IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コナミデジタルエンタテインメントの特許一覧

<>
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図1
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図2
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図3
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図4
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図5
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図6
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図7
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図8
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図9
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図10
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図11
  • 特許-ゲーム装置及びプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220926BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20220926BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20220926BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/44
A63F13/814
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021099187
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2018106783の分割
【原出願日】2017-03-23
(65)【公開番号】P2021142363
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】水野 勇太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英之
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-018228(JP,A)
【文献】特開2017-023581(JP,A)
【文献】ラブライブ!スクール アイドル フェスティバル 公式ガイドブック,第3版,株式会社KADOKAWA,2014年04月04日,p.10~11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが行うべきタイミング操作に対応する基準タイミングを示すタイミング指示情報に基づき、ゲーム画面に表示されるオブジェクトに対応して設定された評価基準タイミングに対する、前記オブジェクトを対象とする操作のタイミングを評価する評価部と、
1つの前記タイミング指示情報に基づくゲームの進行において、所定の特典の付与が行われない状況で前記評価部が操作のタイミングを評価する通常モードのもとで所定の発動条件が満たされたことに応じて、前記所定の特典を付与可能な状況で前記評価部が操作のタイミングを評価する特典付与モードを、当該特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来するオブジェクトに対応する前記評価基準タイミングの所定累積数に対応する期間にわたって設定する特典付与モード設定部と
を備え
前記特典付与モード設定部は、複数のタイミング操作領域のそれぞれについて特典付与モードを設定可能とする、
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームの進行過程において所定の条件が満たされたことに応じて特殊モードに遷移するようにされたゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-85175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ゲーム画面にて表示されるオブジェクトに対して、当該オブジェクトに設定された評価基準タイミングに合わせるように操作(タイミング操作)を要求するタイミングゲームが知られている。タイミングゲームでは、ユーザにより行われたタイミング操作について評価が行われ、評価結果に応じた得点(得点)が付与される。このようなタイミングゲームでは、特殊モードが設定された場合に、タイミング操作に応じて付与される得点を通常モード時よりも増加させることができる。つまり、この場合の特殊モードは、得点の増加という特典をユーザに付与できる特典付与モードである。
【0005】
特典付与モードが有効となる期間は時間によって管理される。つまり、特典付与モードは、開始時刻から所定の時間を経過したタイミングで終了されるように制御される。また、特典付与モードが発動される条件としては、例えば目標となる成績に到達することなどが求められることが多いが、この場合、ゲームにおいて特典付与モードが開始されるタイミングは不定となる。また、タイミングゲームにおいては、タイミング操作対象として単位時間あたりに表示されるオブジェクトの数は一定ではなく、ゲームの進行に応じて変化する。
このため、タイミングゲームにおいては、特典付与モードがいつ開始されたのかにより、特典付与モードの期間において操作対象となるオブジェクトの数も異なってくる。この場合、設定された特典付与モードにおいて操作対象となるオブジェクトの数が少ないような場合、ユーザは思うように得点を増やしていくことができずに不満を覚える可能性がある。つまり、現状のように時間により特典付与モードの期間を管理する場合には、設定される特典付与モードによってユーザに付与可能な特典に関して著しい不公平性が生じる可能性がある。
【0006】
本発明のいくつかの態様は、ゲームの進行のもとで設定される特典付与モードによってユーザに付与可能な特典に関して一定水準の公平性が保たれるようにすることのできるゲーム装置及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【0007】
また、本発明の他の態様は、後述する実施形態に記載した作用効果を奏することを可能にするゲーム装置及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、ゲーム画面に表示されるオブジェクトに対応して設定された評価基準タイミングに対する、前記オブジェクトを対象とする操作のタイミングを評価する評価部と、所定の発動条件が満たされたことに応じて、所定の特典を付与可能な特典付与モードを、当該特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来するオブジェクトに対応する前記評価基準タイミングの所定累積数に対応する期間にわたって設定する特典付与モード設定部とを備えるゲーム装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、上記のゲーム装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の音楽ゲームにおける通常モード時のゲーム画面の一例を示す 図である。
図2】第1実施形態の音楽ゲームにおける特典付与モード時のゲーム画面の一例を 示す図である。
図3】第1実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図4】第1実施形態におけるシーケンスデータの内容例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるゲーム装置が特典付与モードの設定に関連して実行す る処理手順例を示すフローチャートである。
図6】第1実施形態におけるゲーム装置が得点の制御に関連して実行する処理手順 例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図8】第2実施形態におけるゲーム装置が特典付与モードの設定に関連して実行す る処理手順例を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図10】第3実施形態におけるゲーム装置が特典付与モードの設定に関連して実行 する処理手順例を示すフローチャートである。
図11】第4実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図12】第4実施形態におけるゲーム装置が特典付与モードの設定と、特典ノーツ に対応する得点の設定とに関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである 。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
〔ゲーム概要〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下の説明にあたり、本実施形態のゲーム装置によりプレイされるゲームは、音楽ゲームである場合を例に挙げる。音楽ゲームは、ゲーム画面において表示されるオブジェクトを、オブジェクトに設定される基準の操作タイミング(評価基準タイミング)に合わせて操作を行うタイミングゲームの一種であって、評価基準タイミングのガイドとして楽曲が用いられるゲームである。
【0012】
また、本実施形態のゲーム装置は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末装置であってもよいし、家庭などで使用される据え置き型であってもよいし、店舗などに設置されるアーケードゲームに対応するゲーム装置であってもよい。以降の説明において、本実施形態のゲーム装置は、携帯端末装置である場合を例に挙げる。
また、本実施形態の携帯端末装置が備える表示部はタッチパネルとして構成されており、本実施形態の音楽ゲームに対する操作は、ゲーム画面が表示されるタッチパネルに対して行われる場合を例に挙げる。
また、操作にあたってタッチパネルに触れる操作体は、指のほか、例えばスタイラスペンなどであってもよいが、以降の説明では、指を操作体としてタッチパネルが操作される場合を例に挙げる。
【0013】
図1及び図2を参照して、本実施形態における音楽ゲームの概要について説明する。
図1は、本実施形態の音楽ゲームが通常モードである場合のゲーム画面の一例を示す。
図2は、本実施形態の音楽ゲームが特典付与モードである場合のゲーム画面の一例を示す。本実施形態の音楽ゲームは、通常モードによる進行のもとで所定の特典付与モードの発動条件が満たされると、特典付与モードに遷移する。
【0014】
