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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/12 20060101AFI20220926BHJP
   D06F 29/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
D06F39/12 A
D06F29/00 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020541996
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2019074154
(87)【国際公開番号】W WO2019149246
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】201810103574.X
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810103208.4
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810148815.2
(32)【優先日】2018-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】張新華
(72)【発明者】
【氏名】李文偉
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼本▲フ▼
(72)【発明者】
【氏名】衣少磊
(72)【発明者】
【氏名】趙志偉
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/097098(WO,A1)
【文献】中国実用新案第203741597(CN,U)
【文献】特開2009-247899(JP,A)
【文献】特表2016-526456(JP,A)
【文献】特開平10-085479(JP,A)
【文献】特開2010-063691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/12
D06F 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
上下に重ねて設置される第1衣類処理槽及び第2衣類処理槽と、
前記フレームに装着された装着台と、及び、
コンプレッサを含むヒートポンプシステムと、を含む衣類処理装置であって、
前記フレームは、前記第2衣類処理槽を載置するための下フレームを含み、前記下フレームの上部には上方へ延伸する上フレームが装着されており、前記第1衣類処理槽が前記上フレーム内に装着され、
前記装着台は前記フレーム内に固定されて、前記第1衣類処理槽と前記第2衣類処理槽との間に位置し、
前記装着台の中央部を前記第2衣類処理槽から退避するよう突出させることで退避部を形成しており、
前記退避部はアーチ型構造をなしており、
前記装着台のうち前記退避部の少なくとも一方の側が平面構造をなすよう設けられて装着部を形成しており、
前記コンプレッサは前記装着台の前記装着部に装着されることを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記下フレームは水平に設置される四角形のベースを含み、前記ベースの四隅には、上方へ垂直に延伸する縦梁がそれぞれ設けられており、左右両側の隣り合う前記縦梁同士が、それぞれ中央補強部材を介して接続及び固定することで、前記第2衣類処理槽を装着するためのフレーム構造を規定することを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記上フレームは、前側寄りの左右両端に設けられた上方へ垂直に延伸する2本の上縦梁を含み、2本の前記上縦梁の下端はいずれも前記下フレームに固定接続され、2本の前記上縦梁の上部には後方へ延伸する上補強部材がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記上フレームの前記上縦梁の下端は、前記下フレームの前記中央補強部材及び/又は前記縦梁の上端に固定接続されることを特徴とする請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記上縦梁の上端には後方へ水平に屈曲するフランジが設けられており、前記上補強部材の端部が、前記フランジの上側に然るべく密着して載置されるとともに、ネジにより固定接続されることを特徴とする請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記上縦梁は、横断面が「L」型をなし、前部側板及び側部側板から構成され、前記前部側板は、前記フレームの前側に対し平行又は重なり合うように設置され、前記側部側板は、前記フレームの側部に対し平行又は重なり合うように設置され、前記側部側板の上端には水平に延伸する開口が設けられており、前記前部側板の上端には水平に延伸する折れ線が設けられており、前記折れ線と前記開口は面一に設けられ、前記上縦梁の上端が前記折れ線周りに後方へ90度屈曲することで、前記上縦梁の屈曲部が前記フランジを構成することを特徴とする請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記フランジは、前記上縦梁の前記前部側板の上端から後方へ水平に屈曲する水平フランジと、前記水平フランジの側部から下方へ垂直に屈曲する垂直フランジを含み、前記垂直フランジは、前記上縦梁の前記側部側板に然るべく密着するよう設置されるとともに、リベット接合により固定され、前記上補強部材の端部は前記水平フランジの上側に載置されて前記ネジで接続されることを特徴とする請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記水平フランジの端部が前記上縦梁から突出するよう設けられ、前記上補強部材の載置及び密着に供されるよう、前記水平フランジの後方への延伸長さは、前記上縦梁の前記側部側板の水平幅よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記上補強部材は断面が「L」の帯状構造であり、前記上補強部材の両側の内壁が、それぞれ前記水平フランジの上側及び前記垂直フランジの外側に然るべく位置規制されるよう接触することを特徴とする請求項7に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記フレームは、前記衣類処理装置の側板を固定するための側部フレームを含み、前記ヒートポンプシステムは、前記側部フレームに固定された冷却ファンを含むことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