(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】配線基板、電子装置および電子モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220926BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 L
H05K1/02 C
H05K1/02 Q
H01L23/12 J
(21)【出願番号】P 2018222541
(22)【出願日】2018-11-28
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】今吉 三千男
(72)【発明者】
【氏名】中村 和史
【審査官】多賀 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-080640(JP,A)
【文献】特開2005-191097(JP,A)
【文献】特開2002-026037(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094589(WO,A1)
【文献】特開2007-129191(JP,A)
【文献】特開2014-116411(JP,A)
【文献】特開2013-065793(JP,A)
【文献】特開2008-004721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 33/48-33/64
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で方形状であり、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部を有する絶縁基板と、
前記切欠き部の内面に位置する内面電極と、
それぞれの両端部が前記絶縁基板の厚み方向に位置した複数のビア導体を含み、前記絶縁基板に位置したビア導体群とを有しており、
前記絶縁基板の辺方向において、前記ビア導体群の幅が前記切欠き部の幅より大きいことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記絶縁基板の辺方向において、前記切欠き部における幅方向の両端部が前記ビア導体群における幅方向の両端部より内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
平面透視において、前記ビア導体群は、該ビア導体群から前記切欠き部に向かう方向に対して傾斜した傾斜部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配線基板。
【請求項4】
平面透視において、前記ビア導体群は、前記切欠き部の長手方向と平行な辺部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】
前記絶縁基板の辺方向において、前記ビア導体群における前記辺部の両端部が前記切欠き部における幅方向の両端部より内側に位置していることを特徴とする請求項
4に記載の配線基板。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の配線基板と、
該配線基板に搭載された電子部品とを有することを特徴とする電子装置。
【請求項7】
接続パッドを有するモジュール用基板と、
前記接続パッドにはんだを介して接続された請求項6に記載の電子装置とを有することを特徴とする電子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、電子装置および電子モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックスからなる絶縁基板の主面に電子部品を搭載する配線基板が知られている。
【0003】
このような配線基板は、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部を有する絶縁基板と、切欠き部の内面に位置する内面電極と、内面電極に接続された絶縁基板の表面および内部に設けられた配線導体とを有している(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子装置の小型化、高機能化が求められている。電子部品を長時間作動した際、電子部品の熱が切欠き部に伝わり、熱による応力により、配線導体と内面電極との接続部において接続が不良となることが懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線基板は、平面視で方形状であり、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部を有する絶縁基板と、前記切欠き部の内面に位置する内面電極と、それぞれの両端部が前記絶縁基板の厚み方向に位置した複数のビア導体を含み、前記絶縁基板に位置したビア導体群とを有しており、前記絶縁基板の辺方向において、前記ビア導体群の幅が前記切欠き部の幅より大きい。
【0007】
本開示の電子装置は、上記構成の配線基板と、該配線基板に搭載された電子部品とを有している。
【0008】
