(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220926BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220926BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07B15/00 M
(21)【出願番号】P 2021093134
(22)【出願日】2021-06-02
【審査請求日】2022-01-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508266203
【氏名又は名称】株式会社アサヒエンタープライゼス
(74)【代理人】
【識別番号】100132964
【氏名又は名称】信末 孝之
(74)【代理人】
【識別番号】100074055
【氏名又は名称】三原 靖雄
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119037(JP,A)
【文献】特開2005-141482(JP,A)
【文献】特開2013-088979(JP,A)
【文献】特開2019-028630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設置された監視装置と、該監視装置と通信接続された管理サーバとからなる駐車場システムであって、
前記監視装置は、駐車区画の駐車車両の有無を検知する車両検知手段と、駐車車両のナンバー情報を取得し識別可否を判定するナンバー情報取得判定手段とを有し、
前記管理サーバは、会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報を記憶する記憶手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告
してナンバー情報の修正が必要であることを知らせるナンバー情報警告手段と、前記ナンバー情報警告手段による警告後に与えられた修正指示に基づいて前記監視装置が取得したナンバー情報を修正するナンバー情報修正手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と前記会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する車両判定手段と、駐車車両が会員車両である場合に前記決済情報に基づき課金する課金手段と、を有することを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
駐車場に設置された監視装置と、該監視装置と通信接続された管理サーバとからなる駐車場システムであって、
前記監視装置は、駐車区画の駐車車両の有無を検知する車両検知手段と、駐車車両のナンバー情報を取得するナンバー情報取得手段とを有し、
前記管理サーバは、会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報を記憶する記憶手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報の識別可否を判定し識別不可の場合に警告
してナンバー情報の修正が必要であることを知らせるナンバー情報判定警告手段と、前記ナンバー情報判定警告手段による警告後に与えられた修正指示に基づいて前記監視装置が取得したナンバー情報を修正するナンバー情報修正手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と前記会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する車両判定手段と、駐車車両が会員車両である場合に前記決済情報に基づき課金する課金手段と、を有することを特徴とする駐車場システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、会員からの予約を受け付けて予約情報を作成する予約情報作成手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合し一致しない場合に警告する予約情報照合警告手段と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記監視装置が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合し一致する場合に警告する決裁未処理照合警告手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つに記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記会員車両情報が料金体系情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1つに記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間貸し駐車場等の駐車区画に駐車した車両の管理を行う駐車場システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の時間貸し駐車場では、ロック式のフラップ板を各駐車区画に設置したり、出入口にゲートを設置したりして不正駐車を防止するとともに、現金、クレジットカード、プリペイドカード等により精算を行うものが主流であった。
