(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】自動車両の安全ベルトデバイスのための照明付きベルトバックル
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/242 20170101AFI20220926BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220926BHJP
B60Q 3/64 20170101ALI20220926BHJP
B60Q 3/78 20170101ALI20220926BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220926BHJP
A44B 11/26 20060101ALI20220926BHJP
B60R 22/18 20060101ALI20220926BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220926BHJP
【FI】
B60Q3/242
F21V17/00 402
B60Q3/64
B60Q3/78
F21V8/00 100
F21V8/00 310
F21V8/00 320
F21V8/00 360
A44B11/26
B60R22/18
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020534836
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018084154
(87)【国際公開番号】W WO2019121095
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-06-22
(31)【優先権主張番号】102017223457.1
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】シェーンヒェン、アーント
(72)【発明者】
【氏名】ロタリウ、イウリアン
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/097089(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0031367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/242,3/64
A44B 11/26
B60R 22/18
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の安全ベルトのための照明付きベルトバックル(1)であって、
-ハウジング(2)と、
-前記ハウジング(2)内で移動可能な押しボタン(3)と、
-前記ハウジング(2)の縁部セクション(21)と前記押しボタン(3)に隣接し、前記ベルトバックル(1)にロック可能なラッチプレートをする挿入スロット(4)と、
-少なくとも1つの光源(10)及び少なくとも1つの光ガイド(11)と、を備え、
-前記光ガイド(11)が、前記光源(10)の光が入力する入光面(22)と、少なくとも1つの発光面(12、13)とを含み、
-当該ベルトバックル(1)が、前記ハウジング(2)のハウジング部分(7、8、9)と前記ハウジング(2)の内部のキャビティ(15)の少なくとも一方から前記光ガイド(11)
の形状に適合されて全体を覆う遮蔽要素(14)を更に備えたことを特徴とする照明付きベルトバックル(1)。
【請求項2】
前記光ガイド(11)が、入光面(22)から互いに分離された2つの分岐(18、19)に分岐することに特徴付けられる、請求項1に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項3】
-前記遮蔽要素(14)が、前記光ガイド(11)の前記分岐(18、19)の間に配設されることに特徴付けられる、請求項2に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項4】
-前記遮蔽要素(14)が、前記ハウジング(2)のアンダーキャップ(8)から前記光ガイド(11)を遮蔽することに特徴付けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項5】
前記遮蔽要素(14)が前記光ガイド(11)の形状
全体に沿って、当該光ガイド(11)の内側に配置されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項6】
-前記光ガイド(11)が、前記ハウジング(2)の前面(5)と平行に第1のセクション(16)に延び、第2のセクション(17)で、前記ハウジング(2)に囲まれた前記ベルトバックル(1)のキャビティ(15)に入り込む形状を有することに特徴付けられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項7】
