(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】摺動して接続可能なカップ支持体を有する飲料マシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20220926BHJP
A47J 31/10 20060101ALI20220926BHJP
B67D 1/07 20060101ALI20220926BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A47J31/44 310
A47J31/10
B67D1/07
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2017530737
(86)(22)【出願日】2015-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2015079566
(87)【国際公開番号】W WO2016096705
(87)【国際公開日】2016-06-23
【審査請求日】2018-12-12
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-30
(32)【優先日】2014-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】グレンジャー, エリック
(72)【発明者】
【氏名】マッツァ, ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】カアン, アントワーヌ
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】松下 聡
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/127848(WO,A1)
【文献】実開昭52-45511(JP,U)
【文献】実開昭58-111409(JP,U)
【文献】実開昭48-88826(JP,U)
【文献】米国特許第4865225(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J31/00-31/60
B67D1/16
F16B5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調製された飲料を注出するための出口(31)を備えた前面(21)を有する飲料調製モジュール(20、30)と、
前記出口(31)の下にカップ(2)を配置するために前記出口(31)の下に配置されたカップ支持体(10)と、を備える飲料調製マシン(1)であって、
前記カップ支持体(10)は、背面(11)を有し、前記背面(11)は、前記背面上の対応する後フック(12)から分離可能な前記前面(21)上の前フック(22)を含む機械的コネクタ装置(12、22)により前記前面(21)に取り外し可能に組み付けられており、前記後フック(12)は、前記背面(11)上にu字状又はv字状の経路に沿って延びるとともに保持要素(121)を有し、前記前フック(22)は、前記前面(21)上にu字状又はv字状の経路に沿って延びるとともに保持要素(221)を有し、前記保持要素(121、221)は、前記カップ支持体(10)が前記前面(21)に組み付けられた場合に互いに係合し、前記カップ支持体(10)が前記前面(21)から分離された場合に離脱する、飲料調製マシン(1)において、
前記後フック(12)の前記保持要素(121)は、前記背面(11)と概して平行に前記後フック(12)に沿って延びており、前記前フック(22)の前記保持要素(221)は、前記前面(21)と概して平行に前記前フック(22)に沿って延びており、前記背面(11)及び前記前面(21)は、
前記背面(11)を前記前面(21)に組み付けるために、前記保持要素(121、221)を係合解除状態から相互係合状態へと一体にするべく、及び
前記前面(21)から前記背面(11)を分離するために、前記保持要素(121、221)を相互係合状態から係合解除状態へと離すべく、
互いに相対的に平行に摺動するように構成されて
おり、
前記飲料調製モジュール(20、30)は、
前記出口(31)を保持する主モジュール(30)と、
前記前面(21)の一部であるユニット面(211)を有するサービスユニット(20)と、を含み、
前記主モジュール(30)は、例えば、前記サービスユニット(20)を空にする、又は満たす、又は洗浄するために、前記サービスユニット(20)を挿入可能であり、かつ前記サービスユニット(20)を取り外し可能である座部(38)を有し、前記ユニット面(211)は、前記前フック(22)を保持しており、
前記前フック(22)は、前記主モジュールの座部(38)から前記サービスユニット(20)を取り外すための取っ手(221、222)を形成していることを特徴とする、マシン。
【請求項2】