【0003】
しかしながら、高齢者や初心者の方にとっては、フラップ板を乗り越えて駐車するのは難しく、場内での接触事故も発生しやすい。また、車高の低い車両ではアンダーボディの接触も懸念される。また、出場時に精算する手間がかかり、現金の場合は紙幣詰まりや釣銭不足の問題も発生する可能性がある。
【0004】
また、出入口にゲートを設置する駐車場は、駐車場全体を含めて比較的大きな工事となるが、駐車場用地として利用される遊休地は、短期間でビル等の建築用地に変わるケースも多く、駐車場としての設備はできるだけ簡便なものが求められる。
【0005】
これに対して、車両のナンバープレートを利用した駐車場システムが提案されている。例えば、特許文献1には、予め車両のナンバープレートを登録しておいて、駐車スペースに駐車する車両のナンバープレートを撮影し、撮影した画像に基づいて駐車料金を算出し登録された銀行口座等により決済する駐車場システムに関する発明が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、車両のナンバープレートの識別精度を向上させるために、識別したナンバープレート情報をユーザ端末に送信し、車両を駐車した利用者にナンバープレートの識別結果を確認させるとともに、誤っている場合に正しいナンバープレート情報をユーザから得るようにした駐車場システムに関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2003-132380号公報
【文献】特開2017-45384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
車両のナンバープレートを利用した駐車場システムにおいては、ナンバープレートの識別精度を向上させることが重要である。昨今の画像認識技術の発達により自動識別精度は向上しているが、100%の識別は困難であり、識別できない場合や誤認識が生じる可能性がある。これに対して特許文献2に記載された発明のように、ユーザにナンバープレート情報を確認させることもできるが、ユーザの負担が増加することとなる。
【0009】
また、予め車両のナンバープレートを登録しておくことにより、ユーザへのサービスや駐車場管理の質を向上させることが期待できる。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ユーザ負担を増加させることなくナンバープレートの識別精度を向上させるとともに、ユーザへのサービスや駐車場管理の質を向上させることの可能な駐車場システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の駐車場システムは、駐車場に設置された監視装置と、該監視装置と通信接続された管理サーバとからなる駐車場システムであって、前記監視装置は、駐車区画の駐車車両の有無を検知する車両検知手段と、駐車車両のナンバー情報を取得し識別可否を判定するナンバー情報取得判定手段とを有し、前記管理サーバは、会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報を記憶する記憶手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告するナンバー情報警告手段と、前記ナンバー情報警告手段による警告後に与えられた修正指示に基づいて前記監視装置が取得したナンバー情報を修正するナンバー情報修正手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と前記会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する車両判定手段と、駐車車両が会員車両である場合に前記決済情報に基づき課金する課金手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また本発明の駐車場システムは、駐車場に設置された監視装置と、該監視装置と通信接続された管理サーバとからなる駐車場システムであって、前記監視装置は、駐車区画の駐車車両の有無を検知する車両検知手段と、駐車車両のナンバー情報を取得するナンバー情報取得手段とを有し、前記管理サーバは、会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報を記憶する記憶手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報の識別可否を判定し識別不可の場合に警告するナンバー情報判定警告手段と、前記ナンバー情報判定警告手段による警告後に与えられた修正指示に基づいて前記監視装置が取得したナンバー情報を修正するナンバー情報修正手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と前記会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する車両判定手段と、駐車車両が会員車両である場合に前記決済情報に基づき課金する課金手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また好ましくは、前記管理サーバは、会員からの予約を受け付けて予約情報を作成する予約情報作成手段と、前記監視装置が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合し一致しない場合に警告する予約情報照合警告手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また好ましくは、前記管理サーバは、前記監視装置が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合し一致する場合に警告する決裁未処理照合警告手段を有することを特徴とする。
