(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】食品供給装置
(51)【国際特許分類】
A21C 9/06 20060101AFI20220926BHJP
A23P 20/20 20160101ALI20220926BHJP
B65G 47/84 20060101ALI20220926BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A21C9/06 A
A23P20/20
A21C9/06 Z
B65G47/84 C
B65G47/08 D
(21)【出願番号】P 2019181318
(22)【出願日】2019-10-01
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】美野 弘文
(72)【発明者】
【氏名】小野口 和良
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-172575(JP,A)
【文献】特開平09-248168(JP,A)
【文献】特開2019-034854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0148364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 9/04、9/06
A23P 10/00-30/40
B65G 35/00-35/08
B65G 47/00-47/20、47/80
B65G 47/84-47/86
B65G 47/90ー47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒上の食品を収容する複数の貫通孔を回転部材の周方向に等間隔に有する前記回転部材と、
前記回転部材の内側に同心状に配設され、芯部材の軸心を通り上下方向に貫通する連通孔を有する前記芯部材と、
前記回転部材を前記芯部材の周りに回転駆動する第一駆動装置と、
前記回転部材に隣接して配設され、前記食
品を貯留するとともに前記貫通孔に送る食品送給部と、
前記貫通孔の内2つの貫通孔が、それぞれ、前記連通孔の上端及び下端に同心状に位置合わせされるように前記第一駆動
装置を間欠的に駆動制御する制御部を備えたことを特徴とする食品供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の食品供給装置であって、
前記回転部材の回転が停止され、前記2つの貫通孔と前記連通孔が同心状に位置合わせされたときに、前記貫通孔と前記連通孔の内側を上下動するピストン部材を構成する押し込み機構部を備えたことを特徴とする食品供給装置。
【請求項3】
請求項1に記載の食品供給装置であって、
前記
食品送給部は、前記食品を前記回転部材に向かって搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの上部に配設され、前記食品を囲うホッパを備えたことを特徴とする食品供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つの請求項に記載の食品供給装置であって、
前記回転部材の下方に前記食品を載置する食品生地を搬送する搬送装置を備えたことを特徴とする食品供給装置。
【請求項5】
請求項4に記載の食品供給装置であって、
前記回転部材の回転が停止されたときに最下方に位置する前記貫通孔と前記搬送装置の搬送面との間に前記食品が通過する筒状のガイド部材を備えたことを特徴とする食品供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つの請求項に記載の食品供給装置を備えた食品成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煮豆、レーズン、一粒栗などの固形食品、スライスや細断したアーモンドなどの粒状の食品を食品生地やトレーなどに供給する食品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粒状の食品を食品生地やトレーなどに供給する食品供給装置として、円筒形のフイ-ダ-を含み、外周の窪みに傾斜面を備えたホッパから粒状の食品を入れ、コンベアにより食品を入れるモジユ-ル容器をフイ-ダ-の下まで運び、フイ-ダ-を回転させて食品を容器上に排出する供給装置がある(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の食品供給装置は、円筒形のフイ-ダ-を覆うカバーが設けられ、窪みに収容された食品が回転運搬され排出されるまでフイ-ダ-から落下するのを防止している。
【0004】