図1に示される通常モードのゲーム画面において、上側には5つのノーツ出現領域AAR-1、AAR-2、AAR-3、AAR-4及びAAR-5が横方向に並ぶように配置されている。同図においてノーツ出現領域AAR-1~AAR-5を破線により示しているのは、ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5がゲーム画面上で明示的に表示されてないことを表す。ノーツ出現領域は、ノーツが出現する領域である。ノーツは、ゲーム画面においてタイミング操作の対象として表示されるオブジェクトである。
なお、ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5は、ゲーム画面上で明示的に表示されてもよい。また、以降の説明にあたり、ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5について特に区別しない場合には、ノーツ出現領域AARと記載する。
【0015】
また、同図のゲーム画面の下側には、5つのタイミング操作領域TAR-1、TAR-2、TAR-3、TAR-4、TAR-5が横方向に並ぶようにして配置された状態で表示される。以降の説明において、タイミング操作領域TAR-1~TAR-5について特に区別しない場合にはタイミング操作領域TARと記載する。
また、タイミング操作領域TAR-1、TAR-2、TAR-3、TAR-4、TAR-5を横方向に横切るように、判定ラインELNが配置される。判定ラインELNは、ノーツに対するタイミング操作の判定基準としてユーザへのガイドのために表示されるラインである。
【0016】
同図の例では、ノーツ出現領域AARの数とタイミング操作領域TARの数とがそれぞれ5つとされているが、5つに限定されない。また、同図では、ノーツ出現領域AARとタイミング操作領域TARとについて同数が設けられる場合を例に挙げているが、ノーツ出現領域AARの数とタイミング操作領域TARの数とは互いに異なっていてよい。
【0017】
本実施形態の音楽ゲームにおいては、楽曲の進行に伴ってそれぞれに定められたタイミングで、ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5のうちのいずれかから適宜ノーツが出現する。
1つのノーツ出現領域AARから出現したノーツは、タイミング操作領域TAR-1~TAR-5のうちのいずれかのうち、予め指定されたタイミング操作領域TARに移動していく。
以下に説明するように、本実施形態においては、ノーツとして、シングルノーツとロングノーツとの2種類がある。さらに、ロングノーツは、前端と後端とのそれぞれに対する操作タイミングが評価対象となる両端評価のロングノーツと、前端に対するタイミングが評価対象とされ、後端に対する操作タイミングについては評価対象とされない前端評価のロングノーツとに分類される。
【0018】
同図においては、ノーツ出現領域AAR-1からシングルノーツNS-21、NS-22、NS-23の順で出現し、シングルノーツNS-21、NS-22、NS-23が、出現した順に、タイミング操作領域TAR-1に到達するように移動している状態が示されている。同図にあっては、シングルノーツNSが円形である例が示されている。
また、同図には、ノーツ出現領域AAR-3から出現したロングノーツNL-31がタイミング操作領域TAR-3に到達するように移動している状態が示されている。
また、同図には、ノーツ出現領域AAR-4からシングルノーツNS-41、NS-42の順で出現し、シングルノーツNS-41、NS-42が、出現した順に、タイミング操作領域TAR-4に到達するように移動している状態が示されている。
また、同図には、ノーツ出現領域AAR-5から出現したロングノーツNL-51がタイミング操作領域TAR-5に到達するように移動している状態が示されている。
なお、以降の説明にあたり、個々のシングルノーツについて特に区別しない場合にはシングルノーツNSと記載する。また、個々のロングノーツについて特に区別しない場合にはロングノーツNLと記載する。また、シングルノーツNSとロングノーツNLとで特に区別しない場合には、ノーツNと記載する。
なお、同図においては、ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5のそれぞれにタイミング操作領域TAR-1~TAR-5が対応付けられており、1つのノーツ出現領域AARから出現したノーツNが、対応のタイミング操作領域TARに到達することを前提とした例が示されている。
しかしながら、本実施形態においては、例えばノーツ出現領域AAR-1~AAR-5のいずれか1つから出現したノーツが、タイミング操作領域TAR-1~TAR-5のうちのいずれか1つに到達するようにされてもよい。即ち、一具体例として、ノーツ出現領域AAR-1から出現した或る1つノーツは、タイミング操作領域TAR-1以外のタイミング操作領域TAR-2~TAR-5のうちのいずれかに到達するようにされてよい。この場合、ノーツ出現領域AARの数とタイミング操作領域TARの数とは異なっていてもよい。
【0019】
また、ゲーム画面において表現されるゲーム空間においてノーツ出現領域AARは、上の奥側に位置し、タイミング操作領域TARは、下の手前側に位置しているものとされている。このため、遠近法に従って、ノーツ出現領域AARから出現するタイミングでは、ノーツNは小さく表示され、タイミング操作領域TARに近づくのに応じて徐々に大きくなるように表示される。
【0020】
ノーツNに対するユーザのタイミング操作として、シングルノーツNSに対する操作について、シングルノーツNS-21を例に挙げて説明する。
シングルノーツNSには、シーケンスデータにより規定される判定の基準となるタイミング(評価基準タイミング)が1つ設定されている。本実施形態において、シングルノーツNSは、評価基準タイミングよりも前のタイミングでノーツ出現領域AARから出現し、評価基準タイミングにおいてタイミング操作領域TARに到達するようにされている。
そこで、ユーザは、ノーツ出現領域AARから出現の後、移動してくるシングルノーツNS-21がタイミング操作領域TAR-1に到達して到達するタイミングに合わせてタイミング操作領域TAR-1に対する1回のタップ操作を行う。このようにシングルノーツNSに対するタイミング操作が行われる。
【0021】
本実施形態のゲーム装置は、このように行われたタイミング操作としてのタップ操作が行われたタイミングと、シングルノーツNSの基準タイミングとの時間差に基づいてタイミング操作の評価を行う。一例として、ゲーム装置は、時間差に応じて、最良の評価(「Perfect」)と、その次に良い評価(「Great」)と、その次に良い評価(「Good」)と、最低の評価(「Bad」)とのうちのいずれかの評価のランクの中から1つの評価のランクを採択するようにされてよい。
【0022】
シングルノーツNSがタイミング操作領域TARに到達する状態では、判定ラインELNの位置が円形のシングルノーツNSの中心と一致する。このように、ゲーム画面に表示される判定ラインELNは、ゲーム画面においてユーザがタイミング操作を行うべきタイミングを示すガイドとなる。
【0023】
次に、ロングノーツNLに対するユーザのタイミング操作について説明する。ロングノーツNLは、タイミング操作として継続的な操作が要求されるノーツである。そのうえで、ロングノーツNLには、前述のように両端評価が行われるものと前端評価が行われるものとの2種類がある。
まず、両端評価のロングノーツNLに対するユーザのタイミング操作について説明する。同図において、ロングノーツNL-31が両端評価のロングノーツである。ロングノーツNL-31は、継続的なタイミング操作が行われることに応じて、タイミング操作が行われる継続時間に応じた長さで帯状に表示している。また、ロングノーツNL-31には、帯状の形状において、前端ノーツ部nlsと後端ノーツ部nleとが配置される。前端ノーツ部nlsは、前端の操作対象位置を示す。後端ノーツ部nleは、後端の操作対象位置を示す。従って、ロングノーツNL-31のように両端評価が行われるロングノーツNLには、前端ノーツ部nlsに対応する前端評価基準タイミングと、後端ノーツ部nleに対応する後端評価基準タイミングとの2つの評価基準タイミングが指定される。
【0024】
このような両端評価のロングノーツNL-31に対して、ユーザは以下のようにタイミング操作を行う。
ロングノーツNL-31は、まず、ノーツ出現領域AAR-3から前端ノーツ部nlsが出現し、前端ノーツ部nlsを先頭に帯が延びていくようにタイミング操作領域TAR-3に向かって移動していく。
まず、ユーザは、ロングノーツNL-31の前端ノーツ部nlsがタイミング操作領域TAR-3に到達するタイミングに合わせるように、タイミング操作領域TAR-3に対するタッチ操作を行う。この際、ユーザは、タッチ操作によりタイミング操作領域TAR-3に触れさせた指を離すことなく、タイミング操作領域TAR-3に接触させた状態(ホールド状態)を維持する。
ロングノーツNL-31は、前端ノーツ部nlsが出現した後の或るタイミングでノーツ出現領域AAR-3から後端ノーツ部nleが出現し、後端ノーツ部nleがタイミング操作領域TAR-3に向かって移動していく。前端ノーツ部nlsがタイミング操作領域TAR-3に既に到達している状態では、後端ノーツ部nleがタイミング操作領域TAR-3に向かって移動していくことに応じて、ロングノーツNL-31の帯は短くなっていくように変化する。ユーザは、後端ノーツ部nleがタイミング操作領域TAR-3に到達するタイミングに合わせるようにして、これまでのホールド状態を解除するようにタイミング操作領域TAR-3から指を離す。このように、両端評価のロングノーツNLに対するタイミング操作が行われる。
【0025】
ゲーム装置は、上記のように行われた両端評価のロングノーツNLに対するタイミング操作について、以下のように評価を行うことができる。つまり、ゲーム装置は、前端ノーツ部nlsを対象として行われたタッチ操作が行われたタイミングと前端評価基準タイミングとの時間差(第1時間差)と、後端ノーツ部nleを対象として行われたタッチ操作が行われたタイミングと後端評価基準タイミングとの時間差(第2時間差)とを求める。ゲーム装置は、求められた2つの時間差に基づいて、両端評価のロングノーツNLに対するタイミング操作についての評価を行う。より具体的には、例えばゲーム装置は、第1時間差としての評価結果に基づいた得点と、第2時間差としての評価結果に基づいた得点とをユーザに付与してよい。あるいは、ゲーム装置は、例えば第1時間差としての評価結果と第2時間差としての評価結果とに基づいて1つの得点を導出し、導出された得点をユーザに付与してもよい。
【0026】
次に、前端評価のロングノーツNLに対するユーザのタイミング操作について説明する。同図において、ロングノーツNL-51が前端評価のロングノーツである。前端評価のロングノーツNLは、後端ノーツ部nleの操作のタイミングについては評価の対象とされない。従って、前端評価が行われるロングノーツNLには、前端ノーツ部nlsに対応する前端評価基準タイミングは指定されるが、後端ノーツ部nleに対応する後端評価基準タイミングについては指定されなくともよい。
【0027】
このような前端評価のロングノーツNL-51に対して、ユーザは以下のようにタイミング操作を行う。
ロングノーツNL-51は、ノーツ出現領域AAR-5から前端ノーツ部nlsが出現し、前端ノーツ部nlsを先頭に帯が延びていくようにタイミング操作領域TAR-5に向かって移動していく。
ユーザは、ロングノーツNL-51の前端ノーツ部nlsがタイミング操作領域TAR-5に到達するタイミングに合わせるように、タイミング操作領域TAR-5に対するタッチ操作を行い、そのままタッチさせた状態を維持してホールド状態とする。