【0015】
また好ましくは、前記会員車両情報が料金体系情報を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の駐車場システムは、駐車場に設置された監視装置と、該監視装置と通信接続された管理サーバとからなるものである。監視装置は、車両検知手段により駐車区画の駐車車両の有無を検知して駐車車両の入出庫を把握し、ナンバー情報取得判定手段により駐車車両のナンバー情報を取得し識別可否を判定するようになっている。管理サーバは、記憶手段により会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報を記憶して予め登録された会員車両情報を保持するようになっている。
【0017】
また、管理サーバは、ナンバー情報警告手段により監視装置が取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告してナンバー情報の修正が必要であることを知らせるようになっている。そして、ナンバー情報修正手段によりナンバー情報警告手段による警告後に与えられた修正指示に基づいて監視装置が取得したナンバー情報を修正するようになっている。例えば、駐車場運営管理会社の保守やサービスの担当者に警告し、担当者からの修正指示に基づいて修正することにより、ユーザ負担を増加させることなくナンバー情報を迅速に修正することができる。
【0018】
なお、監視装置の「ナンバー情報取得判定手段」を「ナンバー情報取得手段」とし、管理サーバの「ナンバー情報警告手段」を「ナンバー情報判定警告手段」として、ナンバー情報の識別可否の判定を監視装置側ではなく管理サーバ側で行うようにしてもよい。
【0019】
また、管理サーバは、車両判定手段により監視装置が取得したナンバー情報と会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定し、駐車車両が会員車両である場合に課金手段により決済情報に基づき課金できるようになっている。
【0020】
また、管理サーバが、予約情報作成手段により会員からの予約を受け付けて予約情報を作成し、予約情報照合警告手段により監視装置が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合し一致しない場合に警告するようにした場合には、他のユーザが予約済の駐車区画に駐車しようとうするのを抑制することができる。
【0021】
また、管理サーバが、決裁未処理照合警告手段により監視装置が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合し一致する場合に警告するようにした場合には、決済未処理のユーザが駐車しようとするのを抑制することができる。
【0022】
また、会員車両情報が料金体系情報を含む場合には、会員車両ごとに料金体系を設定してユーザニーズに応えることができる。
【0023】
このように、本発明によれば、ユーザ負担を増加させることなくナンバープレートの識別精度を向上させるとともに、ユーザへのサービスや駐車場管理の質を向上させることの可能な駐車場システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る駐車場システムのシステム構成図である。
【
図3】駐車場システムのナンバー情報判定処理を含むフローチャートである。
【
図4】駐車場システムの予約情報照合処理を含むフローチャートである。
【
図5】駐車場システムの決済未処理照合処理を含むフローチャートである。
【
図12】他の実施形態に係る駐車場システムのシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、
図1乃至
図12を参照して、本発明の実施形態に係る駐車場システムについて説明する。本実施形態に係る駐車場システム100は、例えば、時間貸し駐車場等の駐車区画に駐車した車両の管理を行うものである。
【0026】
(システム構成)
図1は、駐車場システム100のシステム構成図である。駐車場システム100は、駐車場に設置された監視装置10と、監視装置10と通信接続された管理サーバ20とからなる。なお、
図1では、説明のために監視装置10と管理サーバ20とを1対1で対応させているが、実際には、監視装置10は複数の異なる駐車場に各々設置することができ、また1つの駐車場にも複数設置することができるため、管理サーバ20には複数の監視装置10が通信接続される。
【0027】
監視装置10は、駐車場に設置されるものであり、後述するように各駐車区画に対して1つずつ設置することもできるし、複数の駐車区画に対して1つ設置することもできる。ただし、以下に説明するナンバー情報の取得をより確実に行うためには、1つ又は2つの駐車区画に対して1つ設置することが好ましい。
【0028】