前記カップ支持体(10)が、前記カップ(2)より大きいマグ(3)を前記出口(31)の下にあり前記前面(21)の前にある配置面(4)上に配置することを可能にするために前記出口(31)の下から取り外し可能である、請求項1に記載のマシン。
【請求項3】
前記カップ支持体(10)が前記前面(21)に組み付けられた場合に前記前フック(22)に対する前記後フック(12)の自己位置調整を促進するように、前記保持要素(121)を有する前記後フック(12)が、2つの集束方向(12’、12’’)に沿った断面内に概して延びており、前記保持要素(221)を有する前記前フック(22)が、2つの対応する集束方向(22’、22’’)に沿った断面内に概して延びている、請求項1または2に記載のマシン。
【請求項4】
前記集束方向(12’、12’’、22’、22’’)が、前記カップ支持体(10)及び前記前面(21)の垂直又は水平な組付け並びに分離を可能にするために上方向に又は横方向に集束しているなど、上方向に集束又は横方向に集束している、請求項3に記載のマシン。
【請求項5】
前記集束方向(12’、12’’、22’、22’’)が、直線方向及び/又はアーチ方向である、請求項3または4に記載のマシン。
【請求項6】
前記機械的コネクタ装置が、前記背面(11)上の2つの対応する後フックから分離可能な前記前面(21)上の2つの前フックを含み、前記後フックは、
直線方向(12a’、12a’’)などの、互いに平行な方向(12a’、12a’’)に沿った断面内に延びており、前記前フックは、直線方向
(22a’、22a’’)などの、対応する
互いに平行な方向(22a’、22a’’)に沿った断面内に延びている、請求項1に記載のマシン。
【請求項7】
前記後フック(12)の
前記集束方向(12’、12’
’)、及び前記前フック(22)の
前記集束方向(22’、22’
’)のそれぞれが、垂直又は垂直に対して傾斜している平面などの、直線又は曲線の仮想平面内に含まれる、請求項3~
5のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項8】
前記後フック(12)の前記平行な方向(12a’、12a’’)、及び前記前フック(22)の前記平行な方向(22a’、22a’’)のそれぞれが、垂直又は垂直に対して傾斜している平面などの、直線又は曲線の仮想平面内に含まれる、請求項6に記載のマシン。
【請求項9】
前記後フック(12)が、前記背面(11)内に凹んでおり、前記前フック(22)が、前記前面(21)から突出している、又はその逆である、請求項1~
8のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項10】
前記出口(31)は、前記
サービスユニット(20)が前記
主モジュールの座部(38)内にある場合に、概して前記ユニット面(211)と同一平面である出口面(210)などの、前記前面(21)の一部である出口面(210)から延びている、及び/又は
前記
主モジュールの座部(38)は、前記サービスユニット(20)を受容するための前記主モジュール(30)内の空洞を形成している、請求項
1~9のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項11】
前記サービスユニット(20)が、前記前面(21)に組み付けられている前記カップ支持体(10)を
前記主モジュール(30)から離れる方向に引くことにより前記
主モジュールの座部(38)から取り外されるように配置されている、請求項
1~10のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項12】
前記取っ手(221、222)が、
a)u字又はv字形状(22’、22’’)に沿って、
b)前記ユニット面(211)からオフセットし、前記ユニット面(211)と平行な仮想平面に沿って、
c)前記ユニット面(211)に対して凹んでいる底部(224)により範囲を定められた把持空洞などの、把持空洞(223)の少なくとも一部の周囲に、又は
d)特徴a)~c)のうちの少なくとも2つの組み合わせに従って、概して延びている、請求項
1~11のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項13】
前記取っ手(221、222)が、概して前記前フック(22)の前記保持要素(221)と反対の方向に延びる稜線部(222)を含む、請求項
1~12のいずれか一項に記載のマシン。
【請求項14】
前記サービスユニット(20)が、
前記
飲料調製モジュール(20、30)により前記出口(31)に向かって流通する液体を供給するための液体タンク、及び/又は
廃棄物コレクタ(23、24)であって、
固形廃棄物、例えば、使用済みの原材料を収集するための空洞(23)、及び
液体廃棄物、例えば、残留飲料及び/又は前記主モジュール(30)から排出する液体を収集するための空洞(24)のうちの少なくとも1つを含むコレクタなどの、廃棄物コレクタを含む、請求項