記側部フレームは垂直に設置される2本の縦梁を含み、2本の前記縦梁の間には補強部材が接続されており、前記冷却ファンは、前記補強部材及び/又は前記縦梁に固定されることを特徴とする請求項10に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記冷却ファンは、固定フレームを介して前記フレームに固定され、前記固定フレームは、前記冷却ファンを装着する固定部と、前記補強部材及び/又は前記縦梁に接続及び固定される接続部を含み、前記固定部は、前記冷却ファンの吸気面が前記コンプレッサに正対して設置されるよう、前記コンプレッサに向かって傾斜して設けられることを特徴とする請求項11に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記固定フレームの前記接続部は前記固定部の両側に位置しており、一方が前記補強部材に接続及び固定されるとともに、他方が前記補強部材に接続される前部の前記縦梁に固定されることを特徴とする請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記退避部は、前記装着台のうち前記第2衣類処理槽の天井部の表面に対応して設けられる上方へ突出したアーチ型構造をなしていることを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記コンプレッサは、固定プレートを介して垂直に前記装着台に固定されることを特徴とする請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
固定プレートは、プレート状本体と、前記プレート状本体に固定接続される固定支持脚を含み、前記固定支持脚を前記装着台に固定装着することで前記プレート状本体を一定の高さだけ上昇させ、前記コンプレッサは前記プレート状本体に装着されることを特徴とする請求項15に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
前記コンプレッサの底部には底脚が設けられており、前記プレート状本体には、緊締部材によって前記コンプレッサの前記底脚を接続及び固定するために接続孔が開設されており、前記固定支持脚は、前記プレート状本体にそれぞれ接続される複数の接続片を含んでおり、各前記接続片は、前記プレート状本体の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面を形成しており、各前記屈曲面には、前記装着台に接続及び固定するための接続孔が開設されていることを特徴とする請求項16に記載の衣類処理装置。
【請求項18】
前記プレート状本体は三角形構造をなしており、前記三角形構造の3つの角に接続孔がそれぞれ開設されており、各前記接続孔は、前記コンプレッサの3つの底脚にそれぞれ対応しており、緊締部材による接続及び固定に用いられ、前記固定支持脚は、前記三角形構造の3つ辺にそれぞれ接続される接続片を含んでおり、各前記接続片は、それぞれ前記三角形構造の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面を形成しており、各前記屈曲面には、前記緊締部材によって前記装着台に接続及び固定するための接続孔が設けられていることを特徴とする請求項16又は17に記載の衣類処理装置。
【請求項19】
前記コンプレッサの底脚は底端よりも高くなっており、前記プレート状本体の中央部には退避孔が開設されており、前記コンプレッサの底端は前記退避孔に当接し、前記退避孔が前記コンプレッサを支持することを特徴とする請求項16~18のいずれか1項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の分野に関し、特に、2つの衣類処理槽を有する洗濯機のフレームに関し、更に、前記フレームを利用する衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、家電製品として人々の生活に幅広く利用されている。洗濯機ハウジングにも様々なものが登場しており、一体構造のものもあれば、複数の部材からなる組立構造のものもある。しかし、一体構造の洗濯機ハウジングには、加工コストが嵩み、材料や性能に対する要求が高いとの欠点がある。また、複数の部材からなる組立構造の洗濯機ハウジングの多くには、接続方式に起因して、成型が難しく、強度に劣るとの課題が存在する。
【0003】
洗濯機のハウジングは、いずれも一定の強度を持った支持フレームの外部をハウジングカバープレートで被覆してなる。一般的に、従来の洗濯機では、複数の支持ロッドで直方体の辺を構成して直方体を規定したあと、各支持ロッドの接触箇所を固定することで洗濯機のフレームを形成している。
【0004】
例えば、特許文献1の洗濯機ハウジングの構造は、前面板、背面板、左側板及び右側板を含み、左上辺梁、上前梁及び右上辺梁から構成される上フレームと背面板の上部が固定接続される。また、左下辺梁、下前梁及び右下辺梁から構成される下フレームと背面板の底部が固定接続される。左上辺梁と左下辺梁の間には左側板が固定装着されており、上前梁と下前梁の間には前面板が固定装着されており、右上辺梁と右下辺梁の間には右側板が固定装着されている。
【0005】
しかし、従来のフレームは、ダブルドラム洗濯機への応用時に提供する支持強度が不足しており、上下2つの回転槽に十分な装着支持強度を提供することができない。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許第200920241062.6号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上下に配置される2つの衣類処理槽を効果的に支持し、全体の支持強度を向上可能とするために、衣類処理装置のフレームを提供することを目的とする。発明の目的を実現するために、以下の技術方案を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
衣類処理装置のフレームであって、衣類処理装置は、上下に重ねて設置される第1衣類処理槽及び第2衣類処理槽を含む。フレームは、第2衣類処理槽を載置するための下フレームを含む。下フレームの上部には上方へ延伸する上フレームが装着されており、前記第1衣類処理槽が上フレーム内に装着される。
【0010】
更に、下フレームは水平に設置される四角形のベースを含む。ベースの四隅には、上方へ垂直に延伸する縦梁がそれぞれ設けられており、中央補強部材を介して少なくとも一対の隣り合う縦梁を接続及び固定することで、第2衣類処理槽を装着するためのフレーム構造を規定する。好ましくは、左右両側の隣り合う縦梁同士が、それぞれ左中央補強部材と右中央補強部材を介して固定接続され、より好ましくは、左中央補強部材と右中央補強部材が対称に設けられる。