-前記ラッチプレートがロックのために挿入される前面(5)が、前記ハウジング上に形成され、
-前記光ガイド及び/又は前記発光面(12、13)が、前記前面(5)から内側に入り込んだ環状形状を有することに特徴付けられる、請求項1~
6のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項8】
-前記光ガイド(11)及び前記遮蔽要素(14)が、一体型であることに特徴付けられる、請求項1~
7のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項9】
-前記光ガイド(11)及び前記遮蔽要素(14)が、二成分射出成形プロセスで製造されるか、又は射出成形プロセスによって互いに結合されることに特徴付けられる、請求項9に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項10】
-前記光ガイド(11)が、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレート(PMMA)からなることに特徴付けられる、請求項10に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項11】
-前記遮蔽要素(14)が、前記光ガイド(11)に形状嵌合で接続されることに特徴付けられる、請求項1~
7のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項12】
-前記光ガイド(11)が、前記ハウジング(2)のハウジング部分(7、8、9)に形状嵌合で接続されることに特徴付けられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【請求項13】
-無負荷の初期状態における前記分岐(18、19)間の距離が、前記光ガイド(11)が前記ハウジング(2)に挿入されると、前記分岐(18、19)に予応力がかかるように前記ハウジング(2)の内側ハウジング幅(B)よりも大きいことに特徴付けられる、請求項1~
12のいずれか一項に記載の照明付きベルトバックル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のプリアンブルの特徴を有する、自動車両のシートベルトデバイスのための照明付きベルトバックルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両の安全ベルトデバイスのためのベルトバックルは、一般に、ベルトウェビング上に移動可能に案内されるか、又はベルトウェビングの端部にしっかりと接続されるラッチプレートを車両にしっかりとロックする働きをする。この目的のために、ベルトバックルは、ラッチプレート用の挿入スロットと、押しボタンを介して解放され得るロック機構とを有する。ロック機構は、ばね式であり、挿入スロットへの挿入時にラッチプレートを自動的にロックする。ラッチプレートを解放するために、乗員は、押しボタンを押し下げ、それにより、ロック機構が解放され、ラッチプレートは、ロック機構の解放されたばね力によって排出される。
【0003】
このようなベルトバックルは、先行技術であった。そのようなベルトバックルの問題は、バックル止めするために、乗員が安全ベルトをバックル止めさせるためにラッチプレートを挿入するベルトバックルの比較的狭い挿入スロットを見つけなければならないことである。
【0004】
ドイツ特許出願公開第DE3904125(A1)号から、光伝導材料を介してベルトバックルの所定の発光面に結合された光源をベルトバックルに設けることが知られている。この場合の発光面は、押しボタン自体、及び押しボタンの反対側の挿入スロットの側面に配設された放射面である。押しボタンは、その機能のために移動可能であるように設計する必要があるため、押しボタンに固定して配設された光伝導材料は、押しボタンが押されていない位置にあるとき、光伝導材料の入光面が外部光源に測光的に接続されるような方式で押しボタン内に位置決めする必要がある。この位置にある光伝導材料の入光面が、生産に関連する形状の偏差又は機械的影響により、測光的に外部光源に接続されていない場合、光が押しボタンに供給されないか、完全に供給されないので押しボタン自体が点灯しないか、必要以上に弱く点灯する。
【0005】
更に、ドイツ特許出願公開第DE102007047704(A1)号から、ベルトバックル内に、光ガイドが、挿入スロットの端部に配設された少なくとも2つの発光面を有する光ガイドを設けることが知られている。発光面自体は三角形の形状であり、ハウジングの縁部と押しボタンの円錐側面との間のハウジングの前側の自由三角形領域に配設されている。発光面は、特に、可能な限り最良の光度を達成するために、それらがハウジングの前側の隅の自由領域を可能な限り広範囲に満たすように寸法付けされている。