ロングノーツNL-51は、前端ノーツ部nlsが出現した後の或るタイミングでノーツ出現領域AAR-5からロングノーツNL-51の帯の後端が出現し、出現した帯の後端がタイミング操作領域TAR-5に向かって移動していく。この際、ロングノーツNL-51の帯は短くなっていくように表示される。
ユーザは、この場合、適当なタイミングでタイミング操作領域TAR-5に対するホールド状態を解除する操作を行えばよい。つまり、この場合のユーザは、ホールド状態を解除する操作に関して、ロングノーツNL-51の帯の後端がタイミング操作領域TAR-5に到達するタイミングに合わせるようなことを意識しなくともよい。
【0028】
ゲーム装置は、上記のように行われた前端評価のロングノーツNLに対するタイミング操作について、以下のように評価を行うことができる。つまり、ゲーム装置は、前端ノーツ部nlsを対象として行われたタッチ操作が行われたタイミングと前端評価基準タイミングとの時間差を求める。また、前端ノーツ部nlsを対象としてタッチを行ってからそのままホールド状態となる操作(以下、ホールド操作)が行われたか否かについて判定する。例えばユーザが前端ノーツ部nlsに対して誤ってタップ操作を行ってしまった場合、ホールド操作とはならなかったと判定される。ゲーム装置は、上記のように求めた時間差と、ホールド操作についての判定結果とに基づいて、前端評価のロングノーツNLに対するタイミング操作について評価を行う。
【0029】
本実施形態の音楽ゲームにおいては、上記のようにユーザがノーツNに対するタイミング操作を行う。ゲーム装置は、行われたタイミング操作について評価を行い、評価結果に応じてユーザに付与する得点を算出する。ゲーム装置は、算出された得点を、これまでの得点の累計(スコア)に加算する。
ゲーム画面においては、スコアを表示するスコア領域SARが配置されている。上記のように評価結果に応じて算出された得点の加算に応じたスコアの変化は、スコア領域SARに反映される。
【0030】
また、ゲーム画面においては、ユーザの体力値(HP)を示すゲージ領域GARが配置されている。体力値は、例えばタイミング操作について一定以下の評価結果が得られたことに応じて所定数が減少される。体力値が「0」となるとゲームオーバー、つまりその時点で終了となり、クリア失敗と判定される。
【0031】
そのうえで、本実施形態の音楽ゲームにおいては、上記のように通常モードのもとでプレイが行われている過程において、所定の発動条件が満たされたことに応じて、通常モードから特典付与モードに遷移する。
本実施形態において、特典付与モードの発動条件については特に限定されない。例えば、発動条件は、スコアが所定値に達することであるとしてもよい。また、発動条件は、所定の難易度の高いノーツの出現パターンに対する一連のタイミング操作について一定以上の評価が得られたことであるとしてもよい。
【0032】
本実施形態の特典付与モードでは、タイミング操作の評価結果に応じて付与される得点について、通常モードの場合よりも高い得点が設定される。これにより、特典付与モードとなることにより、スコアを大きく増加させることのできる可能性が生まれる。
【0033】
ただし、特典付与モードは、特殊なモードであることから有効な期間が限定される。特典付与モードの期間が終了すると通常モードに戻る。そして、本実施形態のゲーム装置は、特典付与モードの期間について時間により管理するのではなく、操作対象となる評価基準タイミングの累積数(評価基準タイミング累積数)に基づいて管理する。
具体的に評価基準タイミング累積数が「100」であると設定された場合、ゲーム装置は、特典付与モードの開始時点において未だ基準タイミングの時刻に至っていないノーツNに設定された評価基準タイミングごとに対して、時刻順に、「1」~「100」の番号を割り当てればよい。
ゲーム装置は、特典付与モードが設定された状態での音楽ゲームの進行のもとで、1番目の評価基準タイミングから順に評価基準タイミングの時刻を経過していき、最後に100番目の評価基準タイミングの時刻に至ったタイミングで特典付与モードを終了させる。
【0034】
また、特典付与モードにおいては、ゲーム画面の表示の態様が通常モードから変更される。
図2は、特典付与モードにおけるゲーム画面の一例を示している。同図は、図1のゲーム画面が表示されていたタイミングで発動条件が満たされたことで、図1と同様のノーツの配置のもとで特典付与モードに応じた表示の態様に変化した状態を示している。
まず、特典付与モードにおいては、ノーツの表示について、通常モードにおける態様から、特典付与モードに対応して高得点の得られる特典ノーツであることを示す態様に変化する。
具体的に、図1におけるシングルノーツNS-21、NS-22、NS-23は、同図では、特典シングルノーツFNS-21、FNS-22、FNS-23として示すように表示が変更されている。
また、図1におけるロングノーツNL-31は、同図では、特典ロングノーツFNL-31として示すように表示が変更されている。
また、図1におけるシングルノーツNS-41、NS-42は、同図では、特典シングルノーツFNS-41、FNS-42として示すように表示が変更されている。
また、図1におけるロングノーツNL-51は、同図では、特典ロングノーツFNL-51として示すように表示が変更されている。
【0035】
なお、以降の説明において、個々の特典シングルノーツについて特に区別しない場合には、特典シングルノーツFNSと記載する。また、個々の特典ロングノーツについて特に区別しない場合には特典ロングノーツFNLと記載する。また、特典シングルノーツFNSと特典ロングノーツFNLとについて特に区別しない場合には、特典ノーツFNと記載する。
また、以降の説明においてノーツNについては、通常ノーツNとも記載して、特典ノーツFNと区別する場合がある。また、通常ノーツNと特典ノーツFNとを特に区別しない場合には、符号を省略して単にノーツと記載する。
【0036】
同図においては、特典ノーツFNに与える表示の変化として、特典シングルノーツFNSとしての円形の画像、または特典ロングノーツFNLにおける前端ノーツ部nls及び後端ノーツ部nleとしての円形の画像の縁部に変更を与えた例を示している。しかしながら、特典ノーツFNの表示の変更は、同図の例以外の態様により行われてよい。
例えば特典ノーツFNの表示の変更は、特典ノーツFNの画像の絵柄に関する変更であってもよい。また、特典ノーツFNの表示の変更は、色の変更であってもよいし、発光、点滅などの状態が表現されてもよい。このように、特典付与モードであることを表すゲーム画面での演出は多様であり、特定の態様に限定されるものではない。
【0037】
また、特典付与モードに応じた表示の変更として、例えば特典ノーツFNだけではなく、タイミング操作領域TARや背景の画像などが変更されてもよい。
【0038】
前述のように、本実施形態において特典付与モードの期間は、評価基準タイミング累積数に基づいて管理される。そこで、特典付与モードの経過に応じて評価基準タイミング累積数が反映された経過表示が行われるようにすれば、ユーザも特典付与モードの経過状況を把握でき、例えばいつになれば終了するのかも的確に知ることができる。例えば、経過表示が行われない場合、ユーザとしては、特典付与モードが不意に終了してしまい、物足りなさや不満を覚える可能性があるが、経過表示を行えば、このような問題を回避できる。
【0039】
同図には、このような経過表示の一例が示されている。つまり、同図のゲーム画面において、特典シングルノーツFNSと、特典ロングノーツFNLにおける前端ノーツ部nls、後端ノーツ部nleとのそれぞれにおいて、操作残数pnmが付加されるように表示される。
操作残数pnmは、対応の特典シングルノーツFNSまたは特典ロングノーツFNLの前端ノーツ部nls、後端ノーツ部nleを含み、特典付与モードが終了するまでに操作対象となる評価基準タイミングの残数を示す。
本実施形態の音楽ゲームの場合、ゲーム画面に表示される特典ノーツFNに対する操作順は、画面の下から上にかけて位置している順となる。
従って、同図のゲーム画面にて表示されている特典ノーツFNについての操作順は以下のようになる。
即ち、同図のゲーム画面にて表示されている特典ノーツFNのうちで、特典ロングノーツFNL-31の前端ノーツ部nlsが最も下に位置している。
このため、同図のゲーム画面の場合には、特典ロングノーツFNL-31が1番目にタイミング操作の対象となる。そこで、特典ロングノーツFNL-31については、前端ノーツ部nlsに「100」を示す操作残数pnmが付加され、後端ノーツ部nleに「99」示す操作残数pnmが付加される。
【0040】
なお、特典ロングノーツFNL-31の後端ノーツ部nleに対応する評価基準タイミングが到来するまでには、特典シングルノーツFNS-21、FNS-22、FNS-41、特典ロングノーツFNL-51などが操作対象となるタイミングが到来する。しかしながら、特典ロングノーツFNL-31は両端評価が行われるものであって、前端ノーツ部nlsに対するタイミング操作と後端ノーツ部nleに対するタイミング操作とが不可分であると捉えることができる。そこで、この場合においては、両端評価の特典ロングノーツFNLについては、前端ノーツ部nlsの操作残数pnmと後端ノーツ部nleの操作残数pnmとで数値が連続するようにしている。
【0041】
ゲーム画面において、残る特典ノーツFNについては、以下の順で下から上にかけて位置している。つまり、特典シングルノーツFNS-41、特典シングルノーツFNS-21、特典ロングノーツFNL-51の前端ノーツ部nls、特典シングルノーツFNS-22、特典シングルノーツFNS-42、特典シングルノーツFNS-23の順に位置している。
このような順に応じて、残る特典ノーツFNについては、以下のように操作残数pnmが付加される。
つまり、特典シングルノーツFNS-41に対して「98」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-21に対して「97」を示す操作残数pnmが付加される。特典ロングノーツFNL-51の前端ノーツ部nlsに対して「96」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-22に対して「95」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-42に対して「94」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-23に対して「93」を示す操作残数pnmが付加される。
【0042】
上記の状態から特典付与モードとしての音楽ゲームが進行していくことで、新たな特典ノーツFNがノーツ出現領域AARから出現して表示されていく。表示された特典ノーツFNには、タイミング操作領域TARへの到達順、即ち、評価基準タイミングの時刻の順に従って、1つずつ数値が減少されていく操作残数pnmの表示が付加されている。そして、「1」の数値を示す操作残数pnmが付加された特典ノーツFNがタイミング操作領域TARに到達することに応じて、特典付与モードが終了される。
【0043】
なお、逆に、評価基準タイミングの時刻の順に単純に対応させるようにして操作残数pnmを付加してもよい。この場合、同図のようにゲーム画面にて表示されている特典ノーツFNに対しては以下のように操作残数pnmが付加される。
