(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】5員環および6員環が縮合したアザ環式芳香族系化合物、その製造方法、医薬組成物およびその応用
(51)【国際特許分類】
C07D 409/04 20060101AFI20220926BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220926BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20220926BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220926BHJP
C07D 405/04 20060101ALI20220926BHJP
C07D 403/04 20060101ALI20220926BHJP
C07D 209/14 20060101ALI20220926BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220926BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220926BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
C07D409/04 CSP
A61K31/496
A61K31/4045
A61K31/5377
C07D405/04
C07D403/04
C07D209/14
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/04
(21)【出願番号】P 2019550252
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2018087336
(87)【国際公開番号】W WO2018210314
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2019-11-20
(31)【優先権主張番号】201710357938.2
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504458976
【氏名又は名称】厦▲門▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲登▼賢明
(72)【発明者】
【氏名】王洪睿
(72)【発明者】
【氏名】曽涛玲
(72)【発明者】
【氏名】張▲亭▼
(72)【発明者】
【氏名】姜▲亭▼▲亭▼
【審査官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-501217(JP,A)
【文献】特開2010-111624(JP,A)
【文献】国際公開第2011/123937(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/025868(WO,A1)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,Vol.22, No.17,p.4968-4997
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2013年,Vol.56, No.11,p.4343-4356
【文献】DATABASE REGISTRY (STN) RN 1503483-28-0, [online],2013年12月25日,[Retrieved on 2020.12.23]
【文献】DATABASE REGISTRY (STN) RN 1309103-89-6, [online],2011年06月13日,[Retrieved on 2020.12.23]
【文献】DATABASE REGISTRY(STN) RN 1125428-61-6, [online],2009年03月23日,[Retrieved on 2020.12.23]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式:
[式中、X
2はC
H又はNであり;
XはO、Sから選ばれ;
R
1は、H、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルから選ばれ;
R
2は、
1)
(式中、ZはS、O、NHから選ばれる);
2)
から選ばれ;
YはC
であり;
m=
1であり;
R
3は、
1)シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
アリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、により置換されていてもよい、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む6員の複素環;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲンにより置換されていてもよいベンジル;
から選ばれ;
R
4は、H、C1~C3アルキル、クロロ、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれる]
で表される化合物、又は、前記化合物の立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物
であって、
ただし、メタノン, [5-(1H-インドール-3-イル)-2-フラニル]-4-モルホリニル-ではない化合物、又は、前記化合物の立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物。
【請求項2】
下記式:
[式中、R
1はH,C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルからから選ばれ;
R
2は、
1)
(式中、ZはS、O、NHから選ばれる);
2)
から選ばれ;
YはC
であり;
m=
1であり;
R
3は、
1)シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
アリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、により置換されていてもよい、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む6員の複素環;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、により置換されていてもよい
ベンジル;
から選ばれ;
R
4は、H、C1~C3アルキル、クロロ、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれる]
で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
下記式:
[式中、R
1はHである;
R
2は、
1)
(式中、ZはS、O、NHから選ばれる);
2)
から選ばれ;
YはC
であり;
m=
1であり;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
アリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、により置換されていてもよい、
フェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、により置換されていてもよい、
N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む6員の複素環;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、により置換されていてもよい、
ベンジル;
から選ばれ;
R
4は、H、C1~C3アルキル、クロロ、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれる]
で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
から選ばれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、または前記化合物の立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物。
【請求項5】
下記のステップ
を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物を製造する方法であって、
ここで、
は、
[式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は、請求項1~4で定義されたとおりである]
から選ばれ、
反応条件:(a)金属パラジウムで触媒された炭素‐炭素結合により形成されたカップリング反応;(b)アルカリ性条件下でのエステル加水分解;(c)アルカリ性条件下でのアミド縮合反応である、方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物を含み、かつその薬学的に許容される添加剤を任意に含む医薬組成物。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物、または請求項6に記載の医薬組成物を含む、生体におけるRas活性に関連する疾患を予防または治療するための医薬。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその立体異性体、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物、または請求項6に記載の医薬組成物を含む、腫瘍の増殖および転移を予防または治療するための医薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬化学分野に関するものであり、具体的には、Rasタンパク質のユビキチン化分解を特異的に増強する化合物、その製造方法、該化合物を含む医薬組成物、及び生体におけるRas活性に関連する疾患を予防または治療するための薬剤の製造におけるこれらの化合物の使用、特に腫瘍の増殖および転移を予防または治療するための薬剤の製造における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内の分子スイッチとして、Rasタンパク質は、遺伝子発現、細胞の増殖と分化、細胞周期、細胞骨格と細胞遷移、小胞輸送、細胞核と細胞質との間の輸送などに対する調節制御を含む、細胞内の多くの生理学的および生物化学的調節プロセスにおいて重要な役割を果たしている。それと同時に、Rasタンパク質(H-Ras、K-Ras、およびーRasを含む)は、ヒトで最もよく見られる癌原遺伝子タンパク質でもあり、腫瘍の増殖と転移活性に密接に関連している。すべてのヒト腫瘍の20%~30%にはRAS遺伝子変異が見つかり、そのうち90%の膵臓癌、50%の結腸癌、30%の肺癌、50%の甲状腺癌、および30%の骨髄性白血病などには、RAS遺伝子の点突然変異がある(Nat Rev Cancer 2003,3,459-465;Nat Rev Cancer 2011,11,761-774)。そのため、Rasファミリーのタンパク質に関する研究は研究者たちの大きな関心を引いている(Nat Rev Cancer 2003,3,11-22;Nature reviews. Drug discovery 2014,13,928-942)。
【0003】
タンパク質分子のユビキチン化は、細胞内タンパク質の翻訳後の重要な共有結合的修飾の一つであり、タンパク質分子の分解、DNA修復、遺伝子転写、細胞周期、エンドサイトーシスを含む多くの重要な生物学的機能を調節する(1)。ユビキチン化修飾を介したタンパク質分解は、細胞の正常な生物学的機能を維持する上で非常に重要な役割を果たし、異常なタンパク質分解は、癌を含む多くの疾患を引き起こす可能性がある(Biochim Biophys Acta 2004,1695,3-17)。近年、いくつかの研究の結果、プロテアーゼ複合体の活性を阻害することにより、癌、自己免疫性疾患、炎症および心血管疾患などの疾患に一定の治療効果があることは示されている。現在、Bortezomibなどのプロテアソーム阻害剤は、臨床腫瘍の治療に適用することは米国FDAによって承認されており、多発性骨髄腫などの悪性腫瘍の治療に使用されている(Chemistry & biоlоgy 2012,19,99-115)。しかし、プロテアーゼ複合体阻害剤はほとんどのタンパク質の分解に非特異的に影響するため、必然的に強力な毒性副作用を引き起こし、その適用を大いに制限している(Cancer Biol Ther 2003,2,623-629)。したがって、癌の発生発展において重要な役割を果たすタンパク質の特異的なユビキチン化調節制御は、生物医学の分野での研究の焦点となっている。
【0004】
最近の研究では、E3ユビキチンリガーゼNedd4-1が、H-Ras、K-Ras、N-Rasの3つの主要なタイプのRasタンパク質をユビキチン化分解して細胞内のRasシグナルの安定な状態を維持でき、この調節制御機構の障害により、腫瘍の発生発展は促進されることが分かった(Cell Rep 2014,7,871-882)。この研究では、突然変異または上流シグナルの刺激によりRasが持続的に活性化させられると、Nedd4-1によるユビキチン化調節を抵抗し、高いRas活性とレベルを維持し、さらに腫瘍の発生発展を促進することが分かった。
【0005】
そのため、Rasユビキチン化分解を促進できる低分子化合物を開発すると、Rasの過剰な活性化によって引き起こされる癌およびその他の疾患の予防と治療に使用することができ、高い経済的および社会的価値を有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の発明者らは、Nedd4-1が活性型Rasのユビキチン化分解を促進することができる化合物を見つけるために、広範かつ大規模のスクリーニングを通して一連の5員環および6員環が縮合したアザ環式芳香族系化合物を得てそれらに対して研究を深め、Nedd4-1が活性Rasユビキチン化分解を促進することができる、新規な構造と高い安全性を有する一連の誘導体を設計して合成し、これらの新規な誘導体の抗腫瘍活性を研究した。
