(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造
(51)【国際特許分類】
E02D 27/12 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
E02D27/12 Z
(21)【出願番号】P 2018145489
(22)【出願日】2018-08-01
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000176512
【氏名又は名称】三谷セキサン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】松田 竜
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 康介
(72)【発明者】
【氏名】白石 将大
(72)【発明者】
【氏名】増永 翔太
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-023538(JP,A)
【文献】特開2014-181507(JP,A)
【文献】特開平09-273161(JP,A)
【文献】特開平09-195286(JP,A)
【文献】特開昭59-161522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭穴内に埋設したコンクリート製の既製杭の杭頭部の周囲および上方に、前記杭頭部径より十分大形の配筋スペースを形成して、前記配筋スペース内に、以下のように鉄筋を配筋したことを特徴とする既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造。
(1) 前記配筋スペースは、前記杭頭周辺のフーチング杭頭埋め込み部と、前記フーチング杭頭埋め込み部の上方に連続し、かつフーチングの梁主筋が配筋されるフーチング本体部とを有する。
(2) 前記連結構造には、外縦主鉄筋、
外横主鉄筋、斜め鉄筋及び中子鉄筋を有する。
(3) 前記外縦主鉄筋は、
水平部の両端から上方に垂直部を形成してなり、
前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記フーチング杭頭埋め込み部の側壁近傍に、
前記既製杭を挟んで、前記外縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記外縦主鉄筋の垂直部の上端を前記フーチング本体部内に位置させた。
(4) 前記外横主鉄筋は、
水平部の両端から上方に垂直部を形成してなり、
前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記フーチング杭頭埋め込み部の側壁近傍に、
前記既製杭を挟んで、前記外縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記外縦主鉄筋の垂直部の上端を前記フーチング本体部内に位置させ、かつ、前記外横主鉄筋の水平部を前記外縦主鉄筋の水平部に直交させた。
(5) 前記斜め鉄筋は、
前記外縦主鉄筋の水平部に対して平面視で、各辺が斜めとなった略四角形の枠状で形成してなり、
前記斜め鉄筋を、平面視で前記両外主鉄筋の水平部より内側で、かつ平面視で前記既製杭の外周に近接した位置で、かつ前記外縦主鉄筋または前記外横主鉄筋の水平部と略同一高さに配置した。
(6) 前記中子鉄筋は,
直線状の水平基部の両端部を略直角に水平方向に屈曲して水平端部とした平面視で略コ字状に形成してなり、
前記水平基部が外縦主鉄筋の水平部と並列した縦中子鉄筋と、前記水平基部が外横主鉄筋の水平部と並列した横中子鉄筋とを1組みとして形成した。
さらに、前記縦中子鉄筋および前記横中子鉄筋を、上下に所定間隔を空けて複数個配置し、かつ前記両中子鉄筋の水平基部は平面視で前記既製杭に近接して配置し、かつ前記中子鉄筋の水平端部の端縁は、平面視で前記外縦主鉄筋の垂直部の周辺に位置させ、かつ
最下段の両中子鉄筋は前記外縦主鉄筋および前記外横主鉄筋の水平部周辺の高さ位置に位置させた。
【請求項2】
以下のように構成したことを特徴とする請求項1記載の既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造。
(1) 前期既製杭の上端部にアンカー鉄筋を上方に向けて必要本数を配置し、前記アンカー鉄筋の上部を上フーチング配筋スペース内に位置させた。
(2) 水平部の両端から上方に垂直部を形成して内縦主鉄筋及び内横主鉄筋を形成した。
(3) 前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記既製杭の外周に近接した位置に、前記既製杭を挟んで、前記内縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記内縦主鉄筋の垂直部の上部を前記フーチング本体部内に位置させた。
