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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】バルーンカテーテル、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/958 20130101AFI20220926BHJP
【FI】
A61F2/958
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020559435
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019028738
(87)【国際公開番号】W WO2019209837
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】62/661,942
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェーン ケー.ボーン
(72)【発明者】
【氏名】リチャード エム.ブラッチマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ハイジン
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー.リットガーズ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/204838(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/039444(WO,A1)
【文献】特開平9-99087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0161901(US,A1)
【文献】特表2016-510647(JP,A)
【文献】国際公開第2009/009635(WO,A1)
【文献】米国特許第6159219(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムであって、前記システムは、
デリバリー直径及び公称デバイス直径を有するインプラント可能なメディカルデバイスと、
バルーンを含むデリバリーカテーテルと、
を含み、
前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記デリバリー直径から前記公称デバイス直径まで拡張することができ、前記公称デバイス直径は前記デリバリー直径よりも大きく、
前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記バルーンに取り付けられ、前記バルーンは拡張バルーン直径および前記公称デバイス直径より少なくとも3.5%大きい公称バルーン直径を有し、非拡張バルーン直径から前記公称バルーン直径への前記バルーンの連続的な膨張によって前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記デリバリー直径から前記公称デバイス直径に拡張可能であるようになっている、
システム。
【請求項2】
前記インプラント可能なメディカルデバイスが前記バルーンに取り付けられたときに、前記バルーンは8気圧未満の公称膨張圧力で公称バルーン直径を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記バルーンは、前記公称デバイス直径よりも3.5%~10%大きい公称バルーン直径を有する、請求項1~2のいずれか1項記載のシステム。
【請求項4】
前記バルーンは、前記公称デバイス直径よりも5%~10%大きい公称バルーン直径を有する、請求項1~3のいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記バルーンは4mm~15mmまでの公称バルーン直径を有する、請求項1~4のいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
前記バルーンは約7.5mmの公称バルーン直径を有する、請求項1~5のいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記バルーンの少なくとも一部の上に配置された前記バルーンの拡張を制限するカバーをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記カバーはエラストマーを含む、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記カバーは、半径方向及び軸方向に拡張可能である、請求項7~8のいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記カバーは蛇行性フィブリルを含む、請求項7~9のいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記カバーは、ほぼ一定の膨張圧力で前記バルーンの膨張を制限する停止点まで半径方向に拡張可能である、請求項7~10のいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
