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▶ インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】器具減菌アダプタ駆動構成
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20220926BHJP
【FI】
A61B34/35
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019074699
(22)【出願日】2019-04-10
(62)【分割の表示】P 2016534832の分割
【原出願日】2014-08-14
(65)【公開番号】P2019107548
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2019-04-18
【審判番号】
【審判請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】61/866,120
(32)【優先日】2013-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,トーマス,ジー
(72)【発明者】
【氏名】マクグロガン,アンソニー,ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ホロップ,ロバート,イー
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】内藤 真徳
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-167643(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0170519(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 - 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の本体構造と、該第1の本体構造内に回転可能に取り付けられる中間ディスクとを含む、外科装置インターフェース要素を含み、
前記中間ディスクは、被駆動インターフェースと、該被駆動インターフェースとは反対側の駆動インターフェースとを含み、
前記被駆動インターフェースは、器具マニピュレータアセンブリの駆動出力ディスクとインターフェース接続するように構成され、前記被駆動インターフェースは、中央ポストレセプタクルと、該中央ポストレセプタクルから径方向に延びるタブレセプタクルとを含む、整列レセプタクルと、前記駆動出力ディスクの駆動ドッグを受け入れる駆動ドッグレセプタクルとを含み、該整列レセプタクルは、前記中間ディスク及び前記駆動出力ディスクが噛み合わせられるという条件で、1つの回転向きにおいて前記中間ディスクを前記器具マニピュレータアセンブリの前記駆動出力ディスクと回転的に方向付けるために、中央ポストと、該中央ポストから径方向に延びるタブとを含む、前記駆動出力ディスクの中央整列要素を受け入れるように構成され、
前記駆動インターフェースは、器具の被駆動ディスクとインターフェース接続するように構成され、前記駆動インターフェースは、前記中間ディスクを前記器具の前記被駆動ディスクと係合させるように構成される係合構造を含む、
装置。
【請求項2】
前記中間ディスクは、遠位面を含み、
前記係合構造は、前記中間ディスクの前記遠位面から遠位方向に延びる開放三次元構造を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記開放三次元構造は、円形トラックを含み、
該円形トラックは、第1の円周区画と、第2の円周区画とを含み、
前記第1の円周区画は、第1の高さと、第1の端と、第2の端とを含み、
前記第2の円周区画は、前記第1の円周区画の前記第1の端と前記第2の端との間に延在し、
前記第2の円周区画は、前記第1の高さよりも低い第2の高さを含み、
中心線が、前記円形トラックの中心から前記中間ディスクの前記遠位面の外縁に向かって径方向に延びるように定められ、
前記第1の円周区画の前記第1の端及び前記第2の端は、前記中心線から等距離にある、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記開放三次元構造は、壁を更に含み、
該壁は、前記第1の円周区画の前記第1の端及び前記第2の端の一方から前記中間ディスクの前記遠位面の前記外縁に向かって前記中心線と実質的に平行な方向に延び、
前記壁は、前記第1の円周区画の前記第1の高さよりも低い高さを含む、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記整列レセプタクルは、前記器具マニピュレータアセンブリの前記駆動出力ディスクから延びる整列要素と噛み合うように構成される、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記整列レセプタクルは、第1の整列レセプタクルであり、
前記被駆動インターフェースは、第2の整列レセプタクルを更に含み、
前記第1の整列レセプタクルは、前記器具マニピュレータアセンブリの前記駆動出力ディスクから延びる第1の整列要素と噛み合うように構成され、
前記第2の整列レセプタクルは、前記器具マニピュレータアセンブリの前記駆動出力ディスクから延びる第2の整列要素と噛み合うように構成され、
前記第1の整列要素は、前記第2の整列要素から分離され、
前記第1の整列レセプタクル及び前記第2の整列レセプタクルの組み合わせは、前記駆動出力ディスク及び前記中間ディスクが噛み合わせられるという条件で、前記中間ディスクを前記駆動出力ディスクに方向付ける、
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記外科装置インターフェース要素は、第2の本体構造を更に含み、
前記第1の本体構造は、前記第2の本体構造内に可動に取り付けられる、
請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の整列レセプタクルは、前記第1の整列レセプタクルと前記中間ディスクの周縁部との間に位置付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の整列レセプタクルは、前記駆動出力ディスクのピンを受け入れるように構成される、請求項6又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の整列レセプタクルは、前記駆動出力ディスクのピンを受け入れるように構成され、
前記ピンは、D形状の断面を含む、
請求項6又は8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、以下の出願、即ち、
(Thomas G. Cooper et al.によって2013年8月15日に出願された「PRELOADED SURGICAL INSTRUMENT INTERFACE」という名称の米国特許出願第61/866,115号、
(Todd R. Solomon et al.によって2013年8月15日に出願された「VARIABLE INSTRUMENT PRELOAD MECHANISM CONTROLLER」という名称の米国特許出願第61/866,117号、
(Thomas G. Cooper et al.によって2013年8月15日に出願された「ACTUALTOR INTERFACE TO INSTRUMENT STERILE ADAPTER」という名称の米国特許出願第61/866,118号、
(Thomas G. Cooper et al.によって2013年8月15日に出願された「INSTRUMENT STERILE ADAPTER DRIVE FEATURES」という名称の米国特許出願第61/866,120号、
(Robert E. Holop et al.によって2013年8月15日に出願された「INSTRUMENT STERILE ADAPTER DRIVE INTERFACE」という名称の米国特許出願第61/866,124号、及び
(Thomas G. Cooper et al.によって2013年8月15日に出願された「ROBOTIC INSTRUMENT DRIVEN ELEMENT」という名称の米国特許出願第61/866,125号
の優先権及び利益を主張し、それらの各々の全文を参照としてここに援用する。
【0002】
本発明は、一般的には、外科器具及びシステムに関し、より具体的には、低バックラッシュ駆動システムを備える外科器具に関する。
【背景技術】
【0003】
最小侵襲的な医療処置のために利用されるようなロボット制御システムは、比較的小さな工具又は器具を精密に制御し且つ駆動させるために、大きく複雑な機器を含み得る。(ここにおいて用いるとき、「ロボット」又は「ロボット式に」という用語及び類似表現は、遠隔操作又は遠隔ロボット工学の特徴(aspects)を含む。)図1Aは、既知のロボット制御システム100の一例を例示している。例えば、Intuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemの一部であってよいシステム100は、多数のアーム130を有する患者側カート110を含む。各アームは、ドッキングポート140を有し、ドッキングポート140は、一般的には、器具150を取り付け且つ器具150の作動のための機械的な動力を提供するための機械的インターフェースを備える駆動システムを含む。医療処置中にアーム130を用いて、医療処置のためにそれぞれの医療器具150を移動させ且つ位置付け得る。
【0004】
図1Bは、既知の器具150の底面図を示している。器具150は、一般的には、伝動装置又はバックエンド機構152(後端機構)と、バックエンド機構152から延びるメインチューブ154と、メインチューブ154の遠位端にある機能的な先端156とを含む。先端156は、一般的には、医療処置中に用い得る、メス、ハサミ、鉗子、又は焼灼器具のような、医療工具を含む。駆動ケーブル又は腱(テンドン)155が先端156に接続され、メインチューブ154を通じてバックエンド機構152に延びる。バックエンド機構152は、典型的には、器具150の駆動腱と駆動システム140の機械的インターフェースの電動軸との間の機械的な結合をもたらす。具体的には、ギア又はディスク153が、駆動システム140の機械的インターフェースにある相補的な構成(features)と係合する位置、大きさ、及び形状とされる、突起又は孔のような構成を有する。典型的な器具において、ディスク153の回転は、それぞれの腱155を引っ張り、先端156内の対応する機械的なリンクを作動させる。よって、システム100は、必要に応じて駆動腱155内の動き及び張力を制御して、先端156を位置付け、方向付け、且つ作動させる。既知の外科システムの更なる詳細は、例えば、Tierney et al.に発効した「Surgical Robotic Tools, Data Architecture, and Use」という名称の(2001年8月13日付け出願の)米国特許第7,048,745に記載されており、ここに参照としてその全文を援用する。
【0005】
駆動システム140から1つの器具150を取り外し、次に、取り外した器具の代わりに他の器具150を装着することによって、システム100の器具150を交換し得る。装着プロセスは、一般的には、ディスク153上の構成が、駆動システム140の相補的な構成と適切に係合することを必要とする。しかしながら、装着前に、器具150上のディスク153の向きは、一般的には、患者側カート110には知られていない。
【0006】
更に、患者側カート110のような機器は、医療処置の間に複雑な機器を洗浄し且つ殺菌することの困難さの故に、多くの場合に、減菌バリア(例えば、プラスチックシートドレープ)によって医療処置のために覆われる。この減菌バリアは、ドッキングポート140と器具バックエンド152との間に介装される減菌アダプタを含み得る。例えば、ここに参照としてその全文を援用する、米国特許第7,048,745号及びAnderson et al.に発効した「Sterile Surgical Adaptor」という名称の(2006年3月31日付け出願の)米国特許第7,699,855号を参照のこと。それらは幾つかの例示的な殺菌バリア及びアダプタシステムを記載している。
【0007】
器具150のための典型的な装着プロセスは、駆動システム140上のディスク153の向きと無関係に、可能であれば介在する減菌アダプタを用いて、バックエンド機構152を取り付けることを含む。その場合には、新たに装着される器具150の作動のために、相補的な構成が互いに噛み合い(対になり)且つ確実に係合するのを保証するために、装着プロセス中に駆動システム140中の駆動モータを複数回正逆回転させてよい。装着プロセス中のある時点で、駆動モータは確実に係合されるようになって、それぞれのディスク153を回転させる。しかしながら、駆動モータは、異なる予測不能なときに器具150のそれぞれのディスク153と積極的に(positively)係合するので、装着される器具150は、装着プロセス中に、時折、予測不能な方法において動くことがある。特定の用途について、そのような予測不能な動きは許容できない。一般的には、装着手順中の器具先端の無作為な動きに順応するよう、障害物のない又は密閉された空間が器具150の周りに必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
外科システムは、外科器具への制御されたトルク及び位置の伝達に悪影響を与えるバックラッシュに敏感である外科器具を含む。外科器具は、機械的インターフェースを介して外科器具マニピュレータアセンブリ内のモータに連結される(結合される)。機械的インターフェースと外科器具マニピュレータアセンブリとの組み合わせは、例えば0.7度未満の、低バックラッシュを有する。機械的インターフェースは、外科器具マニピュレータアセンブリ内の駆動インターフェースを外科器具の被駆動インターフェースに連結する。1つの特徴において、機械的インターフェースは、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0009】
よって、装置は外科器具マニピュレータアセンブリを含む。外科器具マニピュレータアセンブリは、駆動ユニットと、駆動出力アセンブリとを含む。駆動出力アセンブリは、駆動ユニットに連結される。駆動出力アセンブリは、駆動ユニットに連結される低バックラッシュカプラを含む。駆動出力ディスクは、低バックラッシュカプラに連結される。外科器具マニピュレータアセンブリバックラッシュの一部は、低バックラッシュカプラへの駆動ユニット及び駆動出力ディスクの連結部(coupling)内にある。
【0010】
1つの特徴において、駆動出力ディスクは、遠位端面を備える円筒形の本体である。第1の整列要素(アライメント要素)が遠位端面から延びる。第2の整列要素も遠位端面から延びる。第1の整列要素は、第2の整列要素から分離される。駆動出力ディスクとディスクとが噛み合わされるとき、第1及び第2の整列要素の組み合わせは、駆動出力ディスクを他のアセンブリのディスクに方向付ける。1つの特徴において、第1の整列要素はピンであり、第2の整列要素はタブである。
【0011】
この特徴において、駆動出力ディスクの遠位端面は、中央部と、周縁部とを有する。複数の駆動ドッグが、遠位端面から延びる。各駆動ドッグは、中心から第1の距離に位置付けられる第1の縁面と、周縁部にほぼ隣接して位置付けられる第2の縁面とを含む。第2の縁面は、第1の縁面の反対側にある。更に、各駆動ドッグは、遠位端面から延びる三次元の構造、例えば、三次元の長方形である、第1の部分と、第1の部分から延びる第2の部分とを含む。第2の部分は、第2の部分の2つの対向する側面を有する。第2の部分の側面の各々は、曲面である。1つの特徴において、曲面は、円形区画の一部、例えば、シリンダの外面の一部である。
【0012】
駆動出力アセンブリは、シャフトも含む。第1の予荷重ばね(プリロードばね)がシャフトに連結される。第1の予荷重ばねは、駆動出力ディスクにも連結される。第1の予荷重ばねは、第1の予荷重ばねが圧縮されるときに、駆動出力ディスクに第1の予荷重力(プリロード力)を適用するように構成される。
【0013】
駆動出力アセンブリは、シャフトに連結される第2の予荷重ばねも含む。第2の予荷重ばねは、第1の予荷重ばねとの組み合わせにおいて、第1及び第2の予荷重ばねが圧縮されるときに、駆動出力ディスクに第2の予荷重力を適用するように構成される。第2の予荷重力は、第1の予荷重力よりも大きい。
【0014】
外科器具マニピュレータアセンブリは、複数の駆動ユニットを含むモータパックを含む。複数の駆動ユニットは、前述した駆動ユニットを含む。モータパックは、外科器具マニピュレータアセンブリのハウジング内に可動に取り付けられる。モータパックは、複数のハードストップ(ハード停止部)も含む。複数のハードストップは、モータパックの遠位面から延びるように構成される。
【0015】
外科器具マニピュレータアセンブリは、解放ラッチも含む。解放ラッチは、外科器具マニピュレータアセンブリのハウジング内に旋回可能に取り付けられる。ピンが解放ラッチの近位部分からハウジングの内側に延びる。1つの特徴において、ピンは、ばね荷重ピンである。
【0016】
外科器具マニピュレータアセンブリのモータパックは、解放ラッチ抑止ストップ(解放ラッチ抑止停止部)も含む。モータパックが外科器具マニピュレータアセンブリのハウジングに対して完全に引っ込められた位置にあるならば、1つの特徴において、解放ラッチの操作は抑止される。しかしながら、モータパックがハウジングに対して第1の位置にあるならば、ピンは解放ラッチ抑止ストップと接触し、解放ラッチが押されるならば、解放ラッチの旋回を阻止する。他の特徴において、解放ラッチ抑止ストップは、外科器具が減菌アダプタアセンブリ内に取り付けられる間に、モータパックが完全に引っ込められた位置にあるとき、解放ラッチの旋回を阻止する。
【0017】
他の特徴において、装置は、外科装置アセンブリと、予荷重トラックと、予荷重トラックの上に乗る予荷重アセンブリとを含む。予荷重アセンブリは、外科装置アセンブリに連結される。挿入アセンブリが、予荷重トラックを含む。
【0018】
予荷重アセンブリが予荷重トラック上の第1の場所にあるとき、予荷重アセンブリは外科装置アセンブリに第1の力を適用する。予荷重アセンブリが予荷重トラック上の第2の場所にあるとき、予荷重アセンブリは外科装置アセンブリに第2の力を適用する。第2の力は、第1の力よりも大きい。
【0019】
1つの特徴において、予荷重アセンブリは、カムフォロワアセンブリと、アームとを含む。カムフォロワアセンブリは、予荷重トラックの上に乗る。アームは、第1の端と、第2の端とを有する。第1の端は、外科装置アセンブリに連結される。アームの第2の端は、カムフォロワアセンブリに連結される。カムフォロワアセンブリが予荷重トラック上の第1の場所に位置付けられるならば、アームは、カムフォロワアセンブリから外科装置アセンブリに、第1の力に比例する力を伝達するように構成される。カムフォロワアセンブリが予荷重トラック上の第2の場所に位置付けられるならば、アームは、カムフォロワアセンブリから外科装置アセンブリに、第2の力に比例する力を伝達するように構成される。
【0020】
外科装置アセンブリは、駆動ユニットハウジングや、モータパックも含む。モータパックは、駆動ユニットハウジング内に可動に取り付けられる。アームの第1の端は、モータパックに連結される。カムフォロワアセンブリが予荷重トラック上の第1の場所に位置付けられるならば、アームは、カムフォロワアセンブリからモータパックに、第1の力に比例する力を伝達するように構成される。カムフォロワアセンブリが予荷重トラック上の第2の場所に位置付けられるならば、アームは、カムフォロワアセンブリからモータパックに、第2の力に比例する力を伝達するように構成される。
【0021】
他の特徴において、装置は、予荷重トラックと、予荷重トラックの上に乗るように構成される予荷重アセンブリとを含む。予荷重アセンブリは、外科装置アセンブリに連結するように構成される。予荷重アセンブリは、予荷重アセンブリが予荷重トラック上の第1の場所に位置付けられるならば、外科装置アセンブリに第1の力を適用するように構成される。
【0022】
予荷重アセンブリは、予荷重リセット機構を含む。予荷重リセット機構は、予荷重アセンブリを予荷重トラック上の第1の場所に自動的に位置付けるように構成される。
【0023】
更に他の特徴において、装置は、外科器具マニピュレータアセンブリと、挿入アセンブリと、予荷重アセンブリとを含む。外科器具マニピュレータアセンブリは、ハウジングと、モータパックとを含む。モータパックは、ハウジング内に可動に取り付けられる。挿入アセンブリは、外科器具マニピュレータアセンブリに連結される。挿入アセンブリは、予荷重トラックも含む。予荷重アセンブリは、カムフォロワアセンブリと、アームと、予荷重リセットアセンブリとを含む。アームは、第1の端と、第2の端とを含む。アームの第1の端は、カムフォロワアセンブリに回転可能に接続される。アームの第2の端は、モータパックに連結される。カムフォロワアセンブリは、予荷重トラックの上に乗るように構成される。予荷重リセットアセンブリは、予荷重アセンブリを予荷重トラックの上に自動的に位置付けるように構成される。第1の場所で、予荷重アセンブリは、モータパックに第1の力を適用する。
【0024】
他の装置は、挿入アセンブリと、器具マニピュレータアセンブリと、外科装置インターフェースと、外科器具とを含む。時折、外科装置インターフェースを外科装置インターフェース要素と呼ぶ。挿入アセンブリは、遠位端と、予荷重トラックとを含む。器具マニピュレータアセンブリは、挿入アセンブリの遠位端に連結される。器具マニピュレータアセンブリは、駆動出力ディスクを含む。駆動出力ディスクは、駆動出力インターフェースを有する。
【0025】
外科装置は、器具マニピュレータアセンブリに取り付けられる。外科装置インターフェースは、中間ディスクを含む。中間ディスクは、中間被駆動インターフェースと、中間駆動インターフェースとを有する。中間被駆動インターフェースは、駆動出力インターフェースに連結される。
【0026】
外科器具は、外科装置インターフェースに取り付けられる。外科器具は、被駆動ディスクを含む。被駆動ディスクは、被駆動インターフェースを有する。被駆動インターフェースは、中間駆動インターフェースに連結される。
【0027】
第1の力が駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部に適用されるならば、駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部は、2つのディスクを位置合わせさせる(整列させる)ために用いられるトルクレベルについて、非ゼロバックラッシュを有する。第2の力が駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部に適用されるならば、駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。第2の力は、第1の力よりも大きい。
【0028】