(4) 前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記既製杭の外周に近接した位置に、前記既製杭を挟んで、前記内横主鉄筋の水平部を並列して配置し、かつ前記内横主鉄筋の水平部の両端部を前記内縦主鉄筋の水平部の両端部と交叉させ、かつ前記内横主鉄筋の垂直部の上部を、前記フーチング本体部内に位置させた。
(5) 前記内縦主鉄筋及び内横主鉄筋の水平部は、平面視で斜め鉄筋と交叉させ、かつ前記斜め鉄筋の角部が、前記内縦主鉄筋及び内横主鉄筋の水平部より平面視で外側に位置した。
(6) 最上段の両中子鉄筋は前記既製杭の上端よりも上方の高さ位置に位置させた。
【請求項3】
以下のように構成したことを特徴とする請求項2記載の既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造。
(1) 斜め鉄筋の各角部内側に、垂直方向の垂直補助鉄筋を配置した。
(2) 前記垂直補助鉄筋は、内縦主鉄筋の水平部より外側に配置し、かつ内横主鉄筋の水平部より外側に配置した。
(3) 並列する内縦主鉄筋の水平部と内子鉄筋の水平部で、平面視で内縦主鉄筋の水平部を内子鉄筋の水平部より外側に配置した。
(4) 並列する内縦主鉄筋の水平部と内子鉄筋の水平部で、平面視で内縦主鉄筋の水平部を内子鉄筋の水平部より外側に配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭穴内にコンクリート製の既製杭を埋設して、既製杭の杭頭を上部構造物の基礎フーチングに連結するための既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、杭穴内にコンクリート製の既製杭を埋設して、杭頭部を上部構造物に埋設する必要があった。この場合、既製杭にアンカー鉄筋を、多数本立て、アンカー鉄筋を、上部構造のフーチング構築用の鉄筋内に定着させていた(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-23538号公報
【文献】特開2014-181507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、上部建造物のフーチングを構築する鉄筋の本数が多く、これに既製杭のアンカー鉄筋を定着させる場合、十分なコンクリートの間隔が確保できない問題点があった。とりわけ、耐力が大きな既製杭に上部建築物の基礎梁を連結する場合には、杭頭部をより強化する必要もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、既製杭の杭頭を杭頭より大径で、かつ上方にフーチング本体部が連続するフーチング杭頭埋め込み部内に納めて、さらにフーチング杭頭埋め込み部内に、水平部と垂直部とからなる主鉄筋を平面視で縦横に配置し、さらに平面視で斜めの斜め鉄筋および中子鉄筋を配置したので、既製杭の杭頭部とフーチング杭頭埋め込み部とフーチング本体部とが一体となり、既製杭を基礎梁に連結できるので、既製杭の耐力を有効活用した構造を簡易に実現できた。
【0006】
即ちこの発明は、杭穴内に埋設したコンクリート製の既製杭の杭頭部の周囲および上方に、前記杭頭部径より十分大形の配筋スペースを形成して、前記配筋スペース内に、以下のように鉄筋を配筋したことを特徴とする既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造である。
(1) 前記配筋スペースは、前記杭頭周辺のフーチング杭頭埋め込み部と、前記フーチング杭頭埋め込み部の上方に連続し、かつフーチングの梁主筋が配筋されるフーチング本体部とを有する。
(2) 前記連結構造には、外縦主鉄筋、外横主鉄筋、斜め鉄筋及び中子鉄筋を有する。
(3) 前記外縦主鉄筋は、
水平部の両端から上方に垂直部を形成してなり、
前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記フーチング杭頭埋め込み部の側壁近傍に、
前記既製杭を挟んで、前記外縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記外縦主鉄筋の垂直部の上端を前記フーチング本体部内に位置させた。
(4) 前記外横主鉄筋は、
水平部の両端から上方に垂直部を形成してなり、
前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記フーチング杭頭埋め込み部の側壁近傍に、
前記既製杭を挟んで、前記外縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記外縦主鉄筋の垂直部の上端を前記フーチング本体部内に位置させ、かつ、前記外横主鉄筋の水平部を前記外縦主鉄筋の水平部に直交させた。
(5) 前記斜め鉄筋は、
前記外縦主鉄筋の水平部に対して平面視で、各辺が斜めとなった略四角形の枠状で形成してなり、
前記斜め鉄筋を、平面視で前記両外主鉄筋の水平部より内側で、かつ平面視で前記既製杭の外周に近接した位置で、かつ前記外縦主鉄筋または前記外横主鉄筋の水平部と略同一高さに配置した。