【0011】
更に、上フレームは、前側寄りの左右両端に設けられた上方へ垂直に延伸する2本の上縦梁を含む。2本の上縦梁の下端はいずれも下フレームに固定接続され、2本の上縦梁の上部には後方へ延伸する上補強部材がそれぞれ接続されている。
【0012】
更に、上フレームの上縦梁の下端は、下フレームの中央補強部材及び/又は縦梁の上端に固定接続される。
【0013】
更に、上縦梁の下端は中央補強部材及び/又は縦梁の上端に然るべく密接し、且つ釘により固定接続される。好ましくは、上縦梁の下端外側は中央補強部材の内側に然るべく密着し、且つ、上下に設置される2つのネジを密接箇所に接続することで、上縦梁と中央補強部材を固定接続する。
【0014】
更に、上縦梁の上端には後方へ水平に屈曲するフランジが設けられている。上補強部材の端部は、フランジの上側に然るべく密着して載置されるとともに、ネジにより固定接続される。好ましくは、上縦梁は、横断面が「L」型をなす2つの帯状の側板から構成される。2つの帯状の側板とは、それぞれ、フレームの前側に対し平行又は重なり合うように設置される前部側板と、フレームの側部に対し平行又は重なり合うように設置される側部側板である。前部側板の上端には水平に延伸する開口が設けられており、側部側板の上端には水平に延伸する折れ線が設けられている。前記折れ線と開口は面一に設けられ、上縦梁の上端が折れ線周りに後方へ90度屈曲することで、上縦梁の屈曲部がフランジを構成する。
【0015】
更に、前記フランジは、上縦梁の前部側板の上端から後方へ水平に屈曲する水平フランジと、水平フランジの側部から下方へ垂直に屈曲する垂直フランジを含む。前記垂直フランジは、上縦梁の側部側板に然るべく密着するよう設置されるとともに、リベット接合により固定される。上補強部材の端部は水平フランジの上側に載置されてネジで接続される。好ましくは、水平フランジの端部が上縦梁から突出するよう設けられ、上補強部材の載置及び密着に供されるよう、水平フランジの後方への延伸長さは、上縦梁の側部側板の水平幅よりも大きい。
【0016】
更に、上補強部材は断面が「L」の帯状構造であり、上補強部材の両側の内壁が、それぞれ水平フランジの上側及び垂直フランジの外側に然るべく位置規制されるよう接触する。
【0017】
更に、下フレームの後側には中央後方補強部材が設けられている。中央後方補強部材は水平に延伸しており、両端がそれぞれ後側の2本の縦梁の上部に固定接続される。好ましくは、2つの上補強部材の後端は、それぞれ第1衣類処理槽の後固定プレートに接続され、後固定プレートの下端が下フレームに固定接続される。
【0018】
本発明は、更に、衣類を処理する第1衣類処理槽と第2衣類処理槽が設けられており、前記いずれかのフレームが装着されている衣類処理装置について説明する。
【0019】
好ましくは、衣類処理装置は、ヒートポンプシステム、フレーム、及びフレームに装着される装着台を含む。前記ヒートポンプシステムは、コンプレッサと冷却ファンを含み、前記コンプレッサが前記装着台に装着される。前記冷却ファンは、前記フレームに固定されるとともに、前記コンプレッサに対向するよう設置される。
【0020】
上記の方案では、装着台の内部空間が小さいとの問題を考慮して、冷却ファンをフレームに固定することで装着台の装着空間を節約している。また、冷却ファンをフレームに固定することで、冷却ファンが衣類処理装置のハウジングにいっそう近接するため、通気効果が向上し、コンプレッサの温度低下に有利となる。
【0021】
好ましくは、前記フレームは、衣類処理装置の側板を固定するための側部フレームを含み、前記冷却ファンが前記側部フレームに固定される。
【0022】
上記の方案では、冷却ファンをフレームの側部フレームに装着するため、衣類処理装置のハウジングの側板に通気口を開設する。これにより、衣類処理装置の前面板に通気口を開設する必要がないため、装置の前面板の一体的構造が維持される。従って、前面板に一体感が備わり、前面板の見栄えにとって有利となることから、衣類処理装置の見栄え改善において明らかな向上作用が奏される。
【0023】
好ましくは、前記側部フレームは垂直に設置される2本の縦梁を含む。2本の縦梁の間には補強部材が接続されており、前記冷却ファンは、前記補強部材及び/又は縦梁に固定される。
【0024】
上記の方案において、フレームの両側にはそれぞれ側部フレームが設けられており、側部フレームごとに、2本の縦梁と、2本の縦梁を接続する補強部材が設けられている。前記冷却ファンは、フレームの一方の側の補強部材に固定される。
【0025】
好ましくは、前記装着台のうち前記補強部材側には装着部が設けられており、前記コンプレッサが当該装着部に固定される。また、前記冷却ファンは、補強部材及び/又は縦梁に固定されるとともに、前記コンプレッサに対向するよう設置される。
【0026】
上記の方案では、装着台のうち補強部材側に装着部が設けられるため、コンプレッサは装着台の辺縁位置に装着される。よって、冷却ファンによる温度低下に有利であるとともに、装着台の構造にも適している。
【0027】
好ましくは、前記冷却ファンは、補強部材に設置されるとともに、前記コンプレッサに正対するよう設置される。
【0028】
或いは、前記冷却ファンは、補強部材に設置されるとともに、コンプレッサとは位置をずらして設置され、前記冷却ファンの吸気面がコンプレッサに正対するよう設置される。
【0029】
好ましくは、前記フレーム内には、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽が上下に装着されており、前記装着台は、フレーム内に固定されて第1衣類処理槽と第2衣類処理槽の間に位置している。また、前記装着台の中央部を第2衣類処理槽から退避するよう突出させることで退避部を形成している。装着台のうち退避部の一方の側は平面構造をなすよう設けられ、装着部を形成している。前記コンプレッサは当該装着部に装着され、前記冷却ファンは、フレームのうち装着部側に位置する補強部材及び/又は縦梁に固定される。
【0030】
上記の方案において、前記補強部材は、第2衣類処理槽のバネアセンブリを掛接及び接続するためにも用いられる。フレームの両側に位置する2つの補強部材には、第2衣類処理槽の両側の2つのバネアセンブリがそれぞれ掛接される。
【0031】
好ましくは、前記冷却ファンは、固定フレームを介してフレームに固定される。前記固定フレームは、冷却ファンを装着する固定部と、補強部材及び/又は縦梁に接続及び固定される接続部を含む。前記固定部は、冷却ファンの吸気面がコンプレッサに正対して設置されるよう、コンプレッサに向かって傾斜して設けられる。
【0032】
上記の方案において、冷却ファンがコンプレッサと位置をずらして装着される場合には、コンプレッサを当該固定部に装着したあとに、吸気面がコンプレッサに正対して設置されるよう、固定フレームの固定部をコンプレッサに向かって傾斜するよう設ける。