本開示の電子モジュールは、接続パッドを有するモジュール用基板と、接続パッドにはんだを介して接続された上記構成の電子装置とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の配線基板は、平面視で方形状であり、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部を有する絶縁基板と、切欠き部の内面に位置する内面電極と、それぞれの両端部が絶縁基板の厚み方向に位置した複数のビア導体を含み、絶縁基板に位置したビア導体群とを有しており、絶縁基板の辺方向において、ビア導体群の幅が切欠き部の幅より大きい。上記構成により、電子部品の熱は、平面視にて切欠き部の幅よりも配線基板の外側に大きく広がるので、電子部品の熱が切欠き部に伝わりにくいものとなり、切欠き部への熱による応力を低減させることで、切欠き部の角部において、内面電極と配線導体との接続部における断線を抑制することができる。
【0010】
本開示の電子装置は、上記構成の配線基板と、配線基板に搭載された電子部品とを有していることによって、小型で高機能な長期信頼性に優れた電子装置とすることができる。
【0011】
本開示の電子モジュールは、接続パッドを有するモジュール用基板と、接続パッドにはんだを介して接続された上記構成の電子装置とを有する装置と、電子装置が接続されたモジュール用基板とを有することによって、長期信頼性に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】(a)は、第1の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
【
図2】(a)は、
図1に示した電子装置における配線基板を示す上面図であり、(b)は、配線基板の内部上面図である。
【
図3】(a)は、
図1(a)に示した配線基板のA-A線における縦断面図であり、(b)は、
図1(a)に示した配線基板のB-B線における縦断面図である。
【
図4】(a)は、第2の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
【
図5】(a)は、
図4に示した電子装置における配線基板を示す上面図であり、(b)は、配線基板の内部上面図である。
【
図6】(a)は、
図4(a)に示した配線基板のA-A線における縦断面図であり、(b)は、
図4(a)に示した配線基板のB-B線における縦断面図である。
【
図7】(a)は、第3の実施形態における電子装置を示す上面図であり、(b)は(a)の下面図である。
【
図8】(a)は、
図7に示した電子装置における配線基板を示す上面図であり、(b)は、配線基板の内部上面図である。
【
図9】(a)は、
図7(a)に示した配線基板のA-A線における縦断面図であり、(b)は、
図7(a)に示した配線基板のB-B線における縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態における配線基板1は、
図1~
図3に示された例のように、絶縁基板11と、絶縁基板11に形成された切欠き部12と、切欠部の内面に位置する内面電極13と、絶縁基板の厚み方向に位置する複数のビア導体14と、絶縁基板11の表面および内部に位置する配線導体15とを含んでいる。電子装置は、配線基板1と、配線基板1に搭載された電子部品2とを含んでいる。電子装置は、例えば電子モジュールを構成するモジュール用基板上の接続パッドに接合材を用いて接続される。
【0015】
本実施形態における配線基板1は、平面視で方形状であり、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部12を有する絶縁基板11と、切欠き部12の内面に位置する内面電極13と、それぞれの両端部が絶縁基板13の厚み方向に位置した複数のビア導体14を含み、絶縁基板11に位置したビア導体群14Gとを有しており、絶縁基板13の辺方向において、ビア導体群14Gの幅W2が切欠き部12の幅W1より大きくなっている(W2>W1)。
図1~
図3において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板1等が使用される際の上下を限定するものではない。
【0016】
内面電極13は、
図1~
図3に示す例において、網掛けにて示している。ビア導体14は、
図2に示す例において、ビア導体14の側面と重なる領域を点線にて示している。配線導体15は、
図1~
図3に示す例において、網掛けにて示している。
【0017】
絶縁基板11は、一方主面(
図1~
図3では上面)および一方主面に相対する他方主面(
図1~
図3では下面)と、側面とを有している。絶縁基板11は、複数の絶縁層からなり、
平面視にて、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部12を有している。絶縁基板11は、平面視すなわち主面に垂直な方向から見ると方形状を有している。絶縁基板11は、電子部品2を支持するための支持体として機能する。
【0018】
絶縁基板11は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,窒化珪素質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体等のセラミックスを用いることができる。絶縁基板11は、例えば酸化アルミニウム質焼結体である場合であれば、酸化アルミニウム(Al2O3),酸化珪素(SiO2),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等の原料粉末に適当な有機バインダーおよび溶剤等を添加混合して泥漿物を作製する。この泥漿物を、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等を採用してシート状に成形することによってセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、セラミックグリーンシートを複数枚積層して生成形体を形成し、この生成形体を高温(約1400℃)で焼成することによって絶縁基板11が製作される。