【0006】
ドイツ特許出願公開第DE102016204961(A1)号は、自動車両内の安全ベルトデバイスのための照明付きベルトバックルを開示している。照明付きベルトバックルは、ハウジングと、ハウジング内で移動できる押しボタンと、ラッチプレートを挿入するための、ハウジングの縁部セクション及び押しボタンによって隣接する挿入スロットとを備えている。光ガイドに結合された光源は、照明可能なベルトバックル上に提供され、光ガイドは、入光面から互いに分離された2つの分岐に分岐する。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、一般的な種類の照明付きベルトバックルの発光面の特に効率的で均一な照明を達成し、光ガイドが汚れたり損傷したりするリスクを低減することである。
【0008】
この目的を達成するために、請求項1に記載の特徴を有する照明付きベルトバックルが提案されている。本発明の更なる好ましい実施形態は、従属請求項、図面、及び関連する説明から推測され得る。
【0009】
本発明の基本的なアイデアによれば、遮蔽要素が、光ガイドの分岐間に配設され、押しボタンが配設される、少なくともハウジングのハウジング部分及び/又はハウジングの内部のキャビティから光ガイドを遮蔽することが提案される。
【0010】
提案される解決策の利点は、ハウジング内で迷光が回避されることである。これにより、照明付きベルトバックルの放射面又は複数の放射面におけるより良好な発光効率を達成することができる。更に、ラッチプレートを挿入するためにスロットから出ることができる迷光が回避される。これにより、放射面のコントラストを向上させることができ、挿入スロットの発見を容易にすることができる。更に、遮蔽要素は、ハウジング部品間の接合部又はラッチプレートの挿入スロットを通してハウジング内に浸透する可能性がある汚れ、ほこり、又は液体から光ガイド及び光源を保護する。
【0011】
いくつかの用途では、光ガイドが、光源に割り当てられた入光面と、互いに分離された2つの発光面を有している場合に有利であり、光ガイドは、入光面から互いに分離された2つの分岐に分岐し、発光面のうちの1つは、分岐のうちの1つにそれぞれ割り当てられる。光源は、それによって、出光面からより長い距離で配設され得る。提案された解決策により、光ガイドに結合された光は、2つの出光面に分配され、そこから2つの光ガイド本体に結合される。したがって、光ガイドは、光源から発する光束の分枝を実質的に形成する。それにより、単一の光源を使用して、2つの発光面を照明することができる。光ガイドは、入光面から互いに分離された2つの分岐に分岐し、出光面の1つは、分岐のうちの1つにそれぞれ割り当てられる。光ガイドの分岐は、光ガイド本体の入光面に分岐した後、互いに分離された2つの光束を別々に導く働きをする。この場合、光ガイドの分岐は、任意の所望の形状を有することができ、利用可能な空間条件に応じて、ベルトバックル内の光ガイドの柔軟な設計によって、望みどおりに走らせることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、遮蔽要素は、ハウジングのアンダーキャップから光ガイドを遮蔽することが提案される。ハウジングのアンダーキャップから光ガイドを遮蔽すると、光ガイド又は迷光の潜在的な障害に関して重要である、照明付きベルトバックルの一部が遮蔽される。
【0013】
照明付きベルトバックルの好ましい実施形態では、遮蔽要素の成形は、光ガイドの形状に適合されることが提供される。これにより、損傷及び汚れの侵入から光ガイドの特に効率的な遮蔽がもたらされる。加えて、ハウジングの内部のキャビティは、光ガイドに適合された遮蔽要素によって実質的に保持され得、その結果、この領域にベルトバックル及び押しボタンのロック機構を配設するための十分な空間がある。
【0014】
照明付きベルトバックルの好ましい実施形態によれば、光ガイドは、ハウジングの前面と平行に第1のセクションに延び、第2のセクションで、ハウジングに囲まれたベルトバックルのキャビティに浸る形状を有することが提供される。このようにして、一方で、ラッチプレートの挿入スロットの輪郭に沿って直接延びることが好ましい、第1のセクションで広範囲の放射面を実現することができ、他方で、光ガイドの第2のセクションでは、射出成形ツール内で光ガイドを簡単に収容及びセンタリングすることができ、その結果、光ガイドを位置的精度で収容することができる。したがって、製造に関連する許容誤差及び散乱を低減することができる。更に、製造又は組み立てプロセスにおいて光ガイドが損傷するリスクが低減される。
【0015】