1~
13のいずれか一項に記載のマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、カップ支持体を有する飲料抽出マシンに関する。例えば、マシンは、調製される飲料の原材料のカプセルを使用する。
【0002】
本明細書の目的に関して、「飲料」は、紅茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、任意の人が飲食可能な液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、任意の材料、特に気密包装、例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生分解性の包装、並びに原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の、密閉包装内の風味原材料などの任意の予めポーション化された飲料原材料を含むことを意図している。カプセルは、飲料一杯又は飲料複数杯を調製するための量の原材料を収容することができる。
【背景技術】
【0003】
特定の飲料調製マシンは、抽出又は溶解される原材料を収容するカプセルを使用する。他のマシンに対しては、原材料は、マシン内に格納されて、自動的に分与される、あるいは、飲料の調製の時点で加えられる。
【0004】
大部分の飲料マシンは、冷たい又は加熱抵抗器、サーモブロックなどの加熱手段により真に加熱された水の供給源からの液体を注入する、液体、通常は水用のポンプを含む充填手段、内部で原材料が水で醸成される醸成ユニット又は内部で原材料が一緒に混合される混合ユニット、及び調製された飲料を抽出するための飲料出口を筐体内に保有している。流体回路の例は、米国特許第2,715,868号、同第5,392,694号、同第5,943,472号、同第5,992,298号、同第6,554,588号、国際公開第2006/032599号、同第2009/024500号、同第2009/150030号、及び同第2010/006953号に開示されている。
【0005】
通常、飲料出口は、出口の下のカップ又は他の受容器を支持するための、及び飲料出口からの起こり得る滴下又は他の流出の格子の下に配置された捕集トレイへの通過のための格子の上方に配置される。そのようなマシンの例は、欧州特許第0549887号、同第1440639号、同第1731065号、同第1867260号、米国特許第5,161,455号、同第5,353,692号、国際公開第2009/074557号、同第2009/074559号、同第2009/135869号、同第2011/154492号、同第2012/007313号、及び同第2013/186339号に開示されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来技術のシステムに対する、解決策又は少なくとも代替案を提供することである。本発明の具体的な目的は、飲料調製モジュールとカップ支持体との間の、簡易で信頼性が高い及び/又は安価な、組み付け並びに分離の装置を提供することである。
【0007】
したがって、本発明は、飲料出口からカップ、例えば、異なるサイズのカップ、特に、背の低いカップ、例えば、エスプレッソコーヒーのカップ、及びマグなどの背の高いカップ、例えば、カプチーノのカップに飲料を抽出するためのマシンに関する。マシンは、カプセルから飲料を調製するように構成することができる。
【0008】
本明細書の目的に関して、「飲料」は、紅茶、コーヒー、温かい又は冷たいチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの、任意の人が飲食可能な液体物質を含むことを意図している。「カプセル」は、任意の材料、特に気密包装、例えば、プラスチック、アルミニウム、リサイクル可能及び/又は生分解性の包装、並びに原材料を収容する軟質ポッド又は硬質カートリッジを含む任意の形状及び構造の、密閉包装内の風味原材料などの任意の予めポーション化された飲料原材料を含むことを意図している。
【0009】
飲料調製マシンは、家庭内又は家庭外のマシンとすることができる。マシンは、コーヒー、紅茶、チョコレート、カカオ、ミルク、スープ、ベビーフードなどの調製マシンとすることができる。マシンは、粉にしたコーヒー、又は紅茶、又はチョコレート、又はカカオ、又は乳粉末などの調製される飲料の風味原材料などの原材料を収容するカプセルを通して、熱湯若しくは冷水又は他の液体を通過させることにより、飲料処理モジュール内で飲料を調製するために配置することができる。
【0010】
飲料の調製は、典型的に、複数の飲料原材料、例えば、水及び乳粉末の混合、並びに/又は水を用いた粉にしたコーヒー若しくは紅茶の浸出などの飲料原材料の浸出を含む。そのような原材料の1つ以上は、粉末状の粉及び/若しくは凝集粉の形態、並びに/又は液体の形態、特に、濃縮形態で供給することができる。飲料を形成するために、キャリア又は希釈液、例えば、水を、そのような原材料と混合することができる。