監視装置10は、制御手段4及び送受信手段5を有している。そして制御手段4は、車両検知手段11、ナンバー情報取得判定手段12及び表示手段13を有している。送受信手段5は、管理サーバ20との間でインターネット回線等の無線接続により情報の送受信を行うものである。ただし、有線接続とすることもできる。
【0029】
車両検知手段11は、センサ等により構成されて駐車区画の駐車車両の有無を検知するものであり、車両の入庫、出庫を把握することができる。例えば、ディープラーニング技術を利用して様々な車両の形状を機械学習させて、AI学習済モデルを車両検知手段として構成することができる。そして、車両を検知してからナンバープレートの枠を検出し、枠の検出ができてから、次のナンバープレートの読取処理に進むように構成するとよい。
【0030】
ナンバー情報取得判定手段12は、カメラにより駐車車両のナンバープレートを撮影し、画像処理により車種コード、運輸支局コード、かな番号、指定番号の各情報を取得する。なお、ナンバー情報には、画像処理により取得した各情報に加えて、ナンバープレートの撮影画像自体も含まれる。
【0031】
また、ナンバー情報取得判定手段12は、取得したナンバー情報の識別可否を判定する。判定方法は、例えば「ナンバープレートの枠(エリア)を検出できない場合」、「ナンバープレートの内容を複数回読み取り、一致する比率が設定した比率より低い場合」、「読み取った内容が実際には存在しない、あり得ないナンバーフレートの場合(支局名が運輸支局のDBに存在しない、数字の桁数が違う、など)」とった場合を識別不可とすることができる。ナンバー情報取得判定手段12が取得したナンバー情報と判定結果は、管理サーバ20に送信される。
【0032】
表示手段13は、ナンバー情報取得判定手段12が取得した各情報をディスプレイ上に表示する。また、後述する管理サーバ20から送信された警告内容を表示する。
【0033】
管理サーバ20は、監視装置10と通信接続されており、例えば駐車場運営管理会社が使用するデータセンター内に設置される。管理サーバ20は、制御手段6、送受信手段7及び記憶手段29を有している。そして制御手段6は、ナンバー情報警告手段21、ナンバー情報修正手段22、車両判定手段23、課金手段24、予約情報作成手段25、予約情報照合警告手段26、決済未処理照合警告手段27及び会員車両情報登録手段28を有している。送受信手段7は、監視装置10との間でインターネット回線等の無線接続により情報の送信を行うものである。ただし、有線接続とすることもできる。
【0034】
ナンバー情報警告手段21は、監視装置10が取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告する。この警告は、取得したナンバー情報が識別不可であり、ナンバー情報の修正が必要であることを知らせるものである。警告先は、例えば駐車場運営管理会社の保守やサービスの担当者宛てのメールとし、担当者がスマートフォン等の携帯用端末でメール確認するような構成が好ましい。メールに限らず、ショートメッセージやポップアップメッセージを送信してもよい。また、担当者が駐車場運営管理会社の事務所に配置したパソコン上でメール等を確認するような構成でもよい。
【0035】
ナンバー情報修正手段22は、ナンバー情報警告手段21による警告後に与えられた修正指示に基づいて監視装置10が取得したナンバー情報を修正する。修正指示は、例えば警告を確認した駐車場運営管理会社の保守やサービスの担当者により行われる。前述した警告のメールやメッセージには、修正用ウェブサイトへのリンクが付いており、リンクをクリックすると、ナンバープレートの写真と取得されたナンバー情報及び判定結果が表示される。そして、担当者はこれらを比較して必要な訂正内容を入力して修正指示を行う。このように、担当者がリアルタイムで修正指示を行うことができるので、利用者の負担もなく迅速な修正が可能である。
【0036】
車両判定手段23は、監視装置10が取得したナンバー情報と会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する。会員車両のナンバー情報は、後述する記憶手段29に予め登録されている。
【0037】
課金手段24は、駐車車両が会員車両である場合に、決済情報に基づき課金する。会員車両の決済情報は、後述する記憶手段29に予め登録されている。
【0038】
予約情報作成手段25は、会員からの予約を受け付けて予約情報を作成する。予約情報には、利用する日時、利用する駐車区画、利用する会員車両のナンバー情報が含まれる。
【0039】
予約情報照合警告手段26は、予約済駐車区画で車両を検知した場合に、監視装置10が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合し一致しない場合に警告する。予約情報照合警告手段26による警告は、監視装置10に送信されて表示手段13に表示される。音声による警告を行うようにしてもよい。
【0040】
決済未処理照合警告手段27は、監視装置10が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合し一致する場合に警告する。決済未処理照合警告手段27による警告は、監視装置10に送信されて表示手段13に表示される。音声による警告を行うようにしてもよい。
【0041】
会員車両情報登録手段28は、新規の会員車両情報の登録や既存の会員車両情報の修正を行う。会員車両情報登録手段28により登録、修正された会員車両情報は記憶手段29に記憶される。