【0019】
切欠き部12は、絶縁基板11の側面に、絶縁基板11の主面および側面に開口して設けられている。切欠き部12は、
図1~
図3に示す例のように、平面視にて角部が円弧状の矩形状に形成されている。なお、切欠き部12は、平面視において、半楕円形状または半長円形状であっても、あるいは複数の段差を有する矩形状であっても構わない。切欠き部12は、絶縁基板11の辺方向に沿って長く形成されており、幅が深さよりも大きくなっている。切欠き部12は、絶縁基板11の一方主面から他方主面にかけて設けられていてもよいし、絶縁基板14の側面の途中から主面にかけて設けられていても構わない。このような切欠き部12は、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートのいくつかに、レーザー加工または金型による打ち抜き加工等によって、切欠き部12となる貫通孔を形成しておくことにより形成される。
【0020】
内面電極13は、
図1~
図3に示す例のように、切欠き部12の内面に位置しており、絶縁基板11の厚み方向に位置している。配線導体15は、絶縁基板11の主面および内部に位置している。配線導体15は、絶縁基板11の表面および内部に位置する配線層と絶縁基板11を構成する絶縁層を貫通して上下位置する配線層同士を電気的に接続する貫通導体とを含んでいる。配線導体15は、
図1~
図3に示す例において、絶縁基板11の主面に位置している。内面電極13は、
図1~
図3に示す例のように、配線導体15に電気的に接続されている。内面電極13および配線導体15は、配線基板1に搭載された電子部品2と外部のモジュール用基板とを電気的に接続するためのものである。
【0021】
内面電極13または配線導体15は、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag),銅(Cu)等の金属粉末メタライズから成る。WまたはMo等の高融点金属材料を用いる場合には、例えばCuと混合または合金化して用いても構わない。
【0022】
内面電極13または配線導体15は、例えば絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに配線導体15用のメタライズペーストをスクリーン印刷法等の印刷手段によって印刷塗布し、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。また、貫通導体は、例えば絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザー加工等の加工方法によって貫通導体用の貫通孔を形成し、この貫通孔に貫通導体用のメタライズペーストを上記印刷手段によって充填しておき、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートとともに焼成することによって形成される。
【0023】
ビア導体14は、配線基板1に実装された電子部品2で生じる熱を配線基板1の外に逃が
して、配線基板1の放熱性を高めるためのものであり、両端部が絶縁基板11の厚み方向に位置している。ビア導体14は、円形状の柱状の形状を有している。なお、ビア導体14は、絶縁基板11内に複数位置しており、ビア導体群14Gを形成している。
図1~
図3に示す例において、ビア導体群14Gは、9個のビア導体により形成されている。ビア導体群14Gは、平面透視にて、配線基板1に搭載される電子部品2と重なる位置に形成されている。それぞれのビア導体14は主成分としてCuWを含んでいる。
【0024】
このような複数のビア導体14は、絶縁基板11用のセラミックグリーンシートに金型またはパンチングによる打ち抜き加工またはレーザー加工によって複数の穴を設けた後、設けられた複数の穴にビア導体14用の金属ペーストを配置することによって作製される。
【0025】
ビア導体14は、主成分としてCuWを含んだ金属粉末メタライズからなる。金属粉末は、混合、合金のいずれの形態であってもよい。例えば、Wの金属粉末とCuの金属粉末に、有機バインダーおよび有機溶剤、また必要に応じて分散剤等を加えて製作したビア導体14用のメタライズペーストを、セラミックグリーンシートに形成した複数の穴にスクリーン印刷法等を用いて印刷して充填することにより製作される。ビア導体14を構成する成分中においては、主成分であるCuWの含有量が最も多い。また、ビア導体14を構成する成分中においては、CuWが50質量%以上含まれていればよく、好ましくは、CuWが80質量%以上含まれていることが好ましい。
【0026】
また、
図2に示す例のように、絶縁基板11の厚み方向におけるビア導体群14Gの両端部に、平面透視にてビア導体群14Gと重なるように金属層16が位置していてもよい。このような金属層16は、ビア導体14と同様に、主成分としてCuWを含んでいることが好ましい。
【0027】
金属層16は、ビア導体16と同様な方法により形成された金属層16用のメタライズペーストを、セラミックグリーンシート上に埋設された複数のビア導体14用のメタライズペーストに重なるように、スクリーン印刷法等を用いて印刷することにより製作される。また、金属層16を構成する成分中においては、CuWが50質量%以上含まれていればよく、好ましくは、80質量%以上含まれていることが好ましい。
【0028】
本実施形態の電子装置の配線導体が、例えば、モジュール用基板の接続パッドにはんだを介して接続されて、電子モジュールとなる。電子装置は、切欠き部12の内面に位置する内面電極13と配線基板1の他方主面に位置する配線導体15とが、モジュール用基板の接続パッドに接続される。
【0029】