よって、装置は、駆動出力ディスクと、中間ディスクとを含む。駆動出力ディスクは、遠位端面と、遠位端面から延びる複数の駆動ドッグとを含む。複数の駆動ドッグの各駆動ドッグは、遠位端面から延びる三次元の構造、例えば、三次元の長方形である、第1の部分と、第1の部分から延びる第2の部分とを含む。第2の部分は、第2の部分の2つの対向する側面を含む。第2の部分の側面の各々は、曲面である。1つの特徴において、曲面は、円形区画、例えば、シリンダの外面の一部である。中間ディスクは、近位端面と、近位端面から中間ディスク内に延びる複数の駆動ドッグレセプタクル(駆動ドッグ受部)とを含む。複数の駆動ドッグレセプタクルの各駆動ドッグレセプタクルは、複数の駆動ドッグの1つを受けるように構成される。複数の駆動ドッグレセプタクルの各駆動ドッグレセプタクルは、外面から中間ディスク内に延びる対向する側壁を含む第1の部分と、駆動ドッグレセプタクルの底面である第2の部分と、第1の部分から第2の部分に延びる第3の部分とを含む。第3の部分は、第3の部分の2つの対向する傾斜側面を有する。
【0029】
装置は、駆動出力ディスクに連結される第1の予荷重ばねを有する。第1の予荷重ばねは、駆動出力ディスクが中間ディスクに連結されるときに圧縮される。第1の予荷重ばねの圧縮は、駆動出力ディスクに予荷重力を適用する。予荷重力が駆動出力ディスクに適用されるとき、駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部は、ディスクを位置合わせさせるのに必要なトルクレベルについて、非ゼロバックラッシュを有する。
【0030】
装置は、駆動出力ディスクに連結される第2の予荷重ばねも含む。予荷重アセンブリは、第1及び第2の予荷重ばねに連結される。予荷重アセンブリが第1及び第2の予荷重ばねを圧縮するとき、圧縮される第2ばねは、圧縮される第1のばねとの組み合わせにおいて、駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部に第2の予荷重力を適用する。第2の予荷重力が連結部に適用されるとき、駆動出力ディスクと中間ディスクとの間の連結部は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0031】
更に他の特徴において、装置は、外科装置インターフェース要素を含む。外科装置インターフェース要素は、複数の中間ディスクと、第1の本体構造とを含み、第1の本体構造は、その中に回転可能に取り付けられる複数の中間ディスクを有する。
【0032】
各中間ディスクは、中間被駆動インターフェースと、中間駆動インターフェースとを含む。中間駆動インターフェースは、中間被駆動インターフェースの反対側にある。
【0033】
中間被駆動インターフェースは、第1の整列レセプタクル(アライメント受部)と、駆動ドッグレセプタクル(駆動ドッグ受部)とを含む。中間駆動インターフェースは、駆動ドッグと、係合構造とを含む。
【0034】
第1の整列レセプタクルは、外科器具マニピュレータアセンブリの駆動出力ディスクから延びる第1の整列要素と噛み合う(対になる)ように構成される。中間被駆動インターフェースは、第2の整列レセプタクルも含む。第2の整列レセプタクルは、駆動出力ディスクから延びる第2の整列要素と噛み合うように構成される。第1の整列レセプタクルは、第2の整列レセプタクルから分離されている。第1及び第2の整列レセプタクルの組み合わせは、駆動出力ディスク及び中間ディスクが連結される、例えば、噛み合わされるときに、駆動出力ディスクを中間ディスクに方向付ける。
【0035】
第1の本体構造は、複数のハードストップを含む。各中間ディスクは、ハードストップのうちの1つと関連付けられる。各中間ディスクは、そのディスクの外側面から延びるハードストップタブを有する。中間ディスクの第1の軸方向位置において、中間ディスクが回転させられるときに、ハードストップタブは、中間ディスクと関連付けられるハードストップと接触する。中間ディスクの第2の軸方向位置において、中間ディスクは、ハードストップタブが中間ディスクと関連付けられるハードストップと接触せずに、自由に回転する。
【0036】
駆動ドッグレセプタクルの各々は、中間ディスクの外面から中間ディスク内に延びる対向する側壁を有する第1の部分を含む。駆動ドッグレセプタクルの第2の部分が、駆動ドッグレセプタクルの底面にある。駆動ドッグレセプタクルの第3の部分が、第1の部分から第2の部分に延びる。第3の部分は、第3の部分の2つの対向する側面を含む。第3の部分の側面の各々は、傾斜面である。1つの特徴において、傾斜面は、楔(ウェッジ)の側面の一部である。
【0037】
中間ディスクの駆動ドッグの各々は、三次元の構造、例えば、三次元の長方形である、第1の部分を有する。駆動ドッグの第2の部分が、第1の部分から延びる。第2の部分は、第2の部分の2つの対向する側面を有する。第2の部分の側面の各々は、曲面の一部である。1つの特徴において、曲面は、円形区画の一部、例えば、シリンダの外面の一部である。
【0038】
中間ディスクの駆動ドッグレセプタクルの各々は、駆動ドッグレセプタクルの各々が第1の平面によって二分されるように位置付けられる。中間ディスクの駆動ドッグの各々は、駆動ドッグの各々が第2の平面によって二分されるように位置付けられる。第1の平面は、第2の平面に対して垂直である。
【0039】
外科装置インターフェース要素は、第2の本体構造も含む。第1の本体構造は、第2の本体構造内に可動に取り付けられる。第2の本体構造は、スキッドプレート(skid plate)を含む。
【0040】
中間ディスクは、遠位面も有する。係合構造は、1つの特徴において、遠位面から遠位方向に延びる開放三次元構造である。開放三次元構造は、概ねC形状構造である。C形状構造は、高さと、第1の端と、第2の端とを有する。第1及び第2の端は、C形状構造の開口を境界付ける。中心線がC形状構造の中心を通じて延びる。中心線は第1及び第2の端から等距離にある。
【0041】
開放三次元構造は、第1及び第2の端の一方から延びる壁も含む。壁は、C形状構造の中心線と実質的に平行な方向に延びる。その壁は中間ディスクの遠位面の外縁に向かっても延びる。その壁は、C形状構造の高さよりも高さを有する。
【0042】
他の特徴において、開放三次元構造は、円形トラックである。円形トラックは、第1の高さと、第1の端と、第2の端とを有する、第1の円周区画を含む。円形トラックは、第1の円周区画の第1の端と第2の端との間に延びる第2の円周区画も含む。第2の円周区画は、第2の高さを有する。第2の高さは、第1の高さ未満である。円形トラックの中心線が円形トラックの中心を通じて延び、第1及び第2の端から等距離にある。C形状構造は、円形トラックの一例である。この特徴において、開放三次元構造は、第1の円周区画の第1及び第2の端の一方から円形区画の中心と実質的に平行な方向に延びる壁も含む。その壁は、複数の中間ディスクのうちの中間ディスクの遠位面の外縁に向かって延びる。その壁は、高さを有する。その壁の高さは、第1の円周区画の第1の高さよりも小さい。
【0043】
1つの特徴において、外科装置インターフェース要素は、外科器具マニピュレータアセンブリに取り付けられる。外科器具マニピュレータアセンブリは、駆動インターフェースを有する駆動出力ディスクを含む。駆動インターフェースは、中間ディスクの中間被駆動インターフェースと連結される。駆動出力ディスクへの所定の予荷重力の適用後、中間ディスクと駆動出力ディスクとの間の連結部は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0044】
他の特徴において、外科器具は、外科装置インターフェース要素に取り付けられる。外科器具は、被駆動インターフェースを備える被駆動ディスクを更に有する。被駆動インターフェースは、中間ディスクの中間駆動インターフェースに連結される。中間ディスクへの所定の予荷重力の適用後、中間ディスクと被駆動ディスクとの間の連結部は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0045】
よって、1つの特徴において、装置は、中間ディスクと、被駆動ディスクとを含む。中間ディスクは、中間被駆動インターフェースと、中間駆動インターフェースとを含む。中間ディスク駆動インターフェースは、中間被駆動インターフェースの反対側にある。
【0046】
中間被駆動インターフェースは、整列レセプタクルと、駆動ドッグレセプタクルとを含む。中間駆動インターフェースは、駆動ドッグと、係合構造とを含む。
【0047】
被駆動ディスクは、中間駆動インターフェースと噛み合うように構成される被駆動インターフェースを含む。被駆動インターフェースは、係合レセプタクルと、駆動ドッグレセプタクルと、回転不能化要素とを含む。回転不能化要素は、被駆動ディスクの回転を阻止する回転係止機構(回転ロック機構)を含む。係合レセプタクルは、係合構造が係合レセプタクルと位置合わせされるならば、係合構造を受けるように構成される。
【0048】
一層更なる特徴において、装置は、外科器具を含む。外科器具は、被駆動ディスクレセプタクルを有する本体を含む。外科器具内にあるシャフトの近位端は、被駆動ディスクレセプタクル内に延びる。被駆動ディスクが被駆動ディスクレセプタクル内に位置付けられるよう、被駆動ディスクはシャフトの近位端に取り付けられる。
【0049】
被駆動ディスクは、被駆動インターフェースを含む。被駆動インターフェースは、係合レセプタクルと、駆動ドッグレセプタクルと、回転不能化要素とを含む。回転不能化要素は、回転係止機構を有する。回転不能化要素の係合後、回転係止機構は、被駆動ディスクレセプタクルと係合し、被駆動ディスクの回転を阻止する。
【0050】
駆動ドッグレセプタクルの各々は、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含む。第1の部分は、被駆動ディスクの近位面から被駆動ディスク内に延びる対向する側壁を含む。第2の部分は、駆動ドッグレセプタクルの底面である。第3の部分は、第1の部分から第2の部分に延びる。第3の部分は、第3の部分の2つの対向する側面を有する。第3の部分の側面の各々は、傾斜面を含む。1つの特徴において、傾斜面は、楔の側面の一部である。1つの特徴において、各駆動ドッグレセプタクルは、被駆動ディスクの長手軸から第1の距離に位置付けられる第1の縁面と、第1の縁の反対側にある第2の開放縁とを含む。
【0051】
係合レセプタクルは、被駆動ディスクの近位面から被駆動ディスク内に延びる溝を含む。溝は第1の端から第2の端に延びる。溝は、幅と、深さとを有する。溝の第1の端は、第1の間隙によって回転不能化要素から分離される。溝の第2の端は、第2の間隙によって回転不能化要素から分離される。溝の幅及び深さは、中間ディスク上の中間駆動インターフェースの係合構造を受け入れるような大きさにされる。
【0052】
1つの特徴において、回転不能化要素は、屈曲部(flexure)である。回転係止機構は、屈曲部から延びる。この特徴において、回転形式光波、タング(tang)を含む。
【0053】
被駆動ディスクレセプタクルは、底面を有する。複数の歯が、底面から近位方向に延びる。
【0054】
装置は、減菌アダプタアセンブリも含む。外科器具は、減菌アダプタアセンブリに取り付けられる。減菌アダプタアセンブリは、被駆動ディスクの被駆動インターフェースと連結される中間駆動インターフェースを有する中間ディスクを含む。中間ディスクへの所定の力の適用後、中間ディスクと被駆動ディスクとの間の連結部は、非ゼロバックラッシュを有する。
【0055】
装置は、外科器具マニピュレータアセンブリも含む。減菌アダプタアセンブリは、外科器具マニピュレータアセンブリに取り付けられる。外科器具マニピュレータアセンブリは、中間ディスクの被駆動インターフェースと連結される駆動インターフェースを有する駆動出力ディスクを更に含む。駆動出力ディスクへの所定の予荷重力の適用後、中間ディスクと駆動出力ディスクとの間の連結部は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1A】従来技術の遠隔操作される最小侵襲的外科システムを示す図である。
【0057】
図1B】従来技術の外科装置アセンブリを示す図である。
【0058】
図2】低バックラッシュを備える外科装置アセンブリを含む遠隔操作される外科システムを示す図である。
【0059】
図3A図2の外科装置アセンブリの構成をより詳細に示す図であり、外科装置アセンブリは既知のバックラッシュを有する。
【0060】
図3B図2の外科装置アセンブリの構成をより詳細に示す図であり、外科装置アセンブリは低バックラッシュを有する。
【0061】
図4A】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4B】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4C】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4D】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4E】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4F】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
図4G】外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び外科器具の取付け、並びにバックラッシュを減少させる予荷重機構、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットの動作を示すブロック図である。
【0062】
図5図2の外科器具マニピュレータアセンブリの遠位端を示す図である。
【0063】
図6】挿入軸ベースアセンブリに取り付けられる挿入アセンブリに付けられる外科器具マニピュレータアセンブリ
【0064】
図7A】減菌アダプタアセンブリを外科器具マニピュレータアセンブリに取り付けるときの第1の特徴を示す図である。
図7B】減菌アダプタアセンブリを外科器具マニピュレータアセンブリに取り付けるときの第1の特徴を示す図である。
【0065】
図8A】駆動出力ユニット及び減菌アダプタアセンブリの他の特徴を示す図である。
【0066】
図8B】駆動出力ユニットへの図8Aの減菌アダプタアセンブリの連結を示す切欠図である。
図8C】駆動出力ユニットへの図8Aの減菌アダプタアセンブリの連結を示す切欠図である。
図8D】駆動出力ユニットへの図8Aの減菌アダプタアセンブリの連結を示す切欠図である。
【0067】
図8E図8Aの減菌アダプタアセンブリのための減菌アダプタラッチアセンブリを示す切欠図である。
図8F図8Aの減菌アダプタアセンブリのための減菌アダプタラッチアセンブリを示す切欠図である。
図8G図8Aの減菌アダプタアセンブリのための減菌アダプタラッチアセンブリを示す切欠図である。
【0068】
図8H図8Aの減菌アダプタアセンブリを示す底面斜視図である。
【0069】
図8I図8Aの減菌アダプタアセンブリを示す頂面斜視図である。
【0070】
図9A図2の外科器具をより詳細に示す図である。
図9B図2の外科器具をより詳細に示す図である。
【0071】
図10】減菌アダプタアセンブリ内への外科器具の取付けにおける段階を示す図である。
図11】減菌アダプタアセンブリ内への外科器具の取付けにおける段階を示す図である。
図12】減菌アダプタアセンブリ内への外科器具の取付けにおける段階を示す図である。
図13】減菌アダプタアセンブリ内への外科器具の取付けにおける段階を示す図である。
【0072】
図14】駆動出力ディスクが中間ディスクに連結される、例えば、噛み合わせられ、中間ディスクが被駆動ディスクに連結されるときの、ディスク積重ねを示す図である。
【0073】
図15A】駆動ユニットアセンブリハウジングが取り外され、駆動出力ユニットの周りのハウジングが取り外された状態の、外科器具マニピュレータアセンブリを示す図である。
【0074】
図15B】遊星ギアヘッドを示す側面図である。
【0075】
図15C】遊星ギアヘッドを示す遠位図である。
【0076】
図15D】28:1の遊星ギアヘッドを示す近位図である。
【0077】
図15E】9:1の遊星ギアヘッドを示す近位図である。
【0078】
図16A】駆動出力アセンブリをより詳細に示す図である。
【0079】
図16B】低バックラッシュカプラを示す端面図である。
【0080】
図16C】駆動出力ディスクにある駆動インターフェースを示す図である。
【0081】
図16D】駆動ドッグを示す断面図である。
【0082】
図17A】減菌アダプタアセンブリを示す図である。
【0083】
図17B】可動本体の一部を示す拡大図であり、レセプタクル及び中間ディスクを示している。
【0084】
図18A】中間ディスクの近位端にある中間被駆動インターフェースを示す図である。
【0085】
図18B】中間ディスクの遠位端にある中間駆動インターフェースを示す図である。
【0086】
図18C】駆動ドッグレセプタクルを示す断面図である。
【0087】
図18D】駆動出力ディスク上の駆動インターフェースが中間ディスク上の中間被駆動インターフェースと部分的に連結した後に軽い予荷重力の下で駆動ドッグレセプタクル内に挿入される駆動ドッグを示す断面図である。
【0088】
図19A】被駆動ディスクの近位端にある被駆動インターフェースを示す図である。
【0089】
図19B】被駆動インターフェースアセンブリの本体の一部を示す図である。
【0090】
図20A】中間ディスク及び被駆動ディスクが接触する、即ち、部分的に連結させられるが、噛み合わないときの、切欠図である。
【0091】
図20B】中間ディスク及び被駆動ディスクが噛み合うときの切欠図である。
【0092】
図21】挿入アセンブリの1つの特徴をより詳細に示す図である。
【0093】
図22A】予荷重アセンブリをより詳細に示す図である。
図22B】予荷重アセンブリをより詳細に示す図である。
【0094】
図22C】予荷重アセンブリのカムフォロワアセンブリ内のホイールに作用する力の自由体力図である。
【0095】
図22D】距離Zloadだけ移動した駆動ユニットハウジングの頂部に対して追加的な距離Δだけ移動したモータパックを示す図である。
図22E】距離Zloadだけ移動した駆動ユニットハウジングの頂部に対して追加的な距離Δだけ移動したモータパックを示す図である。
【0096】
図22F】1つの特徴において予荷重トラックの寸法を示す図である。
【0097】
図22G】外科器具の挿入距離に対する引込力のグラフである。
【0098】
図23】予荷重アセンブリをより詳細に示す図である。
【0099】
図24A】カムフォロワアセンブリの解放を示す図である。
【0100】
図24B】予荷重アセンブリの自動予荷重リセット機構を示す図である。
【0101】
図25】外科器具マニピュレータアセンブリ、減菌アダプタアセンブリ、及び外科器具を示す切欠図であり、外科器具マニピュレータアセンブリのモータパックは、複数の展開されたハードストップを含む。
【0102】
図26A】解放ラッチ機構及び解放ラッチ機構の動作を抑止する機構を示す図である。
図26B】解放ラッチ機構及び解放ラッチ機構の動作を抑止する機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図面において、1桁の図面番号について、ある要素の参照番号中の第1の桁は、その要素が最初に現れる図面の番号である。2桁の図面番号について、ある要素の参照番号中の最初の2桁は、その要素が最初に現れる図面の番号である。
【0104】
1つの特徴において、外科システム200(図2)、例えば、最小侵襲的な遠隔操作される外科システムは、アーム220を有する患者側カート210を含む。アーム220の端には、進入ガイドマニピュレータ230(エントリーガイドマニピュレータ)がある。進入ガイドマニピュレータ230に取り付けられているのは、マスタ器具マニピュレータ280であり、次に、マスタ器具マニピュレータ280は、多数の外科装置アセンブリを支持する。1つの特徴において、外科装置アセンブリは、外科器具マニピュレータアセンブリ240と、器具減菌アダプタアセンブリ250と、外科器具260とを含む。
【0105】
外科器具マニピュレータアセンブリ240を器具マニピュレータアセンブリ240と呼ぶことがある。器具減菌アダプタアセンブリ250を減菌アダプタアセンブリ250と呼ぶときがある。
【0106】
進入ガイドマニピュレータ230は、外科装置アセンブリのピッチ(縦揺れ)及びヨー(偏揺れ)をグループとして変更する。各外科器具260のメインチューブは、単一ポートの進入ガイド270(エントリーガイド)内の異なる通路を通じて延びる。この特徴において、単一ポートの進入ガイド270は、カニューレ内に取り付けられる。単一ポートは患者の内側の手術部位への単一のアクセス場所(例えば、単一の切開部、単一の自然オリフィス、及び類似の場所)を指す。
【0107】
ここにおいて用いるとき、カニューレは、患者の体壁を通過し且つ患者と直接的に接触するようになるチューブ(管)である。カニューレは、一般的には、患者に対して出入りして摺動せず、カニューレは、運動の遠隔中心と呼ぶその軸の地点の周りで縦揺れし且つ偏揺れし得る。
【0108】
ここにおいて用いるとき、単一ポートの進入ガイド270は、患者の内側の場所に達するために全ての外科器具及びカメラ器具が通らなければならないチューブである。進入ガイド270は、各器具のために別個の管腔を有する。進入ガイド270はカニューレを通過し、カニューレに対して捩れることがある。
【0109】
ここにおいて用いるとき、バックラッシュは、機械的インターフェースの接続される部分を動かさずに機械的インターフェースの1つの部分を動かし得る、最大角度である。外科器具260は、器具マニピュレータアセンブリ240から外科器具260への制御されたトルク及び位置の伝達に悪影響を与えるバックラッシュに敏感である。以下により完全に説明するように、外科器具260は、機械的インターフェースを介して器具マニピュレータアセンブリ240内のモータに連結される。機械的インターフェースと器具マニピュレータアセンブリ240との組み合わせは、例えば0.7度未満の、低いバックラッシュを有する。1つの特徴において、器具マニピュレータアセンブリ240中の出力ディスク(駆動出力ディスク)から外科器具260の入力ディスク(被駆動ディスク)まで、機械的インターフェースはゼロバックラッシュを有する。
【0110】
1つの特徴において、機械的インターフェースは、減菌アダプタアセンブリ250を含む。減菌アダプタアセンブリ250は、減菌ドレープ(図示せず)を含む。減菌ドレープは、当該技術分野に精通した者に既知の構成に均しい方法において構成される。減菌アダプタアセンブリ250は、使い捨て製品である。従って、減菌アダプタアセンブリ250において実施される機械的インターフェースの部分は、以下により完全に説明するように、最小数の部品を含む。
【0111】
外科器具260の伝動装置は、多数の平行な入力シャフトを有する。製造変動及び公差の故に、これら入力シャフトの全てが完全に平行に或いは精密に配置されるとは限らず、或いは完全に平行に又は精密に配置され得るとは限らない。このため、機械的インターフェースは、外科器具260を器具マニピュレータアセンブリ240に係合させるプロセス中にシャフトの角度的及び平面的な不整列(ずれ)に順応しなければならない。機械的インターフェースは、器具係合プロセス中に、極めて小さな、効果的には、ゼロの、器具先端運動を伴って、外科器具260を器具マニピュレータアセンブリ240内の駆動モータに連結する。以下により完全に説明するように、外科器具260が器具マニピュレータアセンブリ240内のモータと係合させられるまで、器具先端運動は抑制される。加えて、機械的インターフェースにおけるバックラッシュが最小限化されるまで、外科器具260の遠位端は、カニューレの遠位端を越えて延びない。
【0112】
