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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】端末装置、方法、および、集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/20 20180101AFI20220926BHJP
   H04W 92/10 20090101ALI20220926BHJP
   H04W 36/14 20090101ALI20220926BHJP
【FI】
H04W76/20
H04W92/10
H04W36/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017253553
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019121833
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】特許業務法人SBPJ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(74)【代理人】
【識別番号】100160783
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】堀 貴子
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-529763(JP,A)
【文献】Sharp,Handling of EPS bearer identity in EN-DC[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713864,2017年11月27日
【文献】Sharp,PDCP version change for MCG DRBs with handover[online],3GPP TSG RAN WG2 #99bis R2-1711816,2017年09月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数の基地局装置と通信行う端末装置であって、
前記一つ又は複数の基地局装置からData Radio Bearer(DRB設定を含むRadio Resource Control(RRCコネクション再設定メッセージを受信する受信部と、
前記DRB設定、DRB識別子及びEvolved Packet System(EPSベアラ識別子
前記RRCコネクション再設定メッセージがPacket Data Convergence Protocol(PDCP)バージョンチェンジに関する情報を含むかを判断し、
前記RRCコネクション再設定メッセージが前記PDCPバージョンチェンジに関する情報を含む場合、
前記DRB設定に従って前記DRB識別子に対応するDRBを確立し、
前記DRBの確立時に、前記DRB識別子が前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合、且つ、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信する前に、前記EPSベアラ識別子に対し前記DRBが設定されていた場合には、前記確立されたDRB前記EPSベアラ識別子と関連付ける処理部と、を有する、
端末装置。
【請求項2】
一つ又は複数の基地局装置と通信行う端末装置の通信方法であって、
前記一つ又は複数の基地局装置からData Radio Bearer(DRB設定を含むRadio Resource Control(RRCコネクション再設定メッセージを受信し、
前記DRB設定、DRB識別子及びEvolved Packet System(EPSベアラ識別子
前記RRCコネクション再設定メッセージがPacket Data Convergence Protocol(PDCP)バージョンチェンジに関する情報を含むかを判断し、
前記RRCコネクション再設定メッセージが前記PDCPバージョンチェンジに関する情報を含む場合、
前記DRB設定に従って前記DRB識別子に対応するDRBを確立し、
前記DRBの確立時に、前記DRB識別子が前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合、且つ、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信する前に、前記EPSベアラ識別子に対し前記DRBが設定されていた場合には、前記確立されたDRB前記EPSベアラ識別子と関連付ける、
通信方法。
【請求項3】
端末装置と通信を行う基地局装置であって、
前記端末装置に、Data Radio Bearer(DRB)設定を含むRadio Resource Control(RRC)コネクション再設定メッセージを送信する送信部を有し、
前記DRB設定は、DRB識別子及びEvolved Packet System(EPS)ベアラ識別子を含み、
前記端末装置の処理部は、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信した後に、
前記RRCコネクション再設定メッセージがPacket Data Convergence Protocol(PDCP)バージョンチェンジに関する情報を含むかを判断し、
前記RRCコネクション再設定メッセージが前記PDCPバージョンチェンジに関する情報を含む場合、
前記DRB設定に従って前記DRB識別子に対応するDRBを確立し、
前記DRBの確立時に、前記DRB識別子が前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合、且つ、前記端末装置によって前記RRCコネクション再設定メッセージが受信される前に、前記EPSベアラ識別子に対し前記DRBが設定されていた場合には、前記確立されたDRBを前記EPSベアラ識別子と関連付ける、
基地局装置。
【請求項4】
端末装置と通信を行う基地局装置の通信方法であって、
前記端末装置に、Data Radio Bearer(DRB)設定を含むRadio Resource Control(RRC)コネクション再設定メッセージを送信し、
前記DRB設定は、DRB識別子及びEvolved Packet System(EPS)ベアラ識別子を含み、
前記端末装置は、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信した後に、
前記RRCコネクション再設定メッセージがPacket Data Convergence Protocol(PDCP)バージョンチェンジに関する情報を含むかを判断し、
前記RRCコネクション再設定メッセージが前記PDCPバージョンチェンジに関する情報を含む場合、
前記DRB設定に従って前記DRB識別子に対応するDRBを確立し、
前記DRBの確立時に、前記DRB識別子が前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合、且つ、前記端末装置によって前記RRCコネクション再設定メッセージが受信される前に、前記EPSベアラ識別子に対し前記DRBが設定されていた場合には、前記確立されたDRBを前記EPSベアラ識別子と関連付ける、