この場合、第1のセクションが180°~320°の角度セグメントにわたって延びることが好ましい。その結果、第1のセクションは、少なくとも挿入スロットに沿って完全な照明を可能にするのに十分に大きく、それによって挿入スロットの発見を容易にする。更に、完全に周辺の放射面は存在せず、射出成形ツール内の光ガイドの収容及びセンタリングを容易にする。
【0016】
この場合、第1のセクションが240°~300°の角度範囲にわたって延びる場合、特に好ましい。240°~300°の角度範囲は、そのような角度範囲の照明が挿入スロットと平行に、及び挿入スロットの短い側縁部の両方で可能であるため、特に有利である。この場合、最大300°のスパンで、これら2つの端部の間に押しボタンと閉鎖機構を配設するために放射面の2つの端部の間に十分な距離があることが達成される。したがって、照明付きベルトバックルの組み立て中の光ガイドへの損傷のリスクが低減される。
【0017】
更に、ラッチプレートがロックのために挿入される前面が、ハウジング上に形成され、光ガイド及び/又は発光面(複数可)が、前面の平面からオフセットされた環状形状を有することが有利に提供される。射出成形ツール内の光ガイドのより容易な収容は、前面から凹んだ光ガイドの領域により、同様に可能である。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、光ガイド及び遮蔽要素が一体であることが提供される。一体型設計は、照明付きベルトバックルの組み立てを簡略化し、ベルトバックルの生産コストを低減することができる。
【0019】
この場合、光ガイド及び遮蔽要素が2成分射出成形プロセスで生産されることが好ましい。特に簡単で費用効果の高い方法は、2成分射出成形であり、この場合、光ガイドは、光伝導性の第1のプラスチック材料から生産され、遮蔽要素は、対応する光遮蔽第2のプラスチック材料から生産される。
【0020】
代替的に、光ガイド及び遮蔽要素は、射出成形プロセスによって材料結合及び/又は形状嵌合で互いに接続されることが有利である。2成分射出成形プロセスの代替として、第1の射出成形プロセスで光ガイド、その後の第2の射出成形プロセスで遮蔽要素を生産し、この第2の射出成形プロセスで、材料の結合及び/又は形状嵌合で構成要素を互いに接続することが可能である。この目的のために、対応する形状、特に光ガイド方向に沿って走る溝が、光ガイドと遮蔽要素との間の形状嵌合を改善するために光ガイド上に提供され得る。
【0021】
これは、光ガイドが、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレート(PMMA)から生産される場合に特に好ましい。ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートは、寸法的に安定した透明なプラスチックで、光伝導性があり、機械的損傷の影響を比較的受けない。ポリカーボネート及びポリメチルメタクリレートは、射出成形プロセスで処理できるため、このような光ガイドの簡単でコスト効率の高い生産が可能である。
【0022】
本発明の代替的な実施形態では、遮蔽要素が、形状嵌合で光ガイドに接続されることが有利に提供される。形状に適合した接続により、組み立て後に遮蔽要素が光ガイドに対して移動することがなくなり、長期にわたってその機能を実施することができる。損傷を伴わずに可逆的に解放可能な、光ガイドと遮蔽要素との間のクリップ接続の形態での形状嵌合が特に好ましい。その結果、故障又は損傷した構成要素を容易に交換することができ、その結果、組み立て中の破損コストを特に低減することができる。
【0023】
代替的に、少なくとも2つのハウジング部又はハウジング部と光ガイドとの間の遮蔽要素の力適合が提供される。この場合、遮蔽要素は、ベルトバックルの通常の動作関連の応力下でも、その位置に固定され、遮蔽機能を確実に満足させることができるようにクランプされることが好ましい。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、光ガイドは、ハウジングのハウジング部分、特にハウジングシェルに形状嵌合で接続されることが提供される。光ガイドの正確な位置決めは、ハウジングへの光ガイドの形状嵌合接続によって達成することができる。これにより、ベルトバックルに挿入されたラッチプレートによる光ガイドの緩い分岐への可能性のある損傷を回避することができる。
【0025】
照明付きベルトバックルの有利な実施形態によれば、無負荷の初期状態での分岐間の距離は、光ガイドがハウジングに挿入されると、分岐の予応力をもたらすように、ハウジングの内部ハウジング幅よりも大きいことが提供される。これにより、光ガイドの分岐が、寸法的に安定な方式でハウジングの壁に載ることを可能にする締まり嵌めをもたらす。更に、このように間隙は、回避され、追加の迷光をもたらし、追加の遮蔽を必要とする可能性がある。
【0026】