コントローラ290が外科医制御コンソール(図示せず)に連結され、且つ患者側カート210に連結される。コントローラ290は、システム200内の様々なコントローラを表している。コントローラ290は、制御命令に応答して制御命令を外科器具260に送信する。制御命令は、外科医による外科医制御コンソール内のマスタの動きに基づく。スレーブ外科器具260が制御命令に応答して動くときに、システムコントローラ290内のディスプレイモジュールは、外科医制御コンソール内のディスプレイ装置によって生成される手術部位の立体視も更新する。
【0113】
コントローラ290として記載するが、コントローラ290は、実際には、ハードウェア、プロセッサ上で実行されるソフトウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてよいことが理解されるべきである。また、ここにおいて記載するような、その機能は、1つのユニットによって遂行されてよく、或いは異なる構成部品の間に分けられてよく、次に、それらの各々は、ハードウェア、プロセッサ上で実行されるソフトウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてよい。異なる構成部品の間で分けられるとき、構成部品は、1つの場所に集中させられてよく、或いは分散型処理の目的のためにシステム200に亘って分散させられてよい。プロセッサは、少なくとも論理演算装置及び論理演算装置と関連付けられるメモリを含むことが理解されなければならない。
【0114】
図3A及び3Bは、進入ガイドマニピュレータ230に取り付けられる4つの外科装置アセンブリ300の例示である。図3Aにおいて、外科装置アセンブリ300は、初期位置、例えば、第1の場所に位置付けられている。以下により完全に説明するように、機械的インターフェースは、器具マニピュレータアセンブリ240内のモータと外科器具260の伝動装置内のシャフトとの間のディスク積重ね(ディスクスタック)を含む。図3Aの構成では、第1の予荷重力(プリロード力)がディスク積重ねに適用される、例えば、第1の所定の力がディスク積重ねに適用される。
【0115】
この第1の予荷重力を用いるならば、機械的インターフェースは、幾らかのバックラッシュを有することがある。何故ならば、第1の予荷重力は、機械的インターフェース内のディスク間の相対的な動きを防止するよう、ディスク積重ね内のディスクを共にしっかりと締め付けるのに十分でないからである。しかしながら、第1の予荷重力との組み合わせにおける機械的インターフェース内のディスク積重ね内のディスクの設計は、バックラッシュが最小限化されるまで、ディスク積重ね内のディスクが係合させられたままであること、例えば、部分的に連結されたままであることを保証する。
【0116】
低い予荷重力である第1の予荷重力を用いるならば、機械的インターフェース内のディスクは、第1のトルクレベル、例えば、0.1の摩擦係数を想定するならば、1.17インチポンド(0.1322ニュートンメートル)まで、ゼロバックラッシュを有する。第1のトルクレベルより上では、既知の小さなバックラッシュ、例えば、1.13度があることがある。以下により完全に説明するように、ディスクを回転させて摩擦に打ち勝ち且つディスクと迅速に動的に噛み合う(対になる)のに十分な力が用いられるので、この力は、典型的には、第1のトルクレベルよりも多くをもたらす。この場合、機械的インターフェース内のディスクは、非ゼロバックラッシュを有する。よって、この場合、機械的インターフェースは、非ゼロバックラッシュを有すると言われる。
【0117】
図3Bでは、4つの外科装置アセンブリのうちの3つが遠位に移動させられている。矢印390は、近位方向及び遠位方向を定める。ここで、遠位方向は、患者201に向かい且つマスタ器具マニピュレータ280から離れる。近位方向は、患者201から離れ且つマスタ器具マニピュレータ280に向かう。
【0118】
外科装置アセンブリ300は、挿入アセンブリ331上で遠位に動くと、ディスク積重ね上の予荷重力は、第1の予荷重力から第2の予荷重力に自動的に増大させられる。第2の予荷重力は、第2の所定の力の一例である。第2の予荷重力は、機械的インターフェースのバックラッシュ、即ち、ディスク積重ね内のディスク間のバックラッシュを、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロまで減少させる。
【0119】
1つの特徴において、第2の予荷重力は、高い予荷重力、例えば、2.3ポンド(1.043キログラム)である。ちょうど記載したように、機械的インターフェース内のディスク、故に、機械的インターフェースは、外科処置において用いられるトルクレベルで、ゼロバックラッシュを有する。1つの実施例において、摩擦係数が0.1であると想定するならば、機械的インターフェースは、4.9インチポンド(0.5536ニュートンメートル)までのトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。外科器具260が外科的に有用な力をエンドエフェクタで適用するためには、特定のトルクが機械的インターフェース内のディスクに適用されなければならない。これは外科的に有用なトルクであるとみなされる。1つの実施例において、外科的に有用なトルクは、4.425インチポンド(0.9996ニュートンメートル)であり、よって、機械的インターフェースは、この特徴において、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0120】
以下により完全に説明するように、従来技術と異なり、バックラッシュの制御は、器具マニピュレータアセンブリ240内にある。従来、バックラッシュは、使い捨て可能な減菌アダプタアセンブリ内で制御され、1つの場合には、減菌アダプタアセンブリが、弾性特性を有する射出成形部品を含むことを必要とした。バックラッシュの制御を器具マニピュレータアセンブリ240内に移動することは、機械加工される部品の使用を可能にし、よって、バックラッシュの減少を可能にする。
【0121】
図4A乃至4Gは、外科器具マニピュレータアセンブリへの減菌アダプタアセンブリ及び手術器具の取付けを例示するブロック図である。図4A乃至4Dに例示する他の特徴は、バックラッシュを減少させる予荷重機構の作動、器具取外しロックアウト、減菌アダプタ取外しロックアウト、予荷重解放、及び自動予荷重リセットを含む。図4A乃至4Gは、原寸通りでない。図4A及び4G中の矢印390は、図4A乃至4Gの各々における近位方向及び遠位方向を示している。
【0122】
図4Aは、挿入アセンブリ431に付けられる外科器具マニピュレータアセンブリ440を示している。具体的には、挿入マニピュレータアセンブリハウジング448が、挿入アセンブリ431の遠位端に固定的に取り付けられ、よって、器具マニピュレータアセンブリハウジング448は、挿入アセンブリ431の移動と共に動く。しかしながら、器具マニピュレータアセンブリハウジング448内のモータパック446が、レール439上を動き得る。モータパック446は、器具マニピュレータアセンブリハウジング448に対して遠位方向及び近位方向に動き得る。モータパック446は、戻りばね447によって器具マニピュレータアセンブリハウジング448に連結される。
【0123】
モータパック446は、予荷重アセンブリ480(プリロードアセンブリ)によって挿入アセンブリ431に移動可能に連結される。予荷重アセンブリ480は、挿入アセンブリ431内の予荷重トラック(プリロードトラック)に乗る。以下により完全に説明するように、予荷重アセンブリ480が遠位方向に動くと、予荷重アセンブリ480は、遠位方向における長手方向力(縦力)をモータパック446にもたらす。予荷重アセンブリ480は、予荷重解放ボタン482を含む。
【0124】
モータパック446は、複数の駆動ユニット441を含む。複数の駆動ユニット441は、複数の駆動モータと、複数の駆動出力アセンブリとを含む。複数の駆動モータのうちの各駆動モータは、複数の駆動出力アセンブリにおける対応する駆動出力アセンブリ443に連結される。
【0125】
駆動出力アセンブリ443は、予荷重ばね(プリロードばね)アセンブリと、駆動出力ディスク445とを含む。駆動出力アセンブリ443は、予荷重ばねアセンブリと駆動出力ディスク445との間に位置付けられる低バックラッシュカプラも含む。駆動出力ディスク445は、一組の入力ピンによって低バックラッシュカプラに連結される。以下により完全に説明するように、駆動出力ディスク445は、遠位表面を含む円筒形ディスクである。各駆動出力ディスク445の遠位端は、駆動インターフェースを有する。駆動インターフェースは、駆動ドッグ(drive dogs)と、整列要素(アライメント要素)とを含む。
【0126】
駆動ドッグは、遠位端表面から遠位方向に延びる。各駆動ドッグは、三次元構成、例えば、遠位端表面から延びる三次元の長方形を含む、第1の部分と、第1の部分から延びる第2の部分とを含む。駆動ドッグの第2の部分は、2つ第2の部分の2つの対向する側面を含み、第2の部分の側面の各々は、曲面(湾曲表面)を含む。1つの特徴において、曲面は、円形区画の一部、例えば、シリンダの外面の一部である。
【0127】
モータパック446は、モータパック446の遠位面から延びるように構成される複数のハードストップ437(ハード停止部)を含み、モータパック446は、解放ラッチ抑止ストップ438(解放ラッチ抑止停止部)も含む。解放ラッチ抑止ストップ438は、モータパック446の1つの側から遠位方向に延びる。解放ラッチ435が、器具マニピュレータアセンブリハウジング448の壁に取り付けられる。ラッチピン435Pが、解放ラッチ435の近位部分に連結される。
【0128】
図4Aは、予荷重が解放された状態の器具マニピュレータアセンブリ440を示しており、例えば、モータパック446は、完全に引っ込められた位置にある。この構成において、戻りばね447は、駆動出力ディスク445を含む複数の駆動出力ディスクが器具マニピュレータアセンブリハウジング448の遠位面から延出しないよう、モータパック446を器具マニピュレータアセンブリハウジング448内に納める。モータパック446の遠位面は、位置432にあり、それは完全に引っ込められた位置である。
【0129】
1つの特徴において、モータパック446が完全に引っ込められた位置432に配置されるとき、コントローラ290は、挿入アセンブリ431に、予荷重アセンブリ480が乗る予荷重トラックを移動させる。予荷重トラックの移動は、長手方向力をモータパック446に適用する予荷重アセンブリ480をもたらす。駆動出力ディスク455を含む複数の駆動出力ディスクが、図4Bに例示するように、器具マニピュレータアセンブリハウジング448の遠位面から延びるモータパック446上の長手方向力は、モータパック446を器具マニピュレータアセンブリハウジング448に対して遠位に位置422に移動させる。モータパック446が位置433にあるならば、戻りばね447は、モータパック446が位置432にあったときのその初期状態から伸張させられる。
【0130】
外科装置インターフェース要素450、例えば、減菌アダプタを、図4Bに示すように構成される器具マニピュレータアセンブリ440に取り付け得る。しかしながら、この構成において外科装置インターフェース要素450を取り付けることは、取付けプロセス中に駆動出力アセンブリ442内で予荷重ばねアセンブリを含む複数の予荷重ばねアセンブリを圧縮することを必要とする。
【0131】
よって、1つの特徴において、外科装置インターフェース要素450より前に、モータパック446が図4Bに例示する位置にあるならば、予荷重機構408によってモータパック446に適用される第1の長手方向力が解放されるよう、予荷重解放ボタン482が作動される。結果的に、戻りばね447は、モータパック446を、図4Aに例示するような完全に引っ込められた位置432まで引っ張る。
【0132】
1つの特徴において、モータパック446が完全に引っ込められた位置432にある状態で、外科装置インターフェース要素450の一端にあるタング(tongue)が、器具マニピュレータアセンブリハウジング448にある溝内に位置付けられ、外科装置インターフェース要素450の他の端が、その他の端が図4Cに示すように解放ラッチ435と係合するまで、近位方向に動かされる。モータパック446が完全に引っ込められた図4Cの構成において、解放ラッチ435の近位端が押されるならば、解放ラッチ435は、外科装置インターフェース要素450を解放し、外科装置インターフェース要素450を器具マニピュレータアセンブリ440から取り外し得る。しかしながら、1つの特徴において、モータパック446が完全に引っ込められる間に、外科器具が外科装置インターフェース要素450内に取り付けられるならば、解放ラッチ435の作動は、予負荷解放ボタン482が押される後まで、例えば、作動させられる後まで、解放ラッチ抑止ストップ438によって抑止される。
【0133】
よって、この特徴において、外科装置インターフェース要素450(図4C)は、器具マニピュレータアセンブリ440の遠位面に取り付けられる。以下により完全に説明するように、外科装置インターフェース要素450は、フレーム451と、可動本体451Cとを含む。可動本体451Cは、フレーム451内で近位方向及び遠位方向に動き得る。複数の中間ディスクの各々がフレーム451に対して回転し得るよう、複数の中間ディスクが可動本体451C内に取り付けられる。この特徴において、複数の中間ディスクのうちの各中間ディスクは同じであり、よって、中間ディスク453は、複数の中間ディスクの各々を表している。
【0134】
複数の中間ディスクの各中間ディスク453は、中間被駆動インターフェース455と、第1の中間ディスクインターフェースと、中間駆動インターフェース456と、第2の中間駆動インターフェースとを含む。中間被駆動インターフェース455は反対側にあり、中間駆動インターフェース456から取り外される。1つの特徴では、以下により完全に説明するように、中間被駆動インターフェース455は、第1の整列レセプタクル(アライメント受部)と、駆動ドッグレセプタクル(駆動ドッグ受部)とを含む。中間被駆動インターフェース456は、駆動ドッグと、係合構造とを含む。
【0135】
中間被駆動インターフェースの駆動ドッグレセプタクルの駆動ドッグは、中間被駆動インターフェースの駆動ドッグレセプタクルの駆動ドッグの各々が第1の平面によって二分されるように位置付けられる。中間駆動インターフェースの駆動ドッグの各々は、中間駆動インターフェースの駆動ドッグの各々が第2の平面によって二分されるように位置付けられる。第1の平面は、第2の平面に対して垂直である。
【0136】
中間被駆動インターフェースの駆動ドッグレセプタクルの各々は、外面から中間ディスク内に延びる対向する側壁を含む第1の部分と、底面を含む第2の部分と、第1の部分から第2の部分に延びる第3の部分とを含む。第3の部分は。第3の部分の2つの対向する側面を含み、各々の第3の部分の側面は傾斜面を含む。
【0137】
中間駆動インターフェースの駆動ドッグの各々は、第1の部分と、第1の部分から延びる第2の部分とを含む。第1の部分は、三次元構造、例えば、三次元の長方形である。第2の部分は、第2の部分の2つの対向する側面を含み、各々の第2の部分の側面は、曲面を含む。係合構造は、中間ディスクの遠位面から遠位方向に延びる開放三次元構造を含む。
【0138】
可動本体451Cは、複数のハードストップレセプタクル457(ハード停止部受部)も含む。複数のハードストップレセプタクル457は、可動本体451Cの近位面から遠位方向に可動本体451C内に延びる。
【0139】
1つの特徴において、器具マニピュレータアセンブリ440は、外科装置インターフェース要素450が器具マニピュレータアセンブリ440に取り付けられるときに、コントローラ290に信号を送信するセンサを含む。この信号に応答して、コントローラ290は、予荷重アセンブリ480がリセットされるよう、並びに予荷重アセンブリ480が長手方向力をモータパック446に自動的に適用するよう、挿入アセンブリ431に、予荷重アセンブリ480が乗る予荷重トラックを移動させる。モータパック446への長手方向力は、モータパック446を器具マニピュレータアセンブリハウジング448に対して遠位に位置433まで移動させる。
【0140】
モータパック446が完全に引っ込められた位置432から位置433まで動かされると、複数の駆動出力ディスクの各駆動出力ディスク445の駆動インターフェースが、複数の中間ディスクの複数の中間被駆動インターフェースの対応する中間被駆動インターフェース455と接触し、次に、各中間ディスク453は、可動本体451Cと接触する。可動本体451Cがフレーム451内で可能な限り遠位に動くとき、遠位方向における駆動出力ディスク445の更なる動きは抑止される。
【0141】
結果的に、モータパック446が位置433まで移動し続けると、長手方向力に応答して、戻りばね447が更に伸張され、複数の駆動出力アセンブリの各駆動出力アセンブリ内の予荷重ばねアセンブリが圧縮されるので、予荷重力が複数の駆動出力ディスク内の各駆動出力ディスク445に加えられる。予荷重力は、駆動出力ディスク445を押し、対応する中間被駆動インターフェース455を押すので、予荷重力は外科装置インターフェース要素450内の複数の中間ディスクの各中間ディスク453に伝達される。この構成は図4Dに例示されている。
【0142】
外科装置インターフェースと呼ぶことがある外科装置インターフェース要素450が、先ず、器具マニピュレータアセンブリ440に取り付けられるとき、中間被駆動インターフェース455の要素は、駆動出力ディスク445上の駆動インターフェースの対応する要素と位置合わせされない(整列させられない)ことがある。ディスク453及び445の要素が位置合わせされないならば、2つのディスクは、駆動インターフェース及び中間被駆動インターフェースにおける構成によって部分的に連結されるが、2つのディスクは互いに一緒に連結されない、例えば、噛み合わされない。
【0143】
次に、コントローラ290は、器具マニピュレータアセンブリ440に信号を送信して、駆動出力ディスク445を回転させる。以下により完全に説明するように、中間ディスク453の回転は抑止され、駆動出力ディスク445は、駆動出力ディスク445の駆動インターフェースが中間ディスク453の中間被駆動インターフェース455と噛み合うまで回転させられる。また、以下により完全に説明するように、中間ディスク453上の中間被駆動インターフェース455の対応する要素との駆動出力ディスク445上の駆動インターフェースの要素の部分的な連結は、2つのディスクが回転するときに、2つのディスクが予荷重力の下で部分的に連結されたままの状態であることを保証する。1つの特徴において、2つのディスクが連結されるとき、他のセンサがディスク積重ねの高さにおける変化を検出し、コントローラ290に信号を送信して、駆動出力ディスク455の回転を停止させる。2つのディスクの噛み合わせを感知する代替的な技法を以下に記載する。2つのディスクが噛み合わされるとき、ディスク積重ねの高さは減少されるので、予荷重力は減少させられる。
【0144】
モータパック446が位置433にあるとき、解放ラッチ抑止ストップ438は、解放ラッチ435に連結されるラッチピン435Pの前方に延びる。よって、解放ラッチ435の近位端を押すことによって、誰かが外科装置インターフェース要素450を解放することを試みるならば、ラッチピン435Pは、解放ラッチ抑止ストップ438と接触し、それは外科装置インターフェース要素450が解放するのを妨げる。何故ならば、外科装置インターフェース要素450を解放するほど十分に解放ラッチ435を旋回させ得ないからである。よって、外科装置インターフェース要素450への予荷重力がある間、外科装置インターフェース要素450を取り外し得ない。
【0145】
他の特徴において、外科装置インターフェース要素450が器具マニピュレータアセンブリ440に取り付けられるとき、信号がコントローラに送信されず、よって、モータパック446は、図4Cに例示するように、完全に解放された位置432に留まる。外科器具460を、図4Bの構成又は図4Cの構成のいずれかにおいて、器具マニピュレータアセンブリ440に連結し得る。例示の目的のために、図4Cの構成が用いられる。
【0146】
1つの特徴において、外科器具460の第1の端が、外科器具460が図4Eに例示するような適切な位置に保持されるまで、外科インターフェース要素450のフレーム内のランプ(傾斜路)(ramp)に沿って摺動させられる。1つの特徴において、外科器具460は、本体465と、メインチューブ467とを含む。メインチューブ467は、本体465から遠位に延びる。本体465は、被駆動ディスクレセプタクル463と、シャフト466と、被駆動ディスク464とを含む。シャフト466及び被駆動ディスク464は、受け取ったトルクを器具を通じて器具の1つ又はそれよりも多くの構成部品に伝動する、伝動ユニットの一部である。
【0147】
シャフト466の近位端が被駆動ディスクレセプタクル463内に延び、被駆動ディスク464は、被駆動ディスク464が被駆動ディスクレセプタクル463内に位置付けられるよう、シャフト466の近位端に取り付けられる。被駆動ディスク464は、中間ディスク453の中間駆動インターフェース456とインターフェース接続する被駆動インターフェースを含む。
【0148】
被駆動ディスク464の被駆動インターフェースは、係合レセプタクルと、駆動ドッグレセプタクルと、回転不能化要素とを含む。駆動ドッグレセプタクルは上述したものと等しい。回転不能化要素は、回転係止機構(回転ロック機構)を含む。回転不能化要素の係合後、回転係止機構は被駆動ディスクレセプタクル464と係合し、被駆動ディスク464の回転を阻止する。
【0149】
外科器具460が器具マニピュレータアセンブリ440に連結されるとき、各被駆動ディスク464は、中間ディスク453が自由に回転し得るよう、外科装置インターフェース要素450内の対応する中間ディスク453を近位に押す。これはディスク積重ねに対する予荷重力を増大させる。しかしながら、外科器具460が先ず外科装置インターフェース要素450に取り付けられるとき、中間駆動インターフェース456の要素は、被駆動ディスク464上の被駆動インターフェースの対応する要素と位置合わせされないことがある。2つのディスク453及び464の要素が位置合わせされないならば、2つのディスクは、中間駆動インターフェース456内の構成及び被駆動インターフェース内の構成によって部分的に一緒に連結されるが、2つのディスクは互いに噛み合わされない。
【0150】
以下により完全に説明するように、中間ディスク453の中間駆動インターフェース456が被駆動ディスク464の対応する被駆動インターフェースと位置合わせされないとき、中間ディスク453の中間駆動インターフェース456上の係合構成は、外科器具460の被駆動ディスク464上の回転不能化要素と係合する。回転不能化要素は、回転係止機構を含む。回転不能化要素の係合後、回転係止機構は被駆動ディスクレセプタクル464と係合し、被駆動ディスク464の回転を阻止する。
【0151】
外科器具460が器具マニピュレータアセンブリ440に連結されるとき、器具マニピュレータアセンブリ440は、外科器具460の存在を検出し、コントローラ290に信号を送信する。その信号に応答して、コントローラ290は、器具マニピュレータアセンブリ440に信号を送信して、駆動出力ディスク445を回転させる。中間ディスク453の中間駆動インターフェース456が、所定の場所に固定された被駆動ディスク464と共に回転すると、中間駆動インターフェース456上の各要素は回転して被駆動ディスク464の被駆動インターフェースの対応する要素と整列し、対応する要素と噛み合う。被駆動ディスク464上の被駆動インターフェース及び中間駆動インターフェース456の連結は、被駆動ディスク464上の回転係止(ロック)を解放する。よって、ディスクの積重ね、ディスク445,453,464は、ユニットとして回転する。ディスク453及び464が連結されるとき、センサはディスク積重ねの高さにおける変化を再び検出して、駆動出力ディスク445の回転を停止させる。ディスクの積重ねが噛み合わされるとき、ディスク積重ねに適用される予荷重力を第1の長手方向力(縦力)、即ち、第1の予荷重力と呼ぶ。
