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特許7145604締まり嵌め締結具のためのテーパ状導入部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】締まり嵌め締結具のためのテーパ状導入部
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20220926BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20220926BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20220926BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20220926BHJP
【FI】
F16B5/02 U
F16B5/02 A
F16B35/00 Q
B64C1/00 A
B64F5/10
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017223418
(22)【出願日】2017-11-21
(65)【公開番号】P2018136022
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】15/437,234
(32)【優先日】2017-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク・エー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】タニイ・シスコ
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-504944(JP,A)
【文献】特開2008-075876(JP,A)
【文献】特表2008-518164(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0178262(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
F16B 35/00
B64C 1/00
B64F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の孔を有する第1の構造と第2の孔を有する第2の構造とを締結するための方法であって、前記第1の孔および前記第2の孔が、同じ直径を有しており、
前記第1の孔と前記第2の孔とを位置合わせして前記第1の構造および前記第2の構造を一緒に配置するステップと、
前記第1の構造(18)の前記第1の孔(19)の縁部(21)が締結具(2)のテーパ状導入セクション(14)に接触して、これを取り囲むまで、前記締結具(2)の噛合部分(8)を前記第1の孔に挿入するステップであって、前記テーパ状導入セクションが、前記噛合部分(8)に向かって徐々にテーパ状であり、20度以下のテーパ角度を有しており、前記締結具(2)が、頭部(4)と、前記頭部(4)と前記テーパ状導入セクション(14)とを接続する円柱形のシャンク(6)と、をさらに備え、前記シャンク(6)が、滑らかな外面を有し、前記第1の孔および前記第2の孔の直径よりも大きい直径を有し、前記締結具(2)が、アール状導入セクション(16)をさらに備え、前記アール状導入セクション(16)が、前記テーパ状導入セクション(14)と交わり、前記噛合部分(8)に向かって湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有し、前記噛合部分(8)の最大直径が、前記アール状導入セクション(16)の最小直径よりも小さい、ステップと、
前記第1の構造および前記第2の構造の前記位置合わせされた前記第1及び第2の孔に前記締結具(2)をさらに押し込んで、前記シャンク(6)を前記第1の孔の前記縁部(21)に接触させ、前記第1の孔(19)に押し通し、次に、前記締結具(2)の前記噛合部分(8)が前記第2の構造から突出するまで前記第2の孔に押し通すステップと、
噛合部品(36、42)を前記締結具(2)の前記噛合部分(8)に結合するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記テーパ状導入セクション(14)の外面が、直円錐の部分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テーパ状導入セクション(14)の最大直径が、前記シャンク(6)の直径に等しく、前記テーパ状導入セクション(14)の最小直径が、前記第1の孔および前記第2の孔の直径よりも小さい、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の輪郭が、前記テーパ状導入セクション(14)の最小径に等しい最大径を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第1の孔を有する第1の構造要素と、前記第1の構造要素の前記第1の孔と位置合わせされた第2の孔を有する第2の構造要素と、前記第1の構造要素および前記第2の構造要素の前記第1の孔および前記第2の孔のそれぞれの少なくとも部分を前記第1の孔および前記第2の孔と接触した状態で占め、前記第2の構造要素を越えて延びる締結具(34、40)と、前記第2の構造要素に当接し、前記締結具(34、40)に結合された噛合部品(36、42)と、を備えるアセンブリであって、
前記締結具(34、40)が、
頭部(38、44)と、