【0033】
好ましくは、固定フレームの接続部は固定部の両側に位置しており、一方が補強部材に接続及び固定されるとともに、他方が前記補強部材に接続される前部の縦梁に固定される。
【0034】
上記の方案では、冷却ファンの安定的な固定を実現するために、固定フレームは、コンプレッサと位置をずらして装着されるとともに、接続部を介して、フレームの前部の縦梁と、当該縦梁に接続される補強部材にそれぞれ接続される。当該構造によって、冷却ファンを安定的に固定可能にするとの効果が奏される。
【0035】
好ましくは、前記固定フレームはシート状構造をなしており、シート状構造の一部の表面がコンプレッサ側に向かって傾斜するよう突出することで、冷却ファンを固定するための固定部を形成している。また、フレームのうち固定部の辺縁に位置する部分が接続部となる。
【0036】
固定フレームの接続部はシート状構造をなしており、フレームの一方の側の側部フレームに密着及び固定されるとともに、当該側部フレームの表面と平行になる。前記固定部もまたシート状構造をなしており、シート状構造の表面がコンプレッサに向かって傾斜するよう設けられる。これにより、固定部の表面と接続部の表面とが一定の夾角をなすよう設けられるため、ファンが固定部に装着されると、フレームの側部フレームとの間に3°の夾角が形成される。
【0037】
好ましくは、前記シート状構造の固定部の表面には、冷却ファンの形状と一致する開口が開設されており、前記冷却ファンが当該開口に装着及び固定される。好ましくは、前記固定部の表面はL型構造をなしている。また、冷却ファンは四角形のプレート状構造をなしており、隣り合う両側の辺縁がそれぞれL型構造の2つの内側の辺縁に緊締部材を介して接続及び固定される。
【0038】
好ましくは、緊締部材によって冷却ファンを接続及び固定するために、前記固定部の表面における前記開口の辺縁には接続孔が開設されている。
【0039】
更に、L型構造の固定部は、垂直方向に延伸する垂直面と、水平方向に延伸する水平面を含む。前記接続部は、前記垂直面と水平面にそれぞれ接続する第1接続面と第2接続面を含む。当該第1接続面はフレームの前部側の縦梁に接続及び固定され、第2接続面は当該縦梁に接続される補強部材に接続及び固定される。また、第1接続面と第2接続面の間で突出する固定部の表面に冷却ファンが装着される。
【0040】
好ましくは、装着台は、部分的に突出した退避部と、平面をなすよう設けられる装着部を含む。前記ヒートポンプシステムはコンプレッサを含み、コンプレッサは前記装着台の装着部に固定される。
【0041】
上記の方案において、装着台には、突出する退避部が底部の第2衣類処理槽に対応して設けられているが、当該退避部の設計はコンプレッサの装着及び固定にとって不利となる。そこで、本発明では、全く新しい装着台の構造に基づいて、コンプレッサの装着構造を適応的に改良した。これにより、コンプレッサの固定の安定性が保証されるとともに、装着台の装着空間の節約にもなる。
【0042】
好ましくは、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽はフレーム内に上下に装着される。前記退避部は、装着台のうち第2衣類処理槽の天井部の表面に対応して設けられる上方へ突出したアーチ型構造をなしている。そして、アーチ型構造の少なくとも1つの辺が水平に延伸することで前記装着部を形成しており、コンプレッサが前記装着台の装着部に固定される。
【0043】
上記の方案では、装着台の中央位置に、底部の第2衣類処理装置から退避するために上方へ突出したアーチ型構造が設けられており、装着台のうちアーチ型構造の一方の辺を装着部としている。これにより、コンプレッサを装着台の辺縁位置に装着することで、コンプレッサの固定の安定性を保証するとともに、装着台上の装着空間を十分に活用している。前記装着部、アーチ型構造、第1衣類処理槽の3つによってコンプレッサを収容するための空間が規定される。
【0044】
好ましくは、アーチ型構造の少なくとも1つの辺が水平に延伸することで、フレームの側面と平行に延伸する装着部が形成される。前記コンプレッサは、装着部の延伸方向に沿って水平に装着台内に装着される。或いは、コンプレッサは、装着部の延伸方向とは垂直に、装着台上に縦向きに装着される。
【0045】
上記の方案では、フレームが、衣類処理装置の側板を固定するための側部フレームを含むことで前記フレームの側面を構成している。また、前記装着部の延伸方向は、2つの衣類処理槽の軸線と平行である。
【0046】
好ましくは、前記コンプレッサは、固定プレートを介して垂直に装着台に固定される。
【0047】
上記の方案において、装着部は装着台の辺縁位置に置かれる。即ち、2つの衣類処理槽の間において一方の側に位置するが、当該箇所の空間は比較的大きいため、十分にコンプレッサを当該空間内に設置及び固定可能である。且つ、コンプレッサを装着部に垂直に固定することで、装着部の空間の節約に有利となるため、装着部を更にその他の装置又は構造の取り付けにも利用可能となる。
【0048】
好ましくは、固定プレートは、プレート状本体と、プレート状本体に固定接続される固定支持脚を含み、前記固定支持脚を装着台に固定装着することでプレート状本体を一定の高さだけ上昇させる。前記コンプレッサは前記プレート状本体に装着される。
【0049】
上記の方案において、固定支持脚はプレート状本体を一定の高さだけ上昇させるため、コンプレッサが宙に浮いた状態で装着される。よって、コンプレッサの放熱に有利となる。
【0050】
好ましくは、前記コンプレッサの底部には底脚が設けられている。前記プレート状本体には、緊締部材によってコンプレッサの底脚を接続及び固定するために接続孔が開設されている。また、前記固定支持脚は、プレート状本体にそれぞれ接続される複数の接続片を含んでいる。各接続片は、プレート状本体の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面を形成しており、各屈曲面には、装着台に接続及び固定するための接続孔が開設されている。
【0051】
上記の方案において、各固定支持脚は、プレート状本体の周側において装着部に固定されることで、プレート状本体に固定されたコンプレッサを安定的に固定する。
【0052】
好ましくは、前記プレート状本体は三角形構造をなしており、三角形構造の3つの角に接続孔がそれぞれ開設されている。各接続孔は、コンプレッサの3つの底脚にそれぞれ対応しており、緊締部材による接続及び固定に用いられる。また、前記固定支持脚は、当該三角形構造の3つ辺にそれぞれ接続される接続片を含んでいる。各接続片は、それぞれ三角形構造の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面を形成している。各屈曲面には、緊締部材によって装着台に接続及び固定するための接続孔が設けられている。