本発明の更なる改善において、遮蔽要素は、エラストマーからなるか、又はエラストマーによって包まれていることが提供される。照明付きベルトバックルの電子機器の、ベルトバックルに入る液体に対する密封は、エラストマーで作製された遮蔽要素、又はエラストマーで包まれた遮蔽要素によって達成することができる。したがって、機械的保護及び迷光の低減に加えて、ベルトバックルの照明の破損のリスクを別の方法で低減することができる。
【0027】
照明付きベルトバックルの有利な開発によると、発光面が直線の輪郭を持っていることが提供され、その形状は、挿入スロットに向かって見る方向に横方向に配設された押しボタンの縁部側の形状に適合されている。この場合、押しボタンの操作は、ベルトバックルが基本的な方向にあるという点で促進され、押しボタンは、バックルありの通常の位置内及び無負荷又はバックルなしの位置内の両方で常に発光面の同じ側に配設される。挿入スロットはまた、押しボタンに対して固定された向きで常に配設されているため、それによってバックル止めプロセスのためにより容易に見出すことができる。
【0028】
好ましい実施形態では、2つの発光面が照明付きベルトバックルに設けられており、押しボタンの異なる反対側の縁部側に配設されている。これにより、押しボタンは2つの発光面によって両側が囲まれるので、発光面間の押しボタンの位置は明確に画定され、したがって、発光面で特に簡単に見つけることができる。この目的のために、押しボタン自体は検出可能である必要はなく、乗員は、ラッチプレートを解放し、バックル止め解除プロセスを開始するために、発光面の間に位置する表面上の指で単に、押しさえすればよい。
【0029】
代替的に、有利には、発光面は、部分セグメントで押しボタンを囲む好ましくは連続的なストリップとして設計されることが提供される。これにより、乗員は連続的に取り囲んでいるストリップによって境界付けられた領域内の点を押すだけでよいという点で、乗員は、押しボタンをとりわけうまく見つけることができるため、押しボタンの特に簡単な操作が可能になる。
【0030】
本発明によれば、自動車両の安全ベルトデバイスのための照明付きベルトバックルを生産する方法が提案される。照明付きベルトバックルは、ハウジングと、ハウジング内で移動可能な押しボタンと、ベルトバックルにロック可能なラッチプレートを挿入するための、ハウジングの縁部セクション及び押しボタンに隣接する挿入スロットと、少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの光ガイドと、を有し、光ガイドが、入光面から互いに分離され、かつ少なくとも1つの発光面に結合された2つの分岐に分岐する。本発明によれば、光ガイドの分岐の間に遮蔽要素が配設され、少なくともハウジングのハウジング部分及び/又は押しボタンが配設されるハウジングの内部のキャビティから光ガイドを遮蔽することが提案されている。対応する方法により、従来技術から知られている欠点を克服する、照明付きベルトバックルの簡単で費用効果の高い生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
添付の図面を参照しながら、本発明を好ましい実施形態を使用して以下に説明する。同じ機能を有する同一の構成要素又は構成要素は、図中の同一の参照符号によって識別される。
【0032】
【
図1】2分岐光ガイド及び2つの発光面を有する照明付きベルトバックルのハウジングを示す。
【
図2】本発明による照明付きベルトバックルの光ガイドを示しており、この光ガイドは少なくとも部分的に遮蔽要素によって覆われている。
【
図3】本発明による照明付きベルトバックルの更なる図を示す。
【
図4】上部ハウジング部分が取り外された、本発明による照明付きベルトバックルの平面図を示す。
【
図5】上部ハウジング部分が取り外された、本発明による照明付きベルトバックルの更なる平面図を示す。
【
図6】本発明による照明付きベルトバックルの前面の正面図を示す。
【
図7】照明付きベルトバックルの代替の例示的な実施形態を示す。
【
図8】本発明による照明付きベルトバックルのための代替の光ガイドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、車両の安全ベルトデバイスの照明付きベルトバックル1のハウジング2の半分を示している。押しボタン3は、ハウジング2内に設けられ、ハウジング2内で移動可能に案内され、ハウジング2の前側5の開口部28を通してアクセス可能である。更に、明確にするために図示されていないロック機構がハウジング2に設けられており、押しボタン3を押し下げるか、押しボタン3をハウジング2に挿入することによって解除することができる。ロック機構の組み立て後、図示され見ることができるハウジング2の半分は、図示されていない後半によって完成され、その結果、ロック機構は、全ての側面でハウジング2によって囲まれる。
【0034】