【0011】
例えば、ユーザの要求に基づいて、所定の量の飲料が形成されて抽出され、その所定の量は、一杯に対応する。そのような一杯の容積は、飲料の種類に依存して、25~200mLの範囲内、又は最大300若しくは400mL、例えば、カップ若しくはマグを充填するための容積とすることができる。形成されて抽出される飲料は、リステロット、エスプレッソコーヒー、ルンゴ、カプチーノ、カフェラッテ、アメリカーノコーヒー、紅茶などから選択することができる。具体的には、コーヒーメーカーは、エスプレッソコーヒー、例えば、一杯当たり20~60mLの調節可能な容積を抽出するために、及び/又はルンゴ、例えば、一杯当たり70~150mLの範囲内の容積を抽出するために構成することができる。
【0012】
具体的には、本発明は、調製された飲料を抽出するための出口を備えた前面を有する飲料調製モジュールを含む飲料調製マシンに関する。例えば、モジュールは、液体タンクから出口に液体、例えば、水を流通させるように構成される。
【0013】
好適なタンクに関する更なる詳細は、例えば、国際公開第2007/135136号、同第2010/128109号、同第2011/083103号、同第2011/089210号、及び欧州特許第2228633号に開示されている。飲料出口の構成は、例えば、国際公開第2009/043630号、同第2012/072758号、及び同第2013/127907号に開示されている。
【0014】
あるいは、モジュールは、液体、例えば、水の供給源として機能する栓に直接接続することができる。
【0015】
モジュールは、液体駆動装置、温度調節装置、及び飲料混合空洞、例えば、原材料通路を介して飲料原材料を受容するためのアクチュエータにより制御されるチャンバの少なくとも1つを含むことができる。原材料は、飲料を調製するためにチャンバ内で液体と混合することができる。そのような原材料は、カプセル内に提供することができる。
【0016】
カプセル内に収容された原材料に対応するモジュールの例は、欧州特許第1646305号、同第1859713号、同第1859714号、国際公開第2009/043630号、同第2012/025258号、及び同第2013/127476号、並びにそれらの中で引用された参考文献に開示されている。
【0017】
温度調節装置及び/又は液体駆動装置を含む流体回路を備えたモジュールの例は、欧州特許第1253844号、同第1380243号、及び同第1809151号、国際公開第2009/074550号、同第2009/130099号、同第2009/150030号、同第2010/108700号、同第2011/107574号、及び同第2013/098173号に開示されている。
【0018】
典型的には、モジュールは、外部筐体、並びに/又はユーザインターフェース、例えば、電源スイッチ及び/若しくは飲料調製セレクタを備えている。
【0019】
マシンは、出口の下に配置されたカップ支持体を更に含む。カップ支持体は、カップを出口の下に配置するために構成される。例えば、カップ支持体は、前述のカップより大きい(典型的には背が高い)マグの出口の下の前面の前の配置面上の配置を可能にするために、出口の下から取り外し可能である。マグ用の配置面は、マシンの外部の支持体により、又はマシンの脚、例えば、カップ支持体が出口の下に配置された場合にカップ支持体の下に延びる脚により形成することができる。
【0020】
そのような外部支持体は、台所用テーブル若しくはダイニングテーブル、又は飲料調製マシン及びマグの重量を支持することができる任意の概して安定した水平な表面とすることができる。
【0021】
そのような原理は、例えば、国際公開第2013/104636号、及び同第2013/186339号に開示されている。
【0022】
カップ支持体は、背面上の対応する後フックから分離可能な前面上の前フックを含む機械的コネクタ装置により、前面に取り外し可能に組み付けられた背面を有する。後フックは、保持要素を有し、前フックは、保持要素を有する。保持要素は、カップ支持体が前面に組み付けられた場合、互いに係合しており、カップ支持体が前面から分離されている場合、離脱している。
【0023】
本発明により、後フックの保持要素は、背面と概して平行に延びており、前フックの保持要素は、前面と概して平行に延びており、背面及び前面は、
背面を前面に組み付けるために、保持要素を係合解除状態から相互係合状態へと一体にするべく、及び
前面から背面を分離するために、保持要素を相互係合状態から係合解除状態へと離すべく、
互いに相対的に平行に摺動するように構成されている。
【0024】