【0152】
上記の記載は、外科器具460が、図4Dに例示する構成における器具マニピュレータアセンブリ440及び外科装置インターフェース要素450と共に取り付けられることを想定する。しかしながら、異なる特徴において、器具マニピュレータアセンブリ440及び外科装置インターフェース要素が図4Cに例示する構成にあるならば、外科器具460が取り付けられるときに、センサはコントローラに信号を送信し、コントローラは、ディスク445,453,464が予荷重力の下にあるよう、上述のように予荷重を自動的にリセットする。次に、コントローラは、上述と等しい方法において、ディスクの積重ねが位置合わせされ、噛み合うようになり、ユニットとして回転するよう、駆動ディスク445を回転させる。従って、位置432及び433に対するモータパック446の初期位置に拘わらず、外科器具460が取り付けられるときに、結果として得られる構成は図4Eに示されている。
【0153】
第1の長手方向力がモータパック446に適用される図4Eの構成では、予荷重を解放しなければ、外科装置インターフェース要素450を取り外し得ない。しかしながら、外科器具460を依然として取り外し得る。以下により完全に説明するように、1つの特徴において、外科器具460の各側に解放ボタンがある。解放ボタンを係合することは、外科器具460内の機構に、外科装置インターフェース要素450内の可動本体451Cを近位に押させるので、中間ディスク453及び被駆動ディスク464は切り離され、外科器具460を取り外し得る。
【0154】
器具マニピュレータアセンブリ440を挿入アセンブリ431に沿って動かすことによって、外科器具460がカニューレ内に挿入されると、メインチューブ467に連結される端構成部品がカニューレの遠位端から突出する前に、第2の予荷重力が予荷重アセンブリ480によってディスク445,453,464のディスク積重ねに適用される。具体的には、外科器具460が遠位に動くと、予荷重アセンブリ480は、予荷重トラックに沿って遠位に動く。以下により完全に説明するように、器具マニピュレータアセンブリ440が所定距離Zloadだけ遠位に動くとき、予荷重アセンブリ480はモータパック446を所定距離Zloadに追加的な距離Δを加えた距離だけ移動させるので、モータパック446は位置434になる。追加的な距離Δのモータパック446の移動は、複数の駆動出力アセンブリの各駆動出力アセンブリ443内の予荷重ばねアセンブリを圧縮するので、第2の予荷重力が複数の駆動出力ディスクのうちの各駆動出力ディスクに加えられる。第2の予荷重は、外科器具260の遠位端がカニューレから出る前に、駆動ユニット内のモータシャフトの回転と外科器具460内のシャフト467の回転との間のあらゆるバックラッシュを0.7度未満に減少させる。
【0155】
追加的な距離Δのモータパック446の移動は、戻りばね447も更に伸張させ、加えて、複数のハードストップ437の各々を複数のハードストップレセプタクル457における対応するハードストップレセプタクル内に挿入させる。複数のハードストップ437は、外科装置インターフェース要素450内の可動本体451Cの如何なる近位移動をも防止する。複数のハードストップ437及び複数のハードストップレセプタクル457の組み合わせは、外科器具取外しインターロックを形成し、外科器具460の取外しを阻止する。人が外科器具460上の解放ボタンを係合することを試みるならば、外科器具460内の機構は、外科装置インターフェース要素450内の可動本体451Cを近位に押し得ない。何故ならば、複数のハードストップ437は、可動本体451Cの如何なる近位移動をも阻止し、よって、中間ディスク453及び被駆動ディスク464を切り離し得ない。
【0156】
複数のハードストップレセプタクル457の使用は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。他の特徴において、複数のハードストップレセプタクル457は用いられない。代わりに、複数のハードストップ437は、可動本体451Cの近位面と接触し、近位方向における可動本体451Cの移動を阻止する。
【0157】
何らかの理由のために、外科器具460の遠位先端がカニューレの遠位端を越えて延びる間に、外科器具460を取り外すことが必要であるならば、人は予荷重解放ボタン482を押す。押されると、予荷重解放ボタン482は、モータパック446に対する長手方向力を解放させる。結果的に、戻りばね447はモータパック446を完全引込み位置432まで引っ張る。
【0158】
モータパック446が完全に引っ込められた状態で、複数のハードストップ437は、外科装置インターフェース要素450の可動本体451C内の複数のハードストップレセプタクル467から後退させられ、ディスク453及び464はもはや如何なる予荷重力にも晒されない。よって、外科器具460上の解放ボタンを用いて、挿入アセンブリ431の任意の位置で、外科装置インターフェース要素450から外科器具460を取り外し得る。加えて、解放ラッチ抑止ストップ438が引っ込められ、解放ラッチ435を用いて、挿入アセンブリ431の任意の位置で、外科装置インターフェース要素450を器具マニピュレータアセンブリ440から切り離し得る。1つの特徴において、外科装置インターフェース要素450の解放は、予荷重解放ボタン482が押される後まで抑止される、例えば、解放ラッチ抑止ストップ438は、予荷重解放ボタン482が押される後まで解放ラッチ435の作動を抑止する。予荷重は、上述のように自動的にリセットされ、次回、外科装置インターフェース要素450が装着され、挿入アセンブリ431が完全後退位置まで移動させられる。
【0159】
図5乃至13は、図3Aに例示する構成を得る外科装置アセンブリ300の部品を装着する1つの特徴を例示している。図5は、器具マニピュレータアセンブリ240の遠位端を例示している。器具マニピュレータアセンブリ240は、駆動ユニットアセンブリ541と、駆動出力ユニット542とを含む。この特徴において、駆動出力ユニット542は、複数の駆動出力アセンブリ543P、例えば、8個の駆動出力アセンブリを含む。ここにおいて、駆動出力アセンブリ543は、8個の駆動出力アセンブリの任意の1つを指す。1つの特徴では、8個の駆動出力アセンブリのうちの6個だけが用いられる。駆動出力アセンブリ543は、カプラ544と呼ぶときがある低バックラッシュカプラ544と、駆動出力ディスク545とを含む。図16Aも参照。1つの特徴では、0.3度未満のバックラッシュを有するカプラが、低バックラッシュカプラと考えられる。
【0160】
駆動出力ディスク545は、一組の出力ピンによって低バックラッシュカプラ544に連結される。以下により完全に説明するように、駆動出力ディスク545は、遠位端面を含む円筒形ディスクである。各駆動出力ディスク545の遠位端は、駆動インターフェース557を有する。駆動インターフェース557は、駆動ドッグと、整列要素とを含む。図5では、駆動ドッグと第1及び第2の整列要素とが、駆動出力ディスク545の遠位端表面(図16Cを参照)から遠位方向に延びている。
【0161】
図6は、挿入アセンブリ331に付けられた器具マニピュレータアセンブリ240を示しており、次いで、挿入アセンブリ331は、挿入軸ベースアセンブリ632に取り付けられている。挿入軸ベースアセンブリ632は、挿入アセンブリ331を動かすモータ及びパワーエレクトロニクスを含む。
【0162】
減菌アダプタアセンブリ250が、減菌アダプタフレーム651と、減菌ドレープ(図示せず)とを含む。減菌ドレープは、減菌アダプタフレーム651に固定的に取り付けられる。減菌アダプタアセンブリ250は、外科装置インターフェース要素の一例である。減菌アダプタフレーム651は、外科装置インターフェース要素本体の一例である。より一般的な言い方をすれば、外科装置インターフェース要素は、駆動システムの駆動インターフェースと外科器具の被駆動インターフェースとの間の機械的インターフェースを含む構造である。
【0163】
複数のタング652A,652Bが、減菌アダプタフレーム651の第1の端651Aから延びている。第1の端651Aを減菌アダプタアセンブリ250の並びに減菌アダプタフレーム651の閉塞端と呼ぶときがある。各タング652A,652Bは、駆動出力ユニット542にある複数の溝における対応する溝647A,647Bと噛み合うように構成される。減菌アダプタフレーム651の第2の端651Bは、減菌アダプタフレーム651が駆動出力ユニット542に取り付けられるときに駆動出力ユニット542の減菌アダプタ出力ユニット542の減菌アダプタ解放ラッチ635が係合するリップ654(lip)(唇部)を含む。第2の端652Bを減菌アダプタアセンブリ250の並びに減菌アダプタフレーム651の開放端と呼ぶことがある。
【0164】
以下により完全に説明するように、減菌アダプタフレーム651は、可動本体651Cを含む。可動本体651Cは、減菌アダプタフレーム651内で近位方向及び遠位方向に動き得る。
【0165】
各中間ディスクが減菌アダプタフレーム651に対して並びに可動本体651Cに対して回転し得るよう、複数の中間ディスク653Pが可動本体651Cの複数の中間ディスクレセプタクル内に取り付けられる。よって、複数の中間ディスク653Pは、減菌アダプタフレーム651内に回転可能に取り付けられる。中間ディスク653は、複数の中間ディスク653Pのうちの各中間ディスクの代表である。中間ディスク653は、代表的な中間ディスクである。
【0166】
各中間ディスク653は、中間ディスク653の第1の側にある中間被駆動インターフェース655と、中間ディスク653の第2の側にある中間駆動インターフェース756(図7)とを含む。第1の側は第2の側の反対であり、第2の側から取り外されている。各中間ディスク653の中間被駆動インターフェース655は図6に見ることができ、中間ディスク653は可動本体651Cの中間ディスクレセプタクル内に取り付けられている。中間被駆動インターフェース655は、駆動出力ユニット542内の駆動出力ディスク545上の駆動インターフェース557と噛み合うように構成される。
【0167】
減菌アダプタアセンブリ250を器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けるために、各タング652A,652Bは、駆動出力ユニット542にある対応する溝647A,647B内に挿入される。図7Aを参照のこと。次に、減菌アダプタフレーム651は、減菌アダプタ解放ラッチ635がリップ654と係合するまで、回転させられる。要素652A,652Bをタングと呼び且つ要素647A,647Bを溝と呼ぶのは例示であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。代替的に、要素652A,652Bを腱又は突起と記載し、且つ要素647A,647Bをほぞ孔(mortise)又は空洞(cavities)と記載し得る。
【0168】
図7Bに例示するように、減菌アダプタフレーム651が駆動出力ユニット542に掛止されるとき、器具マニピュレータアセンブリ240のプランジャ546が押し下げられる。プランジャ546が押し下げられるとき、減菌アダプタアセンブリ250の存在をコントローラ290に示す信号が生成される。その信号に応答して、外科システム200内のコントローラ290は、先ず、複数の駆動出力ディスク545P(図5)の各駆動出力ディスク545への予荷重力を生成する自動予荷重リセット機構(図24B)を通電し、次に、コントローラ290は、器具マニピュレータアセンブリ240に信号を送信して、複数の駆動出力ディスク545Pの各駆動出力ディスク545を回転させる。
【0169】
以下により完全に説明するように、駆動出力ユニット542内の各駆動出力アセンブリ543はばね荷重され、減菌アダプタアセンブリ250が器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられた後に予荷重力が各駆動出力ディスク545に加えられるよう、自動的に位置付けられる。予荷重力は駆動出力ディスク545を押し、且つ減菌アダプタフレーム651内の中間ディスク653の対応する中間被駆動インターフェース655を押す。
【0170】
しかしながら、図7Bにおいて、減菌アダプタフレーム651が器具マニピュレータアセンブリ240に先ず取り付けられるとき、中間被駆動インターフェース655の要素は、駆動出力ディスク545上の駆動インターフェース557の対応する要素と位置合わせされないことがある。2つのディスク653及び545の要素が位置合わせされないならば、2つのディスクは部分的に連結されるが、2つのディスクは互いに噛み合わない。よって、部分的に連結されるディスク545及び653、即ち、第1のディスク及び第2のディスクを含む、ディスク積重ねは、第1の高さを有する。予荷重力がこのディスク積重ねに適用された後、コントローラは駆動出力ディスク545を回転させる。
【0171】
以下により完全に説明するように、2つのディスクが噛み合わされるまで、駆動出力ディスク545は回転させられるが、中間ディスク653の回転は抑止される。また、以下により完全に説明するように、中間ディスク653上の中間被駆動インターフェース655の対応する要素との駆動出力ディスク545上の駆動インターフェース557の要素の連結は、駆動出力ディスク545が回転させられる間に、2つのディスクが予荷重力の下で部分的に連結されたままであることを保証する。2つのディスクが噛み合わせられるとき、1つの特徴において、ディスク積重ねの高さは、第2の高さを有し、第2の高さは、第1の高さ未満であり、器具マニピュレータアセンブリ240内のセンサが、高さにおけるこの変化を検出し、コントローラ290に信号を送信して、駆動出力ディスク545の回転を停止させる。駆動出力ディスクと中間ディスクとの噛み合わせを検出する代替的な方法を以下に記載する。
【0172】
図7Bは、駆動ユニットアセンブリ541内のモータパックに連結される予荷重アセンブリ780も示している。予荷重アセンブリ780は、予荷重アセンブリ480の1つの特徴のより詳細な実施例である。
【0173】
予荷重アセンブリ780は、挿入アセンブリ331内の予荷重トラック(図22A中の予荷重トラック2225を参照)の上に乗る。器具マニピュレータアセンブリ240及び器具減菌アダプタアセンブリ250は、挿入アセンブリ331の遠位端に固定的に取り付けられ、挿入アセンブリ331の遠位端と共にユニットとして動く。
【0174】
しかしながら、器具マニピュレータアセンブリハウジング741内のモータパック(図22A乃至22Bを参照)が、器具マニピュレータアセンブリハウジング741に対して遠位方向及び近位方向に動き得る。より完全に説明するように、予荷重アセンブリ780が遠位方向に動くと、予荷重アセンブリ780は、モータパックに遠位方向において長手方向力をもたらす。長手方向力は、駆動出力アセンブリ543内のばねの圧縮を引き起こし、それは第2の予荷重力を生成する。第2の予荷重力は、外科器具260の遠位端がカニューレから出る前に、如何なるバックラッシュをも0.7度未満に減少させる。
【0175】
図7Aに戻ると、複数の中間ディスク653Pの中間ディスク653の遠位側にある中間駆動インターフェース756が見える。図7A及び7B中に同様に見えるのは、器具挿入スキッドプレート755Bであり、それは減菌アダプタフレーム651の内側面から延びる。減菌アダプタフレーム651の反対側にある内側面から延びる類似の器具挿入スキッドプレート755Aがある。図7A及び7Bにおいて、可動本体651Cのリップ751Bと呼ぶときがある側部751Bも見える。側部751Aが図11に示されている。
【0176】
図8A乃至8Iは、外科装置インターフェース要素450の並びに減菌アダプタアセンブリ250の減菌アダプタアセンブリ250Aの代替的な実施例を例示している。減菌アダプタアセンブリ250Aは、減菌アダプタフレーム851と、減菌ドレープ(図示せず)とを含む。減菌ドレープは、減菌アダプタフレーム851に固定的に取り付けられる。減菌アダプタフレーム851は、減菌装置インターフェース要素本体の一例である。
【0177】
複数の溝852A,852B(図8H及び8Iを参照)が、減菌アダプタフレーム851の第1の端851A内に延びて、第1及び第2のリップ852A1,852B1を形成している。第1の端851Aを減菌アダプタアセンブリ250Aの並びに減菌アダプタフレーム851の閉塞端と呼ぶときがある。各溝852A,852Bの深さ及び大きさは、腹面ラッチアセンブリ847の遠位端にある対応するフック847A,847Bの表面が対応するリップ852A1,852B1と係合することを可能にするように構成される。
【0178】
第1及び第2のリップ852A1,852B1の各々は、第1の表面と、第2の表面とを含む。第2の表面は、第1の表面の反対側にあり、例えば、第1の表面は、近位面であり、第2の表面は、遠位面である。リップの第2の表面は、軸890に対して垂直な方向において、リップの第1の表面よりも長い。リップの第3の表面が、第1の表面と第2の表面との間に延び、第1及び第2の表面の異なる長さに鑑みてテーパが付けられる。1つの特徴において、第3の表面は、傾斜面(面取り面)である。
【0179】
減菌アダプタフレーム851の第2の端851Bは、減菌アダプタアセンブリ250Aが駆動出力ユニット542Aに取り付けられるときに駆動出力ユニット542Aの減菌アダプタ解放ラッチ835の遠位部分から軸890に向かって内向きに延びるリップ835Lが係合するリップ854を含む。第2の端851Bを減菌アダプタアセンブリ250Aの並びに減菌アダプタフレーム851の開放端と呼ぶときがある。
【0180】
リップ854は、第1の表面と、第2の表面とを含む。第2の表面は、第1の表面の反対側にあり、例えば、第1の表面は、近位面であり、第2の表面は、遠位面である。リップ854の第2の表面は、軸890に対して垂直な方向においてリップ854の第1の表面よりも長い。リップ854の第3の表面が、第1の表面と第2の表面との間に延び、第1及び第2の表面の異なる長さに鑑みてテーパが付けられている。1つの特徴において、第3の表面は、傾斜面(面取り面)である。
【0181】
以下により完全に説明するように、減菌アダプタフレーム851は、可動本体851Cを含む。可動本体851Cは、減菌アダプタフレーム851内で近位方向及び遠位方向に動き得る。器具挿入スキッドプレート855Aが減菌アダプタフレーム851の内側面から延びる。減菌アダプタフレーム851の反対側にある内側面から延びる類似の器具挿入スキッドプレート855Bがある。図8Aでは、可動本体851Cのリップ851C1と呼ぶことがある側部851C1も見える。
【0182】
可動本体851Cの構成及び作動は、可動本体651Cのリップ751Bの構成及び作動と同じであり、よって、ここでは、可動本体851Cについて可動本体651Cの構成及び作動の記載を繰り返さない。また、減菌アダプタ250Aへの外科器具の取付けは、減菌アダプタ250に関して記載したのと同じであり、よって、減菌アダプタ250Aについて記述を繰り返さない。
【0183】
器具マニピュレータアセンブリ240に減菌アダプタアセンブリ250Aを取り付けるために、減菌アダプタアセンブリ250Aは、以下により完全に記載するように、減菌アダプタアセンブリが駆動出力ユニット542Aの構成によって係合されるまで、長手軸890に沿って近位方向に、即ち、矢印891(図8A及び8B)によって示す方向に、近位に動かされる。図8B乃至8Dは、減菌アダプタアセンブリ250Aを駆動出力ユニット542Aに取り付ける際に用いる要素を例示する切欠図である。駆動出力ユニット542Aは、駆動出力ユニット542A内に含められる減菌アダプタアセンブリ250Aのためのラッチ機構を除き、駆動出力ユニット542に類似する。
【0184】
駆動出力ユニット542Aのフレーム842Fが、フレーム842Fの遠位面から延びる、第1の整列要素と呼ぶときがある第1の減菌アダプタ整列要素845Aと、同様にフレーム842Fの遠位面から延びる、第2の整列要素と呼ぶときがある第2の減菌アダプタ整列要素845Bとを含む。減菌アダプタ整列要素845Aは、腹面ラッチアセンブリ847に隣接するが、その内側にあるのに対し、減菌アダプタ整列要素845Bは、減菌アダプタ解放ラッチ835に隣接するが、その内側にある。
【0185】
減菌アダプタアセンブリ250Aは、駆動出力ユニット542Aの遠位面の近傍に軸方向に動くと、第1の減菌アダプタ整列要素845Aは、減菌アダプタフレーム851内の第1の減菌アダプタレセプタクル853A(図8H及び8I)に入る、例えば、係合する。同様に、第2の減菌アダプタ整列要素845Bは、減菌アダプタフレーム851内の第2の減菌アダプタレセプタクル853Bに入る、例えば、係合する。整列要素及びレセプタクルは、減菌アダプタアセンブリ250Aを位置合わせするように構成されるので、近位方向における減菌アダプタアセンブリ250Aの更なる動きは、ラッチ機構860を減菌アダプタアセンブリ250Aと係合させる。
【0186】
第1及び第2の整列要素845A,845Bは、複数の減菌アダプタ整列要素の一例である。第1及び第2の整列レセプタクル853A,853Bは、複数の整列レセプタクルの一例である。よって、駆動出力ユニット542A、故に、器具マニピュレータアセンブリ240は、この特徴において、複数の減菌アダプタ整列要素を含み、減菌アダプタアセンブリ250Aは、複数の整列レセプタクルを含む。代替的に、複数のレセプタクルを駆動出力ユニット542A内に形成し得るし、複数の整列要素は減菌アダプタフレーム851の近位面から延び得る。
【0187】
減菌アダプタアセンブリ250Aが更に近位方向に動くと、フック847Aのテーパ面が減菌アダプタアセンブリ250Aのリップ852A1のテーパ面と接触し、フック847Bのテーパ面が減菌アダプタアセンブリ250Aのリップ852B1のテーパ面と接触する。同様に、減菌アダプタ解放ラッチ835のリップ835Lのテーパ面が減菌アダプタアセンブリ250Aのリップ854のテーパ面と接触する。
【0188】
近位方向における減菌アダプタアセンブリ250Aの更なる動きは、減菌解放ラッチ835の遠位端部分を、駆動出力ユニット542Aの軸890から離れる方向に外向きに旋回させ、腹面ラッチアセンブリ847のフック847A,847Bを、駆動出力ユニット542Aの軸890から離れる方向に外向きに旋回させる。フック847A及び847B並びにリップ835Lがリップ852A1及び852B1を越えて遠位に動いた後、並びにリップ835Lがリップ854を越えて遠位に動いた後、フック847A及び847B並びにリップ835Lは、軸890に向かって内向きに旋回するので、リップ835Lはリップ854と係合し、フック847Aはリップ852A1と係合し、フック847Bはリップ852B1と係合する。具体的には、各フックの金面が対応するリップの第2の表面と接触する。故に、減菌アダプタ250Aは、減菌アダプタアセンブリ250を軸890に沿って駆動出力ユニット542Aの遠位面に向かって動かすことのみによって、図8Dに例示するように、駆動出力ユニット542Aに取り付けられる。
【0189】