【0053】
上記の方案では、プレート状本体を三角形としているため、空間の節約になるとともに、良好な固定効果も有する。
【0054】
好ましくは、前記コンプレッサの底脚は底端よりも高くなっている。また、前記プレート状本体の中央部には退避孔が開設されている。コンプレッサの底端は当該退避孔に当接し、退避孔が前記コンプレッサを支持する。
【0055】
上記の方案では、退避孔を設けることでコンプレッサの底部を支持しているため、コンプレッサに対し良好な固定支持効果が奏される。また、当該退避孔を設けてコンプレッサを支持することで、平面構造によりコンプレッサを支持する場合よりも優れた安定効果を有する。
【0056】
好ましくは、前記装着部には前記退避孔に対応して内側に凹陥する構造が設けられ、内側に凹陥する構造の表面とコンプレッサの底端の間に隙間が隔てられる。これにより、コンプレッサの放熱に有利となる。
【0057】
好ましくは、前記コンプレッサは、柱状の本体と、当該本体の一方の側に設けられる貯液タンクを含む。また、コンプレッサをプレート状本体に固定したときに前記貯液タンクの底端を回避するために、前記プレート状本体の周側の3つの屈曲面のうち1つの屈曲面の長さは他の2つの屈曲面よりも短くなっている。
【発明の効果】
【0058】
上記の技術方案によれば、本発明は従来技術に対して以下の利点を有する。
【0059】
フレームを互いに独立した上下のフレームとすることで、フレーム部分の取り換えやメンテナンスを可能にするとの目的が実現される。また、第1衣類処理槽と第2衣類処理をそれぞれ対応するフレーム部分に然るべく装着することで、装置のモジュール化管理が実現される。これにより、同一の流れ生産ラインにおいて、第2衣類処理槽のみを有する装置と、第1及び第2衣類処理槽の双方を有する装置とを生産可能になるため、装置のモジュール化度合が向上し、生産コストが低下する。
【0060】
且つ、本発明は構造がシンプルであり、効果が著しく、利用普及に適している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1図1は、本発明の一実施例における衣類処理装置のフレーム構造を示す図である。
図2図2は、本発明の実施例の図1におけるI部分の拡大構造を示す図である。
図3図3は、本発明の実施例の図1におけるII部分の拡大構造を示す図である。
図4図4は、本発明の衣類処理装置のフレーム構造を示す図である。
図5図5は、本発明の一実施例における衣類処理装置の装着構造を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施例における衣類処理装置を別の角度から見た装着構造を示す図である。
図7図7は、本発明の衣類処理装置のフレームと装着台の接続構造を示す図である。
図8図8は、図7のA部分の拡大図である。
図9図9は、本発明の衣類処理装置のフレーム構造を示す図である。
図10図10は、図9のB部分の拡大図である。
図11図11は、ベース上のコンプレッサとフレーム上の冷却ファンの組み合わせ図である。
図12図12は、固定フレーム構造を示す図である。
図13図13は、図12の正面図である。
図14図14は、図12の平面図である。
図15図15は、衣類処理装置の装着台の構造を示す図である。
図16図16は、装着台の平面図である。
図17図17は、固定プレートの平面図である。
図18図18は、固定プレートの立体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下に、実施例を組み合わせて、本発明につき更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0063】
図4図6に示すように、本実施例では、衣類処理装置のフレーム構造について説明する。衣類処理装置は、フレーム1と、上下に設置される第1衣類処理槽及び第2衣類処理槽を含む。第1衣類処理槽と第2衣類処理槽の間には装着台3が設けられている。前記装着台3は、衣類処理装置のフレーム1に固定装着される。
【0064】
水平に設置される装着台をフレームの中央部に固定装着することで、衣類処理装置の上下2つの衣類処理槽をそれぞれ異なるベースに然るべく装着可能としている。これにより、2つの衣類処理槽をそれぞれ効果的に支持し、固定装着可能にするとの目的が達せられる。また、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽の間に第1衣類処理槽を支持及び固定するための装着台を設置し、2つの衣類処理槽を隔離している。これにより、2つの衣類処理槽の騒音や震動が分断され、共振が回避されることから、機器稼働時における過剰な騒音や過度に激しい震動が防止される。
【0065】
本実施例において、前記フレーム1は、水平に設置される四角形のベース03を含む。ベース03の四隅には、上方へ垂直に延伸する縦梁11がそれぞれ設けられており、左右両側の隣り合う2本の縦梁11が、それぞれ中央補強部材04を介して接続されている。また、前記装着台3が中央補強部材04に固定装着される。フレームの左右両側の中央部に中央補強部材をそれぞれ設置することで、装着台に効果的な支持平面が提供されるため、装着台がしっかりとフレームに装着及び固定される。
【0066】
本実施例において、装着台3は水平に延伸するシート状構造をなしており、装着台3の左右両側がそれぞれ対応する側の中央補強部材04に然るべく載置されて、ネジにより固定接続される。
【0067】
本実施例において、前記中央補強部材04は、垂直面において水平方向に延伸する帯状のプレート材である。装着台3の左右の側壁は、それぞれ対応する側の中央補強部材04の内側壁に然るべく密接し、且つ、対応する密接箇所に少なくとも1つのネジで固定接続される。
【0068】
本実施例において、中央補強部材04の中央部には、フレームの内部に向かって突出する支持プレス形状が設けられている。支持プレス形状は水平方向に延伸しており、装着台3の側部下壁が支持プレス形状の上側面に然るべく載置される。対向するよう突出する2つのプレス形状を中央補強部材に設けることで、装着台をプレス形状の上側面に容易に載置可能となり、装着台を予め位置決めして装着するとの目的が達成される。
【0069】
本実施例において、2つの中央補強部材04の前端には上方へ垂直に延伸する上縦梁05が設けられている。上縦梁05の下端は、中央補強部材04及び/又は装着台3に固定接続される。
【0070】
本実施例において、装着台3の前端には上槽前補強部材26が装着されている。更に、上槽前補強部材26は、2本の上縦梁05にそれぞれ固定接続される。好ましくは、上槽前補強部材26は、中央部から両端に向かってそれぞれ上方へ湾曲する円弧状のプレート材である。上槽前補強部材26の中央部は装着台3の前端中央部に固定接続され、上槽前補強部材26の両端は、それぞれ対応する側の上縦梁05に固定接続される。
