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特許7145908雄ソケット、雌ソケット及びボードツーボード無線周波数コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】雄ソケット、雌ソケット及びボードツーボード無線周波数コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6585 20110101AFI20220926BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20220926BHJP
【FI】
H01R13/6585
H01R12/71
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020074482
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2021093346
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】201911262026.2
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514074371
【氏名又は名称】電連技術股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 順華
(72)【発明者】
【氏名】尹 緒引
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/053149(WO,A1)
【文献】特開2007-141586(JP,A)
【文献】特開2021-039865(JP,A)
【文献】特表2000-500607(JP,A)
【文献】特開2006-185773(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039666(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/002129(WO,A1)
【文献】特開平10-208816(JP,A)
【文献】特開2017-027671(JP,A)
【文献】特開2017-050269(JP,A)
【文献】特許第6677295(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076549(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ソケット絶縁本体と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雄ソケット高周波信号端子と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子と、
前記雄ソケット低周波信号端子と前記雄ソケット高周波信号端子との間に位置する雄ソケット遮蔽端子と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる雄ソケット遮蔽筐体であって、前記雄ソケット遮蔽筐体は、ほぼ正方形の中空板状を呈する第一環状底部と、前記第一環状底部の内孔縁に沿って上へ延びるように形成される第一筒状壁部とを含み、前記第一環状底部によって前記雄ソケット絶縁本体が途切れなく囲まれ、かつ前記第一筒状壁部によって前記雄ソケット絶縁本体が途切れなく囲まれる前記雄ソケット遮蔽筐体と、
を含み、
前記雄ソケット遮蔽端子は前記雄ソケット絶縁本体内に嵌められていることを特徴とする雄ソケット。
【請求項2】
前記雄ソケット高周波信号端子は、アーチ状の第一接触部と短冊状の第一固定部とを含み、前記雄ソケット低周波信号端子は、アーチ状の第二接触部と短冊状の第二固定部とを含み、前記雄ソケット高周波信号端子は二つあり、前記雄ソケット遮蔽端子は二つあり、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子の左に位置し、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子は、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子との間に位置し、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子は、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子の右に位置し、前記二番目の雄ソケット遮蔽端子は、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子との間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の雄ソケット。
【請求項3】