押しボタン3及びハウジング2の開口部28は、押しボタン3とハウジング2の縁部21との間に挿入スロット4が存在するような寸法であり、ベルトバックルのロック機構にロックするために、安全ベルトデバイスのラッチプレートを挿入スロットに挿入することができる。挿入スロット4は、一方の側で押しボタン3によって横方向に、及びハウジング2の縁部21によって他方の側で横方向に隣接する。2つのスロット26及び27は、押しボタン3の側でハウジング2に設けられ、押しボタン3の隣接する縁部側24及び25のプロファイルに適合されたプロファイルを有する。ハウジング2の開口部28の形状は、押しボタン3の断面形状に少なくともほぼ対応するので、スロット26及び27も、開口部28を形成するハウジング2の縁部と平行に延びる。更に、一方の側が開いており、その上に光源10が固定された、好ましくはLEDの形態のキャリアプレート6が固定可能なシート29が、開口部28とは反対側のハウジング2の半分の側に設けられている。光源10に加えて、光源10を作動させるための及び/又はベルトバックルスイッチなどの他の信号を処理するための様々なメモリ及び計算モジュールも、キャリアプレート6上に更に設けることができる。特に、色変更モジュールが提供され、照明付きベルトバックル1は、ラッチプレートが挿入スロット4に挿入されていないとき、色変更モジュールによって赤く照明され、ラッチプレートが挿入されるとき、白、緑、又は赤とは異なる色で照明され、自動車両の室内照明又はダッシュボード照明に適切である。
【0035】
また、ハウジング2には、光ガイド11及び2つの発光要素30、31が設けられている。発光要素30及び31は、光伝導特性を有する、ポリカーボネート又はPMMAなどの寸法的に安定な透明プラスチックから形成される。発光面の形状は、スロット26及び/又は27に適合され、発光要素30及び31は各々、ハウジング2の内側からスロット26及び27の1つに挿入することができる。しかしながら、代替的に、発光要素30及び31はまた、2成分スプレープロセスにおいて、ハウジング2のプラスチックによって少なくとも部分的に封入され得る。好ましくは、光ガイド11は、最大発光効率を達成するために、空気間隙によって少なくとも大部分が囲まれている。
【0036】
光ガイド11は、光ガイド11が固定位置にあるとき、光源10の反対側にある入光面22を有し、それにより、光源10によって放射された光は、光ガイド11に入る。入光面22から開始して、光源10によって放射された光は、最初に、光ガイド11の最初のセクションにおいて、光ガイド11が2つの分岐18及び19に分岐する分岐点に送られる。次いで、光は、次に分岐18及び19に、そして分岐18及び19の前側の発光面12及び13へと更に送られる。分岐18及び19は、利用可能な設置空間条件に従って、ハウジング2のキャビティ15内の湾曲した経路で走ることができるように寸法付けされ及び柔軟である。したがって、光源10によって放射された光は、最初に入光面22を通って光ガイド11に導入され、次に更に分岐18及び19を通って発光面12及び13に送られる。中央光源10、光ガイド11、及び2つの発光要素30及び31を使用する提案された解決策は、キャリアプレート6を備えた光源10が、取り付け及び接触のために有利な位置に配設できること、及び光が、光ガイド11及び発光要素30と31を介して所定の場所に導かれ、そこに放射されることができることの利点がある。結果的に、光源10の配置及び発光面12及び13の場所は、互いに実質的に独立して選択することができる。しかしながら、代替的に、発光面12及び13は、自己発光、電気的に活性化可能なフィルム、又はガス充填光源によって形成されてもよい。
【0037】
発光面12及び13は、線形設計であり、押しボタン3の隣接する縁部側24及び25に適合されたプロフィルを有する。更に、発光面12,13は、挿入スロット4の端部まで延び、挿入スロット4をそれらの間に封入する。発光面12及び13及び挿入スロット4は、それによって、3つの側面上に押しボタン3を囲む線を実質的に形成する。この場合、発光面12と13は、好ましくは、乗員がラッチプレートの前側を発光面12と13を接続する位置の上に位置決めし、次に、ベルトのバックルの方向に動かすとき、乗員が、常にラッチプレートで挿入スロット4に到達するように、挿入スロット4と同一又はより小さい幅を有する。更に、発光面12と13は、暗闇の中でさえ、乗員が、発光面12と13の間の面を押すだけで、非常に簡単に押しボタン3に到達することができるように、押しボタン3を介してハウジング2の開口部28に位置する前面を含む。
【0038】
図2は、本発明による照明付きベルトバックル1の光ガイド11を示す。光ガイド11は、キャリアプレート6上に配設された光源10に結合された入光面22を有する。光ガイド11は、枝角の方式で入光面22から2つの分岐18及び19に分岐し、その結果、2つの発光面12及び13を供給することが可能である。代替的に、光ガイドを更に2つ以上の分岐、特に3つ又は4つの分岐に分岐することも可能であり、分岐18及び19は各々再び分岐し、したがって4つの発光面を有する合計4つの分岐を形成することが提供される。