(6) 前記中子鉄筋は,
直線状の水平基部の両端部を略直角に水平方向に屈曲して水平端部とした平面視で略コ字状に形成してなり、
前記水平基部が外縦主鉄筋の水平部と並列した縦中子鉄筋と、前記水平基部が外横主鉄筋の水平部と並列した横中子鉄筋とを1組みとして形成した。
さらに、前記縦中子鉄筋および前記横中子鉄筋を、上下に所定間隔を空けて複数個配置し、かつ前記両中子鉄筋の水平基部は平面視で前記既製杭に近接して配置し、かつ前記中子鉄筋の水平端部の端縁は、平面視で前記外縦主鉄筋の垂直部の周辺に位置させ、かつ
最下段の両中子鉄筋は前記外縦主鉄筋および前記外横主鉄筋の水平部周辺の高さ位置に位置させた。
【0007】
また、前記において、以下のように構成したことを特徴とする既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造である。
(1) 前期既製杭の上端部にアンカー鉄筋を上方に向けて必要本数を配置し、前記アンカー鉄筋の上部を上フーチング配筋スペース内に位置させた。
(2) 水平部の両端から上方に垂直部を形成して内縦主鉄筋及び内横主鉄筋を形成した。
(3) 前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記既製杭の外周に近接した位置に、前記既製杭を挟んで、前記内縦主鉄筋の水平部を並列して配置し、前記内縦主鉄筋の垂直部の上部を前記フーチング本体部内に位置させた。
(4) 前記フーチング杭頭埋め込み部の底部で、かつ前記既製杭の外周に近接した位置に、前記既製杭を挟んで、前記内横主鉄筋の水平部を並列して配置し、かつ前記内横主鉄筋の水平部の両端部を前記内縦主鉄筋の水平部の両端部と交叉させ、かつ前記内横主鉄筋の垂直部の上部を、前記フーチング本体部内に位置させた。
(5) 前記内縦主鉄筋及び内横主鉄筋の水平部は、平面視で斜め鉄筋と交叉させ、かつ前記斜め鉄筋の角部が、前記内縦主鉄筋及び内横主鉄筋の水平部より平面視で外側に位置した。
(6) 最上段の両中子鉄筋は前記既製杭の上端よりも上方の高さ位置に位置させた。
【0008】
また、前記において、以下のように構成したことを特徴とする既製杭の杭頭と基礎フーチングとの連結構造である。
(1) 斜め鉄筋の各角部内側に、垂直方向の垂直補助鉄筋を配置した。
(2) 前記垂直補助鉄筋は、内縦主鉄筋の水平部より外側に配置し、かつ内横主鉄筋の水平部より外側に配置した。
(3) 並列する内縦主鉄筋の水平部と内子鉄筋の水平部で、平面視で内縦主鉄筋の水平部を内子鉄筋の水平部より外側に配置した。
(4) 並列する内縦主鉄筋の水平部と内子鉄筋の水平部で、平面視で内縦主鉄筋の水平部を内子鉄筋の水平部より外側に配置した。
【0009】
前記における、「平面視で内側」とは、既製杭に近づく側(既製杭の中心に向かう方向)をいい、「平面視で外側」とは既製杭から遠ざかる側(既製杭の中心から放射方向)を指す。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、外縦主鉄筋、外横主鉄筋に加えて、斜め鉄筋および中子鉄筋を上下に重ねて配筋したので、単純な構造で効率よく杭頭部を強化して、既製杭と基礎フーチングとを有効に接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の連結構造で、アンカー鉄筋を省略した正面図である。
【
図2】この発明の連結構造のうちで、アンカー鉄筋と主鉄筋のみを表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図3】この発明の連結構造のうちで、アンカー鉄筋と斜め鉄筋のみを表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図4】この発明の連結構造のうちで、アンカー鉄筋と中子鉄筋のみを表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図5】この発明の連結構造のうちで、アンカー鉄筋とせん断補強鉄筋のみを表し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図6】この発明の他の連結構造を表す正面図である。
【
図7】同じく、この発明の他の連結構造を表す正面図である。
【
図8】同じく、この発明の他の連結構造を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面に基づき、この発明の実施態様を説明する。
【0013】
1.各鉄筋の構成
【0014】
(1)内縦主鉄筋・内横主鉄筋・外縦主鉄筋・外横主鉄筋
【0015】
内縦主鉄筋1は、直線状の水平部2の両端から上方に垂直部3、3を形成してなり、側面視で横「コ」字形に構成する。また、内横主鉄筋5も、直線状の水平部6の両端から上方に垂直部7、7を形成してなり、側面視で横「コ」字形に構成する(
図2(a)(b))。
また、外縦主鉄筋11も、同様に、直線状の水平部12の両端から上方に垂直部13、13を形成して側面視で横「コ」字形で構成し、外横主鉄筋15も同様に、直線状の水平部16の両端から上方に垂直部17を形成して側面視で横「コ」字形で構成する(
