(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】計測結果チャート記録装置、計測結果チャート記録方法、計測結果チャート記録プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G01D 9/00 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
G01D9/00 A
(21)【出願番号】P 2018157880
(22)【出願日】2018-08-25
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】横山 健
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-89831(JP,A)
【文献】特開2001-124595(JP,A)
【文献】特開2001-215134(JP,A)
【文献】特開2006-177694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0162053(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 7/00 - 7/12
G01D 9/00 - 9/42
G01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサーの計測した物理量である計測結果とその計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを取得する計測結果データ取得部と、
取得した計測結果データに基づいて、一軸を目盛を有する物理量軸とし、他の一軸を目盛を有する計測時間軸とするとともに、計測時間軸に平行に物理量軸から目盛単位で物理量を表す罫線を表示し、物理量軸と平行に計測時間軸から目盛単位で計測時間を表す罫線を表示した電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのものである電子化計測結果チャートを生成
し、前記計測時間軸の時間軸スケールを変更可能な電子化計測結果チャート生成部と、
生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持部と、
電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力部と、
を有する計測結果チャート記録装置。
【請求項2】
計測結果データ取得部は、稼働中の設備で計測されるリアルタイムな物理量であるリアルタイム計測結果データを取得するリアルタイム計測結果データ取得手段を有し、
電子化計測結果チャート出力部は、リアルタイム計測結果データ取得手段が取得したリアルタイム計測結果データをリアルタイムで出力するリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段を有し、
さらにリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段から出力されるリアルタイムな電子化計測結果チャートであるリアルタイム電子化計測結果データにリアルタイムなメモであるリアルタイムメモを挿入するリアルタイムメモ挿入部を有する請求項1に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項3】
電子化計測結果チャート保持部に保持されている電子化計測結果チャートに事後的なメモである事後的メモを挿入する事後的メモ挿入部をさらに有する請求項1又は請求項2に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項4】
電子化計測結果チャート保持部に保持されている電子化計測結果チャートに事後的なメモである事後的メモをリアルタイムメモと識別可能に挿入する識別事後的メモ挿入部をさらに有する請求項2に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項5】
電子化計測結果チャート出力部は、プリンターから電子化計測結果チャートを出力する第一プリンター出力手段を有する請求項1から請求項4のいずれか一に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項6】
電子化計測結果チャート出力部は、チャート記録装置から計測結果データをチャート用紙に出力するチャート用紙出力手段を有する請求項1から請求項4のいずれか一に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項7】
計測結果データ取得部は、計測結果データのファイル処理単位情報を取得するファイル処理単位情報取得手段を有し、
電子化計測結果チャート生成部は、取得したファイル処理単位情報に基づいて、電子計測結果チャートの終了位置、又は開始位置を示す区切りを電子化計測結果チャート上に生成する区切生成手段をさらに有する請求項1から請求項6のいずれか一に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項8】
電子化計測結果チャート保持部は、取得されたファイル処理単位情報に基づいて示される単位にてファイルを保持するファイル単位保持手段を有する請求項7に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項9】
ファイル処理単位情報取得手段を制御する計測開始・終了指示入力部をさらに有する請求項7又は請求項7に従属する請求項8に記載の計測結果チャート記録装置。
【請求項10】
計測結果チャート記録装置の計測結果チャート記録方法であって、
センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップ、
取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成
する計測結果データ生成ステップと、
チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、
取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャー
ト上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのものである電子化計
測結果チャートを生成
し、前記計測時間軸の時間軸スケールを変更可能な電子化計測結果チャート生成ステップと、
生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、
電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップと、
を有する計測結果チャート記録方法。
【請求項11】
センサーの計測した物理量である計測結果を取得する計測結果データ取得部を有する計算機である計測結果チャート記録装置の計測結果チャート記録プログラムであって、
センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップ、
取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する計測結果データ生成ステップと、
チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、
取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのものである電子化計測結果チャートを生成
し、前記計測時間軸の時間軸スケールを変更可能な電子化計測結果チャート生成ステップと、
生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、
電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップと、
を計算機である計測結果チャート記録装置に読取り実行可能に記述した計測結果チャート記録プログラム。
【請求項12】
計算機である計測結果チャート記録装置で読み取り実行可能に記述した計測結果チャート記録プログラムが記録された記録媒体であって、
センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップと、
取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する計測結果データ生成ステップと、
チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、
取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのものである電子化計測結果チャートを生成
し、前記計測時間軸の時間軸スケールを変更可能な電子化計測結果チャート生成ステップと、
生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、
電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップと、
を計算機である計測結果チャート記録装置に読取り実行可能に記述した計測結果チャート記録プログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーの計測した物理量である計測結果を取得する計測結果チャート記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の物理量を検出するセンサーからの出力を受けてチャート用紙にチャートを印刷する記録計が利用されている。記録計では、一例として熱電対センサーや測温抵抗体等のセンサーを用いて温度を検出し、その結果をチャートとして印刷することにより、加熱炉の温度制御に利用することができる(例えば特許文献1)。記録計においては、センサーを変えることで温度の他、湿度、組成ガスの濃度、圧力等を検出してチャート化することも可能である。
【0003】
近年、チャート用紙の代わりにデジタルデータとして計測結果を示すチャートを記録する記録計が開発されている。このようなデジタルデータとしてチャートを記録する場合は、紙からなるチャート用紙と比較してチャートの管理を簡便にすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来記録計のチャートとしてはチャート用紙に印刷する形式が長らく用いられてきているため、ユーザーにとっては、一見チャート紙と同様の形式で出力される物であっても微妙な差異があるために(紙チャートのような上下左右端がディスプレイ上に表現されない等)デジタルデータの形式であるとチャートを参照しづらいという問題がある。その結果、例えばチャートを利用した所定領域の雰囲気等の直感的な把握、直感的な理解に支障をきたすおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明において、以下の計測結果チャート記録装置を提供する。すなわち、第一の発明として、センサーの計測した物理量である計測結果とその計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを取得する計測結果データ取得部と、取得した計測結果データに基づいて、一軸を目盛を有する物理量軸とし、他の一軸を目盛を有する計測時間軸とするとともに、計測時間軸に平行に物理量軸から目盛単位で物理量を表す罫線を表示し、物理量軸と平行に計測時間軸から目盛単位で計測時間を表す罫線を表示した電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である電子化計測結果チャートを生成する電子化計測結果チャート生成部と、生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持部と、電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力部と、を有する(請求項1対応)。
【0008】
前記特徴に加え、計測結果データ取得部は、稼働中の設備で計測されるリアルタイムな物理量であるリアルタイム計測結果データを取得するリアルタイム計測結果データ取得手段を有し、電子化計測結果チャート出力部は、リアルタイム計測結果データ取得手段が取得したリアルタイム計測結果データをリアルタイムで出力するリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段を有し、さらにリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段から出力されるリアルタイムな電子化計測結果チャートであるリアルタイム電子化計測結果データにリアルタイムなメモであるリアルタイムメモを挿入するリアルタイムメモ挿入部を有する(請求項2対応)。
【0009】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート保持部に保持されている電子化計測結果チャートに事後的なメモである事後的メモを挿入する事後的メモ挿入部をさらに有する(請求項3対応)。
【0010】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート保持部に保持されている電子化計測結果チャートに事後的なメモである事後的メモをリアルタイムメモと識別可能に挿入する識別事後的メモ挿入部をさらに有する(請求項4対応)。
【0011】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート出力部は、プリンターから電子化計測結果チャートを出力する第一プリンター出力手段を有する(請求項5対応)。
【0012】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート出力部は、チャート記録装置から計測結果データをチャート用紙に出力するチャート用紙出力手段を有する(請求項6対応)。
計測結果データ取得部は、計測結果データのファイル処理単位情報を取得するファイル処理単位情報取得手段を有し、
【0013】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート生成部は、取得したファイル処理単位情報に基づいて、電子ア計測結果チャートの終了位置、又は開始位置を示す区切りを電子化計測結果チャート上に生成する区切生成手段をさらに有する(請求項7対応)
【0014】
前記特徴に加え、電子化計測結果チャート保持部は、取得されたファイル処理単位情報に基づいて示される単位にてファイルを保持するファイル単位保持手段を有する(請求項8対応)。
【0015】
前記特徴に加え、ファイル処理単位情報取得手段を制御する計測開始・終了指示入力部をさらに有する(請求項9対応)。
【0016】