カップ支持体が前面に組み付けられた場合に前フックに対する後フックの自己位置調整を促進するように、その保持要素を有する後フックは、概して2つの集束(互いに集まる)方向に沿った断面内に延びることができ、その保持要素を有する前フックは、概して2つの対応する集束方向に沿った断面内に延びることができる。例えば、集束方向は、カップ支持体及び前面の垂直又は水平な組み付け並びに分離を可能にするために上方向又は横方向に集束するなどの、上方向に集束又は横方向に集束している。
【0025】
集束方向は、直線方向及び/又はアーチ方向とすることができる。例えば、後フック及び前フックのそれぞれ2つの集束方向は、概して半円形配置、半楕円形配置、又は概してゴシックアーチを形成する2つの交差するアーチ部分の配置などの、概して対称形若しくは非対称形のu字又はv字配置にある。
【0026】
機械的コネクタ装置は、背面上の対応する2つの後フックから分離可能な前面上の2つの前フックを含むことができ、後フックは、平行な方向に沿った断面内に延び、前フックは、直線方向などの対応する平行な方向に沿った断面内に延びる。例えば、後フックが前フック内に摺動する、又はその逆であるように、前フックは、集束するように方向付けられた保持要素を備え、後フックは、分離する(互いに離れる)ように方向付けられた保持要素を備える、又はその逆である。
【0027】
それぞれの方向の対、すなわち、後フックの2つの方向及び前フックの2つの方向は、直線又は曲線の仮想平面内に含まれ得る。平面は、垂直又は垂直に対して傾斜しているものとすることができる。
【0028】
後フックは、背面内に凹んでいるものとすることができ、前フックは、前面から突出することができる、又はその逆にできる。
【0029】
モジュールは、出口を保持する主モジュール、及び前面の一部であるユニット面を有するサービスユニットを含むことができる。主モジュールは、例えば、ユニットを空にする、又は満たす、又は洗浄するために、サービスユニットを挿入可能で、サービスユニットを取り外し可能である座部を有することができ、ユニット面は、前フックを保持する。
【0030】
出口は、ユニットがモジュールの座部内にある場合に概してユニット面と同一平面である出口面などの、前面の一部である出口面から延びることができる。
【0031】
モジュールの座部は、サービスユニットを受容するための主モジュール内の空洞を形成することができる。
【0032】
サービスユニットは、前面に組み付けられた場合にカップ支持体を引くことによりモジュールの座部から取り外されるように配置することができる。
【0033】
前フックは、モジュールの座部からサービスユニットを取り外すための取っ手を形成することができる。例えば、取っ手は、
a)u字又はv字形状に沿って、
b)ユニット面からオフセットした平行な仮想平面に沿って、
c)ユニット面に対して凹んでいる底部により範囲を定められた把持空洞などの把持空洞の少なくとも一部の周囲に、又は
d)特徴a)~c)のうちの少なくとも2つの組み合わせに従って、概して延びる。
【0034】
取っ手は、概して前フックの保持要素と反対の方向に延びる稜線部を含むことができる。
【0035】
サービスユニットは、調製モジュールにより出口に向かって流通する液体を供給するための液体タンクを有することができる。
【0036】
サービスユニットは、
固形廃棄物、例えば、使用済みの原材料を収集するための空洞、及び
液体廃棄物、例えば、残留飲料及び/又は主モジュールから排出する液体を収集するための空洞の少なくとも1つを含むコレクタなどの、廃棄物コレクタを有することができる。
【0037】
固形廃棄物を収集するための空洞及び液体水材料を収集するための空洞の少なくとも1つを備えたサービスユニットの例は、国際公開第2009/074559号、同第2009/135869号、同第2010/128109号、同第2011/086087号、及び同第2011/086088号に開示されている。
【0038】
カップ支持体は、取り外し可能なカップ配置台を支持する液体収集容器を含むことができる。例えば、配置台は、容器の上方に配置された場合に台の上方から液体を収集容器に排出するための、少なくとも1つの貫通通路を有する。典型的には、台は、格子のような配置などの、台を通して液体を排出するための配置を含む。
【0039】
例えば、液体収集容器は、背面及び後フックを含む。
【0040】
台は、周囲部分を有することができ、収集容器は、台を配置するための座部を形成する、少なくとも1つの垂直周囲側壁により範囲を定めることができる。周囲部分は、容器から台を取り外すためにユーザの手により周囲側壁に隣接する周囲部分で台が把持可能なように、台が座部内に配置された場合に周囲側壁の上に上方に延びることができる。例えば、周囲部分は、周囲側壁を覆って上方に該側壁を越えて延びる。
【0041】
したがって、この構成では、台を液体コレクタから取り外すために、ユーザは、カップ支持体を逆さに回転する必要も、台内のより大きな開口部に指を差し込むことにより台を掴む必要もない。したがって、カップ支持体の容器内、又はカップ支持体の台上の残留液体への不要な曝露の危険を、最小化することができる。