図8E乃至8Gは、減菌アダプタラッチ機構860を例示する切欠図である。減菌アダプタラッチ機構860を理解するのに不要な構成部品は、図8E乃至8Gに含められていない。減菌アダプタラッチ機構860は、駆動出力ユニット542Aのフレーム842Fの遠位面に可動に連結される。減菌アダプタラッチ機構860は、減菌アダプタ解放ラッチ835と、プッシュロッド844と、腹面ラッチアセンブリ847とを含む。プッシュロッド844は、ラッチ835の動きが腹面ラッチアセンブリに伝達されるよう、減菌アダプタ解放ラッチ835を腹面ラッチアセンブリ847に連結する。よって、減菌アダプタラッチ機構は、第1のラッチアセンブリと、第2のラッチアセンブリと、第1のラッチアセンブリを第2のラッチアセンブリに連結するプッシュロッドとを含む。
【0190】
ラッチ835と呼ぶときがある減菌アダプタ解放ラッチ835は、近位端部分-第1の端部分の一例と、遠位端部分-第1の端部分の反対にある第2の端部分の一例とを含む。ラッチピン835P(図8B)がラッチ835の近位端部分の内面に連結される。ラッチピン835Pは、ラッチ835の内面から内向きに延びる。ラッチピン835Pは、ラッチピン435及びラッチピン2635Pと等しく、よって、それらのラッチピンの記述は、ラッチピン835Pに直接的に適用可能であり、逆にも適用可能である。リップ835Lは、ラッチ835の遠位部分から内向きに延びる。この特徴において、減菌アダプタラッチ835は、フレーム842Fに旋回的に接続される。旋回接続は、ラッチ835を旋回させる力の存在しないときに、ラッチ835を係合位置又は係合状態と呼ぶものに維持するよう、ばね荷重される。ラッチ835の近位部分が内向きに押される、例えば、第1の方向に押されるときに、動きがプッシュロッド844に伝達されるよう、プッシュロッド844の第1の端がラッチ835の近位端部分に旋回的に接続される。
【0191】
この特徴において、腹面ラッチアセンブリ847の近位端部分、例えば、第1の端部分は、フレーム842Fに旋回的に接続される。1つの特徴において、フレーム842Fへの接続は、腹面ラッチアセンブリ847を旋回させる力の存在しないときに、腹面ラッチアセンブリ847を係合位置又は係合状態と呼ぶものに維持するよう、ばね荷重される。2つの脚が、腹面ラッチアセンブリ847の近位端部分から遠位に延びる。各脚の遠位端には、例えば、腹面ラッチアセンブリ847の遠位端には、フック、即ち、フック847A及び847Bの一方がある。プッシュロッド844が、ラッチアセンブリ847の近位端部分と脚の遠位端との間で腹面ラッチアセンブリ847の1つの脚に旋回的に接続される。
【0192】
この特徴において、腹面ラッチアセンブリ847は、クラス3レバーとして実現され、作用力が支点(フレームへの旋回的な接続)と荷重(フック847A及び847B)との間にある。クラス3レバーの使用は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。他の特徴では、クラス1レバー又はクラス2レバーを用い得る。クラス2レバーについて、荷重は支点と作用力との間にあり、クラス1レバーについて、支点は作用力と荷重との間にある。
【0193】
図8Fに示すように、外力が減菌アダプタ解放ラッチ835に作用しない第1の状態において、減菌アダプタ解放ラッチ835及び腹面ラッチアセンブリ847の両方は、定常状態位置、即ち、係合状態にあり、各々の長手軸は長手軸890と位置合わせされる、即ち、軸890と実質的に平行である。ここにおいて、実質的に平行とは、製造公差内で平行であることを意味する。外力がラッチ835(図8G)の近位端に適用される、或いは、代替的に、力がリップ835Lに適用される、第2の状態において、ラッチ835の近位端部分は軸890に向かって内向きに旋回し、ラッチ835の遠位端部分は外向きに旋回する。ラッチ835の動きに応答して、腹面ラッチアセンブリ847の遠位端部分は外向きに旋回する。よって、外力892は2つのラッチアセンブリを分離位置に移動させる、例えば、第1の状態と異なる第2の状態に移動させる。
【0194】
図8Hは、減菌アダプタアセンブリ250Aの底面斜視図である。図8Iは、減菌アダプタアセンブリ250Aの頂部斜視図である。図8H及び8Iには示していないが、中間ディスク653が、可動本体851C内の複数の中間ディスクレセプタクルの各々の内に取り付けられる。減菌アダプタアセンブリ250(図6)について、複数の中間ディスクは、各中間ディスクが減菌アダプタフレーム851に対して並びに可動本体851Cに対して回転し得るよう、可動本体851Cの中間ディスクレセプタクル内に取り付けられる。よって、複数の中間ディスクは、減菌アダプタフレーム851内に回転可能に取り付けられる。複数の中間ディスクは、複数の中間ディスク653Pと同じであり、よって、ここでは、複数の中間ディスクの特徴を繰り返さない。また、可動本体851C内に取り付けられる複数のディスクのうちの各中間ディスクは、中間ディスク653(図17Bを参照)と同じであり、よって、減菌アダプタアセンブリ250Aに関して中間ディスク653の記述を繰り返さない。
【0195】
減菌アダプタアセンブリ250Aの複数のハードストップレセプタクル857は、複数のハードストップレセプタクル1757のために記載したのと同じであり、且つ同様に作動する。よって、ここでは、その記述を繰り返さない。減菌アダプタアセンブリ250Aは、各中間ディスクと関連付けられる中間ディスクハードストップ861を有する。減菌アダプタアセンブリ250Aの各中間ディスクハードストップ861は、中間ディスクハードストップ1761(図17B)のために記載したのと同じであり、且つ同様に作用する。よって、ここでは、その記述を繰り返さない。
【0196】
図9Aは、1つの特徴における外科器具260のより詳細な例示である。この特徴において、外科器具260は、被駆動インターフェースアセンブリ961と、伝動ユニット965と、メインチューブ967と、平行運動機構968と、手首関節969と、エンドエフェクタ970とを含む。手首関節969は、例えば、ここに参照として援用する、(「Surgical Tool Having Positively Positionable Tendon-Activated Multi-Disk Wrist Joint」を開示する2002年6月28日に出願された)米国特許出願公開第2003/0036748A1に記載されている。平行運動機構968は、例えば、(「Surgical Instrument With Parallel Motion Mechanism」を開示する、2007年6月13日に出願された)米国特許第7,942,868B2号に記載されている。
【0197】
図9Bに示すように、被駆動インターフェースアセンブリ961は、複数の被駆動ディスク964Aを含む。複数の被駆動ディスク964Aは、被駆動インターフェース要素の一例である。被駆動ディスク964は、複数の被駆動ディスク964Pの各被駆動ディスクの代表である。被駆動ディスク964は、伝動ユニット965のシャフトに取り付けられる。また、各被駆動ディスク964は、被駆動インターフェースアセンブリ961の本体にあるレセプタクル内に取り付けられる(図19Bを参照)。
【0198】
伝動ユニット965内の機械的構成部品(例えば、ギア、レバー、ジンバル、ケーブル等)が、複数の被駆動ディスク964Pからメインチューブ967を通じて走るケーブル、ワイヤ、及び/又はケーブル、ワイヤ、及びハイポチューブの組み合わせにトルクを伝達して、平行運動機構968、手首関節969、及びエンドエフェクタ970の動きを制御する。メインチューブ967は、実質的に剛的であるが、伝動ユニット967と進入ガイド270との間で僅かに曲げられ得る。この曲げは、進入ガイド270にある器具本体チューブボアが、さもなければ伝動ユニットが許容する大きさよりも、互いにより近接して離間させられるのを可能にする。この曲げは弾性的であるので、外科器具260がガイドチューブ270から引っ込められるときに、メインチューブ967はその直線形状を取る(メインチューブは、恒久的な曲げを伴って形成されてよく、それは器具本体が横揺れ(ロール)するのを防止する)。
【0199】
被駆動インターフェースアセンブリ961は、各側に一対の取付け翼(962A1,962B1)及び(962A2,962B2)を有する。また、伝動ユニット965の各側には、解放ボタン963A,963Bがある。取付け翼962B2及び解放ボタン963Bは、図10に示されている。
【0200】
外科器具260を減菌アダプタフレーム651内に取り付けるために、先ず、取付け翼962A1,962A2が、減菌アダプタフレーム651の開放端でスキッドプレート755A,755B(図10及び11)上に配置される。図11は、減菌アダプタフレーム651の外側面が取り外された状態の図10の切欠図である。
【0201】
外科器具260が、スキッドプレート755Aの反対側にあるパーキングスロット1155Aに向かってスキッドプレート755A上で摺動させられると(図11)、第1の取付け翼962A1,962A2の頂面は、リップ751A,751Bの底縁と接触し、それは可動本体651Cを近位方向に動かす(図12)。可動本体651Cの近位動作は、器具マニピュレータアセンブリ240のプランジャ1246を近位方向に押し下げ、次に、それは、外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250に荷重されているという、コントローラ290への信号を生成する。
【0202】
取付け翼962A1が減菌アダプタフレーム651の閉塞端にあるパーキングスロット1155Aに達するとき(図13)、第1の取付け翼962A1,962A2の頂面は、リップ751A,751Bの底縁にもはや接触しない。結果的に、可動本体651Cへの予荷重力は、可動本体651Cを遠位方向に移動させ(図13)、第1の取付け翼962A1を所定の場所に係止する。第1の取付け翼962A1が減菌アダプタフレーム651の閉塞端に達するとき、第2の取付け翼962B1は、減菌アダプタフレーム651の開放端付近でスキッドプレート755Aの平坦な部分の上に位置する。
【0203】
減菌アダプタフレーム651内の各中間ディスク653は、複数の駆動出力ディスク545Pの予荷重力によって遠位方向に遠位に押される。よって、外科器具260が減菌アダプタフレーム651内に取り付けられると、複数の中間ディスク653Pは第1の予荷重力を可動本体651Cに伝達するので、予荷重力は取付け翼962A1に適用される。この予荷重力は、外科器具260を減菌アダプタフレーム651内に容易に滑り込ませ得るように並びに小さな予荷重力が全てのディスク上で維持されるように、選択される。
【0204】
外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250内に取り付けられるとき、器具マニピュレータアセンブリ240は、外科器具260の存在を検出し、外科器具260の存在を示す信号をコントローラ290に送信する。その信号に応答して、外科システム200内のコントローラ290は、その信号を器具マニピュレータアセンブリ240に送信して、複数の駆動出力ディスク545Pの各駆動出力ディスク545を回転させる。
【0205】
以下により完全に説明するように、駆動出力ユニット542内の各駆動出力アセンブリ543はばね荷重され、減菌アダプタアセンブリ250が器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられた後に、予荷重力が各駆動出力ディスク545に加えられるよう、自動的に位置付けられる。予荷重力は駆動出力ディスク545を押し、減菌アダプタフレーム651内の中間ディスク653の対応する中間被駆動インターフェース655を押す。
【0206】
しかしながら、図7Bにおいて、外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250に先ず取り付けられるとき、中間ディスク653の中間駆動インターフェース765の要素は、被駆動ディスク964上の被駆動インターフェース980の対応する要素と位置合わせされないことがある。2つのディスク653及び964の要素が位置合わせされないならば、2つのディスクは部分的に連結させられるが、2つのディスクは互いに噛み合わない。よって、部分的に連結させられる、ディスク964,653,545、即ち、第3のディスク、第2のディスク、及び第1のディスクを含む、ディスク積重ねは、第3の高さを有する。
【0207】
外科器具260が減菌アダプタフレーム651内に取り付けられるとき、被駆動インターフェースアセンブリ961内の各被駆動ディスク964は、減菌アダプタアセンブリ250内の対応する中間ディスク653を近位に押すので、中間ディスク653は自由に回転し得る。以下により完全に説明するように、減菌アダプタアセンブリ250内の中間ディスク653の中間駆動インターフェース756が、被駆動インターフェースアセンブリ961内の被駆動ディスク964の対応する被駆動インターフェース980と位置合わせされないとき、中間ディスク653の中間駆動インターフェース756上の係合構造は、外科器具260の被駆動ディスク964上の回転不能化要素1980(図19Aを参照)と係合し、それは被駆動インターフェースアセンブリ961内の被駆動ディスク964の回転を阻止する。
【0208】
中間ディスク653の中間駆動インターフェース756が、所定の場所に固定される被駆動ディスク964と共に回転すると、中間駆動インターフェース756上の各要素は回転して被駆動ディスク964の被駆動インターフェース980の対応する要素と整列し、対応する要素と噛み合う。中間駆動インターフェース756及び被駆動インターフェース980の連結は、被駆動ディスク964上の回転係止(回転ロック)を解放する。よって、ディスクの積重ねは、ユニットとして回転する。全ての3つのディスクが噛み合わせられるとき、ディスク積重ねの高さは、第4の高さを有し、第4の高さは、第3の高さ未満であり、器具マニピュレータアセンブリ240内のセンサが、高さにおけるこの変化を検出し、コントローラに信号を送信して、駆動出力ディスク545の回転を停止させる。ディスク積重ねの高さにおける変化を検出する器具マニピュレータアセンブリ240内のセンサは、機械式センサ、光センサ、誘導センサ、容量センサ等であり得る。
【0209】
図14は、駆動出力ディスク545が中間ディスク653に連結され、中間ディスク653が被駆動ディスク964に連結されるときの、ディスク積重ね1400の例示である。ここにおいて、連結される(coupled)とは、2つのディスクが噛み合わせられるよう、即ち、完全に連結させられるよう、2つのインターフェース接続するディスク上の整列構成の全てが位置合わせされることを意味する。上述のように、2つのインターフェース接続するディスク上の整列構成の一部が位置合わせされるが、2つのインターフェース接続するディスク上の他の整列構成が位置合わせされないとき、2つのインターフェース接続するディスクは部分的に連結される。予荷重力は、ある程度のバックラッシュにも拘わらず、2つの部分的に連結させられるディスクが、全ての整列構成を位置合わせさせ且つ噛み合わせ得るよう接触した状態であるよう、選択される。
【0210】
ディスク積重ね1400は、図3A及び3Bを参照して上記で言及したディスク積重ね構成である。駆動出力ディスク545の駆動インターフェース557は、中間ディスク653の中間被駆動インターフェース655に噛み合わされ、中間ディスク653の中間駆動インターフェース756は、被駆動ディスク964の被駆動インターフェース980に噛み合わされる。以下により完全に説明するように、ディスクの積重ね1400上に高い予荷重力、即ち、第2の予荷重力があるときには、シャフト1466が駆動出力ディスク545に連結させられるシャフトと精密に位置合わせされないことがあるとしても、外科処置において用いられるトルクレベルのために、ディスク積重ね1400内のディスク間にゼロバックラッシュがある。ディスクの積重ね1400内のディスク545,653,964が、第2の予荷重力の下で噛み合わされるときには、外科処置において用いられるトルクレベルのために、ディスク間の連結部内にゼロバックラッシュがある。低バックラッシュカプラ544が空間的な不整列(ずれ)を補償し、動き及びトルクをディスク積重ね1400に伝達する。以下により完全に説明するように、駆動ドッグの設計は、駆動出力ディスク445及び被駆動ディスク964の角度不整列(角度ずれ)を補償する。
【0211】
図15Aは、器具マニピュレータアセンブリハウジング741が取り外された状態の器具マニピュレータアセンブリ240の例示である。また、駆動ユニットアセンブリ541内の構成部品を示す垂直切断部がある。器具マニピュレータアセンブリ240は、モータパック1541を含み、次に、モータパック1541は、複数の駆動ユニット1500Pと、複数の駆動出力アセンブリ543Pとを含む。複数の駆動ユニット1500Pの各駆動ユニット1500は、エンコーダ1501と、スロットレス型ブラシレスサーボモータ1502と、コンパクトなホール効果センサ1503と、遊星ギアヘッド1504(planetary gearhead)とを含む。
【0212】
1つの特徴において、スロットレス型ブラシレスサーボモータ1502は、極めて高いモータ定数を有し、よって、サーボモータ1502は、極めて効率的である。スロットレス型ブラシレスサーボモータの使用は例示的であるに過ぎず、複数の駆動ユニット1500Pにおけるモータをこの特定の種類のモータに限定することを意図しない。ブラシ式モータ、ステッピングモータ等を含む、様々なモータを用い得る。各サーボモータ1502は、モータパック1541内の8個のサーボモータのコンパクトな構成に鑑みて、隣接するサーボモータへのトルクリップルを防止する磁気遮蔽(磁気シールド)を含む。
【0213】
コンパクトなホール効果センサ1503を用いてサーボモータ1502内の永久磁石の位置を検出する。ホール効果センサ1503は第2のエンコーダとして用いられる。エンコーダとホールとの間の照合(encoder-to-hall check)が、エンコーダ1501及びホール効果センサ1503によって報告される回転位置を比較する。回転位置が有意に異なるならば、エンコーダ1501、ホール効果センサ1503、又はそれらの間の機構は、どこかがおかしい。この照合が失敗するとき、コントローラ内でソフトウェアを実行することは、モータを直ぐに停止させる。
【0214】
遊星ギアヘッド1504は頑丈であり、極めて効率的であり(90%より大きい)、よって、典型的なギアヘッドよりもバック駆動(back-drive)が容易である。バック駆動可能である(back-drivable)とは、典型的なギアヘッドに比べて、ギアヘッドの出力シャフトを比較的低いトルクで回転させ得ることを意味する。
【0215】
遊星ギアヘッド1504は、1つの特徴において、1度未満のバックラッシュを有し、他の特徴において、例えば0.4度の、低バックラッシュを有する。1つの特徴において、遊星ギアヘッド1504のうちの4個は、28:1の入出力比を有し、標準遊星ギアヘッドと呼ぶ。この特徴において、遊星ギアヘッドのうちの4個は、9対1の入出力比を有し、高速ギアヘッドと呼ぶ。同様に、標準遊星ギアヘッドを備える駆動ユニット1500を標準駆動ユニットと呼ぶ。高速遊星ギアヘッドを備える駆動ユニット1500を高速駆動ユニットと呼ぶ。
【0216】
図15B乃至15Eは、モータパック1541における使用に適した遊星ギアヘッドの1つの実施例の例示である。図15Bは、遊星ギアヘッド1504の側面図である。図15Cは、遊星ギアヘッド1504の遠位図である。図15Dは、28:1遊星ギアヘッドの近位図である。図15Eは、9:1遊星ギアヘッドの近位図である。図15B乃至15Eにおけるギアヘッドについての寸法の1つの実施例が表1に与えられている。
【0217】
【表1】
【0218】
図16A乃至16Dは、この特徴における複数の駆動出力アセンブリ543Pのうちの各駆動出力アセンブリの代表である駆動出力アセンブリ543のより詳細な例示である。駆動出力アセンブリ543は、ボール-スプライン1603を含む。軽い予荷重ばね1601、例えば、第1の予荷重ばねが、ボール-スプライン1603の中央管腔内に取り付けられ、駆動出力ディスク545の近位側に付けられる一端を有する。軽い予荷重ばね1601は、ばね1601が圧縮されるときに、第1の予荷重力を駆動出力ディスク545に適用する。1つの特徴において、第1の予荷重力は、0.5重量ポンド(Lbf)(2.22411ニュートンメートル)である。
【0219】
ボール-スプライン1604は、ボール-スプライン1603に取り付けられる。ボール-スプラインナット1604が、ボール-スプライン1603からのトルク/動きを伝達しながら、ボール-スプライン1603に沿って近位に及び遠位に摺動する、即ち、第1の方向及び第1の方向と反対の第2の方向に摺動する。よって、トルク/動きは、ボール-スプライン1603を通じて、屈曲部544(flexure)と呼ぶときがある低バックラッシュカプラ544に伝達される。ボール-スプライン1603は、駆動出力アセンブリ543がボール-スプライン1603の長手軸に沿って動くのを可能にしながら、トルク/動きを伝達する。ディスクはディスク積重ね1400内に係入され或いは分離されると、駆動出力アセンブリ543は、ボール-スプライン1603に沿って出入り移動して、係合又は分離を容易化する。ボール-スプライン1603は、外科処置中に用いられるトルクレベルについてゼロバックラッシュを有する。
【0220】
ボール-スプラインナット1604は、ハウジング1605内に挿入され、ハウジング1605には、重い予荷重ばね1602、即ち、第2の予荷重ばねが取り付けられる。重い予荷重ばね1602は、軽い予荷重ばね1601との組み合わせにおいて、両方のばねが圧縮されるときに、第2の予荷重力を駆動出力ディスク545に適用する。1つの特徴において、第2の予荷重力は、2.3重量ポンド(Lbf)(10.2309ニュートンメートル)である。
【0221】
屈曲544は、駆動ユニットから屈曲部544にトルクを伝達する2つのピンによって駆動ユニットに連結される。屈曲部544は、2つのピンによって駆動出力ディスク545にも連結される。よって、屈曲部544は、駆動ユニットから駆動出力ディスク545にトルクを伝達する。図16Bは、屈曲部544の端面図である。
【0222】
屈曲部544は、駆動出力ディスク545の近位面から近位に延びるシリンダ1445C(図14及び16A)に嵌る中央管腔1640を有する。屈曲部544は、4個のビーム1641A,1641B,1641C,1641Dを有する。4個のビーム1641A,1641B,1641C,1641Dの各々のビームの第1の端が、屈曲部544の本体1642に接続される。4個のビーム1641A,1641B,1641C,1641Dの各々のビームの第2の端が、それぞれ中央ボアを有するシリンダ1643A,1643B,1643C,1643Dに接続される。ビーム1641A,1641B,1641C,1641Dは、中央管腔1640を通じる軸についてねじり剛性を有するが、側方オフセットに関して可撓である。
【0223】
駆動ユニットによって駆動させられる出力ピンが、シリンダ1643A,1643Bの中央ボア内に取り付けられる。駆動出力ディスク545の入力ピンが、シリンダ1643C,1643Dの中央ボア内に取り付けられる。
【0224】
屈曲部544は、1つの特徴において、析出硬化ステンレス鋼17-4H1150製の精密機械加工された一体成形部品である。屈曲部544のバックラッシュは、シリンダの中央ボアと入力ピン又は出力ピンの外径との間の取付けピン隙間によって決定される。この特徴において、外科装置アセンブリ300のバックラッシュは、専ら器具マニピュレータアセンブリ240によって制御される。これは、バックラッシュが従来技術の減菌アダプタにおけるオルダム継手(Oldham coupling)によって考慮される従前のシステムと対照的である。従来技術の減菌アダプタ内の部品は射出成形され、よって、屈曲部544と同じ精度に作製され得ない。外科装置アセンブリ300の再使用可能な部分、例えば、器具マニピュレータアセンブリ240におけるバックラッシュを制御することは、バックラッシュが、外科装置アセンブリ300の各使用について一貫し、従来技術の減菌アダプタのような1回使用の使い捨て可能なアセンブリにおける射出成形部品の製造公差に依存しない。