上記課題を解決するために本発明において、以下の計測結果チャート記録装置の計測結果チャート記録方法を提供する。すなわち、第二の発明として、センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップ、取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する計測結果データ生成ステップと、チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である電子化計測結果チャートを生成する電子化計測結果チャート生成ステップと、生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップとを有する(請求項10対応)。
【0017】
上記課題を解決するために本発明において、以下の計測結果チャート記録プログラムを提供する。すなわち、第三の発明として、センサーの計測した物理量である計測結果を取得する計測結果データ取得部を有する計算機である計測結果チャート記録装置の計測結果チャート記録プログラムであって、センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップ、取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する計測結果データ生成ステップと、チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である電子化計測結果チャートを生成する電子化計測結果チャート生成ステップと、生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップと、を有する(請求項11対応)。
【0018】
上記課題を解決するために本発明において、以下の記録媒体を提供する。記録媒体は、計算機である計測結果チャート記録装置に読取り実行可能に記述した計測結果チャート記録プログラムが記録されたものである。すなわち、第四の発明として、計算機である計測結果チャート記録装置の計測結果チャート記録プログラムが記録された記録媒体であって、センサーの計測した物理量である計測結果を取得する取得ステップと、取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する計測結果データ生成ステップと、チャートのスケール情報を取得するチャートスケール情報取得ステップと、取得したチャートスケール情報と、生成した計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である電子化計測結果チャートを生成する電子化計測結果チャート生成ステップと、生成した電子化計測結果チャートを保持する電子化計測結果チャート保持ステップと、電子化計測結果チャートを出力する電子化計測結果チャート出力ステップと、を有する(請求項12対応)。
【発明の効果】
【0019】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態1の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図2】実施形態1の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図3】実施形態1の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図5】実施形態1の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図6】実施形態1の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図7】実施形態2の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図8】実施形態2の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図9】実施形態2の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図10】実施形態2の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図11】実施形態2の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図12】実施形態3の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図13】実施形態3の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図14】実施形態3の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図15】実施形態3の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図16】実施形態3の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図17】実施形態3の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図18】実施形態4の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図19】実施形態4の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図20】実施形態4の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図21】実施形態4の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図22】実施形態4の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図23】実施形態5の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図24】実施形態5の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図25】実施形態5の計測結果チャート記録装置の計測結果チャートの出力例の概略図。
【
図26】実施形態5の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図27】実施形態5の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図28】実施形態6の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図29】実施形態6の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図31】実施形態6の計測結果チャート記録装置の計測結果チャートの出力例の概略図。
【
図32】実施形態6の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図33】実施形態6の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図34】実施形態7の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図35】実施形態7の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図36】実施形態7の計測結果チャート記録装置の計測結果チャートの出力例の概略図。
【
図37】実施形態7の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図38】実施形態7の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図39】実施形態8の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図40】実施形態8の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図41】実施形態8の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図42】実施形態8の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【
図43】実施形態9の計測結果チャート記録装置の機能ブロック図。
【
図44】実施形態9の計測結果チャート記録装置におけるインターフェースの概略図。
【
図45】実施形態9の計測結果チャート記録装置のハードウェア構成を示すブロック図。
【
図46】実施形態9の計測結果チャート記録装置の処理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
<実施形態1>
【0022】
実施形態1は、主として請求項1、請求項10、請求項11、請求項12に対応している。実施形態2は、主として、請求項2に対応している。実施形態3は、主として、請求項3に対応している。実施形態4は、主として、請求項4に対応している。実施形態5は、主として、請求項5に対応している。実施形態6は、主として、請求項6に対応している。
実施形態7は、主として、請求項7に対応している。実施形態8は、主として、請求項8に対応している。実施形態9は、主として、請求項9に対応している。
【0023】
<実施形態1 概要>
取得した計測結果データに基づいて、一軸を目盛を有する物理量軸とし、他の一軸を目盛を有する計測時間軸とするとともに、計測時間軸に平行に物理量軸から目盛単位で物理量を表す罫線を表示し、物理量軸と平行に計測時間軸から目盛単位で計測時間を表す罫線を表示した電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である電子化計測結果チャートを生成するように構成した計測結果チャート記録装置である。
【0024】
<実施形態1 構成>
図1に示すように、計測結果チャート記録装置は、センサーSEと、計測結果データ取得部0101と、電子化計測結果チャート生成部0103と、電子化計測結果チャート保持部0105と、電子化計測結果チャート出力部0107とを有する。
【0025】
<実施形態1 構成の説明>
<実施形態1 センサー>
「センサー」SEは、所定の物理量を検出する回路を有する検出デバイスである。所定の物理量とは、温度、湿度、気圧、圧力(液体や固体に対するもの)、組成ガスの濃度、組成液体の濃度、照度、流速、電流、電圧、電磁界、電界、磁界、放射線強度、紫外線強度、赤外線強度、振動、騒音、透明度、輝度、粘度、等を挙げることができる。本願発明において物理量は特に限定されないが、実施例の説明においては主に温度等を用いて説明する。
このセンサーSEの一例としては、熱電対センサーを挙げることができる。熱電対センサーは異なる材料の2本の金属線を接続した1つの回路(熱電対)によって構成される。熱電対センサーの金属線の各接点に温度差が与えられると、回路に電圧が発生する。センサーSEは加熱炉内等に配置されるため、加熱炉内等に配置された第1の接点の周囲の温度と、例えば加熱炉外に配置された第2の接点の周囲の温度には差がある。この温度差によりセンサーSEには電圧が発生する。計測結果チャート記録装置によりこの電圧を測定することにより温度が測定される。
【0026】
<実施形態1 計測結果データ取得部>
「計測結果データ取得部」0101は、センサーSEが検出した物理量である計測結果を電圧信号として取得し、さらに図示しない計時部から計測時間を取得する。さらに計測結果データ取得部0101は、計測結果と計測時間とを関連付け計測結果データとする。例えば、計測結果データ取得部0101は、センサーSEに生じた電圧信号(計測結果データ)を数値データに変換し、この変換した計測結果データが取得されたタイミングで取得された計測時間と対応付けることにより関連付けを行う。この計測結果データは電子化計測結果チャート生成部103による後述の処理に利用される。
【0027】
<実施形態1 電子化計測結果チャート生成部>
「電子化計測結果チャート生成部」0103は、センサーSEの計測した物理量である計測結果の、経時的変化を示す電子化計測結果チャートを生成する。計測結果データ取得部0101により取得された計測結果データは、計測時間と関連付けられているため、
図4に示すような物理量の経時的な変化を示す電子化計測結果チャートを作成することができる。
【0028】
「電子化計測結果チャート」とは、取得した計測結果データに基づいて、一軸を目盛を有する物理量軸とし、他の一軸を目盛を有する計測時間軸とするとともに、計測時間軸に平行に物理量軸から目盛単位で物理量を表す罫線を表示し、物理量軸と平行に計測時間軸から目盛単位で計測時間を表す罫線を表示した電子化チャート上に計測結果データを表したものであって紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)である。
【0029】
従来から製造装置の技術者や管理者は紙のチャートを取り扱うことに慣れているために、単に電子化したデータを画面に表示されるだけでは違和感がぬぐえず、従来の感覚でデータを眺めづらいという問題を解消するものである。
【0030】
紙に印刷するイメージのチャートで出力するが、チャートは紙のもので有効記録幅が100mmから120mm程度で、長さが10mから長くても20m程度である。一つの処理(熱処理など)では、この長さが10mから20m以内に記録が完結するように時間軸の長さなどを調整して記録を行う。本発明においても、この感覚に類似の感覚で電子化計測結果チャートを眺められるようにする必要があり、この電子化計測結果チャートは前述のように縦横比(有効記録幅+余白:長さ)が12:1000~15:1000程度で一枚の紙を構成するように生成する必要がある。つまり、長さである10mないしは、縦横比で1000に該当する領域ではページの境目がないように電子化計測結果チャートを生成する。この点で通常の紙に印刷するイメージのものがA4、A3、B4、B5などの定型であるのと異なる。
【0031】
さらに、本発明では、紙のチャートの不便な点、すなわち、長さがせいぜい10m程度しか取れない点(紙チャートの収納機構の制約による)を改良して、実際には10mを超える長さの電子化計測結果チャートを生成するように構成してもよい。従って前記縦横比は、12:2000~15:2000あるいは、さらに横比を大きくとって2000以上5000以下など適宜のものを採用できる。どの程度の縦横比にするかは実際の計測ロットごとに、書き込み(計測)の開始と書き込み(計測)の終了とで任意に定められるようにすると便利である。
【0032】