基地局装置の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、方法、および、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ-移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution(LTE:登録商標)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access:EUTRA」と称する。)、及びコアネットワーク(以下、「Evolved Packet Core:EPC」)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)において検討されている。
【0003】
また、3GPPにおいて、第5世代のセルラ-システムに向けた無線アクセス方式および無線ネットワーク技術として、LTEの拡張技術であるLTE-Advanced Proおよび新しい無線アクセス技術であるNR(New Radio technology)の技術検討及び規格策定が行われている(非特許文献1)。また第5世代セルラーシステムに向けたコアネットワークである、5GC(5 Generation Core Network)の検討も行われている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP RP-170855,”Work Item on New Radio (NR) Access Technology”
【文献】3GPP TS 23.501,“System Architecture for the 5G System; Stage 2”
【文献】3GPP TS 36.300, “Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA)and Evolved Universal Terestrial Radio Access Network (E-UTRAN);Overall description; Stage 2”
【文献】3GPP TS 36.331,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【文献】3GPP TS 36.323,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”
【文献】3GPP TS 36.322,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Radio Link Control (RLC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 36.321,“Evolved Universal Terestrial Radio Access (E-UTRA);Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 37.374,“EvolvedUniversal Terestrial Radio Access (E-UTRA)and NR; Multi-Connectivity; Stage 2”
【文献】3GPP TS 38.300, “NR;NR and NG-RAN Overall description; Stage 2”
【文献】3GPP TS 38.331,“NR;Radio Resource Control (RRC);Protocol specifications”
【文献】3GPP TS 38.323,“NR;Packet Data Convergence Protocol (PDCP) specification”
【文献】3GPP TS 38.322,“NR;Radio Link Control (RLC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 38.321,“NR;Medium Access Control (MAC) protocol specification”
【文献】3GPP TS 23.401 v14.3.0,“General Packet Radio Service (GPRS) enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN) access”
【文献】3GPP TS 23.502,“Procedure for 5G System; Stage 2”
【文献】3GPP TS 38.324, “NR;Service Data Adaptation Protocol (SDAP) specification”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
NRの技術検討の一つとして、E-UTRAとNRの両方のRAT(Radio Access Technology)のセルをRAT毎にセルグループ化してUEに割り当て、端末装置と1つ以上の基地局装置とが通信する仕組み(MR-DC:Multi-RAT Dual Connectivity)が検討されている(非特許文献8)。
【0006】
しかしながら、E-UTRAとNRとで利用する通信プロトコルのフォーマットや機能が異なるため、RATとしてE-UTRAのみを用いる従来のLTEでのDual Connectivityに比べ、プロトコル処理が複雑になり、基地局装置と端末装置との通信を効率的に行うことができないという課題があった。
【0007】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、基地局装置との通信を効率的に行うことができる端末装置、該端末装置に用いられる方法、該端末装置に実装される集積回路を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の一態様は、一つ又は複数の基地局装置と通信と行う端末装置であって、前記基地局装置からDRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に、DRB識別子及びEPSベアラ識別子が含まれ、前記DRB識別子が、前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合で、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信する前に、前記EPSベアラ識別子に対しDRBが設定されていた場合には、前記DRB設定に従って設定したDRBと、前記EPSベアラ識別子とを関連付ける処理部と、を有する。
【0009】
また本発明の一態様は、一つ又は複数の基地局装置と通信と行う端末装置であって、前記基地局装置からDRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に、DRB識別子及びEPSベアラ識別子が含まれ、前記DRB識別子が、前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合で、前記RRCコネクション再設定メッセージにPDCPバージョンチェンジである事を示す情報を含む場合には、前記DRB設定に従って確立したDRBと、前記EPSベアラ識別子とを関連付ける処理部と、を有する。
【0010】