前記雄ソケット絶縁本体は、第一底部と、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子の左に位置する突出した第一舌部と、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子と前記二番目の雄ソケット遮蔽端子との間に位置する突出した第二舌部と、前記二番目の雄ソケット遮蔽端子の右に位置する突出した第三舌部とを含み、前記二つの雄ソケット遮蔽端子はいずれも前記第一底部内に嵌められ、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の頂面はいずれも前記第一底部の表面と面一にし、前記二つの雄ソケット遮蔽端子はいずれも短冊状となり、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の一端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体の内壁面に近く、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の他端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体の内壁面に近く、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記第一舌部に固定され、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子の第一固定部は前記第一底部内に嵌められ、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記第三舌部に固定され、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子の第一固定部は前記第一底部内に嵌められ、前記雄ソケット低周波信号端子の第二接触部は前記第二舌部に固定され、前記雄ソケット低周波信号端子の第二固定部は前記第一底部に嵌められていることを特徴とする、請求項2に記載の雄ソケット。
【請求項4】
前記一番目の雄ソケット高周波信号端子と前記二番目の雄ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雄ソケット低周波信号端子同士は回転対称となることを特徴とする、請求項3に記載の雄ソケット。
【請求項5】
前記雄ソケット高周波信号端子、前記雄ソケット低周波信号端子及び前記雄ソケット遮蔽端子はインサート成形により一体に固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の雄ソケット。
【請求項6】
雌ソケット絶縁本体と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雌ソケット高周波信号端子と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子と、
前記雌ソケット低周波信号端子と前記雌ソケット高周波信号端子との間に位置する雌ソケット遮蔽端子と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる雌ソケット遮蔽筐体であって、前記雌ソケット遮蔽筐体は、ほぼ正方形の中空板状を呈する第二環状底部と、前記第二環状底部の内孔縁に沿って上へ延びるように形成される第二筒状壁部とを含み、前記第二環状底部によって前記雌ソケット絶縁本体が途切れなく囲まれ、かつ前記第二筒状壁部によって前記雌ソケット絶縁本体が途切れなく囲まれる前記雌ソケット遮蔽筐体と、
を含み、
前記雌ソケット遮蔽端子は前記雌ソケット絶縁本体内に嵌められていることを特徴とする雌ソケット。
【請求項7】
前記雌ソケット高周波信号端子はU字状の第三接触部とL字状の第三固定部とを含み、前記雌ソケット低周波信号端子はU字状の第四接触部と短冊状の第四固定部とを含み、前記雌ソケット遮蔽端子はストリップ状で、中間が高く両端が低い形状となり、前記雌ソケット遮蔽端子の一端は前記雌ソケット遮断筐体の内壁面に近く、前記雌ソケット遮蔽端子の他端は前記雌ソケット遮断筐体の内壁面に近く、前記雌ソケット高周波信号端子は二つあり、前記雌ソケット遮蔽端子は二つあり、前記一番目の雌ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子の左に位置し、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子は前記一番目の雌ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子との間に位置し、前記二番目の雌ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子の右に位置し、前記二番目の雌ソケット遮蔽端子は前記二番目の雌ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子との間に位置することを特徴とする、請求項6に記載の雌ソケット。
【請求項8】
前記雌ソケット絶縁本体は、第二底部と、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子の左に位置する第一スロットと、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子と前記二番目の雌ソケット遮蔽端子との間に位置する第二スロットと、前記二番目の雌ソケット遮蔽端子の右に位置する第三スロットとを含み、前記一番目の雌ソケット高周波信号端子の第三接触部は前記第一スロットに固定接続され、前記二番目の雌ソケット高周波信号端子の第三接触部は前記第三スロットに固定接続され、前記雌ソケット低周波信号端子の第四接触部は前記第二スロットに固定接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の雌ソケット。