図2(a)(b))。
内縦主鉄筋1、内横主鉄筋5、外縦主鉄筋11および外横主鉄筋15は、同一構造である。
【0016】
(2)斜め鉄筋・垂直補助鉄筋
【0017】
斜め鉄筋21は、内横主鉄筋5(内縦主鉄筋1、外縦主鉄筋11、外横主鉄筋15も同様)の水平部6に対して平面視で、各辺22、22が斜めとなった略正方形(四角形)で形成してなり、角部23、23はRを形成してある。斜め鉄筋21は、上下2段で使用し、下段の斜め鉄筋21Aと上段の斜め鉄筋21Bとを用意する(
図3)。
また、垂直補助鉄筋25は、斜め鉄筋21の各角部23、23の内側に配置される垂直方向の短い鉄筋である。
【0018】
(3)せん断補強鉄筋
【0019】
せん断補強鉄筋41は、通常のせん断補筋と同様の構造で、平面視で略四角形で形成した(
図5(a)(b))。
【0020】
(4)縦中子鉄筋・横中子鉄筋
【0021】
縦中子鉄筋35は直線状の水平基部36の両端部を略直角(すなわち略90°)に水平方向に屈曲して水平端部37、37を形成して、平面視で略コ字状としてある。横中子鉄筋31も直線状の水平基部32の両端部を略直角に水平方向に屈曲して水平端部33、33を形成して、平面視で略コ字状としてある(
図4(a)(b))。なお、水平基部36の両端部を略直角(略90°)でなく、さらに屈曲して、例えば135°や180°(折り返し)とすることもできる(図示していない)。
縦中子鉄筋35と横中子鉄筋31とは、同一構造である。
縦中子鉄筋35は既製杭50を挟んで、平面視で両側に水平基部36、36が並列するように、2つ一組で配置し、かつ、横中子鉄筋31も既製杭50を挟んで、平面視で両側に水平基部32、32が並列するように、2つ一組で配置し、かつ縦中子鉄筋35の水平基部36と横中子鉄筋31の水平基部36とが、直交するように配置される。したがって、中子鉄筋は、略同一高さに、2つの縦中子鉄筋35、35と2つの横中子鉄筋31、31の合計4つを一組で使用される(
図4(a)(b))。
また、中子鉄筋は、最下段の縦中子鉄筋35Aおよび横中子鉄筋31A、下から2段目の縦中子鉄筋35Bおよび横中子鉄筋31B、所定数(ここでは2段)の中間の縦中子鉄筋35Cおよび横中子鉄筋31C、最上段の縦中子鉄筋35D、横中子鉄筋31Dから構成される(
図4(a)(b))。
【0022】
2.連結構造
【0023】
(1) この実施形態で使用する既製杭50は、コンクリート製で通常の既製杭を採用することができる。例えば、上端から下端までストレート状で、地面から上方に露出する杭頭部51もストレート状に形成されている既製杭50を使用する。また、既製杭50は、通常の既製杭と同様に上端および下端にはドーナツ状の端板(鋼材)と外周を覆う筒状のバンド(鋼材)が取り付けられている。
なお、既製杭50として、外周の全体を筒状の鋼板で覆ったいわゆるSC杭とすることもできる。また、既製杭50は、単位既製杭の単独または必要数の単位既製杭を連結して構成する。
【0024】
(2) 各種方法により、掘削した杭穴72内に既製杭50を埋設する。既製杭50を埋設しながら杭穴72を掘削するいわゆる中掘工法、掘削完了した杭穴72内に既製杭5を埋設するいわゆる先掘工法など、任意の工法を採用することができる。
コンクリート製の既製杭50の杭頭部51の周囲および上方に、地盤の基準面70(フーチング本体部54aの下面)から既製杭50の杭頭部51の周囲を掘削して、既製杭50の杭径より十分大きなフーチング杭頭埋め込み部54を形成する。フーチング杭頭埋め込み部54は、平面視で略正方形(四角形)で形成し、既製杭50の杭頭部51の外周より十分に大きく形成してある。すなわち、既製杭50の杭頭部51はフーチング杭頭埋め込み部54内に露出している。
また、ここで、フーチング杭頭埋め込み部54は、基準面70の上方のフーチング本体部54aに連続している。すなわち、基準面70を挟んで上方がフーチング本体部54aで、下方がフーチング杭頭埋め込み部54となっている。また、フーチング本体部54aの下面が基準面70となっている。
また、ここで、フーチング杭頭埋め込み部54の上縁56は、既製杭50の上縁52と同等または既製杭50の上縁52より上方に位置する(
図1)。なお、フーチング杭頭埋め込み部54の上縁56と既製杭50の上縁52との上下の位置関係は任意である。
【0025】
(3) 既製杭50の杭頭部51外周に、複数のアンカー鉄筋43、43の基端部44(下端部)を溶接で固定する(
図2~
図5)。既製杭50は通常、平面円形であり、アンカー鉄筋43、43は既製杭50の杭頭部51に等間隔環状に配置する。また、既製杭50は、通常のコンクリート杭の場合は杭頭部に位置する端板(鋼材)やバンド(鋼材)に溶接し、鋼管被覆コンクリート杭(SC杭)の場合には、同位置で被覆鋼管に溶接する。
なお、既製杭50へのアンカー鉄筋43、43の固定は、溶接に寄らず、端板へのねじ止めなど従来採用されている他の方法で固定することもできる(図示していない)。