また本発明の一態様は、一つ又は複数の基地局装置と通信と行う端末装置であって、前記基地局装置からDRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを受信する受信部と、前記DRB設定に、DRB識別子及びEPSベアラ識別子が含まれ、前記DRB識別子が、前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合で、前記DRB設定に、関連付けの指示がセットされていた場合には、前記DRB設定に従って確立したDRBと、前記EPSベアラ識別子とを関連付ける処理部と、を有する。
【0011】
また本発明の一態様は、一つ又は複数の基地局装置と通信と行う端末装置の方法であって、前記基地局装置からDRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージを受信し、前記DRB設定に、DRB識別子及びEPSベアラ識別子が含まれ、前記DRB識別子が、前記端末装置の現在の設定の一部ではない場合で、前記RRCコネクション再設定メッセージを受信する前に、前記EPSベアラ識別子に対しDRBが設定されていた場合には、前記DRB設定に従って設定したDRBと、前記EPSベアラ識別子とを関連付ける。
【0012】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、端末装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減し、効率的に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の各実施の形態に係る通信システムの概略図。
図2】本発明の各実施の形態における、E-UTRAにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
図3】本発明の各実施の形態における、NRにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック図。
図4】本発明の各実施の形態におけるRRCコネクション再設定手順のフローの一例を示す図
図5】本発明の各実施の形態における端末装置の構成を示すブロック図。
図6】本発明の各実施の形態におけるDRB設定に係る情報、及び情報のASN.1(Abstract Syntax Notation One)記述の一例を示す図。
図7】本発明の実施の形態1における処理方法の一例。
図8】本発明の実施の形態1における処理方法の別の一例。
図9】本発明の実施の形態2における処理方法の一例。
図10】本発明の実施の形態3における処理方法の一例。
図11】本発明の実施の形態3における処理方法の第二の一例。
図12】本発明の実施の形態3における処理方法の第三の一例。
図13】本発明の実施の形態4における処理方法の一例。
図14】本発明の実施の形態4における処理方法の第二の一例。
図15】本発明の実施の形態4における処理方法の第三の一例。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
LTE(およびLTE-A Pro)とNRは、異なるRATとして定義されてもよい。またNRは、LTEに含まれる技術として定義されてもよい。LTEは、NRに含まれる技術として定義されてもよい。また、NRとMulti RAT Dual connectivityで接続可能なLTEは、従来のLTEと区別されてもよい。本実施形態はNR、LTEおよび他のRATに適用されてよい。以下の説明では、LTEおよびNRに関連する用語を用いて説明するが、他の用語を用いる他の技術において適用されてもよい。また本実施形態でのE-UTRAという用語は、LTEという用語に置き換えられても良いし、LTEという用語はE-UTRAという用語に置き換えられても良い。
【0017】
図1は本発明の実施の形態に係る通信システムの概略図である。
【0018】
E-UTRA100は非特許文献3等に記載の無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。eNB(E-UTRAN Node B)102は、E-UTRAの基地局装置である。EPC(Evolved Packet Core)104は、非特許文献14等に記載のコア網であり、E-UTRA用コア網として設計された。インタフェース112はeNB102とEPC104の間のインタフェース(interface)であり、制御信号が通る制御プレーン(Control Plane:CP)と、そのユーザデータが通るユーザプレーン(User Plane:UP)が存在する。
【0019】
NR106は現在3GPPにて検討している新しい無線アクセス技術であり、1つ又は複数の周波数帯域で構成するセルグループ(Cell Group:CG)から成る。gNB(g Node B)108は、NRの基地局装置である。5GC110は、現在3GPPにて検討しているNR用の新しいコア網であり、非特許文献2等に記載される。
【0020】
インタフェース114はeNB102と5GC110の間のインタフェース、インタフェース116はgNB108と5GC110の間のインタフェース、インタフェース118はgNB108とEPC104の間のインタフェース、インタフェース120はeNB102とgNB108の間のインタフェース、インタフェース124はEPC104と5GC110間のインタフェースである。インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、インタフェース124はCPのみ、又はUPのみ、又はCP及びUP両方を通すインタフェースであるが詳細は3GPPにおいて議論中である。また、インタフェース114、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、インタフェース124は、通信事業者が提供する通信システムに応じて存在しない場合もある。
【0021】
UE122はNRに対応、又はE-UTRA及びNR両方に対応した端末装置である。
【0022】
図2は本発明の実施の形態における、E-UTRA無線アクセスレイヤにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0023】
図2(A)はUE122がeNB102と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0024】
PHY(Physical layer)200は、無線物理層であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY200は、後述する上位のMAC(Medium Access Control layer)202とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC202とPHY200の間でデ-タが移動する。UE122とeNB102のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われる。
【0025】
MAC202は、多様な論理チャネル(Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC202は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)204と、論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC202は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY200の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持つ(非特許文献7)。