電子化計測結果チャートには記録が左から右に向かってされるタイプの場合には記録開始位置の左位置に罫線が配置されない開始余白領域(文字等が記録されていることは妨げない。以下同じ。)を設けてそれよりも左側には紙が存在しない状態で表示を行い、記録終了位置の右側には罫線が配置されない終了余白領域を設け、それよりも右側には紙が存在しない状態で表示を行う。この余白領域の存在と紙が存在しない領域の表示によってより現実のチャート用紙に似た感覚で計測結果を眺めることができる。ここでは余白領域と紙が存在しない領域を同時に表現する処理について述べたが、余白領域のみ存在させて、紙が存在しない領域を表現しない処理でもよい。
【0033】
また、以上の説明は記録をチャート紙に対して左から右に向けて行う場合について述べたが、右から左に向けて行う場合、下から上に向けて行う場合、上から下に向けて行う場合も同様に処理するのが好ましい。
【0034】
また、チャート用紙には、矩形状のもの以外に円形状のものがあり、本発明の電子化計測結果チャートは、円形状のチャートを除外するものではない。この場合には記録開始領域に隣接する余白部分と記録終了領域に隣接する余白部分は共通の部分となる。円形状チャートとして電子化計測結果チャートを生成する場合には、中心部分の穴を表示するように構成する。穴は一般に10mm程度から20mm程度であるが、円形の直径に合わせて調整することが可能である。円形チャートの場合には、計測の時間長に応じて曲率半径(直径)を任意に設定することが可能であり、デフォルトの直径は比較的小さく(例えば10cmから20cm程度)にとっておき、計測時間に応じて直径を徐々に大きくしていくことも考えらえる。さらにこの技術に関しては実施形態7でも関連事項(1チャート内における区切りの生成)を述べる。
【0035】
<実施形態1 電子化計測結果チャート設定画面の一例>
電子化計測結果チャートの作成のためのユーザーインターフェースの一例を
図2および
図3を参照して以下説明する。計測結果データ取得部0101により取得される計測結果(物理量)は様々であり、またセンサーSEは複数あり、チャンネルごとに接続されている。つまり、計測結果データ取得部0101は、同時に複数種類の物理量を計測可能である。また同種の計測対象であっても、測定のレンジがケースごとに異なる場合もある。したがって、電子化計測結果チャートは、チャンネルごとの測定種別ごと、およびチャンネルごとの物理量のスケール(上限値等)を設定する必要がある。さらに測定している物理量の種別が電子化計測結果チャート上でユーザーが把握できるように、電子化計測結果チャートの表示態様(チャートを構成する線の表示態様)を識別可能にする。
【0036】
このような電子化計測結果チャートの各種設定をするために、例えば
図2に示すような電子化計測結果チャートの設定画面が記憶装置(
図5の不揮発メモリ等)に記憶されている。ユーザーは入力デバイスIを介して電子化計測結果チャート設定画面を読み出す操作を実行すると、計測結果チャート記録装置のディスプレイDにおいて当該設定画面が表示される。具体的に
図2の表示画面においては、時刻情報表示領域0201、設定項目リスト0203、決定ボタン0205およびリセットボタン0207が設けられている。
【0037】
時刻情報表示領域0201は、任意の計測時間(時刻情報等)取得手段(図示せず)により取得された現在時刻情報に基づく現在時刻が表示される領域である。
【0038】
設定項目リスト0203は、センサーSEのチャンネルごとの設定項目を一覧表示するリストである。設定項目リスト0203においては、センサーSEのチャンネルごとの「1.測定種別」とその線種および「2.物理量軸スケール」と、「3.時間軸スケール」の設定値が表示されている。これら3種類の設定項目については、計測結果チャート記録装置が接続されたセンサーSEを自動的に判別し、判別したセンサーSEの種別ごとの設定の参照値をあらかじめ記憶しており、その参照値を設定項目リスト0203の対応する箇所に表示する構成でもよい。あるいは、設定項目リスト0203が表示され、ユーザーが設定するまではリストの設定値の表示欄を空欄あるいは「-」等の未設定であることを示す表示をする構成であってもよい。
【0039】
設定項目リスト0203の「1.測定種別」の表示欄は、各チャンネルに接続されたセンサーSEが計測する物理量の種別を表す表示領域である。
図2においては温度、湿度、圧力、酸素濃度が示されている。ただし、上述したように他の種別の物理量が測定される構成の場合は、当該他の種別も選択可能である。測定種別の表示欄の右にある「1.変更」の表示欄には「1.測定種別」の種類を変更・選択するためのドロップダウンリスト(図示せず)を表示するためのボタンが表示されている。「▼」が入力デバイスIを介して選択されると、計測結果データ取得部0101の処理によりドロップダウンリストが表示され、温度、湿度、圧力、酸素濃度、その他の測定種別をユーザーが選択可能となる。ドロップダウンリストにおけるいずれかの測定種別を選択すると、その測定種別が設定される。ここで選択した測定種別により、その右欄における「2.物理量軸スケール」の入力値「℃」、「%RH」、「kPa」、「%O
2」等の入力制限が設定される。つまり温度が選択されると、「2.物理量軸スケール」の入力値は「℃」に制限される。
【0040】
またチャンネルごとの「1.測定種別」が設定されると、電子化計測結果チャートにおいて各チャンネルのセンサーSEごとに表示される線種が設定される。この線種はあらかじめ測定種別、あるいは計測対象の設備や物品ごとに対応関係が決まっていてもよい。またこの画面上で逐一設定するように構成されていてもよい。なお、説明の便宜上、
図2では線種で識別するように示したが、線色等、他の表示態様による識別が可能となるように構成されていてもよい。
【0041】
「2.物理量軸」の表示欄は、チャンネルごとに設定された測定種別に応じた物理量のスケールを表す表示領域である。このスケールとして、
図2においては上限値が表示されている。ただし、上限値だけでなくレンジを表示するように構成されていてもよい。物理量軸スケールの表示欄の右にある「2.変更」の表示欄には「2.物理量軸スケール」のスケールを変更するためのスケール入力画面を表示するためのボタンが表示されている。「▼」が入力デバイスIを介して選択されると、計測結果データ取得部0101の処理によりスケール入力画面が表示され、温度、湿度、圧力、酸素濃度、その他の測定種別におけるスケールを入力可能となる。
【0042】
電子化計測結果チャートは
図4に示すように横軸を物理量軸、縦軸を時間軸とする罫線を表示するように構成されており、横軸の一端(
図4のチャート左端)を下限値、他端を上限値とするならば、この物理量軸スケールで設定されるスケールの上限値が他端となる。このように設定したときの上限値と下限値のレンジにより罫線の1目盛分の数値が定まる。
【0043】
「3.時間軸」の表示欄は、電子化計測結果チャートの縦軸における時間ごとの移動スピードを表す表示領域である。この時間軸スケールとして、
図2においては1時間ごとに進む電子化計測結果チャート上における移動距離が表示されている。ただし、1分毎、1秒ごと等、任意の表示形式をとることが可能である。時間軸スケールの表示欄の右にある「3.変更」の表示欄には「3.時間軸スケール」のスケールを変更するためのスケール入力画面を表示するためのボタンが表示されている。「▼」が入力デバイスIを介して選択されると、計測結果データ取得部0101の処理によりスケール入力画面が表示され、1時間ごとの移動量を変更する入力が可能となる。時間軸スケール情報は、チャンネルごとでなく、測定ごと(電子化計測結果チャートの生成サイクルごと)に全チャンネルに対し1つ設定される。ただし、チャンネルごとに設定するように構成されていてもよい、また複数チャンネルを1グループとしてグループごとに設定するように構成されていてもよい。
【0044】
電子化計測結果チャートは、
図4に示すように横軸を物理量軸、縦軸を時間軸とする罫線を表示するように構成されており、縦軸で表示される罫線の1目盛分の単位時間が時間軸スケール情報により定まる。
【0045】
電子化計測結果チャートの設定画面において、決定ボタン0205は、設定項目リスト0203における設定を完了するためのボタンの表示領域である。入力デバイスIを介して決定ボタン0205が選択されると、設定項目リスト0203の表示に基づいて、電子化計測結果チャートの作成のための、測定種別ごとの線種、物理量軸スケール、時間軸スケールが不揮発メモリに記憶される。リセットボタン0207は、一度設定した各種設定値を消去する(あるいは参照値に戻す)ためのボタンの表示領域である。
【0046】
<実施形態1 電子化計測結果チャート生成画面の一例;補足>
電子化計測結果チャートの作成に必要な各種項目が設定されると(例えば
図2における「決定」ボタンが押下されると)、次に電子化計測結果チャートの作成を開始するための電子化計測結果チャートの作成開始画面が表示可能となるか、あるいは表示される。
【0047】
この計測結果チャートの作成開始画面とは、具体的に
図3の表示画面のようなものであり、この画面においては、時刻情報表示領域0301、設定項目リスト0303、開始ボタン0305および設定変更ボタン0307が設けられている。
【0048】
時刻情報表示領域0301、設定項目リスト0303については、
図2の電子化計測結果チャートの設定画面ものと同様であるが、設定項目リスト0303では、各種設定項目の変更ボタン「▼」は表示されない。つまり、設定項目リスト0303は、設定変更ボタン0307が入力デバイスIを介して選択されるまで設定変更ができないように構成されている。つまり、設定項目リスト0303の表示領域は、設定変更ボタン0307が選択されるまで、入力デバイスI(例えばマウス等)により操作を受け付けないように構成されている。
【0049】
開始ボタン0305は、電子化計測結果チャート生成部0103に電子化計測結果チャートの作成を開始する指示を行うためのボタンである。入力デバイスIを介して開始ボタン0305が選択されると、電子化計測結果チャート生成部0103に電子化計測結果チャートの作成指示がなされる。なお、この開始ボタン0305はセンサーSEによる測定開始ボタンを兼ねていてもよく、あるいは炉などの設備における処理(熱処理等)の開始ボタンや、物品への加工処理を行う加工機械の開始ボタンを兼ねていてもよい。
【0050】
また、電子化計測結果チャート生成部0103は、開始指示を受けて不揮発メモリから設定値(または設定変更値)と、電子化計測結果チャートの罫線等があらかじめ準備された電子化チャート(テンプレートデータ)を読み出し、計測結果データ取得部0101から計測結果データの取得を開始する。このようにして、上記電子化計測結果チャートの設定画面で設定された設定値、あるいは電子化計測結果チャートの生成開始画面において設定変更された設定変更値とに基づき、電子化チャート上に取得した計測結果データを書き込んで電子化計測結果チャートが作成される。
【0051】
<実施形態1 電子化計測結果チャートの一例;補足>
図4において、縦軸は時間軸であり、横軸は物理量軸である。
図4に示すように、電子化計測結果チャートにおいては、従来のチャート紙による出力内容と同様にユーザーが視認できるように作成される。したがって、チャート紙と同様に罫線が作成され、画面右側の時間の表示等もチャート紙に合わせて作成されている。また、画面中央にある物理量軸の単位を表す目盛の数値もチャート紙に合わせて作成される。さらに、電子化計測結果チャートでは、従来のチャート紙と同様、時間軸方向に切れ目なく連続して(電子画像データにおけるA4印刷等を考慮したページ表示のための分割をすることなく)電子化計測結果チャートが作成される。また、本実施形態の電子化計測結果チャートは、チャート用紙の表示形式を模して作成されているものであるため、電子化計測結果チャートのチャート用紙の短手方向の両端を示す左端0401と右端0402が表示されている。
【0052】
前述のとおり、電子化計測結果チャートは、紙に印刷するイメージのもの(例えば「PDF」形式)であるので、この電子化計測結果チャート出力部での電子化計測結果チャートの操作感も紙に準じた操作感が必要となる。具体的にはチャート紙をめくるように左右や上下にアナログ的にスクロールする機能があるとよい。また、チャート紙は長さが有限であるように電子化されている必要があり、データがある限りチャートが限りなく継続するという形式でなく、所定長でチャートが終了するような出力形式であることが望ましい。
【0053】
また、紙形式である感覚を操作者に与えるために紙の上下端はディスプレイ上に表現されるように出力することが望ましい。従来から単にデータをチャート的に変換してディスプレイに表示する形式の装置は、紙の上下端の表現がなく、技術者や操作者に違和感を与えるものであった。出力される電子化計測結果チャートは、上下端だけでなく、左右端も有限であるために、最初の部分や最後の部分がスクロールによって到来した場合には、それ以前の領域や、それ以降の領域にはチャート紙が存在しないようにする表現で出力されることが好ましい。
【0054】
さらに、電子化計測結果チャートにプロットされる計測結果の掃引線は、あたかもペンなど、従来のチャート記録装置で行われる掃引線の記録と同等であることが好ましい。つまり、線の解像度は、実際の紙のチャートで行われる記録と同等であるように構成することが好ましく、解像度を落として、ドットとドットの間に隙間が空くような出力とすることは好ましくない。ドット間は緻密にして、人の目でそれがドットで構成されていると認識できないように出力する。
【0055】
さらにチャート用紙には、チャート用紙を機械的に送り出すための歯車を係止する穴が上下又は左右に並んでいるが、この穴も再現するように構成すると、なおチャート用紙と同等の感覚を感じ取ることができ、技術者、操作者の違和感軽減につながる。目盛に関しても、従来の単なる電子化チャートの出力は必要以上に目盛の単位を注意喚起するように構成されており、多くの数字を周辺にちりばめがちであるが、これも違和感を生む原因となっており、主に繰り返し現れる相対的に太い線と、太い線の間に場合により(縦軸、又は横軸、又は両者に)細い線が同間隔で描かれるように出力することが好ましい。
【0056】
紙のチャート用紙は、罫線で占有されている領域と、それ以外のいわゆる余白領域とから構成されている。電子化計測結果チャートもこのように構成することが好ましく、余白領域にはメモリの物理量を知るための数字が定期的に現れるように構成することが好ましい。
【0057】
さらに、電子化チャート形式を選択できるように構成して、余白領域にどの形式の電子化チャートであるかを示す情報をところどころに配置するように構成してもよい。さらに紙のチャート用紙には重ねて収納するために折り目が付いているが、折り目も電子化計測結果チャートに表現するように構成してもよい。また、折り目である部分を示すマークが余白領域に印刷されている紙チャート用紙もあるが、電子化計測結果チャートも余白領域に同様のマークが現れるように構成してもよい。一方紙チャートに自動記録される時刻情報や、その他の情報は一般にドットインパクト形式で印刷されることが多く、電子化計測結果チャートも同様の情報はドットインパクト形式で印刷されているように表現するように構成してもよい。