また、別の食品供給装置は、食品が投入されて貯留される貯留部と、貯留部の下部に配設されて貯留部から外部に延設されるとともに食品を所定量ずつ収容する区画領域が形成された搬送コンベアと、搬送コンベアを搬送制御して区画領域に充填された食品を所定量ずつ供給する搬送駆動部と、貯留部内において搬送コンベアの上方に近接して配設されるとともに搬送コンベアの搬送方向に沿って設けられたスクリュー部材と、食品を搬送方向とは逆方向に移動させるようにスクリュー部材を回転させる回転駆動部とを備えている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2に記載の食品供給装置は、供給された食品(スライスチーズ)を食品生地にトッピングし、また、食品生地で食品(煮豆)を包む食品成形装置に備えられている。
【0006】
また、別の食品供給装置は、レーズンを収容する貯槽と、貯槽のレーズンを吸引するヘッドを有し菓子材料にレーズンを移送するボックスと、ヘッドの外周に摺動自在に設けられた筒状のレーズンガイドを備えている(特許文献3)。
【0007】
特許文献3に記載の食品供給装置では、レーズンガイドを下降させて菓子材料の表面の少なくとも一部を囲んだ状態でヘッドで吸引したレーズンを菓子材料の上面に排気落下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許公開2002-148364号公報
【文献】日本特許第4294725号公報
【文献】日本特開昭56-033319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の食品供給装置では、食品がカバーに接した状態で長い距離を移動するため、摺動により食品の表面が損傷するという問題がある。
【0010】
特許文献2に記載の食品供給装置では、スクリュー部材の回転により食品を搬送コンベアの搬送方向とは逆方向に移動させるため、粒状の食品同士が衝突し、あるいは、スクリュー部材と搬送コンベアの隔壁部の間で食品を挟圧するなどして食品を損傷させるという問題がある。
【0011】
特許文献3に記載の食品供給装置では、貯槽に収容されたレーズンを吸引によりヘッドに吸着させるため、定量の供給が安定しないという問題がある。また、レーズン以外の粒状の食品には不向きであるという問題がある。
【0012】
したがって、本発明は、食品を損傷することなく、定量の食品を安定して供給することができる食品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、粒上の食品を収容する複数の貫通孔を回転部材の周方向に等間隔に有する前記回転部材と、前記回転部材の内側に同心状に配設され、芯部材の軸心を通り上下方向に貫通する連通孔を有する前記芯部材と、前記回転部材を前記芯部材の周りに回転駆動する第一駆動装置と、前記回転部材に隣接して配設され、前記食品を貯留するとともに前記貫通孔に送る食品送給部と、前記貫通孔の内2つの貫通孔が、それぞれ、前記連通孔の上端及び下端に同心状に位置合わせされるように前記第一駆動装置を間欠的に駆動制御する制御部を備える。
【0014】
例えば、前記回転部材の回転が停止され、前記2つの貫通孔と前記連通孔が同心状に位置合わせされたときに、前記貫通孔と前記連通孔の内側を上下動するピストン部材を構成する押し込み機構部を備える。
【0015】
例えば、前記食品送給部は、前記食品を前記回転部材に向かって搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの上部に配設され、前記食品を囲うホッパを備える。
【0016】
例えば、前記回転部材の下方に前記食品を載置する食品生地を搬送する搬送装置を備える。
【0017】
例えば、前記回転部材の回転が停止されたときに最下方に位置する前記貫通孔と前記搬送装置の搬送面との間に前記食品が通過する筒状のガイド部材を備える。
【0018】
例えば、食品供給装置を備えた食品成形装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、芯部材の周りを回転する回転部材を備え、回転部材の周方向に形成される貫通孔と、芯部材の軸心を通る連通孔を上下に位置合わせし、貫通孔に収容された粒状の食品を上方から下方に落下させて供給することにより、食品の損傷を防止することができる。
【0020】
貫通孔と芯部材の外周面で食品を収容する収容室を形成することにより、定量の食品を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3を備えた食品成形装置1を概略的に示した正面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3を、一部断面を用いて概略的に示した正面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3を、一部断面を用いて概略的に示した、
