(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】伸縮ブーム及び移動式クレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 23/82 20060101AFI20220926BHJP
B66C 23/693 20060101ALI20220926BHJP
B66C 23/42 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B66C23/82 B
B66C23/693 A
B66C23/42 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018092524
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】10 2017 110 412.7
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597120075
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク エーインゲン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Liebherr-Werk EhingenGmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルゾスカ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルビッヒ マリオ
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-126287(JP,A)
【文献】特開平11-139769(JP,A)
【文献】特開2004-149308(JP,A)
【文献】特開2009-184818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのラフィングシリンダを固定するために、少なくとも1つのラフィングシリンダ取付部
を備えた伸縮ブームであって、
下側シェルの中央に
上記ラフィングシリンダを結合する結合部
を有し、
上記伸縮ブームの構造への上記ラフィングシリンダ取付部からの荷重伝達のために、
2つの閉じた金属板箱構造が、上記ラフィングシリンダ取付部の支持金属板に隣接して
おり、
上記2つの閉じた金属板箱構造が、互いに間隔を空けて設けられるが、上記ラフィングシリンダ取付部の近傍で互いに近付く
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項2】
請求項1に記載の伸縮ブームにおいて、
上記2つの閉じた金属板箱構造は、互いに対称形である
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の伸縮ブームにおいて、
上記金属板箱構造は、上記支持金属板からブーム先端の方向に且つブーム長手方向軸に斜めに延びる
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の伸縮ブームにおいて、
各金属板箱構造は、2つの側壁、上端金属板及び終端金属板を有する
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項5】
請求項4に記載の伸縮ブームにおいて、
各金属板箱構造の外側側壁及び/又は各金属板箱構造の上端金属板が、2つの部品、又は、複数部品からなり
、内側側壁が1つの部品からなる
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の伸縮ブームにおいて、
上記金属板箱構造が、該金属板箱構造及び上記結合部の下側シェルに
、外縁を構成するように接続する少なくとも1つの内側の起立金属板を有する
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項7】
請求項6に記載の伸縮ブームにおいて、
上記起立金属板が、2部品又は複数部品の外側壁の及び/又は上端金属板の少なくとも2つの壁要素の間の移行領域に配置される
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の伸縮ブームにおいて、
上記結合部は、上記下側シェルに隣接して実質的に垂直なウェブ領域を有する
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の伸縮ブームにおいて、
ブーム長手方向に延びる1つ以上のU型の座屈ブレースが上記下側シェルに設けられ
、上記金属板箱構造
の上端金属板には、上記座屈ブレースを収容可能な凹部が形成されている
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載の伸縮ブームにおいて、