【0225】
屈曲部544は、中央管腔1640の軸に対して法線方向にある平面における2つの自由度における動きに順応する。ビーム1641A,1641Bに連結される出力ピンが、軸1690に沿って動き得る。動きの範囲は、シリンダ1643A,1643Bの外面と本体1642の外面との間の間隙によって制限される。同様に、ビーム1641C,1641Dに連結される入力ピンが、軸1690に対して垂直な軸1691に沿って動き得る。動きの範囲は、シリンダ1643C,1643Dの外面と本体1642の外面との間の間隙によって制限される。1つの特徴において、軸1690,1691の1つに沿ってビームを0.010インチ(0.0254ミリメートル)変位させることは、0.66LBf(2.9358ニュートンメートル)を必要とし、1平方インチ(0.00064516平方メートル)当たり29,000ポンド(1315.418キログラム)の応力をもたらす。100in-Lbfの適用トルクで、ピーク応力は、1平方インチ(0.00064516平方メートル)当たり38,000ポンド(1723.651キログラム)であった。
【0226】
屈曲部544の2つの自由度は、シャフト不整列(シャフトずれ)に順応する。具体的には、駆動ユニットアセンブリ541が、シャフトが伝動ユニット965内にある状態でモータパック1541内の駆動シャフトの不整列(ずれ)を許容する。何故ならば、各屈曲部544は、駆動ユニット1500の対応する駆動シャフトと完全に同軸でないシャフト1466(図14)を補償するよう撓みながら、駆動出力ディスク545にトルクを伝達するからである。
【0227】
図16Cは、駆動出力ディスク545の駆動インターフェース557の1つの特徴、例えば、駆動出力ディスク545の遠位部分のより詳細な例示である。駆動出力ディスク545は、円筒形の本体を有する。図16Dは、駆動ドッグ1652を備える駆動出力ディスク545の断面図である。
【0228】
2つのボア1651A,1651Bが、駆動出力ディスク545を通じて延びる。入力ピンが、各ボア1651A,1651B内に並びに屈曲部544のシリンダ1643A,1643B内の対応するボア内に嵌入させられる。
【0229】
2つの駆動ドッグ1652A,1652B、第1の整列要素-中央ポスト1653及びタブ1654と、第2の整列要素、即ち、ピン1655とが、駆動出力ディスク545の遠位端面1656から遠位に延びる。中央ポスト1653は、タブ1654の高さよりも大きい高さを有し、よって、駆動出力ディスク545を中間ディスク653の中間被駆動インターフェース65内にある対応する整列レセプタクルに対して芯出し(中心化)するのに役立つ。タブ1654は、中央ポスト1653から遠位端面1656の周縁部に向かって延びる。中心線1670及び1671が、中央ポスト1653の中心を通じて延び且つそれと交差する。中央ポスト1653及びタブ1654は、駆動出力ディスク545を中間ディスク653に位置合わせさせるのを助ける。中央ポスト1653及びタブ1654は、ディスクの噛み合う対に安定性ももたらす。
【0230】
この特徴において、ピン1655は、中心線1670上に芯出し(中心化)され、中央ポスト1653と遠位端面1656の縁との間に位置付けられる。ピン1655は、シリンダのセグメントである、例えば、シリンダは、ピン1655の外表面が平坦であり且つ円筒形でないよう、ある平面によって垂直に切断される。1つの特徴において、ピン1655は、概ね三次元のD形状を有する。ここにおいて、概ね三次元のD形状(generally three-dimensional D-shape)とは、その形状が、三次元D形状、例えば、ピン1655の形状として認識されるのに十分な程に三次元D形状に類似することを意味する。ピン1655は、中間ディスク653における整列レセプタクルと噛み合うように構成される。
【0231】
第1及び第2の整列要素の形状及び向きは例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。第2の予荷重力の下でバックラッシュが導入されない限り、整列要素の他の形状及び整列要素の間の他の向きが用いられてよく、それらの要素は、係合するとき及び分離するときに結合せず、それらの要素は、ディスクの噛み合わせ対に安定性をもたらす。
【0232】
駆動インターフェース557は、2つの駆動ドッグ1652A,1652Bを含む。駆動ドッグ1652A,1652Bの各々は、遠位端面1656から遠位に延びる。駆動ドッグ1652A,1652Bの各々は、駆動出力ディスク545の長手軸から同じ径方向距離Rdogにある。駆動出力ディスク545の長手軸は、中央ポスト1653の中心を通じて走る。また、各駆動ドッグ1652A,1652Bは、近位端面1656の周縁部に近接する。径方向に等距離の駆動ドッグ1652A,1652Bと、周縁部に隣接する位置決め駆動ドッグ1652A,1652Bとの組み合わせは、駆動ドッグ1652A,1652Bが、中間ディスク653にトルク/動きを効率的に伝達するのを可能にする。
【0233】
遠位面1656の周縁部に対する駆動ドッグ1652A,1652Bの場所は、中間ディスク653上の駆動ドッグレセプタクルの場所によって決定される(図18Aを参照)。中間ディスク653の直径は、部分的には、減菌アダプタアセンブリ250の可動本体651C内に嵌入し得る中央ディスク653の数によって決定される。駆動ドッグ1652A,1652Bは、以下により完全に記載するように、駆動ドッグ1652A,1652Bが中間ディスク653内の駆動ドッグレセプタクルと係合するような大きさ及び位置にされ、よって、駆動ドッグ1652A,1652Bは、可動本体651Cの側壁と接触しない。
【0234】
図16Cに例示するように、駆動ドッグ1652A,1652Bは、駆動出力ディスク545の長手軸(図示せず)及びy軸1670を含む平面に対して鏡面対称性を有する。駆動出力ディスク545の長手軸は、中央ポスト1653の中心で、軸1670及び軸1671の両方に対して垂直である。
【0235】
駆動ドッグ1652A,1652Bの各々は、駆動出力ディスク545の長手軸及びx軸1671を含む平面に対して鏡面対称性を有する。この平面は、駆動ドッグ1652A,1652Bの各々を二分する。
【0236】
駆動ドッグ1652A,1652Bの大きさは、強度要求に基づき選択される。この出願において(中心から縁へ径方向に)駆動ドッグ1652A,1652Bの長さは、ディスク545の中央における整列構成/回転防止構成の大きさの制約によって決定され、駆動ドッグ1652A,1652Bの高さは、第1及び第2の予荷重力の下での中間ディスク653との適切な係合を補償しながら、機構の大きさ及び重量を減少させるように最小限化される。
【0237】
駆動ドッグ1652Aは、駆動ドッグ1652Bと同じであり、よって、駆動ドッグ1652Aの特徴のみを更に詳細に考察する。駆動ドッグ1652Aの記述は、駆動ドッグ1652Bと同じに直接的に適用可能であり、よって、その記載を駆動ドッグ1652Bについて繰り返さない。
【0238】
駆動ドッグ1652Aは、第1の部分1652A1と、第2の部分1652A2とを有する。第1の部分1652A1は、近位端面1656から第2の部分1652A2に遠位に延びる。第2の部分1652A2は、遠位方向において第1の部分1652A1から延びる。
【0239】
駆動ドッグ1652Aの第1の部分1652A1は、三次元の長方形であり、よって、遠位端面1656からの延びる4つの直線の側部、例えば、図16D中の側部1652s2,1652s4を有する。ここにおいて、直線(straight)とは、駆動ドッグ1652Aの長手軸とx軸1671及びy軸1670のうちの一方とを含む平面と実質的に平行であることを意味する。選択される軸は、考慮される三次元の長方形の側部に依存する。実質的に平行(substantially parallel)とは、製造公差内で平行であることを意味する。
【0240】
第2の部分1652A2(図16D)は、曲面である2つの対向する側部1652cyl2,1652cyl4を含む。1つの特徴において、曲面は、円形区画の一部、例えば、シリンダ1658の外面の一部である。側面1652cyl2,1652cyl4は、縁1652e1,1652e2を含み且つ図16Dから外に延びる2つの平行な平面が交差するシリンダの区画の外面である。よって、側面1652cyl2,1652cyl4は、曲面である。
【0241】
1つの特徴において、シリンダ1658は、0.125インチ(0.3175センチメートル)の直径を有する。シリンダ1658の軸は、図16Dから外に延びる。この特徴において、第2の区画1652A2の他の2つの側壁は、直線側部である。
【0242】
1つの特徴において、駆動出力ディスク545は、射出成形されるディスクである。駆動出力ディスク545をポリカーボネート、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエチレンイミン(PEI)等で作製し得る。
【0243】
図17Aは、減菌アダプタアセンブリ250の他の例示である。減菌ドレープ(図示せず)が、リム1751に固定的に取り付けられる、例えば、両面テープによって付けられる。減菌ドレープは知られており、よって、更に詳細に記載しない。例えば、それらの全てを参照としてここに援用する、(2005年12月20日付け出願の)米国特許第7,666,191B2、(2006年3月31日付け出願の)米国特許第7,699,855B2号、(2010年8月12日付け出願の)米国特許出願公開第2011/0277775A1号、及び(2010年8月12日付け出願の)米国特許出願公開第2011/0277776A1号を参照のこと。減菌ドレープは、システム200の少なくとも一部を覆って、外科処置中に減菌野を維持するのに対し、減菌アダプタアセンブリ250は、外科器具260とその関連する器具マニピュレータアセンブリ240との間の正確な機械的インターフェースと共に、効率的で簡単な器具交換ももたらす。
【0244】
上記のように、可動本体651Cは、減菌アダプタフレーム651内に取り付けられるので、可動本体651Cは、減菌アダプタフレームに対して近位方向及び遠位方向に移動し得る、即ち、第1の方向及び第1の方向と反対の第2の方向に移動し得る。図17Aにおいて、可動本体651Cは、最遠位位置にある。可動本体651Cは、複数の中間ディスク653Pのうちの各中間ディスク653のためのレセプタクルを含む。可動本体651Cは、複数のハードストップレセプタクル1757も含む。各中間ディスク653は、円筒形の本体を有する。
【0245】
1つの特徴において、減菌アダプタフレーム651、可動本体651C、及び複数の中間ディスク653Pの各々は、射出成形によって作製される。減菌アダプタフレーム651、可動本体651C、及び複数の中間ディスク653Pのための適切な材料は、ポリカーボネート、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエチレンイミン(PEI)等を含む。
【0246】
各中間ディスク653は、可動本体651Cにある対応するレセプタクル内に取り付けられる。各中間ディスク653は、レセプタクル内で回転し得るし、レセプタクル内で遠位に及び近位に動き得る。図17Aにおいて、中間ディスク653は、最遠位位置にある。図17Bは、中間ディスクレセプタクル1766及び中間ディスク653を示す、可動本体651Cの一部の拡大例示である。中間ディスク653は、ディスク653の外側面から延び且つディスク653の近位端面から延びるタブ1767を有する(図18Aを参照)。中間ディスク653は、中間ディスクハードストップ1761と関連付けられると言われる。これは、タブ1767がハードストップ1761と接触することができ、接触後、中間ディスク653の回転が停止させられる、ことを意味する。
【0247】
外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250に取り付けられるとき、中間ディスク653は、可動本体651Cに対して近位に変位させられる。この位置において、タブ1767の最遠位部分、即ち、タブ1767の底は、ハードストップ1761の最近位部分、即ち、ハードストップ1761の頂部より上にあるので、中間ディスク653は自由に回転し、ハードストップ1761と接触しない。
【0248】
図18A及び18Bは、中間被駆動インターフェース655(図18A)及び中間ディスク653の中間駆動インターフェース(図18B)の例示である。中間被駆動インターフェース655(図18A)は、中間ディスク653の近位端にある。中間被駆動インターフェース655は、第1の整列レセプタクルと、第2の整列レセプタクルとを含む。この特徴において、第1の整列レセプタクルは、中央ポストレセプタクル1853及びタブレセプタクル1854の組み合わせである。第2の整列レセプタクルは、ピンレセプタクル1855である。
【0249】
中央ピンレセプタクル1853及びタブレセプタクル1854の組み合わせは、ポスト1653及びタブ1654がレセプタクル1853及びレセプタクル1854とそれぞれ位置合わせされるときに、中央ポスト1653及びタブ1654の組み合わせと噛み合うように構成される。同様に、ピンレセプタクル1855は、ピンレセプタクル1855及びピン1655が位置合わせされるときに、ピン1655と噛み合うように構成される。よって、駆動出力ディスク545は、ディスク545の整列要素が中間ディスク653の整列レセプタクルと位置合わせされるときに、1つの向きにおいて中間ディスク653と噛み合い得るだけである。
【0250】
中間被駆動インターフェース655は、2つの駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bも含む。図18Aに例示するように、駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bは、中間ディスク653の長手軸(図示せず)とy軸1870とを含む平面に対して鏡面対称性を有する。中間ディスク653の長手軸は、軸1870及び1871の両方に対して垂直である。
【0251】
駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bの各々は、中間ディスク653の長手軸とx軸とを含む平面に対して鏡面対称性を有する。この平面は、駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bの各々を二分する。
【0252】
各駆動ドッグレセプタクルは、中間ディスク653の長手軸から同距離Rrcptである内縁面を有する。内縁面は、以下により完全に説明するように、駆動ドッグレセプタクルの第3の側部を形成する。駆動ドッグレセプタクル1852Aは、駆動ドッグレセプタクル1852Bと同じであるので、駆動ドッグレセプタクル1852Aの特徴のみを更に詳細に考察する。駆動ドッグレセプタクル1852Aの記述は、駆動ドッグレセプタクル1852Bに直接的に適用可能であり、よって、その記載を駆動ドッグレセプタクル1852Bについて繰り返さない。
【0253】
駆動ドッグレセプタクル1852Aを4つの側で境界付け得る。1つの特徴において、第1の側は存在しない。よって、第1の側は、開放されていると言われる。開放側壁の使用は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。幾つかの特徴において、第1の側壁は、中実な側壁であり得る。第2及び第4の側は、第1の側に対して垂直な壁である。第3の側は、第2及び第4の側に対して垂直な壁である。よって、この特徴において、駆動ドッグレセプタクル1852Aを4つの側部は、中間ディスク653の外側近位縁面1856から中間ディスク653内に遠位に駆動レセプタクル1852Aの底面1857まで延びる3つの壁によって境界付けられる。開放側の反対側にある第3の壁は、外側近位縁面1856から底面1857まで延びる直線壁である。2つの対向する壁、即ち、第2及び第4の壁は、以下に記載するような2つの部分、即ち、直線壁部分及び傾斜付き壁部分を有する。
【0254】
図18Cは、x軸1871に対して垂直な中心線に沿って切断された駆動ドッグレセプタクル1852Aの断面図である。駆動ドッグレセプタクル1852Aは、第1の部分1852A1と、第2の部分1852A2とに分割される。第1の部分1852A1は、外側金面1856から第2の部分1852A2に中間ディスク653内に延びる。第2の部分1852A2は、第1の部分1852A1から駆動ドッグレセプタクル1852Aの底面1857まで中間ディスク653内に更に延びる。
【0255】
駆動ドッグレセプタクル1852Aの第1の部分1852A1を境界付ける対向する壁は、直線壁1852s2,1852s4である。典型的には、第1の部分1852A1の高さは、駆動出力ディスク545の遠位端面と中間ディスク653の近位端面との間にある程度の空間があるよう、駆動ドッグ1652Aの部分n1652A1の高さよりの小さい。
【0256】
第2の部分1852A2(図18C)は、楔形状の外側面の一部である2つの対向する側壁1852w2,1852w4によって境界付けられる、即ち、側部1852w2,1852w2は、傾斜付き平坦表面である。側壁1852w2,1852w4は、ある角度αに対する。側面1852w1,1852w2は、2つの平行な平面、例えば、線1852e1を含む平面と底面1857を含む平面が交差する、楔形状の表面部分である。これらの平面の両方は、図18Cから外に延びる。
【0257】
1つの特徴において、楔の部分は、駆動ドッグ1652Aの遠位端がレセプタクル1852内に完全に挿入されるときに、駆動ドッグ1652Aの遠位端が底面1757と接触せず、シリンダ1658の円筒形の側壁部分が傾斜付き側壁1852w2,1852w4と接触するよう、選択される。1つの特徴において、0.125の直径のシリンダ1658について、側壁1852w2,1852w4が30度の楔形状の側の部分であるよう、角度αは30度である。
【0258】
減菌アダプタアセンブリ250が器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられるとき、中間ディスク653上の中間被駆動インターフェース655の向きに対する駆動出力ディスク545上の駆動インターフェース557の向きは、知られていない。しかしながら、2つのインターフェースの相対的な向きに拘わらず、駆動出力ディスク545への予荷重力は、中間ディスク653を遠位に押すので、中間ディスク653は、可動本体651Cのレセプタクル1766(図17B)内の最遠位部分に位置付けられる、例えば、中間ディスク653は、第1の軸方向位置にある。以下により完全に説明するように、外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250内に取り付けられるとき、中間ディスク653は、第2の軸方向位置に遠位に変位させられる。
【0259】
上述のように、減菌アダプタアセンブリ250を器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けることによって、プランジャ546が押し下げられた後、駆動出力ディスクが回転させられる。駆動出力ディスク545及び中間ディスク653は接触し且つ部分的に連結させられるので、駆動出力ディスク545の回転は中間ディスク653を回転させる。よって、インターフェース557及び655がハードストップ1761と整列し且つ噛み合うか、或いは中間ディスク653上のタブ1767がハードストップ1761と接触する。タブ1767がハードストップ1761と接触するとき、中間ディスク653の回転は停止させられる。インターフェース557及び655が噛み合わず、中間ディスク653の回転が停止させられないとき、駆動出力ディスク545は、2つのインターフェースが噛み合うまで回転し続ける。故に、その結果、ディスク545及び653は連結させられ、駆動出力ディスク545の回転はハードストップ1761で停止させられる。制御システムは、駆動出力ディスク545の回転の停止を用いて、駆動出力ディスク545の向きを決定する。2つのディスクがハードストップ1761に達する前に噛み合うならば、ハードストップ1761に達するときに、2つの噛み合ったディスクの回転は停止させられる。
【0260】
図18Dは、駆動出力ディスク545上の駆動インターフェース557が中間ディスク653上の中間被駆動インターフェース655と部分的に連結させられた後に、軽い予荷重力の下で駆動ドッグレセプタクル1852A内に挿入される、駆動ドッグ1652Aを例示する断面図である。上述のように、駆動ドッグ1652Aは、直線側部を備える第1の部分1652A1を有する。第1の部分1652A1の直線側部は、上述のように、第2の部分1652A2、即ち、円筒形の先端内に溶け込む。駆動ドッグレセプタクル1852Aは、直線内側壁を備える第1の部分1852A1も有する。第1の部分1852Aは、同様に上述のようにテーパ付き内壁を備える第2の部分1852A2に溶け込む。
【0261】
駆動ドッグ1652Aの遠位部分の2つの側部にある曲面及び駆動ドッグレセプタクル1852A2の遠位部分の対応する2つの側部にある傾斜付き側壁(傾斜付き側壁は、湾曲側面に対して接線方向にある)は、例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。高い予荷重力、即ち、第2の予荷重力の下で、外科処置において用いられるトルクレベルについて、駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間に回転方向におけるゼロバックラッシュがある限り、並びに2つのディスクの間のインターフェースが角度不整列(角度ずれ)を補償する限り、駆動ドッグ1652Aの遠位部分にある並びに駆動ドッグレセプタクル1862Aの対応する遠位壁部分にある他の表面を用い得る。
【0262】
レセプタクル1852Aのテーパ付き壁及び駆動ドッグ1652Aの遠位先端1652A2にある円筒形の表面の故に、2つのディスクが部分的に連結させられる間に、トルク/動きが駆動出力ディスク545によって適用されるとき、2つのディスクが正しく機能するよう、駆動出力ディスク545及び中間ディスク653を保持するのに適切な力が必要とされる。この力がないならば、駆動出力ディスク545及び中間ディスク653は分離し得る。何故ならば、適用させるトルクがそれらを分離させ得るからである。
【0263】
軽い予荷重力の下でのこの分離を防止するために、駆動ドッグ1652A及び駆動ドッグレセプタクル1852Aの両方は、上述のように、直線壁を備える第1の部分を有する。駆動ドッグ1652A及び駆動ドッグレセプタクル1852Aがトルクの下で分離し始めると、直線壁部分は図18Cに示すように互いに接触し合うようになる。この時点で、駆動ドッグ1652A及び駆動ドッグレセプタクル1852Aは、もはやそれら自体を分離させ得ず、その動きは、既知の又は制御されたレベルのバックラッシュを伴って、並びに駆動ドッグレセプタクル1852Aに完全に挿入され且つ連結させられた駆動ドッグ1652Aを伴わずに、継続し得る。1つの特徴において、軽い予荷重力の下で、既知のレベルのバックラッシュは、1.13度である。よって、駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の部分的な連結は、軽い予荷重力の下で既知のレベルのバックラッシュを有する。
【0264】