前記頭部(38、44)から延在し、円筒形の滑らかな外面を備えるシャンク(6)と、
外部突出部を備える噛合部分(8)と、
前記シャンク(6)と前記噛合部分(8)との間に配置された移行部分(10)と、
を備え、
前記移行部分(10)が、シャンク/導入部交差部(22)で前記シャンク(6)と交わるテーパ状導入セクション(14)と、前記テーパ状導入セクション(14)と交わるアール状導入セクション(16)とを備え、
前記テーパ状導入セクション(14)が、前記噛合部分(8)に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状でありかつ20度以下のテーパ角度の第1の輪郭を有し、
前記アール状導入セクション(16)が、前記第1の軸方向に向かって湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有し、
前記締結具(2)が、アール状導入セクション(16)をさらに備え、前記アール状導入セクション(16)が、前記テーパ状導入セクション(14)と交わり、前記噛合部分(8)に向かって湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有し、前記噛合部分(8)の最大直径が、前記アール状導入セクション(16)の最小直径よりも小さい、アセンブリ。
【請求項6】
前記締結具(34、40)の前記シャンク(6)ならびに前記第1の構造要素および前記第2の構造要素が、互いに接触する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の構造要素および前記第2の構造要素の一方が、複合構造(30)であり、前記第1の構造要素および前記第2の構造要素の他方が、金属構造(32)である、請求項5または6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記噛合部品(36、42)が、前記締結具(34、40)の前記噛合部分(8)の前記外部突出部と相互係合する雌ネジを備える、請求項5から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記噛合部品(36、42)が、前記締結具(34、40)の前記噛合部分(8)の前記外部突出部と相互係合するかしめられたカラー(42)を備える、請求項5から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の輪郭が、前記締結具(34、40)の中心軸線(26)と交差する平面内において、前記テーパ状導入セクション(14)の外面の輪郭であり、前記第2の輪郭が、前記締結具(34、40)の前記中心軸線(26)と交差する前記平面において、前記アール状導入セクション(16)の外面である、請求項5から9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記テーパ状導入セクション(14)の最大直径が、前記シャンク(6)の直径に等しく、前記テーパ状導入セクション(14)の外面が、直円錐の部分である、請求項5から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2の輪郭が、前記テーパ状導入セクション(14)の最小径に等しい最大径を有することを特徴とする請求項5から11のいずれか1項に記載のアセンブリ
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、一般に、2つ以上の構造またはワークピース(これらの少なくとも一方は繊維強化プラスチックのような複合材料で作られている)を、それぞれの層の孔の中への締結具の高い締まり嵌めが達成されるように、互いに固定する締結具の使用に関する。特に、本開示は、ボルトまたはピンおよび噛合部品(例えば、ナットまたはカラー)を備えるが、締結具の周囲のスリーブを含まない締まり嵌め締結具アセンブリに関する。
【0002】
材料の複数の層を互いに締結するための通常の手法は、層をクランプし、孔を穿孔し、次に、ある種類の締結具を孔に挿入し、それによって層を互いに固定するというものである。締結具は、通常、層の受入孔に動き嵌めまたは隙間嵌め(net or clearance fit)で挿入される。多くの用途では、これで十分である。しかしながら、組み立てられた構造が周期的な負荷を受けるとき、その孔内の締結具の嵌合の緩みが、その孔内における締結具の連続的な動作をもたらす。これは、結果として、締結具または特定の孔に隣接する周囲の層の領域のいずれかのフレッティングおよび疲労の問題を引き起こし得る。
【0003】
上記の問題を解決するために、孔の中への締結具の高い締まり嵌めの利用が、組み立てられた構造の周期的な負荷によるこのフレッティングの大部分を効果的に防止することができることが知られている。高い締まり嵌めにより、動きを低減し、その結果、疲労性能を向上させるよりきつい接合部が形成される。多くの場合、大きく形成された締結具は、層の受入孔に直接入れられる。典型的には、何らかの潤滑剤が、締結具が孔に押し込まれる際の磨耗する傾向を低減するために、組立て前に締結具および孔に塗布される。他の場合には、動き嵌めまたは隙間嵌めでスリーブを孔に滑り込ませた後、締まり嵌め状態を作り出すために、潤滑剤の有無にかかわらず、大きく形成された締結具を入れて、スリーブを半径方向に拡大させる。
【0004】