【0042】
(会員車両情報)
図2は、会員車両情報30の構成図である。会員車両情報は、基本情報(企業番号、企業名、住所、電話番号、・・・)、ナンバー情報(車番号、車種コード、運輸支局コード、かな番号、指定番号、・・・)、決済情報(決済方法、未処理情報、・・・)、料金体系情報(料金タイプ、・・・)から構成されている。なお、個人会員の場合には、氏名、住所、性別等を基本情報として登録する。
【0043】
決済情報のうち決済方法は、例えばクレジットカードなどのオンライン決済による支払を選択する。また未処理情報は、利用済料金の決済が未処理の場合に登録される。料金体系情報のうち料金タイプは、例えば短時間タイプ(宅配業者のように短時間の駐車が主体のユーザ)、長時間タイプ(通勤者のように長時間の駐車が主体のユーザ)、上限設定タイプ(上限を設定して自由に利用したいユーザ)などを用意することができる。このように、会員車両情報30が料金体系情報を含むことで、会員車両ごとに料金体系を設定してユーザニーズに応えることができる。
【0044】
次に、本実施形態に係る駐車場システム100の処理について説明する。なお、以下に示す処理1~処理3は、適宜組み合わせることが可能である。
【0045】
(処理1)
駐車場システム100の処理1(ナンバー情報判定処理)について説明する。
図3は、駐車場システム100のナンバー情報判定処理を含むフローチャートである。監視装置10の車両検知手段11が駐車区画の駐車車両を検知すると(ステップS101)、ナンバー情報取得判定手段12が駐車車両のナンバー情報を取得する(ステップS102)。また、ナンバー情報取得判定手段12は、取得したナンバー情報の識別可否を判定する(ステップS103)。取得したナンバー情報と判定結果は、管理サーバ20に送信される。
【0046】
監視装置10が取得したナンバー情報が識別可の場合(ステップS103Yes)、車両判定処理(ステップS106)に進む。識別不可の場合(ステップS103No)、ナンバー情報警告手段21が警告し(ステップS104)、ナンバー情報修正手段22が警告後に与えられた修正指示に基づいてナンバー情報を修正し(ステップS105)、車両判定処理(ステップS106)に進む。
【0047】
管理サーバ20の車両判定手段25は、監視装置10が取得したナンバー情報と会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する(ステップS106)。駐車車両が会員車両である場合(ステップS106Yes)、課金手段24が決済情報に基づき課金する(ステップS107)。このとき、監視装置10の表示手段13に、
図9に示すような「課金中」の表示をする。駐車車両が会員車両でない場合(ステップS106No)、非会員処理を行う(ステップS108)。非会員処理とは、例えば別途設置した精算システムにより精算を行うものである。また、会員専用駐車場として運営する場合には、会員専用駐車場である旨を表示して退出を促すことができる。
【0048】
本実施形態に係る駐車場システム100は、駐車場に設置された監視装置10と、監視装置10と通信接続された管理サーバ20とからなるものである。監視装置10は、車両検知手段11により駐車区画の駐車車両の有無を検知して駐車車両の入出庫を把握し、ナンバー情報取得判定手段12により駐車車両のナンバー情報を取得し識別可否を判定するようになっている。管理サーバ20は、記憶手段29により会員車両のナンバー情報及び決済情報を含む会員車両情報30を記憶して予め登録された会員車両情報を保持するようになっている。
【0049】
また、管理サーバ20は、ナンバー情報警告手段21により監視装置10が取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告してナンバー情報の修正が必要であることを知らせるようになっている。そして、ナンバー情報修正手段22によりナンバー情報警告手段21による警告後に与えられた修正指示に基づいて監視装置10が取得したナンバー情報を修正するようになっている。例えば、例えば、駐車場運営管理会社の保守やサービスの担当者に警告し、担当者からの修正指示に基づいて修正することにより、ユーザ負担を増加させることなくナンバー情報を迅速に修正することができる。
【0050】
また、管理サーバ20は、車両判定手段23により監視装置10が取得したナンバー情報と会員車両のナンバー情報とを比較して駐車車両が会員車両であるかどうかを判定し、駐車車両が会員車両である場合に課金手段24により決済情報に基づき課金できるようになっている。
【0051】
(処理2)
駐車場システム100の処理2(予約情報照合処理)について説明する。
図4は、駐車場システム100の予約情報照合処理を含むフローチャートである。管理サーバ20の予約情報作成手段25は、会員からの予約を受け付けて予約情報を作成する(ステップS201)。このとき、監視装置10の表示手段13に、
図10に示すような「予約中」の表示をする。監視装置10のナンバー情報取得判定手段12が駐車車両のナンバー情報を取得すると(ステップS202)、管理サーバ20の予約情報照合警告手段26は、監視装置10が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合する(ステップS203)。各々のナンバー情報が一致する場合(ステップS203Yes)、課金手段24が課金し(ステップS204)、一致しない場合(ステップS203No)、予約情報照合警告手段26が警告する。