【請求項9】
前記一番目の雌ソケット高周波信号端子と前記二番目の雌ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雌ソケット低周波信号端子同士は回転対称であることを特徴とする、請求項8に記載の雌ソケット。
【請求項10】
前記雌ソケット低周波信号端子と前記第二スロットはインサート成形により一体に固定されていることを特徴とする、請求項8に記載の雌ソケット。
【請求項11】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の雄ソケットと、請求項6~請求項10のいずれかに記載の雌ソケットとを備え、前記雄ソケットと前記雌ソケットは互いに嵌合され、前記雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記雌ソケット高周波信号端子の第三接触部に接触し、前記雄ソケット低周波信号端子の第二接触部は前記雌ソケット低周波信号端子の第四接触部に接触していることを特徴とするボードツーボード無線周波数コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気コネクタの技術分野に関し、特に、雄ソケット、雌ソケット及びボードツーボード無線周波数コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
チャネルは無線通信の基礎であり、チャネルに対する理解が深いほど、符号化や変調の効率が高くなり、シャノンの定理の理論限界に迫るようになり、マルチチャネルの通信方式では、チャネルが非常に複雑になっている。8チャネル以上のMIMO技術は、周波数スペクトルの利用率を非常に効果的に向上させ得るもので、5Gの大規模適用に関する重要な肝心な技術となる。現在、コネクタについては、マルチチャネル無線周波数コネクタと未来の5Gマルチチャネル伝送との連携によれば、小さい空間での活用や、ランド及びPINの定義の多様化が図られる。
【0003】
従来技術では、二列として互いに対向して横方向に配列される複数のプラグ端子を含むプラグコネクタと、縦方向に互いに対向しながら、対応する前記横方向のキャビティの両側において等間隔に配列される複数のコンセント端子を含むコンセントコネクタとを備えるボードツーボードコネクタ組立体が開示されている。
【0004】
しかしながら、従来技術によるボードツーボードコネクタ組立体は、高周波信号と低周波信号の伝送を両立させることができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高周波信号と低周波信号の伝送が実現されるとともに、高周波信号による低周波信号への干渉の影響を低減することも可能になる雄ソケット、雌ソケット及びボードツーボード無線周波数コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下の解決手段を取る。
【0007】
雄ソケット絶縁本体と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雄ソケット高周波信号端子と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子と、
前記雄ソケット低周波信号端子と前記雄ソケット高周波信号端子との間に位置し、前記絶縁本体に設けられる雄ソケット遮蔽端子と、
前記雄ソケット絶縁本体に設けられる雄ソケット遮蔽筐体と、
を含む雄ソケット。
【0008】
好ましくは、前記雄ソケット高周波信号端子は、アーチ状の第一接触部と短冊状の第一固定部とを含み、前記雄ソケット低周波信号端子は、アーチ状の第二接触部と短冊状の第二固定部とを含み、前記雄ソケット高周波信号端子は二つあり、前記雄ソケット遮蔽端子は二つあり、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子の左に位置し、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子は、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子との間に位置し、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子は、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子の右に位置し、前記二番目の雄ソケット遮蔽端子は、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子との間に位置する。
【0009】