現在、航空機製造における複合材翼構造の組立てに使用される締結具には、2つの主な解決策、すなわち、(1)スリーブ付きボルトシステムおよび(2)キャップシールを有する隙間嵌め締結具がある。スリーブ付きボルトシステムの使用は、以下の欠点、すなわち、(a)部品が複雑な取付方法を必要とすること、(b)損傷を防ぐために部品を注意深く取り扱う必要があること、および(c)システムが広範囲のインプロセス測定を必要とすること(この結果、組立時間が長くなる)を伴う。キャップシールを有する隙間嵌め締結具の使用は、以下の欠点、すなわち、(a)このシステムでは、時間の経過とともに接合部の撓みが大きくなり、疲労性能に影響を及ぼすこと、および(b)シールキャップの適用に要する時間の量が組立時間を増加させることを伴う。さらに、金属製の航空機構造に使用される既存の締まり嵌めの解決策は、締結具を取り付ける際の取付力の負荷を低減するように最適化されないことがある。取付力の負荷が高いと、複合材料が亀裂を生じたり、過度に剥離したりする可能性がある。
【0005】
取付力の負荷を低減し、前の段落で確認した欠点の1つ以上に対処する、複合材料の取付けのための改善された締まり嵌め締結具を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下で詳細に開示される主題は、2つ以上の構造を互いに取り付けるための締まり嵌め締結具に関する。各締まり嵌め締結具は、シャンクと噛合部分との間にテーパ状導入セクションを有する、外部突出部を有する締結具を備える。以下で詳細に開示される実施形態では、テーパは直線状であり、したがって、テーパ状導入セクションの外面は、直円錐の部分である。この直線的にテーパ状の導入構造は、締まり嵌め孔における取付力を低減し、その結果、接合部の疲労寿命を延ばし、気密性を高め、電磁気の影響を受けにくくする。直線的にテーパ状の導入構造は、ボルトが、締結される構造に押し込まれるときに材料を徐々に圧縮するのを助けることによって上記を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも一部の実施形態によれば、締まり嵌め締結具は、シャンクと、外部突出部を有する噛合部分との間に配置された移行部分を有する締結具を備え、移行部分は、シャンク/導入部交差部でシャンクと交わるテーパ状導入セクションと、テーパ状導入セクションと交わるアール状導入セクションと、を備える。テーパ状導入セクションは、噛合部分に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状であり20度以下のテーパ角度の第1の輪郭を有し、アール状導入セクションは、第1の軸方向に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する。
【0008】
本明細書で使用される場合、「外部突出部」という用語は、少なくとも以下の種類、すなわち、(1)雄ネジおよび(2)外部環状リングを包含するように広義に解釈されるべきである。例示のために、以下では、雄ネジを有する締結具の例について説明する。しかしながら、本明細書に開示され、特許請求される概念は、外部環状リングを有する締まり嵌め締結具にも適用される。したがって、以下で詳細に開示される主題は、以下の態様のうちの1つ以上によって特徴付けられ得る。
【0009】
以下で詳細に開示される主題の一態様は、第1の孔を有する第1の構造と、第2の孔を有する第2の構造とを締結するための方法であって、第1の孔および第2の孔が、同じ直径を有し、第1の孔と第2の孔とを位置合わせして第1の構造および第2の構造を一緒に配置するステップと、第1の構造の孔の縁部が、20度以下のテーパ角度を有する、噛合部分に向かって徐々にテーパ状の、締結具のテーパ状導入セクションに接触して、これを取り囲むまで、締結具の噛合部分を第1の構造の孔に挿入するステップであって、締結具が、頭部、および頭部とテーパ状導入セクションとを接続する円柱形のシャンクをさらに備え、シャンクが、孔の直径よりも大きい直径を有するステップと、位置合わせされた第1の孔および第2の孔に締結具をさらに押し込んで、シャンクを第1の孔の縁部に接触させ、第1の孔に押し通し、次に、締結具の噛合部分が第2の構造から突出するまで第2の孔に押し通すステップと、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップとを含む方法である。一実施形態によれば、テーパ状導入セクションの外面は、直円錐の部分であり、テーパ状導入セクションの最大直径は、シャンクの直径に等しく、テーパ状導入セクションの最小直径は、第1の孔および第2の孔の直径よりも小さい。一実施形態によれば、締結具は、アール状導入セクションをさらに備え、アール状導入セクションは、テーパ状導入セクションと交わり、噛合部分に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有し、噛合部分の最大直径は、アール状導入セクションの最小直径よりも小さい。
【0010】
本明細書で開示される主題の別の態様は、第1の孔を有する第1の構造と、第2の孔を有する第2の構造とを締結するための方法であって、第1の孔および第2の孔が、同じ孔直径を有し、第1の孔と第2の孔とを位置合わせして第1の構造および第2の構造を一緒に配置するステップと、第1の構造の第1の孔の縁部が締結具のテーパ状導入セクションに接触して、これを取り囲むまで、締結具の噛合部分を第1の孔に挿入するステップであって、テーパ状導入セクションが、噛合部分に向かって徐々にテーパ状であり、締結具が、頭部と、頭部とテーパ状導入セクションとを接続する円柱形のシャンクと、をさらに備え、シャンクが、孔直径よりも大きいシャンク直径を有し、シャンクと第1の孔との間の締め代量(amount of interference)が、0.004インチ以下であるステップと、第1の構造および第2の構造の位置合わせされた孔に締結具をさらに押し込んで、シャンクを第1の孔の縁部に接触させ、第1の孔に押し通し、次に、締結具の噛合部分が第2の構造から突出するまで第2の孔に押し通すステップと、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップと、を含む方法である。