【0026】
RLC204は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)206から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節する。また、RLC200は、各デ-タが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC204は、デ-タの再送制御等の機能を持つ(非特許文献6)。
【0027】
PDCP206は、ユーザデータであるIPパケット(IP Packet)を無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP206は、デ-タの暗号化の機能も持ってもよい(非特許文献5)。
【0028】
なお、MAC202、RLC204、PDCP206において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDUと呼ぶ。また、MAC202、RLC204、PDCP206に上位層から渡されるデータ、又は上位層に渡すデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDUと呼ぶ。
【0029】
図2(B)はUE122がeNB102と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0030】
CPのプロトコルスタックには、PHY200、MAC202、RLC204、PDCP206に加え、RRC(Radio Resource Control layer)208が存在する。RRC208は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定などを行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。eNB102とUE122のRRC208間で各RBの設定が行われてもよい(非特許文献4)。
【0031】
前述のMAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208の機能分類は
一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。
【0032】
図3は本発明の実施の形態における、NR無線アクセスレイヤにおける端末装置と基地局装置のUP及びCPのプロトコルスタック(Protocol Stack)図である。
【0033】
図3(A)はUE122がgNB108と通信を行う際に用いるUPのプロトコルスタック図である。
【0034】
PHY(Physical layer)300は、NRの無線物理層であり、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供してもよい。PHY300は、後述する上位のMAC(Medium Access Control layer)302とトランスポートチャネル(Transport Channel)で接続されてもよい。トランスポートチャネルを介して、MAC302とPHY300の間でデ-タが移動してもよい。UE122とgNB108のPHY間において、無線物理チャネルを介してデ-タの送受信が行われてもよい。詳細においてはE-UTRAの無線物理層PHY200とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0035】
MAC302は、多様な論理チャネル(Logical Channel)を多様なトランスポートチャネルにマッピングを行ってもよい。MAC302は、後述する上位のRLC(Radio Link Control layer)304と、論理チャネルで接続されてもよい。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユ-ザ情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられてもよい。MAC302は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY300の制御を行う機能、ランダムアクセス(Random Access)手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能などを持ってもよい(非特許文献13)。詳細においてはE-UTRAのMAC202とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0036】
RLC304は、後述する上位のPDCP(Packet Data Convergence Protocol Layer)206から受信したデ-タを分割(Segmentation)し、下位層が適切にデ-タ送信できるようにデ-タサイズを調節してもよい。また、RLC304は、各デ-タが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持っても良い。すなわち、RLC304は、デ-タの再送制御等の機能を持っても良い(非特許文献12)。詳細においてはE-UTRAのRLC204とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0037】
PDCP306は、ユーザデータであるIPパケット(IP Packet)を無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持ってもよい。また、PDCP306は、デ-タの暗号化の機能も持ってもよい(非特許文献11)。詳細においてはE-UTRAのPDCP206とは異なり、3GPPにおいて議論中である。
【0038】
SDAP(Service Data Adaptation Protocol)310は、コアネットワークから基地局装置を介して端末装置に送られるダウンリンクのQoSフローとDRBとのマッピング(mapping)、及び端末装置から基地局装置を介してコアネットワークに送られるアップリンクのQoS情報フローと、DRBとのマッピングを行い、マッピングルール情報を格納する機能を持ってもよい(非特許文献16)。QoSフローは同じQoSポリシーによって処理される、一つ又は複数のサービスデー
タフロー(Service Data Flow:SDF)から成る(非特許文献2)。またSDAPはダウンリンクQoSフローの情報を基に、アップリンクのQoSフローとDRBとのマッピングを行う、リフレクティブQoS(Reflective QoS)の機能を持っても良い(非特許文献2、非特許文献16)。詳細においては3GPPにおいて議論中である。
【0039】
なお、IPレイヤ、及びIPレイヤより上のTCP(Transmission Control Protocol)レイヤ、UDP(User Datagram Protocol)レイヤ、アプリケーションレイヤなどは、SDAPの上位レイヤとなる(不図示)。また端末装置のSDAPにおいて、サービスデータフローとQoSフローとの対応付けを行うレイヤも、SDAPの上位レイヤとなる。
【0040】