また、図18Dに示すように、シャフト駆動ディスク545と中間ディスク653によって駆動させられるシャフトとの間の少量の不整列(ずれ)を許容し得る。加えて、図18Dにおいてページに出入りする融合シリンダ1658の軸によって定められる方向において角度不整列(角度ずれ)を許容し得る。
【0265】
駆動ドッグ1652A及び駆動ドッグレセプタクル1852Aが、以下により完全に説明するように、高い予荷重力、例えば、第2の予荷重力の下で、一緒に噛み合わされるとき、2つのディスクの間の界面(インターフェース)にはバックラッシュがない。第2の予荷重力は、トルク/動きが適用されるときに、駆動ドッグ1652A及び駆動ドッグレセプタクル1852Aが物理的に後退して離れて分離するのを防止するのに十分である。第2の予荷重力の下で、駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の連結は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。第2の予荷重の下で、駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の連結は、外科処置において用いられるトルクレベルについて、ゼロバックラッシュを有する。
【0266】
図18Bは、中間ディスク653の遠位端にある中間駆動インターフェース756のより詳細な例示である。中間駆動インターフェース756は、駆動ドッグ1862A,1862Bと、係合構造1863とを含む。
【0267】
駆動ドッグ1862A及び1862Bの各々は、駆動ドッグ1652A及び1652Bの各々と等しい構造である。具体的には、駆動ドッグ1862A,1862Bの各々は、遠位端面1866から遠位に延びる。各々の駆動ドッグ1862A,1862Bの内縁は、遠位端面1866の長手軸から同じ径方向距離にある。また、各駆動ドッグ1862A,1862Bは、遠位端面1866の周縁部に隣接する。径方向に等距離の駆動ドッグ1862A,1862Bの並びに周縁部に隣接する駆動ドッグ1862A,1862Bの位置付けの組み合わせは、駆動ドッグ1862A,1862Bが被駆動ディスク964にトルク/動きを十分に伝達するのを可能にする。
【0268】
図18Bに例示するように、駆動ドッグ1862A,1862Bは、中間ディスク653の長手軸(図示せず)及びx軸1871を含む平面に対して鏡面対称性を有する。中間ディスク653の長手軸は、軸1870及び軸1871の交点で軸1870及び軸1871の両方に対して垂直である。
【0269】
駆動ドッグ1862A,1862Bの各々は、長手軸(図示せず)及びy軸1870を含む平面に対して鏡面対称性を有する。この平面は駆動ドッグを二分する。
【0270】
駆動ドッグ1862Aは、駆動ドッグ1862Bと同じであり、よって、駆動ドッグ1862Aの特徴のみを更に詳細に考察する。駆動ドッグ1862Aの記述は、駆動ドッグ1862Bに直接的に適用可能であり、よって、その記述を駆動ドッグ1862Bについて繰り返さない。
【0271】
駆動ドッグ1862Aの円筒形の側壁部分及び駆動ドッグ1862Bの直線の壁部分は、駆動ドッグ1652Aの対応する部分と同じであり、よって、ここでは、これらの部分の記述を繰り返さない。図18Bに示すように、リップ1862Lが、駆動ドッグ1862Aの第2の部分の遠位端から径方向に外向きに延びる。2つの側壁1862s2,1862s4は、側壁1862s1に対して垂直であり、リップ1862A1は、側壁1862s1から径方向に外向きに延びる。リップ1862Lは、中間ディスク653を可動本体651C内に維持する維持構成である。
【0272】
この特徴において、係合構造1863は、開放三次元構造である。開放三次元構造は、この特徴において、中間ディスク653の長手軸と軸1871とを含む平面に対して鏡面対称性を有する。ここにおいて、開放三次元構造(open three-dimensional structure)とは、閉塞した周を有さない三次元構造を意味し、即ち、外側面が内側面と交わる開口があることを意味する。図18Dの実施例において、開放三次元構造は、2つの部分-概ね三次元の文字C形状の構造1863Cと、2つの壁1863A,1863Bとを含む。再び、ここで、概ね三次元の文字C形状の構造は、その構造を見る人によって三次元の文字C形状の構造として知覚される三次元構造である。
【0273】
三次元の文字C形状の構造1863Cは、高さと、第1の端1863C1と、第2の端1863C2とを有する。構造1863Cの高さは、中間ディスク653の遠位面と呼び得る中間ディスク653の遠位端面1863から構造1863Cの最遠位端面又は最遠位縁まで遠位に延びる。第1の端1863C1及び第2の端1863C2は、C形状構造1863Cの開口を境界付ける。この特徴において、軸1871は、第1の端1863C1及び第2の端1863C2から等距離にあり、C形状構造1863Cの中心線である。
【0274】
C形状構造1863Cは、円形トラックである開放三次元構造の一例である。円形トラックは、第1の高さと、第1の端と、第2の端とを有する、第1の円周区画、例えば、C形状構造の本体を含む。円形トラックは、第1の円周区画の第1及び第2の端の間に延びる第2の円周区画、例えば、C形状構造の端の間の間隙も含む。第2の円周区画は、第2の高さを有する。第2の高さは、第1の高さ未満である。円形トラックの中心線が円形トラックの中心を通じて延び、第1の端及び第2の端から等距離にある。
【0275】
壁1863Aは、第1の端1863C1に当接し、遠位端面1866の円周縁部に向かって延びる。壁1763Bは、第2の端1863C2に当接し、遠位端面1866の周縁部に向かって延びる。壁1863A及び壁1863Bは、同じ高さを有する。壁1863Aの高さ及び壁1863Bの高さは、中間ディスク653の遠位端面1863から壁1863Aの並びに壁1863Bの高さの最遠位端面又は最遠位縁まで遠位に延びる。壁1863A及び1863Bの高さは、C形状構造1863Cの高さよりも小さい。
【0276】
図18A及び18Bに例示するように、駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bを二分する軸、即ち、x軸1871は、駆動ドッグ1862A,1862Bを二分する軸に対して垂直である。全てのディスクがディスク積重ね1400におけるように噛み合わされるとき、中間ディスク653及び被駆動ディスク964のための許容される回転の軸は、中間ディスク653及び駆動出力ディスク545のための許容される回転の軸に対して90度である。別の言い方をするならば、中間ディスク653の駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bの各々は、駆動ドッグレセプタクル1852A,1852Bの各々が第1の平面によって二分されるよう位置付けられる。中間ディスク653の駆動ドッグ1862A,1862Bの各々は、駆動ドッグ1862A,1862Bの各々が第2の平面によって二分されるよう位置付けられる。第1の平面は、第2の平面に対して垂直である。
【0277】
中間ディスク653と駆動出力ディスク545との間の界面(インターフェース)の連結は、第1の関節を形成するのに対し、中間ディスク653と被駆動ディスク964との間の界面(インターフェース)は、第2の関節を形成する。一緒に、これらの2つの作動関節は、システムが回転して動き/トルクを伝達するときに、角度不整列(角度ずれ)に順応する。2つの関節は、一組のU関節(自在関節)のように作用する。
【0278】
図19Aは、被駆動ディスク964の近位端にある被駆動インターフェース980の例示である。被駆動インターフェース980は、係合レセプタクル1963Cと、駆動ドッグレセプタクル1952A,1952Bと、回転不能化要素1980とを含む。以下により完全に説明するように、回転不能化要素1980は、回転係止機構1981を含む。
【0279】
駆動ドッグレセプタクル1952A,1952Bは、被駆動ディスク964の長手軸(図示せず)及びx軸1971とを含む平面に対して鏡面対称性を有する。被駆動ディスク964の長手軸は、軸1970及び軸1971の交点に対して垂直である。駆動ドッグレセプタクル1952A,1952Bの各々は、被駆動ディスク964の長手軸及びy軸1970とを含む平面に対して鏡面対称性を有する。この平面は駆動ドッグレセプタクルを二分する。各駆動ドッグレセプタクルは、被駆動ディスク964の長手軸から同じ距離Rrcpt2にある内縁面を有する。駆動ドッグレセプタクル1952Aは、駆動ドッグレセプタクル1952Bと同じであるので、駆動ドッグレセプタクル1952Bの特徴のみを更に考察する。駆動ドッグレセプタクル1952Bの記述は、駆動ドッグレセプタクル1952Aに直接的に適用可能であり、よって、その記述を駆動ドッグレセプタクル1952Aについて繰り返さない。
【0280】
駆動ドッグレセプタクル1952Bを4つの側部で境界付け得る。第2及び第4の側部は、第1の側部に対して垂直な壁である。第3の側部は、第2及び第4の側部に対して垂直な壁である。しかしながら、この特徴において、4つの側部のうちの第1のものが欠けており、よって、それを開放第1の側部と呼ぶ。開放側壁の使用は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。幾つかの特徴において、第1の側壁は、中実な側壁であり得る。
【0281】
よって、この特徴において、駆動ドッグレセプタクル1952Bは、各々が被駆動ディスク964の外側近位縁面1956から駆動ドッグレセプタクル1952Bの底面1957まで延びる3つの壁によって境界付けられる。開放側部の反対側にある第3の壁は、外側近位縁面1956から底面1957まで延びる直線壁1952s3である。2つの対向する壁、即ち、第2の壁及び第4の壁は、2つの部分、即ち、直線壁部分1852s2,1952s4と、傾斜付き壁部分1952w2,1952w4とを有する。
【0282】
よって、駆動ドッグレセプタクル1952Bは、第1の部分1952B1と第2の部分1952B2とに分割される。第1の部分1952B1は、外側近位縁面1956から第2の部分1952B2まで被駆動ディスク964内に延びる。第2の部分1952B2は、第1の部分1952B1から駆動ドッグレセプタクル1952Bの底面1957まで被駆動ディスク964内に更に延びる。駆動ドッグレセプタクル1952Bの他の特徴は、駆動ドッグレセプタクル1852Aについて上述した特徴と同じであり、よって、その記載は駆動ドッグレセプタクル1853Bに適用可能であり、よって、ここでは繰り返さない。
【0283】
係合レセプタクル1963は、この特徴において、被駆動ディスク964の近位端に形成される開放三次元溝を含む。開放三次元溝は、外側近位縁面1956から被駆動ディスク964内に遠位に延びる。ここにおいて、開放三次元溝(open three-dimensional groove)とは、閉塞した内周及び外周を有さない三次元溝を意味する。図19Aの実施例において、開放三次元溝は、幅及び深さを有する、概ね三次元の文字C形状の溝1963Cである。
【0284】
三次元の文字C形状の溝1963Cは、第1の端1963C1と、第2の端1963C2とを有する。第1の端1963C1及び第2の端1963C2は、それぞれ、第1の間隙1963A及び第2の間隙1963Bによって回転不能化要素1980から分離される。
【0285】
この特徴において、回転不能化要素1980は、一端に回転係止機構1981を備える屈曲部1980Fを含む。この特徴において、屈曲部1980Fは、被駆動ディスク964の近位端の中央領域から被駆動ディスク964の側壁に向かって径方向に外向きに延びる。中央領域はC形状溝1963によって境界付けられる。回転係止機構1981は、屈曲部1980Fの端から遠位方向に延びる。回転係止機構1981は、ディスク964の側壁の部分を形成する。この特徴において、回転係止機構1981の最遠位端は、タング(tang)である。
【0286】
図19Bは、被駆動インターフェースアセンブリ961の本体1985の一部の例示である。本体1985は、被駆動ディスクレセプタクル1986を含む。複数のギア歯1987が、被駆動ディスクレセプタクル1986の底面から近位方向に延びる。本体1985は、複数の被駆動ディスク964Pのうちの各被駆動ディスク964について、被駆動ディスクレセプタクル1986を含む。
【0287】
伝動ユニット965のシャフト1466は、被駆動ディスクレセプタクル1986内に延びる近位端を有する。被駆動ディスク964が被駆動ディスクレセプタクル1986内に位置付けられ且つ被駆動ディスクレセプタクル1986内で回転し得るよう、被駆動ディスク964はシャフト1466の近位端に取り付けられる。
【0288】
外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250内に先ず取り付けられるとき、被駆動インターフェースアセンブリ961内の被駆動ディスク964は、減菌アダプタアセンブリ250内の中間ディスク653を、可動本体651Cに対して近位に押すので、中間ディスク963は、自由に回転し得る、例えば、中間ディスク653上のタブ1767は、中間ディスク653が回転するときに、タブ1767がもはやハードストップ1761と接触しないよう、近位に動かされる。典型的には、外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250内に先ず取り付けられるとき、減菌アダプタアセンブリ250内の中間ディスク653の駆動インターフェース756は、被駆動ディスク964のインターフェース980と位置合わせされない。よって、中間ディスク653及び被駆動ディスク964は噛み合わない。図20Aは、中間ディスク653及び被駆動ディスク964が部分的に接触するときの、即ち、部分的に連結されるときの、切欠図を例示している。
【0289】
中間ディスク653及び被駆動ディスク964が接触させられ、そして、部分的に連結させられるとき、C形状構造1863Cは、C形状溝1963C内に部分的に挿入される。しかしながら、壁1863Aは、間隙1963Aと位置合わせされず、壁1863Bは、間隙1963Bと位置合わせされない。よって、C形状構造1863は、壁1863A,1863Bが被駆動ディスク964の近位外縁面1956と接触するまで、C形状溝1963C内に入るに過ぎない。
【0290】
C形状の構造1863の一部が、屈曲部1980Fの上に位置し、屈曲部1980Fを遠位方向に曲がらせる(deflect)。屈曲部1980Fの曲がり(deflection)は、回転係止機構1981を遠位に動かすので、タング1981Tは、被駆動ディスクレセプタクル1986の底面にある歯1987と係合する。歯1987とのタング1981Tの係合は、被駆動ディスク964が回転するのを防止する。
【0291】
よって、被駆動ディスク964は静止状態に保持され、中間ディスク653は回転させられると、壁1863A及び1863Bは、それぞれ、間隙1963A及び間隙1963Bと位置合わせされるようになり、予荷重力は、C形状構造1863CをC形状溝1963C内に完全に挿入させ、壁1863A及び1963Bを間隙1963A及び間隙1963B内にそれぞれ挿入させる。また、駆動ドッグの各々は、対応する駆動ドッグレセプタクル内に挿入される。C形状構造1863Cは、屈曲部1980Tをもはや押さないので、屈曲部1980Tは非たわみ状態(図20B)に戻る。これはタング1981Tを歯1987から分離させ、よって、被駆動ディスク964は回転し得る。故に、被駆動ディスク964は中間ディスク653と連結されるので、トルクがシャフト1466に伝達される。
【0292】
屈曲部1980Fは例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。例えば、中間ディスク653及び被駆動ディスク964が連結されるまで、C形状構造1863がピンを押し下げるよう、ばね荷重ピンを被駆動ディスク964内に含め得る。押し下げられるピンは、一端にタングを含む被駆動ディスク964の遠位端にある屈曲部を押し得る。タングは、屈曲部への力が取り除かれるまで、歯1987と係合する。代替的に、ばね荷重ピンは歯1987と係合して、回転を防止し得る。
【0293】
外科器具260が減菌アダプタアセンブリ250に取り付けられ、中間ディスクが被駆動ディスクと連結された後に、駆動ユニットアセンブリ541から外科器具260内の伝動ユニットに動き/トルクを伝達し得る。しかしながら、上述のように、ばね1601の圧縮によって供給される第1の予荷重力の下で、ディスク積重ね1400内に幾らかのバックラッシュがある。
【0294】
第1の予荷重力の下で、中間ディスク653と被駆動ディスク964との間の連結及び駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の連結は、2つのディスクを位置合わせされるのに必要なトルクレベルについて、既知の非ゼロバックラッシュを有する。しかしながら、より低いトルクレベルについて、駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の部分的な連結は、ゼロバックラッシュを有する。外科処置において用いられるトルクレベルについて、中間ディスク653と被駆動ディスク964との間の連結及び駆動出力ディスク545と中間ディスク653との間の連結のバックラッシュをゼロまで減少させるために、予荷重力は、予荷重アセンブリ780を用いて、第1の予荷重力から第2の予荷重力に変更される。
【0295】
図21は、挿入アセンブリ331の1つの特徴のより詳細な例示である。挿入アセンブリ331は、フレーム210と、中間キャリッジ2120と、遠位キャリッジ2130とを含む。中間キャリッジ2120は、フレーム2110内のボールねじ2111の上に乗る。1つの特徴において、ボールねじ2111は6mmのピッチを有し、よって、バック駆動可能である(back-drivable)。中間キャリッジ2120は、遠位キャリッジ2130を駆動させる金属ベルト2121を含む。遠位キャリッジ2130は、器具マニピュレータアセンブリ240の器具マニピュレータアセンブリハウジング741に取り付けられる。1つの特徴において、遠位キャリッジ2130は、中間キャリッジ2120の二倍まで動く。
【0296】
図22A及び22Bは、予荷重アセンブリ780をより詳細に例示している。図22A及び22Bにおいて、外科器具260は、減菌アダプタアセンブリ250内に取り付けられている。しかしながら、例示の容易さのために、外科器具260を図22A及び22Bに示していない。外科器具の遠位端は、例えば、進入ガイド270内の通路への入口に位置付けられる。
【0297】
初めに、図22Aに示すように、予荷重アセンブリ780内のカムフォロワアセンブリ2283(カム従動節アセンブリ)が、中間キャリッジ2120上の予荷重トラック2225にある谷に位置付けられる、例えば、予荷重トラック2225上の第1の場所に位置付けられる。予荷重トラック2225は中間キャリッジ2120に取り付けられる。谷は予荷重トラック2225の近位端に配置される。カムフォロワアセンブリ2283は、予荷重アセンブリ780内のアーム2282の一端に回転可能に取り付けられる。アーム2282の第2の端が、モータパックブラケット2281に接続される。モータパックブラケット2281は、モータパック1541に付けられる。よって、アーム2282は、モータパック1541に連結される。図22A及び22Bでは、器具マニピュレータアセンブリハウジング741内の構成及び要素が見えるよう、器具マニピュレータアセンブリハウジング741は透明である。上記のように、器具マニピュレータアセンブリハウジング741は、遠位キャリッジ2130に付けられる。
【0298】
第1の場所で、各駆動出力アセンブリ543内の軽い予荷重ばね1601が圧縮され、第1の予荷重力がディスク積重ね1400内の各ディスクに適用される。外科装置アセンブリ300が挿入アセンブリ331によって第1の場所(図22A)から第2の場所(図22B)に距離Zloadだけ遠位に移動させられると、器具マニピュレータアセンブリハウジング741は、距離Zloadだけ移動させられる。
【0299】
カムフォロワアセンブリ2283が回転可能に取り付けられる旋回ピン2284が、器具マニピュレータアセンブリ240の器具マニピュレータアセンブリハウジング741に連結される。よって、挿入アセンブリ331が器具マニピュレータアセンブリハウジング741を距離Zloadだけ遠位に移動させると、旋回ピン2284は、カムフォロワアセンブリ2283を同じ距離Zloadだけ移動させる。1つの特徴において、距離Zloadは、3.85インチ(9.779センチメートル)である。
【0300】
ホイール2283Wがカムフォロワアセンブリ2283の第1の端に回転可能に取り付けられ、ホイール2283Wは予荷重トラック2225の上に乗る。よって、カムフォロワアセンブリ2283が遠位に移動すると、ホイール2283Wは予荷重トラック2225の輪郭に従う。しかしながら、予荷重トラック2225と旋回地点2284との間の距離は、カムフォロワアセンブリ2283が遠位に移動するに応じて減少する。結果的に、カムフォロワアセンブリ2283が予荷重トラック2225内のランプ2225Rに乗り上がると、カムフォロワアセンブリ2283は、図22Aに示す第1の位置から図22Bに示す第2の位置に回転し、モータパック1541を器具マニピュレータアセンブリハウジング741が走行した距離よりも大きい距離だけ移動させる。よって、カムフォロワアセンブリ2283の回転は、モータパック1541を器具マニピュレータアセンブリハウジング741に対して遠位に所定の距離だけ変位させる。
【0301】
カムフォロワアセンブリ2283に作用する力を理解するために、図22C中の自由体力図を考察する。図22Cは、カムフォロワアセンブリ2283の一部と、予荷重トラック2225の一部とを例示している。カムフォロワアセンブリ2283がホイール2283Wを予荷重トラック2225のランプ222Rの上方に動かすと、予荷重トラック2225は、予荷重トラック2225にホイール力F_wheelを加える。ホイール力F_wheelは、予荷重トラック2225に対して垂直である。ホイール力F_wheelは、2つの垂直方向の力-引込力F_retract及び長手方向力F_longから成る。引込力F_retractは、外科装置アセンブリ300を遠位に移動させるために、使用者が遠位方向に適用する、力である。代替的に、使用者が全力を加える必要がないよう、モータによってこの力の一部又は全部を適用し得る。
【0302】
カムフォロワアセンブリ2283が第1の場所から第2の場所に移動すると、長手方向力F_longに比例する力がカムフォロワアセンブリ2283によってアーム2282に伝達される。長手方向力F_longに比例する力は、アーム2282及びモータパックブラケット2281を通じてモータパック1541に適用される。
【0303】
よって、カムフォロワアセンブリ2283がトラック2225に沿って走行すると、2つの行為がカムフォロワアセンブリ2283によって行われる。カムフォロワアセンブリ2283がランプ2225Rの上方に移動し且つ回転すると、カムフォロワアセンブリ2283の回転は、モータパックを距離Zloadよりも大きい距離だけ遠位に押し、例えば、モータパック1541は、距離(Zload+Δ)だけ動く。加えて、カムフォロワアセンブリ2283がランプ2283Wの上方に移動すると、カムフォロワアセンブリ2283は、長手方向力F_longに比例する力をモータパック1541に伝達し、次に、それは第1及び第2のばね1601,1602を圧縮するので、第2の予荷重力が駆動出力ディスク545に加えられる。第2の予荷重力は、圧縮ばね1601,1602によってもたらされる力の組み合わせである。圧縮ばね1602によってもたらされる力は、圧縮ばね1601によってもたらされる力よりも大きい。駆動出力ディスク545に加えられる第2の予荷重力は、ディスク積重ね1400中の他のディスクの各々に適用される。上述のように、1つの特徴において、第2の予荷重力は、30.0Lbf(13.3447ニュートンメートル)である。もちろん、これは外科器具が装着されるときにだけ当て嵌まる。何故ならば、さもなければ、ばねは圧縮されないからである。