好ましくは、前記雄ソケット絶縁本体は、第一底部と、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子の左に位置する突出した第一舌部と、前記一番目の雄ソケット遮蔽端子と前記二番目の雄ソケット遮蔽端子との間に位置する突出した第二舌部と、前記二番目の雄ソケット遮蔽端子の右に位置する突出した第三舌部とを含み、前記二つの雄ソケット遮蔽端子はいずれも前記第一底部内に嵌められ、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の頂面はいずれも前記第一底部の表面に揃えられ、前記二つの雄ソケット遮蔽端子はいずれも短冊状となり、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の一端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体の内壁面に近く、前記二つの雄ソケット遮蔽端子の他端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体の内壁面に近く、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記第一舌部に固定され、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子の第一固定部は前記第一底部内に嵌められ、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記第三舌部に固定され、前記二番目の雄ソケット高周波信号端子の第一固定部は前記第一底部内に嵌められ、前記雄ソケット低周波信号端子の第二接触部は前記第二舌部に固定され、前記雄ソケット低周波信号端子の第二固定部は前記第一底部に嵌められている。
【0010】
好ましくは、前記一番目の雄ソケット高周波信号端子と前記二番目の雄ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雄ソケット低周波信号端子同士は回転対称である。
【0011】
好ましくは、前記雄ソケット高周波信号端子、前記雄ソケット低周波信号端子及び前記雄ソケット遮蔽端子はインサート成形により一体に固定されている。
【0012】
雌ソケット絶縁本体と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雌ソケット高周波信号端子と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子と、
前記雌ソケット低周波信号端子と前記雌ソケット高周波信号端子との間に位置し、前記絶縁本体に設けられる雌ソケット遮蔽端子と、
前記雌ソケット絶縁本体に設けられる雌ソケット遮蔽筐体と、
を含む雌ソケット。
【0013】
好ましくは、前記雌ソケット高周波信号端子はU字状の第三接触部とL字状の第三固定部とを含み、前記雌ソケット低周波信号端子はU字状の第四接触部と短冊状の第四固定部とを含み、前記雌ソケット遮蔽端子はストリップ状で、中間が高く両端が低い形状となり、前記雌ソケット遮蔽端子の一端は前記雌ソケット筐体の内壁面に近く、前記雌ソケット遮蔽端子の他端は前記雌ソケット筐体の内壁面に近く、前記雌ソケット高周波信号端子は二つあり、前記雌ソケット遮蔽端子は二つあり、前記一番目の雌ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子の左に位置し、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子は前記一番目の雌ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子との間に位置し、前記二番目の雌ソケット高周波信号端子は前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子の右に位置し、前記二番目の雌ソケット遮蔽端子は前記二番目の雌ソケット高周波信号端子と前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子との間に位置する。
【0014】
好ましくは、前記雌ソケット絶縁本体は、第二底部と、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子の左に位置する第一スロットと、前記一番目の雌ソケット遮蔽端子と前記二番目の雌ソケット遮蔽端子との間に位置する第二スロットと、前記二番目の雌ソケット遮蔽端子の右に位置する第三スロットとを含み、前記一番目の雌ソケット高周波信号端子の第三接触部は前記第一スロットに固定接続され、前記二番目の雌ソケット高周波信号端子の第三接触部は前記第三スロットに固定接続され、前記雌ソケット低周波信号端子の第四接触部は前記第二スロットに固定接続されている。
【0015】
好ましくは、前記一番目の雌ソケット高周波信号端子と前記二番目の雌ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雌ソケット低周波信号端子同士は回転対称である。
【0016】
好ましくは、前記雌ソケット低周波信号端子と前記第二スロットはインサート成形により一体に固定されている。
【0017】
互いに嵌合される雄ソケットと雌ソケットとを備え、前記雄ソケット高周波信号端子の第一接触部は前記雌ソケット高周波信号端子の第三接触部に接触し、前記雄ソケット低周波信号端子の第二接触部は前記雌ソケット低周波信号端子の第四接触部に接触しているボードツーボード無線周波数コネクタ。
【発明の効果】
【0018】