【0007】
そこで、本発明は、下記一般式で表される化合物
又は、上記化合物の立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物を提供する。
より具体的には、本発明は、下記一般式で表される化合物
又は、上記化合物の立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物を提供する。
式中の置換基および符号の定義について、後文で詳しく説明する。
【0008】
本発明の一つの目的は、Ras活性を阻害する化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物を提供することである。
【0009】
本発明のもう一つの目的は、上記化合物の製造方法を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、上記化合物を含む医薬組成物を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、Rasの過剰な活性化により引き起こされる癌およびその他の疾患を予防及び治療するための薬剤の製造における上記化合物及び上記化合物を含む医薬組成物の使用を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、化合物I-a-1が細胞内のK-RASタンパク質レベルを効果的に低下させることができることを示している。 a)293T細胞はK-RAS-G12Vタンパク質を過剰に発現し、化合物I-a-1は外因性の過剰発現RASタンパク質の分解を効果的に促進でき、しかも濃度依存性が良好である;b)SW620細胞内で、化合物I-a-1は内因性K-RAS-G12Vタンパク質の分解を効果的に促進でき、しかも濃度依存性が良好である。
【
図2】
図2は、代表的な化合物が、軟寒天上のRAS陽性腫瘍細胞のコロニー形成を効果的に阻害することができることを示している。 a)K-RAS-WT遺伝的背景を持つMCF-7細胞において、化合物I-a-1はそのコロニー形成を効果的に阻害することができる;b)K-RAS-G12V遺伝的背景を持つSW620細胞において、化合物III-a-1はそのコロニー形成を効果的に阻害することができる;c)RAF突然変異の遺伝的背景を持つHT-29細胞において、化合物I-a-1はそのコロニー形成を阻害しない。
【
図3】
図3は、代表的な化合物I-a-1が、RAS陽性腫瘍細胞(SW620)の異種転移モデルにおいて腫瘍の増殖を効果的に阻害することができることを示している。形成されたSW620異種転移マウスモデルでは、1日当たり40mg/kg、80mg/kgの用量で尾静脈に投薬した。a)投薬群は、腫瘍体積の増長を効果的に阻害することができ、しかも良好な用量依存性を示している;b)投薬群の最終腫瘍重量は、対照群よりも有意に少なく、しかも良好な用量依存性を示している。
【発明の開示】
【0013】
本発明を理解するために使用される例示的な実施形態および定義を含む、様々な具体的な実施形態、態様、及び実施例は本明細書に記載されている。以下の詳細な説明は具体的な好ましい実施形態を記載しているが、これらの実施形態は単なる例示的なものに過ぎず、本発明がその他の態様で実施され得ることを当業者は理解できる。特許侵害を判定する目的で、本発明の範囲は、添付の請求の範囲の任意の1つ以上に係り、その等価物、および前記のそれらに同等した要素または制限を包含する。
【0014】
本発明は、以下の実施態様により実現されるものである。
【0015】
一方面において、本構成は、下記一般式で表される化合物を提供し、
[式中、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、及びX
6は下記いくつかの組み合わせを含んでもよい:
XはO、S、NHから選ばれるものであり、
好ましくは、XはO、Sから選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、好ましくは、YはC、Sから選ばれるものである;
m=1または2である;
R
1はH、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルから選ばれるものであり、
好ましくは、R
1はH、C1~C6アルキルから選ばれるものである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
R
3は、下記1)~7)から選ばれるものであり、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、C1~C3フルオロアルコキシ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ジ(C1~C6アルキル)アミノ、C1~C6アルコキシカルボニルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれかの2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、置換されていてもよい複素環基から選ばれるものであり、その他は水素であり、前記複素環基は、ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれるものである;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれかの2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
3)ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、及びベンゾチオフェニルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、ヒドロキシル、フェニル、及びハロゲン置換フェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、ハロゲン、アミノ基、ヒドロキシル基から選ばれるものである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
但し、前記一般式で表される化合物は、以下の化合物以外の化合物である。
【0016】
一方面において、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、及びX
6は下記いくつかの組み合わせを含んでもよい:
R
4の最も好ましい基の位置を表すためにその中のいくつかの一般式の母核に番号が付けられている;
R
1は、H、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルから選ばれるものであり、
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものである;
Yは、C、S、Pから選ばれるものである;
m=1または2である;
R
3は、下記の1)~7)から選ばれるものであり、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩である。
【0017】
第一方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
1はH,C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルからから選ばれるものであり、
好ましくは、R
1はH、C1~C6アルキルから選ばれるものであり、
最も好ましくは、R
1はH、メチルから選ばれるものである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2であり、
好ましくは、m=1である;
R
3は、下記の1)~7)から選ばれるものであり、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、下記の1)~5)から選ばれるものである;
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ジ(C1~C6アルキル)アミノから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
3)ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、及びベンゾチオフェニルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、フェニル、及びハロゲン置換フェニル
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、下記の1)~5)から選ばれるものである;
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン、ジ(C1~C6アルキル)アミノから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立にC1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
4はそれぞれ独立にハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3はハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はC1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
3)ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、及びベンゾチオフェニルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、フェニル、及びハロゲン置換フェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、フッ素、塩素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、フッ素、ジメチルアミノから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立に塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
3はそれぞれ独立にメトキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
4はそれぞれ独立にフッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は塩素、フッ素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はトリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
2)
または-NH-シクロプロピル;
3)2-メチル-ピリジン-5-イル、ピリジン-3-イルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)4-メチルピペラジン-1-イル、モルホリン-4-イルから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、フェニル、4-フルオロフェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
より好ましくは、R
4は、H、フッ素、塩素、臭素、アミノ基から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、H、4-クロロ、6-アミノから選ばれるものである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0018】
第二方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
1はH,C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルからから選ばれるものであり、
好ましくは、R
1はH、C1~C3アルキルから選ばれるものであり、
最も好ましくは、R
1はHから選ばれるものである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、Oから選ばれるものである;
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2であり、
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つはC1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はC1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はトリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシル基から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4はHである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0019】
第三方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
1はH,C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルからから選ばれるものであり、
好ましくは、R
1はH、C1~C3アルキルから選ばれるものであり、
最も好ましくは、R
1はHから選ばれるものである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはC、Sから選ばれるものである;
m=1または2である;
YはCである場合、m=1である;
YはSである場合、m=2である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