ブーム長手方向軸に直角に向くように配置され、少なくとも部分的に、上記
ラフィングシリンダ取付部から延びる、上記下側シェルを囲む1つ以上の翼状金属板が設けられている
ことを特徴とする伸縮ブーム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の伸縮ブームを少なくとも有する
ことを特徴とする
移動式クレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン(特に移動式クレーン)用の伸縮ブームに関し、少なくとも1つのラフィングシリンダを固定するために、少なくとも1つのラフィングシリンダ取付部(特にボルト支持部)が下側シェル中央に設けられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のクレーン機種は、ボルト支持部を介して伸縮ブームの結合部にボルト留めされ得る、中央に配置されるラフィングシリンダを使用する。この場合、荷重伝達は、中継ぎブームの下側シェルにボルト支持部を介して発生するので、ボルト支持部の特別な金属板構造が必要になる。
図1の具体例は、従来技術のラフィングシリンダ取付部の、従来の解決手段を示す。結合部1の下側シェル7に結合された2枚のボルト支持金属板2が示されている。比較的幅が広くて閉じた金属板構造4は、ボルト支持金属板2に隣接し、上端金属板3と、2つに分けられて要素5及び要素6をそれぞれ有する2枚の側壁とを備える。
【0003】
伸縮ブームの結合部1は、強化のための複数のU型座屈ブレース8を介して補強され得る半円形の下側シェル7を備えた、卵型面形状を有する。下側シェル7と上側シェル10との間に最終的に連結要素を形成する垂直なウェブ領域9は、下側シェル7の半円形部に隣接する。下側シェル7及びウェブ金属板9は、曲がった金属板から製造され得る。翼状金属板11は、半円形の下側シェル7を、その放射状領域部を介して囲み込む。
【0004】
この金属板構造の不利な点は、クレーン作業の間、ラフィングシリンダから中継ぎブームへの力の流れを図式的に示す
図2を使用して例示され得る。中央ラフィングシリンダ力WZの導入は、同図に破線12で示される、2枚のボルト支持金属板2へのラフィングシリンダ接続の、ボルトを介して起こる。導入された力は、パスA及びBにそれぞれ分配され得る。パスAを通る力の一部は、2部品側壁5,6を通じて左右に、剪断継ぎ目を介し、高剛性領域(すなわちウェブ領域9)の方向にそれぞれ流れる。残りの力は、低剛性領域(すなわち下側シェル7)に、圧力継ぎ目bを経て1部品の上端金属板4を通るパスBの直通路を通る。しかしながら、これには、下記複数の不利な点がある。
【0005】
・力は、剛性が高くない、大きな座屈フィールドCの中を流れる。上端金属板3の金属板厚みを厚くすることにより、結果として全体構造の重量が重くなってしまう。
・座屈の大きな危険度は、下側シェル7に垂線な低剛性領域の圧縮力(圧縮継ぎ目/引っ張り継ぎ目b)の部分のため起こる。継ぎ目bは、加えて冶金上の切欠として作用し、それによりに更にこの座屈の危険度を増大させる。最後に、下側シェル7及び追加のU型座屈ブレース8のいずれにおいてもかなりの金属板厚みが必要となる。
・加えて、壁の要素6及び上端金属板3によって形成された箱構造の鋭い先端dが下側シェル7を特定ポイントで押圧し、このことで好適でない圧力ピークを生じるという、示された金属板構造の更なる不利な点が結果として発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、ラフィングシリンダからブームシステムへ最適化された力の流れを可能にする、中継ぎブームに対するラフィングシリンダの接続のための新構造が求められている。このことにより、より高い(許容)荷重に加え、ブームシステムの製作上の効果及び重量節減が達成されなければならない。
【0007】
この目的は、請求項1の特徴に従う伸縮ブームによって達成される。本発明の有利な実施例は、従属クレームの主題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、伸縮ブーム構造への荷重伝達のための少なくとも2つの閉金属板箱構造が、下側シェル(特にラフィングシリンダをブームにボルト留めするためのボルト支持部)で中央に配置されるラフィングシリンダ取付部に隣接することが提案される。ここで、2つの金属板箱構造は、互いに間隔を空けて設けられるが、ラフィングシリンダ取付部の近傍で互いに近付く。
【0009】
金属板箱構造の幅は、先行技術と比べると比較的狭くなるように選択される。例えば、好ましくは、上記の不利な点が上端金属板に関して防止され得るように、軸方向の箱構造の高さ/幅の比率は、0.5~2間の、特に0.5~1.5間の範囲にある。それにより、解決手段は、両方の金属板箱構造が互いに対称的に、特にブーム長手方向軸に関して左右対称形に形成されると有利である。
【0010】