なお、MAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310において処理されたデータの事を、それぞれMAC PDU(Protocol Data Unit)、RLC PDU、PDCP PDU、SDAP PDUと呼んでも良い。また、MAC202、RLC204、PDCP206に上位層から渡されるデータ、又は上位層に渡すデータの事を、それぞれMAC SDU(Service Data Unit)、RLC SDU、PDCP SDU、SDAP SDUと呼んでも良い。
【0041】
図3(B)はUE122がgNB108と通信を行う際に用いるCPのプロトコルスタック図である。
【0042】
CPのプロトコルスタックには、PHY300、MAC302、RLC304、PDCP306に加え、RRC(Radio Resource Control layer)308が存在する。RRC308は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定などを行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行っても良い。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio
Bearer:SRB)とデ-タ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられてもよく、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用されてもよい。DRBは、ユーザデータを送信する経路として利用されてもよい。gNB108とUE122のRRC308間で各RBの設定が行われてもよい(非特許文献10)。
【0043】
前述のMAC302、RLC304、PDCP306、SDAP310、及びRRC308の機能分類は一例であり、各機能の一部あるいは全部が実装されなくてもよい。また、各層の機能の一部あるいは全部が他の層に含まれてもよい。
【0044】
なお、本発明の実施の形態では、以下E-UTRAのプロトコルとNRのプロトコルを区別するため、MAC202、RLC204、PDCP206、及びRRC208を、それぞれE-UTRA用MAC又はLTE用MAC、E-UTRA用RLC又はLTE用RLC、E-UTRA用PDCP又はLTE用PDCP、及びE-UTRA用RRC又はLTE用RRCと呼ぶ事もある。また、MAC302、RLC304、PDCP306、RRC308を、それぞれNR用MAC、NR用RLC、NR用RLC、及びNR用RRCと呼ぶ事もある。又は、E-UTRA PDCP又はLTE PDCP、NR PDCPなどとスペースを用いて記述する場合もある。
【0045】
また、図1に示す通り、eNB102、gNB108、EPC104、5GC110は、インタフェース112、インタフェース116、インタフェース118、インタフェース120、及びインタフェース114を介して繋がってもよい。このため、多様な通信システムに対応するため、図2のRRC208は、図3のRRC308に置き換えられても
よい。また図2のPDCP206は、図3のPDCP306に置き換えられても良い。また、図3のRRC308は、図2のRRC208の機能を含んでも良い。また図3のPDCP306は、図2のPDCP206であっても良い。
【0046】
(実施の形態1)
図1図2及び図4から図8を用いて、本発明の実施の形態1を説明する。
【0047】
図4は本発明の各実施の形態におけるRRCコネクション再設定手順のフローの一例を示す図である。
【0048】
RRCコネクション再設定手順(RRC Connection Reconfigu
ration)は、非特許文献4に記載の、LTEにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセカンダリセルの、変更、解放等を行う他、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等のために用いられる手順である。またRRCコネクション再設定手順は、MR-DCにおいて、特にコア網がEPC104で、マスターノードがeNB102である場合のMR-DCである、EN-DC(E-UTRA-NR Dual Connectivity)、及びコア網が5GC110で、マスターノードがeNB102である場合のMR-DCである、NGEN-DC(NG-RAN E-UTRA-NR Dual Connectivity)においては、RRCコネクション再設定手順は、LTEだけでなく、非特許文献10に記載の、NRにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセカンダリセルの、変更、解放等の一部を行う他、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等の一部を行うためにも用いられる。本発明の各実施の形態において、NRにおけるRBの確立、変更、及び解放、及びセルグループの追加、変更、解放、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等のために用いられ手順を、RRCコネクション再設定手順と呼ぶが、別の名称であっても良い。また本発明の各実施の形態におけるRBの確立、変更、及び解放、及びセルグループの追加、変更、解放、ハンドオーバ及び測定(Mesurement)等の手順は、非特許文献10に記載のNRにおける手順であっても良く、RRC再設定手順という名称であっても良い。また本発明の各実施の形態において、eNB102からUE122に送られるRRCコネクション再設定メッセージ(RRCConnectionReconfigration)は、gNB108からUE122に送られるRRC再設定メッセージRRCReconfigration)に置き換えられても良い。
【0049】
RRCコネクション再設定手順において、UE122はeNB102よりRRCコネクション再設定メッセージ(RRCConnectionReconfigration)を受信し(ステップS400)、RRCコネクション再設定メッセージに含まれる情報に従って各種設定、例えばDRBの設定などの処理を行う(ステップS402)。ステップS402の後、UE122はeNB102に、RRCコネクション再設定完了メッセージ(RRCConnectionReconfigrationComplete)などを送っても良い(不図示)。
【0050】
図5は本発明の各実施の形態における端末装置(UE122)の構成を示すブロック図である。なお、説明が煩雑になることを避けるために、図5では、本発明と密接に関連する主な構成部のみを示す。
【0051】
図5に示すUE122は、eNB102よりRRCコネクション再設定メッセージを受信する受信部500、及びメッセージの処理を行う処理部502から成る。
【0052】
図6は本発明の各実施の形態において、図4におけるRRCコネクション再設定メッセージに含まれる情報のうち、EN-DC及びNGEN-DCにおけるマスターノードのセ
ルグループにおけるDRB設定のうち、LTEに係る情報、及び情報のASN.1(Abstract Syntax Notation One)記述の一例である。3GPPにおいて、RRCに係る仕様書(非特許文献4、非特許文献10)は、RRCに係るメッセージ、及び情報(Information Element:IE)等をASN.1を用いて記述する。図6のASN.1の例で、<略>及び<中略>とは、ASN.1の表記の一部ではなく、他の情報を省略している事を示す。なお<略>又は<中略>という記載の無い所でも、情報が省略されていても良い。なお図6におけるASN.1の例はASN.1表記方法に正しく従ったものではなく、本発明におけるDRB設定のパラメータの一例を表記したものであり、他の名称や他の表記が使われても良い。また図6におけるASN.1の例は、説明が煩雑になることを避けるために、本発明と密接に関連する主な情報に関する例のみを示す。