一つの雄ソケット高周波信号端子、他の雄ソケット高周波信号端子及び雄ソケット低周波信号端子は、雄ソケット遮蔽端子により隔離され、相互間の電磁干渉の影響が低減され、二つの雄ソケット遮蔽端子間に複数の雄ソケット低周波信号端子を設けることが可能になる。また、一つの雌ソケット高周波信号端子、他の雌ソケット高周波信号端子及び雌ソケット低周波信号端子は、雌ソケット遮蔽端子により隔離され、相互間の電磁干渉の影響が低減され、二つの雌ソケット遮蔽端子間に複数の雌ソケット低周波信号端子を設けることが可能になる。また、一つの雄ソケット高周波信号端子と他の雄ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雄ソケット低周波信号端子同士は回転対称であり、一つの雌ソケット高周波信号端子と他の雌ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雌ソケット低周波信号端子同士は回転対称であり、これにより、雄ソケット又は雌ソケットは順方向挿通と逆方向挿通に対応可能になる。従来技術に比べて、高周波信号と低周波信号の伝送が実現されるとともに、高周波信号による低周波信号への干渉の影響を低減することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例による雄ソケットと雌ソケットの嵌合の模式図である。
図2】本発明の実施例による雄ソケットの構造模式図である。
図3】本発明の実施例による雄ソケット絶縁本体の斜視図である。
図4】本発明の実施例による雄ソケット低周波信号端子、雄ソケット高周波信号端子、雄ソケット遮蔽端子及び雄ソケット遮蔽筐体の構造位置模式図である。
図5】本発明の実施例による雄ソケット低周波信号端子、雄ソケット高周波信号端子及び雄ソケット遮蔽端子の構造位置模式図である。
図6】本発明の実施例による雄ソケット遮蔽筐体の構造位置模式図である。
図7】本発明の実施例による雌ソケットの構造模式図である。
図8】本発明の実施例による雌ソケット絶縁本体の斜視図である。
図9】本発明の実施例による雌ソケット低周波信号端子、雌ソケット高周波信号端子、雌ソケット遮蔽端子及び雌ソケット遮蔽筐体の構造位置模式図である。
図10】本発明の実施例による雌ソケット低周波信号端子、雌ソケット高周波信号端子及び雌ソケット遮蔽端子の構造位置模式図である。
図11】本発明の実施例による雌ソケット遮蔽筐体の構造位置模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の上記した目的、特徴及び利点をより明らかに且つ理解しやすくするために、添付図面に合わせて本発明の具体的な実施形態について説明する。本発明のさらなる理解を図るために、以下の説明において多くの具体的な詳細が記載れている。ただし、本発明はここで説明されているものとは異なる態様で実施されることが可能であり、当業者は本発明の要旨から逸脱することなく改良を行うことができ、本発明は以下に開示した具体的な実施に制限されるものではない。
【0021】
図1に示されるように、本実施例は、互いに嵌合される雄ソケット200と雌ソケット300とを備えるボードツーボード無線周波数コネクタ100を開示した。
【0022】
図2に示されるように、雄ソケット200は、雄ソケット絶縁本体210、二つの雄ソケット高周波信号端子(220Aと220B)、複数の雄ソケット低周波信号端子230、雄ソケット遮蔽端子240、及び、雄ソケット遮蔽筐体250を含む。
【0023】
雄ソケット絶縁本体210はほぼ立方体の板状を呈し、絶縁性のエンジニアリングプラスチック、一般に低誘電率の高周波材料、例えばLCPから作成される。
【0024】
図3に示されるように、雄ソケット絶縁本体210は、突出した第一底部211、突出した第一舌部212、突出した第二舌部213、及び、突出した第三舌部214を含む。
【0025】
第一底部211はほぼ正方形の板状を呈する。
【0026】
第一舌部212は第一底部の表面から延びるように形成されている。
【0027】
第二舌部213は第一底部の表面から延びるように形成されている。
【0028】
第三舌部214は第一底部の表面から延びるように形成されている。
【0029】
第二舌部213は第一舌部212と第三舌部214との間に位置する。
【0030】
図4図5に示されるように、二つの雄ソケット高周波信号端子220は金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。前記雄ソケット高周波信号端子220は、アーチ状の第一接触部221と、短冊状で前記第一底部211内に嵌められている第一固定部222とを含む。
【0031】
一番目の雄ソケット高周波信号端子220Aの第一接触部221は第一舌部212に固定接続され、好ましくは、一番目の雄ソケット高周波信号端子220A、第一底部211及び第一舌部212はインサート成形により一体に固定されている。
【0032】
二番目の雄ソケット高周波信号端子220Bの第一接触部221は第三舌部214固定接続され、好ましくは、二番目の雄ソケット高周波信号端子220B、第一底部211及び第三舌部214はインサート成形により一体に固定されている。
【0033】
一番目の雄ソケット高周波信号端子220Aと二番目の雄ソケット高周波信号端子220Bは回転対称である。
【0034】
図4図5に示されるように、雄ソケット低周波信号端子230はストリップ状で対をなして設けられ、一対当たりの雄ソケット低周波信号端子230同士は回転対称であり、好ましくは二対あり、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。前記雄ソケット低周波信号端子230は、アーチ状の第二接触部231と、短冊状で前記第一底部211内に嵌められている第二固定部232とを含む。