【0011】
本明細書で開示される主題のさらなる態様は、締結具と該締結具に結合された噛合部品とを備える締結具アセンブリであって、締結具が、頭部と、頭部から延在するシャンクであって、円筒形の外面を備え、6/32から16/32インチの範囲のシャンク直径を有するシャンクと、外部突出部を備える噛合部分と、シャンクと噛合部分との間に配置された移行部分と、を備え、移行部分が、シャンク/導入部交差部でシャンクと交わるテーパ状導入セクションと、テーパ状導入セクションと交わるアール状導入セクションと、を備える締結具アセンブリである。第1の態様などでは、テーパ状導入セクションは、噛合部分に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状の第1の輪郭、0.062から0.092インチの範囲のテーパ長さ、および20度以下のテーパ角度を有し、アール状導入セクションは、第1の軸方向に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する。
【0012】
一部の実施形態によれば、締結具は、ボルトを備え、噛合部品は、ボルトの噛合部分の外部突出部と相互係合する雌ネジを有するナットを備える。他の実施形態によれば、締結具は、ピンを備え、噛合部品は、ピンの噛合部分の外部突出部と相互係合するカラーを備える。
【0013】
本明細書で開示される主題のさらに別の態様は、第1の孔を有する第1の構造要素と、第1の構造要素の第1の孔と位置合わせされた第2の孔を有する第2の構造要素と、周囲のスリーブなしに第1の構造要素および第2の構造要素の孔のそれぞれの少なくとも部分を占め、第2の構造要素を越えて延びる締結具と、第2の構造要素に当接し、締結具に結合された噛合部品とを備えるアセンブリであって、締結具が、頭部と、頭部から延在し、円筒形の外面を備えるシャンクと、外部突出部を備える噛合部分と、シャンクと噛合部分との間に配置された移行部分とを備え、移行部分が、シャンク/導入部交差部でシャンクと交わるテーパ状導入セクションと、テーパ状導入セクションと交わるアール状導入セクションとを備えるアセンブリである。テーパ状導入セクションは、噛合部分に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状の第1の輪郭および20度以下のテーパ角度を有し、アール状導入セクションは、第1の軸方向に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する。一部の実施形態によれば、第1の構造要素および第2の構造要素の一方は、複合材料で作られ、第1の構造要素および第2の構造要素の他方は、金属材料で作られる。他の実施形態によれば、どちらの構造要素も、複合材料で作られる。締結具ならびに第1の構造要素および第2の構造要素は、これらの間のスリーブなしに互いに接触する。
【0014】
2つ以上の構造を互いに取り付けるための改善された締まり嵌め締結具の他の態様は以下で開示される。
【0015】
前のセクションで述べた特徴、機能、および利点は、様々な実施形態において単独で達成されてもよいし、さらに他の実施形態において組み合わされてもよい。以下、上で説明した態様および他の態様を例示するために、図面を参照しながら様々な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】締まり嵌めボルトの部分断面図を示す図である。
図2】一実施形態によるテーパ状導入セクションの形状を示す、図1に示されている破線の楕円A内の締まり嵌めボルトの部分図を示す図である。
図3】構造の締まり嵌め孔(interference hole)に押し込まれている最中の締まり嵌めボルトの部分断面図を示す図である。
図4】代替実施形態による、スリーブなしの締まり嵌め締結具アセンブリによって保持された複合構造および金属構造を備えるアセンブリの部分断面図を示す図であり、この締結具アセンブリは、雄ネジを有するピンと、雄ネジと相互係合する雌ネジを有するカラーとを備える。
図5】さらなる実施形態による、スリーブなしの締まり嵌め締結具アセンブリによって保持された複合構造および金属構造を備えるアセンブリの部分断面図を示す図であり、この締結具アセンブリは、雄ネジを有するピンと、雄ネジと相互係合するかしめられたカラーとを備える。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、異なる図面における同様の要素に同じ参照番号が付されている図面を参照する。
【0018】
次に、例示のために締まり嵌め締結具の様々な実施形態について詳細に説明する。以下に開示する詳細の少なくとも一部は、任意選択の特徴または態様に関し、これらは、一部の用途は、本明細書に添付の特許請求の範囲から逸脱することなく省略されてもよい。
【0019】
特に、以下では、2つの構造を互いに取り付けるための締まり嵌め締結具の例示的な実施形態についてある程度詳細に説明する。以下に挙げる例では、一方の構造は、金属材料(例えば、金属合金)で作られ、他方の構造は、複合材料(例えば、繊維強化プラスチック)で作られている。しかしながら、代替例では、どちらの構造も複合材料で作られていてもよいし、あるいは、どちらの構造も金属材料で作られていてもよい。さらに、本明細書で開示する概念は、3つ以上の構造の互いの取付けにも適用されることを理解されたい。