1)
であって、式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、置換されていてもよい複素環基から選ばれるものであり、その他は水素であり、前記複素環基は、ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれるものである;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキル、C1~C3フルオロアルコキシ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3フルオロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルコキシ、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、及びニトロ基から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1-Z
5のいずれも水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
3)ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、及びベンゾチオフェニルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、ヒドロキシル、及びハロゲン置換フェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立に、C1~C3フルオロアルキル、置換されていてもよい複素環基から選ばれるものであり、その他は水素であり、前記複素環基は、ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ハロゲン、C1~C3フルオロアルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
3はそれぞれ独立にC1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立にハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
4はそれぞれ独立にハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
4はそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
2はそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C3フルオロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルコキシ、ヒドロキシルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、C1~C3フルオロアルキル、C1~C3フルオロアルコキシ、シアノ基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、シアノ基、C1~C6アルキル、C1~C3フルオロアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C3フルオロアルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1-Z
5のいずれも水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
3)ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、及びベンゾチオフェニルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)ピラン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリニル、チアゾリン、チアゾリジン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、ピぺリジン、ピペラジン、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、及びチオモルホリノから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、ヒドロキシル、及びハロゲン置換フェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立に、フッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、フッ素、塩素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立に、トリフルオロメチル、4-メチルピペラジン-1-イル-メチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、メチル、メトキシ、イソプロポキシ、フッ素、トリフルオロメトキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
3はそれぞれ独立にメトキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
3はそれぞれ独立に塩素、フッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4はそれぞれ独立にフッ素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
4はそれぞれ独立にフッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2とZ
4はそれぞれ独立にフッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
2はそれぞれ独立にフッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1はフッ素、塩素、臭素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、アミノ基、ニトロ基、メチル、メトキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3は、シアノ基、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、ヒドロキシル、臭素から選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はトリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1-Z
5のいずれも水素である;
2)
;
3)2-メチル-ピリジン-5-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-2-イルから選ばれるHN-ヘテロアリール;
4)4-メチルピペラジン-1-イル、モルホリン-4-イルから選ばれる複素環基;
5)-NH-C
2H
4-R
6であって、式中、R
6は、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニルから選ばれるものである;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、フッ素、塩素、臭素、アミノ基から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、H、6-クロロから選ばれるものである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0020】
第四方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
1はHである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなるにより置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;
2)
;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、Hである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0021】
第五方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
1は、H、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキルから選ばれるものであり、
好ましくは、R
1はH、tert-ブチルから選ばれるものである;
R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;
2)
;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、H、4-アミノから選ばれるものである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0022】
第六方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、及びC1~C6カルボニル基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4は、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はトリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4は、フッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)
;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、Hである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0023】
第七方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;または、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか1つは、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つは、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2は、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4は、ハロゲン、C1~C3フルオロアルキルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)C3~C6シクロアルキルアミノ;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
1)
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
2はトリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;または
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
3とZ
4は、フッ素、トリフルオロメチルから選ばれるものであり、その他は水素である;
2)
;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、Hである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0024】
第八方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、Hである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0025】
第九方面では、本発明の一つの具体的な実施態様によって、上記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物は下記の構造を有し、
[式中、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
2は、
1)
であって、式中、ZはS、O、NHから選ばれるものであり、
であって、式中、ZはS、NHから選ばれるものであり、
2)
から選ばれるものである;
YはC、S、Pから選ばれるものであり、
好ましくは、YはCである;
m=1または2である;
好ましくは、m=1である;
R
3は、
1)アミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ、N,N-ジイソプロピルアミノ、2-N,N-ジメチルアミノエチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-モルホリノエチルアミノ、2-チオモルホリノエチルアミノ、2-(4-N-メチルピペラジニル)エチルアミノ、3-N,N-ジメチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジエチルアミノプロピルアミノ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロピルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノ、3-モルホリノプロピルアミノ、3-チオモルホリノプロピルアミノ、3-(4-N-メチルピペラジニル)プロピルアミノ、N-メチルピペリジン-4-アミノ、N-エチルピペリジン-4-アミノ、N-イソプロピルピペリジン-4-アミノ、N-アセチルピペリジン-4-アミノ;
2)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいアリールアミノまたはヘテロアリールアミノ基;