つまり、特典ロングノーツFNL-31の前端ノーツ部nlsに対して「100」を示す操作残数pnmが付加される。次に、特典シングルノーツFNS-41に対して「99」を示す操作残数pnmが付加される。次に、特典シングルノーツFNS-21に対して「98」を示す操作残数pnmが付加される。特典ロングノーツFNL-51の前端ノーツ部nlsに対して「97」を示す操作残数pnmが付加される。ただし、特典ロングノーツFNL-51は前端評価ロングノーツであるため、前端ノーツ部nlsに対する操作の操作タイミング(ホールド操作の操作開始タイミング)が評価対象とされる一方、後端ノーツ部nleに対する操作の操作タイミング(ホールド操作を解除するタイミング)は評価対象とされず、操作対象から除外される。このため、特典ロングノーツFNL-51の後端ノーツ部nleには操作残数pnmは付加されない。
特典シングルノーツFNS-22に対して「96」を示す操作残数pnmが付加される。特典ロングノーツFNL-31の後端ノーツ部nleに対して「95」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-42に対して「94」を示す操作残数pnmが付加される。特典シングルノーツFNS-23に対して「93」を示す操作残数pnmが付加される。
【0044】
上記のように、本実施形態のゲーム装置は、特典付与モードの期間について評価基準タイミング累積数に基づいて管理する。
音楽ゲームにおいては、楽曲の内容に応じてノーツの出現パターンが構成されるため、楽曲の進行においてノーツが多数出現する区間も存在すれば、ノーツの出現が少ない区間も存在する。このため、例えば特典付与モードの期間について一定時間内であると定めた場合、特典付与モードの開始された時刻によっては特典付与モードとされた期間において出現するノーツ数(即ち、操作対象となる評価基準タイミングの数)が著しくばらつく可能性がある。この場合、特典付与モードの期間においてユーザが獲得可能な得点にも著しい差が生じる可能性があり、一定水準の公平性を保つことが困難な場合がある。
これに対して、本実施形態の場合であれば、特典付与モードの期間においてユーザが操作対象にできる評価基準タイミングの数が同じになる。これにより、本実施形態においては、特典付与モードの期間においてユーザが享受できる特典について一定水準の公平性を保つことが可能になる。
【0045】
また、本実施形態のゲーム装置は、特典ノーツFNに操作残数pnmを付すようにして、特典付与モードの経過状況を表す経過表示を行う。これにより、ユーザは、特典付与モードの期間が評価基準タイミング累積数に基づいて設定される環境のもとで、的確に特典付与モードの経過状況を把握できる。
【0046】
ユーザは、ゲームに集中するほど、あるいはゲームの難易度が上がるほど、つまりノーツの数が増えたり速度が上がったりして難しくなるほど、ゲーム画面全体を見ることが難しくなり、タイミング操作領域TARの部分のみを注視するような状態となる。このような状態では、ユーザは、タイミング操作領域TARから離れていくほど、ゲーム画面において表示されている内容を的確に把握しにくくなる。
そこで、本実施形態では、操作残数pnmを操作対象である特典ノーツFNに付すようにしている。これにより、ユーザがタイミング操作領域TARの部分のみを注視してプレイしている状況であっても、タイミング操作領域TARにまで到達してきたときに特典ノーツFNに表示されている操作残数pnmを容易に確認することができる。
【0047】
〔ゲーム装置の構成例〕
図3を参照して、図1及び図2による音楽ゲームが行われる本実施形態のゲーム装置10の構成例について説明する。
同図のゲーム装置10は、タッチパネル110、ゲーム制御部120、記憶部130及び音響出力部140を備える。
【0048】
タッチパネル110は、音楽ゲームのゲーム画面等の画像をゲーム制御部120の表示制御に応じて表示するとともに、画面に対して行われた操作を検出する。
タッチパネル110は、表示部111と操作入力部112とを備える。表示部111は、ゲーム制御部120の表示制御に応じて画像を表示する。操作入力部112は、例えば表示部111の画面に設けられるタッチパッドを備えて構成され、指などの操作体によりタッチパッドに触れるようにして行われる操作を検出し、操作検出信号をゲーム制御部120に出力する。
なお、ゲーム装置10は、タッチパネル以外の操作子や操作デバイスを備えてもよい。
【0049】
ゲーム制御部120は、ゲーム装置10において本実施形態の音楽ゲームを実現するための各種制御を実行する。ゲーム制御部120としての機能は、例えばゲーム装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)が、本実施形態における音楽ゲームのアプリケーションのプログラムを実行することにより実現される。
ゲーム制御部120は、音楽ゲームに対応する機能部として、評価部121、得点制御部122、特典付与モード設定部123及び経過表示部124を備える。
【0050】
評価部121は、ゲーム画面に表示されるノーツ(通常ノーツNまたは特典ノーツFN)に対応して設定された評価基準タイミングに対する、ノーツを対象とする操作(例えば、タイミング操作)のタイミングを評価する。
【0051】
得点制御部122は、ユーザに付与する得点に関する制御を行う。例えば得点制御部122は、評価部121によるタイミング操作についての評価結果に応じてユーザに得点を付与する。また、得点制御部122は、ユーザに付与した得点を累積した点数であるスコアを管理する。
【0052】
特典付与モード設定部123は、所定の発動条件が満たされたことに応じて、所定の特典を付与可能な特典付与モードを、当該特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来する特典ノーツFNに対応する評価基準タイミングの所定累積数(例えば、評価基準タイミング累積数)に対応する期間にわたって設定する。
【0053】
経過表示部124は、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミング累積数に基づいて、1つの特典付与モードの期間の経過を示す経過表示を行う。本実施形態の経過表示部124は、図2のように経過表示として、特典ノーツFNに対して操作残数pnmを付加するように表示する。
【0054】
記憶部130は、ゲーム制御部120が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部130は、楽曲データ記憶部131、シーケンスデータ記憶部132及び音源データ記憶部133を備える。
【0055】
楽曲データ記憶部131は、音楽ゲームにおける楽曲を再生するための楽曲データを記憶する。楽曲データ記憶部131は、複数の異なる楽曲に対応する複数の楽曲データを記憶してよい。ゲームにおいて使用される楽曲は、ユーザの操作によって選択されればよい。ゲーム制御部120は、ゲームの実行にあたり、ユーザの操作によって選択された楽曲に対応する楽曲データを楽曲データ記憶部131から読み出して再生すればよい。
【0056】
シーケンスデータ記憶部132はシーケンスデータを記憶する。シーケンスデータは、楽曲データにより再生される楽曲の進行に応じてユーザが行うべきタイミング操作に対応する基準タイミングを示す情報である。前述のように、本実施形態において、基準タイミングは、ノーツに対応付けられる。
シーケンスデータ記憶部132は、例えば楽曲データ記憶部131が記憶する楽曲ごとに対応するシーケンスデータを記憶する。また、1つの楽曲データに対応するシーケンスデータは、例えば難易度などに応じて複数が記憶されてもよい。例えばユーザは、ゲームの難易度を選択する操作を行うことができる。
【0057】
ゲーム制御部120は、選択された楽曲に対応する複数のシーケンスデータのうちから、ユーザの操作によって選択された難易度に応じたシーケンスデータをシーケンスデータ記憶部132から読み出し、読み出したシーケンスデータを処理する。これにより、ゲーム制御部120は、ゲーム画面におけるノーツ(通常ノーツNまたは特典ノーツFN)のノーツ出現領域AARからの出現と、タイミング操作領域TARへの移動に関する表示を行うことができる。また、ゲーム制御部120は、ユーザにより行われたタイミング操作を評価することができる。
【0058】
図4は、本実施形態におけるシーケンスデータの内容例を示している。同図のシーケンスデータは、条件定義部とシーケンス部とを備える。
条件定義部には、対応の楽曲を一意に示す識別子である楽曲ID、楽曲のテンポ、トラック構成、再生時間などといった、ゲームの実行にあたっての各種の条件を指定する情報が記述される。
【0059】
本実施形態のシーケンス部においては、音楽ゲームにおける楽曲の進行に応じて出力させるノーツを制御するための情報が記述される。このようなシーケンス部は、ノーツごとに対応するノーツ情報を含む。
ノーツ情報には、移動情報とタイミング情報とが記述される。移動情報は、対応のノーツについてのゲーム画面での移動パターンを指定する情報である。タイミング情報は、楽曲の進行において対応のノーツが操作されるべきタイミングを指定する情報である。本実施形態の場合、ノーツが操作されるべきタイミングは評価基準タイミングである。また、評価基準タイミングは、ゲーム画面においてノーツがタイミング操作領域TARに到達すべきタイミングである。
【0060】
具体例として、同図においては、3つのノーツ情報Dn1、Dn2、Dn3が示されている。
ノーツ情報Dn1は、「1to3_05_1.00」と記述されている。当該記述において「_」の左側の「1to3」が移動情報であり、右側の「05.1.00」がタイミング情報である。
移動情報における「to」の左側の数値は、対応のノーツが出現すべきノーツ出現領域AARの番号を示す。ノーツ出現領域AAR-1~AAR-5に対しては、それぞれ「1」~「5」の番号が割り当てられている。また、移動情報における「to」の右側の数値は、対応のノーツが到達すべきタイミング操作領域TARの番号を示す。タイミング操作領域TAR-1~TAR-5に対しては、それぞれ「1」~「5」の番号が割り当てられている。
また、ノーツ情報Dn1におけるタイミング情報の「01.1.00」の記述には、左から順に「.」で区切られた「01」、「1」、「00」の値が含まれる。これらの3つの値により1つの評価基準タイミングが表される。つまり、最も左の値は小節の番号を示し、続く右の値は1小節における拍の番号を示し、最も右の値は、対応の拍におけるティックの番号を示す。例えば1拍の分解能を「96」と設定した場合、ティックの番号は「00」~「95」の範囲である。このようにタイミング情報として1つの評価基準タイミングが記述される形式は、シングルノーツNSを指定する。
従って、同図のノーツ情報Dn1は、対応のシングルノーツについて、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR-1にて出現し、5小節目の1拍目の先頭が対応する時刻にてタイミング操作領域TAR-3に到達するように移動し、5小節目の1拍目の先頭が対応する時刻が評価基準タイミングであることを指定している。
【0061】
ノーツ情報Dn1に基づいて、ゲーム制御部120は、ゲーム画面において以下のようにシングルノーツを表示させる。ゲーム制御部120は、タイミング情報が示す評価基準タイミングから所定時間遡った時刻にて対応のシングルノーツをノーツ出現領域AAR-1から出現させる。ゲーム制御部120は、ノーツ出現領域AAR-1から出現させたシングルノーツについて、評価基準タイミングにてタイミング操作領域TAR-3に到達するように移動させる。