【0039】
光ガイド11の分岐18と19との間には、光ガイド11の形状に適合された遮蔽要素14が配設される。この場合、遮蔽要素14は、ハウジング2から離れて面する光ガイド11の側に配設され、光ガイド11を機械的損傷から効率的に保護し、同時に、さもなければハウジング2の内部のキャビティ15に入る可能性がある迷光を遮蔽するために、これらの表面に対して少なくとも100%、好ましくは120%~200%の重なりを有する。更に、遮蔽要素は、光源をベルトバックル1に浸透する湿気に対して光源を制御するために光源10及びキャリアプレート6上に配設された他の電子機器を遮蔽することができ、したがって照明付きベルトバックル1の耐久性を向上させる。
【0040】
図3は、三次元表現における本発明による照明付きベルトバックル1を示す。ピン20は、ハウジング2上に形成され、光ガイド11及び/又は遮蔽要素14を広げさせる。その結果、光ガイド11及び/又は遮蔽要素14は、固定位置にしっかりと固定することができる。加えて、分岐18、19の開放端部は、分岐18、19がそれぞれのハウジング部分7、8に当接するように、延伸によってハウジング2に押し付けられることができる。更に、シート23を遮蔽要素14上に形成することができ、それを介して、遮蔽要素14は、形状嵌合でピン20に接続することができる。
【0041】
図4は、本発明による照明付きベルトバックル1の開放ハウジング2の平面図を示す。この場合、光ガイド11の分岐18、19は、予応力のためにハウジング2の内側の幅に対して特大であり、その結果、締まり嵌めが生じる。結果として、分岐18、19の開放端部は、ハウジング2に隣接する。加えて、又は代替的に、分岐18,19は、ハウジング2と形状嵌合により案内され得る。
図3に示されるように、分岐18、19は、それを通して分岐18、19が広がって光源10の領域に固定される遮蔽要素14上のシート23によって予応力が与えられる。
【0042】
図5は、本発明による照明付きベルトバックル1の更なる平面図を示す。遮蔽要素14は、光源10及び/又は光ガイド11からの迷光を遮蔽するその機能に加えて、照明付きベルトバックル1の電気システムの乾燥を維持し、ハウジング2に浸透する液体を照明付きベルトバックルの電子機器から離れさせるようにするための追加の遮蔽としても機能することが理解され得る。照明付きベルトバックル1の照明を制御するためのキャリア要素5、光源10、及び更なる電子機器を、照明ユニット35内で組み合わせることができる。
【0043】
図6は、照明付きベルトバックル1の前面5の正面図を示す。ハウジング2のカバー9内には、図示しない押しボタン3が配設された開口部28が形成されていることを見ることができる。更に、カバー9には、押しボタン3とカバー9との間に挿入スロット4が形成された凹部が示されており、この挿入スロットには、ラッチプレートを挿入することができる。カバー9には、挿入スロット4を探すことがより容易になる2つの発光面12,13が形成されている。カバー9は、好ましくは、不透明なプラスチックで作製され、一方、発光面12、13は、光伝導性プラスチック、特に、ポリカーボネート又はPMMAで作製され、光ガイド11の分岐18、19の終端を形成する。
【0044】
図7は、本発明による照明付きベルトバックル1の別の例示的な実施形態を示す。挿入要素36は、
図1~
図6と実質的に同じ設計でカバー9に挿入される。挿入要素36は、発光面12、13が形成される円周リングセクション34を有する。円周リングセクション34は、ベルトバックル1の前面5に平行に走る第1のセクション16と、前面5の平面からベルトバックル1に窪む第2のセクション17と、を有する。前面5の円周リングセクション34は、ほぼ270°のセグメントにわたって前面5に平行に走り、それは、ハウジング2の前面5に垂直に環状セクション34のそれぞれの端部32、33でハウジング2に
入り込む。光ガイド11の成形により、挿入要素36の発光面12、13への簡略化された接続が可能である。円周リングセクション34と、好ましくは前面5の平面に対して垂直に形成される第2のセクション17とにより、射出成形工具における挿入要素36のより容易な収容及びセンタリングが可能である。
【0045】
図8は、本発明による照明付きベルトバックル1の光ガイド11の別の例示的な実施形態を示す。光ガイド11は、入光面22から発光要素30、31が形成される、端部の第1の分岐18及び第2の分岐19に分岐する。発光要素30、31から出る光は、挿入要素36の円周リングセクション34に結合され、発光面12、13を介して放出放射される。ハウジング2内への挿入要素36の形状嵌合及び/又は力嵌合収容によって、光ガイド11に対する挿入要素36の単純なセンタリングが可能であり、それにより、発光効率を最適化することができる。