3)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルメチルアミノ;
4)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいフェニルエチルアミノ;
5)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、ヒドロキシル基、アミノ基、C1~C6アルコキシカルボニル基、C1~C6カルボニル基、シアノ基、及び置換されていてもよい複素環基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよい、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む5員または6員の複素環、
前記5員または6員の複素環は、
ピぺリジニル、4-N,N-ジメチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジエチルアミノピぺリジニル、4-N,N-ジイソプロピルアミノピぺリジニル、4-ヒドロキシルピぺリジニル、4-(N-メチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-エチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-イソプロピルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-アセチルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-メチルスルホニルピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-シアノエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル)ピぺリジニル、4-(テトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、4-(3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル)ピぺリジニル、
N-メチルピペラジニル、N-エチルピペラジニル、N-イソプロピルピペラジニル、N-アセチルピペラジニル、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジニル、N-メチルスルホニルピペラジニル、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジニル、N-(2-シアノエチル)ピペラジニル、N-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジメチルエチル)ピペラジニル、N-(2-N,N-ジエチルエチル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジメチルプロピル)ピペラジニル、N-(3-N,N-ジエチルプロピル)ピペラジニル、2-オキソ-ピペラジン-4-イル、N-(N-メチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-エチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、N-(N-アセチル-4-ピぺリジニル)ピペラジニル、
モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピロリル、3-N,N-ジメチルテトラヒドロピロリル、3-N,N-ジエチルテトラヒドロピロリル、
を含むが、これらに限定されていない;
6)C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、C3~C6シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよい複素環基、C1~C6アルコキシカルボニル基、及びC1~C6カルボニル基からなる群から選ばれる置換基により置換されていてもよいベンジル;
7)ヒドロキシル、2-N,N-ジメチルアミノエトキシ、2-N,N-ジエチルアミノエトキシ、2-N,N-ジイソプロピルアミノエトキシ、2-(N-メチルピペラジニル)エトキシ、2-(N-アセチルピぺラジニル)エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-チオモルホリノエトキシ、2-ピぺリジニルエトキシ、3-N,N-ジメチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジエチルアミノプロポキシ、3-N,N-ジイソプロピルアミノプロポキシ、3-(N-メチルピペラジニル)プロポキシ、3-(N-アセチルピペラジニル)プロポキシ、3-モルホリノプロピキシ、3-チオモルホリノプロポキシ、3-ピぺリジニルプロポキシ、2-ピリジルメトキシ、3-ピリジルメトキシ、4-ピリジルメトキシ、フェニルメトキシ、モノハロゲン置換フェニルメトキシ、gem-ジハロゲン置換フェニルメトキシ、ヘテロジハロゲン置換フェニルメトキシ;
から選ばれるものであり、
好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれか2つはそれぞれ独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
さらに好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1である;
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にハロゲンから選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
最も好ましくは、R
3は、
であって、
式中、n=0または1であり、
n=0の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5のいずれも水素である;
n=1の場合、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、及びZ
5の中のZ
1とZ
5はそれぞれ独立にフッ素、塩素から選ばれるものであり、その他は水素である;
から選ばれるものである;
R
4は、H、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3オキシアルキル、C1~C3フルオロアルキル、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、及びヒドロキシル基から選ばれるものである;
好ましくは、R
4は、H、C1~C3アルキル、アミノ基、ヒドロキシルから選ばれるものである;
最も好ましくは、R
4は、Hである;]
好ましくは、その薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩からなる群より選ばれる無機酸塩;または、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートからなる群より選ばれる有機酸塩である;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩などである。
【0026】
別途説明する場合を除き、上記基および置換基は、医薬化学の分野における一般的な意味を有する。
【0027】
なお、C1~C6オキシアルキルとは、メトキシエチル基、メトキシエトキシメチルなどの、C1~C6アルキル骨格が1つ以上のC1~C6アルコキシ基で置換された基をいう。
【0028】
用語の「アリール」とは、C6~10の単環式、二環式または多環式炭素環式炭化水素をいい、それはさらに単結合によって互いに縮合または連結している1~2個の環系を任意的に有していてもよく、該炭素環の少なくとも1つは「芳香族」であり、ここで用語「芳香族」とは、完全共役のπ‐電子結合系をいう。アリール環は、任意的に芳香族および非芳香族の炭素環および複素環の環にさらに縮合または連結していてもよい。そのようなアリールの非限定的な実例として、フェニル、α-またはβ-ナフチルが挙げられる。
【0029】
用語の「ヘテロアリール」とは、芳香族複素環をいい、典型的には、N、OまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~8員環の複素環であり;ヘテロアリール環は、任意的に芳香族および非芳香族の炭素環および複素環にさらに縮合または連結していてもよい。そのようなヘテロアリールの非限定的な実例として、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チオキサゾリル、ピロリル、フェニル‐ピロリル、フリル、フェニル‐フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、イソジヒドロインドリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、1,2,3-トリアゾリル、1-フェニル-1,2,3-トリアゾリル、2,3-ジヒドロインデニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾチオフェニル、ベンゾピラニル、2,3-ジヒドロベンゾオキサジニル、2,3-ジヒドロキノキサリニルなどが挙げられる。
【0030】
用語の「ヘテロシクリル」(「ヘテロシクロアルキル」ともいう)は、その中の1個以上の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄のようなヘテロ原子によって置き換えられている、3、4、5、6、7員の飽和または部分的に不飽和の炭素環を指す。ヘテロシクリルの非限定的な実例として、ピラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、ピぺリジニル、ピペラジニル、モルホリン、モルホリノ、テトラヒドロピロリル、チオモルホリノなどが挙げられる。
【0031】
用語の「置換されていてもよいヘテロシクリル」は、上記「ヘテロシクリル」が1個以上の「C1~C6アルキル」、「C1~C3アルキル」、「C3~C6シクロアルキル」などによって置換されることをいう。
【0032】
用語の「C1~C6アルキル」とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシルなどの、任意の、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の基を指す。
【0033】
用語の「C1~C3アルキル」とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルなどの、任意の、1~3個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の基を指す。
【0034】
別途規定する場合を除き、用語の「C3~C6シクロアルキル」とは、1個以上の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ‐電子結合系を有さない3~6員の全炭素単環式環を指す。シクロアルキルとして、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルが挙げられるが、これらに限られていない。
【0035】
用語の「C1~C3フルオロアルキル」とは、モノフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロメチルなどの、C1~C3アルキル骨格が1つ以上のフルオロで置換された基をいう。
【0036】
用語の「C1~C6アシル」とは、カルボニル、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどの、-C(=O)-Hと-C(=O)-C1~C5アルキルを指す。
【0037】
用語の「アルコキシ」、「シクロアルキルオキシ」およびそれらの誘導体とは、任意の上記アルキル(例えば、C1~C24アルキル、C1~C6アルキル、C1~C3アルキルなど)、シクロアルキル(例えば、C3~C6シクロアルキル)が酸素原子(-O-)を介して分子のほかの部分に連結されたものをいう。
【0038】
上記記載の中で、当業者にとって明らかなのは、「フッ素含有オキシアルキル」のような名前が複合名称である任意の基は、その誘導された部分、例えば、フッ素で置換されたオキシアルキル基から通常に構築されるものだと理解すべきであり、ここで、アルキル基は前文で定義された通りである。別の例として、「アリールアミノ」は、その誘導された部分、例えば、アリール基で置換されたアミノ基から通常に構築されるものだと理解すべきであり、ここで、アリール基は前文で定義された通りである。同様に、「ヘテロアリールアミノ」の意味を理解することができる。
【0039】
また、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、シクロアルキルオキシカルボニルなどの任意の用語は、基を含み、ここで、アルキル、アルコキシ、アリール、C3~C7シクロアルキルおよびヘテロシクリルの部分は、前文で定義された通りである。
【0040】