図2における右側面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3による食品Fの供給工程を概念的に示す正面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3による食品Fの供給工程を概念的に示す正面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第一の実施の形態に係る食品供給装置3による食品Fの供給工程を概念的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第一の実施形態に係る食品供給装置3を備えた食品成形装置1について
図1乃至
図3を用いて説明する。食品成形装置1は、円盤状の食品生地Dで食品Fを包み込んだ包被食品Pを成形するものであり、例えば、食品生地Dを菓子パン生地、内材Fを煮豆として豆パンを成形するものとして説明する。
図1を参照するに、食品成形装置1は食品供給装置3、搬送装置2、包み込み成形装置8及び各装置の駆動を制御する制御装置9を備える。
【0023】
食品供給装置3は、架台4に食品供給部5、食品送給部6及び押し込み機構部7を備える。食品供給部5は、芯部材51、回転部材53及び回転部材53を芯部材51の周りに回転駆動する第一駆動装置としての制御モータM1を備える。
【0024】
架台4は、互いに平行に配設された第一側板41と第二側板42とを複数のスパン43を介して枠体を構成する。第一側板41と第二側板42の間に円板状の芯部材51と円筒状の回転部材53が配設される。また、回転部材53に対し第一側板41の反対側(
図3における右側)には制御モータM1が取り付けられる。
【0025】
芯部材51には、芯部材51の軸心を通り上下方向に貫通する円形の連通孔52が設けられる。また、芯部材51は、結合部材51Aを介して第二側板42に取り付けられる。
【0026】
回転部材53は、芯部材51の外側に同心状に配設され、芯部材51と接しない程度の僅かな隙間を有するように内周面が円形に形成される。回転部材53には、円形の貫通孔54が12個、回転部材53の周方向に等間隔に設けられる。また、回転部材53の第一側板41に面する一方の端面には、端板55が取り付けられる。
【0027】
端板55の上面には、回転部材53の貫通孔54に対応する位置に六角ボルトで構成される近接体59が12個取り付けられる。第一側板41の回転部材53に対向する側には、近接スイッチS1が取り付けられる。近接スイッチS1は、回転部材53の回転とともに移動する近接体59を感知し、その感知信号を制御装置9に送信する。
【0028】
端板55には、連結部材56が取り付けられる。連結部材56のフランジ部56Aから第一側板41側に突出する軸部56Bは、回転部材53の軸心と一致しており、軸部56Bの端部は、第一側板41を貫通して制御モータM1の駆動軸に連結される。
【0029】
このように構成された食品供給部5は、制御装置9の制御のもと、近接スイッチS1から送信される感知信号に基づき、制御モータM1を駆動制御し、回転部材53の上下に位置する2つの貫通孔54が芯部材51の連通孔52の上端及び下端と同心状に位置合わせされるように回転部材53の回転(
図2において右回転)を断続的に繰り返す。また、食品供給部5は、回転部材53の下部に、筒状のガイド部材57を備える。ガイド部材57は、最下方に位置し停止する貫通孔54と同心となるよう第一側板41に取り付けられる。ここでは、上下の貫通孔54、連通孔52及びガイド部材57の内周面で直線的に形成される内周面を落下通路と称す。また、回転部材53の回転方向をR1とする。
【0030】
芯部材51の連通孔52と位置合わせされた上下2個の貫通孔54以外の10個の貫通孔54は、芯部材51の外周面を底面とする凹部を形成する。この凹部は、食品送給部6から送られる食品Fを収容する収容室58である。
【0031】
食品供給装置3は、回転部材53の斜め上部に隣接して食品送給部6を備える。食品送給部6は、食品Fを貯留するとともに回転部材53の貫通孔54に送る。食品送給部6は、食品Fを回転部材53に向かって搬送するベルトコンベア61、ベルトコンベア61の先端から回転部材53の間の仕切り板62、ベルトコンベア61の上部に配設され食品Fを囲うホッパ63、アジテータ65、回転スイーパ67及びセンサS2を備える。
【0032】