本実施形態の配線基板1によれば、平面視で方形状であり、主面および側面に開口し、辺方向に長手である切欠き部12を有する絶縁基板11と、切欠き部12の内面に位置する内面電極13と、それぞれの両端部が絶縁基板11の厚み方向に位置した複数のビア導体14を含み、絶縁基板11に位置したビア導体群14Gとを有しており、絶縁基板13の辺方向において、ビア導体群14Gの幅W2が切欠き部12の幅W1より大きい(W2>W1)。上記構成により、電子部品2の熱は、平面視にて切欠き部12の幅よりも配線基板1の外側に大きく広がるので、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。
【0030】
また、電子部品2が発光素子である場合、長期間にわたって切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができ、良好に光を放出することができる小型の発光装置用の配線基板1とすることができる。
【0031】
また、絶縁基板11の辺方向において、切欠き部12における幅方向の両端部がビア導体群14Gにおける幅方向の両端部より内側に位置していると、電子部品2の熱は、平面視にて切欠き部12の角よりも配線基板1の外側に放熱されやすくなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線をより効果的に抑制することができる。
【0032】
なお、切欠き部12における幅方向の両端部とは、
図1~
図3に示す例のように、切り欠き部12が位置する絶縁基板11の辺方向における切り欠き部12の幅方向における両端部を示している。
【0033】
また、ビア導体群14Gにおける幅方向の両端部とは、
図1~
図3に示す例のように、上記の切り欠き部12が位置する絶縁基板11の辺方向におけるビア導体群14Gにおける幅方向の両端部を示している。
【0034】
また、
図1~
図3に示す例のように、平面透視において、ビア導体群14Gは、ビア導体群14Gから切欠き部12に向かう方向に対して傾斜した傾斜部を有していると、切欠き部12側におけるビア導体群14Gにおける幅が小さくなり、切欠き部12側への伝熱が低減されるので、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。なお、平面透視において、ビア導体群14Gの傾斜部は、ビア導体群14Gから切欠き部12に向かう方向に対して複数のビア導体14が傾斜して並んでいる。
【0035】
ビア導体群14Gの両端部に位置する金属層16は、
図1~
図3に示す例のように、平面透視にて、ビア導体群14Gを構成する複数のビア導体14と重なるようにそれぞれ位置すると、複数のビア導体群14のそれぞれと金属層16との間で効率よく伝熱することができ、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線をより効果的に抑制することができる。
【0036】
電子装置は、上記構成の配線基板1と、配線基板1に搭載された電子部品2とを有していることによって、小型で高機能な長期信頼性に優れた電子装置とすることができる。
【0037】
電子モジュールは、接続パッドを有するモジュール用基板と、接続パッドにはんだを介して接続された上記構成の電子装置とを有する装置と、電子装置が接続されたモジュール用基板とを有することによって、長期信頼性に優れたものとすることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態による配線基板1について、
図4~
図6を参照しつつ説明する。
【0039】
第2の実施形態における配線基板1において、上記した実施形態の配線基板1と異なる点は、平面透視において、ビア導体群14Gは、切欠き部12の長手方向と平行な辺部を有している点である。
【0040】
内面電極13は、
図4~
図6に示す例において、網掛けにて示している。ビア導体14は、
図5に示す例において、ビア導体14の側面と重なる領域を点線にて示している。配線導体15は、
図4~
図6に示す例において、網掛けにて示している。
【0041】
第2の実施形態による配線基板1において、
図4~
図6に示す例において、ビア導体群14Gは、19個のビア導体により形成されている。ビア導体群14Gは、平面透視にて、配線基板1に搭載される電子部品2と重なる位置に形成されている。それぞれのビア導体14は
主成分としてCuWを含んでいる。
【0042】
第2の実施形態における配線基板1によれば、上記した実施形態の配線基板1と同様に、電子部品2の熱は、平面視にて切欠き部12の幅よりも配線基板1の外側に大きく広がるので、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。
【0043】
また、平面透視において、ビア導体群14Gは、
図4~
図6に示す例のように、切欠き部12の長手方向と平行な辺部を有していると、切欠き部12の辺に沿って均等に伝熱されやすくなり、切欠き部12の角部における伝熱を抑制し、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。なお、平面透視において、ビア導体群14Gの辺部は、切欠き部12の長手方向と平行に複数のビア導体14が並んでいる。
【0044】
また、
図4~
図6に示す例のように、絶縁基板11の辺方向において、ビア導体群14Gにおける辺部の両端部が切欠き部12における幅方向の両端部より内側に位置していると、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。また、切欠き部12の幅W1がビア導体群14Gにおける辺部の幅W3より大きくなっている(W1>W3)。