2つの金属板箱構造は、ブーム先端の方向に、ラフィングシリンダ取付部から(特にボルト支持部から)延びる。箱構造は、しかしながら、ブーム長手方向軸と平行に延びず、その代わりに、ブーム長手方向軸にわずかに斜め方向を向く。それによって、ブームの高剛性領域への、すなわち、垂直なウェブ領域の方向の、又は、ブーム部分の上側シェルの方向の、下側シェルから離れる力伝達が可能である。
【0011】
各金属板箱構造が、2つの側壁つまり上端金属板と、好ましくは少なくとも1つの終端金属板とを有するのが好ましい。それぞれの側壁は、結合部の下側シェルから、ほぼ垂直に延びる。終端金属板は、ラフィングシリンダ取付部の反対側に配置される箱構造の前面壁を閉じる。上端金属板は、側壁上に及び終端金属板上に位置し、これにより箱構造のベース部を形成する。
【0012】
下側シェルの中央に向かっている、それぞれの金属板箱構造の側壁を内壁と呼び、反対位置に配置された側壁(すなわち、上側シェルのより近くに配置される側壁)を外壁と呼ぶ。先行技術とは異なり、狭いテーパーがついている金属板箱構造の先端は、終端金属板によって塞がれ、それによって、下側シェルへの移行の不必要な張力集中が効果的に防止される。
【0013】
金属板箱構造の外側の側壁が2つの部品で、又は、複数部品で設計されるのが好ましい。従って、複数部品によって設計される側壁は、いってみれば明らかに隣接するが、連続表面を形成しないか、又は、外側側壁の曲げられた全体の表面を形成する、複数の壁要素を有する。壁要素間の移行部は、端(エッジ)と呼ばれている。
【0014】
同じことが各箱構造の上端金属板にあてはまるのが好ましい。これは、好ましくは複数の個々の金属板からなることもでき、それによって、結果として生じる上表面は、好ましくは曲げられた1つ以上の移行端を有する。対照的に、各金属板箱構造の内側側壁は、1部品で設計され得る。
【0015】
各金属板箱構造が、少なくとも1つの内側起立金属板、すなわち、上端金属板に及び/又は側壁に及び/又は下側シェル面に対して垂直に、箱構造において起立する金属板を有するのが特に好ましい。この内側起立金属板が、箱構造に及び結合部の下側シェルに、外縁を構成するように接続されているのが特に好ましい。
【0016】
起立金属板が、少なくとも2つの側壁要素及び/又は2つの上端金属板要素の間の移行領域において設けられるのが更に有利である。すなわち、起立金属板は、それぞれ、上端金属板の又は個々の要素によって形成される側壁の、端に隣接する。
【0017】
少なくとも2つの別々の金属板箱を有する上述の金属板構造は、大部分の力が、従来の解決手段のような下弦状の低剛性領域ではなく、ブーム結合部の高剛性領域にもたらされ得るという効果がある。大部分の力が、剪断継ぎ目を介してブーム構造にもたらされ得ることは更なる効果である。剪断継ぎ目は、溶接継ぎ目と平行な荷重を提供し、その一方で、圧縮継ぎ目又は引っ張り継ぎ目は、溶接継ぎ目に垂直な荷重を示す。これにより、下側シェルの金属板厚みを静的視点から縮小させ得るという結果が生じる。それによって、経費及び重量の明らかな節減を成し遂げ得る。あるいは、必要なU型座屈ブレースを省略し得る。すべての1つの金属板箱構造のための終端金属板の導入は、従来の解決手段の下側シェルに向かう特定ポイントでの圧縮による好適でない効果を軽減する。
【0018】
しかしながら、ブーム方向に延びる1つ以上のU型座屈ブレースは、それにもかかわらずブームの下側シェルに配置されてもよい。そして、それらが箱構造によって少なくとも局所的に覆われ得るように、各金属板箱構造は、好ましくは、座屈ブレースを収容可能な凹部を備える。対応する凹部は、特に好ましくは、箱構造のそれぞれの上端金属板に設けられる。
【0019】
少なくとも部分的に、ラフィングシリンダ取付部から始まる下側シェルを囲むブーム長手方向軸に垂直に延びる1つ以上の翼状金属板を設けるのが更に好ましい。下側シェルの金属板厚みが本発明に係る金属板箱構造のため縮小しているとき、この翼状金属板は、中継ぎブームの横方向の変形を防止する。翼状金属板によって中継ぎブームを囲むことは、中継ぎブームの不必要な空間変形を防止するか又は減少させる。
【0020】
本発明は、本発明の伸縮ブームに加え、本発明の伸縮ブームを有するクレーン、好ましくは移動式クレーンに関する。本発明に従う伸縮ブームに関して上述したのと同じ効果及び特性が、上記クレーンにおいても発揮される。このため、重複した説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】先行技術から公知の伸縮ブーム用ラフィングシリンダ取付部を示す斜視図である。
【
図2】
図1に係る解決手段における、導かれる力の流れを示す斜視図である。
【
図3】伸縮ブームのラフィングシリンダ取付部のための革新的な構造を示す斜視図である。
【
図4】わずかに異なる方向から見た
図3の本発明に係る構造における、導かれる力の流れを示す更なる具体例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の更なる効果及び詳細は、図面に図示した実施例に関して、詳細に説明される。