【0026】
(4) 続いて、内縦主鉄筋1、外縦主鉄筋11を配置する(
図2)。すわなち、フーチング配筋スペース54の底55付近に、底55から所定距離を空けて、内縦主鉄筋1の水平部2、外縦主鉄筋11の水平部12を位置させ、内縦主鉄筋1および外縦主鉄筋11の垂直部3、13は垂直に位置させる。
内縦主鉄筋1、1は、水平部2が既製杭50の近傍に位置し、かつ既製杭50を挟んで両側に並列するように(既製杭50に対して回転対称に)、配置される。さらに、内縦主鉄筋1は2本を水平方向に重ねて配置し、合計で4つの内縦主鉄筋1、1を配置する。
また、外縦主鉄筋11は、内縦主鉄筋1から所定距離(通常は70mm以上)を空けて、水平部12が既製杭50から遠い側に(すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54の外周側)に配置し、かつ、内縦主鉄筋1と同様に、既製杭50を挟んで両側に並列するように(既製杭50に対して回転対称に)配置する。したがって、外縦主鉄筋11、11は2本配置する。
ここで、内縦主鉄筋1および外縦主鉄筋11の垂直部3、13の上端4、14は、アンカー鉄筋43の上端45と同等または、アンカー鉄筋43の上端45より上方に突出させる(
図2(b))。
【0027】
(5) 続いて、内横主鉄筋5、外横主鉄筋15を配置する(
図2)。すわなち、フーチング杭頭埋め込み部54の底55付近で、平面視で内縦主鉄筋1の水平部2に直交するように、かつ平面視で外縦主鉄筋11の水平部12にも直交するように、内横主鉄筋5、5の水平部5および外縦主鉄筋15の水平部6を位置させ、内横主鉄筋5の垂直部7および外横主鉄筋15の垂直部17を垂直に位置させる。また、内横主鉄筋5の水平部6および外縦主鉄筋15の水平部16は、内横主鉄筋5の水平部6および外縦主鉄筋15の水平部16の上に載置されるので、交差位置で両鉄筋を結束する。
また、内横主鉄筋5、5は、内縦主鉄筋1と同様に、水平部6が既製杭50の近傍に位置し、かつ既製杭50を挟んで両側に並列するように(既製杭50に対して回転対称に)、配置される。さらに、内横主鉄筋5も2本を水平方向に重ねて配置し、合計で4つの内横主鉄筋を配置する(
図2(a))。
また、外横主鉄筋15は、外縦主鉄筋11と同様に、内横主鉄筋5から水平方向で外側に所定距離を空けて、水平部16が既製杭50から遠い側に(すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54の外周側)に配置し、かつ、内横主鉄筋5と同様に、既製杭50を挟んで両側に並列するように(既製杭50に対して回転対称に)配置する。したがって、外横主鉄筋15も2本配置する(
図2(a))。
ここで、内横主鉄筋5の垂直部7の上端8および外横主鉄筋15の垂直部16の上端18も、アンカー鉄筋43の上端45と同等または、アンカー鉄筋43の上端45より上方に突出させる。なお、このアンカー鉄筋43の定着長さは、従来同様に求める強度、アンカー鉄筋の本数などにより決められる。
【0028】
(6) また、内縦主鉄筋1、外縦主鉄筋11、内横主鉄筋5、および外横主鉄筋15が配置された状態で、使用するせん断補強鉄筋41、41の全部または一部を、各主鉄筋の垂直部3、7、13、17を囲うように、フーチング杭頭埋め込み部54の底55付近に束ねておく(図示していない)。なお、せん断補強鉄筋41、41の構造や施工は従来と同様で他の手順で施工することもできる(図示していない)。
【0029】
(7) 続いて、下段の斜め鉄筋21Aを配置する(
図3)。すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54内で、内横主鉄筋5、5の水平部6および外横主鉄筋15、15の水平部16上に、下段の斜め鉄筋21Aを配置する。斜め鉄筋21Aの各辺22、22は、平面視で、両水平部6、16に対して斜めに交叉して(ここでは約45°)に配置される。
ここで、斜め鉄筋21Aの角部23、23は、平面視で、内横主鉄筋5の水平部6と外横主鉄筋15の水平部16との間に位置する(
図2(a))。また、斜め鉄筋21Aの各角部23、23の内縁に接触するように、補助垂直鉄筋25、25を配置し、また斜め鉄筋21Aの各角部23と補助垂直鉄筋25とを結束する。したがって、補助垂直鉄筋25、25も、平面視で、内横主鉄筋5の水平部6と外横主鉄筋15の水平部16との間に位置する(
図2(a))。
なお、斜め鉄筋21Aの角部23と補助垂直鉄筋25とは予め結束などにより固定しておくこともできる。
また、斜め鉄筋21は、「各主鉄筋1、5、11、15の水平部2、6、12、16」及び/または「後に述べる各中子鉄筋31、35の水平基部32、36」と結束などにより固定することが望ましい。
また、斜め鉄筋21A、21Bは2段としたが、3段以上、または上段下段のいずれか一方のみの1段とすることもできる(図示していない)。
【0030】
(8) 続いて、最下段の1組みの中子鉄筋(2つの縦中子鉄筋31Aおよび2つ横中子鉄筋35A)を配置する(