【0020】
図1は、締まり嵌めボルト2(以下、「ボルト2」)の部分断面図を示す図である。ボルト2は、構造の皿穴に埋められるように設計された頭部4と、頭部4から延在するシャンク6とを備える。頭部4は、ドリルセンターディンプル(drill center dimple)28を有する。シャンク6は、円筒形の外面を備える。ボルト2は、ネジ部分8をさらに備え、ネジ部分8は、シャンク6とネジ部分8との間に配置された移行部分10によってシャンク6に接続された雄ネジ8aを備える。ネジ部分8は、六角形の凹部20を有し、六角形の凹部20には、噛合部品を雄ネジ8aの周りで回転させる間にわたってボルト2を適所に保持するために、取付け時にアレンキーを挿入することができる。
【0021】
図2は、図1に示されている破線の楕円A内のボルト2の部分図を示す図である。ボルト2の図示されている部分は、ネジ部分8の始点を表す、不完全ネジ8bの部分を含む。この図は、一実施形態による移行部分10の形状を示す。移行部分10は、シャンク/導入部交差部22(図2では真っすぐな垂直破線で示されている)でシャンク6と交わるテーパ状導入セクション14と、テーパ状導入セクション14と交わるアール状導入セクション16とを備える。移行部分10は、アール状導入セクション16とネジ部分8との間に移行セクション24をさらに備える。この移行セクション24は、ボルト2の中心軸線26の周りを巡る波形の湾曲部によって形作られた外面を有し、テーパ状導入セクション14の最小直径Dよりも小さい直径を有する。さらに、ボルト2のネジ部分8は、最小直径Dよりも小さい最大直径を有する。
【0022】
テーパ状導入セクション14は、ネジ部分8に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状の第1の輪郭を有する。アール状導入セクション16は、第1の軸方向に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する。
【0023】
誤解を避けるために、移行部分10の第1の輪郭および第2の輪郭を以下のように規定する。第1の輪郭は、ボルト2の中心軸線26と交差する平面において、テーパ状導入セクション14の外面の輪郭である。第2の輪郭は、中心軸線26と交差する平面において、アール状導入セクション16の外面である。一実施形態によれば、中心軸線26と交差する平面における、シャンク6の輪郭は、移行部分10の第1の輪郭に接する。テーパ状導入セクション14の直線的にテーパ状の導入構造は、締結される構造にボルト2を押し込むときに材料を徐々に圧縮するのを助ける。
【0024】
ボルト2の寸法は、互いに締結される構造の厚さおよびこれらの構造の位置合わせ孔の直径に応じて変更されることを理解されたい。様々な例によれば、テーパ状導入セクション14のテーパ長さは、シャンク直径が6/32から16/32インチの範囲のボルトまたはピンの場合、0.062インチから0.092インチの範囲内であってもよく、テーパ状導入セクション14のテーパ角度は、20度以下であってもよく、アール状導入セクション16の半径rは、約0.01インチであってもよい。テーパ状導入セクション14の長さLとシャンク直径Dとの関係は、D=-0.4578+10.443Lの関数で表すことができる。
【0025】
第1の孔を有する第1の構造と、第1の孔と同じ直径を有する第2の孔を有する第2の構造とを締結するために、ボルト2のような雄ネジ付き締結具を使用することができる。一実施形態によれば、本方法は、以下のステップ、すなわち、第1の孔と第2の孔とを位置合わせして第1の構造および第2の構造を一緒に配置するステップと、第1の構造の孔の縁部がテーパ状導入セクション14に接触して取り囲むまでボルト2のネジ部分8を第1の構造の孔に挿入するステップと、第1の構造および第2の構造の位置合わせされた孔にボルト2をさらに押し込んで、シャンク6を第1の構造の孔の縁部に接触させ、第1の構造の孔に押し通し、次に、ボルト2のネジ部分8が第2の構造から突出するまで第2の構造の孔に押し通すステップと、ボルト2のネジ部分8に噛合部品を結合するステップとを含む。先に説明したように、テーパ状導入セクション14は、ネジ部分8に向かって徐々にテーパ状になっており、20度以下のテーパ角度を有し、一方、シャンク6は、円柱形であり、第1の孔および第2の孔の直径よりも大きい直径を有する。一実施形態によれば、テーパ状導入セクション14の外面は、直円錐の部分であり、テーパ状導入セクション14の最大直径は、シャンク6の直径に等しく、テーパ状導入セクション14の最小直径は、第1の孔および第2の孔の直径よりも小さい。
【0026】
取付け時、締結される構造の位置合わせされた孔にボルト2を打ち込むために、手動のリベットガンまたは自動システムを使用することができる。図3は、構造18の締まり嵌め孔19に押し込まれている最中のボルト2の一部を示す。ボルト2は、構造18の孔19の直径よりも大きい直径を有する円柱形のシャンク6(シャンク直径と孔の直径との差の2分の1を、以下では「締め代量」と呼ぶ)と、テーパ状導入セクション14と、アール状導入セクション16と、ネジ部分8(雄ネジは図3には図示せず)とを備える。テーパ状導入セクション14の最大直径は、シャンク6の直径に等しく、テーパ状導入セクション14の最小直径は、構造18の孔19の直径よりも小さい。孔19は、ボルト2が締まり嵌め孔19に押し込まれるにつれてテーパ状導入セクション14に沿って摺動する縁部21を有する。縁部21は、アール状であってもよい締め代量(好ましくは0.004インチを超えない)およびテーパ角度に応じて、孔19の縁部21は、ボルトの挿入時にテーパ長さの様々な割合でテーパ状導入セクション14に沿って徐々に摺動される。テーパ状導入セクション14の緩やかなテーパ角度は、力を約300~500lb程度低減し、その結果、構造18の損傷の可能性を低減する。