【0035】
雄ソケット低周波信号端子230の第二接触部231は第二舌部213に固定接続され、好ましくは、雄ソケット低周波信号端子230、第一底部211及び第二舌部213はインサート成形により一体に固定されている。
【0036】
図4図5に示されるように、雄ソケット遮蔽端子240は短冊状で、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものであり、好ましくは二つあり、一番目の雄ソケット遮蔽端子240Aは一番目の雄ソケット高周波信号端子220Aと雄ソケット低周波信号端子230との間に位置し、一番目の雄ソケット高周波信号端子による雄ソケット低周波信号端子への電磁干渉の影響が低減されている。
【0037】
二番目の雄ソケット遮蔽端子240Bは二番目の雄ソケット高周波信号端子220Bと雄ソケット低周波信号端子230との間に位置し、二番目の雄ソケット高周波信号端子による雄ソケット低周波信号端子への電磁干渉の影響が低減されている。
【0038】
前記二つの雄ソケット遮蔽端子(240Aと240B)はいずれも前記第一底部211内に嵌められ、前記二つの雄ソケット遮蔽端子(240Aと240B)の頂面はいずれも前記第一底部211の表面に揃えられ、上記構造により、雄ソケット遮蔽端子と雄ソケット遮蔽筐体250により遮蔽層が構成され、雄ソケット高周波信号端子220が受ける外部の信号干渉及び/又は雄ソケット低周波信号端子230への信号干渉は低減されている。好ましくは、前記二つの雄ソケット遮蔽端子(240Aと240B)の一端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体250の内壁面に近く、前記二つの雄ソケット遮蔽端子(240Aと240B)の他端はいずれも前記雄ソケット遮蔽筐体250の内壁面に近く、遮蔽効果が向上している。
【0039】
雄ソケット遮蔽筐体250は、金属材料(一般的に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。
【0040】
図6に示されるように、雄ソケット遮蔽筐体250は第一環状底部251と第一筒状壁部252とを含む。
【0041】
第一環状底部251はほぼ正方形の中空板状を呈する。
【0042】
第一筒状壁部252は、第一環状底部の内孔縁に沿って上へ延びるように形成されており、絶縁本体の第一底部211は第一筒状壁部252内に位置し、それにより、外部電磁信号による雄ソケット高周波信号端子と雄ソケット低周波信号端子への影響が低減されている。
【0043】
図7に示されるように、雌ソケット300は、雌ソケット絶縁本体310、二つの雌ソケット高周波信号端子320、複数の雌ソケット低周波信号端子330、雌ソケット遮蔽端子340、及び、雌ソケット遮蔽筐体350を含む。
【0044】
雌ソケット絶縁本体310はほぼ立方体の板状を呈し、絶縁性のエンジニアリングプラスチック、一般に低誘電率の高周波材料例えばLCPから作成される。
【0045】
図8に示されるように、雌ソケット絶縁本体310は、第二底部311、第一スロット312、第二スロット313、及び、第三スロット314を含む。
【0046】
第二底部311はほぼ正方形の板状を呈する。
【0047】
第一スロット312は第二底部311に設けられ、第一舌部212と挿通し合う。
【0048】
第二スロット313は第二底部311に設けられ、第二舌部213と挿通し合う。
【0049】
第三スロット314は第二底部311に設けられ、第三舌部214と挿通し合う。
【0050】
図9図10に示されるように、二つの雌ソケット高周波信号端子(320Aと320B)はストリップ状で、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。前記雌ソケット高周波信号端子320は、U字状の第三接触部321と、L字状第三固定部322とを含む。
【0051】
一番目の雌ソケット高周波信号端子320Aの第三接触部321は第一スロット312に固定接続され、好ましくは、一番目の雌ソケット高周波信号端子320A、第二底部311及び第一スロット312はインサート成形により一体に固定されている。一番目の雌ソケット高周波信号端子320Aの第三接触部321は、第一舌部212により第一スロット312に挿通され、一番目の雄ソケット高周波信号端子220Aの第一接触部221に接触し、高周波信号伝送が実現されている。
【0052】
二番目の雌ソケット高周波信号端子320Bの第三接触部321は第三スロット314に固定接続され、好ましくは、二番目の雌ソケット高周波信号端子320B、第二底部311及び第三スロット314はインサート成形により一体に固定されている。二番目の雌ソケット高周波信号端子320Bの第三接触部321は第三舌部214により第三スロット314に挿通され、二番目の雄ソケット高周波信号端子220Bの第一接触部221に接触し、高周波信号伝送が実現されている。
【0053】
一番目の雌ソケット高周波信号端子320Aと二番目の雌ソケット高周波信号端子320Bは回転対称である。
【0054】
図9図10に示されるように、雌ソケット低周波信号端子330はストリップ状で対をなして設けられ、一対当たりの雌ソケット低周波信号端子同士は回転対称であり、好ましくは二対あり、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。