図4)。すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54内で、下段の斜め鉄筋21A上に、2つの横中子鉄筋31A、31Aを配置し、続いて、横中子鉄筋上31A、31Aに縦中子鉄筋35A、35Aを配置する。
ここで、横中子鉄筋31Aの並列する水平基部32、32は、内横主鉄筋5の水平部6および外横主鉄筋15の水平部16と平行で、かつ平面視で、最も既製杭50に近い内横主鉄筋5の水平部6よりも既製杭50に近い位置に配置される。また、縦中子鉄筋35A、35Aの並列する水平基部36、36は、内縦主鉄筋1の水平部2および外縦主鉄筋11の水平部12と平行で、かつ平面視で、最も既製杭50に近い内縦主鉄筋1の水平部2よりも既製杭50に近い位置に配置される。なお、両中子鉄筋31、35の水平基部32、36は既製杭50に近い側に配置することが望ましいが、平面視で両外主鉄筋11、15の水平部12、16の内側に配置されていれば、設置位置は任意である。
したがって、ここで、横中子鉄筋31Aの水平基部32および縦中子鉄筋35の水平基部36は、斜め鉄筋21Dの各辺22、22に対して斜め(略45°)で交叉する。
また、横中子鉄筋31Aの水平端部33の端縁34および縦中子鉄筋35Aの水平端部37の端縁38は、平面視で、フーチング杭頭埋め込み部54の隅部(すなわち、外縦主鉄11の垂直部13、外横主鉄筋15の垂直部17)付近に位置し、かつ互いに接触しない程度の隙間を空けて配置される(
図4(a)、
図2(a))。
なお、この際、横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35Aの水平基部32、35の両端部(水平端部33、36への屈曲点あたり)は、平面視で、フーチング杭頭埋め込み部54の壁部近傍(すなわち、外縦主鉄11の水平部12、外横主鉄筋15の水平部16)付近に位置することになる。この配置の特徴は、水平端部33、36の屈曲角度(90°、135°、180°など)異なる場合であっても、共通である。
また、縦中子鉄筋35Aの水平基部36および横中子鉄筋31Aの水平基部32を交叉位置で互いに結束する。
また、両中子鉄筋31、35の水平基部32、36は、平面視で既製杭50の近傍に配置したが、既製杭50から離して配置することもできる(図示ししてない)。また、両中子鉄筋31、35の水平端部33、37の端縁34、38は、平面視でフーチング杭頭埋め込み部54の隅部に配置したが、他の位置とすることもできる(図示していない)。なお、これは各段の両中子鉄筋31、35について共通である。また、両中子鉄筋31、35は平面視で、各段が略同一位置になるように配置したが、位置をずらして配置することもできる(図示していない)。
【0031】
(9) 続いて、上段の斜め鉄筋21Bを配置する(
図3)。すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54内で、最下段の1組みの中子鉄筋(横中子鉄筋31B、縦中子鉄筋25B)の上に、上段の斜め鉄筋21Bを配置する。上段の斜め鉄筋21Bは、平面視で下段の斜め鉄筋21Aとほぼ同一位置に配置する。
したがって、斜め鉄筋21Aの角部23、23は、斜め鉄筋21Bと同様に、平面視で、内横主鉄筋5の水平部6と外横主鉄筋15の水平部16との間に位置する。また、斜め鉄筋21Bの各角部23、23の内縁が、補助垂直鉄筋25、25に接触するように配置する。
なお、アンカー鉄筋43、43は平面視で、斜め鉄筋21A、21Bの内側に位置する。
また、前記斜め鉄筋21A、21Bの各角部23、23(補助垂直鉄筋25、25)は、各中子鉄筋31A、35Aの水平基部32、36よりも外方(既製杭50から離れる側)に位置している(
図4(a)鎖線図示21A、21B)。
【0032】
(10) 続いて、二段目の1組みの中子鉄筋(横中子鉄筋31B、縦中子鉄筋35B)を配置する(
図4)。すなわち、フーチング杭頭埋め込み部54内で、上段の斜め鉄筋21Bから所定距離を離した上方に(やや距離を空けて)、二段目の横中子鉄筋31B、31Bを配置し、その上に縦中子鉄筋35B、35Bを配置する。
横中子鉄筋31Bおよび縦中子鉄筋35Bは、平面視で、1段目の横中子鉄筋31Aおよび縦中子鉄筋35Aとほぼ同じ位置に配置される。
したがって、前記横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35Aと同様に、横中子鉄筋31Bの並列する水平基部32、32は、内横主鉄筋5の水平部6および外横主鉄筋15の水平部16と平行で、かつ平面視で、最も既製杭50に近い内横主鉄筋5の水平部6よりも既製杭50に近い位置に配置される。また、縦中子鉄筋35B、35Bの並列する水平基部36、36は、内縦主鉄筋1の水平部2および外縦主鉄筋11の水平部12と平行で、かつ平面視で、最も既製杭50に近い内縦主鉄筋1の水平部2よりも既製杭50に近い位置に配置される。また、横中子鉄筋31Bの水平端部33の端縁34および縦中子鉄筋35Bの水平端部37の端縁38は、平面視で、フーチング杭頭埋め込み部54の隅部(すなわち、第二縦主鉄11の垂直部13、外横主鉄筋15の垂直部17)付近に位置し、かつ互いに接触しない程度の隙間を空けて配置される(