【0042】
周囲部分は、概して台を隔てて互いに反対に配置された、少なくとも2つの把持可能な稜線部を有することができる。
【0043】
周囲部分は、台の周囲全体に延びる1つ以上の把持可能な稜線部を有することができる。
【0044】
容器及び台は、
磁気取付具、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、例えば、ランタニド、並びにそのような金属を含む合金及び酸化物、並びにそのような元素及び成分を保持するポリマー(例えば、プラスチック)でできた永久磁石、並びに/又はCo、Fe、Fe2O3、FeOFe2O3、NiOFe2O3、CuOFe2O3、MgOFe2O3、Nd2Fe14B、Mn、Bi、Ni、MnSb、MnOFe2O3、Y3Fe5O12、CrO2、MnAs、Gd、Dy、EuO、Cu2MnAl、Cu2MnIn、Cu2MnSn、Ni2MnAl、Ni2MnIn、Ni2MnSn、Ni2MnSb、Ni2MnGa、Co2MnAl、Co2MnSi、Co2MnGa、Co2MnGe、SmCo5、Sm2Co17、Pd2MnAl、Pd2MnIn、Pd2MnSn、Pd2MnSb、Co2FeSi、Fe3Si、Fe2VAl、Mn2VGa、及びCo2FeGeの少なくとも1つでできた強磁性物質などの、1つ以上の永久磁石を有する容器及び強磁性物質を含む台、又はその逆、あるいは、両方が永久磁石を備えている容器及び台、
摩擦取付具、例えば、外周部を形成する周囲側壁、並びに外周部の内側及び/又は外側に延び周囲部分を側壁に摩擦により取り付ける1つ以上の下側稜線部を有する周囲部分、
ねじ取付具、例えば、容器上のねじ蓋を形成する台、
フック取付具、及び
バヨネット取付具の少なくとも1つなどの、容器及び台を一体に取り付けるための装置を有することができる。
【0045】
取付装置は、典型的には逆さに回転した場合に台及び容器を一体に維持する、台及び容器の安定した取り付けを提供するために充分でなければならない。しかし、取付装置は、任意の一般の消費者による過度の負担なしに手動で解除可能でなければならない。
【0046】
周囲部分は、フックを形成する下側稜線部を有することができ、垂直周囲側壁は、フックを形成する上側稜線部を有することができ、下側稜線部のフック及び上側稜線部のフックは、台が座部内に配置された場合に一体にフック留めされる。
【0047】
周囲側壁は、互いに離間して置かれた複数のフックを有することができ、周囲部分は、互いに離間して置かれた複数のフックを有することができ、フックは、台が座部内に配置された場合に一体にフック留めされる。
【0048】
周囲側壁は、上側稜線部のフックとフック留めするために周囲部分のフックが中に又は周囲に延びる外周部を形成することができ、フックは、周囲部分の下側稜線部を台の中間部分に向かって付勢することにより、又は周囲側壁を容器の中間部分に向かって付勢することによりフック留め解除されるように配置される。
【0049】
周囲部分の下側稜線部は、フックが一体にフック留めされた場合に、台から下方向に、及び/又は外周部から上方向に延びることができる。
【0050】
本開示の文脈において、マシンの相対方向、例えば、マシンの上、前、下、側面、後などへの言及は、別に明示しない限り、典型的には、例えば、飲料を抽出するようにマシンを自然に動作させるためにテーブルの上面上にユーザの前にマシンを置いての、マシンの動作の方向に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
ここで、本発明を図面を参照して説明する。
【
図1】主モジュール、サービスユニット、及びカップ支持体を有する、本発明に係る飲料マシンの斜視図である。
【
図2】主モジュールがサービスユニット及びカップ支持体から分離されている、
図1のマシンを示す。
【
図3】カップ支持体の取り外し後の
図1のサービスユニットを有する主モジュールの一部の拡大図である。
【
図4】
図3のサービスユニットの一部の拡大図である。
【
図5】
図1のマシンのカップ支持体の斜視図であり、カップ支持体は、液体収集容器に組み付けられた取り外し可能な配置台を有する。
【
図6】
図5のカップ支持体の一部の異なる視点からの図である。
【
図7】台が容器から分離されている、
図5のカップ支持体の斜視図である。
【
図8】台と容器との間の取り付けを示す、
図5のカップ支持体の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1~
図8は、本発明に係る飲料マシン1の例示的な実施形態を示す。可能な非限定的代替案もまた、以下の説明で実施例として示す。
【0053】
マシン1は、調製された飲料を抽出するための出口31を備えた前面21を有する飲料調製モジュール20、30を含む。
【0054】
モジュール20、30は、外部筐体34及び/又はユーザインターフェース36を備えることができる。
【0055】