本発明によれば、そして別途規定する場合を除き、任意の上記基は、必要に応じて任意の自由位置で1個以上の基、例えば、1~6個の基、により置換されていてもよい。その基は独立に、ハロゲン原子、ニトロ、オキソ(=O)、シアノ、C1~C6アルキル、ポリフッ化アルキル、ポリフッ化アルコキシ、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ヒドロキシヘテロシクリル、アリール、アリール‐アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール‐アルキル、ヘテロアリール‐アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル‐アルキル、C3~C7シクロアルキル、シクロアルキル‐アルキル、アルキル‐アリール、アルキル‐ヘテロアリール、アルキル‐ヘテロシクリル、アルキル‐アリール‐アルキル、アルキル‐ヘテロアリール‐アルキル、アルキル‐ヘテロシクリル‐アルキル、アルキル‐シクロアルキル‐アルキル、アルキル‐ヘテロシクリル‐ヘテロシクリル、ヘテロシクリル‐ヘテロシクリル、ヘテロシクリル‐アルキル‐ヘテロシクリル、ヘテロシクリル‐アルキルアミノ、アルキル‐ヘテロシクリル‐アルキル‐アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アルキル‐ヘテロシクリルオキシ、メチレンジオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、アルキレンアミノオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、アミノ、ウレイド、アルキルアミノ、アミノ‐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノ‐ヘテロシクリル、ジアルキルアミノ‐アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロシクリルアミノ、アルキル‐ヘテロシクリルアミノ、アルキル‐ヘテロシクリルカルボニル、カルボニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アルキル‐ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ヘテロシクリルアミノカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ‐アルキルアミノ、アルコキシカルボニルヘテロシクリル‐アルキルアミノ、アルコキシ‐アリール‐アルキル、ヒドロキシアミノ‐カルボニル、アルコキシイミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、カルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、シクロアルキルカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロシクリルアミノスルホニル、アリールチオ、アルキルチオ、ホスホネート基およびアルキルホスホネート基からなる群より選ばれる。
【0041】
また、必要に応じて、上記各置換基はさらに、1つ以上の上記例示された基により置換されていてもよい。
【0042】
これに関して、用語の「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を指す。
【0043】
用語の「シアノ」は、-CN残基を指す。
【0044】
用語の「ニトロ」は、-NO2基を指す。
【0045】
別途説明する場合を除き、本文に使用された通り、用語「プロドラッグ」は、生物学的条件(インビトロまたはインビボ)下で加水分解、酸化、またはその他の反応をして本発明の化合物を提供し得る誘導体を指す。プロドラッグは生物学的条件下でのみこの反応を経て活性化合物になるか、あるいはそれらはそれらが反応しない形で活性を有する。一般的には公知の方法、例えば、1 Burger‘s Medicinal Chemistry and Drug Discovery (1995) 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff編、第5版)に記載された方法でプロドラッグを製造することができる。
【0046】
本文に使用された通り、用語の「式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩」の例として、薬学的に許容されるアニオンを形成する有機酸から形成される有機酸付加塩であり、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、α-ケトグルタル酸塩、α-グリセロリン酸塩、アルキルスルホネートまたはアリールスルホネートを含むが、これらに限られていない;好ましくは、前記アルキルスルホネートはメタンスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、前記アリールスルホネートはベンゼンスルホン酸塩またはp-トルエンスルホン酸塩である。また、適切な無機酸塩を形成してもよく、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩および炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩を含むが、これらに限られていない。
【0047】
薬学的に許容される塩は、本分野において周知の標準手順を用いて得ることができ、例えば、十分な量の塩基性化合物を、薬学的に許容されるアニオンを提供する好適な酸と反応させることよって得ることができる。
【0048】
本文に使用の用語「治療」とは、一般に、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることをいう。その効果は、疾患またはその症状を完全にまたは部分的に予防することによって予防的であってもよく;および/または、疾患および/または疾患による副作用を部分的にまたは完全に安定させる若しくは治癒することによって治療的であってもよい。本文に使用の「治療」は、患者の疾患に対するあらゆる治療を含み、(a)疾患または症状に感染しやすいが、疾患をまだ診断していない患者に発生する疾患または症状を予防すること;(b)疾患の症状を抑制すること、すなわち、その進行を阻害すること;または(c)疾患の症状を軽減すること、すなわち、疾患や症状の後退を引き起こすことを含む。
【0049】
本発明の一つの具体的な実施態様によれば、前記化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、その薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物の中で、前記化合物は、下記実施例に記載されている化合物の一つである。
【0050】
もう一方面では、本発明は、上記いずれか一つの実施態様に記載の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物、およびその薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供している。
【0051】
一定量の活性成分を含有する各種の医薬組成物を製造する方法は知られており、あるいは本発明の開示の内容から当業者にとって自明である。例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES, Martin, E.W., ed., Mack Publishing Company, 19th ed.(1995)に記載されたように、前記医薬組成物を製造する方法は、適切な添加剤、担体、希釈剤などをドープすることを含む。
【0052】
既知の方法で本発明の医薬製剤を製造することは、混合、溶解または凍結乾燥の通常の方法を含む。本発明の化合物は医薬組成物に製造することができ、しかも選択された投与方式に適した様々な経路、例えば、経口的または非経口的(静脈内、筋肉内、局所的または皮下経路)で患者に投与されることができる。
【0053】
そのため、本発明の化合物は、薬学的に許容される担体(例えば、不活性希釈剤または同化可能な可食性担体)と組み合わせて全身的に投与でき、例えば、経口的に投与することができる。それらは硬または軟殻のゼラチンカプセルに封入することもでき、錠剤にプレスすることもできる。経口治療投与について、活性化合物を1つまたは多種の賦形剤と組み合わせて、飲み込み可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、カシェ剤などの形で使用することができる。このような組成物および製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。このような組成物および製剤の比率は勿論変化することができ、所定の単位剤形の約1重量%~約99重量%を占めることができる。このような治療上で有用な組成物において、活性化合物の量は、有効投与量レベルが得られるようなものである。
【0054】
錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などはまた、トラガカント、アラビアガム、コーンスターチまたはゼラチンなどのバインダー;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;および、スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームなどの甘味料;またはミント、ウィンターグリーンオイル、チェリーなどの香味料を含んでもよい。単位剤形がカプセルである場合、上記の種類の材料の他に、植物油やポリエチレングリコールなどの液体担体を含んでもよい。他の様々な材料は、コーティングとして、または他の方法で固体単位剤形の物理的形態を変えて存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖などでコーティングされていてもよい。シロップ剤またはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトース、防腐剤としてのメチルパラベンまたはプロピルパラベン、染料、及び香味料(例えば、チェリーまたはオレンジフレーバー)を含んでもよい。勿論、いずれの単位剤形を製造するためのいずれの材料は、薬学的に許容される、しかも使用される量では実質的に無毒性であるべきである。また、活性化合物を徐放性製剤および徐放性装置に入れることができる。
【0055】
活性化合物は輸液または注射により静脈内または腹腔内に投与することもできる。活性化合物またはその塩の水溶液を調製することができ、任意的に無毒性界面活性剤と混合してもよい。また、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテートおよびそれらの混合物、並びに油中での分散剤を調製することもできる。通常の貯蔵および使用条件下で、これらの製剤は微生物の増殖を防ぐための防腐剤を含有する。
【0056】
注射または輸液に適した医薬剤形は、無菌の注射可能または輸液可能な溶液または分散剤の即時製剤に適した活性成分(リポソームに封入されていてもよい)を含有する無菌水溶液または分散剤または無菌粉末を含むことができる。すべての場合において、最終剤形は製造および貯蔵条件下で無菌、液体、及び安定的なものでなければならない。液体担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、無毒性グリセリドおよびそれらの適切な混合物を含む溶媒または液体分散媒体であってもよい。例えば、リポソームの形成によって、分散剤の存在下で所望の粒子径を維持することによって、または界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。様々な抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、メチルパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によって微生物を防ぐ作用を生じさせることができる。多くの場合、糖類、緩衝剤または塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことが好ましい。吸収剤を遅らせる組成物(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を使用することによって注射可能な組成物の吸収の延長が実現できる。
【0057】
適切な溶媒中の必要量の活性化合物を必要の上記挙げられた他の成分とくみあわせてろ過滅菌することで、無菌注射可能な溶液を調製する。無菌注射溶液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これらにより、活性成分と、従来の無菌ろ過溶液中に存在する成分の中の必要な成分との粉末が生成する。
【0058】
有用な固体担体は、粉砕固体(例えば、タルク、粘土、微結晶セルロース、シリカ、アルミナなど)を含む。有用な液体担体は、水、エタノールまたはエチレングリコールまたは水‐エタノール/エチレングリコール混合物を含み、本発明の化合物が、任意に無毒性界面活性剤を用いて有効量でその中に溶解または分散させられることができる。所定の用途に対する特性を最適化するために、アジュバント(例えば、香味料)および追加の抗菌剤を添加することができる。
【0059】
増粘剤(例えば、合成されたポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩およびエステル、脂肪アルコール、変性セルロースまたは変性無機材料)は、液体担体と一緒に用いてコーティング可能なペースト、ゲル、軟膏、石鹸などを形成してユーザーの肌に直接に使用することができる。
【0060】
化合物またはその活性塩若しくは誘導体の治療必要量は、選択された特定の塩だけではなく、投与方法、治療される疾患の性質、及び患者の年齢と状態にもよるものであり、最終的には主治医または臨床医の決定によるものである。
【0061】
上記製剤は、ヒトおよび他の哺乳動物体への投与に適した、単位用量を含む物理的分散単位である単位剤形で存在することができる。単位剤形は、カプセルまたは錠剤、もしくは複数のカプセルまたは錠剤であってもよい。係る具体的な治療に応じて、活性成分の単位用量の量は、約0.1~約1000mgまたは1000mg以上の範囲で変動または調整することができる。
【0062】
さらに、乳リポソーム、ミクロスフェアおよびナノスフェアなどの各種類の新規薬剤剤形における適用をも含み、例えば、ポリマーミセル(polymeric micelles)、ナノエマルジョン(nanoemulsion)、サブマイクロエマルジョン(submicroemuls)、マイクロカプセル(microcapsule)、ミクロスフェア(microsphere)、リポソーム(liposomes)、及びニオソーム(niosomes)(非イオン性界面活性剤小胞ともいう)などの微粒子分散系を使用して調製された薬剤を含む。
【0063】