【0058】
<実施形態1 電子化計測結果チャート保持部>
「電子化計測結果チャート保持部」0105は、電子化計測結果チャート生成部0103が生成した電子化計測結果チャートを読み出し可能に記憶する。この記憶は、電子化計測結果チャートが生成された分を順次記憶する構成であってもよく、あるいは電子化計測結果チャートの生成が完了した旨の指示を受けてから一括して記憶する構成であってもよい。
【0059】
<実施形態1 電子化計測結果チャート出力部>
「電子化計測結果チャート出力部」0107は、入力デバイスIを介して、ディスプレイDへの表示、または用紙への印刷等の出力指示を受けると、指定された電子化計測結果チャートを電子化計測結果チャート保持部0105から読み出す。また電子化計測結果チャート出力部0107は、指示に応じたデバイスに対して、読みだした電子化計測結果チャートを出力する。
【0060】
<実施形態1 ハードウェア構成>
図5に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)0501や主メモリ0502、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(またはハードディスクドライブ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)0503、入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/F、を挙げることができる。その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、例えば通信I/F0504、およびセンサーSEとそのセンサーSE用のインターフェース0505を挙げることができる。さらにはそれらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザーインターフェース用アプリケーションなども挙げられる。
【0061】
そして主メモリ0502上に展開したプログラムに従ったCPU0501の演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、主メモリ0502や不揮発性メモリ0503(ハードディスク等)に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。
【0062】
あるいは本装置の機能ブロックは専用ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、上記CPU0501は演算処理を行うデバイスの一例であり、専用又は汎用のCPUのいずれであってもよい。または、CPUでなく、特定用途向けASIC、プログラマブル論理デバイス(SPLDやCPLD等)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの回路であってもよい。また、本装置は一つのハードウェアやソフトウェアにより構成される場合に限られず、複数のハードウェアやソフトウェアの組み合わせによって構成されてもよく、ネットワークを介在したサーバ装置を含んで構成されてもよい。
【0063】
また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるプログラム、及びプログラムを固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0064】
不揮発性メモリ0503には、計測結果データ取得プログラム、電子化計測結果チャート生成プログラム、電子化計測結果チャート保持プログラム、電子化計測結果チャート出力プログラムと、計時プログラムが記憶され、適宜CPU0501によって読出し実行可能に記憶される。不揮発性メモリ0503には、その他、計測結果データ、計時情報、物理量軸スケール情報、時間軸スケール情報、電子化計測結果チャートも記憶される。なお、CPU0501は、主メモリに保存された、もしくは特定の回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し、実行してもよい。またCPUが複数設けられていて、プログラムを記憶する主メモリが、機能ごとのCPUに対応して個別に設けられていてもよい。
用される。
【0065】
入力デバイスIは、ユーザーによる装置本体の操作や各種の設定に用いられる。入力デバイスIは、例えば装置本体に設けられたディスプレイに表示されるタッチパネル(ソフトウェアキー)であり、ユーザーのタッチパネルへの入力操作を検知して電気信号に変換し、各部に送信する。なお、入力デバイスIは、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して適宜各回路に出力する。例えば、入力デバイスIは、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
【0066】
ディスプレイDは、CRT、プラズマディスプレイ、または液晶ディスプレイ等の表示装置である。
【0067】
<実施形態1 計時プログラム>
「計時プログラム」は、物理量の測定を開始してからの経過時間、あるいは炉の稼働開始からの経過時間等の時間に関する情報(計測時間)を取得する機能を有する。計時プログラムは、日付や時刻を計時情報として取得してもよい。具体的には計時プログラムは、図示しない発信器が出力したクロックパルスのパルス数をカウントし、そのカウント値が基準値に到達すると単位時間を示す単位時間信号を生成する。計時プログラムは、生成した単位時間信号に基づいて装置本体が用いる日付や時刻を生成する。また、計時プログラムは、計測結果データ取得部0101に計時情報(計測時間)を出力する。
【0068】
<実施形態1 動作説明>
以下、
図6のフローチャートを用いて完成ルールの設定に関する動作について説明する。
【0069】
図6に示すように、まず、本実施形態の計測結果チャート記録装置をユーザーが利用するために、計測結果データ取得部0101は、取得ステップを実行する。このステップにおいて、計測結果データ取得部0101は、センサーSEの計測した物理量である計測結果を取得する(ステップS0601)。
【0070】
計測結果データ取得部0101は、取得した計測結果と、その計測時間とを関連付けたデータである計測結果データを生成する(ステップS0602)。次に、電子化計測結果チャート生成部0103は、電子化計測結果チャートの物理量軸スケール情報、時間軸スケール情報および測定種別における線種情報を取得する。(ステップS0603)
【0071】
電子化計測結果チャート生成部0103は、取得した物理量軸スケール情報および時間軸スケール情報と、生成され計測結果データに基づいて、電子化チャート上に計測結果データを表した電子化計測結果チャートを生成する(例えば
図4;ステップS0604)。
【0072】
電子化計測結果チャート保持部0105は、生成した電子化計測結果チャートを保持する(ステップS0605)。電子化計測結果チャート出力部0107は、電子化計測結果チャートを出力する(ステップS0605)。計測結果チャート記録装置は、電子化計測結果チャートの生成完了、測定完了あるいは稼働終了のいずれかの指示を受けると(ステップS0605;Yes)、処理を終了する。
【0073】
このように、本実施形態1によれば、計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって使いやすいチャートの出力結果を提供することができる。
【0074】
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
本実施形態2は、実施形態1を基本としつつ、リアルタイム計測結果データ取得手段が取得したリアルタイム計測結果データをリアルタイムで出力するリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段を有し、さらにリアルタイム電子化計測結果チャート出力手段から出力されるリアルタイムな電子化計測結果チャートであるリアルタイム電子化計測結果データにリアルタイムなメモであるリアルタイムメモを挿入するリアルタイムメモ挿入部を有する。
【0075】
<実施形態2 構成>
図7に示すように、実施形態2における計測結果チャート記録装置もセンサーSEと、計測結果データ取得部0701と、リアルタイム計測結果データ取得手段0702と、電子化計測結果チャート生成部0703と、電子化計測結果チャート保持部0705と、電子化計測結果チャート出力部0707と、リアルタイム電子化計測結果チャート出力手段0708と、リアルタイムメモ挿入部0709とを有する。以下では、実施形態1と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態2に特徴的な構成であるリアルタイムメモ挿入部0709を中心に説明する。
【0076】
<実施形態2 構成の説明>
<実施形態2 リアルタイム計測結果データ取得手段>
「リアルタイム計測結果データ取得手段」0702は、稼働中の設備で計測されるリアルタイムな物理量であるリアルタイム計測結果データを取得する。リアルタイム計測結果データは、計測開始されてから計測結果データ取得部0701が計測結果の取得を即時に開始、および計測時間(計時情報)との関連付けを行ったことにより生成されたものである。電子化計測結果チャート生成部0703は、リアルタイム計測結果データに基づき、リアルタイム電子化計測結果チャートを生成する。なお、電子化チャート上に計測結果データを反映させて電子化計測結果チャートを生成する点においては、実施形態1と同様である。このリアルタイム電子化計測結果チャートは、電子化計測結果チャート出力部0707を介してディスプレイDに表示され、また電子化計測結果チャート保持部0705に記憶される。
【0077】
<実施形態2 リアルタイムメモ挿入部>
「リアルタイムメモ挿入部」0709は、入力デバイスIからの入力を受け、リアルタイムメモを作成する。リアルタイムメモの作成について
図8および
図9を参照して一例を説明する。
図8は、ユーザーがディスプレイD等の任意の表示デバイスに表示されたリアルタイム電子化計測結果チャートを参照しながら、入力デバイスI等を介してリアルタイムメモを挿入する状態の一例を示す概略図である。
図9は、リアルタイムメモ挿入のためのユーザーインターフェースの一例を示す概略図である。
【0078】
<実施形態2 リアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェース>
例えば
図8に示すように、ディスプレイD等にリアルタイム電子化計測結果チャートが表示されている状態で、リアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェースの画面が読み出され、ユーザーによりリアルタイムメモの挿入状態への移行操作がなされると、電子化計測結果チャートにリアルタイムメモを挿入できる状態に移行する。この状態が
図9に示すリアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェースが開かれた状態である。なお、リアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェースの読み出しや、以下に説明するリアルタイムメモの入力は、入力デバイスIによってなされる。この入力デバイスIは、
図8のようなキーボードに限らず、ディスプレイDと入力デバイスIが組み合わされたタッチパネルであってもよい。さらに、ディスプレイDと表示が同期されているタブレット端末等であってもよい。この場合、タブレット端末等に直接入力した内容が、ディスプレイDにも反映されるように構成されていてもよい。
【0079】
さらに、音声入力によりユーザーの音声を検知し、検知した音声を認識、解析し、文字データ化してリアルタイムメモとして入力するように構成されていてもよい。この場合、音声を検知するマイクロフォンM等の音声検知デバイスが含まれる。また、ユーザーにより発声された音声が検知された後、その音声について、音声認識、解析するプログラムが含まれる。音声認識としては公知の音響モデル等を用いた統計的手法、形態素解析等を用いることができる。音声認識等の処理を施された結果が表示可能な文字データとなり、以下に説明するリアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェースに表示される。
【0080】
図9に示すように、リアルタイムメモ挿入用ユーザーインターフェースにおいては、電子化計測結果チャート表示領域0901、リアルタイムメモ入力欄0903、リアルタイムメモ表示領域0905および入力確定ボタン0907が設けられている。
【0081】
電子化計測結果チャート表示領域0901は、リアルタイム電子化計測結果チャートを表示する領域である。電子化計測結果チャート表示領域0901の周囲にはリアルタイムメモ入力欄0903が設けられている。リアルタイムメモ入力欄0903には、入力デバイスIを介してユーザーが入力したリアルタイムメモが表示される。ここで入力されたリアルタイムメモは主メモリに一時的に記憶される。
【0082】
またユーザーにより入力デバイスIを介してリアルタイム電子化計測結果チャートのいずれかの位置が指定されると、リアルタイム電子化計測結果チャートに対するリアルタイムメモ表示領域0905の表示位置(座標等)が主メモリに一時的に記憶される。リアルタイムメモ表示領域0905には、リアルタイムメモ入力欄0903に入力され一時的に記憶された内容が表示される。入力確定ボタン0907は、リアルタイムメモ入力欄0903に入力された内容と、リアルタイムメモ表示領域0905の位置を決定するためのボタンである。入力確定ボタン0907が押下されると、リアルタイムメモ挿入部0709は、主メモリに一時的に記憶されたリアルタイムメモと表示位置を電子化計測結果チャート生成部0703に送る。なお、リアルタイムメモと表示位置の編集や、リアルタイムメモの消去を可能とする構成であってもよい。
【0083】
<実施形態2 リアルタイム電子化計測結果チャートへのリアルタイムメモ挿入>
電子化計測結果チャート生成部0703は、リアルタイムメモ挿入部0709により主メモリに一時的に記憶されたリアルタイムメモと表示位置を受け、リアルタイム電子化計測結果チャートにおける表示位置を検索して、リアルタイム電子化計測結果チャートにリアルタイムメモを挿入する。なお、リアルタイムメモの文字サイズやリアルタイムメモ表示領域0905のサイズを変更することが可能な構成であってもよい。
【0084】
<実施形態2 ハードウェア構成>