【0053】
図6においてfullConfigで表される情報は、フル設定が適用される事を示す情報であり、true、enableなどを用いてフル設定が適用される事を示しても良い。DRB-ToAddModListで表される情報は、DRBToAddModで表される、追加又は変更するDRBの設定を示す情報のリストであっても良い。DRB-ToAddMod(追加又は変更するDRBの設定を示す情報)の中の、eps-BearerIdentityで表される情報は、非特許文献3に説明されるEPSベアラを識別する、EPSベアラ識別子の情報であっても良い。図6の例では0から15の整数値としているが、別の値を取っても良い。EPSベアラ識別子の情報は、設定するDRBと一対一に対応していても良い。また追加又は変更するDRBの設定を示す情報の中の、DRB-Identityで表される情報は、追加又は変更するDRBのDRB識別子の情報である。図6の例では1から32の整数値としているが、別の値を取っても良い。また追加又は変更するDRBの設定を示す情報の中の、pdcp-Configで表される情報はPDCP206の確立や変更を行うための、LTE PDCPエンティティの設定に関する情報であっても良い。
【0054】
また図6に示す一部、又は全ての情報は、オプショナルであっても良い。即ち図6に示す情報は必要に応じてRRCコネクション再設定メッセージに含まれても良い。例えばEN-DCに対応したUE122におけるDRBのPDCPとして、LTE PDCPを使う場合には、LTE PDCPエンティティの設定に関する情報が含まれても良いし、NR PDCPを利用する場合には、LTE PDCPエンティティの設定に関する情報は含まれなくても良い。
【0055】
なお、UE122において、PDCPエンティティの設定は、対応するRRCエンティティによって設定される。即ちLTE PDCPエンティティ設定は、非特許文献4に記載のLTE用RRCエンティティによって設定され、NR PDCPエンティティの設定は、非特許文献10に記載のNR用RRCエンティティによって設定される。また、LTE用RRCエンティティで行われる処理では、LTE PDCPが確立、若しくは設定されているかを判断し、NR用RRCエンティティで行われる処理では、NR PDCPが確立、若しくは設定されているかを判断する。なお、UE122は、eNB102から受信したRRCコネクション再設定メッセージの中に、NR PDCPエンティティの設定関する情報などの、NRに関する設定の情報がコンテナ等の形で含まれる場合には、NR
RRCエンティティにてデコードし設定を行う。
【0056】
なお、本発明の各実施の形態において、以下、追加又は変更するDRBの設定を示す情報の事をDRB設定、EPSベアラ識別子の情報の事をEPSベアラ識別子、DRB識別子の情報事をDRB識別子、LTE PDCPエンティティの設定に関する情報の事をLTE PDCP設定、とそれぞれ記述する場合もある。
【0057】
図7図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態1における処理方法の一例を、図8図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態1における処理方法の別の一例を、それぞれ示す。なお、以下の説明で、DRB設定は、DRB設定のリストに含まれるものとし、UE122の処理部502におけるDRB設定に対する処理は、DRB設定のリストに含まれる、各DRB設定に対して行われるものとする。
【0058】
図5から図7を用いて、DRB設定手順の例を説明する。
【0059】
UE122の処理部502は、受信部500より受信した、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージに、フル設定が適用される事を示す情報が含まれる事を確認する(ステップS700)。
【0060】
次にUE122の処理部502は、上記DRB設定に含まれるDRB識別子の値が、UE122の現在設定の一部で無い場合で、かつ上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立している場合には、上記確立されたDRBと、上記EPSベアラ識別子を関連付ける(ステップS702)。UE122の処理部502は、上記DRB設定に含まれるDRB識別子の値が、UE122の現在設定の一部で無い場合で、かつ上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立していない場合には、上記確立されたDRBと、上記EPSベアラ識別子を関連付けない。なお、上記「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立している場合」は、「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTEによってPDCPエンティティが確立している場合」と置き換えても良いし、「上記DRB設定にLTE PDCPエンティティ設定が含まれている場合」と置き換えても良い。なお、「LTE PDCPエンティティが確立している場合」とは、PDCPエンティティの確立が、LTE用RRCエンティティで確立されている場合を示し、「DRB設定にLTE PDCP設定が含まれる」とはLTE用RRCエンティティのDRB設定にPDCP設定が含まれる事を示す。なお、上記「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立していない場合」は、「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTEによってPDCPエンティティが確立していない場合」と置き換えても良いし、「上記DRB設定にLTE PDCPエンティティ設定が含まれていない場合」と置き換えても良い。なお、「LTE PDCPエンティティが確立していない場合」とは、PDCPエンティティの確立が、LTE用RRCエンティティで確立されていない場合を示し、「DRB設定にLTE PDCP設定が含まれない」とはLTE用RRCエンティティのDRB設定にPDCP設定が含まれない事を示す。
【0061】
なお、図7において、各情報を確認する順番はこの通りで無くても良い。フル設定が適用される事を示す情報が含まれる事の確認は、ステップS702において、DRB識別子の情報の値が、UE122の現在設定の一部で無い事を確認した後、若しくはLTE PDCPエンティティが確立されている事を確認した後に行われても良い。
【0062】
次に図5図6及び図8を用いて、DRB設定手順の別の例を説明する。
【0063】
UE122の処理部502は、受信部500より受信した、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージに、フル設定が適用される事を示す情報が含まれない事を確認する(ステップS800)。
【0064】
次にUE122の処理部502は、上記DRB設定に含まれるDRB識別子の値が、UE122の現在設定の一部で無い場合で、かつ上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立している場合には、DRBが確立されたという