【0071】
本実施例において、上縦梁05は、横断面が「L」型の垂直に延伸する帯状のプレート材で構成される。上縦梁05の下端内側は、装着台3側の対応する隅における外側壁に然るべく密接する。また、上縦梁05の下端は、対応する側の中央補強部材04に設置されている支持プレス形状に然るべく載置される。好ましくは、上縦梁05は、装着台3の対応する密接箇所に少なくとも1つのネジで固定接続される。
【実施例2】
【0072】
図1図3に示すように、本実施例では、衣類処理装置のフレームについて説明する。衣類処理装置は、上下に重ねて設置される第1衣類処理槽及び第2衣類処理槽を含む。フレーム1は、第2衣類処理槽を載置するための下フレーム101を含む。下フレーム101の上部には上方へ延伸する上フレーム102が装着されており、前記第1衣類処理槽が上フレーム102内に装着される。
【0073】
フレームを互いに独立した上下のフレームとすることで、フレーム部分の取り換えやメンテナンスを可能にするとの目的が実現される。また、第1衣類処理槽と第2衣類処理をそれぞれ対応するフレーム部分に然るべく装着することで、装置のモジュール化管理が実現される。これにより、同一の流れ生産ラインにおいて、第2衣類処理槽のみを有する装置と、第1及び第2衣類処理槽の双方を有する装置とを生産可能になるため、装置のモジュール化度合が向上し、生産コストが低下する。
【0074】
図1に示すように、本実施例において、下フレーム101は、水平に設置される四角形のベース03を含む。ベース03の四隅には、上方へ垂直に延伸する縦梁11がそれぞれ設けられている。また、中央補強部材04を介して少なくとも一対の隣り合う縦梁11を接続及び固定することで、第2衣類処理槽を装着するためのフレーム構造を規定している。好ましくは、左右両側の隣り合う縦梁同士が、それぞれ左中央補強部材と右中央補強部材を介して固定接続され、より好ましくは、左中央補強部材と右中央補強部材が対称に設けられる。
【0075】
本実施例において、上フレーム102は、前側寄りの左右両端に設けられた上方へ垂直に延伸する2本の上縦梁05を含む。2本の上縦梁05の下端はいずれも下フレーム101に固定接続され、2本の上縦梁05の上部には後方へ延伸する上補強部材27がそれぞれ接続されている。
【0076】
本実施例において、上フレーム102の上縦梁05の下端は、下フレーム101の中央補強部材04及び/又は縦梁11の上端に固定接続される。
【0077】
図2に示すように、本実施例において、上縦梁05の下端は中央補強部材04及び/又は縦梁11の上端に然るべく密接し、釘により固定接続される。好ましくは、上縦梁05の下端外側は中央補強部材04の内側に然るべく密着し、且つ、上下に設置される2つのネジを密接箇所に接続することで、上縦梁05と中央補強部材04を固定接続する。上縦梁の下端を中央補強部材に密着させて予め位置決めしたあと、ネジで締結して組み付け及び接続することで、上縦梁と下フレームとの組み付けの安定性及び装着効率が著しく向上する。
【0078】
図3に示すように、本実施例において、上縦梁05の上端には後方へ水平に屈曲するフランジ50が設けられており、上補強部材27の端部が、フランジ50の上側に然るべく密着して載置されるとともに、ネジにより固定接続される。好ましくは、上縦梁05は、横断面が「L」型をなす2つの帯状の側板から構成される。2つの帯状の側板とは、それぞれ、フレーム1の前側に対し平行又は重なり合うように設置される前部側板51と、フレーム1の側部に対し平行又は重なり合うように設置される側部側板52である。前部側板51の上端には水平に延伸する開口が設けられており、側部側板52の上端には水平に延伸する折れ線が設けられている。前記折れ線と開口は面一に設けられ、上縦梁05の上端が折れ線周りに後方へ90度屈曲することで、上縦梁の屈曲部がフランジ50を構成する。
【0079】
本実施例において、前記フランジ50は、上縦梁05の前部側板の上端から後方へ水平に屈曲する水平フランジ53と、水平フランジの側部から下方へ垂直に屈曲する垂直フランジ54を含む。前記垂直フランジ54は、上縦梁05の側部側板52に然るべく密着するよう設置され、且つリベット接合により固定される。また、上補強部材27の端部は水平フランジ53の上側に載置され、ネジで接続される。好ましくは、水平フランジ53の端部が上縦梁05から突出するよう設けられ、上補強部材27の載置及び密着に供されるよう、水平フランジ53の後方への延伸長さは、上縦梁05の側部側板52の水平幅よりも大きい。
【0080】
本実施例において、上補強部材27は断面が「L」の帯状構造であり、上補強部材27の両側の内壁が、それぞれ水平フランジ53の上側及び垂直フランジ54の外側に然るべく位置規制されるよう接触する。上補強部材を対応するフランジ部分に然るべく密着させて設置することで、上補強部材の組み付け支持点が強化されるため、装置全体の安定性が著しく向上する。
【0081】
本実施例において、下フレーム101の後側には中央後方補強部材8が更に設けられている。中央後方補強部材8は水平に延伸しており、両端がそれぞれ後側の2本の縦梁11の上部に固定接続される。
【0082】
本実施例において、2つの上補強部材27の後端は、それぞれ第1衣類処理槽の装着プレート28に接続され、後固定プレートの下端が下フレームに固定接続される。上記のように設置することで、乾燥機能のみを備える上部の第1衣類処理槽を上フレーム内に然るべく装着するとともに、本体上部の後側の密封固定を保証する。これにより、第1衣類処理槽の後固定プレートが、補強部材を接続する機能と、フレームの一部を構成する機能とを兼ね備えることになる。
【実施例3】
【0083】
図7図17を参照して、本実施例は、ヒートポンプシステム、フレーム1、及びフレーム1に装着される装着台3を含む衣類処理装置を提供する。前記ヒートポンプシステムは、コンプレッサ2と冷却ファン5を含む。前記コンプレッサ2は前記装着台3に装着され、前記冷却ファン5は、前記フレーム1に固定されるとともに、前記コンプレッサ2に対向するよう設置される。
【0084】
上記の方案では、装着台3の内部空間が小さいとの問題を考慮して、冷却ファン5をフレーム1に固定することで装着台3の装着空間を節約している。また、冷却ファン5をフレーム1に固定することで、冷却ファン5が衣類処理装置のハウジングにいっそう近接するため、通気効果が向上し、コンプレッサ2の温度低下に有利となる。
【0085】
好ましくは、前記フレーム1は、衣類処理装置の側板を固定するための側部フレームを含み、前記冷却ファン5が前記側部フレームに固定される。
【0086】