ベルトコンベア61は、第二駆動装置である制御モータM2により駆動され、その上面である搬送面61Aが回転部材53に向かって上昇するように傾斜して設けられている。ベルトコンベア61の先端部の上方には、搬送される食品Fを所要の高さで均すアジテータ65が回転自在に備えられている。アジテータ65は回転軸65Aの半径方向に延伸する棒部材65Bを回転軸65Aの軸方向に所要の間隔で設けている。
【0033】
回転軸65Aは第三駆動装置である制御モータM3に連結され、アジテータ65の回転方向R3は、対向する下側においてベルトコンベア61の搬送方向R2と逆の方向であり、食品Fをベルトコンベア61の上流側に押し戻す。アジテータ65は、棒部材65Bで構成されるため、食品Fを損傷させることはない。
【0034】
ベルトコンベア61で搬送された食品Fは、仕切り板62と回転部材53の間に一時的に貯留され、最上端に停止する貫通孔54の隣に位置する2つの収容室58に流れ込む。
【0035】
回転部材53の最上端より少しベルトコンベア61側に寄った位置に六角棒の回転スイーパ67が第四駆動装置である制御モータM4に連結されて備えられる。回転スイーパ67は、最上端で停止する貫通孔54と次に到来する別の貫通孔54との間に配設され、回転部材53と同方向の回転方向R4に回転する。つまり、対向する側で、互いに反対の方向に移動するよう回転する。回転スイーパ67は、回転部材53の外周面と僅かな隙間を設けている。回転スイーパ67は、その下を通過する収容室58から溢れた食品Fを掃うことで、収容室58に収容される食品Fの量を一定にする。
【0036】
ベルトコンベア61の先端部とアジテータ65の間の上方に、センサS2が配設される。センサS2は、例えば、光学的な距離センサであり、食品Fが設定された高さ位置まで堆積する場合には、制御装置9に検出信号を送信する。センサS2が検出信号を送信しているときには、ベルトコンベア81は駆動されない。
【0037】
食品送給部6は、制御装置9の制御のもと、回転部材53の駆動に同調して、ベルトコンベア61、アジテータ65及び回転スイーパ67を間欠的に駆動する。しかし、センサS2が設定高さ以上の食品Fを検出した場合には、食品送給部6は、回転部材53の駆動に連動せず、駆動しない。
【0038】
食品供給装置3は、食品供給部5の上方に押し込み機構部7を備えている。押し込み機構部7は、押し込み部材71と、押し込み部材71を上下動させる第五駆動装置としての流体圧シリンダ73を備えている。押し込み部材71は、流体圧シリンダ73の上下動するスライダ73Aにシャフト75を介して着脱交換可能に取り付けられる。押し込み機構部7は、制御装置9の制御のもと、回転部材53の回転が停止しているときに流体圧シリンダ73を駆動制御し、押し込み部材71を上下に連通した落下通路(2つの貫通孔54、連通孔52及びガイド部材57の内周面で構成)の中で上下動させる。
【0039】
食品供給装置3の食品供給部5の下方に、食品生地Dを間欠的に搬送方向R5に搬送する搬送装置2が備えられる。搬送装置2は、第一ベルトコンベア21及び第二ベルトコンベア22を連設する。第二ベルトコンベア22は、食品供給部5のガイド部材57の下方に配設され、ガイド部材57に対し接近離反するように昇降自在に備えられている。第一ベルトコンベア21は、第二ベルトコンベア22が下降した際に両方の搬送面が同じ高さとなるよう配設される。
【0040】
搬送装置2は、制御装置9の制御のもと、食品生地Dがガイド部材57と同心となるよう第二ベルトコンベヤ22の搬送を停止し、食品供給部5からの食品Fの供給に先立って第二ベルトコンベア22を上昇させて待機する。そして、押し込み部材71が下降して食品Fを食品生地Dの中央に落下させた後、第二ベルトコンベア22が下降し、所要量の食品Fを載置した食品生地Dを包み込み装置8に搬送する。
【0041】
包み込み装置8は、基台81に供給コンベア82、シャッタ装置83、押さえ装置84、支持装置85、搬出コンベア86を備える。包み込み装置8は、食品生地Dで粒状の食品Fを包み込み包被食品Pを成形する装置である。包み込み装置8は、例えば、本出願人が特許出願した特許第6453435号に開示された装置でよく、また、特許文献2に開示された食品成形装置であってもよく、ここでは詳細な説明は省略する。
【0042】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る食品供給装置3を備えた食品成形装置1による包被食品Pの成形工程について、さらに、
図4乃至
図6を用いて説明する。円形で偏平状に形成された食品生地D(菓子パン生地)は、搬送装置2の第一ベルトコンベア21から第二ベルトコンベア22に搬送される。第二ベルトコンベア22は、食品生地Dが食品供給装置3のガイド部材57と同心となる位置で搬送駆動を停止する(
図2参照)。そして、第二ベルトコンベア22が上昇し、食品生地Dがガイド部材57に接近した状態で待機する。
【0043】