【0027】
ボルト2は、ネジ部分8が最後の構造から突出するまで、締結される構造の位置合わせされた締まり嵌め孔に押し込まれる。次に、噛合部品(図3には図示せず)が、指定の締付力でネジ部分8に配置される。場合により、噛合部品は、雌ネジを有する開口部と、レンチまたは同様の工具によって係合されるように設計された非円形の締め面(wrenching surface)(例えば、六角形の)とを有するナットの形態をとってもよい。しかしながら、種々のカラーおよびナットが、本明細書に開示されている締結具と互換性があることを理解されたい。図4および図5を参照して、適切なカラーの2つの例について以下で説明する。
【0028】
図4は、代替実施形態による、スリーブなしの締まり嵌め締結具アセンブリによって保持された複合構造30および金属構造32を備えるアセンブリの部分断面図を示す図である。締結具アセンブリは、雄ネジを有する締まり嵌めピン34(以下、「ピン34」)と、ピン34の雄ネジと相互係合する雌ネジを有する残りのカラー部分36aとを備える。図4は、残りのカラー部分36aから分離される前は残りのカラー部分36aに接続されていたカラー締め要素36bも示している。カラー締め要素36bは、レンチまたは同様の工具によって係合されるように設計された非円形の締め面(例えば、六角形の)を有するが、残りのカラー部分36aは、締め面を有しておらず、その結果、カラーの重量は、ナットの重量に比べて低減されている。例えば、残りのカラー部分36aの外形は、円形であってもよい。残りのカラー部分36aおよびカラー締め要素36bのこの最初の接合状態(すなわち、締め作業前の)が、図4の上側の中括弧によって示されているカラー36を形成する。
【0029】
詳細には示していないが、図4に示されているピン34は、図1に見られるボルト2の対応する構造と同様のシャンク6、ネジ部分8、および移行部分10を備える。より具体的には、移行部分10は、図2に示した形状および上記した寸法を有するテーパ状導入セクション14およびアール状導入セクション16を備える。図4は、突出する頭部38を有するピン34を示しているが、ピン34は、代替例では皿穴に埋められる頭部(すなわち、皿頭)を有してもよい。
【0030】
図4に示した種類の締結具アセンブリを取り付ける手順は周知である。このような締結具アセンブリは、電動工具または手動工具を用いて、締結される構造の一方の側から1人で取り付けることができる。この手順は、校正されたトルクレンチおよびトルク検査を必要としない。カラー36は、ピン34のネジ部分8に螺合され、次に、各締結具に指定の予圧が生じるまで締め付けられる。カラー締め要素36bは、図4に示すように、残りのカラー部分36aを残して、設計された予圧で破断する。トルクオフ時のカラー締め要素36bの除去により、締結具アセンブリの重量が節約される。締結具アセンブリは、ロボットシステムを用いてピンを構造に挿入して打ち込み、別のロボットまたは人間によって構造の反対側からカラーを締め付けることで取り付けることもできる。
【0031】
図5は、さらなる実施形態による、スリーブなしの締まり嵌め締結具アセンブリによって保持された複合構造30および金属構造32を備えるアセンブリ(以下では「接合構造」と呼ぶ)の部分断面図を示す図である。この締結具アセンブリ(しばしばロックボルトと呼ばれる)は、雄ネジを有する締まり嵌めピン40(以下、「ピン40」)と、ピン40の雄ネジと相互係合するかしめられたカラー42とを備える。代替実施形態では、ピン40は、雄ネジの代わりに外部環状リングを有してもよい。
【0032】
詳細には示していないが、図5に示されているピン40は、図1に見られるボルト2の対応する構造と同様のシャンク6、ネジ部分8、および移行部分10を備える。より具体的には、移行部分10は、図2に示した形状および上述した寸法を有するテーパ状導入セクション14およびアール状導入セクション16を備える。図5は、皿穴に埋められる頭部(すなわち、皿頭)44を有するピン40を示しているが、ピン40は、代替例では突出する頭部を有してもよい。
【0033】
図5に示すピン40は、接合構造の一方の側に挿入され、かしめられていないカラー(図5には図示せず)は、接合構造の他方の側からピン40に被せて配置される。接合構造の両側への接近が必要である。ロックボルトの取付工程の間に、かしめられていないカラー(隙間嵌め金属リングの形態の)は、ネジ部分8にロック溝を有するピン40の周りで変形される。図5には示していないが、典型的なロックボルトの取付手順の最初に、ピン40がピンテールに接続されることは周知である。次に、工具が、ピンテールに係合される。その後、ピン頭部44が金属構造32へ引っ張られ、かしめられていないカラーが複合構造30に押し付けられて、複合構造30および金属構造32が引き合わされる。次に、工具の円錐形の空洞によってカラーが押し下げられ、これにより、カラーの直径が減少し、より硬いピン40の溝にカラーの材料が徐々にかしめられ、その結果、かしめられたカラー42が形成される。この過程でかしめに必要な力が増加したときに、ピンテール(図示せず)が破断すると、取付けは完了する。ピン40とかしめられたカラー42とが組み合わさって締結具アセンブリを形成する。
【0034】