【0062】
また、ノーツ情報Dn2は、「2to5_33.1.00-33.4.00」と記述されている。ノーツ情報Dn2におけるタイミング情報の記述形式は、両端評価のロングノーツを指定するものである。このタイミング情報は、「33.1.00-33.4.00」のように、「-」の左右のそれぞれにおいて、1つの基準タイミングが示されている形式となっている。このような型式のタイミング情報では、「-」より左の記述により前端評価基準タイミングが示され、「-」より右の記述により後端評価基準タイミングが示される。
従って、同図のノーツ情報Dn2は、対応のロングノーツについて、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR-2にて出現してタイミング操作領域TAR-5に到達するように移動すべきことが指定される。また、33小節目の1拍目の先頭が対応する時刻が前端評価基準タイミングであり、33小節目の4拍目の先頭が対応する時刻が後端評価基準タイミングであることが指定される。
【0063】
また、ノーツ情報Dn3は、「4to1_64.1.00-hold」と記述されている。ノーツ情報Dn3におけるタイミング情報の記述形式は、前端評価のロングノーツを指定するものである。このタイミング情報は、「64.1.00-hold」のように、「-」の左側には前端基準タイミングが示され、右側には「hold」と記述された形式である。「hold」との記述は、前端基準タイミングに対応させてホールド操作を開始させるべきことを指定する。
従って、同図のノーツ情報Dn3は、対応の前端評価のロングノーツについて、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR-4にて出現してタイミング操作領域TAR-1に到達するように移動すべきことが指定される。また、64小節目の1拍目の先頭が対応する時刻が前端評価基準タイミングであり、前端評価基準タイミングに対応してホールド操作を開始することが指定される。
【0064】
説明を図3に戻す。音源データ記憶部133は、例えば各種効果音などのゲーム音としての音源データを記憶する。音源データ記憶部133が記憶する音源データには、例えばユーザが行ったタイミング操作の評価結果を示すゲーム音の音源データなどが含まれている。例えば、ゲーム制御部120は、タイミング操作の評価を行うと、評価結果に対応する音源データを音源データ記憶部133から読み出し、音源データに基づく音を、音響出力部140から出力させる。
【0065】
音響出力部140は、ゲーム制御部120の制御に応じて、音楽ゲームにおける楽曲、ゲーム音などの音を出力する。音響出力部140は、スピーカを備える構成であってもよいし、イヤホン端子などからオーディオ信号を出力する構成であってもよい。
【0066】
〔処理手順例〕
図5のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10が特典付与モードの期間の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。
通常モードにより音楽ゲームが進行されている状態のもとで、ゲーム装置10における特典付与モード設定部123は、特典付与モードの発動条件が満たされるのを待機している(ステップS100-NO)。
発動条件が満たされると(ステップS100-YES)、特典付与モード設定部123は、特典付与モードを設定する(ステップS102)。これにより、以降において特典付与モードにより音楽ゲームが進行される。
【0067】
特典付与モード設定部123は、特典付与モードの開始に応じて、評価基準タイミング累積数ESTについて初期値である「0」を設定する(ステップS104)。
【0068】
本実施形態においては、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングにてゲーム画面に表示中であったノーツNの表示は、特典付与モードに対応する特典ノーツFNの態様に変更される。つまり、本実施形態においては、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングから特典付与モードが開始される。
【0069】
この場合の経過表示部124は、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングにてゲーム画面に表示中であった全ての特典ノーツFNに対応する評価基準タイミングのそれぞれに対して、操作残数pnmを割り当てる。この際、経過表示部124は、割り当て対象となる評価基準タイミングに対して、評価基準タイミングが示す時刻が早い順に、評価基準タイミング累積数の最大値(評価基準タイミングの所定累積数の一例)から1つずつ少なくなっていくようにして操作残数pnmを割り当てていく。なお、両端評価の特典ロングノーツFNLに関しては、経過表示部124は、前述のように、前端評価基準タイミング、後端評価基準タイミングの順で少なくなるように連続する数値の操作残数pnmを割り当てる。
経過表示部124は、上記のように割り当てられた操作残数pnmを、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングにてゲーム画面に表示中であった各特典ノーツFNに付加するようにして表示させる(ステップS106)。
ステップS106の処理により、まず、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングにてゲーム画面に表示中であった全ての特典ノーツFNに対して操作残数pnmが付加される。
【0070】
また、特典付与モード設定部123は、評価基準タイミング累積数ESTを更新する(ステップS108)。ステップS108において、特典付与モード設定部123は、特典付与モードの発動条件が満たされたことが判定されたタイミングにてゲーム画面に表示中であった全ての特典ノーツFNに対応付けられている評価基準タイミングの数を特定する。特典付与モード設定部123は、特定された評価基準タイミングの数を、これまで「0」であった評価基準タイミング累積数ESTに加算することで、評価基準タイミング累積数ESTを更新する。
【0071】
ステップS108の処理が実行されて以降、音楽ゲームの進行に応じて、ゲーム画面においては、新たに5つのノーツ出現領域AARのいずれかから特典ノーツFNが所定のタイミングで出現する。そこで、経過表示部124は、新たに出現する特典ノーツFNに対して、前回出現した特典ノーツFNに付加した操作残数pnmよりも1つ少ない数値の操作残数pnmを表示させる(ステップS110)。
また、特典付与モード設定部123は、新規に出現した特典ノーツFNに対応付けられた評価基準タイミングの数を加算するようにして評価基準タイミング累積数ESTを更新する(ステップS112)。
特典付与モード設定部123は、当該ステップS112での評価基準タイミング累積数ESTの更新にあたり、今回新規に出現した特典ノーツFNが、特典シングルノーツFNSあるいは後端評価の特典ロングノーツFNLである場合、「1」を加算するようにして評価基準タイミング累積数ESTを更新する。また、特典付与モード設定部123は、今回新規に出現した特典ノーツFNが、両端評価の特典ロングノーツFNLである場合、「2」を加算するようにして評価基準タイミング累積数ESTを更新する。
【0072】
特典付与モード設定部123は、ステップS112により更新された評価基準タイミング累積数ESTが規定の最大値に至ったか否かについて判定する(ステップS114)。
評価基準タイミング累積数ESTが最大値未満であった場合(ステップS114-NO)、処理がステップS110に戻される。これにより、音楽ゲームの進行に応じて新たに出現する特典ノーツFNごとに操作残数pnmが付加されていく。また、特典ノーツFNごとに操作残数pnmが付加されていくごとに、評価基準タイミング累積数ESTが更新される。
そして、評価基準タイミング累積数ESTが最大値に至ると(ステップS114-YES)、特典付与モード設定部123は、特典付与モードを終了させる(ステップS116)。これにより、以降において音楽ゲームが通常モードに切り替わる。通常モードに切り替わることにおいて以降において音楽ゲームの進行に伴って表示されるノーツは、通常ノーツNとしての態様で表示される。
【0073】
続いて、図6のフローチャートを参照して、ゲーム装置10が得点の付与に関連して実行する処理手順例について説明する。
ゲーム装置10において評価部121は、ゲーム画面にて表示されるノーツ単位でタイミング操作が行われるのを待機している(ステップS150-NO)。ステップS150において、両端評価のロングノーツに関しては、前端評価基準タイミングに対応してホールド操作が開始されてから終了基準タイミングに対応してホールド操作を解除する操作が行われたことが検出された場合に、タイミング操作が行われたものと判定される。また、前端評価のロングノーツに関しては、前端評価基準タイミングに対応してホールド操作の開始されたことが検出された場合に、タイミング操作が行われたものと判定される。
【0074】
1つのノーツに対するタイミング操作が行われたことが判定されると(ステップS150-YES)、評価部121は、タイミング操作についての評価を行う(ステップS152)。タイミング操作についての評価は、前述のように、タイミング操作が行われたタイミングと、タイミング操作対象とされたノーツについて指定された評価基準タイミングとの時間差に基づいて行われる。
【0075】
次に、得点制御部122は、現在において特典付与モードが設定されている状態であるか否かについて判定する(ステップS154)。
現在において通常モードが設定されている場合(ステップS154-NO)、得点制御部122は、通常モードに対応する得点を算出する(ステップS156)。例えば、得点制御部122は、タイミング操作対象のノーツに対応付けられたパラメータ値と評価結果に応じたパラメータ値とを利用して通常モードに対応する得点を算出することができる。ノーツに対応付けられたパラメータ値は、例えば、ノーツの種別(シングルノーツ、両端評価のロングノーツ、前端評価のロングノーツ)、ノーツに対するタイミング操作の難易度などに応じた値を有する。
【0076】
一方、現在において特典付与モードが設定されている場合(ステップS154-YES)、得点制御部122は、特典付与モードに対応する得点を算出する(ステップS158)。例えば、得点制御部122は、タイミング操作対象のノーツに対応付けられたパラメータ値と、評価結果に応じたパラメータ値と、特典付与モードに応じた所定の係数または所定の加算値を利用して、所定の演算式により得点を算出してよい。この場合、演算式において特典付与モードに応じた所定の係数または所定の加算値が用いられることで、通常時よりも高い得点が算出される。
【0077】
上記のステップS156またはステップS158によって、ユーザが行ったタイミング操作に対する評価に応じたユーザへの得点の付与が行われる。そして、得点制御部122は、ステップS156またはステップS158により算出された得点をスコアに加算する(ステップS160)。得点の加算により更新されたスコアの値は、スコア領域SARにて反映されるように表示が行われる。
【0078】
[第1実施形態のまとめ]