もう一方面では、本発明は、下記のステップを含む、上記いずれか一項の実施態様に記載の化合物(I、II、III-a~III-f、IV、VI、VII、VIII、IX、X)の製造方法を提供している。
反応条件:(a)金属パラジウムで触媒された炭素‐炭素結合により形成されたカップリング反応;(b)アルカリ性条件下(LiOH、またはNaOHなど)でのエステル加水分解;(c)アルカリ性条件(HOBTまたはHATU;トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)のアミド縮合反応。
化合物(III-g)の製造方法は、下記のステップ:
を含み、
化合物(III-h)の製造方法は、下記のステップ
を含む。
【0064】
もう一方面では、本発明は、Rasの過剰な活性化により引き起こされる癌およびその他の疾患を予防及び治療するための薬剤の製造における上記いずれか一項の実施態様に記載の化合物、その立体異性体、そのプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒和物、及び上記化合物を含む医薬組成物の使用を提供している。
【0065】
[実験部分]
以下に係る実施例について、本発明の化合物は、本明細書に記載の方法または本分野で周知の他の方法を使用して合成される。
【0066】
汎用の精製および分析方法
シリカゲルGF254プレコートプレート(青島海洋化工場)上に薄層クロマトグラフィーを実施する。中圧下でシリカゲル(300~400メッシュ、烟台芝黄務シリカゲル開発試剤工場)によりカラムクロマトグラフィー分離を行い、あるいはISCO Combiflash Rf200急速精製システムを利用してプレパックシリカゲルカートリッジ(ISCOまたはWelch)を用いてカラムクロマトグラフィー分離を行う。成分を紫外線(λ: 254 nm)およびヨウ素蒸気により現像する。必要に応じて、化合物を、分取HPLCにより調製しWaters Symmetry C18(19×50mm、5μm)カラム、またはWaters X Terra RP18(30×150mm、5μm)カラムにより精製し、996Waters PDA検出器を備えたWaters分取HPLC600およびMicromass mod.ZMD単四重極質量分析(エレクトロスプレーイオン化、カチオンモード)を使用する。方法1:相A:0.1%TFA/MeOH95/5;相B:MeOH/H2O95/5。勾配:10~90% B 8min行い、90% B 2min維持する;流速20mL/min。方法2:相A:0.5%NH4OH/MeOH95/5;相B:MeOH/H2O95/5。勾配:10~100% B 8min行い、100% B 2min維持する。流速20mL/min。
600MHzで動作するBruker Avance600分光計(1H用)を介して1H-NMRスペクトルを記録する。テトラメチルシランシグナルを基準とする(δ=0ppm)。化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で報告され、カップリング定数(J)はHzで示される。以下の略語は、ピーク分割に使用される:s=シングレット;br.s.=ブロードシグナル;d=ダブル;t=トリ;m=マルチプル;dd=ダブルダブレット。
エレクトロスプレー(ESI)マススペクトルは、Finnigan LCQイオントラップで得られた。
別途説明する場合を除き、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により確定したところ、すべての最終化合物は均質(純度95%以上)である。化合物の純度を評価するためのHPLC-UV-MS分析は、イオントラップMS装置を、オートサンプラーLC Pal(CTC Analytics)およびUV6000LPダイオードアレイ検出器(UV検出215~400nm)を備えるHPLCシステムSSP4000(Thermo Separation Products)と組み合わせることによって実施する。Xcalibur 1.2ソフトウェア(Finnigan)を用いて装置制御、データ収集および処理を行う。HPLCクロマトグラフィーは、Waters X Terra RP18カラム(4.6×50mm;3.5μm)を用いて室温および流速1mL/minで実施する。移動相Aは、酢酸アンモニウム5mM緩衝液(酢酸でpH5.5を得た):アセトニトリル 90:10であり、移動相Bは、酢酸アンモニウム5mM緩衝液(酢酸でpH5.5を得た):アセトニトリル 10:90である;勾配0~100% Bで7分間行い、その後リバランスの前に100%Bに2分間維持する。
試薬の精製は、Purification of Laboratory Chemicals(Perrin, D. D., Armarego, W. L. F. and Perrins Eds, D. R.; Pergamon Press: Oxford, 1980)を参考にして行う。石油エーテルは60~90℃の留分であり、酢酸エチル、メタノール、及びジクロロメタンはいずれも分析級試薬である。
【0067】
後文での略語の意味は次の通りである:
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
TFA:トリフルオロ酢酸
DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EDCI・HCl:1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
rt:室温
DMSO:ジメチルスルホキシド
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例により詳しく説明するが、本発明これらの実施例に限定されるものではない。
上記一般式で表される化合物は、分類されて合成し調製される。
化合物Iの一般式
式中、化合物I-aの合成スキームは、
であり、式中、「Dioxane」はジオキサンを表す。
化合物3aの調製:
化合物1a(1mmоl)、化合物2(1.5mmоl)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(20%m%)、K2CO3(4mmоl)を10mLの1,4-ジオキサンと3.3mLのH2Oに入れ、系を窒素ガスにより置換し、110℃に予熱した油浴に置いて終夜加熱撹拌し、固体をろ過により除去し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物3aを得た(白色固体、83mg、30.5%)。MS(ESI)m/z273[M+H]
+。
化合物4aの調製:
化合物3a(0.3mmоl)をMeOH(0.3mL)/THF(0.3mL)に溶解させ、0.3mLの1N NaOH水溶液を入れて52℃に加熱し、終夜撹拌した。減圧条件下で有機溶媒を除去し、希塩酸でpH=6に調整して固体を析出させ、固体を水で洗い、乾燥させて化合物4aを得た(ベージュの固体、72mg、96.7%)。MS(ESI)m/z245[M+H]
+。
化合物I-aの調製
方法A:
化合物4a(0.14mmоl)をジメチルスルホキシドに溶解させてからHOBt(0.35mmоl)、EDCI・HCl(0.35mmоl)、DIEA(0.56mmоl)を入れた。室温で15分間撹拌した後、芳香族アミン(0.14mmоl)を加えた。室温で5時間反応させた。水/酢酸エチルにより抽出し(3×15mL)、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により化合物I-aを得た。
方法B:
化合物4a(0.14mmоl)をジメチルスルホキシドに溶解させてからHOBt(0.35mmоl)、EDCI・HCl(0.35mmоl)、DIEA(0.56mmоl)を入れた。室温で15分間撹拌した後、芳香族アミン(0.14mmоl)を加えた。室温で5時間反応させた。水/酢酸エチルにより抽出し(3×15mL)、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.35%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物I-aを得た。
化合物I-b、I-c、I-d、I-e、I-f、I-gをいずれも類似した方法で合成できる。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
【0069】
次は、実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
R
3-NH
2:
1.化合物I-a-1:
中間体の合成:
化合物
(1mmоl、197.0mg)(CAS:40598-94-5、Bidepharm、上海)、化合物
(1.5mmоl、282.16mg)(CAS:960116-27-2、EFEbiо、上海)、PdCl2(dppf)・CH2Cl2(20%m%、39.4mg)(CAS:95464-05-4、Energy、上海)、K2CO3(4mmоl、552.08mg)を10mLの1,4-ジオキサン(Dioxane)と3.3mLのH2Oに入れ、系を窒素ガスにより置換し、110℃に予熱した油浴に置いて終夜加熱撹拌し、固体をろ過により除去し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物5-(1H-インダゾール-3-イル)チオフェン-3-カルボン酸エチル(ethyl5-(1H-indazol-3-yl)thiophene-3-carboxylate)83mgを得た
5-(1H-インダゾール-3-イル)チオフェン-3-カルボン酸エチル(0.3mmоl、83mg)をMeOH(0.3mL)/THF(0.3mL)に溶解させ、0.3mLの1N NaOH水溶液を入れて52℃に加熱し、終夜撹拌した。減圧条件下で有機溶媒を除去し、希塩酸でpH=6に調整して固体を析出させ、固体を水で洗い、乾燥させて72mgの5-(1H-インダゾール-3-イル)チオフェン-3-カルボン酸(5-(1H-indazol-3-yl)thiophene-3-carboxylic acid)を得た。
上記中間体
(0.14mmоl、35mg)をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させてからHOBt(0.35mmоl、49.43mg)、EDCI・HCl(0.35mmоl、68.42mg)、DIEA(0.56mmоl、73.79mg)を入れた。室温で15分間撹拌した後、
(0.14mmоl、22.82mg)(CAS:68220-26-8、Bidepharm、上海)を加えた。室温で5時間反応させた。水/酢酸エチルにより抽出し(3×15mL)、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.35%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物I-a-1(12.1mg、22%)を得た。
2.化合物
、化合物
及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-a-2~I-a-27を得た。
3.化合物
(CAS:326474-67-3、Bidepharm、上海)、化合物
及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により化合物I-a-28を得た。
4.化合物
(CAS:885521-40-4、Bidepharm、上海)、化合物
及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-a-29を得た。
5.化合物I-a-30:
中間体の合成:
化合物
(CAS:70315-68-3、Bidepharm、上海)、化合物
及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物
を得た。
化合物
(0.1mmоl、43mg)、Fe粉末(5mmоl、28mg)を1mLのEtOHに溶解させ、0.2mLのNH4Cl(0.4mmоl、21.3mg)水溶液を滴加した。50℃に終夜加熱した。反応系をシリカゲルでろ過した後、水/酢酸エチルにより抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)により化合物I-a-30(21mg、52.5%)を得た。
6.化合物
、化合物
(CAS:1268619-58-4、EFEbio、上海)及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-b-1~I-b-2を得た。
7.化合物
、化合物
(CAS:1111096-29-7、EFEbio、上海)及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-c-1~I-c-2を得た。
8.化合物
、化合物
(CAS:4334-87-6、Energy、上海)及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-28の方法を参照して化合物I-d-1~I-d-2を得た。
9.化合物
、化合物
(CAS:4334-88-7、Energy、上海)及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-e-1~I-e-2を得た。
10.化合物
、化合物
(CAS:916138-13-1、EFEbio、上海)及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-28の方法を参照して化合物I-f-1~I-f-3を得た。
11.化合物I-g-1:
中間体の合成:
化合物5-ブロモ-1H-ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(0.5mmоl、102mg)(CAS:934-07-6、Accela ChemBio、上海)、ビスボロン酸ピナコールエステル(0.55mmоl、139.6mg)(CAS:73183-34-3、Energy、上海)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(10.2mg)(CAS:72287-26-4、Energy、上海)、及び酢酸カリウム(1mmоl、98.1mg)を3mLの無水1,4-ジオキサンに溶解させた。系を窒素ガスにより置換し、105℃に予熱した油浴に置いて終夜加熱撹拌した。固体をろ過により除去し、濃縮して5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロール-2-カルボン酸メチルエステル粗生成物を得た。