カテーテルと、
前記カテーテルに取り付けられたバルーンと、
前記バルーンに取り付けられそして公称デバイス直径を有するメディカルデバイスと、
を含む、バルーンカテーテルであって、
前記バルーンは公称膨張圧力及び公称バルーン直径を有し、
前記バルーンの前記公称バルーン直径は前記公称デバイス直径よりも少なくとも5%大きく、前記メディカルデバイスが前記バルーンに取り付けられているときに、前記バルーンの前記公称膨張圧力は約6気圧であり、
非拡張バルーン直径から前記公称バルーン直径への前記バルーンの連続的な膨張によって前記メディカルデバイスはデリバリー直径から前記公称デバイス直径に拡張可能である、バルーンカテーテル。
【請求項13】
カテーテルに結合されたバルーンと、
前記バルーンの少なくとも一部に沿って配置されたメディカルデバイスと、
を含む、カテーテルシステムであって、
前記バルーンは定格破裂圧力を有し、前記バルーンは60μm未満の二重壁厚を有し、
前記メディカルデバイスは公称デバイス直径を有し、
前記公称デバイス直径での前記バルーンの圧力/前記バルーンの定格破裂圧力の比は0.8未満であり、
前記デバイスが前記公称デバイス直径に拡張され、そして展開されることができるように前記バルーンを前記公称デバイス直径に拡張するときに、前記バルーンの公称膨張圧力は前記バルーンの定格破裂圧力に等しい、カテーテルシステム。
【請求項14】
前記バルーン及び前記メディカルデバイスは、前記メディカルデバイスが前記バルーンの少なくとも一部に沿って配置されたときに、2.5mm未満の直径を通してデリバリーされるように構成されている、請求項13記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
ある長さを有するバルーン、
前記バルーンの少なくとも一部の上に配置されたカバー、及び、
前記カバーの少なくとも一部の上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイス、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムであって、
前記カバーは、圧縮状態から拡張状態への前記バルーンの連続的な半径方向の拡張中に弾性的に伸長し、前記インプラント可能なメディカルデバイスに長手方向の伸長力を与える、システム。
【請求項16】
前記カバーは前記インプラント可能なメディカルデバイスの短縮化を低減する、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、圧縮状態にあるときの前記バルーンの長さと比較して、20%未満で短縮化する、請求項15~16のいずれか1項記載のシステム。
【請求項18】
カテーテルシステムを組み立てるための方法であって、前記方法は、
インプラント可能なメディカルデバイスの公称デバイス直径よりも少なくとも5%大きい公称バルーン直径を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルを選択すること、
前記バルーンの少なくとも一部の上に前記インプラント可能なメディカルデバイスを取り付けること、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイス及び前記バルーンをデリバリー直径に圧縮すること、ここで、前記デバイスが前記公称デバイス直径に拡張するように前記バルーンを前記公称デバイス直径まで連続的に拡張するときに、前記バルーンの公称膨張圧力は前記バルーンの定格破裂圧力以下である、
を含む、方法。
【請求項19】
前記バルーン上にカバーを配置すること、及び、前記インプラント可能なメディカルデバイスを前記カバーの上に取り付けることをさらに含み、その結果、前記バルーンの膨張時に前記カバーは前記メディカルデバイスに長手方向の伸長力を与える、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記デリバリー直径は1.5mm~3mmである、請求項18~19のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月24日に出願された仮出願第62/661,942号の利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、一般に、バルーンカテーテル用のバルーンに関する。より具体的には、本発明は、デリバリーカテーテル上で圧縮されたときに、かなり小さいデリバリープロファイル及びデリバリー直径を有するバルーンに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