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10は、評価部121と特典付与モード設定部123とを備える。
評価部121は、ゲーム画面に表示されるノーツ(オブジェクトの一例)に対応して設定された評価基準タイミングに対する、タイミング操作(ノーツを対象とする操作の一例)のタイミングを評価する。
特典付与モード設定部123は、所定の発動条件が満たされたことに応じて、所定の特典を付与可能な特典付与モードを、当該特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来する特典ノーツに対応する評価基準タイミングの所定累積数に対応する期間にわたって設定する。
【0079】
上記構成によれば、特典付与モードの期間について、時間によらずに、特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来する特典ノーツに対応する評価基準タイミングの所定累積数によって設定される。この場合、特典付与モードにおいて操作対象となる評価基準タイミングの総数を、音楽ゲームにおいて特典付与モードが開始されるタイミングに係わらず一定とすることができる。これにより、ゲームの進行のもとで設定される特典付与モードによってユーザに付与可能な特典に関して一定水準の公平性が保たれるようにすることができる。
【0080】
また、本実施形態のゲーム装置10は、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミングの累積数に基づいて、1つの特典付与モードの期間の経過を示す操作残数pnmの表示(経過表示の一例)を行う経過表示部124をさらに備える。
【0081】
上記構成によれば、評価基準タイミングの累積数が反映されるように特典付与モードの期間の経過を示す表示が行われることから、ユーザが特典付与モードの期間についての経過状況を的確に把握することができる。
【0082】
また、本実施形態のゲーム装置10において、経過表示部124は、操作残数pnmの表示を、当該操作残数pnmの表示が示す経過に対応する評価基準タイミングが設定された特典ノーツFNに付加するように行う。
【0083】
上記構成によれば、特典ノーツFNに対して付加されるように経過表示が行われる。ユーザは、プレイ中には操作対象位置であるタイミング操作領域TARに注視する傾向にある。そこで、本実施形態のように経過表示が特典ノーツFNに付加されれば、ユーザはタイミング操作領域TARから視線を外さなくとも、特典ノーツFNがタイミング操作領域TARに到達してくるときに経過表示を容易に確認できる。これにより、ユーザは、プレイに集中しながらも、ユーザが特典付与モードの期間についての経過状況を的確に把握することができる。
【0084】
[第2実施形態]
〔概要〕
続いて、第2実施形態について説明する。上記実施形態においては、特典付与モードが開始されてから終了する間において特典ノーツFNに対して操作残数pnmを付加するようにして経過表示を行っている。ユーザにとって経過表示は、特典付与モードの終了タイミングが近くなるほど重要性が高いといえる。このため、例えばユーザによっては、経過表示は、特典付与モードの終了タイミングが或る程度近づいてから行われても十分であって、特典付与モードの開始から経過表示が行われることはかえって煩わしさを覚える可能性がある。
そこで、本実施形態においては、特典付与モードが開始されて以降において、評価基準タイミング累積数が所定の閾値に到達するまでは経過表示を行わず、評価基準タイミング累積数が閾値に到達したことに応じて、以降において経過表示を行う。
【0085】
〔ゲーム装置の構成例〕
図7を参照して、本実施形態のゲーム装置10Aの構成例について説明する。同図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Aにおいて、ゲーム制御部120Aは経過表示部124Aを備える。本実施形態の経過表示部124Aは、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミングの累積数に応じて、経過表示の態様を変更させる。具体的に、経過表示部124Aは、特典付与モードが開始されて以降において、評価基準タイミング累積数が所定の閾値未満の状態では経過表示としての操作残数pnmの表示を行わず、評価基準タイミング累積数が閾値以上の状態において操作残数pnmの表示を行う。結果として、1回の特典付与モードにおける特典ノーツFNが所定数未満となると、操作残数pnmの表示が行われるようになる。
【0086】
〔処理手順例〕
図8のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Aが特典付与モードの期間の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。
同図において、ステップS1100~S1106の処理は、図5のステップS100~S104、S108と同様となる。つまり、本実施形態においても、特典付与モードの発動条件が満たされたタイミングに応じて特典付与モードが開始され、特典付与モードの発動条件が満たされた際にゲーム画面に表示されていた通常ノーツNについては特典ノーツFNとしての表示に変更される。また、評価基準タイミング累積数ESTは、特典付与モードの発動条件が満たされた際にゲーム画面に表示される全ての特典ノーツFNに対応する評価基準タイミングの数が加算されるようにして更新される。
ただし、特典付与モードの発動条件が満たされた段階でゲーム画面に表示される特典ノーツFNに対しては操作残数pnmを付加する表示は行われない。
【0087】
ステップS1106までの処理を実行した後、特典付与モード設定部123は、ゲーム画面にてノーツ出現領域AARのいずれかから新規にノーツが出現するのを待機する(ステップS1108-NO)。
新規にノーツが出現すると(ステップS1108-YES)、特典付与モード設定部123は、新規に出現した特典ノーツFNに対応付けられた評価基準タイミングの数を加算するようにして評価基準タイミング累積数ESTを更新する(ステップS1110)。ステップS1110の処理は、図5のステップS112と同様である。
【0088】
ステップS1110により評価基準タイミング累積数ESTが更新されたことに応じて、経過表示部124Aは、現在の評価基準タイミング累積数ESTが予め定められた閾値TH以上であるか否かについて判定する(ステップS1112)。
評価基準タイミング累積数ESTが閾値TH未満である場合(ステップS1112-NO)、ステップS1108に処理が戻される。つまり、この場合には次に説明するステップS1114の処理がスキップされることから、今回新規に出現した特典ノーツFNに対する操作残数の付加は行われない。
一方、評価基準タイミング累積数ESTが閾値TH以上である場合(ステップS1112-YES)、経過表示部124Aは、今回新規に出現した特典ノーツFNに操作残数を付与するようにして経過表示を行う(ステップS1114)。このような処理によって、特典付与モードでの音楽ゲームの進行に応じて、ゲーム画面に出現する特典ノーツFNの数が閾値THに対応する一定以上となった段階から、特典ノーツFNに対して操作残数pnmを付加する表示が開始される。
【0089】
また、特典付与モード設定部123は、先のステップS1110により更新された評価基準タイミング累積数ESTが最大値となったか否かについて判定する(ステップS1116)。
評価基準タイミング累積数ESTが最大値未満であった場合(ステップS1116-NO)、処理がステップS1108に戻される。これにより、音楽ゲームの進行に応じて新たに出現する特典ノーツFNごとに対応する処理が、評価基準タイミング累積数ESTが最大値となるまで繰り返し実行される。
そして、評価基準タイミング累積数ESTが最大値となると(ステップS1116-YES)、特典付与モード設定部123は、特典付与モードを終了させる(ステップS1118)。
【0090】
[第2実施形態のまとめ]
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、経過表示部124Aは、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミングの累積数に応じて、操作残数pnmの表示の態様を変更させる。
【0091】
上記構成によれば、例えば特典付与モードの開始から評価基準タイミング累積数が所定値に至るまでは操作残数pnmの表示を行わないようにして、評価基準タイミング累積数が所定値以上となったことに応じて操作残数pnmの表示を行うようにできる。
これにより、例えば操作残数pnmが特典付与モードの期間にわたって表示されなくなるのでユーザが煩わしさを覚えにくくなる。また、ユーザに特典付与モードが残り少ないことを強調して伝えるような演出も行えることになる。例えばこのような演出によりユーザの高揚感を高めることも可能となる。
【0092】
[第3実施形態]
〔概要〕
続いて、第3実施形態について説明する。上記各実施形態において、特典付与モードに対応する評価基準タイミング累積数の最大値は予め設定されていた。これに対して、本実施形態においては、所定の変更要素に応じて評価基準タイミング累積数の最大値が変更される。
本実施形態において、上記の変更要素については特に限定されない。一例として例えば、音楽ゲームにおいて選択された楽曲が対応するタイミング操作の難易度を変更要素として、評価基準タイミング累積数の最大値が変更されてよい。この場合、評価基準タイミング累積数の最大値は、例えば難易度が高くなっていくことに応じて段階的に増加していくように変更されてよい。
また、例えば、特典付与モードの発動条件が満たされた時点でのユーザの成績を変更要素として、評価基準タイミング累積数の最大値が変更されてよい。一例として、特典付与モードの発動条件が満たされた時点での、コンボなどと呼ばれる連続的なタイミング操作の成功数や、ゲームの開始から特典付与モードの発動条件が満たされた時点までのタイミング操作の成功率等といった、ユーザの成績に応じて、評価基準タイミング累積数の最大値が変更されてよい。
【0093】
〔ゲーム装置の構成例〕
図9を参照して、本実施形態のゲーム装置10Bの構成例について説明する。同図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Bにおいて、ゲーム制御部120Bは特典付与モード設定部123Bを備える。本実施形態の特典付与モード設定部123Bは、所定の変更要素に応じて、評価基準タイミング累積数の最大値を変更する。
【0094】
〔処理手順例〕
図10のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Bが特典付与モードの期間の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。
通常モードにより音楽ゲームが進行されている状態のもとで、ゲーム装置10Bにおける特典付与モード設定部123Bは、特典付与モードの発動条件が満たされるのを待機している(ステップS2100-NO)。
【0095】
発動条件が満たされると(ステップS2100-YES)、特典付与モード設定部123Bは、評価基準タイミング累積数の最大値を設定するための設定パラメータ(変更要素の一例)を収集する(ステップS2102)。一例として、音楽ゲームにおいて選択された楽曲が対応するタイミング操作の難易度を変更要素として、評価基準タイミング累積数の最大値を変更する場合、設定パラメータとして、選択された楽曲が対応する難易度が設定パラメータとして収集される。