情報と、上記確立されたDRBのEPSベアラ識別子を、上位レイヤに通知する(ステップS802)。UE122の処理部502は、上記DRB設定に含まれるDRB識別子の値が、UE122の現在設定の一部で無い場合で、かつ上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立していない場合には、DRBが確立されたという情報と、上記確立されたDRBのEPSベアラ識別子を、上位レイヤに通知しない。なお、上記「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立している場合」は、「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTEによってPDCPエンティティが確立している場合」と置き換えても良いし、「上記DRB設定にLTE PDCPエンティティ設定が含まれている場合」と置き換えても良い。なお、「LTE PDCPエンティティが確立している場合」とは、PDCPエンティティの確立が、LTE用RRCエンティティで確立されている場合を示し、「DRB設定にLTE PDCP設定が含まれる」とはLTE用RRCエンティティのDRB設定にPDCP設定が含まれる事を示す。なお、上記「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTE PDCPエンティティが確立していない場合」は、「上記DRB識別子を持つ確立されたDRBに、LTEによってPDCPエンティティが確立していない場合」と置き換えても良いし、「上記DRB設定にLTE PDCPエンティティ設定が含まれていない場合」と置き換えても良い。なお、「LTE PDCPエンティティが確立していない場合」とは、PDCPエンティティの確立が、LTE用RRCエンティティで確立されていない場合を示し、「DRB設定にLTE PDCP設定が含まれない」とはLTE用RRCエンティティのDRB設定にPDCP設定が含まれない事を示す。
【0065】
なお、図8において、各情報を確認する順番はこの通りで無くても良い。フル設定が適用される事を示す情報が含まれない事の確認は、ステップS802において、DRB識別子の情報の値が、UE122の現在設定の一部で無い事を確認した後、若しくはLTE PDCPエンティティが確立されている事を確認した後に行われても良い
【0066】
このように、本発明の実施の形態1では、端末装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減し、効率的に通信を行うことができる。
【0067】
(実施の形態2)
図4から図6、及び図9を用いて本発明の実施の形態2を説明する。なお本発明の実施の形態2はEN-DCが設定されている時に適応されても良い。
【0068】
図9図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態2における処理方法の一例を示す。なお、以下の説明で、DRB設定は、DRB設定のリストに含まれるものとし、UE122の処理部502におけるDRB設定に対する処理は、DRB設定のリストに含まれる、各DRB設定に対して行われるものとする。
【0069】
UE122の処理部502は、受信部500より受信した、DRB設定を含むRRCコネクション再設定メッセージに、フル設定が適用される事を示す情報が含まれ、かつ上記DRB設定に含まれるEPSベアラ識別子の値が、UE122の現在の設定の一部であり、かつ上記EPSベアラ識別子に対応するDRBにPDCPエンティティが設定されている事を確認する。(ステップS900)。
【0070】
次にUE122の処理部502は、上記PDCPエンティティを解放する。(ステップS902)。
【0071】
このように、本発明の実施の形態2では、端末装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減し、効率的に通信を行うことができる。
【0072】
(実施の形態3)
図4から図6、及び図10から図12を用いて本発明の実施の形態3を説明する。実施の形態3では、LTE PDCPからNR PDCPへの、又はNR PDCPからLTE
PDCPへのPDCPバージョンチェンジに伴うDRBの解放処理に関して説明する。なお本発明の実施の形態3はEN-DCが設定されている時に適応されても良い。
【0073】
図10図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態3における処理方法の一例を、図10図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態3における処理方法の第二の一例を、また図12図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態3における処理方法の第三の一例を示す。なお、以下の説明で、DRB設定は、DRB設定のリストに含まれるものとし、UE122の処理部502におけるDRB設定に対する処理は、DRB設定のリストに含まれる、各DRB設定に対して行われるものとする。
【0074】
図10においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、解放するDRBのDRB識別子が含まれ、上記DRB識別子に対応するEPSベアラ識別子に、新しいDRBが追加される事を確認する。(ステップS1000)。
【0075】
次にUE122の処理部502は、上記DRB識別子を解放する。(ステップS1002)。またステップS1002において、UE122の処理部502は更に、上記DRB識別子に対応するEPSベアラ識別子に対し、新しいDRBが確立されるという通知を、NR RRCエンティティに送っても良い。
【0076】
図11においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、解放するDRBのDRB識別子が含まれる事を確認する。(ステップS1100)。
【0077】
次にUE122の処理部502は、上記解放するDRBにPDCPエンティティが設定されていて、かつ上記RRCコネクション再設定メッセージにPDCPバージョンチェンジである事の情報(図6不図示)が含まれない事を確認し(ステップS1102)、確認できた場合には、上記DRB識別子に対応するEPSベアラ識別子、及び上記DRBの解放情報を、上位レイヤに通知する。(ステップS1104)
【0078】
ステップS1102において、UE122の処理部502が上記解放するDRBにPDCPエンティティが設定されていて、かつ上記RRCコネクション再設定メッセージにPDCPバージョンチェンジである事の情報が含まれない事を確認できない場合には、UE122の処理部502は、上記RRCコネクション再設定メッセージにPDCPバージョンチェンジである事の情報が含まれている事を確認し、確認できた場合には、上記DRB識別子を解放する(ステップS1106)。
【0079】
図12においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、解放するDRBのDRB識別子が含まれる事を確認する。(ステップS1200)。
【0080】
次にUE122の処理部502は、上記解放するDRBに解放を通知する指示(図6不図示)がセットされている事を確認し(ステップS1202)、確認できた場合には、上記DRB識別子に対応するEPSベアラ識別子、及び上記DRBの解放情報を、上位レイヤに通知する。(ステップS1204)