【0304】
図22D及び22Eは、モータパック1541が、距離Zloadだけ移動した器具マニピュレータアセンブリハウジング741の頂部に対して追加的な距離Δだけ移動したことを示している。1つの特徴において、距離Δは、0.212インチ(0.53848センチメートル)である。この特徴において、図22D及び22Eは、カムフォロワアセンブリ2283が回転するときにアーム2282の近位端が動く距離が、距離Δである、ことを示している。これは例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。
【0305】
他の実施において、カムフォロワアセンブリ2283は、ホイール2283Wが高さΔを有するランプ2225Rを走行するときに、アーム2282が、そして、結果的に、モータパック1541が、距離Δよりも大きい距離を移動させられるよう、異なる長さのモーメントアーム2283M1及び2283M2(図23を参照)を有し得るし、或いは、代替的に、ホイール2283Wが高さΔを有するときに、アーム2282が、そして、結果的に、モータパック1541が、距離Δよりも小さい距離を移動させられるよう、異なる長さのモーメントアーム2283M1及び2283M2(図23を参照)を有し得る。最後に、図22Dは、ランプ2225Rが高さΔを有すること、例えば、ホイール2283が第1の位置から第2の位置に移動するときに、ホイール2283Wが予荷重トラック2225に対して垂直な方向において距離Δだけ変位させられることを例示している。
【0306】
図22Fは、予荷重トラック2225の1つの特徴を例示している。予荷重トラック2225についての寸法の1つの実施例が表2に与えられている。
【0307】
【表2】
【0308】
予荷重トラック2225は、第1の予荷重力から第2の予荷重力に予荷重力を滑らかに傾斜するように構成される。図22Gは、予荷重アセンブリ780が予荷重トラック2225上で第1の場所から第2の場所に遠位に動くときの引込力のグラフである。曲線2280は各挿入距離で引込力を与える。引込力は近位方向において器具マニピュレータアセンブリハウジング741に作用する。
【0309】
この実施例において、第1の位置は0.0インチ(0.0センチメートル)の挿入距離であり、第2の位置は3.85インチ(9.779センチメートル)の挿入距離である。引込力は略線形に0.0~約0.6インチ(0.0~1.524センチメートル)まで増大し、次に、減少した傾斜で約0.6~2.2インチ(約1.524~5.588センチメートル)まで線形に増大し続ける。力は約2.2~2.6インチ(約5.588~6.604センチメートル)に増大してピークになり、次に、先細り、約3.85インチ(約9.779センチメートル)でゼロの力になる。3.85インチ(約9.779センチメートル)の挿入距離で、2.3Lbf(10.2309ニュートンメートル)の第2の予荷重力に達する。3.85インチ(9.779センチメートル)の挿入距離で、第2の予荷重ばねは、この設計におけるその最大値まで圧縮され、よって、遠位運動に対する追加的な抵抗をもたらさない。この実施例において、器具先端は、4.8インチ(12.192センチメートル)以上の挿入深さでカニューレから突出する。よって、積重ね1400は完全に予荷重され、バックラッシュは器具先端がカニューレから出る前に効果的にゼロに減少させられる。
【0310】
トラックは曲線2280を用いて機械加工され、それは挿入プロファイルに対するこの引込力をもたらす。機械加工は、予荷重力を曲線2280に従って滑らかに傾斜させる予荷重トラックプロファイルを創り出す。曲線2280は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。当該技術分野に精通している者は、この開示に鑑みて、特定の予荷重ばねアセンブリ並びに特定のカニューレ及び外科器具のための挿入距離に対する引込力を創り出し得る。
【0311】
図23は、予荷重アセンブリ780のより詳細な例示である。アーム2282は、カムフォロワアセンブリ2283のL形状本体2283Bの第1の端2283Aに回転可能に接続された第1の端2882Aを有する。アーム2282の第2の端2282Bが、モータパックブラケット2281に接続される。モータパックブラケット2281は、モータパック1541に付けられる。
【0312】
この特徴において、第1のモーメントアーム2283M1は、旋回ピン2284で第2のモーメントアーム2283M2に対して垂直であり、同じ長さを有する。よって、この特徴では、長手方向力F_longがモータパック1541に適用される。しかしながら、他の特徴では、2つのモーメントアームは、垂直でないことがある。モーメントアームが垂直でないならば、或いはモーメントアームが異なる長さを有するならば、モータパック1541に適用される力は、長手方向力F_longに比例する。各特徴において、本体2283の形状は、2つのモーメントアームに収容するように並びに回転させ且つ長手方向力をモータパックに伝達するのに必要な強度をもたらすように、選択される。
【0313】
L形状本体2283Bの第2の端2283Bは、ホイール2283Wに回転可能に接続される。ホイール2283Wは、予荷重トラック2225の上に乗る。L形状本体2283Bの頂点は、旋回ピン2284に回転可能に接続される。旋回ピン2284は、器具マニピュレータアセンブリ240の器具マニピュレータアセンブリハウジング741に固定的に取り付けられる。予荷重アセンブリ740の第1のモーメントアーム2283M1は、ホイール2283Wの回転の中心からL形状本体2283Bの頂点の回転の中心まで延びる。予荷重アセンブリ740の第2のモーメントアーム2283M2は、アーム2282の第1の端2282Aの回転の中心からL形状本体2283Bの頂点の回転の中心まで延びる。旋回ピン2284とトラック2225との間の距離は固定されるので、ホイール2283Aがランプの上方に遠位に移動すると、カムフォロワアセンブリ2283は図22Bに示すように回転し、よって、モータパック1541は器具マニピュレータアセンブリハウジング741に対して変位させられ、結果的に、長手方向力F_longがモータパック1541内のばねアセンブリに適用される。
【0314】
図23において、予荷重アセンブリ780は、予荷重解放機構も含む。予荷重解放機構は、予荷重解放ボタン2382と、予荷重解放レバー2385と、予荷重係合アーム2386と、戻りばね(図示しないが、図4A乃至4Hを参照)とを含む。予荷重解放ボタン2382は、予荷重解放ボタン482の一例である。また、図23に示されていないのは、ピン2388と同心である、ねじりばねであり、それは時計回りのトルクを予荷重解放レバー2385に加える(図23に対して時計回り)。これは、開放ボタン2382を押さない限り、予荷重解放レバー2385及び予荷重解放ボタン2382を非解放位置(図示)に維持するために必要である。
【0315】
予荷重係合アーム2386の第1の端、即ち、近位端が、旋回ピン2284に回転可能に連結される。回転ピン2386Pが、予荷重係合アーム2386の第2の端、即ち、遠位端に取り付けられる。係合アーム2386の第2の端にある回転ピン2386Pに対して近位にあるのは、予荷重係合面2386Sである。この特徴において、予荷重係合面2386Sは、予荷重トラック2225の平坦部分に対して垂直である。予荷重係合アーム2386は、線形レールに連結される。
【0316】
予荷重解放レバー2385の第1の端、即ち、近位端にあるフックが、係合アーム2385の第2の端にある回転ピン2386Pと係合させられる。予荷重解放ボタン2382は、予荷重解放レバー2385の第2の端、即ち、遠位端に連結される、例えば、それと接触する。予荷重解放レバー2385の第1の端と第2の端との間には、予荷重解放レバーは、予荷重解放レバー2385のための支点として機能する他の旋回ピン2388に回転可能に取り付けられる。
【0317】
この実施例において、予荷重解放レバー2385はクラス1レバーである。何故ならば、支点は作用力(予荷重解放ボタン2382によって供給される力)と荷重(フックと回転ピン2386Pとの間の連結)との間の支点だからである。この実施例において、予荷重解放レバー2385はクラス1レバーとして実施されるが、これは例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。他の特徴では、クラス2レバー又はクラス3レバーを用い得る。クラス2レバーについて、荷重は支点と作用力との間にあり、クラス3レバーについて、作用力は支点と荷重との間にある。
【0318】
挿入アセンブリ331が動けなくなる(jam)ならば、外科器具260を取り外し得るよう、高い予荷重力が解放されなければならない。外科器具260を取り外すために、使用者は予荷重解放ボタン2382を押す(図24A)。使用者によって提供される力に応答して、予荷重解放ボタン2382は予荷重解放レバー2385の第2の端に力を適用する。予荷重解放レバー2385の第2の端への力は、予荷重解放レバー2385を旋回ピン2388について旋回させ、予荷重解放レバー2385の第2の端にあるフックを、予荷重係合アーム2386の第2の端に取り付けられる回転ピン2386Pから分離させる。
【0319】
戻りばねが器具マニピュレータアセンブリハウジング741とモータパック1541との間に取り付けられ、高い予荷重力が適用されるときに伸張させられることを思い出されたい。結果的に、予荷重解放レバー2385が予荷重係合アーム2386から分離されるとき、戻りばねはモータパック1541を完全に引っ込められた位置まで後退させる。
【0320】
完全に引っ込められた位置で、予荷重力はなく、駆動出力ディスク545は中間ディスク653から分離される。加えて、器具減菌アダプタアセンブリ250及び外科器具260の両方を取り外し得るよう、解放ラッチ抑止ストップ及び複数のハードストップ2437が引っ込められる。外科器具260の遠位端が直線でないならば、人が外科器具を引っ込めるとき、カニューレは外科器具260の遠位端を真っ直ぐにさせる。何故ならば、予荷重力のない並びに係合させられた駆動出力ディスク545のないディスク積重ねは、バック駆動可能だからである。
【0321】
図24Bは、予荷重アセンブリ780内の自動予荷重リセット機構の1つの実施の例示である。減菌アダプタアセンブリ250が器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられるとき、器具マニピュレータアセンブリ240は、減菌アダプタアセンブリ250の存在を示す信号をコントローラ290に送信する。その信号に応答して、コントローラ290はモータを作動させ、モータは器具マニピュレータアセンブリ240を近位に動かす。
【0322】
器具マニピュレータアセンブリハウジング741は、予荷重トラック2225上の予荷重係合隆起部2326の二倍の速さで近位に動く。これは遠位キャリッジ2130が中間キャリッジ2120の二倍まで動くからである。この特徴において、予荷重係合隆起部2326は、予荷重トラック2225の遠位部分から延びる。
【0323】
よって、器具マニピュレータアセンブリハウジング741が近位に動くと、予荷重係合隆起部2326は予荷重係合アーム2386及び器具マニピュレータアセンブリハウジング741の半分の速度で近位に動く。よって、器具マニピュレータアセンブリハウジング741が近位に動くと、予荷重係合アーム2386の表面2386Sは、予荷重トラック2225上の予荷重係合隆起部2326と係合する。器具マニピュレータアセンブリハウジング741が近位に動き続けると、予荷重係合隆起部2326は、予荷重係合アーム2386の表面2386Sに遠位方向における長手方向力を加える。上述のように、これはカムフォロワアセンブリ2283にモータパック1541への長手方向力を適用させる。モータパック1541が長手方向力によって場所Preload_1を越えて近位方向に移動させられると、予荷重解放レバー2385にあるフック(図24Bでは見えない)は回転ピン2386Pと係合する。回転ピン2386P上の予荷重解放レバー2385にあるフックの係合後に、器具マニピュレータアセンブリハウジング741は、モータパック1541が場所Preload_1にあるよう、遠位に動かされる。この特徴において、予荷重力の適用は、減菌アダプタアセンブリ250の取付け後に自動的であり、よって、減菌アダプタアセンブリ250の取付け後、予荷重力は駆動出力ディスク545上で維持される。
【0324】
図23、24A、及び24Bでは、解放機構を理解するのに必要な要素だけが例示されていることに留意されたい。図23、24A、及び24Bに関連付けられる実際の構成は、図22Aに関して示し且つ記載した要素の全てを含む。
【0325】
図25は、外科器具取外しロックアウト装置を例示する外科装置アセンブリ300の一部の切欠図である。外科器具取外しロックアウト装置は、ディスク積重ね1400に予荷重力を適用する予荷重機構と、複数のハードストップ2437と、複数のハードストップレセプタクル1757とを含む。複数のハードストップ2437は、複数のハードストップ437の一例である。
【0326】
複数のハードストップ2437の各々は、モータパック1541の遠位面から遠位方向に延びる。図17Aに例示するように、複数のハードストップレセプタクルの各々は、減菌アダプタアセンブリ250の可動本体651Cの近位面から遠位方向において可動本体651C内に延びる。
【0327】
減菌アダプタ250が外科器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられ、予荷重力が上述のように自動的に係合されるとき、可動本体651Cは減菌アダプタアセンブリ250の減菌アダプタフレーム651内の最遠位位置にある。この位置において、複数のハードストップ3437は複数のレセプタクル1757内になく、可動本体651Cは減菌アダプタフレーム651内で自由に動く。
【0328】
故に、上述のように外科器具260を減菌アダプタアセンブリ250内に取り付け得る。しかしながら、第2の予荷重力が出力駆動アセンブリ543に適用され、ばねアセンブリが完全に圧縮されるとき、複数のハードストップ2437は複数のレセプタクル1757内に延び、複数のハードストップ2437は可動本体651Cが近位方向に移動するのを防止する。外科器具260の取外しは可動本体651Cを近位方向に移動させる。故に、第2の予荷重力がモータパック1541に適用されるならば、複数のハードストップ2437は可動本体651Cが近位方向に移動するのを防止し、結果的に、外科器具260の取外しが抑止される。
【0329】
複数のハードストップレセプタクル2437の使用は例示的であるに過ぎず、限定的であることを意図しない。他の特徴において、複数のハードストップレセプタクル1757は用いられない。代わりに、複数のハードストップ2437は可動本体651Cの近位面と接触し、近位方向における可動本体651Cの移動を防止する。
【0330】
故に、外科器具マニピュレータアセンブリ240は、ハウジング741と呼ぶことがある器具マニピュレータアセンブリハウジング741と、モータパック1541とを含む。モータパック1541はハウジング741に可動に連結される。複数のハードストップ2437がモータパック1541の遠位端に取り付けられる。複数のハードストップ2437を外科器具マニピュレータアセンブリ240のハウジング741に対する少なくとも第1の位置及び第2の位置に位置付け得る。複数のハードストップ2437が第1の位置にあるとき、外科器具260を器具マニピュレータアセンブリ240に連結し且つそこから切り離し得る。複数のハードストップ2437が第2の位置にあるとき、外科器具260を器具マニピュレータアセンブリ240から切り離し得ない。
【0331】
図26Aは、減菌アダプタ解放ラッチ2635のより詳細な切欠図である。減菌アダプタ解放ラッチ2635は、解放ラッチ435の1つの特徴の一例である。減菌アダプタフレーム651の一端にあるリップ654が、減菌アダプタ解放ラッチ2635の遠位端から延びるリップ2635Lによって係合される。減菌アダプタ解放ラッチ2635は、器具マニピュレータアセンブリハウジング741の壁に取り付けられる。減菌アダプタ解放ラッチ2635が旋回して減菌アダプタ250の減菌アダプタフレーム651と係合し且つそこから分離し得る。1つの特徴において、フレームへの減菌アダプタ解放ラッチ2635の旋回的な接続は、ラッチ2635の定常位置が係合位置にあるように、ばね荷重される。ラッチピン2635Pが減菌アダプタ解放ラッチ2635の近位部分に連結される。モータパック1541が場所Homeで完全に引っ込められるとき、例えば、予荷重がモータパック1541に加えられないとき、ラッチピン2635Pは、減菌アダプタ解放ラッチ2635が旋回して減菌アダプタフレーム651と係合し且つそこから分離するのを阻止しない。
【0332】
減菌アダプタ250が器具マニピュレータアセンブリ240に取り付けられるとき、上述のような、自動予荷重リセット機構は、モータパック1541が予荷重係合機構によって場所Preload_1に動かされるときに、予荷重力、例えば、軽い予荷重力をモータパック1541に加える。モータパック1541が場所Preload_1に動かされるときには、モータパック1541に取り付けられる解放ラッチ抑止ストップ2638も遠位に動かされる。
【0333】
モータパック1541が場所Preload_1にあるとき、減菌アダプタ解放ラッチ2635の近位端が押されるならば、ラッチピン2635Pは解放ラッチ抑止ストップ2637と接触し、それは減菌アダプタ解放ラッチ2635が旋回して減菌アダプタフレーム651から分離することを防止する。よって、軽い予荷重力がモータパック1541に適用されるとき、減菌アダプタアセンブリ250の取外しは抑止される。
【0334】
図26Aは、減菌アダプタ解放ラッチ2635が押し下げられながら、自動予荷重リセット機構が通電される場合の、潜在的な問題を例示している。解放ラッチ抑止ストップ2638が遠位に動くと、解放ラッチ抑止ストップ2638は、減菌アダプタ解放ラッチ2635が解放されないならば、ラッチピン2635Pに衝突するであろう。これは潜在的にラッチピン2635Pを損傷させ得る、例えば、ラッチピン2635Pを曲げ得るので、減菌アダプタ取外し抑止機構は正しく作用しないであろう。よって、1つの特徴において、ラッチピン2635P(図26B)は、減菌アダプタ解放ラッチ2635の近位部分に旋回的に接続され、その接続はばね2634によってばね荷重される。よって、減菌アダプタ解放ラッチ2635が押し下げられ、自動予荷重リセット機構が通電されるならば、ラッチ抑止ストップ2638がラッチピン2635Pと衝突した後、ラッチピン2635Pは旋回し、よって、損傷させられない。減菌アダプタ解放ラッチ2635が解放されると、ばね2634はラッチピン2633Pをその本来の位置に戻す。
【0335】
上記の実施例の一部において、「近位」又は「近位に」という用語は、システム運動の運動連鎖に沿うマニピュレータアームベースにより近い或いはシステム運動の運動連鎖に沿う運動の遠隔中心(又は手術部位)から更に離れる物体又は要素を一般的な方法において記載するために用いられる。同様に、「遠位」又は「遠位に」という用語は、システム運動の運動連鎖に沿うマニピュレータアームベースから更に離れる或いはシステム運動の運動連鎖に沿う運動の遠隔中心(又は手術部位)により近い物体又は要素を一般的な方法において記載するために用いられる。
【0336】
ここにおいて用いるとき、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、異なる構成部品又は要素の間を区別するために用いられる形容詞である。よって、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等は、構成部品又は要素の如何なる順序をも暗示しない。
【0337】
本発明の特徴及び実施態様を例示する上記の記述及び添付の図面は、限定的であると理解されてならない-請求項が保護される発明を定める。この開示及び請求項の精神及び範囲から逸脱せずに、様々な機械的、組成的、構造的、電気的、及び動作的な変更を行ってよい。ある場合には、本発明を曖昧にするのを避けるために、周知の回路、構造、及び技法を詳細に示さず或いは記載しない。
【0338】
更に、記述の用語法は、本発明を限定することを意図しない。例えば、「下に」(“beneath”)、「下」(“below”)、「下方」(“lower”)、「上」(“above”)、「上方」(“upper”)、「近位」(“proximal”)、「遠位」(“distal”)、及び類似表現のような、空間的に相対的な用語を用いて、図面に例示するような他の要素又は構成に対する1つの要素又は構成の関係を記載することがある。これらの空間的に相対的な用語は、図面に示す位置(即ち、場所)及び向き(即ち回転的な配置)に加えて、使用中又は動作中の装置の異なる位置及び向きを包含することを意図する。例えば、図面中の装置がひっくり返されるならば、他の要素又は構成の「下」(“below”)又は「下に」(“beneath”)として記載した要素は、他の要素又は構成の「上」(“above”)又は「上に」(“over”)になるであろう。よって、例示的な用語「下」(“below”)は、上及び下の位置及び向きの両方を包含し得る。装置を(90度又は他の向きに回転させて)その他に方向付けてよく、ここにおいて用いる空間的に相対的な用語は相応に解釈される。同様に、様々な軸に沿う並びにそれらの周りの動作の記述は、様々な特定の装置位置及び向きを含む。
【0339】
文脈がその他のことを示されない限り、単数の形態は複数の形態も含むことを意図する。「含む」(“comprises”)、「含む」(“comprising”)、「含む」(“includes”)、及び類似表現は、述べている構成、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を特定するが、1つ又はそれよりも多くの他の構成、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はグループ(群)の存在又は追加を排除しない。連結されるとして記載される構成部品は、電気的に又は機械的に直接的に連結されてよく、或いはそれらは1つ又はそれよりも多くの中間的な構成部品を介して間接的に連結されてよい。
【0340】
全ての実施例及び例示的な参照は非限定的であり、請求項をここに記載する特定の実施及び実施態様並びにそれらの均等物に限定するために用いられて成らない。あらゆる見出しは専ら体裁のためであり、主題を如何様に限定するためにも用いられてはならない。何故ならば、1つの見出しの下での本文は、相互参照してよく、或いは1つ又はそれよりも多くの見出しの下の本文に当て嵌まることがあるからである。最後に、この開示に鑑みれば、図面に具体的に示されておらず或いは本文中に記載されていないとしても、1つの特徴又は実施態様に関連して記載した特定の構成を本発明の他の開示の特徴又は実施態様に適用してよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16B
図16A
図16C
図16D
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図23
図24A
図24B
図25
図26A
図26B