バルーンカテーテルは、導管疾患の治療における使用を含む、様々な医療現場で使用できる。バルーンカテーテルは低侵襲血管内治療の一部として血管形成術の治療に使用できる。さらに、バルーンカテーテルは、管腔内医療処置に関連して組織(例えば、導管構造)を拡張し、血管又は他の開口部に展開されたメディカルデバイス(例えば、ステント又はステントグラフト)を拡張し又はそれらの組み合わせのために使用される。バルーンカテーテルは、閉塞の目的で(例えば、導管構造を一時的にブロックするために)使用することもできる。様々な治療位置へのデリバリーを容易にするために、バルーンがその圧縮状態にあるときに、バルーンカテーテルが小さいバルーン直径(例えば、デリバリー直径)を有することが望ましい。現在の圧縮技術では、膨張時に全体のサイズ/表面積を維持しながら、バルーンを折りたたみ、プリーツを付け、及び/又は、押し潰して、バルーンを圧縮直径に低減することを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バルーン壁厚は、所望の定格破裂圧力及び最終デバイスプロファイルに基づいて選ぶことができる。定格破裂圧力は、バルーンが破裂する前に耐えることができる内圧の量を決定し、バルーンカテーテルの有効性及び安全性における重要な変数である。したがって、バルーンの圧縮直径は、バルーンの壁厚及びバルーンが耐えることができる定格破裂圧力に関係しうる。同じ又は同様の定格破裂圧力に耐えることができる一方で、バルーンがますます小さい圧縮直径を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要旨
様々な例は、様々な異なる体の通路及び体の管腔で使用するためのバルーンカテーテル及びカテーテルシステムに関する。特に、様々な例は、拡張前に比較的に小さな体腔に到達することができる小さなデリバリープロファイルを有するバルーンカテーテル及びインプラント可能なメディカルデバイスに関する。カテーテルシステムは、一般に、デリバリーカテーテル、インプラント可能なメディカルデバイス及びバルーンを含む。
【0006】
1つの例(「例1」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムは、デリバリー直径及び公称デバイス直径を有するインプラント可能なメディカルデバイスを含む。インプラント可能なメディカルデバイスは、デリバリー直径から公称デバイス直径まで拡張することができ、ここで、公称デバイス直径はデリバリー直径よりも大きい。このシステムはまた、バルーンを含むデリバリーカテーテルを含む。インプラント可能なメディカルデバイスはバルーンに取り付けられている。バルーンは、公称デバイス直径より少なくとも3.5%大きい公称バルーン直径を有する。
【0007】
例1に加えて別の例(「例2」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスがバルーンに取り付けられたときに、バルーンは、約8気圧未満の公称膨張圧で公称バルーン直径を有する。
【0008】
例1及び2のいずれかに加えて別の例(「例3」)によれば、バルーンは、公称デバイス直径よりも3.5%~10%大きい公称バルーン直径を有する。
【0009】
例1~3のいずれかに加えて別の例(「例4」)によれば、バルーンは、公称デバイス直径より5%~10%大きい公称バルーン直径を有する。
【0010】
例1~4のいずれかに加えて別の例(「例5」)によれば、バルーンは、4mm~15mmの公称バルーン直径を有する。
【0011】
例1~5のいずれかに加えて別の例(「例6」)によれば、バルーンは、約7.5mmの公称バルーン直径を有する。
【0012】
例1~6のいずれかに加えて別の例(「例7」)によれば、システムはまた、バルーンの拡張を制限するカバーを含む。カバーは、バルーンの少なくとも一部の上に配置されている。
【0013】
例7に加えて別の例(「例8」)によれば、カバーはエラストマーを含む。
【0014】
例7及び8のいずれかに加えて別の例(「例9」)によれば、カバーは半径方向及び軸方向に拡張可能である。
【0015】
例7~9のいずれかに加えて別の例(「例10」)によれば、カバーは蛇行性フィブリルを含む。
【0016】
例7~10のいずれかに加えて別の例(「例11」)によれば、カバーは、比較的に一定の膨張圧力でバルーンの膨張を制限する停止点まで半径方向に膨張可能である。
【0017】
別の例(「例12」)によれば、バルーンカテーテルはカテーテル及び前記カテーテル上に取り付けられたバルーンを含む。バルーンは公称膨張圧力及び公称バルーン直径を有する。バルーンカテーテルはまた、バルーン上に取り付けられたメディカルデバイスを含む。メディカルデバイスは公称デバイス直径を有する。バルーンの公称バルーン直径は、公称デバイス直径より少なくとも約5%大きい。メディカルデバイスがバルーン上に取り付けられているときに、バルーンの公称膨張圧力は約6気圧である。
【0018】
別の例(「例13」)によれば、カテーテルシステムは、定格破裂圧力及び約60μm未満の二重壁厚を有するバルーンを含む。バルーンはカテーテルに結合される。カテーテルシステムはまた、バルーンの少なくとも一部に沿って配置されたメディカルデバイスを含む。メディカルデバイスは公称デバイス直径を有する。公称デバイス直径でのバルーンの圧力/バルーンの定格破裂圧力の比は約0.8未満である。
【0019】
例13に加えて別の例(「例14」)によれば、バルーン及びメディカルデバイスは、メディカルデバイスがバルーンの少なくとも一部に沿って配置されるときに、約2.5mm未満の直径を通してデリバリーされるように構成されている。
【0020】