化合物
、中間体
及び対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物I-g-1を得た。
表1.化合物Iの構造及びキャラクタライゼーション
【0070】
化合物IIの一般式
化合物IIの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成について具体的に説明する。
化合物
(CAS:74420-15-8、PharmaBlock)、上記のホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1またはI-a-28の方法を参照して化合物II-a-1~II-e-2を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表2.化合物IIの構造及びキャラクタライゼーション
【0071】
化合物IIIの一般式
その中で、
化合物III-a、III-b、III-c、III-d、III-e、III-iの合成は、化合物Iに類似する。
化合物III-fの合成スキーム:
方法一:化合物Iに類似する。
方法に:
式中、「toluene」は「トルエン」を表し、「оvernight」は「終夜」を表し、「hydrazine hydrate」は「ヒドラジン水和物」を表す。
化合物7の調製:
化合物5(20mmоl)のトルエン(30mL)溶液を0℃で化合物6(30mmоl)と四塩化スズ(20mmоl)のトルエン(20mL)の混合液にゆっくり滴加し、室温に戻してから1時間反応させた。水/酢酸エチルにより3回抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)により化合物7を得た。
化合物8の調製:
化合物7(8mmоl)をエタノール(25mL)に溶解させた後、ヒドラジン水和物(7.76mL)を添加した。80℃で24時間反応させた。減圧条件下で有機溶媒を除去し、加水して固体を析出させ、水で洗って沈澱させ、乾燥させて化合物8を得た。
化合物9の調製:
化合物8(6mmоl)をMeOH(6mL)/THF(6mL)に溶解させ、6mLの1N NaOH水溶液を入れて52℃に加熱し、終夜撹拌した。減圧条件下で有機溶媒を除去し、希塩酸でpH=6に調整して固体を析出させ、固体を水で洗い、乾燥させて化合物9を得た。
化合物III-fの調製:
化合物I-aと同じ合成方法で調製した。
化合物III-gの合成スキーム:
式中、「toluene」は「トルエン」を表し、「оvernight」は「終夜」を表し、「reflux」は「還流」を表し、「hydrazine hydrate」は「ヒドラジン水和物」を表す。
化合物11の調製:
化合物7と同じ合成方法で調製した。
化合物13の調製:
化合物12(6.6mL、100mmоl)を0℃で化合物11(2.06g、10mmоl)にゆっくり滴加し、0℃で24時間反応させた。氷水に注ぎ、固体を析出させた。水で洗って沈澱させ、乾燥させて化合物13を得た(茶褐色固体、2.67g、93.4%)。MS(ESI)m/z287[M+H]
+。
化合物14の調製:
塩化チオニル(0.871mL、12mmоl)を0℃で化合物13(2.29g、8mmоl)にゆっくり滴加した後、室温に戻した。30分間還流した後、減圧条件下で未反応の塩化チオニルを除去して化合物14を得た(白色固体、1.95g、79.8%)。MS(ESI)m/z306[M+H]+。
化合物15の調製:
芳香族アミン(0.35mmоl)、トリエチルアミン(1.4mmоl)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解させ、0℃で化合物14(0.35mmоl)のジクロロメタン(1.5mL)溶液を上記混合液にゆっくり滴加した。室温に戻してから4時間反応させ、水/ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニアメタノール/ジクロロメタン)により化合物15を得た。
化合物III-gの調製:
化合物15(0.12mmоl)をエタノール(2.5mL)に溶解させてからヒドラジン水和物(0.073mL)を加え、80℃で24時間反応させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.035%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物III-gを得た。
化合物III-hの合成スキーム:
式中、「оvernight」は「終夜」を表し、「Acetone」は「アセトン」を表し、「hydrazine hydrate」は「ヒドラジン水和物」を表し、「reflux」は「還流」を表す。
化合物16の調製:
化合物13(0.2mmоl)、Na
2SO
3(0.4mmоl)、NaHPO
4(0.2mmоl)を1mLの水中で混合した。60℃に加熱して16時間反応させ、反応系が濁りから清澄化に変化し、さらに濁った。そして、アリールベンジル臭化物(0.15mmоl)のアセトン(1mL)溶液を上記系にゆっくり滴加し、60℃で4時間反応させた。室温に冷却してから減圧条件下で有機溶媒を除去し、メタノールと水との混合溶液で洗浄して沈澱させた。沈殿物を収集して乾燥させ、化合物16を得た。
化合物III-hの調製:
化合物III-gと同じ合成方法で調製した。
次は実施例の化合物の合成について具体的に説明する。
1.化合物
(CAS:68618-36-0、PharmaBlock)、上記のホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1またはI-a-28の方法を参照して化合物III-a-1~III-e-2を得た。
2.化合物III-f-1:
中間体の合成:
化合物2-クロロニコチノイルクロリド(20mmоl、3.52g)(CAS:49609-84-9、PharmaBlock)のトルエン(30mL)溶液を0℃で化合物1H-ピロール-3-カルボン酸メチル(30mmоl、3.75g)(CAS:2703-17-5、PharmaBlock)と四塩化スズ(20mmоl、2.34mL)(CAS:7646-78-8、Bidepharm、上海)のトルエン(20mL)混合液にゆっくり滴加し、室温に戻してから1時間反応させた。水/酢酸エチルにより3回抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)により2.11gの5-(2-クロロニコチノイル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチルを得た。
5-(2-クロロニコチノイル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチル(7.97mmоl、2.11g)をエタノール(25mL)に溶解させてからヒドラジン(7.76mL)を加えた。80℃で24時間反応させた。減圧条件下で有機溶媒を除去し、加水して固体を析出させ、水で洗って沈澱させ、乾燥させて1.8gの5-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチルを得た。
5-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-ギ酸メチル(6mmоl、1.45g)をMeOH(6mL)/THF(6mL)に溶解させてから6mLの1N NaOH水溶液を加え、52℃に加熱し、終夜撹拌した。減圧条件下で有機溶媒を除去し、希塩酸でpH=6に調節し、固体を析出させ、固体を水で洗い、乾燥させて1.1gの5-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-イル)-1H-ピロール-3-ギ酸を得た。
(0.14mmоl、31.9mg)を1mLのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させてからHOBt(0.35mmоl、49.43mg)、EDCI・HCl(0.35mmоl、68.42mg)、DIEA(0.56mmоl、73.79mg)を入れた。室温で15分間撹拌した後、
(0.14mmоl、22.82mg)を加えた。室温で5時間反応させた。水/酢酸エチルにより抽出し(3×15mL)、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.35%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物III-f-1(15.3mg、29.6%)を得た。
3.中間体
および対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物III-f-1の方法を参照して化合物III-f-2~III-f-62、III-i-1を得た。
4.化合物III-g-1:
中間体の合成
:
化合物2-クロロニコチノイルクロリド(20mmоl、3.52g)(CAS:49609-84-9、PharmaBlock)のトルエン(30mL)溶液を0℃で化合物ピロール(20mmоl、1.34g)(CAS:109-97-7、Macklin)と四塩化スズ(20mmоl、2.34mL)(CAS:7646-78-8、Bidepharm、上海)のトルエン(20mL)混合液にゆっくり滴加し、室温に戻してから1時間反応させた。水/酢酸エチルにより3回抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)により2.06gの(2-クロロピリジン-3-イル)(1H-ピロール-2-イル)メタノンを得た。
クロロスルホン酸(6.6mL、100mmоl)(CAS:7790-94-5、Energy、上海)を0℃で(2-クロロピリジン-3-イル)(1H-ピロール-2-イル)メタノン(10mmоl、2.06g)にゆっくり滴加し、0℃で24時間反応させた。氷水に注ぎ、固体を析出した。水で洗って沈澱させ、乾燥させて2.67gの
を得た。
塩化チオニル(0.871mL、12mmоl)(CAS:7719-09-7、Aladdin)を0℃で化合物
(2.29g、8mmоl)にゆっくり滴加し、室温に戻した。30分間還流した後、減圧条件下で未反応の塩化チオニルを除去して1.95gの
を得た。
(0.35mmоl、32.6mg)、トリエチルアミン(1.4mmоl、141.4mg)をジクロロメタン(1.5mL)に溶解させ、0℃で
(0.35mmоl、106.8mg)のジクロロメタン(1.5mL)溶液を上記混合液にゆっくり滴加した。室温に戻してから4時間反応させ、水/ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アンモニアメタノール/ジクロロメタン)により44.4mgの5-(2-クロロニコチノイル)-N-フェニル-1H-ピロール-3-スルホンアミドを得た。
化合物5-(2-クロロニコチノイル)-N-フェニル-1H-ピロール-3-スルホンアミド(0.12mmоl、43.4mg)をエタノール(2.5mL)に溶解させた後、ヒドラジン水和物(0.073mL)を加えて80℃で24時間反応させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.35%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物III-g-1(20.2mg、49.6%)を得た。
5.中間体
、対応するR
3-NH
2およびヒドラジン水和物を出発物質として、化合物III-g-1の方法を参照して化合物III-g-2~III-g-4を得た。
6.化合物III-h-1:
中間体
(0.2mmоl、57.2mg)、Na
2SO
3(0.4mmоl)、NaHPO
4(0.2mmоl)を1mLの水中で混合した。60℃に加熱して16時間反応させ、反応系が濁りから清澄化に変化し、さらに濁った。そして、
(0.15mmоl、25.65mg)(CAS:100-39-0、Admas)のアセトン(1mL)溶液を上記系にゆっくり滴加し、60℃で4時間反応させた。室温に冷却してから減圧条件下で有機溶媒を除去し、メタノールと水との混合溶液で洗浄して沈澱させた。沈殿物を収集して乾燥させ、30.4mgの(4-(ベンジルスルホニル)-1H-ピロール-2-イル)(2-クロロピリジン-3-イル)メタノンを得た。
化合物(4-(ベンジルスルホニル)-1H-ピロール-2-イル)(2-クロロピリジン-3-イル)メタノン(0.08mmоl、30.4mg)をエタノール(2mL)に溶解させた後、ヒドラジン水和物(0.073mL)を加えて80℃で24時間反応させた。濃縮した後、逆相分取HPLCにより精製し(0.35%トリフルオロ酢酸を含有する水溶液とメタノールを移動相とする)、真空濃縮して化合物III-h-1(25.2mg、936%)を得た。
7.中間体
(CAS:85118-00-9、Energy、上海)およびヒドラジン水和物を出発物質として、化合物III-h-1の方法を参照して化合物III-h-2を得た。
8.中間体
(CAS:20443-98-5、Energy、上海)およびヒドラジン水和物を出発物質として、化合物III-h-1の方法を参照して化合物III-h-3を得た。
9.中間体
(CAS:68220-26-8、Energy、上海)およびヒドラジン水和物を出発物質として、化合物III-h-1の方法を参照して化合物III-h-4を得た。
10.中間体
(CAS:622-95-7、Energy、上海)およびヒドラジン水和物を出発物質として、化合物III-h-1の方法を参照して化合物III-h-5を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表3.化合物IIIの構造及びキャラクタライゼーション
【0072】
化合物IVの一般式
化合物IVの合成は、化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
中間体の合成:
1H-インドール(5mmоl、585.75mg)(CAS:120-72-9、Bidepharm、上海)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、水酸化カリウム(12.5mmоl、1725mg)を加えて室温で30分間撹拌した;
I
2(5mmоl、1269mg)を2.5mLのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、その溶液を1H-インドールのDMF溶液に滴加し、室温で1時間反応させた。反応系を100mLの氷水に注ぎ、、固体を析出させた。遠心分離して水で固体を洗い、沈殿物を収集して840mgの3-ヨード-1H-インドールを得た。
中間体
、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物IV-a-1~IV-g-1を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表4.化合物IVの構造及びキャラクタライゼーション
【0073】
化合物VIの一般式
化合物VIの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
中間体の合成:
3-ブロモ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン(5mmоl、1.35g)(CAS:83255-86-1、Energy、上海)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させた。氷浴下でヨードイソプロパン(5mmоl、920.1mg)を滴加し、室温に戻して終夜反応した。水/酢酸エチルにより抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して1.05gの3-ブロモ-1-(tert-ブチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミンを得た。
中間体
、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物VI-a-1~VI-f-2を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表5.化合物VIの構造及びキャラクタライゼーション
【0074】
化合物VIIの一般式
化合物VIIの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
化合物
(CAS:57948-41-1、Bidepharm、上海)、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物VII-a-1~VII-g-1を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表6.化合物VIIの構造及びキャラクタライゼーション
【0075】
化合物VIIIの一般式
化合物VIIIの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
化合物
(CAS:18087-73-5、Bepharm、上海)、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物VIII-a-1~VIII-g-1を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表7.化合物VIIIの構造及びキャラクタライゼーション
【0076】
化合物IXの一般式
化合物IXの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
化合物
(CAS:4926-47-0、Bidepharm、上海)、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物IX-a-1~IX-g-1を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表8.化合物IXの構造及びキャラクタライゼーション
【0077】
化合物Xの一般式
化合物Xの合成は化合物Iに類似する。
次は実施例の化合物の合成を具体的に説明する。
化合物
(CAS:4922-68-3、Sundia、上海)、ホウ酸またはホウ酸エステルおよび対応するR
3-NH
2を出発物質として、化合物I-a-1の方法を参照して化合物X-a-1~X-g-1を得た。
下記表は、具体的な化合物及び構造の同定データを示している。
表9.化合物Xの構造及びキャラクタライゼーション
【実施例】
【0078】
生物活性テスト:
一、K-RASに対する化合物の阻害活性
K-RASに対する化合物の阻害は、タンパク質レベルで対照群に対する投与群の分解率によって評価される(Cell Rep 2014,7,871-882)。具体的には、ウェスタンブロット(Western blot)方法によって活性テストを行い、活性データは表6に示し、代表的な化合物の結果を
図1に示す。
具体的な方法は以下の通りである:
1.細胞プレーティング:対数増殖期のSW-620細胞を2×10
4/ウェルで24ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO
2インキュベーターで培養した。
2.細胞への薬剤投与:24時間培養した後、10%FBSを含むRPM1640培地で様々な薬剤ストックを希釈して最終濃度10mMの薬剤溶液を得た;24ウェルプレートに元の液を廃棄し、調合された薬剤溶液を加え、DMSO群をブランク対照群とした;薬剤添加後、37℃のCO
2インキュベーターに移して培養を続いた。
3.K-Rasタンパク質レベルの検出:投与して24時間培養した後、ウェル内の液体を廃棄し、通常に細胞を収集し、1X PBSで細胞を2回すすぎ、細胞用ライセートを加えて細胞の総タンパク質を抽出し、BCA法によりタンパク質濃度を測定し、30μgのタンパク質サンプルを取ってSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動をし、膜にトラズメンブランをして膜を逐次にブロックし、それぞれK-Ras抗体(1:1000)および内部参照抗体β-アクチン(actin)(1:2000)で4℃で終夜インキュベーションし、TBSTで5分間X3回すすいだ後、対応する西洋ワサビペルオキシダーゼによる標識の二次抗体(1:5000)を加えて1~2時間インキュベーションし、TBSTで膜を5分間X3回洗い、Image Labソフトウェアを使用して化学発光画像を収集した。
4.シングルポイントK-Rasタンパク質分解率の計算:Image Labソフトウェアを利用してK-Rasとβ-actinを定量およびキャリブレーションし、そして次の式に従って細胞内K-Ras分解率を計算した:シングルポイントK-Rasタンパク質の分解率(%)=(対照群-投与群)/対照群×100%、分解率が20%以上の薬剤を選択して軟寒天実験を行った。
使用される試薬は次のように処方される:
RPM1640培地:
1Lの溶媒ボトルに10.4gのRPM1640粉末と2.0gのNaHCO
3を量り、適量の超純水を加え、完全に溶解するまでマグネティックスターラーで撹拌し、1mоl/LのHClでpH値を7.2~7.4に調整し、最後に超純水で容積を1Lにした。そして、0.22μmの孔径のフィルターでろ過して除菌し、4℃の冷蔵庫に保存した。使用前に10%ウシ胎児血清を加えた。
1X PBS:
1Lの溶媒ボトルに8gのNaCl、0.2gのKCl、1.44gのNa
2HPO
4、及び0.24gのKH
2PO
4を量り、適量の超純水を加え、完全に溶解するまでマグネティックスターラーで撹拌し、1mоl/LのHClでpH値を7.2に調整し、最後に超純水で1Lにメスアップした。高圧で滅菌し、室温で保存した。
1X Trypsin:
0.25%トリプシン(Trypsin)を含む0.02%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の消化液溶液をリン酸バッファーで調製し、0.22μmの孔径のフィルターでろ過して除菌し、4℃の冷蔵庫に保存した。
細胞用ライセート:
1Lの溶媒ボトルに50mLの1mоl/L Tris-HCl(pH7.4)、37.5mLの4mоl/L NaCl、2mLの0.5mоl/L EDTA、及び5mLのTritonX-100をピペットで入れ、超純水で容積を1Lにした。使用前に必要な量のバッファーに1mmоl/L PMSFを加えた。
4Xローディングバッファー(loading buffer):
4gのSDS、0.04gのブロモフェノールブルー、6.16gのDTTを量り、20mLの1mоl/L Tris-HCl(pH6.8)、20mLのglycerоlをピペットで取って100mLチューブに入れ、超純水で容積を100mLにした。小さなチューブに分注した後、-20℃で保存した。
4X分離バッファー(separating buffer):
500mLの溶媒ボトルに84.5gのTrisと1.25gのSDSを量り、適量な超純水を加えて十分に溶解させてからpH値を8.8に調整し、最後に500mLにメスアップし、4℃で保存した。
4X濃縮バッファー(stacking buffer):
6.06gのTrisを量り、4mLの10%SDSをピペットで取って100mLの溶媒ボトルに入れ、適量な超純水を加えて十分に溶解させた後にpH値を6.8に調整し、最後に100mLにメスアップして4℃で保存した。
10X running buffer:
1Lの溶媒ボトルに30.3gのTris、10gのSDSおよび144gのglycineを量り、超純水を加えて1Lにメスアップした。
10X転送バッファー(transfer buffer):
1Lの溶媒ボトルに30.3gのTrisと144gのglycineを量り、超純水を加えて1Lにメスアップした。
10X TBST:
24.2gのTris、80gのNaClを量り、10mLのTween-20を1Lの溶媒ボトルに入れ、適量な超純水を加えて十分に溶解させた後、pH値を7.6に調整し、最後に1Lにメスアップした。
ブロッキングソリューション:
1Lの溶媒ボトルに50gのBSAを量り、10mLの1%NaN3をピペットで取り、TBSTを加えて1Lにメスアップして4℃で保存した。
二、軟寒天でのコロニー形成実験において、代表的な化合物が、RAS陽性の遺伝的背景を持つ癌細胞の増殖を効果的に阻害することができ、RASの下流RAF突然変異の遺伝的背景を持つ癌細胞の増殖には有意な影響はない(
図2)
具体的な方法は以下の通りである:
1.下層寒天
1)1%寒天を調製し、高圧で滅菌し、使用前に1%寒天を沸騰水浴で加熱して溶かし、40℃の水浴で冷却させ(寒天の温度を40℃に冷却させるように少なくとも30分間置いた)、それと同時に2×DMEM/FBSで温浴した;
2)1%寒天と2×DMEM/FBSを滅菌チューブ内で1:1の体積比で混合して0.5%寒天の下層寒天を調製した。混合液を、1.5ml/ウェルで6ウェルプレートにすばやく加え、均一になるまでゆっくり振り、凝固するまで室温に置いた(凝固後、4℃では1週間保存できる。使用前に、室温に戻るまで室温で少なくとも30分間置く)。
2.上層寒天
1)40℃の1%寒天、2×DMEM/FBS、及び滅菌水を用いて滅菌チューブで0.3%寒天+1×DMEM/FBS混合液を調製した。調製された混合液は、使用のために40℃の水浴に置かれた;
2)トリプシンで細胞を消化して計数した。実験のニーズに合わせて細胞密度を調整した;
3)調製された0.3%寒天+1×DMEM/FBS混合液を40℃水浴から取り出し、対応する数の細胞を加え、均一になるようにピペットで軽く吹き、1.5ml/ウェルで凝固した下層寒天上に加えた;
4)細胞を加えたウェルプレートを37℃、5%CO
2の細胞インキュベーターに置いて10~30日培養し、3~6日ごとに200μl/ウェルで新鮮な培地を加えた。
使用される試薬は次のように処方される:
1%寒天:
1gの寒天粉末を100mlの滅菌水に溶解させ、使用のために滅菌した。
2×DMEM:
500mlの溶媒ボトルに13.4gのDMEM粉末と3.7gのNaHCO
3を量り、適量な超純水を加え、完全に溶解するまでマグネティックスターラーで撹拌し、1mоl/LのHClでpH値を7.2~7.4に調整し、最後に超純水で500mlにメスアップした。そして、0.22μmの孔径のフィルターでろ過して除菌し、4℃の冷蔵庫に保存した。使用前に20%ウシ胎児血清を加えた。
リン酸塩バッファー(PBS):
1Lの溶媒ボトルに8gのNaCl、0.2gのKCl、1.44gのNa2HPO4、および0.24gのKH2PO4を量り、適量な超純水を加え、完全に溶解するまでマグネティックスターラーで撹拌し、1mоl/LのHClでpH値を7.2に調整し、最後に超純水で1Lにメスアップした。高圧で滅菌し、室温で保存した。
トリプシン消化液(Trypsin):
0.25%トリプシン(Trypsin)を含む0.02%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の消化液をリン酸バッファーで調製し、0.22μmの孔径のフィルターでろ過して除菌し、4℃の冷蔵庫に保存した。
三、化合物I-a-1はヌードマウス異種移植腫瘍実験において、ヌードマウス体内のRAS陽性の遺伝的背景を持つ癌細胞の増殖を効果的に阻害することができ、しかも良好な用量依存性がある(
図3、N=10/群)
具体的な方法は以下の通りである:
1.4~5週齢のヌードマウスに、細胞数が約5X10
6に制御されたSW620細胞懸濁液を皮下注射した;
2.2~3日後に担癌状況を観察し、腫瘍体積が約150mm
3になった時に投与の準備をした;
3.腫瘍の初期体積を測量して記録し、対照群、1日1回40mg/kg投与群、1日2回40mg/kg投与群との3つのグループにランダムに分け、最初の腫瘍体積が大い相違がないようにした;
4.毎日固定した時間に注射により静脈内薬剤投与または対照溶媒を投与し、毎日の腫瘍体積を測量して記録した;
5.10日間連続して投与し、投与群と対照群の腫瘍体積の変化を観察して記録した;
6.10日後、すべてのマウスについて眼球採血を行い、後続の検出のために血液サンプルを保存した。マウスを殺処分した後、皮下増殖腫瘍を完全に切除し、腫瘍の重量を記録し、後続の実験検出のために液体窒素に保存した。
表10.化合物がRasタンパク質に対する分解率