図10に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)1001や、主メモリ1002、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)1003、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ1003には、その他、リアルタイム計測結果データ取得サブプログラム、リアルタイムメモ挿入サブプログラム、リアルタイム電子化計測結果チャート出力サブプログラム、およびリアルタイムメモデータも記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0085】
<実施形態2 動作説明>
以下、
図11および
図12のフローチャートを用いてリアルタイムメモ挿入に関する動作について説明する。
【0086】
図11に示すように、まず、ユーザーの操作に基づき(
図8参照)リアルタイムメモ挿入画面(
図9参照)が読み出され(ステップS1101)、ユーザーによりリアルタイムメモの挿入状態への移行操作がなされると、電子化計測結果チャートにリアルタイムメモを挿入できる状態に移行される(ステップS1102;Yes)。
【0087】
図12に示すように、ユーザーにより入力デバイスIを介してリアルタイムメモを入力可能な状態に移行されると、リアルタイムメモが入力される(ステップS1203;Yes)。次にリアルタイムメモ挿入部0709は、リアルタイムメモ表示領域0905(
図9参照)の表示位置の指定を促すメッセージを表示し、位置の指定があるまで待機する(ステップS1204)。表示位置の指定があると(ステップS1204)、リアルタイムメモ挿入部0709は、リアルタイム電子化計測結果チャートにおける表示位置の座標等を確定し、主メモリ等に一時的に記憶させる(ステップS1205)。
【0088】
次にリアルタイムメモ挿入部0709は、リアルタイムメモの入力確定ボタン0907の押下、すなわちリアルタイムメモの入力確定指示があるまで待機する(ステップS1206)。入力確定指示があると(ステップS1206;Yes)、電子化計測結果チャート生成部0703は、リアルタイムメモ挿入部0709において確定されたリアルタイムメモと表示位置に基づき、リアルタイム電子化計測結果チャートにおける表示位置を検索して、リアルタイム電子化計測結果チャートにリアルタイムメモを挿入し(ステップS1207)、リアルタイムメモが挿入された状態の電子化計測結果チャートをディスプレイDに表示させる(ステップS1208)。
【0089】
次に、リアルタイムメモ挿入部0709は、ユーザーによりリアルタイムメモの挿入状態の完了の指示があるまで待機する(ステップS1209)。メモ挿入状態の完了指示があると(ステップS1209;Yes)、リアルタイムメモの挿入状態から、リアルタイム電子化計測結果チャートの表示状態へ移行し、リアルタイムメモの挿入に関する処理を終了する。これに対し、リアルタイムメモ挿入部0709は、ユーザーによりリアルタイムメモの挿入状態の完了指示がなされず、再度リアルタイムメモの入力がなされると(ステップS1209;No)、上記S1203~S1208の処理を適宜繰り返す。
【0090】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によればリアルタイム電子化計測結果チャートにリアルタイムメモを挿入することができ、ユーザーにチャート用紙を利用しているときと同様の操作感を提供することが可能となる。
【0091】
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
本実施形態3は、実施形態2を基本としつつ、電子化計測結果チャートである電子化計測結果データに対し、事後的な(即時的でない)メモである事後的メモを挿入する事後的メモ挿入部を有する。事後的なとは、電子化計測結果チャートがいったん生成を終了して保存された後にメモを挿入するタイミングを指す。実施形態2の物が設備の稼働とセンサーでの物理量の計測、並びにこれらに基づいた電子化計測結果チャートの描画が即時的、連続的になされている中でされるのに対して本実施形態の物は、電子化計測結果チャートの生成の処理が終わった後に行われる点で異なる。
【0092】
<実施形態3 構成>
図13に示すように、実施形態3における計測結果チャート記録装置もセンサーSEと、計測結果データ取得部1301と、電子化計測結果チャート生成部1303と、電子化計測結果チャート保持部1305と、電子化計測結果チャート出力部1307と、事後的メモ挿入部1309とを有する。以下では、実施形態1と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態3に特徴的な構成である事後的メモ挿入部1309を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1と同様であるため説明を割愛する。
【0093】
<実施形態3 構成の説明>
<実施形態3 事後的メモ挿入部>
「事後的メモ挿入部」1309は、入力デバイスIを介して選択された電子化計測結果チャートに、事後的メモを作成して挿入する。事後的メモの作成および挿入について
図14および
図15を参照して一例を説明する。
図14(a)は、電子化計測結果チャート保持部1305に記憶された電子化計測結果チャートの選択画面である。
図14(b)は、選択中の電子化計測結果チャートの確認画面である。
図15は、事後的メモ挿入のためのユーザーインターフェースの一例を示す概略図である。
【0094】
<実施形態3 電子化計測結果チャートの選択画面;補足>
事後的メモ挿入部1309は、ユーザーの操作により事後的メモ挿入のための電子化計測結果チャートの選択画面の表示をする指示がなされると、例えば
図14(a)に示すように、電子化計測結果チャートの選択画面が表示される。選択画面におけるリスト1401Lにおいていずれかが選択されると電子化計測結果チャートの書誌事項が表示され、ユーザーに内容の確認を促す(
図14(b)参照)。より詳しくは以下の通りである。
【0095】
図14(b)のチャート内容の確認画面においては、電子化計測結果チャート情報表示領域1401と、選択中チャート番号表示領域1402と、事後的メモ挿入開始ボタン1403とが設けられている。電子化計測結果チャート情報表示領域1401には、選択された電子化計測結果チャートにおける付随的なデータ(作成日、チャンネルごとの測定内容等;メタデータ)の内容が適宜選択的に表示される。選択中チャート番号表示領域1402は、選択された電子化計測結果チャートのチャート番号やその他、電子化計測結果チャート情報表示領域1401に表示されないその他の付随的な情報が表示される領域である。事後的メモ挿入開始ボタン1403は、事後的メモ挿入画面への移行をするためのボタンである。ユーザーは、この電子化計測結果チャートの選択画面を参照して、事後的メモを挿入するか確認することができる。
【0096】
ただし
図14は一例であり、他の構成とすることも可能である。例えば、事後的メモをあらかじめ挿入する予定で電子化計測結果チャートを読み出す場合に限られない。すなわち、ユーザーが電子化計測結果チャートを単に閲覧しているときに事後的メモを挿入したいと考えた場合に応じて、通常の電子化計測結果チャートの閲覧モードのときに事後的メモを挿入可能な状態に移行するボタンが用意されている構成であってもよい。
【0097】
<実施形態3 事後的メモ挿入画面>
ユーザーにより事後的メモ挿入開始ボタン1403が押下され、事後的メモの挿入状態への移行操作がなされると、電子化計測結果チャート保持部1305から読み出した電子化計測結果チャートに対し、事後的メモを挿入できる状態に移行する。この状態が
図15に示す事後的メモ挿入画面が開かれた状態である。なお、この画面の読み出しや、事後的メモの入力に用いる入力デバイスIとして各種の入力デバイスを採用することができるのは、実施形態2と同様である。
【0098】
図15に示すように、事後的メモ挿入用ユーザーインターフェースにおいては、電子化計測結果チャート表示領域1501、事後的メモ入力欄1503、事後的メモ表示領域1505、スクロールバー1506、入力確定ボタン1507および消去ボタン1508が設けられている。
【0099】
電子化計測結果チャート表示領域1501は、電子化計測結果チャートを表示する領域である。電子化計測結果チャート表示領域1501の周囲には事後的メモ入力欄1503が設けられている。事後的メモ入力欄1503には、入力デバイスIを介してユーザーが入力した事後的メモが表示される。ここで入力された事後的メモは主メモリに一時的に記憶される。
【0100】
またユーザーにより入力デバイスIを介して電子化計測結果チャートのいずれかの位置が指定されると、電子化計測結果チャートに対する事後的メモ表示領域1505の表示位置(座標等)が主メモリに一時的に記憶される。事後的メモ表示領域1505には、事後的メモ入力欄1503に入力され一時的に記憶された内容が表示される。スクロールバー1506は、読み出した電子化計測結果チャートの始点から終点までの範囲をスクロールするためのものである。事後的メモは、電子化計測結果チャートが少なくとも所定割合完成した後に挿入するものであるが、スクロールバー1506によりメモを挿入しようとする電子化計測結果チャートの位置の指定のため容易にスクロール表示をすることができる。
【0101】
入力確定ボタン1507は、事後的メモ入力欄1503に入力された内容と、事後的メモ表示領域1505の位置を決定するためのボタンである。入力確定ボタン1507が押下されると、事後的メモ挿入部1309は、主メモリに一時的に記憶された事後的メモと表示位置を電子化計測結果チャート生成部1303に送る。消去ボタン1508は、一旦入力した事後的メモの内容を消去するためのボタンである。なお、事後的メモと表示位置の編集を可能とする構成であってもよい。
【0102】
<実施形態2 変形例>
なお、ここで挿入されたメモは実施形態2のものも含めて検索対象となってもよい。検索キーワードを所定欄に入力すると、その検索キーワードを含むメモの位置まで電子化計測結果チャートが移動したり、その位置周辺のチャートが表示されると便利である。
【0103】
また、実施形態2のものも含めて挿入するメモには定型文が用意されており、定型文の選択画面がメモの挿入に際して呼び出され選択によってメモに含めて挿入されるように構成することも考えられる。またさらにこの定型文は本発明の記録装置に予め準備されているもののほかに、利用者や管理者が定型文を登録することができるように構成することも考えられる。またはこの定型文には識別情報が与えられており、定型文の選択や検索に際して識別情報を利用して選択の簡易化ができるように構成することも可能である。これは定型文が多数にのぼる場合、例えば数十以上の定型文が準備され、直ちに選択しきれないような場合に便利である。また識別情報を記憶している利用者には識別情報を所定の欄に打ち込むことによって直接に挿入される定型文が所定の欄に表示されるように構成することも考えられる。
【0104】
また、メモの編集が可能なようにいったん挿入したメモであっても、さらに後に編集可能とすることも考えられる。つまり挿入完了メモ編集部を有するように構成することも考えられる。その場合に例えば編集権限を制限することも考えられる。例えば、予め定められた権限を電子認証可能な社員証などで証明できない者は編集することができないように構成することも考えられる。この編集はネットワークを介した端末から可能なように構成することもできる。例えば実験や作業の現場担当者が挿入したメモを実験責任者や作業責任者のみが編集することができるように設計することが可能である。なお、ここで編集とは、追加、変更、削除等を言う。
【0105】
さらに編集やメモ挿入には、テキストのみならず、写真、動画、音声、その他の情報を編集で追加、変更、削除したり、挿入したりすることも便利である。例えば、設備の処理チャンバーなどの映像や、作業構内での計測対象物の写真やビデオが存在する場合にはメモとしてそれらを挿入することができると便利である。また、ビデオのように作業の全体にわたって存在し得るようなものを挿入する場合には、電子化計測結果チャート上に再生指示ポイントを表示してその再生指示ポイントの自動再生ないしは手動による移動につれて再生される場面などが遷移するように構成することも考えられる。
【0106】
さらにメモはメモ挿入者識別情報と関連付けて挿入されるように構成してもよい。その場合にはメモ挿入者名や挿入者識別情報が挿入メモに関連付けて表示されるように構成すると便利である。また前述のメモ検索は挿入者別にメモ検索できるように構成することも可能である。例えば、現場管理者のメモ、作業指示者のメモ、作業責任者のメモなどの別で検索したり、これらの挿入者のメモと、その近辺の電子化計測結果チャートを挿入者毎に一覧ないしは送りながら一覧できるように構成してもよい。
【0107】
<実施形態3 電子化計測結果チャートへの事後的メモ挿入>
電子化計測結果チャート生成部1303は、事後的メモ挿入部1309は、主メモリに一時的に記憶された事後的メモと表示位置を受け、電子化計測結果チャートにおける表示位置を検索して、電子化計測結果チャートに事後的メモを挿入する。なお、事後的メモの文字サイズや事後的メモ表示領域1505のサイズを変更することが可能な構成であってもよい。
【0108】
<実施形態3 ハードウェア構成>
図16に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)1601や、主メモリ1602、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)1603、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、およびスピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ1603には、その他、事後的メモ挿入プログラムおよび事後的メモデータも記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0109】
<実施形態3 動作説明>
以下、
図17のフローチャートを用いて事後的メモ挿入に関する動作について説明する。
【0110】
図17に示すように、まず、ユーザーの操作に基づき電子化計測結果チャートが選択され(ステップS1701;
図14参照)、事後的メモ挿入画面(
図15参照)が読み出され、ユーザーにより事後的メモの挿入状態への移行操作がなされると、電子化計測結果チャートに事後的メモを挿入できる状態に移行される(ステップS1702;Yes)。
【0111】
ユーザーにより入力デバイスIを介して事後的メモを入力可能な状態に移行されると、事後的メモが入力される(ステップS1703;Yes)。次に事後的メモ挿入部1309は、事後的メモ表示領域1505(
図15参照)の表示位置の指定を促すメッセージを表示し、位置の指定があるまで待機する(ステップS1704)。表示位置の指定があると(ステップS1704;Yes)、事後的メモ挿入部1709は、電子化計測結果チャートにおける表示位置の座標等を確定し、主メモリ等に一時的に記憶させる(ステップS1705)。
【0112】