別の例(「例15」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムは、ある長さを有するバルーンを含む。このシステムはまた、バルーンの少なくとも一部の上に配置されたカバーを含む。このシステムはまた、カバーの少なくとも一部の上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイスを含む。カバーは、バルーンが圧縮状態から拡張状態に半径方向に拡張する間に弾性的に伸長し、インプラント可能なメディカルデバイスに長手方向の伸長力を与える。
【0021】
例15に加えて別の例(「例16」)によれば、カバーは、インプラント可能なメディカルデバイスの短縮を低減する。
【0022】
例16及び17のいずれかに加えて別の例(「例17」)によれば、インプラント可能なメディカルデバイスは、圧縮状態にあるときのバルーンの長さと比較して、20%未満で短縮する。
【0023】
別の例(「例18」)によれば、カテーテルシステムを組み立てる方法は、インプラント可能なメディカルデバイスの公称デバイス直径よりも少なくとも5%大きい公称バルーン直径を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルを選択することを含む。この方法はまた、バルーンの少なくとも一部の上にインプラント可能なメディカルデバイスを取り付けることを含む。この方法はまた、インプラント可能なメディカルデバイス及びバルーンをデリバリー直径に圧縮することを含む。バルーンが公称デバイス直径まで膨張するときに、バルーンの公称膨張圧力はバルーンの定格破裂圧力以下である。
【0024】
例18に加えて別の例(「例19」)によれば、この方法はまた、バルーンの上にカバーを配置することを含む。この方法はまた、カバーがバルーンの膨張時にメディカルデバイスに長手方向の伸長力を与えるように、カバー上にインプラント可能なメディカルデバイスを取り付けることを含む。
【0025】
例18及び19のいずれかに加えて別の例(「例20」)によれば、デリバリー直径は1.5mm~3mmである。
【0026】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示しそして説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
PRV:
図面の簡単な説明
図1図1は、幾つかの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのカテーテルシステムを示す。
【0028】
図2図2は、幾つかの実施形態による、デリバリーカテーテル上に維持されたバルーン及びデバイスの拡大図を示す。
【0029】
図3図3は、幾つかの実施形態による、公称バルーン直径及び公称デバイス直径を示す。
【0030】
図4図4は、幾つかの実施形態による、カバーによって拡張直径に維持されたバルーンを示す。
【0031】
図5図5は、幾つかの実施形態による、プリーツ形成された及び折り畳まれたカテーテルシステムの近位部分の断面図である。
【0032】
図6図6は、幾つかの実施形態による、非プリーツ形成カテーテルシステムの近位部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
詳細な説明
本開示の様々な態様は、様々な異なる体の通路及び体の管腔で使用するためのバルーンカテーテル及びカテーテルシステムを対象とする。特に、本開示は、拡張前に比較的に小さな体腔に到達することができる小さなデリバリープロファイルを有するバルーンカテーテル及びインプラント可能なメディカルデバイスに関する。
【0034】
拡張可能なメディカルデバイスは、一般に、デリバリープロファイル、又は、デリバリー直径を備えたデリバリー構成及び拡張直径(公称デバイス直径としても知られる)を備えた拡張構成を有する。公称デバイス直径は、例えば、所望の治療位置での体腔の直径に対応することができる。バルーンを使用して、拡張可能なメディカルデバイスをデリバリー構成から拡張構成に拡張することができる。拡張可能なメディカルデバイスと同様に、バルーンはまた、デリバリー直径を備えたデリバリープロファイル及び拡張直径を備えた拡張構成を含む。
【0035】
特定の例において、バルーンのデリバリープロファイル/構成のサイズは、サイズ(長さ、直径及び/又は厚さ)などのバルーンの様々なパラメータに依存することができる。一般に、より小さなサイズのバルーン(例えば、より小さな長さ及び/又は直径を有する)は、より大きなサイズのバルーンと比較して、より小さなデリバリープロファイルを達成することができる。しかしながら、より小さなバルーンは、より大きなサイズのバルーンと比較して、より少ない膨張能力(例えば、利用可能な膨張圧力、膨張力、拡張/膨張直径)を有する可能性がある。したがって、より小さなバルーンは、比較的に大きなサイズのバルーンによって拡張されうる公称デバイス直径までデバイスを拡張することができない可能性がある。本明細書で論じられるバルーンカテーテル及びカテーテルシステムは、以前はより大きなプロファイルを有するバルーンを必要としたであろうデバイスをデリバリー直径から公称デバイス直径まで拡張する能力を保持しながら、小さなデリバリープロファイルを達成することができるバルーンを含む。