【0055】
前記雌ソケット低周波信号端子330は、U字状の第四接触部331と、短冊状で前記第一底部211内に嵌められている第四固定部332とを含む。
【0056】
雌ソケット低周波信号端子330は第二スロット313に固定接続され、好ましくは、雌ソケット低周波信号端子330、第二底部311及び第二スロット313はインサート成形により一体に固定されている。雌ソケット低周波信号端子330の第四接触部331は、第二舌部213により第二スロット313と挿通し合って雄ソケット低周波信号端子230の第二接触部231に接触し、低周波信号伝送が実現されている。
【0057】
図9図10に示されるように、雌ソケット遮蔽端子340はストリップ状で、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものであり、好ましくは二つあり、一番目の雌ソケット遮蔽端子340Aは一番目の雌ソケット高周波信号端子320Aと雌ソケット低周波信号端子330との間に位置し、一番目の雌ソケット高周波信号端子による雌ソケット低周波信号端子への電磁干渉の影響が低減されている。
【0058】
二番目の雌ソケット遮蔽端子340Bは、二番目の雌ソケット高周波信号端子320Bと雌ソケット低周波信号端子330との間に位置し、二番目の雌ソケット高周波信号端子による雌ソケット低周波信号端子への電磁干渉の影響が低減されている。
【0059】
上記構造により、雌ソケット遮蔽端子340と雌ソケット遮蔽筐体350により遮蔽層が構成され、雌ソケット高周波信号端子320が受ける外部の信号干渉及び/又は雌ソケット低周波信号端子330への信号干渉は低減されている。好ましくは、前記雌ソケット遮蔽端子340は中間が高く両端が低い形状となり、前記雌ソケット遮蔽端子340の一端は前記雌ソケット遮蔽筐体350の内壁面に近く、前記雌ソケット遮蔽端子340の他端は前記雌ソケット遮蔽筐体350の内壁面に近く、遮蔽効果が向上している。
【0060】
図11に示されるように、雌ソケット遮蔽筐体350は、金属材料(一般に銅合金)を用いる金属射出成形によるものである。
【0061】
雌ソケット遮蔽筐体350は第二環状底部351と第二筒状壁部352とを含む。
【0062】
第二環状底部351はほぼ正方形の中空板状を呈する。
【0063】
第二筒状壁部352は、第二環状底部351の内孔縁に沿って上へ延びるように形成されており、第二筒状壁部352の内孔と第一筒状壁部252の外周面は互いに嵌合され、雌ソケット絶縁本体の第二底部311は第二筒状壁部352内に位置し、それにより、外部電磁信号による雌ソケット高周波信号端子と雌ソケット低周波信号端子への影響が低減されている。
【0064】
従来技術による小さい空間でランドを配置し難いという問題を解決するために、本発明では、一つの雄ソケット高周波信号端子、他の雄ソケット高周波信号端子及び雄ソケット低周波信号端子は、雄ソケット遮蔽端子により隔離され、相互間の電磁干渉の影響が低減され、二つの雄ソケット遮蔽端子間に複数の雄ソケット低周波信号端子を設けることが可能になり、また、一つの雌ソケット高周波信号端子、他の雌ソケット高周波信号端子及び雌ソケット低周波信号端子は、雌ソケット遮蔽端子により隔離され、相互間の電磁干渉の影響が低減され、二つの雌ソケット遮蔽端子間に複数の雌ソケット低周波信号端子を設けることが可能になり、また、一つの雄ソケット高周波信号端子と他の雄ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雄ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雄ソケット低周波信号端子同士は回転対称であり、一つの雌ソケット高周波信号端子と他の雌ソケット高周波信号端子は回転対称であり、前記少なくとも二つの雌ソケット低周波信号端子は対をなして設けられ、一対当たりの雌ソケット低周波信号端子同士は回転対称であり、これにより、雄ソケット又は雌ソケットはUSB-Cのように順方向挿通と逆方向挿通に対応可能になり、従来技術に比べて、高周波信号と低周波信号の伝送が実現されるとともに、高周波信号による低周波信号への干渉の影響を低減することも可能になる。
【0065】
前記インサート成形とは、予め用意された異材質のインサート部材をダイに入れてから樹脂を注入し、溶融した材料をインサート部材と接合させ硬化させることで、一体化製品とする成形工法である。
【0066】
上記実施例の様々な技術的特徴は任意に組み合わせてもよく、説明を簡単にするため、上記実施例中の個々の技術的特徴の可能な組合せのすべてについて説明してはいないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しなければ、本明細書に記載の範囲に属するものと見なすべきである。
【0067】
上記実施例は本発明の実施形態を示すものに過ぎず、具体的且つ詳細に説明されていたが、特許の範囲に対する制限として理解されるべきではない。当業者にとっては、本発明の要旨から逸脱することなく若干の変形や改良を行ってもよく、それらのすべては本発明の保護範囲に属することは注意されたい。このため、本発明の保護範囲は請求項によって決まるものとなる。
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