本明細書に開示されているボルトおよびピンは、好ましくは、チタン合金、アルミニウム合金、インコネル鋼、または耐食鋼のような金属合金で作られる。本明細書に開示されているカラーは、好ましくは、チタン合金、アルミニウム合金、または耐食鋼で作られる。ボルト、ピン、およびカラーは、好ましくはコーティングまたは部分的にコーティングされる。コーティングは、アルミニウム顔料コーティング、固体薄膜潤滑剤、金属めっき(カドミウムめっき、亜鉛ニッケルなど)の任意の組み合わせであってもよい。各コーティングは、上に塗布されるセチルアルコールのような追加の潤滑剤を有してもよい。
【0035】
本明細書に開示されている締まり嵌め締結具は、航空機の製造中の複合材翼構造の組立てに特に有用である。提案したシステムは、既存のシステムに勝る以下の利点を有する。
【0036】
本明細書に開示されている締まり嵌め締結具は、スリーブ要素を除去することによって、提案した締結具アセンブリが製造上の複雑さを低減し、部品コストを低減する点で、スリーブ付きボルトに勝る利点を有する。これらのボルトまたはピンを締まり嵌めで取り付けることにより、従来のスリーブ付きボルトの組立工程に比べて、組立時間が大幅に短縮される。
【0037】
本明細書に開示されている締まり嵌め締結具は、隙間嵌め締結具に比べて締まり嵌め締結具により疲労結果が改善される点で、キャップシールを有する隙間嵌め締結具の取付けに勝る利点を有する。これらの締結具は、航空機の最も疲労しやすい重要な領域に取り付けられる。現在、業界の締結具の半径は、複合材料への締まり嵌めを助ける導入部によって最適化されていない(これは、最適でない導入構造に起因して高い取付力を生じ得る)。本明細書で提案される導入構造は、締結具が孔に「つっかえる」こと、または取付中の構造の過度の損傷を防止するのに役立つ。このシステムはキャップシールを追加する必要がないため、組立時間が短縮される。
【0038】
さらに、本開示は、以下の付記項に係る実施形態を含む。
【0039】
付記項1.第1の孔を有する第1の構造と、第2の孔を有する第2の構造とを締結するための方法であって、第1の孔および第2の孔が、同じ直径を有し、第1の孔と第2の孔とを位置合わせして第1の構造および第2の構造を一緒に配置するステップと、第1の構造の第1の孔の縁部が、20度以下のテーパ角度を有する、噛合部分に向かって徐々にテーパ状の、締結具のテーパ状導入セクションに接触して、これを取り囲むまで、締結具の噛合部分を第1の孔に挿入するステップであって、締結具が、頭部、および頭部とテーパ状導入セクションとを接続する円柱形のシャンクをさらに備え、シャンクが、第1の孔および第2の孔の直径よりも大きい直径を有するステップと、第1の構造および第2の構造の位置合わせされた孔に締結具をさらに押し込んで、シャンクを第1の孔の縁部に接触させ、第1の孔に押し通し、次に、締結具の噛合部分が第2の構造から突出するまで第2の孔に押し通すステップと、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップとを含む方法。
【0040】
付記項2.テーパ状導入セクションの外面が、直円錐の部分である、付記項1に記載の方法。
【0041】
付記項3.テーパ状導入セクションの最大直径が、シャンクの直径に等しく、テーパ状導入セクションの最小直径が、第1の孔および第2の孔の直径よりも小さい、付記項1または2に記載の方法。
【0042】
付記項4.締結具が、アール状導入セクションをさらに備え、アール状導入セクションが、テーパ状導入セクションと交わり、噛合部分に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する、付記項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0043】
付記項5.噛合部分の最大直径が、アール状導入セクションの最小直径よりも小さい、付記項4に記載の方法。
【0044】
付記項6.第1の孔を有する第1の構造と、第2の孔を有する第2の構造とを締結するための方法であって、第1の孔および第2の孔が、同じ孔直径を有し、
第1の孔と第2の孔とを位置合わせして第1の構造および第2の構造を一緒に配置するステップと、第1の構造の第1の孔の縁部が、噛合部分に向かって徐々にテーパ状の、締結具のテーパ状導入セクションに接触して、これを取り囲むまで、締結具の噛合部分を第1の孔に挿入するステップであって、締結具が、頭部、および頭部とテーパ状導入セクションとを接続する円柱形のシャンクをさらに備え、シャンクが、孔直径よりも大きいシャンク直径を有し、シャンクと第1の孔との間の締め代量が、0.004インチ以下であるステップと、第1の構造および第2の構造の位置合わせされた孔に締結具をさらに押し込んで、シャンクを第1の孔の縁部に接触させ、第1の孔に押し通し、次に、締結具の噛合部分が第2の構造から突出するまで第2の孔に押し通すステップと、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップと
を含む方法。
【0045】
付記項7.噛合部品が、最初はカラー締め要素に接続されているカラーであり、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップが、カラーを噛合部分に螺合し、次に、カラー締め要素を破断させるのに十分な予圧が生じるまで締め付けることを含む、付記項6に記載の方法。
【0046】
付記項8.噛合部品が、カラーであり、噛合部品を締結具の噛合部分に結合するステップが、カラーをかしめることを含む、付記項6または7に記載の方法。
【0047】