上記の方案では、冷却ファン5をフレーム1の側部フレームに装着するため、衣類処理装置のハウジングの側板に通気口を開設する。これにより、衣類処理装置の前面板に通気口を開設する必要がないため、装置の前面板の一体的構造が維持される。従って、前面板に一体感が備わり、前面板の見栄えにとって有利となることから、衣類処理装置の見栄え改善において明らかな向上作用が奏される。
【0087】
好ましくは、前記側部フレームは垂直に設置される2本の縦梁11を含む。2本の縦梁11の間には補強部材12が接続されており、前記冷却ファン5は、前記補強部材12及び/又は縦梁11に固定される。
【0088】
上記の方案において、フレーム1の両側にはそれぞれ側部フレームが設けられており、側部フレームごとに、2本の縦梁11と、2本の縦梁11を接続する補強部材12が設けられている。前記冷却ファン5は、フレーム1の一方の側の補強部材12に固定される。
【0089】
好ましくは、前記装着台3のうち前記補強部材12側には装着部32が設けられており、前記コンプレッサ2が当該装着部32に固定される。また、前記冷却ファン5は、補強部材12及び/又は縦梁11に固定されるとともに、前記コンプレッサ2に対向するよう設置される。
【0090】
上記の方案では、装着台3のうち補強部材12側に装着部32が設けられるため、コンプレッサ2は装着台3の辺縁位置に装着される。よって、冷却ファン5による温度低下に有利であるとともに、装着台3の構造にも適している。
【0091】
好ましくは、前記冷却ファン5は、補強部材12に設置されるとともに、前記コンプレッサ2に正対するよう設置される。
【0092】
或いは、前記冷却ファン5は、補強部材12に設置されるとともに、コンプレッサ2とは位置をずらして設置され、前記冷却ファン5の吸気面がコンプレッサ2に正対するよう設置される。
【0093】
好ましくは、前記フレーム1内には、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽が上下に装着されている。前記装着台3は、フレーム1内に固定されて第1衣類処理槽と第2衣類処理槽の間に位置している。また、前記装着台3の中央部を第2衣類処理槽から退避するよう突出させることで退避部31を形成している。装着台3のうち退避部31の一方の側は平面構造をなすよう設けられ、装着部32を形成している。前記コンプレッサ2は当該装着部32に装着され、前記冷却ファン5は、フレーム1のうち装着部32側に位置する補強部材12及び/又は縦梁11に固定される。
【0094】
上記の方案において、前記補強部材12は、第2衣類処理槽のバネアセンブリを掛接及び接続するためにも用いられる。フレーム1の両側に位置する2つの補強部材12には、第2衣類処理槽の両側の2つのバネアセンブリがそれぞれ掛接される。更に、当該補強部材12は装着台との接続及び固定にも用いられる。
【0095】
好ましくは、前記冷却ファン5は、固定フレーム13を介してフレーム1に固定される。前記固定フレーム13は、冷却ファン5を装着する固定部133と、補強部材12及び/又は縦梁11に接続及び固定される接続部を含む。前記固定部133は、吸気面がコンプレッサ2に正対して設置されるよう、コンプレッサ2に向かって傾斜して設けられる。
【0096】
上記の方案において、冷却ファン5がコンプレッサ2と位置をずらして装着される場合には、コンプレッサ2を当該固定部133に装着したあとに、吸気面がコンプレッサ2に正対して設置されるよう、固定フレーム13の固定部133をコンプレッサ2に向かって傾斜するよう設ける。
【0097】
好ましくは、固定フレーム13の接続部は固定部133の両側に位置しており、一方が補強部材12に接続及び固定されるとともに、他方が前記補強部材12に接続される前部の縦梁に固定される。
【0098】
上記の方案では、冷却ファン5の安定的な固定を実現するために、固定フレーム13は、コンプレッサ2と位置をずらして装着されるとともに、接続部を介して、フレーム1の前部の縦梁11と、当該縦梁11に接続される補強部材にそれぞれ接続される。当該構造によって、冷却ファン5を安定的に固定可能にするとの効果が奏される。
【0099】
好ましくは、前記固定フレーム13はシート状構造をなしており、シート状構造の一部の表面がコンプレッサ2側に向かって傾斜するよう突出することで、冷却ファン5を固定するための固定部133を形成している。また、フレーム1のうち固定部133の辺縁に位置する部分が接続部となる。
【0100】
固定フレーム13の接続部はシート状構造をなしており、フレーム1の一方の側の側部フレームに密着及び固定されるとともに、当該側部フレームの表面と平行になる。前記固定部133もまたシート状構造をなしており、シート状構造の表面がコンプレッサ2に向かって傾斜するよう設けられる。これにより、固定部133の表面と接続部の表面とが一定の夾角をなすよう設けられるため、ファンが固定部133に装着されると、フレーム1の側部フレームとの間に3°の夾角が形成される。
【0101】
好ましくは、前記シート状構造の固定部133の表面には、冷却ファン5の形状と一致する開口が開設されており、前記冷却ファン5が当該開口に装着及び固定される。好ましくは、前記固定部133の表面はL型構造をなしている。また、冷却ファン5は四角形のプレート状構造をなしており、隣り合う両側の辺縁がそれぞれL型構造の2つの内側の辺縁に緊締部材を介して接続及び固定される。
【0102】
好ましくは、緊締部材によって冷却ファン5を接続及び固定するために、前記固定部133の表面における前記開口の辺縁には接続孔が開設されている。
【0103】
更に、L型構造の固定部133は、垂直方向に延伸する垂直面と、水平方向に延伸する水平面を含む。前記接続部は、前記垂直面と水平面にそれぞれ接続する第1接続面131と第2接続面132を含む。当該第1接続面131はフレーム1の前部側の縦梁11に接続及び固定され、第2接続面132は当該縦梁11に接続される補強部材12に接続及び固定される。また、第1接続面131と第2接続面132の間で突出する固定部133の表面に冷却ファン5が装着される。
【実施例4】
【0104】
図7図18を参照して、本実施例2では、別の視点から本発明の衣類処理装置について記載する。本実施例2の衣類処理装置も同様に、フレーム1と、当該フレーム1内にそれぞれ装着される第1衣類処理槽及び第2衣類処理槽を含むとともに、ヒートポンプシステムと装着台3を更に含む。装着台3は、フレーム1に固定されるとともに、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽の間に位置する。装着台3は、部分的に突出した退避部31と、平面をなすよう設けられる装着部32を含む。前記ヒートポンプシステムはコンプレッサ2を含み、コンプレッサ2は前記装着台3の装着部32に固定される。
【0105】