【0036】
図1は、幾つかの実施形態による、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのカテーテルシステム100を示す。様々な例によれば、システム100は、デリバリーカテーテル200、インプラント可能なメディカルデバイス300及びバルーン400を含む。インプラント可能なメディカルデバイス300は、患者の体内の所望の治療位置に配置するために、バルーン400の少なくとも一部にわたってデリバリー直径で維持される。カテーテルシステム100は、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするように構成されて示されているが、カテーテルシステム100は、所望に応じて、閉塞カテーテル、ドラッグデリバリーカテーテル又は拡張カテーテルとして追加的又は代替的に構成されうる。したがって、幾つかの例において、カテーテルシステム100は、インプラント可能なメディカルデバイス300を含まなくてもよい。
【0037】
図1に示されるように、デリバリーカテーテル200は、近位端210、遠位端220、及び、前記近位端210から前記遠位端220まで長手方向軸ALに沿って延在している管腔230を含む。幾つかの実施形態において、カテーテル200は、二重(デュアル)管腔又は二重(ダブル)管腔カテーテルであることができる。本明細書で使用されるときに、「二重(デュアル)管腔カテーテル」及び/又は「二重(ダブル)管腔カテーテル」という用語は、幾つかの例において、流体の流入及び流出のための2つの管腔又はチャネルを有するカテーテルとして定義することができる。
【0038】
デリバリーカテーテル200は、患者の体内の所望の治療位置に到達するために(例えば、インプラント可能なメディカルデバイス300を所望の治療位置にデリバリーするために)適した長さを有することができる。例えば、デリバリーカテーテル200は、約80cm~約140cmの長さを有することができるが、他の長さは考えられ、所望の治療位置を含む様々な要因に依存することができる。
【0039】
デリバリーカテーテル200は、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルアクリレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エラストマーオルガノシリコンポリマー、Pebax(登録商標)ポリエーテルブロックアミド、及び、ステンレス鋼及びニチノールなどの金属などの様々な従来の医療グレード材料を含むことができる。
【0040】
本明細書で単にデバイス300と呼ばれるインプラント可能なメディカルデバイス300は、デリバリーカテーテル200の遠位端220又はその近くに維持されうる。しかしながら、デバイス300はまた、所望に応じて、デリバリーカテーテル200の長手方向軸ALに沿った近位端210と遠位端220との間の他の位置に維持されうる。デバイス300は、第一のデバイス端302、第二のデバイス端304、前記第一のデバイス端302から前記第二のデバイス端304まで長手方向軸ALに沿って延在する管腔306、デリバリー直径Do及び公称デバイス直径Ddを有する。
【0041】
幾つかの実施形態において、デリバリー直径Doは、デリバリーシステム100が所望の治療位置にデリバリーされうるようなサイズである。例えば、デリバリー直径Doは、1mm~5mm又は2mm~3mmであることができるが、様々な直径が考えられる。デリバリー直径Doはまた、デリバリーシステム100が患者の体内に配置される前にイントロデューサシース(図示せず)を通過できるようなサイズであることができる。
【0042】
デバイス300は、バルーン400を膨張又は拡張することによって、デリバリー直径Doから公称デバイス直径Ddまでバルーン拡張可能であることができる。拡張デバイス直径としても知られる公称デバイス直径Ddは、デバイス300が拡張構成にあるときのデバイス300の直径を指す。幾つかの例において、公称デバイス直径Ddは、バルーン400を特定の所望の圧力まで膨張させた後のデバイス300の直径である。公称デバイス直径Ddは、所望の治療位置及び/又は患者の解剖学的構造に応じて変化しうる。幾つかの例において、公称デバイス直径Ddは、デバイスがさらなる膨張に対する抵抗の急激な増加を示す直径(例えば、同じ半径方向の拡張力の下でのさらなる拡張が停止する点)に対応する。幾つかの実施形態において、公称デバイス直径Ddは、デバイス300が患者の体内の自然及び/又は人工の管腔内に適合するようなものである。例えば、公称デバイス直径Ddは、4mm~30mm、4mm~12mm、5mm~11mm、8mm~16mm、8mm~12mm又は8mm~10mmであることができるが、様々な寸法が考えられる。
【0043】