特典付与モード設定部123Bは、ステップS2102により収集された設定パラメータを用いて、評価基準タイミング累積数の最大値を設定する(ステップS2104)。このように、ステップS2102とステップS2104により、初定の設定パラメータに応じて評価基準タイミング累積数の最大値が変更される。
【0096】
続くステップS2106~S2120の処理は、それぞれ、図5のステップS102~S116の処理と同様となる。ただし、本実施形態のステップS2118においては、評価基準タイミング累積数ESTについて、規定の最大値ではなく、ステップS2104により設定された最大値に至ったか否かの判定が行われる。
【0097】
[第3実施形態のまとめ]
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10Bにおいて、特典付与モード設定部123Bは、所定の変更要素に応じて、評価基準タイミング累積数の最大値(評価基準タイミングの所定累積数)を変更する。
【0098】
上記構成によれば、例えば音楽ゲームにおいて選択された楽曲が対応するタイミング操作の難易度などをはじめとするゲームにおける所定の要素に応じて、評価基準タイミング累積数の最大値が変更される。これにより、例えば特典付与モードの期間において操作対象となる特典ノーツFNの数が、音楽ゲームのプレイ結果などに応じて変化することになるので、音楽ゲームの面白味が増すことになる。
【0099】
[第4実施形態]
〔概要〕
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態においては、特典付与モードにおいてユーザに付与可能な得点の最大値が予め定められている。つまり、例えばユーザが特典付与モードにおいて操作対象となる全てのノーツに対して操作タイミングを行うことができ、各ノーツに対する操作タイミングの評価がいずれも最高であった場合に、ユーザは、特典付与モードにおいてユーザに付与可能な得点の最大値を獲得できる。
本実施形態においては、特典付与モードの期間においてユーザに付与可能な得点の最大値(総最高得点)が予め定められる。
【0100】
また、本実施形態においては、例えば特典シングルノーツFNSと、両端評価の特典ロングノーツFNLと、前端評価の特典ロングノーツFNLとでは、同じ評価結果に対応して付与される得点が同じではなく、大小関係が規定される。
一例として、特典シングルノーツFNSと、両端評価の特典ロングノーツFNLと、前端評価の特典ロングノーツFNLとのうち、難易度が最も高くなるのは両端評価の特典ロングノーツFNLであると捉えることができる。そこで、この場合には、両端評価の特典ロングノーツFNLについて、特典シングルノーツFNSと前端評価の特典ロングノーツFNLに設定される得点よりも高い最高得点を設定することが要求される。
【0101】
しかしながら、本実施形態においては、楽曲において特典付与モードが開始されるタイミングによって、特典付与モードの期間に含まれる特典ノーツFNの種別の内訳が異なってくる。つまり、特典付与モードの期間において含まれる特典シングルノーツFNS、両端評価の特典ロングノーツFNL、前端評価の特典ロングノーツFNLの各数の組み合わせが異なってくる。そのうえで、本実施形態では前述のように特典付与モードの期間に対応する総最高得点が規定される。このため、特典ノーツFNの種別ごとの最高得点を予め固定的に定めておくことはできない。
そこで、本実施形態においては、設定される特典付与モードの期間に含まれるノーツの種別の内訳に応じて、特典ノーツFNの種別に応じて定められた大小関係が維持されるように、評価基準タイミングに対応付ける得点を特典ノーツFNの種別ごとに設定する。
【0102】
〔ゲーム装置の構成例〕
図11は、本実施形態のゲーム装置10Cの構成例について説明する。同図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Cにおいて、ゲーム制御部120Cは得点設定部125をさらに備える。得点設定部125は、特典付与モードにおける総合最高得点(特典付与モードにおいて付与する得点の上限値の一例)が定められている場合に、設定された特典付与モードにおける評価基準タイミングごとの評価部121による評価に応じて付与する得点を、総合最高得点に基づいて設定する。
【0103】
〔処理手順例〕
図12のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Bが特典付与モードの期間の設定と、特典ノーツに対応する得点の設定とに関連して実行する処理手順例について説明する。
通常モードにより音楽ゲームが進行されている状態のもとで、ゲーム装置10Bにおける特典付与モード設定部123は、特典付与モードの発動条件が満たされるのを待機している(ステップS3100-NO)。
【0104】
発動条件が満たされると(ステップS3100-YES)、得点設定部125は、現時点から特典付与モードが設定された場合の特典ノーツFNの種別の内訳を特定する(ステップS3102)。
具体的に、得点設定部125は、特典付与モードの期間に操作対象となる特典シングルノーツFNSの数、両端評価の特典ロングノーツFNLの数及び前端評価の特典ロングノーツFNLの数を特定する。
このため、得点設定部125は、シーケンスデータから、現時点においてゲーム画面に表示されている特典ノーツFNのうちで最も評価基準タイミングの早いものに対応するノーツ情報から順に、評価基準タイミング累積数の最大値に至るまでのノーツ情報を取得する。得点設定部125は、取得されたノーツ情報におけるタイミング情報を参照することで、それぞれのノーツの種別を判定し、判定された種別ごとのノーツの数を求める。このようにして、特典付与モードが設定された場合の特典ノーツの種別の内訳が特定される。
【0105】
次に、得点設定部125は、特典ノーツFNの種別ごとに応じた得点の設定を行う(ステップS3104)。
ステップS3104において、得点設定部125は、まず、特典ノーツFNの種別ごとに応じた最高得点を設定する。つまり、得点設定部125は、タイミング操作について最高の評価が得られた場合に付与される特典(最高得点)を特典ノーツFNの種別ごとに設定する。
この際、得点設定部125は、例えばステップS3102により特定された、特典シングルノーツFNSの数、両端評価の特典ロングノーツFNLの数及び前端評価の特典ロングノーツFNLの数をそれぞれ、a、b、cとし、特典シングルノーツFNSの最高得点、両端評価の特典ロングノーツFNLの最高得点及び前端評価の特典ロングノーツFNLの最高得点をそれぞれ、x、y、zとし、総最高得点をMとして、以下の式1が成立するx、y、zを所定の手法によって求めるようにする。
M=ax+by+cz(制約条件:y>z>x)・・・(式1)
上記の式1における制約条件は、特典シングルノーツの得点、両端評価の特典ロングノーツの得点及び前端評価の特典ロングノーツの得点の間での大小関係として、両端評価の特典ロングノーツの得点が最も大きく、次いで前端評価の特典ロングノーツの得点が大きく、特典シングルノーツの得点が最も小さい例に対応する。
上記のように設定された特典ノーツFNの種別ごとに応じた最高得点は、タイミング操作に対する評価のランクが最高である場合に対応する。そこで、得点設定部125は、特典ノーツFNの種別ごとにおける、最高よりも低い評価のランクごとに対応する得点を設定する。得点設定部125は、最高よりも低い評価のランクごとの得点の設定にあたっても、例えば上気した特典シングルノーツの得点、両端評価の特典ロングノーツの得点及び前端評価の特典ロングノーツの得点の間での大小関係が維持されるようにする。このようにして、ステップS3104における得点の設定の処理が行われる。
【0106】
上記のステップS3104に続いて行われるステップS3106~ステップS3120の処理は、図5のステップS102~S116と同様となる。
【0107】
本実施形態の得点制御部122は、特典付与モード中においては、図6のステップS158として、以下の処理を実行すればよい。つまり、得点制御部122は、ステップS3104により設定された得点のうちで、タイミング操作対象とされた特典ノーツの種別と、ステップS152による評価結果との組み合わせに対応する得点を、特典付与モードに対応する得点の算出結果とすればよい。
【0108】
[第4実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置10Cは、特典付与モードにおける総最高得点(特典付与モードにおいて付与する得点の上限値)が定められている場合に、設定された特典付与モードにおける評価基準タイミングごとの評価部121による評価に応じて付与する得点を、前記上限値に基づいて設定する得点設定部125をさらに備える。
【0109】
上記構成によれば、特典付与モードにおける総最高得点が定められている場合に、特典付与モードにおいて操作対象となる特典ノーツごとに、タイミング操作の評価結果に応じた得点を適切に総最高得点から分配するようにして設定できる。
【0110】
[変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0111】
〔第1変形例〕
上記各実施形態において、経過表示について、操作残数pnmとして特典ノーツFNに付加される態様を例に挙げた。しかしながら、経過表示は、例えばゲーム画面における所定の領域にて操作残数が示されるようにして行われるものであってもよい。このようにゲーム画面における所定の領域を用いた経過表示は、操作残数を具体的に示す数値を表示するものであってもよいし、例えば操作残数の変化をゲージや色の変化等により表すようなものであってもよい。また、このようなゲーム画面における所定の領域における経過表示は、特典ノーツFNに付加される操作残数pnmとして経過表示とともに行われるようにされてよい。
【0112】
〔第2変形例〕
上記各実施形態において、経過表示は操作残数pnmとされていた。つまり、特典付与モードの期間における音楽ゲームの進行に応じて、評価基準タイミング累積数が最大値から「1」にまで減少していくように変化する態様を示していた。
これに対して、経過表示として、例えば経過表示は、特典付与モードの期間における音楽ゲームの進行に応じて、評価基準タイミング累積数が「1」から最大値にまで増加していくように変化する態様であってもよい。
【0113】
〔第3変形例〕
また、本実施形態においては、例えば1楽曲に応じた音楽ゲームの進行(1プレイ)において複数回の特典付与モードが設定されるようにしてよい。
また、このように1プレイにおいて複数回の特典付与モードが設定可能である場合、特典付与モードごとに対応する評価基準タイミング累積数の最大値に応じた操作残数pnmのカウントが行われるようにしてよい。
あるいは、1プレイにおける複数の特典付与モードに対応する評価基準タイミング累積数の最大値の総計に応じた操作残数pnmのカウントが、各特典付与モードにて行われるようにしてよい。例えば1プレイにおいて2回の特典付与モードの設定が可能であって、各特典付与モードに対応する評価基準タイミング累積数の最大値がそれぞれ「100」である場合には以下のように操作残数pnmの表示が行われる。つまり、1回目の特典付与モードの開始に対応しては、「200」からのカウントダウン、あるいは「1」からのカウントアップにより操作残数pnmの表示が行われる。そして、2回目の特典付与モードの開始に対応しては、「100」からのカウントダウン、あるいは「101」からのカウントアップにより操作残数pnmの表示が行われる。