マシン1に、典型的には交流電源により、電気コードを介して電力を供給することができる。
【0056】
モジュール20、30は、液体タンク35から出口31に液体、例えば、水を流通させるように構成することができる。例えば、モジュール20、30は、液体駆動装置、温度調節装置、及び飲料混合空洞、例えば、アクチュエータ32により制御されるチャンバの少なくとも1つを含む。混合空洞は、原材料通路33を介して飲料原材料を受容するために、及び飲料を調製するように原材料を液体と混合するために構成することができる。原材料は、カプセル内に提供することができる。
【0057】
図1に示すように、マシン1は、出口31の下にカップ2(模式的に示す)を配置するための、出口31の下に配置されたカップ支持体10を含む。
【0058】
例えば、カップ支持体10は、
図3に示すように、カップ2より大きいマグ3(模式的に示す)の、出口31の下の前面21の前の配置面4上への配置を可能にするために、出口31の下から取り外し可能である。
【0059】
配置面4は、マシン1の外部の支持体40により、又はマシン1の脚、例えば、出口31の下に配置された場合にカップ支持体10の下に延びる脚により形成することができる。
【0060】
カップ支持体10は、背面11上の対応する後フック12から分離可能な前面21上の前フック22を含む機械的コネクタ装置12、22により、前面21に取り外し可能に組み付けられた背面11を有する。後フック12は、保持要素121を有し、前フック22は、保持要素221を有し、保持要素121、221は、カップ支持体10が前面21に組み付けられた場合に互いに係合しており、カップ支持体10が前面21から離脱している場合に離脱している。
【0061】
本発明により、後フック12の保持要素121は、概して背面12に平行に延び、前フック22の保持要素221は、概して前面21に平行に延びて、背面11及び前面21
は、
背面11を前面21
に組み付ける
ために、保持要素121、221を係合解除状態から相互係合状態へと一体にするべく、及
び
前面21から背面11
を分離する
ために、保持要素121、221を相互係合状態から係合解除状態へと離すべく、
互いに相対的に平行に摺動する(図2の矢印5)ように構成されている。
【0062】
図3~
図6で、カップ支持体10が前面21に組み付けられた場合に前フック22に対する後フック12の自己位置調整を促進するように、その保持要素121を有する後フック12は、概して2つの集束方向12’、12’’に沿った断面内に延びることができ、その保持要素221を有する前フック22は、概して2つの対応する集束方向22’、22’’に沿った断面内に延びることができる。
【0063】
集束方向12’、12’’、22’、22’’は、カップ支持体10及び前面21の垂直又は水平な組付け並びに分離を可能にするために上方向又は横方向に集束するなどの、上方向に集束又は横方向に集束することができる。
【0064】
集束方向12’、12’’、22’、22’’は、直線方向及び/又はアーチ方向とすることができる。
【0065】
後フック12及び前フック22のそれぞれ2つの集束方向12’、12’’、22’、22’’は、概して半円形配置、半楕円形配置、又は概してゴシックアーチを形成する2つの交差するアーチ部分の配置などの、概して対称形若しくは非対称形のu字又はv字配置とすることができる。
【0066】
機械的コネクタ装置は、背面11上の対応する2つの後フックから分離可能な前面21上の2つの前フックを含むことができ、後フックは、平行な方向12a’、12a’’に沿った断面内に延びており、前フックは、直線方向12a’、12a’’、22a’、22a’’などの対応する平行な方向22a’、22a’’に沿った断面内に延びる。これを、
図3及び
図5に模式的に示す(フックの方向12a’、12a’’、22a’、22a’’のみを示す)。例えば、後フックが前フック内に摺動する、又はその逆であるように、前フックは、集束するように方向付けられた保持要素を備え、後フックは、分離する(互いに離れる)ように方向付けられた保持要素を備える、又はその逆である。
【0067】
それぞれの方向の対12’、12’’、22’、22’’、12a’、12a’’、22a’、22a’’、すなわち、後フック12の2つの方向12’、12’’、12a’、12a’’及び前フック22の2つの方向22’、22’’、22a’、22a’’は、直線又は曲線の仮想平面内に含まれ得る。平面は、垂直又は垂直に対して傾斜しているものとすることができる。
【0068】
後フック12は、背面11内に凹んでいるものとすることができ、前フック22は、前面21から突出することができる、又はその逆にできる。
【0069】
モジュール20、30は、出口31を保持する主モジュール30、及び前面21の一部であるユニット面211を有するサービスユニット20を含むことができる。主モジュール30は、例えば、ユニット20を空にする、又は満たす、又は洗浄するために、サービスユニット20を挿入可能で、サービスユニット20を取り外し可能である座部38を有することができ、ユニット面211は、前フック22を保持する。