図4(a)、
図2(a))。また、縦中子鉄筋35Aの水平基部36および横中子鉄筋31Aの水平基部32を交叉位置で互いに結束する。
また、横中子鉄筋31Aの水平端部33の端縁部および縦中子鉄筋35Aの水平端部37の端縁部を、第二縦主鉄11の垂直部13および/または、外横主鉄筋15の垂直部17に結束または溶接などの手段で、移動しない程度に固定する。
【0033】
(11) 続いて、フーチング杭頭埋め込み部54内に、3段目他の所定数の中子鉄筋31、35を配置する(
図4)。この実施態様では、2段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31B、縦中子鉄筋35B)の上方に、所定距離を空けて、3段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31C、縦中子鉄筋35C)、さらにその上方に所定距離を空けて、4段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31D、縦中子鉄筋35D)、さらにその上方に所定距離を空けて、5段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31E、縦中子鉄筋35E)を配置する。
前記において、3段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31C、縦中子鉄筋35C)、4段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31D、縦中子鉄筋35D)、5段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31E、縦中子鉄筋35E)は、前記横中子鉄筋31A、31B、縦中子鉄筋35A、35Bと同様の構造で、平面視でほぼ同一位置に、配置される。
また、各中子鉄筋(横中子鉄筋31A~31E、縦中子鉄筋35A~35E)の上下方向の距離は略同一に設定され、上下に略等間隔に配置されている。
また、最上段の中子鉄筋、すなわち5段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31E、縦中子鉄筋35E)は、既製杭50の上縁52よりも上方に位置し、フーチング杭頭埋め込み部54内に納まっている。
【0034】
(12) 続いて、フーチング杭頭埋め込み部54内に、所定数のせん断補強鉄筋41を配置する(
図5)。通常のせん断補強鉄筋の配置作業と同様に、フーチング杭頭埋め込み部54の底55付近に束ねておいた、せん断補強鉄筋41、41を上方に持ち上げ、内縦主鉄筋1、外縦主鉄筋11、内横主鉄筋5および外横主鉄筋15の各主鉄筋の垂直部3、7、13、17を囲うように、せん断補強鉄筋41、41を配置して、せん断補強鉄筋41、41を各主鉄筋の垂直部3、7、13、17に結束する。
なお、一部のせん断補強鉄筋41のみをフーチング杭頭埋め込み部54の底55付近に束ねておいた場合には、残りのせん断補強鉄筋41、41を上方から内縦主鉄筋1、外縦主鉄筋11、内横主鉄筋5および外横主鉄筋15の各主鉄筋の垂直部3、7、13、17を囲うように、配置する。
配置が完了した各せん断補強鉄筋41、41は、上下方向に、略等間隔に配置され、かつ最下段のせん断補強鉄筋41は、各主鉄筋の垂直部3、7、13、17の下端部付近(下段の斜め鉄筋21A、一段目の横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35A付近)の高さ位置に配置させてある。また、最上段のせん断補強鉄筋41は、各主鉄筋の垂直部3、7、13、17の上端部に位置させてある(
図1)。
【0035】
(13) (1)~(12)の作業後、あるいは作業をしながら、既製杭50の上縁52の上方のフーチング本体部54a内(フーチング杭頭埋め込み部54の上縁56の上方に)、従来と同様に、上部建築物の基礎梁(基礎フーチング)の主鉄筋61、61を配筋し、また従来と同様にその他の必要な配筋をして、さらに必要ならば、前記各主鉄筋の垂直部3、7、13、17などと定着させる(
図1)。
以上のようにして、杭頭と基礎フーチングとの連結構造60を構成する(
図1)。
【0036】
3.他の連結構造60
【0037】
(1) 前記実施形態において、内縦主鉄筋1、内横主鉄筋5は2つを近接して既製杭50を挟んで両側に合計4本づつ配置したが、求められる耐力などにより、片側に2つ以上、あるいは片側に1つとすることもできる(図示していない)。また、内縦主鉄筋1、内横主鉄筋5は省略することもできる(図示していない)。
また、外縦主鉄筋11、外横主鉄筋15は、既製杭50を挟んで両側に1本づつ合計2本配置したが、片側に2本以上で両側に4本以上配置することもできる(図示していない)。
【0038】