次に事後的メモ挿入部1309は、事後的メモの入力確定ボタン1507の押下、すなわち事後的メモの入力確定指示があるまで待機する(ステップS1706)。入力確定指示があると(ステップS1706;Yes)、電子化計測結果チャート生成部1303は、事後的メモ挿入部1309において確定された事後的メモと表示位置に基づき、電子化計測結果チャートにおける表示位置を検索して、電子化計測結果チャートに事後的メモを挿入し(ステップS1707)、事後的メモが挿入された状態の電子化計測結果チャートをディスプレイDに表示させる(ステップS1708)。
【0113】
次に、事後的メモ挿入部1309は、ユーザーにより事後的メモの挿入状態の完了の指示があるまで待機する(ステップS1709)。メモ挿入状態の完了指示があると(ステップS1709;Yes)、事後的メモの挿入状態から、電子化計測結果チャートの表示状態へ移行し、事後的メモの挿入に関する処理を終了する。これに対し、事後的メモ挿入部1309は、ユーザーにより事後的メモの挿入状態の完了指示がなされず、再度事後的メモの入力がなされると(ステップS1709;No)、上記S1702~S1708の処理を適宜繰り返す。
【0114】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によれば電子化計測結果チャートに事後的メモを挿入することができ、ユーザーにチャート用紙を利用しているときと同様の操作感を提供することが可能となる。
【0115】
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
本実施形態4は、実施形態2と実施形態3とを組み合わせた実施形態を基本としつつ、リアルタイムメモと事後的メモの識別を可能とする識別事後的メモ挿入部を有する。
【0116】
<実施形態4 構成>
図18に示すように、実施形態4における計測結果チャート記録装置は、センサーSEと、計測結果データ取得部1801と、リアルタイム計測結果データ取得手段1802と、電子化計測結果チャート生成部1803と、電子化計測結果チャート保持部1805と、電子化計測結果チャート出力部1807と、リアルタイム電子化計測結果チャート出力手段1808と、事後的メモ挿入部1809と、リアルタイムメモ挿入部1811とを有する。以下では、実施形態2,実施形態3と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態4に特徴的な構成である識別事後的メモ挿入部1809を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。
【0117】
<実施形態4 構成の説明>
<実施形態4 識別事後的メモ挿入部>
「識別事後的メモ挿入部」1809は、入力デバイスIを介して選択された電子化計測結果チャートに、リアルタイムメモと識別可能な識別事後的メモを作成して挿入する。識別事後的メモの作成および挿入について
図19および
図20を参照して一例を説明する。
図19は、電子化計測結果チャート保持部1805に記憶された電子化計測結果チャートの選択画面である。
図20は、識別事後的メモ挿入のためのユーザーインターフェースの一例を示す概略図である。
【0118】
<実施形態4 電子化計測結果チャートの選択画面;補足>
事後的メモ挿入部1809は、実施形態3と同様にユーザーの操作により、例えば
図19に示すような識別事後的メモ挿入のための電子化計測結果チャートの選択画面が表示される。この画面ではスライドバーにおいてチャートを切り替え表示して選択する構成である。より詳しくは以下において
図19を参照して説明する。ただし、実施形態3と同様の電子化計測結果チャートの選択方法であってもよい。
【0119】
図19の画面においては、電子化計測結果チャート情報表示領域1901と、選択候補チャート表示領域1902、1903と、スライドバー表示領域1904と、選択中チャート番号表示領域1905と、事後的メモ挿入開始ボタン1906とが設けられている。
電子化計測結果チャート情報表示領域1901は、現在選択している電子化計測結果チャートの付随的なデータを表示する領域である。選択候補チャート表示領域1902、1903は、現在選択中の電子化計測結果チャート情報表示領域1901における電子化計測結果チャートでなく、他の選択候補があることを示す領域である。スライドバー表示領域1904は、選択している電子化計測結果チャートを切り替え表示して、他の電子化計測結果チャートを選択するために操作するスライドバーを示している。その他は、
図14(b)と同様である。
【0120】
また、実施形態3と同様に
図19は一例であり、その他、ユーザーが電子化計測結果チャートを単に閲覧しているときに事後的メモを挿入したいと考えた場合に応じて、通常の電子化計測結果チャートの閲覧モードのときに事後的メモを挿入可能な状態に移行するボタンが用意されている構成であってもよい。
【0121】
<実施形態4 事後的メモ挿入画面>
ユーザーにより識別事後的メモ挿入開始ボタン1903が押下され、識別事後的メモの挿入状態への移行操作がなされると、電子化計測結果チャート保持部1805から読み出した電子化計測結果チャートに対し、識別事後的メモを挿入できる状態に移行する。この状態が
図20に示す識別事後的メモ挿入画面が開かれた状態である。なお、この画面の読み出しや、識別事後的メモの入力に用いる入力デバイスIとして各種の入力デバイスを採用することができるのは、実施形態2と同様である。
【0122】
図20に示すように、識別事後的メモ挿入用ユーザーインターフェースにおいては、電子化計測結果チャート表示領域2001、識別事後的メモ入力欄2003、リアルタイムメモ表示領域2004、識別事後的メモ表示領域2005、スクロールバー2006、入力確定ボタン2007および消去ボタン2008が設けられている。これら各部は実施形態3と同様である。
【0123】
入力確定ボタン2007は、識別事後的メモ入力欄2003に入力された内容と、識別事後的メモ表示領域2005の位置を決定するためのボタンである。入力確定ボタン2007が押下されると、識別事後的メモ挿入部1809は、事後的メモをリアルタイムメモと識別するための識別情報を付加した識別事後的メモと、表示位置とを電子化計測結果チャート生成部1803に送る。なお、識別事後的メモおよびリアルタイムメモと表示位置の編集を可能とする構成であってもよい。
【0124】
<実施形態4 電子化計測結果チャートへの識別事後的メモ挿入>
電子化計測結果チャート生成部1803は、事後的メモ挿入部1809は、主メモリに一時的に記憶された識別事後的メモと表示位置を受け、電子化計測結果チャートにおける表示位置を検索して、電子化計測結果チャートに識別事後的メモを挿入する。ここで、識別事後的メモには、リアルタイムメモと識別するための識別情報が付加されている。電子化計測結果チャート生成部1803は、識別事後的メモの識別情報に基づき、リアルタイムメモと識別事後的メモとをユーザーが識別可能となるように挿入する。「識別可能」にする方法としては例えば図示したように各メモに「リアルタイムメモ」、「事後的メモ」という表示をする態様がある。その他、メモを構成する字のフォントを変える、メモの表示領域の背景の色や枠線を変える、一方のメモや枠のみを点滅させる等、任意の表示態様の区別方法を用いることができる。なお、事後的メモの文字サイズや事後的メモ表示領域2005のサイズを変更することが可能な構成であってもよい。
【0125】
<実施形態4 ハードウェア構成>
図21に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)2101や、主メモリ2102、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)2103、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ2103には、その他、識別事後的メモ挿入プログラムおよび識別事後的メモデータも記憶される。その他は実施形態2、実施形態3と同様である。
【0126】
<実施形態4 動作説明>
以下、
図22のフローチャートを用いて事後的メモ挿入に関する動作について説明する。
【0127】
図22に示すように、まず、ユーザーの操作に基づき(
図19参照)、電子化計測結果チャートの選択画面が表示され識別事後的メモを挿入する電子化計測結果チャートが選択される(ステップS2201)。この選択に応じて識別事後的メモ挿入画面(
図20参照)が読み出され、ユーザーにより識別事後的メモの挿入状態への移行操作(
図19:符号1906)がなされると、電子化計測結果チャートに識別事後的メモを挿入できる状態に移行される(ステップS2202;Yes)。
【0128】
ユーザーにより入力デバイスIを介して識別事後的メモを入力可能な状態に移行されると、識別事後的メモが入力される(ステップS2203;Yes)。次に識別事後的メモ挿入部1809は、識別事後的メモ表示領域2005(
図20参照)の表示位置の指定を促すメッセージを表示し、位置の指定があるまで待機する(ステップS2204;No)。メモの挿入位置の指定があると(ステップS2204;Yes)、識別事後的メモ挿入部1809は、電子化計測結果チャートにおける表示位置の座標等を確定し、主メモリ等に一時的に記憶させる(ステップS2205)。
【0129】
次に識別事後的メモ挿入部1809は、識別事後的メモの入力確定ボタン2007の押下、すなわち識別事後的メモの入力確定指示があるまで待機する(ステップS2206;No)。入力確定指示があると(ステップS2206;Yes)、電子化計測結果チャート生成部1803は、識別事後的メモ挿入部1809において確定された識別事後的メモと挿入位置(表示位置)に基づき、電子化計測結果チャートにおける挿入位置を検索して、電子化計測結果チャートに識別事後的メモを付加、挿入し、保存する(ステップS2207)。次に電子化計測結果チャート生成部1803は、識別事後的メモが挿入された状態の電子化計測結果チャートをディスプレイDに表示させる(ステップS2208)。
【0130】
次に、識別事後的メモ挿入部1809は、ユーザーにより識別事後的メモの挿入状態の完了の指示があるまで待機する(ステップS2209)。メモ挿入状態の完了指示があると(ステップS2209;Yes)、識別事後的メモの挿入状態から、電子化計測結果チャートの表示状態へ移行し、識別事後的メモの挿入に関する処理を終了する。これに対し、識別事後的メモ挿入部1809は、ユーザーにより識別事後的メモの挿入状態の完了指示がなされず、再度識別事後的メモの入力がなされると(ステップS2209;No)、上記S2202~S2208の処理を適宜繰り返す。
【0131】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によれば電子化計測結果チャートに識別事後的メモを挿入することができ、ユーザーにチャート用紙を利用しているときと同様の操作感を提供することが可能となる。また事後的メモをリアルタイムメモと識別可能に構成されているため、電子化計測結果チャート上に示されたメモが、リアルタイムに入力されたものか、事後的に入力されたものかの識別も可能となる。
【0132】
<実施形態5>
<実施形態5 概要>
本実施形態5は、実施形態1を基本としつつ、電子化計測結果チャート出力部は、プリンターから電子化計測結果チャートを出力する第一プリンター出力手段を有する。
【0133】
<実施形態5 構成>
図23に示すように、実施形態5における計測結果チャート記録装置は、センサSEと、計測結果データ取得部2301と、電子化計測結果チャート生成部2303と、電子化計測結果チャート保持部2305と、電子化計測結果チャート出力部2307と、第一プリンター出力手段2308とを有する。以下では、実施形態1と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態5に特徴的な構成である第一プリンター出力手段2308を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。
【0134】
<実施形態5 構成の説明>
<実施形態5 第一プリンター出力手段>
「第一プリンター出力手段」2308は、電子化計測結果チャート保持部2305に保持された電子化計測結果チャート、またはリアルタイム電子化計測結果チャートをそのままの状態で外部(もしくは内蔵された)の印刷デバイス(例えば第1プリンターPR1)に出力する。第一プリンター出力手段2308により第1プリンターPR1で印刷をするときの処理について
図24および
図25を参照して一例を説明する。
図24は、印刷対象となる電子化計測結果チャートの選択画面である。
図25は、印刷された電子化計測結果チャートの一例を示す概略図である。
【0135】
第一プリンター出力手段2308は、電子化計測結果チャートの全体を出力する機能の他に、時間軸を限定して一枚の電子化計測結果チャートの部分を出力するように構成してもよい。さらに電子化計測結果チャートの計測結果が所定の条件を満たす部分についてのみ出力するように構成することもできる。所定の条件とは「温度、湿度、気圧、組成ガスの濃度、組成液体の濃度、照度、流速、電流、電圧、電磁界、電界、磁界、放射線強度、紫外線強度、赤外線強度、振動、騒音、透明度、輝度、粘度、等」の測定値が所定の範囲であるような場合、あるいはこれらの複数の物理量の関係が所定の関係を満たす場合などを挙げることができる。物理量の関係が所定の関係を満たす場合とは例えば測定された温度に所定の係数を乗算した結果が測定された圧力よりも大きくなるなどの関係をいう。これらの条件設定のインターフェースが第一プリンター出力手段2308に備えられていてもよい。なお、本実施形態で出力する対象は罫線が入れられていないチャート用紙に出力する場合である。さらに、罫線が入れられていないチャート用紙でなく、A4、A3、B4,B5などの定型の紙に出力するように構成してもよい。この場合にはどの紙がどの紙の続きであるか判別できるように続き番号などを別途余白に印刷するように構成することが好ましい。
【0136】
<実施形態5 電子化計測結果チャートの選択画面;補足>
第一プリンター出力手段2308は、ユーザーの操作により、例えば
図24に示すような印刷のための電子化計測結果チャートの選択画面が表示される。この選択方法および画面構成については、実施形態4と同様であるため説明を割愛する。ただし、実施形態3と同様の電子化計測結果チャートの選択方法であってもよい。
【0137】
また、
図24は一例であり、その他、ユーザーが電子化計測結果チャートを単に閲覧しているときに印刷したいと考えた場合に応じて、通常の電子化計測結果チャートの閲覧モードのときに印刷可能な状態に移行するボタンが用意されている構成であってもよい。
【0138】
<実施形態5 印刷された電子化計測結果チャート>
図25に示すように第1プリンターPR1は、いわゆる従来の罫線つきのチャート用紙でなく、通常のコピー用紙のようなチャート用紙でない紙に印刷をする印刷デバイスであるため、本実施形態の電子化計測結果チャートをそのまま出力することにより、従来のチャート用紙のように印刷をすることができる。
