッドのようにワークWに対して動きながら光を照射してもよい。さらに、ステージSがワークWと共に動くようにしてもよい。
【0037】
(変形例4)
また、熱分散部材14をステージSから独立した部材ではなく、(例えば、アルミニウム(A5052)やステンレス(SUS304)で構成された)ステージSの表面を例えば黒アルマイト処理や黒色塗装して光吸収性を高めるようにして、この処理表面や塗装表面を熱分散部材14としてもよい。
【0038】
(変形例5)
また、図6に示すように、離間部材16を省略して熱分散部材14をステージSに直接接触するように載置する場合において、当該ステージSの表面における熱分散部材14に対応する位置に凹所30を形成してもよい。
【0039】
このような凹所30を形成することで、熱分散部材14とステージSの表面(=凹所30の底面)との間に断熱層としての空間を形成することができるので、LEDランプユニット12からの光を受けて発熱した熱分散部材14の熱がステージSに伝わり難くなる。これにより、熱分散部材14からの熱でワークW全体をより高く昇温できるので、さらに短い時間でインクIを乾燥させることができるようになる。
【0040】
なお、凹所30の形状は、図6に示すような比較的大きなものに限られず、図7に示すように、比較的小さな凹所30を複数形成してもよい。
【0041】
(変形例6)
また、平らな形状のステージSに変えて、図8に示すように、略円柱状の搬送ローラー32を複数本互いに並列に引き揃えて、これら搬送ローラー32の上に熱分散部材14を載置してもよい。
【0042】
このような態様にすることで、隣り合う搬送ローラー32同士の間に空間が形成されるので、変形例5等と同様に、LEDランプユニット12からの光を受けて発熱した熱分散部材14の熱がステージSに伝わり難くなる。これにより、熱分散部材14からの熱でワークW全体をより高く昇温できるので、さらに短い時間でインクIを乾燥させることができるようになる。
【0043】
(変形例7)
また、熱分散部材14の形状についても、上述したような平板状の熱分散部材14に限定されることはなく、例えば、図9に示すように、断面が「コ」字状となるように凹所34が形成された熱分散部材14を用いてもよい。
【0044】
この熱分散部材14は、ステージSの表面に載置された平面状の断熱部材36の上に、凹所34が上向きとなるように配置されている。
【0045】
そして、両端部が上向きに湾曲形成されたワークW(表面にインクIが塗布されている)がこの凹所34内に嵌め込まれたうえで、LEDランプユニット12からの光が照射されるようになっている。
【0046】
もちろん、凹所34が形成された熱分散部材14はこれに限定されるものではなく、図10に示すように、底部材38と側壁部材40とを組み合わせることによって凹所34を有する熱分散部材14を形成してもよい。
【0047】
(変形例8)
ここまでは、ワークW(例えば、スマートウォッチの枠材や、タブレット・液晶モニターの枠材)の表面に塗布されたインクIの乾燥作業に乾燥装置10を用いる例を示してきたが、乾燥装置10の用途はこれに限定されるものではなく、例えば、スマートフォンの赤外線受光部に用いられる赤外線透過インクの乾燥作業や、基板上に塗布した機能材料の乾燥作業、あるいは、コーティング剤等の機能性ポリマーの乾燥作業にも用いることができる。このように乾燥装置10を用いて乾燥作業が行われる対象物(インクIや機能材料や機能性ポリマー等)を総称して「乾燥対象物」という。
【0048】
「基板上に塗布した機能材料の乾燥」としては、ガラス基板上のカラーフィルタ等、半導体ウエハ上のフォトレジストの乾燥が考えられる。例えば、シリコンウエハがワークWである場合には、LEDランプユニット12からの光の波長を適切に選択することによってシリコンウエハ自体が当該光を吸収して発熱に寄与する。これに熱分散部材14が組み合わされることによってより効率的な乾燥が実現できる。また、フォトレジストの乾燥としては、プリベークおよびポストベークが考えられる。プリベークは、フォトレジストに含まれている溶剤を飛ばす工程である。ポストベークは、フォトレジストの焼き締めおよび硬化を行う工程である。
【0049】
さらに言えば、半導体ウエハ上に形成した薄膜のアニール処理にも乾燥装置10を用いることができる。その際、熱分散部材14がワークWの均熱化に寄与する。また、LEDランプユニット12による光出力コントロールを用いることができる。
【0050】
「コーティング剤等の機能性ポリマーの乾燥」としては、クリアインク(オーバーコート剤)、つまり、スマートフォンカバー等の塗装面および未塗装面の保護コーティングが考えられる。インクが透明であっても、熱分散部材14からの熱によって当該インクを効率よく乾燥させることができる。
【0051】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
10…乾燥装置
12…LEDランプユニット
14…熱分散部材
16…離間部材
18…ランプユニット本体
20…LEDランプ
30…(ステージSの)凹所、32…搬送ローラー、34…(熱分散部材14の)凹所、36…断熱部材、38…底部材、40…側壁部材
W…ワーク、S…ステージ、I…インク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10