【0070】
出口31は、ユニット20がモジュールの座部38内にある場合に概してユニット面211と同一平面である出口面210などの、前面21の一部である出口面210から延びることができる。
【0071】
モジュールの座部38は、サービスユニット20を受容するための主モジュール30内の空洞を形成することができる。
【0072】
サービスユニット20は、前面21に組み付けられた場合に、カップ支持体10を引くことによりモジュールの座部38から取り外されるように配置することができる。
【0073】
前フック22は、サービスユニット20をモジュールの座部38から取り外すための取っ手221、222を形成することができる。
【0074】
取っ手221、222は、
a)u字又はv字形状22’、22’’に沿って、
b)ユニット面211からオフセットした平行な仮想平面に沿って、
c)ユニット面211に対して凹んでいる底部224により範囲を定められた把持空洞などの把持空洞223の少なくとも一部の周囲に、又は
d)特徴a)~c)のうちの少なくとも2つの組み合わせに従って、概して延びる。
【0075】
取っ手221、222は、概して前フック22の保持要素221と反対の方向に延びる稜線部222を含むことができる。
【0076】
サービスユニット20は、調製モジュール20、30により出口31に向かって流通する液体を供給するための、液体タンクを含むことができる。
【0077】
サービスユニット20は、廃棄物コレクタ23、24を有することができる。例えば、コレクタ23、24は、固形廃棄物、例えば、使用済みの原材料を収集するための空洞23、及び液体廃棄物、例えば、残留飲料及び/又は主モジュール30から排出する液体を収集するための空洞24の少なくとも1つを含む。
【0078】
カップ支持体10は、取り外し可能なカップ配置台16を支持する液体収集容器14を含むことができる。例えば、配置台16は、容器14の上方に配置された場合に台16の上方から液体を収集容器14に排出するための、少なくとも1つの貫通通路17を有する。液体収集容器14は、背面11及び後フック12を含むことができる。
【0079】
台16は、周囲部分18を有することができ、収集容器14は、台16を配置するための座部15’を形成する、少なくとも1つの垂直周囲側壁15により範囲を定めることができる。周囲部分18は、台16を容器14から取り外すためにユーザの手により周囲側壁15に隣接する周囲部分18で台16が把持可能なように、台16が座部15’内に配置された場合に周囲側壁15の上に上方に延びることができる。例えば、周囲部分18は、周囲側壁15を覆って上方に該側壁を越えて延びる。
【0080】
周囲部分18は、概して台16を隔てて互いに反対に配置された少なくとも2つの把持可能な稜線部18’、18’’、18’’’、18’’’’を有することができる。
【0081】
周囲部分18は、台16の周囲全体に延びる1つ以上の把持可能な稜線部18’、18’’、18’’’、18’’’’を有することができる。
【0082】
容器14及び台16は、
磁気取付具、例えば、1つ以上の永久磁石を有する容器及び強磁性物質を含む台、又はその逆、あるいは、両方が永久磁石を備えている容器及び台、
摩擦取付具、例えば、外周部を形成する周囲側壁15、並びに外周部の内側及び/又は外側に延び周囲部分18を側壁に摩擦により取り付ける1つ以上の下側稜線部を有する周囲部分18、
ねじ取付具、例えば、容器14上のねじ蓋を形成する台16、
フック取付具、及び
バヨネット取付具の少なくとも1つなどの、容器及び台を一体に取り付けるための装置を有することができる。
【0083】
周囲部分18は、フック19を形成する下側稜線部を有することができ、垂直周囲側壁15は、フック15’を形成する上側稜線部を有することができ、下側稜線部のフック19及び上側稜線部のフック15’は、台16が座部15’内に配置された場合に一体にフック留めされる。
図7及び
図8を参照されたい。
【0084】
周囲側壁15は、互いに離間して置かれた複数のフック15’を有することができ、周囲部分18は、互いに離間して置かれた複数のフック19を有することができ、フック15’、19は、台16が座部15’内に配置された場合に一体にフック留めされる。
【0085】
周囲側壁15は、上側稜線部のフック15’とフック留めするために周囲部分13のフック19が中に又は周囲に延びる外周部を形成することができ、フック15’、19は、周囲部分18の下側稜線部を台16の中間部分に向かって付勢することにより、又は周囲側壁を容器14の中間部分に向かって付勢することによりフック留め解除されるように配置される。例えば、周囲部分18の下側稜線部は、フック15’、19が一体にフック留めされた場合に台16から下方向に、及び/又は外周部から上方向に延びる。