制御モータM1が駆動され回転部材53が1ピッチ分回転し、最上端に位置していた貫通孔54の隣の貫通孔54が最上端に移動して停止する(
図4参照)。そして、押し込み機構部7の流体圧シリンダ73が駆動され押し込み部材71が下降する。この貫通孔54が形成した収容室58に収容されていた食品F(煮豆)は、押し込み部材71とともに、最上端の貫通孔54から連通孔52、最下端の貫通孔54及びガイド部材57で形成される落下通路の中を落下し、食品生地Dの中央に載置される(
図5参照)。押し込み部材71は、食品Fがガイド部材57に囲まれた状態で食品生地Dに押圧し、複数の食品Fを軽度に押し固める。第二ベルトコンベア22が下降し、所要量の食品Fを載置した食品生地Dは包み込み装置8に搬送される(
図6参照)。
【0044】
食品生地Dは、包み込み装置8の供給コンベア82からシャッタ装置83に供給される。押え装置84が下降して食品生地Dの周縁部を押さえ、さらに、押え装置84に圧縮空気を供給し食品生地Dの中央部を下方に椀状に成形する。食品生地Dの底部が上昇して待機していた支持装置85に支持される。押え装置84が上昇し、シャッタ装置83が作動し、食品生地Dの周縁部が食品Fの上部で中央に集められて結着し、食品Fを内包する包被食品P(豆パン)が成形される。支持装置85が下降し、包被食品Pを搬出コンベア86に移送して搬出する。
【0045】
上述のとおり、回転部材53が回転を始めると、食品送給部6が駆動され、ホッパ63に貯留された食品Fが食品供給部5に搬送される。仕切り板62の下端から上昇する新たな収容室58に食品Fが流れ込み収容される。食品送給部6は、設定された時間駆動された後停止される。そして、回転部材53の間欠駆動に連動して駆動を繰り返す(
図4参照)。
【0046】
本発明の第一の実施形態に係る食品供給装置3を備えた食品成形装置1の説明は概ね上記のとおりであるが、これに限らず特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記説明では、1列で搬送される食品生地Dに食品Fを供給するよう説明したが、搬送方向に直交する幅方向に複数の食品供給装置を配設することにより、複数列で搬送される複数の食品生地Dにそれぞれ食品Fを供給することができる。
【0047】
食品送給部6にベルトコンベア61を備え、食品供給部5の収容室58に食品Fを送るように説明したが、例えば、特許文献1に記載されたような傾斜面を備えたホッパを用いてもよく、送り込む食品Fの性状に合わせて適する機構を選択することができる。
【0048】
また、収容室58の容積を変更する場合には、貫通孔54より小径の孔を備えた筒状のアダプタを貫通孔54に嵌合させることができる。このとき、押し込み部材も変更された孔の直径に対応するよう変更することが望ましい。
【0049】
食品供給装置3に押し込み機構部7を備えるよう説明したが、例えば、ローストしたアーモンドのような乾燥した硬質の食品Fを供給する場合には、押し込み機構部7を備えなくともよく、アーモンドは食品供給部5に粘着することなく自重により円滑に落下できる。
【0050】
また、押し込み部材71の下端面および/または側面に圧縮空気の排気孔を設け、シャフト75を介して圧縮空気を排気することで、例えば、貫通孔54、連通孔52及びガイド部材57の内周面で形成される落下通路に粘着するレーズンなどの食品Fを下方に吹き出すことができ、下降する押し込み部材71と落下通路の間で食品Fを挟み損傷させることを防止できる。
【0051】
食品供給装置3及び搬送装置2を構成することで、例えば、食品生地Dの上面に食品Fを載置したトッピング装置としての食品成形装置とすることもできる。
【0052】
また、食品供給装置3の下方に缶やトレーなどの食品容器を間欠的に搬送することで食品Fを容器詰めすることもできる。この場合、昇降する搬送装置を構成しなくともよく、さらには、ガイド部材57を用いなくとも良い。上下の2つの貫通孔54と連通孔52により落下通路が形成される。
【0053】
また、食品送給部6のアジテータ65及び回転スイーパ67は、食品Fを掃い、均す作用があればよく、回転ブラシなど食品Fの性状に合わせて種々選択可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 食品成形装置
2 搬送装置
3 食品供給装置
4 架台
5 食品供給部
51 芯部材
52 連通孔
53 回転部材
54 貫通孔
57 ガイド部材
6 食品送給部
61 ベルトコンベア
62 仕切り板
63 ホッパ
65 アジテータ
67 回転スイーパ
7 押し込み機構部
71 押し込み部材
73 駆動装置、流体圧シリンダ
8 包み込み装置
83 シャッタ装置
D 食品生地、菓子パン生地
F (粒状の)食品、煮豆
P 包被食品、豆パン
M1 第一駆動装置、制御モータ