付記項9.テーパ状導入セクションの外面が、直円錐の部分である、付記項6、7、または8に記載の方法。
【0048】
付記項10.テーパ状導入セクションの最大直径が、シャンクの直径に等しく、テーパ状導入セクションの最小直径が、第1の孔および第2の孔の直径よりも小さい、付記項6から9のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
付記項11.締結具が、アール状導入セクションをさらに備え、アール状導入セクションが、テーパ状導入セクションと交わり、噛合部分に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有する、付記項6から10のいずれか一項に記載の方法。
【0050】
付記項12:噛合部分の最大直径が、アール状導入セクションの最小直径よりも小さい、付記項11に記載の方法。
【0051】
付記項13:第1の孔を有する第1の構造要素と、第1の構造要素の第1の孔と位置合わせされた第2の孔を有する第2の構造要素と、周囲のスリーブなしに第1の構造要素および第2の構造要素の第1の孔および第2の孔のそれぞれの少なくとも部分を占め、第2の構造要素を越えて延びる締結具と、第2の構造要素に当接し、締結具に結合された噛合部品とを備えるアセンブリであって、締結具が、頭部と、頭部から延在し、円筒形の外面を備えるシャンクと、外部突出部を備える噛合部分と、シャンクと噛合部分との間に配置された移行部分とを備え、移行部分が、シャンク/導入部交差部でシャンクと交わるテーパ状導入セクションと、テーパ状導入セクションと交わるアール状導入セクションとを備え、テーパ状導入セクションが、噛合部分に向かう第1の軸方向に向かって徐々にテーパ状になっており、直線状の第1の輪郭および20度以下のテーパ角度を有し、アール状導入セクションが、第1の軸方向に向かって急に湾曲しており、所定半径を有する円弧である第2の輪郭を有するアセンブリ。
【0052】
付記項14.締結具のシャンクならびに第1の構造要素および第2の構造要素が、これらの間のスリーブなしに互いに接触する、付記項13に記載のアセンブリ。
【0053】
付記項15.第1の構造要素および第2の構造要素の一方が、複合構造であり、第1の構造要素および第2の構造要素の他方が、金属構造である、付記項13または14に記載のアセンブリ。
【0054】
付記項16.噛合部品が、締結具の噛合部分の外部突出部と相互係合する雌ネジを備える、付記項13、14、または15に記載のアセンブリ。
【0055】
付記項17.噛合部品が、締結具の噛合部分の外部突出部と相互係合するかしめられたカラーを備える、付記項13から16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0056】
付記項18.第1の輪郭が、締結具の中心軸線と交差する平面内において、テーパ状導入セクションの外面の輪郭であり、第2の輪郭が、締結具の中心軸線と交差する平面において、アール状導入セクションの外面である、付記項13から17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0057】
付記項19.テーパ状導入セクションの最大直径が、シャンクの直径に等しく、テーパ状導入セクションの外面が、直円錐の部分である、付記項13から18のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0058】
付記項20.噛合部分の最大直径が、アール状導入セクションの最小直径よりも小さい、付記項13から19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0059】
2つの構造を互いに取り付けるための締まり嵌め締結具について、様々な実施形態を参照して説明したが、当業者ならば、以下に記載の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を均等物で置き換えることができることを理解するであろう。さらに、特許請求の範囲から逸脱することなく、本明細書の教示を特定の状況に適合させるために多くの修正を行うことができる。
【0060】
特許請求の範囲で使用される場合、「外部突出部」という用語は、少なくとも以下の種類、すなわち、(1)雄ネジおよび(2)外部環状リングを包含するように広義に解釈されるべきである。特許請求の範囲で使用される場合、「噛合部品」というカテゴリは、雌ネジ付きナットおよびカラーおよびかしめされるカラーを含む。特許請求の範囲で使用される場合、「締結具アセンブリ」という用語は、少なくとも以下のそれぞれ、すなわち、(1)互いに結合されるボルトおよびナット、(2)互いに結合されるボルトおよびカラー、(3)互いに結合されるピンおよびカラー、および(4)互いに結合されるピンおよびナットとして読まれるように広義に解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
2 締まり嵌めボルト,ボルト、4 頭部、6 シャンク、8 ネジ部分、8a 雄ネジ、8b 不完全ネジ、10 移行部分、14 テーパ状導入セクション、16 アール状導入セクション、18 構造、19 締まり嵌め孔、20 六角形の凹部、21 縁部、22 シャンク/導入部交差部、24 移行セクション、26 中心軸線、28 ドリルセンターディンプル、30 複合構造、32 金属構造、34 締まり嵌めピン、36 カラー、36a カラー部分、36b カラー締め要素、38 突出する頭部、40 締まり嵌めピン、42 かしめられたカラー、44 ピン頭部
図1
図2
図3
図4
図5