【0052】
本実施形態に係る駐車場システム100は、管理サーバ20が、予約情報作成手段25により会員からの予約を受け付けて予約情報を作成し、予約情報照合警告手段26により監視装置10が取得したナンバー情報と予約情報に含まれるナンバー情報とを照合し一致しない場合に警告するようにしたので、他のユーザが予約済の駐車区画に駐車しようとうするのを抑制することができる。
【0053】
(処理3)
駐車場システム100の処理3(決済未処理照合処理)について説明する。
図5は、駐車場システム100の決済未処理照合処理を含むフローチャートである。監視装置10のナンバー情報取得判定手段12が駐車車両のナンバー情報を取得すると(ステップS301)、管理サーバ20の決済未処理照合警告手段27は、監視装置10が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合する(ステップS302)。各々のナンバー情報が一致しない合(ステップS302No)、課金手段24が課金し(ステップS303)、一致する場合(ステップS302Yes)、決済未処理照合警告手段27が警告する。このとき、監視装置10の表示手段13に、
図11に示すような「未支払」の表示をする。
【0054】
本実施形態に係る駐車場システム100は、管理サーバ20が、決裁未処理照合警告手段27により監視装置10が取得したナンバー情報と決済未処理の会員車両のナンバー情報とを照合し一致する場合に警告するようにしたので、決済未処理のユーザが駐車しようとするのを抑制することができる。
【0055】
(設置)
図6は、駐車車両1及び監視装置10を示す斜視図である。監視装置10は、駐車車両1の後方に設定されて、ナンバープレートを後方から撮影するようになっている。符号12はナンバー情報取得判定手段の一部としてのカメラであり、符号13は表示手段としての端末画面(例えばスマートフォン)である。
図7は、駐車区画2を示す平面図(並列駐車)であり、
図8は、駐車区画3を示す平面図(縦列駐車)である。
図7(A)や
図8(A)に示すように、監視装置10は各駐車区画2,3に1つずつ設置することもできるし、
図7(B)や
図8(B)に示すように、複数(例えば2つ)の駐車区画2,3に1つずつ設置することもできる。
【0056】
このように、本実施形態に係る駐車場システム100によれば、ユーザ負担を増加させることなくナンバープレートの識別精度を向上させるとともに、ユーザへのサービスや駐車場管理の質を向上させることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態に係る駐車場システムについて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0058】
図12は、他の実施形態に係る駐車場システムのシステム構成図である。
図12に示す駐車場システム100´は、監視装置10の「ナンバー情報取得判定手段12」を「ナンバー情報取得手段12´」とし、管理サーバ20の「ナンバー情報警告手段21」を「ナンバー情報判定警告手段21´」として、ナンバー情報の識別可否の判定を監視装置側ではなく管理サーバ側で行うようにしたものである。
【0059】
監視装置10´のナンバー情報取得手段12´により取得されたナンバー情報は管理サーバ20´に送信され、ナンバー情報判定警告手段21´により識別可否が判定される。その他は駐車場システム100と同一の構成であり、駐車場システム100´によれば同一の効果を得ることができる。ただし、識別可否の判定のための情報量によっては、データ通信量の増加とサーバ処理負荷の増加による判定速度の低下が懸念されるため、この点を考慮すると監視装置側で識別可否の判定を行うことが好ましい。
【符号の説明】
【0060】
1 駐車車両
2 駐車区画
3 駐車区画
4 制御手段
5 送受信手段
6 制御手段
7 送受信手段
10 監視装置
11 車両検知手段
12 ナンバー情報取得判定手段
13 表示手段
20 管理サーバ
21 ナンバー情報警告手段
22 ナンバー情報修正手段
23 車両判定手段
24 課金手段
25 予約手段
26 予約情報照合警告手段
27 決済未処理照合警告手段
28 会員車両情報登録手段
29 記憶手段
30 会員車両情報
100 駐車場システム
【要約】
【課題】ユーザ負担を増加させることなくナンバープレートの識別精度を向上させるとともに、ユーザへのサービスや駐車場管理の質を向上させることの可能な駐車場システムを提供する。
【解決手段】駐車場に設置された監視装置10と、監視装置10と通信接続された管理サーバ20とからなる駐車場システム100であって、監視装置10は、駐車車両の有無を検知する車両検知手段11と、駐車車両のナンバー情報を取得し識別可否を判定するナンバー情報取得判定手段12とを有し、管理サーバ20は、会員車両情報を記憶する記憶手段29と、取得したナンバー情報が識別不可の場合に警告するナンバー情報警告手段21と、警告後に与えられた修正指示に基づいてナンバー情報を修正するナンバー情報修正手段22と、駐車車両が会員車両であるかどうかを判定する車両判定手段23と、駐車車両が会員車両である場合に課金する課金手段24と、を有する。
【選択図】
図1