【0045】
第2の実施形態の配線基板1は、その他は上述の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態による配線基板1について、
図7~
図9を参照しつつ説明する。
【0047】
第3の実施形態における配線基板1において、上記した実施形態の配線基板1と異なる点は、切欠き部12における幅方向の両端部に段部12aが位置しており、内面電極13を有する領域の外側に内面電極13を有していない領域が位置している点である。
【0048】
内面電極13は、
図7~
図9に示す例において、網掛けにて示している。ビア導体14は、
図8に示す例において、ビア導体14の側面と重なる領域を点線にて示している。配線導体15は、
図7~
図9に示す例において、網掛けにて示している。
【0049】
第3の実施形態による配線基板1において、
図7~
図9に示す例において、ビア導体群14Gは、19個のビア導体により形成されている。ビア導体群14Gは、平面透視にて、配線基板1に搭載される電子部品2と重なる位置に形成されている。それぞれのビア導体14は主成分としてCuWを含んでいる。
【0050】
第3の実施形態による配線基板において、切欠き部12における幅方向の両端部とは、
図7~
図9に示す例のように、内面電極13が形成された切欠き部12が形成された領域、すなわち切欠き部12の段部12aよりも中央側に位置する領域を示している。
【0051】
第3の実施形態における配線基板1によれば、上記した実施形態の配線基板1と同様に、電子部品2の熱は、平面視にて切欠き部12の幅よりも配線基板1の外側に大きく広がるので、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。
【0052】
また、
図7~
図9に示す例のように、絶縁基板13の辺方向において、ビア導体群14Gの幅W2が切欠き部12の幅W1より大きく、切欠き部12における幅方向の両端部に段部12aが位置しており、内面電極13を有する領域の外側に内面電極13を有していない領域が位置していると、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、内面電極13を有する切欠き部12の角部において、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。
【0053】
また、上記した第2の実施形態の配線基板1と同様に、平面透視において、ビア導体群14Gは、
図7~
図9に示す例のように、切欠き部12の長手方向と平行な辺部を有していると、切欠き部12の辺に沿って均等に伝熱されやすくなり、切欠き部12の角部における伝熱を抑制し、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。なお、平面透視において、ビア導体群14Gの辺部は、切欠き部12の長手方向と平行に複数のビア導体14が並んでいる。
【0054】
また、上記した第2の実施形態の配線基板1と同様に、
図7~
図9に示す例のように、絶縁基板11の辺方向において、ビア導体群14Gにおける辺部の両端部が切欠き部12における幅方向の両端部より内側に位置していると、電子部品2の熱が切欠き部12に伝わりにくいものとなり、切欠き部12への熱による応力を低減させることで、切欠き部12の角部において、内面電極13と配線導体15との接続部における断線を抑制することができる。また、切欠き部12の幅W1がビア導体群14Gにおける辺部の幅W3より大きくなっている(W1>W3)。
【0055】
第3の実施形態の配線基板1は、その他は上述の実施形態の配線基板1と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0056】
本発明は、上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、種々の変更は可能である。例えば、絶縁基板11は、平面視において側面または角部に、切欠きまたは面取りを有している矩形状であっても構わない。
【0057】
第2の実施形態の配線基板1および第3の実施形態の配線基板1は、縦断面視において、キャビティ17の内面が絶縁基板11の上面に対して垂直に形成されているが、キャビティ17の開口側がキャビティ17の底面側よりも広くなるように、キャビティ17の内面が傾斜していても構わない。
【0058】
また、第1の実施形態の配線基板1~第3の実施形態の配線基板1において、他の実施形態の構成を組み合わせてもよい。例えば、第1の実施形態の配線基板1において、第3の実施形態の配線基板1と同様に、切欠き部12が段部12aを有していても構わない。この場合、第3の実施形態1の配線基板1と同様に、絶縁基板13の辺方向において、ビア導体群14Gの幅W2が切欠き部12の幅W1より大きく、切欠き部12における幅方向の両端部に段部12aが位置しており、内面電極13を有する領域の外側に内面電極13を有していない領域が位置していることが好ましい。
【0059】
また、第1の実施形態の配線基板1において、第2の実施形態の配線基板1および第3の実施形態の配線基板1と同様に、キャビティ17を備えていても構わない。
【0060】
また、電子部品搭載用基板1は、多数個取り基板の形態で製作されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1・・・・配線基板
11・・・・絶縁基板
12・・・・切欠き部
12a・・・段部
13・・・・内面電極
14・・・・ビア導体
14G・・・ビア導体群
15・・・・配線導体
16・・・・金属層
17・・・・キャビティ
2・・・・電子部品
3・・・・接続部材