【0139】
<実施形態5 ハードウェア構成>
図26に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)2601や、主メモリ2602、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)2603、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ2603には、その他、第一プリンター出力サブプログラムも記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0140】
<実施形態5 動作説明>
以下、
図27のフローチャートを用いて印刷に関する動作について説明する。
【0141】
図27に示すように、まず、ユーザーの操作に基づき(
図24参照)、電子化計測結果チャートの選択画面が表示され、印刷しようとする電子化計測結果チャートが選択される(ステップS2701)。選択の後、第一プリンター出力手段2308は、印刷開始の指示がされるまで待機する(ステップS2702;No)。印刷開始の指示がされると(ステップS2702;Yes)、プリンターの選択画面(図示せず)が表示され、ユーザーによりプリンターが選択される(ステップS2703)。
【0142】
プリンターが選択され、決定されると、その選択したプリンターの設定選択画面(図示せず)が表示され、ユーザーにより適宜設定変更が実行される(ステップS2704)。
ユーザーによりプリンターの設定が決定され、ユーザーの操作により印刷実行指示が行われる(ステップS2705)。この印刷実行指示により選択されたプリンター、例えば第1プリンターPR1により、
図25に示すような計測結果チャートが印刷される(ステップS2706)。
【0143】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によればチャート用紙のような罫線等が印刷されていない用紙に電子化計測結果チャートを印刷し、ユーザーにチャート用紙を利用しているときと同様の外観を提供することが可能となる。
【0144】
<実施形態6>
<実施形態6 概要>
本実施形態6は、実施形態1を基本としつつ、電子化計測結果チャート出力部は、プリンターから電子化計測結果チャートでなく罫線を出力しない形態で計測結果データを罫線のついた紙のチャート用紙に出力するためのチャート用紙出力手段を有する。
【0145】
<実施形態6 構成>
図28に示すように、実施形態6における計測結果チャート記録装置は、センサSEと、計測結果データ取得部2801と、電子化計測結果チャート生成部2803と、電子化計測結果チャート保持部2805と、電子化計測結果チャート出力部2807と、チャート用紙出力手段2808とを有する。以下では、実施形態1と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態6に特徴的な構成であるチャート用紙出力手段2808を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。
【0146】
<実施形態6 構成の説明>
<実施形態6 チャート用紙出力手段>
「チャート用紙出力手段」2808は、実施形態5と異なり、電子化計測結果チャートでなく、計測結果データ(波形データ、場合によりスケール情報等)を印刷デバイス(例えば第2プリンターPR2)に出力する。チャート用紙出力手段2808により第2プリンターPR2で印刷をするときの処理について
図29~
図31を参照して一例を説明する。
図29は、印刷対象となる電子化計測結果チャートの選択画面である。
図30は、印刷前のチャート用紙を示し、
図31はチャート用紙に印刷された電子化計測結果チャートの一例を示す概略図である。なお、実施形態6では、チャート用紙に計測結果データ等を出力するため、内部処理としては計測結果データの印刷(第2プリンターPR2への出力)となるが、ユーザーとしては印刷された結果物として電子化計測結果チャートがプリントアウトされたものを得るという感覚で印刷関連の操作を行うため、ユーザーインターフェース(印刷チャート選択用の画面)は、「電子化計測結果チャート」の選択をするように構成されている。
【0147】
<実施形態6 電子化計測結果チャートの選択画面;補足>
チャート用紙出力手段2808は、ユーザーの操作により、例えば
図29に示すような印刷のための電子化計測結果チャートの選択画面が表示される。この選択方法および画面構成については、実施形態5と同様であるため説明を割愛する。ただし、実施形態3と同様の電子化計測結果チャートの選択方法であってもよい。
【0148】
また、
図29は一例であり、その他、ユーザーが電子化計測結果チャートを単に閲覧しているときに印刷したいと考えた場合に応じて、通常の電子化計測結果チャートの閲覧モードのときに印刷可能な状態に移行するボタンが用意されている構成であってもよい。
【0149】
<実施形態6 印刷された計測結果>
実施形態6では、いわゆる従来の罫線つきのチャート用紙(
図30参照)に電子化計測結果チャートを印刷する。したがって、チャート用紙出力手段2808は、電子化計測結果チャート保持手段2805に保持された電子化計測結果チャートにおける「計測結果データ」すなわちチャート用紙を模した部分、例えば罫線、目盛の数値表示および左右両端の端線等を電子化計測結果チャートから除去し(言い換えると波形部分や、メモ、スケール表示を抽出して)、第2プリンターPR2に出力する。なお、スケールとは、予め罫線を備えたチャートの単位目盛(罫線と罫線間の物理量、時間長)の値を示すための情報をいう。
【0150】
第2プリンターPR2には、予め罫線の入った従来のチャート用紙が備えられている。この場合に、第2プリンターPR2に備えられているチャート用紙の罫線がどのように配されているかは、チャート用紙出力手段2808に設定されている。具体的には、電子化計測結果チャート生成部2803で生成されている罫線と、紙チャートに予め印刷されている罫線とを合致させる必要がある。具体的には物理メモリを示す罫線の下限値と上限値が両者で一致する必要がある。そのために第2プリンターで計測結果を印刷する場合には、前記チャート紙の上限値と下限値が電子化計測結果チャートの物理メモリの上限値と下限値の範囲となるように(いわゆる一般の複写機で言う場合には用紙に合わせて印刷という命令に類似)第2プリンターPR2を制御するように構成する。本実施形態において、印刷された電子化計測結果チャートは、
図31に示すように従来のチャート用紙のように印刷されたものと同様に閲覧することが可能である。
【0151】
<実施形態6 ハードウェア構成>
図32に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)3201や、主メモリ3202、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)3203、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第2プリンターPR2を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ3203には、その他、チャート用紙出力サブプログラムも記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0152】
<実施形態6 動作説明>
以下、
図33のフローチャートを用いてチャート用紙への印刷に関する動作について説明する。
【0153】
図33に示すように、まず、ユーザーの操作に基づき(
図29参照)、電子化計測結果チャートの選択画面が表示され、印刷しようとする電子化計測結果チャートが選択される(ステップS3301)。選択の後、チャート用紙出力手段2808は、印刷開始の指示がされるまで待機する(ステップS3302;No)。印刷開始の指示がされると(ステップS3302;Yes)、チャート用紙出力手段2808は、電子化計測結果チャートからチャート用紙を模した部分、例えば罫線、目盛の数値表示、左右両端の端線等を除去する(ステップS3303)。次にプリンターの選択画面(図示せず)が表示され、ユーザーによりプリンターが選択される(ステップS3304)。
【0154】
プリンターが選択され、決定されると、その選択したプリンターの設定選択画面(図示せず)が表示され、ユーザーにより適宜設定変更が実行される(ステップS3305)。
ユーザーによりプリンターの設定が決定され、ユーザーの操作により印刷実行指示が行われる(ステップS3306)。この印刷実行指示により例えば第2プリンターPR2により、
図31に示すような電子化計測結果チャートが印刷される(ステップS3307)。なお、本実施形態においては、プリンターの設定(S3305)において、設定されているチャート用紙をプレビュー表示しつつ、チャート用紙の選択を促すように構成されていてもよい。この場合、チャート用紙の選択が可能なユーザーインターフェースがチャート用紙出力手段2808に含まれる。
【0155】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によれば、従来通りのチャート用紙に印刷された計測結果チャートが必要になった場合にも対応することが可能となる。
【0156】
<実施形態7>
<実施形態7 概要>
本実施形態7は、実施形態1を基本としつつ、電子化計測結果チャート生成部は、ファイル処理単位情報取得手段が取得した計測結果データのファイル処理単位情報に基づいて、電子計測結果チャートの終了位置、又は開始位置を示す区切りを電子化計測結果チャート上に生成する区切生成手段を有する。
【0157】
<実施形態7 構成>
図34に示すように、実施形態7における計測結果チャート記録装置は、センサーSEと、計測結果データ取得部3401と、ファイル処理単位情報取得手段3402と、電子化計測結果チャート生成部3403と、区切生成手段3404と、電子化計測結果チャート保持部3405と、電子化計測結果チャート出力部3407とを有する。以下では、実施形態1と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態7に特徴的な構成であるファイル処理単位情報取得手段3402および区切り生成手段3404を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。
【0158】
<実施形態7 構成の説明>
<実施形態7 ファイル処理単位情報取得手段>
「ファイル処理単位情報取得手段」3402は、所定のファイル処理単位を示すファイル処理単位情報を取得する。ファイル処理単位とは、所定の条件により電子化計測結果チャートにおける始点と終点を定めた場合における、始点から終点までの1単位分を示す。
電子化計測結果チャートは長尺の連続的な波形のデータであるが、この波形(物理量)の変化は、計測、観察する対象(加熱炉等)における稼働状況によって起こる場合がある。つまり、計測対象の物理量の変化は、不定期かつ無作為な条件による場合もあるが、加熱炉の熱処理ロットのように処理スケジュールが決まっているか、または不定期であっても物理量の制御(温度制御等)をしている場合には、計測結果チャート記録装置による計測がその稼働状況に合わせて実行されることが望ましい。言い換えれば計測対象の稼働中は計測を実行し、非稼働時には計測が不要である場合もある。本実施形態7では、計測対象の稼働状況に対応させる等の目的により、電子化計測結果チャートをファイル処理単位で取り扱うことを可能とする。
【0159】
なお、上記の計測対象とは、設備等の所定領域(例えば加熱炉内)や、計測対象となる物品(例えば金型)である。また計測結果チャート記録装置による計測対象に対する処理(加工処理等:例えば熱処理)の種別や態様は多様であるが、本実施形態の説明においては、加熱炉の熱処理ロットの1ロット分に合わせて、電子化計測結果チャートのファイル処理単位が定まる場合について説明する。
【0160】
<実施形態7 ファイル処理単位情報_第1の例;時間情報1>
ファイル処理単位情報の第1の例として、ファイル処理単位情報を、センサーSEが配置される処理実施設備(加熱炉等)あるいは処理対象物の加工機械から取得される時間情報とすることができる。加熱炉による熱処理ロットの場合であれば、加熱炉において温度制御のスケジュールが定まっているため、電子化計測結果チャートをそのスケジュールに合わせて作成する。具体例としては、加熱炉の熱処理開始時間と熱処理終了時間を、そのままファイル処理単位情報とする。したがって、ファイル処理単位情報取得手段3402は、外部装置から通信インターフェース等を介してファイル処理単位情報として熱処理ロットにおける熱処理開始時間と熱処理終了時間を取得し、記憶装置(例えば不揮発メモリ3703あるいは主メモリ3702)に記憶させる。
【0161】
<実施形態7 ファイル処理単位情報_第2の例;時間情報2>
ただし、ファイル処理単位情報は熱処理ロットの1処理分の所要時間を示す情報であってもよい。この場合、電子化計測結果チャートの生成開始はユーザーによる指示に基づき、電子化計測結果チャートの生成終了は、ファイル処理単位情報としての所要時間の経過による。
【0162】
<実施形態7 ファイル処理単位情報_第3の例;時間情報3>
ファイル処理単位情報は、外部装置(加熱炉等)からの情報に基づかず、ユーザーが設定する情報であってもよい。ファイル処理単位情報をユーザーが設定する構成の場合のユーザーインターフェースの一例を
図35に基づき、説明する。
図35に示すように、ファイル処理単位情報入力設定画面においては、日付表示領域3501、ファイル処理単位情報リスト3503、決定ボタン3505およびリセットボタン3507が設けられている。
【0163】
電子化計測結果チャートの設定画面において、ファイル処理単位情報リスト3503は、
ファイル処理単位情報の始点と終点に関する情報を一覧表示し、それら情報を設定変更するためのリストである。ファイル処理単位情報リスト3503においては、ファイル処理単位ごとの「1.ファイル処理単位開始時間」と「2.ファイル処理単位終了時間」の設定値が表示されている。ファイル処理単位開始時間は、予定されている電子化計測結果チャートの作成開始時間である。ファイル処理単位終了時間は、電子化計測結果チャートの作成終了時間である。
【0164】
これらの設定項目については、加熱炉等の熱処理ロットの情報を取得し、それを参照値として、ファイル処理単位情報リスト3503の対応する箇所に表示する構成でもよい。あるいは、ファイル処理単位情報リスト3503が表示され、ユーザーが設定するまではリストの設定値の表示欄を空欄あるいは「-」等の未設定であることを示す表示をする構成であってもよい。
【0165】