【0081】
ステップS1202において、UE122の処理部502が上記解放するDRBに解放を通知する指示がセットされていない事を確認した場合には、上記DRB識別子に対しDRB識別子の解放指示(図6不図示)がセットされているかを確認する。確認できた場合には、上記DRB識別子を解放する(ステップS1206)。
【0082】
このように、本発明の実施の形態3では、端末装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減し、効率的に通信を行うことができる。
【0083】
(実施の形態4)
図4から図6、及び図13から図15を用いて本発明の実施の形態4を説明する。実施の形態3では、LTE PDCPからNR PDCPへの、又はNR PDCPからLTE
PDCPへのPDCPバージョンチェンジに伴うDRBの解放後のDRB追加処理に関して説明する。なお本発明の実施の形態4はEN-DCが設定されている時に適応されても良い。
【0084】
図13図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態4における処理方法の一例を、図14図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態4における処理方法の第二の一例を、また図15図5におけるUE122の処理部502の、本発明の実施の形態4における処理方法の第三の一例を示す。なお、以下の説明で、DRB設定は、DRB設定のリストに含まれるものとし、UE122の処理部502におけるDRB設定に対する処理は、DRB設定のリストに含まれる、各DRB設定に対して行われるものとする。
【0085】
図13においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、DRB設定が含まれ、上記DRB設定にDRB識別子とEPSベアラ識別子が含まれる事を確認し、上記DRB識別子がUE122の現在の設定の一部ではなく、かつ上記RRCコネクション再設定メッセージを受け取る前に、上記EPSベアラ識別子に対しDRBが設定されていた事を確認する(ステップS1300)。
【0086】
次にUE122の処理部502は、上記DRB設定に従って確立したDRBと上記EPSベアラを対応付ける(ステップS1302)
【0087】
図14においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、DRB設定が含まれ、上記DRB設定にDRB識別子とEPSベアラ識別子が含まれる事を確認し、上記DRB識別子がUE122の現在の設定の一部ではなく、かつ上記RRCコネクション再設定メッセージにPDCPバージョンチェンジである事の情報が含まれている事を確認する(ステップS1400)。確認できた場合には、UE122の処理部502は、上記DRB設定に従って確立したDRBと上記EPSベアラを対応付ける(ステップS1402)
【0088】
図15においてUE122の処理部502は、受信部500より受信した、RRCコネクション再設定メッセージに、DRB設定が含まれ、上記DRB設定にDRB識別子とEPSベアラ識別子が含まれる事を確認し、上記DRB識別子がUE122の現在の設定の一部ではなく、かつ上記DRB設定に関連付けの指示がセットされている事を確認する(ステップS1500)。確認できた場合には、UE122の処理部502は、上記DRB設定に従って確立したDRBと上記EPSベアラを対応付ける(ステップS1502)
このように、本発明の実施の形態4では、端末装置は、プロトコル処理の複雑さを軽減
し、効率的に通信を行うことができる。
【0089】
なお、本発明の実施の形態におけるDRB設定は、RRCコネクション再設定手順だけ
でなく、RRC確立(RRC Establishment)手順や、RRC再確立(RRC Re-Establishment)手順に含まれていても良い。
【0090】
また、本発明の実施の形態において「LTE PDCP」と記述したが、非特許文献4に記載のLTE用RRCエンティティにて設定するPDCPである事が明確である場合には、LTEは付けず、「PDCP」としても良い。
【0091】
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる上述した実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュ-タを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、処理時に一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリに読み込まれ、あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0092】
なお、上述した実施形態における装置の一部、をコンピュ-タで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュ-タが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュ-タシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここでいう「コンピュ-タシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュ-タシステムであって、オペレ-ティングシステムや周辺機器等のハ-ドウェアを含むものとする。また、「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体等のいずれであってもよい。
【0093】
さらに「コンピュ-タが読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュ-タシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュ-タシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0094】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、すなわち典型的には集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントロ-ラ、マイクロコントロ-ラ、またはステ-トマシンであってもよい。汎用用途プロセッサ、または前述した各回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0095】
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
【0096】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
100 E-UTRA
102 eNB
104 EPC
106 NR
108 gNB
110 5GC
112、114、116,118、120、124 インタフェース
122 UE
200、300 PHY
202、302 MAC
204、304 RLC
206、306 PDCP
208、308 RRC
310 SDAP
500 受信部
502 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15