【0114】
〔第4変形例〕
先の第2実施形態においては、評価基準タイミング累積数が所定の閾値未満の状態では経過表示を行わず、評価基準タイミング累積数が閾値以上の状態において経過表示を行うようにされていた。
しかしながら、特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミングの累積数に応じた経過表示の態様の変更としては、上記のように経過表示を行わない態様から経過表示を行う態様への変更に限定されない。
例えば、特典付与モードの期間の開始から経過表示を行うようにしたうえで、所定の評価基準タイミング累積数に応じて、経過表示について、色を変更したり、操作残数pnmとして表示される数字のサイズを変更したり、点滅等を行ったりしてよい。
この場合において、例えば評価基準タイミング累積数が閾値以上となった場合の経過表示のほうが、評価基準タイミング累積数が閾値の場合より際立つように態様を変更すれば、特典付与モードの開始から経過表示が行われても、ユーザが煩わしさを覚えにくいようにできる。また、演出にも面白味が与えられる。
【0115】
〔第5変形例〕
また、先の第2実施形態では、特典付与モードの期間において評価基準タイミング累積数が閾値TH未満の期間と閾値TH以上の期間とに応じた2段階による経過表示の態様を変更していた。しかしながら、例えば2以上の閾値を設定することで、特典付与モードの期間において3段階による経過表示の態様の変更が行われるようにしてよい。
【0116】
〔第6変形例〕
上記各実施形態では、発動条件が満たされたことに応じて特典付与モードが開始されたタイミングにおいて既にゲーム画面に表示中であったノーツから特典ノーツFNとして扱われ、以降の評価基準タイミング累積数のカウントが行われるようにされている。
しかしながら、例えば特典付与モードが開始されたタイミングにおいて既にゲーム画面に表示中であったノーツについては特典ノーツFNとせずに、特典付与モードが開始されたタイミング以降において新規に出現するノーツから特典ノーツFNとして扱うようにされてもよい。
この場合には、特典付与モードが開始されてから最初の特典ノーツFNがタイミング操作領域TARに到達してくるまでの間にある程度の時間差が生じることから、ユーザにも或る程度の余裕が生まれる。このような特典ノーツFNのタイミングは、例えば、ゲームに未だ慣れていないユーザに楽しくプレイしてもらうため音楽ゲームの難易度を低く設定しようとする場合に有効となる。
【0117】
〔第7変形例〕
上記各実施形態においては、特典付与モードの期間において操作対象となるノーツの全てが特典ノーツFNとなる例を挙げている。しかしながら、特典付与モードの期間において操作対象となるノーツとして特典ノーツFNと通常ノーツNとが混在するようにされてもよい。
【0118】
〔第8変形例〕
上記各実施形態においては、音楽ゲームの進行のもとで、両端評価のロングノーツと前端評価のロングノーツとが混在してゲーム画面に出現する例が示されている。しかしながら、ロングノーツに関しては、音楽ゲームの進行のもとで、両端評価のロングノーツと前端評価のロングノーツとのうちのいずれか一方が出現するようにされてもよい。
【0119】
〔第9変形例〕
また、本実施形態の音楽ゲームにおいて、タイミング操作領域TARに対してそれぞれ異なるキャラクタを対応付けるようにしてもよい。この場合、例えば図示は省略するが、ゲーム画面において各タイミング操作領域TARの近傍に対応のキャラクタの画像が配置されるようにしてよい。
このようにキャラクタを設定した場合において、例えばキャラクタの属性に基づく発動条件が設定されるようにしてもよい。そのうえで、例えば特定のキャラクタの属性に対応する所定の発動条件が満たされた場合には、特典付与モードの期間においてゲーム画面に表示されるノーツのうち、特定のキャラクタに対応するタイミング操作領域TARに到達してくるノーツに限定して特典ノーツFNとなるようにされてもよい。即ち、タイミング操作領域TARごとに対応して個別に特典付与モードが設定されてもよい。
また、第3実施形態においては、評価基準タイミング累積数の最大値がキャラクタの属性に基づいて設定されるようにしてもよい。
【0120】
〔第10変形例〕
例えば、第3実施形態や第4実施形態の構成に対し、第2実施形態のように、評価基準タイミング累積数ESTが予め定められた閾値TH以上となったことに応じて経過表示を行う構成を適用してよい。第3実施形態または第4実施形態に第2実施形態を適用した場合には、例えばステップS2110(図10)またはステップS3110(図12)に対応して、特典付与モードの開始に応じて経過表示を行うための処理は省略されてよい。
このように、本実施形態においては、適宜、上記各実施形態の組み合わせが為されてよく、これに伴って、処理手順についても適宜変更されてよい。
【0121】
なお、上述のゲーム装置10、10A、10B、10Cの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム装置10、10A、10B、10Cなどとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0122】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0123】
〔付記1〕
本発明の一態様に係るゲーム装置(10、10A、10B、10C)は、ゲーム画面に表示されるオブジェクトに対応して設定された評価基準タイミングに対する、前記オブジェクトを対象とする操作のタイミングを評価する評価部(121)と、所定の発動条件が満たされたことに応じて、所定の特典を付与可能な特典付与モードを、当該特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来するオブジェクト(例えば、特典ノーツ)に対応する前記評価基準タイミングの所定累積数に対応する期間にわたって設定する特典付与モード設定部(123、123B、S102~S116、S1102~S1118、S2102~S2120、S3102~S3120)とを備える。
【0124】
上記構成によれば、特典付与モードの期間について、時間によらずに、特典付与モードの開始時点以降に操作すべきタイミングが到来するオブジェクトに対応する評価基準タイミングの所定累積数によって設定される。この場合、特典付与モードにおいて操作対象となる評価基準タイミングの総数を、音楽ゲームにおいて特典付与モードが開始されるタイミングに係わらず一定とすることができる。これにより、ゲームの進行のもとで設定される特典付与モードによってユーザに付与可能な特典に関して一定水準の公平性が保たれるようにすることができる。
【0125】
〔付記2〕
本発明の一態様は、付記1に記載のゲーム装置であって、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた前記評価基準タイミングの累積数に基づいて、前記1つの特典付与モードの期間の経過を示す経過表示を行う経過表示部(124、124A、S106、S110、S1114、S2110、S2114、S3110、S3114)をさらに備える。
【0126】
上記構成によれば、評価基準タイミングの累積数が反映されるように特典付与モードの期間の経過を示す表示が行われることから、ユーザが特典付与モードの期間についての経過状況を的確に把握することができる。
【0127】
〔付記3〕
本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記経過表示部は、前記経過表示(例えば、操作残数pnm)を、当該経過表示が示す経過に対応する前記評価基準タイミングが設定されたオブジェクトに付加するように行う(124、124A、S106、S110、S1114、S2110、S2114、S3110、S3114)。
【0128】
上記構成によれば、ゲーム画面にて表示されるオブジェクトに対して付加されるように経過表示が行われる。ユーザは、プレイ中にはゲーム画面においてタイミング操作を行うべき操作対象位置に注視するのであるが、経過表示がオブジェクトに付加されれば、ユーザはオブジェクトが操作対象位置に到達してくるときに経過表示を容易に確認できる。これにより、ユーザは、プレイに集中しながらも、ユーザが特典付与モードの期間についての経過状況を的確に把握することができる。
【0129】
〔付記4〕
本発明の一態様は、付記2または3に記載のゲーム装置であって、前記経過表示部は、1つの特典付与モードの期間におけるゲームの進行に応じた評価基準タイミングの累積数に応じて、前記経過表示の態様を変更させる(S1112、S1114)。
【0130】
上記構成によれば、例えば特典付与モードの開始から評価基準タイミングの累積数が所定値に至るまでの期間と、これより後の評価基準タイミング累積数が所定値以上となる期間とで経過表示の態様をようにできる。これにより、例えば経過表示に対してユーザが煩わしさを覚えにくくなる。また、ユーザに特典付与モードが残り少ないことを強調して伝えるような演出も行える。
【0131】
〔付記5〕
本発明の一態様は、付記1から4のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記特典付与モード設定部は、所定の変更要素(例えば、最大値設定パラメータ)に応じて、前記評価基準タイミングの所定累積数を変更する(S2102、S2104)。
【0132】
上記構成によれば、例えば音楽ゲームにおいて選択された楽曲が対応するタイミング操作の難易度などをはじめとするゲームにおける所定の要素に応じて、評価基準タイミングの所定累積数が変更される。これにより、例えば特典付与モードの期間において操作対象となるオブジェクトの数が、音楽ゲームのプレイ結果などに応じて変化することになるので、音楽ゲームの面白味が増すことになる。
【0133】
〔付記6〕
本発明の一態様は、付記1から5のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記特典付与モードにおいて付与する得点の上限値(特典付与モードにおける総最高得点)が定められている場合に、設定された特典付与モードにおける前記評価基準タイミングごとの前記評価部による評価に応じて付与する得点を、前記上限値に基づいて設定する得点設定部(125、S3102、S3104))をさらに備える。
【0134】
上記構成によれば、特典付与モードにおいて付与する得点の上限値が定められている場合に、特典付与モードでの操作対象となるオブジェクトごとに、タイミング操作の評価結果に応じた得点を適切に得点の上限値から分配するようにして設定できる。
【0135】
〔付記7〕
本発明の一態様は、コンピュータを、付記1から6のいずれか一項に記載のゲーム装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0136】
10,10A,10B,10C ゲーム装置、110 タッチパネル、111 表示部、112 操作入力部、120,120A,120B,120C ゲーム制御部、121 評価部、122 得点制御部、123,123B 特典付与モード設定部、124,124A 経過表示部、125 得点設定部、130 記憶部、131 楽曲データ記憶部、132 シーケンスデータ記憶部、133 音源データ記憶部、140 音響出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12