ファイル処理単位開始時間の表示欄の右にある「1.変更」の表示欄にはファイル処理単位開始時間を変更するためのボタン「▼」が表示されている。「▼」が入力デバイスIを介して選択されると、ファイル処理単位情報取得手段3402が、開始時間の設定変更の入力可能な状態に移行する。ファイル処理単位終了時間の表示欄の右にある「2.変更」も同様である。決定ボタン3505は、ファイル処理単位情報リスト3503における設定を完了するためのボタンの表示領域である。入力デバイスIを介して決定ボタン3505が選択されると、ファイル処理単位情報リスト3503の表示に基づいて、ファイル処理単位開始時間と終了時間、つまり電子化計測結果チャートの作成開始時間と終了時間が不揮発メモリあるいは主メモリ等の記憶装置に記憶される。リセットボタン3507は、一度設定した各種設定値を消去する(あるいは参照値に戻す)ためのボタンの表示領域である。
【0166】
<実施形態7 ファイル処理単位情報_第4の例;目盛長>
ファイル処理単位情報の第4の例として、電子化チャートの目盛等に基づく、時間軸方向の長さであってもよい。電子化計測結果チャートは長尺となる場合があり、ディスプレイで閲覧するとしても長すぎると閲覧がしにくくなる場合もある。したがって、実際の電子化計測結果チャートの作成時間やチャートスピード(時間軸スケールにおける1目盛分の単位時間)に関わらず、目盛の数に応じてファイル処理単位の終点、すなわち電子化計測結果チャートの長さをあらかじめ決めておく構成であってもよい。
【0167】
<実施形態7 区切生成手段>
「区切生成手段」3404は、ユーザーの操作により、例えば
図36に示すように電子化計測結果チャートに、ユーザーが視認可能な「区切」3603を挿入する。例えば、区切生成手段3404は、1つの電子化計測結果チャートにおいて、不揮発メモリ等から読み出したファイル処理単位情報に基づき、始点、終点の少なくともいずれか一方をユーザーに認識させるために、区切を挿入する。区切は、
図36に示すように空白であってもよく、また図形、記号、線分等であってもよい。また区切の挿入は、電子化計測結果チャートが生成されてから始点の前、あるいは終点の後に上書きする構成でもよく、あるいは電子化計測結果チャートの始点の前に所定の空白ができるように波形の作成を開始する構成であってもよい。
【0168】
<実施形態7 ハードウェア構成>
図37に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)3701や、主メモリ3702、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)3703、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ3703には、その他、ファイル処理単位情報取得サブプログラム、区切生成サブプログラム、ファイル処理単位情報および区切情報も記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0169】
<実施形態7 動作説明>
以下、
図38のフローチャートを用いて区切の挿入に関する動作について説明する。
【0170】
ファイル処理単位情報取得手段3402は、外部装置から取得した稼働状況の情報またはユーザーが入力した情報に基づき、ファイル処理単位情報を取得する(ステップS3801)。ファイル処理単位情報におけるファイル処理単位開始時間に応じてか、あるいは任意のタイミングで電子化計測結果チャートが作成される(ステップS3802)。区切生成手段3404は電子化計測結果チャートの作成が終了したか判断する(ステップS3803)。電子化計測結果チャートの作成が終了したと判断されると(ステップS3803;Yes)、区切生成手段3404は、ファイル処理単位情報におけるファイル処理単位終了時間に応じてか、あるいは任意のタイミングで区切を挿入する(ステップS3804)。
【0171】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらに本実施形態によれば電子化計測結果チャートに対し、チャートを視覚的に切り分ける区切を挿入することができる。このような構成によれば、区切を境界として電子化計測結果チャートが分かれていることが一見して把握でき、熱処理ロットごと等の何らかの理由でチャートが分かれていることをユーザーに視認させることが可能となる。例えば熱処理ロットごとにチャートを分割している旨のメモを挿入する等して、チャートの区切の意義を把握させることも可能である。
【0172】
<実施形態8>
<実施形態8 概要>
本実施形態8は、実施形態7を基本としつつ、電子化計測結果チャート保持部は、取得されたファイル処理単位情報に基づいて示される単位にてファイルを保持するファイル単位保持手段を有する。
【0173】
<実施形態8 構成>
図39に示すように、実施形態8における計測結果チャート記録装置は、センサーSEと、計測結果データ取得部3901と、ファイル処理単位情報取得手段3902と、電子化計測結果チャート生成部3903と、区切生成手段3904と、電子化計測結果チャート保持部3905と、ファイル単位保持手段3906と、電子化計測結果チャート出力部3907とを有する。以下では、実施形態1、実施形態7と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態8に特徴的な構成であるファイル処理単位情報取得手段3902および区切り生成手段3904を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。またファイル処理単位情報取得手段、区切生成手段、およびファイル処理単位や区切については実施形態7と同様であるため説明を割愛する。
【0174】
<実施形態8 構成の説明>
<実施形態8 ファイル単位保持手段>
「ファイル単位保持手段」3906は、1つの電子化計測結果チャートにおける区切によって区切られている前後のチャートについてそれぞれ個別の電子化計測結果チャートとして分割してデータを管理することを可能とする。すなわち、ファイル単位保持手段3906は、図示しないユーザーインターフェースにおけるユーザーの指定操作により、選択中の1の電子化計測結果チャートについて、少なくとも1の区切が含まれている場合、その区切を境界として複数の電子化計測結果チャートにデータを分割する。電子化計測結果チャートは長尺となる場合があり、ディスプレイで閲覧するとしても長すぎると閲覧がしにくくなる場合もある。したがって、ファイル単位保持手段3906により、任意に1の電子化計測結果チャートを2以上の電子化計測結果チャートのファイルに分割することによりユーザーが閲覧しやすいようにすることが可能である。
【0175】
<実施形態8 分割ファイル表示画面>
電子化計測結果チャートが分割されると、例えば
図40に示すように複数ファイルとして電子化計測結果チャートを取り扱うことが可能となる。
【0176】
<実施形態8 ハードウェア構成>
図41に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)4101や、主メモリ4102、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)4103、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ4103には、その他、ファイル処理単位情報取得サブプログラム、区切生成サブプログラム、ファイル処理単位情報、区切情報および分割された電子化計測結果チャートのファイルも記憶される。その他は実施形態1と同様である。
【0177】
<実施形態8 動作説明>
以下、
図42のフローチャートを用いて区切の挿入に関する動作について説明する。
【0178】
ファイル処理単位情報取得手段3902は、外部装置から取得した稼働状況の情報またはユーザーが入力した情報に基づき、ファイル処理単位情報を取得する(ステップS4201)。ファイル処理単位情報におけるファイル処理単位開始時間に応じて、あるいは任意のタイミングで電子化計測結果チャートの作成が開始される(ステップS4202)。ファイル単位保持手段3906はユーザーの指示により作成された電子化計測結果チャートを分割して複数ファイルを作成する(ステップS4203)。ファイル単位保持手段3906は分割された電子化計測結果チャートの複数ファイルを保存する(ステップS4204)。
【0179】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。さらにユーザーが任意に1の電子化計測結果チャートを2以上の電子化計測結果チャートのファイルに分割することによりユーザーが閲覧しやすいようにすることが可能である。
【0180】
<実施形態9>
<実施形態9 概要>
本実施形態9は、実施形態7、実施形態8を基本としつつ、ファイル処理単位情報取得手段を制御する計測開始・終了指示入力部をさらに有する。
【0181】
<実施形態9 構成>
図43に示すように、実施形態9における計測結果チャート記録装置は、センサーSEと、計測結果データ取得部4301と、ファイル処理単位情報取得手段4302と、電子化計測結果チャート生成部4303と、区切生成手段4304と、電子化計測結果チャート保持部4305と、ファイル単位保持手段4306と、電子化計測結果チャート出力部4307と、計測開始・終了指示入力部4309を有する。以下では、実施形態1、実施形態7、実施形態8と同様な構成については説明を省略することとし、実施形態9に特徴的な構成である計測開始・終了指示入力部4309を中心に説明する。よって、電子化計測結果チャートや、リアルタイム電子化計測結果チャートが生成され、保持される処理に関しては実施形態1、実施形態2それぞれと同様であるため説明を割愛する。またファイル処理単位情報取得手段、区切生成手段、ファイル単位保持手段およびファイル処理単位や区切については実施形態7、実施形態8と同様であるため説明を割愛する。
【0182】
<実施形態9 構成の説明>
<実施形態9 計測開始・終了指示入力部>
「計測開始・終了指示入力部」4309は、計測結果または計測結果データの取得を開始する開始トリガーと、計測結果または計測結果データの取得を終了する終了トリガーを計測結果データ取得部4301に出力する。これにより、電子化計測結果チャートの基となる計測結果データの取得が制御されることになり、電子化計測結果チャート始点および終点の情報が、計測結果データ取得部4301の出力と同期する。つまり計測開始・終了指示入力部4309が出力する開始トリガーと終了する終了トリガーにより実質的にファイル処理単位情報取得手段4302が制御されることになる。
【0183】
<実施形態9 計測・ファイル作成開始/計測・ファイル作成終了画面>
ユーザーの操作により、
図44に示されるような計測・ファイル作成開始/計測・ファイル作成終了画面が読み出されると、計測結果チャート記録装置における計測および電子化計測結果チャートの作成を開始可能な状況に移行する。例えば
図44に示すように、計測・ファイル作成開始/計測・ファイル作成終了画面においては、計測・ファイル作成開始ボタン4401と、計測・ファイル作成終了ボタン4403が設けられている。入力デバイスIを介してユーザーにより、計測・ファイル作成開始ボタン4401が押下されると、計測開始・終了指示入力部4309が開始トリガーを計測結果データ取得部4301に出力する。開始トリガーを受けて計測結果データ取得部4301は、計測結果の取得および計測結果データの取得を開始する。同様に計測・ファイル作成終了ボタン4403が押下されると、計測結果の取得および計測結果データの取得を終了する。また、計測・ファイル作成開始ボタン4401と、計測・ファイル作成終了ボタン4403とは、電子化計測結果チャートのファイル作成の開始と終了とをそれぞれ兼ねている。
【0184】
<実施形態9 ハードウェア構成>
図45に示すように、上記した本装置の機能ブロック図における各機能ブロックは、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPU(中央演算装置)4501や、主メモリ4502、システムバスSB、あるいは不揮発性メモリ(ハードディスクドライブや、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)4503、任意の入力デバイスI、ディスプレイD、スピーカーS、マイクロフォンMおよび第1プリンターPR1を接続するインターフェースI/Fを挙げることができる。不揮発性メモリ4503には、その他、計測開始・終了指示入力プログラムも記憶される。その他は実施形態7、実施形態8と同様である。
【0185】
<実施形態9 動作説明>
以下、
図46のフローチャートを用いて測定の開始、終了に関する動作について説明する。
【0186】
ユーザーの操作により、計測・ファイル作成開始/計測・ファイル作成終了画面が読み出され、計測開始可能な状況に移行する(ステップS4601)。計測開始・終了指示入力部4309は、計測・ファイル作成開始ボタン4401の押下があったか判断する(ステップS4602)。計測・ファイル作成開始ボタン4401の押下により(ステップS4602;Yes)、計測開始・終了指示入力部4309が開始トリガーを計測結果データ取得部4301に出力し、計測結果データ取得部4301は、計測結果の取得および計測結果データの取得を開始する(ステップS4603)。
【0187】
計測開始・終了指示入力部4309は、計測・ファイル作成終了ボタン4403が押下されたか判断する(ステップS4604)。計測・ファイル作成終了ボタン4403が押下されると(ステップS4604;Yes)、計測結果の取得および計測結果データの取得が終了される(ステップS4605)。
【0188】
上述した構成によれば、計測結果チャート記録装置において計測結果チャート記録装置においてユーザーにとって従来から用いられてきた紙でなるチャートと同じように感覚に働きかける電子化したチャートの出力が可能である。
【符号の説明】
【0189】
0101,0701,1301,1801,2301,2801,3401,3901,4301:計測結果データ取得部
0103,0703,1303,1803,2303,2803,3403,3903,4303:電子化計測結果チャート生成部
0105,0705,1305,1805,2305,2805,3405,3905,4305:電子化計測結果チャート保持部
0107,0707,1307,1807,2307,2807,3407,3907,4307:電子化計測結果チャート出力部
0702 :リアルタイム計測結果データ取得手段
0708 :リアルタイム電子化計測結果チャート出力手段
0709,1811 :リアルタイムメモ挿入部
1309 :事後的メモ挿入部
1802 :リアルタイム計測結果データ取得手段
1808 :リアルタイム電子化計測結果チャート出力手段
1809 :識別事後的メモ挿入部、
2308 :第一プリンター出力手段
2808 :チャート用紙出力手段
3402,3902 :ファイル処理単位情報取得手段
3404,3904 :区切生成手段
3906,4306 :ファイル単位保持手段
4309 :計測開始・終了指示入力部
SE :センサー