幾つかの実施形態において、デバイス300は、ステント、グラフト、ステントグラフト又は任意の他の拡張可能でインプラント可能なメディカルデバイスであることができる。当該技術分野で知られているように、デバイス300は、1つ又は組み合わせの材料を含む、様々な生体適合性材料から作ることができる。幾つかの実施形態において、デバイス300は、ステンレス鋼などの鋼又は別の合金、ニチノールなどの形状記憶材料、又はポリマー材料などの非金属材料を含むことができる。適切な生体適合性ポリマー材料としては、とりわけ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエステル、ポリウレタン、ペルフルオロエラストマーなどのフルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、ウレタン、超高分子量ポリエチレン及びアラミド繊維を挙げることができる。
【0044】
図2は、デリバリーカテーテル200上のバルーン400上に維持されたデバイス300の拡大図を示す。示されるように、バルーン400は、デリバリーカテーテル200の一部の上に直接維持されることができる。幾つかの実施形態において、バルーン400は、デリバリーカテーテル200の遠位端220又はその近くに維持されうる。しかしながら、上記のように、バルーン400は、所望に応じて、デリバリーカテーテル200の近位端210と遠位端220との間の任意の位置に維持されうる。
【0045】
バルーン400は、第一のバルーン端402、第二のバルーン端404、及び、前記第一のバルーン端402と前記第二のバルーン端404との間に延在して管腔408を形成する壁406を含む。様々な実施形態において、壁406は単壁又は二重壁であることができる。幾つかの実施形態において、単壁バルーンは、所望に応じて、約15μm~100μm、20μm~60μm又は25μm~45μmの壁厚を有することができる。二重壁バルーンは、例えば、同心円状に配置された2つの壁406又は2つの層を含むことができる。このような場合に、壁厚は、両方の壁を組み合わせた幅又は厚さとして測定される。幾つかの実施形態において、二重壁バルーンはまた、様々な寸法が考えられるが、約15μm~100μm、20μm~60μm又は25μm~45μmの壁厚を有することができる。
【0046】
バルーン400は、定格破裂圧力が加えられたときに最大破裂圧力直径Dmaxまで拡張するように構成されている。幾つかの実施形態において、バルーン400の最大破裂圧力直径Dmaxは、バルーン400の壁406の厚さに依存しうる。本明細書で使用されるときに、「定格破裂圧力」は、少なくとも95%の信頼度で、すべてのバルーンの99.9%は破裂しない圧力として定義されうる。「最大破裂圧力直径」又はラベル付けされた破裂圧力直径は、定格破裂圧力を超えることなくバルーンによって達成可能な最大直径である。幾つかの例において、バルーン400の定格破裂圧力は、8気圧~20気圧、12気圧~18気圧又は14気圧~16気圧であるが、様々な圧力が考えられ、バルーンのサイズ、長さ及び/又は壁厚を含む様々な要因に依存することができる。参照のために、定格破裂圧力はBS EN ISO 10555-4などのASTM/ISO標準により決定されうる。
【0047】
幾つかの実施形態において、バルーン400は、デリバリーシステム100が患者の体内で管腔内にデリバリーされうるように、非拡張直径Du、又はそうでなければデリバリープロファイル又はデリバリー直径と呼ばれる直径でデリバリーカテーテル200上に維持される。幾つかの例において、非拡張直径Duは、デリバリーシステム100が、患者の体内に入る前にイントロデューサシース(図示せず)を通過することができるようなものである。例えば、非拡張直径Duは、約2mm~4mm、約2mm~3mm又は2mm未満、例えば、約1.6又は1.3mm又はそれ以下であることができる。
【0048】
幾つかの実施形態において、バルーン400は、公称膨張圧力がバルーン400に供給されるときに、非拡張直径Du(例えば、非拡張構成)と公称バルーン直径Dn(例えば、拡張構成)との間で拡張可能である。幾つかの例において、バルーン400が一定の膨張圧力でさらなる膨張に対する抵抗の急激な増加を示すときに、公称バルーン直径Dnに達する。幾つかの実施形態において、これは、バルーン400のさらなる拡張が、バルーン400の定格破裂圧力を超える圧力を付与することを使用者に要求する直径であることができる。様々な例において、公称膨張圧力は、6気圧~15気圧、8気圧~15気圧、6気圧~10気圧、6気圧~8気圧又は6気圧~7気圧であることができる。これらの公称膨張圧力は、様々な公称バルーン直径Dnに対応することができる。幾つかの実施形態において、バルーン400がデリバリーカテーテル200上に維持されるときに、公称バルーン直径Dnは、4mm~15mm、5mm~12mm、6mm~9mm又は6mm~7mmであることができる。例えば、公称膨張圧力は、公称バルーン直径Dnが9mm~16mmの場合は6気圧~10気圧であり、公称バルーン直径Dnが4mm~8mmの場合は11気圧~16気圧であることができる。
【0049】
図3は、幾つかの実施形態による、公称バルーン直径Dn及び公称デバイス直径Ddを示している。幾つかの実施形態において、公称バルーン直径Dnは、上記のように、公称デバイス直径Dd以上であることができる。幾つかの例において、図3に示されるように、公称バルーン直径Dnは、公称デバイス直径Ddよりも少なくとも3.5%大きいことができる。他の例において、公称バルーン直径Dnは、公称デバイス直径Ddより5%、6.5%、7%又は10%又はそれ以上大きいことができる。これにより、デバイスを公称デバイス直径Ddまで十分に膨張させることができる。