(2) また、前記実施形態において、外縦主鉄筋11、外横主鉄筋15、内縦主鉄筋1、内横主鉄筋5の各垂直部3、8、13、18が十分に拘束されていれば、せん段補強筋41は省略することもできる(図示していない)。
【0039】
(3) また、前記実施形態において、斜め鉄筋21を上下2段、1組の横中子鉄筋31および縦中子鉄筋35を上下5段としたが、設置段数は、求められる耐力などにより、他の段数とすることもできる。
また、フーチング杭頭埋め込み部54の高さを小さくして(フーチング杭頭埋め込み部54の平面視の面積も小さくする)、フーチング杭頭埋め込み部54の底55から既製杭50の杭頭部51が突出する高さを小さく形成することもできる(
図6)。この場合には、下段の斜め鉄筋21A、第一段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35A)、第二段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35A)を前記実施形態と同様に形成し、その上に2段分の中子鉄筋を配置する。すなわち、最上段を4段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31D、縦中子鉄筋35D)とそして、既製杭50の上端52より上方に配置し、その下に3段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31C、縦中子鉄筋35C)を配置して構成する(
図6)。
【0040】
(4) また、前記実施形態において、既製杭50をストレート状の構造としたが、既製杭の構造は任意であり、上端部に大径部53を形成した既製杭50を使用することもできる(
図7)。
例えば、大径部53を、既製杭50の上端から形成し、形状変化部53aを介して、軸部50aに至る形状(いわゆるST杭)とすることができる。この場合、既製杭50の大径部53の直下の軸部50aの上端部、形状変化部53a、大径部53をフーチング杭頭埋め込み部54内に露出させる。また、内縦主鉄筋1の水平部2、内横主鉄筋5の水平部6、下段の斜め鉄筋21A、第一段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35A)および上段の斜め鉄筋21Bを大径部53の下方(軸部50aの上端部、形状変化部53a)に位置させる(
図7)、
図2~
図4)。また、平面視で、斜め鉄筋21A、21Bは大径部53の外周側に配置する(
図7、
図3)。
また、既製杭50の上端から所定長さを軸部径として、形状変化部53bを介して、大径部53を形成して、下方に形状変化部53aを介して軸部50aに至る形状(いわゆる節杭)とすることもできる(
図8)。この場合も、既製杭50の大径部53の直下の軸部50aの上端部、形状変化部53a、大径部53、形状変化部53bをフーチング杭頭埋め込み部54内に露出させる。また、内縦主鉄筋1の水平部2、内横主鉄筋5の水平部6、下段の斜め鉄筋21A、第一段目の中子鉄筋(横中子鉄筋31A、縦中子鉄筋35A)および上段の斜め鉄筋21Bを大径部53の下方(軸部50aの上端部、形状変化部53a)に位置させる(
図7(b)、
図2~
図4)。また、平面視で、斜め鉄筋21A、21Bは大径部53の外周側に配置する(
図8)、
図3)。
【符号の説明】
【0041】
1 内縦主鉄筋
2 水平部(内縦主鉄筋)
3 垂直部(内縦主鉄筋)
4 垂直部の上端(内縦主鉄筋)
5 内横主鉄筋
6 水平部(内横主鉄筋)
7 垂直部(内横主鉄筋)
8 垂直部の上端(内横主鉄筋)
11 外縦主鉄筋
12 水平部(外縦主鉄筋)
13 垂直部(外縦主鉄筋)
14 垂直部の上端(外縦主鉄筋)
15 外横主鉄筋
16 水平部(外横主鉄筋)
17 垂直部(外横主鉄筋)
18 垂直部の上端(外横主鉄筋)
21 斜め鉄筋
21A 斜め鉄筋(最下段)
21B 斜め鉄筋(中間)
21C 斜め鉄筋(最上段)
22 辺部(斜め鉄筋)
23 角部(斜め鉄筋)
25 垂直補助鉄筋(斜め鉄筋)
31 横中子鉄筋
31A 横中子鉄筋(最下段)
31B 横中子鉄筋(下二段)
31C 横中子鉄筋(中間)
31D 横中子鉄筋(最上段)
32 水平基部(横中子鉄筋)
33 水平端部(横中子鉄筋)
34 先端(横中子鉄筋)
35 縦中子鉄筋
35A 縦中子鉄筋(最下段)
35B 縦中子鉄筋(下二段)
35C 縦中子鉄筋(中間)
35D 縦中子鉄筋(最上段)
36 水平基部(横中子鉄筋)
37 水平端部(横中子鉄筋)
38 先端(横中子鉄筋)
41 せん断補強鉄筋
43 アンカー鉄筋
44 アンカー鉄筋の基部
45 アンカー鉄筋の上端
50 既製杭
50a 既製杭の軸部
51 既製杭の杭頭
53 既製杭の大径部
53a 既製杭の形状変化部(下)
53b 既製杭の形状変化部(上)
54 フーチング杭頭埋め込み部(スペース)
54a フーチング本体部(スペース)
55 フーチング杭頭埋め込み部の底
56 フーチング杭頭埋め込み部の上縁
60 連結構造
61 基礎梁用の主鉄筋
70 基準面
72 杭穴