上記の方案において、装着台3には、突出する退避部31が底部の第2衣類処理槽に対応して設けられているが、当該退避部31の設計はコンプレッサ2の装着及び固定にとって不利となる。そこで、本発明では、全く新しい装着台3の構造に基づいて、コンプレッサ2の装着構造を適応的に改良した。これにより、コンプレッサ2の固定の安定性が保証されるとともに、装着台3の装着空間の節約にもなる。
【0106】
好ましくは、第1衣類処理槽と第2衣類処理槽はフレーム1内に上下に装着される。前記退避部31は、装着台3のうち第2衣類処理槽の天井部の表面に対応して設けられる上方へ突出したアーチ型構造をなしている。そして、アーチ型構造の少なくとも1つの辺が水平に延伸することで前記装着部32を形成しており、コンプレッサ2が前記装着台3の装着部32に固定される。
【0107】
上記の方案では、装着台3の中央位置に、底部の第2衣類処理装置から退避するために上方へ突出したアーチ型構造が設けられており、装着台3のうちアーチ型構造の一方の辺を装着部32としている。これにより、コンプレッサ2を装着台3の辺縁位置に装着することで、コンプレッサ2の固定の安定性を保証するとともに、装着台3上の装着空間を十分に活用している。前記装着部32、アーチ型構造、第1衣類処理槽の3つによってコンプレッサ2を収容するための空間が規定される。
【0108】
好ましくは、アーチ型構造の少なくとも1つの辺が水平に延伸することで、フレーム1の側面と平行に延伸する装着部32が形成される。前記コンプレッサ2は、装着部32の延伸方向に沿って水平に装着台3内に装着される。或いは、コンプレッサ2は、装着部32の延伸方向とは垂直に、装着台3上に縦向きに装着される。
【0109】
上記の方案では、フレーム1が、衣類処理装置の側板を固定するための側部フレームを含むことで前記フレーム1の側面を構成している。また、前記装着部32の延伸方向は、2つの衣類処理槽の軸線と平行である。
【0110】
好ましくは、前記コンプレッサ2は、固定プレート4を介して垂直に装着台3に固定される。
【0111】
上記の方案において、装着部32は装着台3の辺縁位置に置かれる。即ち、2つの衣類処理槽の間において一方の側に位置するが、当該箇所の空間は比較的大きいため、十分にコンプレッサ2を当該空間内に固定可能である。且つ、コンプレッサ2を装着部32に垂直に固定することで、装着部32の空間の節約に有利となるため、装着部32を更にその他の装置又は構造の取り付けにも利用可能となる。
【0112】
好ましくは、固定プレート4は、プレート状本体41と、プレート状本体41に固定接続される固定支持脚を含み、前記固定支持脚を装着台に固定装着することでプレート状本体41を一定の高さだけ上昇させる。前記コンプレッサ2は前記プレート状本体41に装着される。
【0113】
上記の方案において、固定支持脚はプレート状本体41を一定の高さだけ上昇させるため、コンプレッサ2が宙に浮いた状態で装着される。よって、コンプレッサ2の放熱に有利となる。
【0114】
好ましくは、前記コンプレッサ2の底部には底脚22が設けられている。前記プレート状本体41には、緊締部材によってコンプレッサ2の底脚22を接続及び固定するために接続孔が開設されている。また、前記固定支持脚は、プレート状本体41にそれぞれ接続される複数の接続片を含んでいる。各接続片は、プレート状本体41の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面42を形成しており、各屈曲面42には、装着台3に接続及び固定するための接続孔が開設されている。
【0115】
上記の方案において、各固定支持脚は、プレート状本体41の周側において装着部32に固定されることで、プレート状本体に固定されたコンプレッサ2を安定的に固定する。
【0116】
好ましくは、前記プレート状本体41は三角形構造をなしており、三角形構造の3つの角に接続孔がそれぞれ開設されている。各接続孔は、コンプレッサ2の3つの底脚22にそれぞれ対応しており、緊締部材による接続及び固定に用いられる。また、前記固定支持脚は、当該三角形構造の3つ辺にそれぞれ接続される接続片を含んでいる。各接続片は、それぞれ三角形構造の上部外側に向かって屈曲することで屈曲面42を形成している。各屈曲面42には、緊締部材によって装着台3に接続及び固定するための接続孔が設けられている。
【0117】
上記の方案では、プレート状本体41を三角形としているため、空間の節約になるとともに、良好な固定効果も有する。
【0118】
好ましくは、前記コンプレッサ2の底脚22は底端よりも高くなっている。また、前記プレート状本体41の中央部には退避孔43が開設されている。コンプレッサ2の底端は当該退避孔43に当接し、退避孔43が前記コンプレッサ2を支持する。
【0119】
上記の方案では、退避孔43を設けることでコンプレッサ2の底部を支持しているため、コンプレッサ2に対し良好な固定支持効果が奏される。また、当該退避孔を設けてコンプレッサ2を支持することで、平面構造によりコンプレッサ2を支持する場合よりも優れた安定効果を有する。
【0120】
好ましくは、前記装着部32には前記退避孔43に対応して内側に凹陥する構造が設けられ、内側に凹陥する構造の表面とコンプレッサ2の底端の間に隙間が隔てられる。これにより、コンプレッサ2の放熱に有利となる。
【0121】
好ましくは、前記コンプレッサ2は、柱状の本体と、当該本体の一方の側に設けられる貯液タンク21を含む。また、コンプレッサ2をプレート状本体41に固定したときに前記貯液タンク21の底端を回避するために、前記プレート状本体41の周側の3つの屈曲面42のうち1つの屈曲面42の長さは他の2つの屈曲面42よりも短くなっている。
【0122】
なお、本発明における上記の実施例1及び実施例2に開示した技術方案は、組み合わせて新たな技術方案としてもよいし、それぞれを単独で実施してもよく、ここでは特に限定しない。
【0123】
上記実施例の実施方案は、更なる組み合わせ又は置き換えが可能である。また、実施例は本発明の好ましい実施例について述べたものにすぎず、本発明の構想及び範囲を限定するものではない。本発明の設計及び思想を逸脱しないことを前提に、当業者が本発明の技術方案について実施する各種の変形及び改良は、いずれも本発明の保護の範囲に属する。
【符号の説明】
【0124】
03 ベース
04 中央補強部材
05 上縦梁
8 中央後方補強部材
26 上槽前補強部材
27 上補強部材
28 後固定プレート
50 フランジ
51 前部側板
52 側部側板
53 水平フランジ
54 垂直フランジ
1 フレーム
11 縦梁
12 補強部材
13 固定フレーム
131 第1接続面
132 第2接続面
133 固定部
2 コンプレッサ
21 貯液タンク
22 底脚
3 装着台
31 退避部
32 装着部
4 固定プレート
41 プレート状本体
42 屈曲面
43 退避孔
5 冷却ファン
図1
図2
図3
図4
【図 】
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18