【0023】
ここで、
図3及び
図4は、伸縮ブームシステムの革新的な構造を示す。伸縮ブームの下側シェル20のA部領域は、ラフィングシリンダ接続用ボルト支持部を備えることがわかる。2枚のボルト支持金属板21は、ラフィングシリンダのボルト支持のためにそれぞれの補強金属板を備えている。2つの幅の狭い、閉じた金属板箱構造25は、それらに隣接し、互いに同様に設計される。2つの閉じた金属板箱構造25は、それぞれ端26cにおいて互いに接続している個々の要素26a,26bを有する2部品の上端金属板を備えている。金属板箱構造25の2枚の外側壁もまた端27cで互いに接合される個々の要素27a,27bを有する2部品で設計される。終端金属板28は、前側端に設けられている。金属板箱構造の内側側壁31は、1部品として設計されている。
【0024】
それぞれの内側起立金属板32(1度のみ図示する)は、2つの金属板箱構造25の内部にあって、金属板箱構造25(側壁26a,27b,31及び上端金属板26a,26b)及び下側シェル20に対して外縁を構成するように接続している。加えて、起立金属板32が、正に端27c,26cの領域において金属板箱構造25に接続されていることがわかる。
【0025】
複数の補強のU型座屈ブレース29は、ブームの卵型面部分、すなわち、半円形の下側シェル20上に設けられている。垂直なウェブ領域33は、下側シェルに隣接し、下側シェル20を伸縮ブームの図示しない上側シェルに接続する。
【0026】
翼状金属板30は、半円形の下側シェル20を、その放射状領域上で囲む。
図3及び
図4は、1枚の翼状金属板30だけを示すが、図示された翼状金属板30に対応する翼状金属板も同様にボルト支持金属板21の反対側に配置され、この翼状金属板も少なくとも下側シェル20の放射状領域を囲み得る。翼状金属板30の選択される長さは、ブーム結合部の卵型面部分の金属板厚みに、特に下側シェル20の金属板厚みに明らかに依存する。
【0027】
ここで、本発明に係るラフィングシリンダ取付部の新構造によって可能となる最適化された力の流れは、
図4に記載されている。力の流れは、
図4における矢印によって示される。先行技術におけるような中央のラフィングシリンダ力WZの導入は、破線として引かれるボルト12を介し、部分的な強化金属板を有する2枚のボルト支持金属板21に向かって発生する。その後、導かれた力は、パスA、B及びCに分割される。
【0028】
力WZの流れの割り当ての一部は、それぞれ左右の2部品の外側側壁27a,27bを通るパスAを通じて流れ、高剛性領域の方向に剪断継ぎ目a上を下側シェル20内で伝達される。すなわち、それは下側シェル20に隣接する垂直なウェブ領域33に伝達される。
【0029】
上記力の流れの割り当ての他の一部は、1部品の内側側壁31を通るパスBにおいて、より低剛性領域の方向の、すなわち下側シェルへの剪断継ぎ目c上を流れる。これは、ブームへの荷重伝達が剪断継ぎ目c上にも分割されるので、
図2の従来の構成よりも決定的でない。
【0030】
残りの力は、2部品の上端金属板26a,26bを通るパスCを通って、高剛性領域(垂直なウェブ領域33)の方向の圧力継ぎ目b上を流れる。キンク支持金属板32を有するキンク(端)26cによって補強されることで、2つの小さい座屈領域dを力が流れるという従来構造の不利な点は回避される。ここで、先行技術の
図1及び
図2による上端金属板4に必要な金属板の厚みよりも小さいように、金属板の厚さを選択できる。
図1のものは、例えば下側シェル7の不十分な金属板厚みしか有さない2つのU型座屈ブレース8との間に延びる更なる座屈ブレースを必要とするが、本解決手段では、
図1のものに比べてU型座屈ブレース29の数を減らすことができる。終端金属板28は、下側シェル20への本解決手段の特定ポイントでの圧縮による、好適でない効果を軽減する。より小さい下側シェルの金属板厚さの効果が発揮される場合、これは卵型面部の増加する横方向の「膨張」に結果としてなり得る。これは、翼状金属板30によってより大きく囲まれることにより制限され得る。
【0031】
要約すると、革新的な構造では、力が直接ラフィングシリンダからブーム結合部のより固い部分であるウェブ領域33の方向に導入される、最適化された力の流れができるようにすることができるといえる。また、複数の効果のために重量削減できる。下側シェル20は、より細い形状に設計することができ、追加のU型座屈ブレース29は省略され得る。先行技術に係る幅が広くてより厚い1部品よりなる上端金属板は、合計4つの狭い、より細い上端金属板26a,26bと置き換えられ得る。
【0032】
U型座屈ブレース29における、高い製作費、下側シェル20に対する溶接による高い経費及び溶接継ぎ目歪みに必要となる修正が省かれるので、新構造は、より費用をかけて製造される必要がない。加えて、クレーンの許容荷重を増加させることができる。特にハーフシェル(下側シェル)20の最下位点での座屈ブレースの省略に起因する、モータ取付のために必要となり得る下部構造方向の空きスペースが増加する。