【0050】
幾つかの実施形態において、バルーン400は、定格破裂圧力がバルーン400にデリバリーされるときに、非拡張直径Duと最大破裂圧力直径Dmaxとの間で拡張可能である。上記のように、バルーン400は、8気圧~20気圧、11気圧~18気圧又は12気圧~16気圧の定格破裂圧力を有することができる。幾つかの実施形態において、定格破裂圧力は、公称膨張圧力よりも高いことができる。例えば、公称膨張圧力は定格破裂圧力以下であることができる。幾つかの例において、公称膨張圧力は、定格破裂圧力より少なくとも10%低く、定格破裂圧力より少なくとも15%低く、又は、定格破裂圧力より15%~40%低いことができる。他の例において、ステントを備えたバルーンの公称膨張圧力/ステントを備えたバルーンの定格破裂圧力の比は、約0.5、0.6、0.7、0.8又は0.9であることができる。この比率は、バルーン400が、上記のような特性を有しないバルーン400と比較して、より高い安全率を有することを可能にできる。上記のように、定格破裂圧力は、バルーンが破裂する前に耐えることができる内圧の量を決定し、バルーンカテーテルの有効性及び安全性における重要な変数である。
【0051】
本明細書で使用されるときに、「安全率」という用語は、最大破裂圧力直径Dmax/公称バルーン直径Dnの比として定義されうる。例えば、最大破裂圧力直径Dmax/公称バルーン直径Dnのより低い比率は、より高い安全率を与えるか、又は、言い換えれば、最大破裂圧力直径Dmax/公称バルーン直径Dnのより高い比率を有するバルーン400と比較して、公称バルーン直径Dnに膨張したときにバルーン400が破裂する可能性がより低い。
【0052】
バルーン400は、バルーン400の所望の拡張特性に応じて、様々な適切な材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、バルーン400は、例えば、非順応性の、一般に非弾性のバルーンを含むことができる。そのような実施形態において、バルーン400は、十分な加圧時にバルーン400を所望の直径に拡張し、特定の破裂圧力に達するまで、さらなる加圧下で所望の直径又はその近くに留まることができるように構成される材料を含むことができる。例えば、適切な材料としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカプロラクタム、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミド、ABSコポリマー、ポリエステル/ポリエーテルブロックコポリマー、アイオノマー樹脂、液晶ポリマー及び硬質ロッドポリマーを挙げることができる。
【0053】
幾つかの実施形態において、バルーン400は、順応性のある比較的に弾性のあるバルーンを含むことができる。例えば、バルーン400は、バルーン400への圧力が増加するにつれてバルーン400の直径が連続的に増加することを可能にするように構成された材料を含むことができる。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン、ラテックス及びポリシロキサンなどのエラストマー有機シリコーンポリマーを挙げることができる。
【0054】
幾つかの実施形態において、バルーン400は、バルーン400が順応性と非順応性の属性の両方を示すように、半順応性バルーンを含むことができる。順応性及び非順応性の実施形態に関連して記載されているが、バルーン400が所望の様式で膨張することを可能にする任意の材料又は構成は本開示の範囲内である。
【0055】
図4は、幾つかの実施形態による、カバーによって非拡張直径に維持されたバルーンを示す。示されるように、バルーン400は、カバー500によって少なくとも部分的に非拡張直径Duに維持される。カバー500は、バルーン400の全部又は一部にわたって非拡張構成に維持されることができ、バルーン400を維持し、束縛し又はさもなければ拘束するように構成されうる。幾つかの例において、バルーン400は、カバー500の下に拘束され、カバー500は、バルーンの作動長の少なくとも一部又は全部を覆う。バルーンの「作業長」は、拡張して医療処置の一部として利用されるように構成されたバルーンの部分を指す。
【0056】
カバー500は、第一のカバー端502、第二のカバー端504、内面506及び外面508を有する。幾つかの実施形態において、バルーン400は、カバー500によって同軸に包囲されうる。例えば、内面506は、バルーン400とカバー500が実質的に同じ形状を含むように、バルーン400の外面に実質的に一致しうる。幾つかの実施形態において、カバー500は、バルーン400とは異なる形状又は構成であることができる。
【0057】
幾つかの実施形態において、カバー500はまた、バルーン400の半径方向の拡張中に弾性的に伸長するように構成される。例えば、バルーン拡張中に、バルーン400は、長手方向に伸長し、カバー500上に長手方向の伸長力を与えることができる。カバー500は、次に、デバイス300に長手方向に伸長する力を与えることができ、これは、デバイスの拡張の結果として発生する可能性のある長手方向の短縮力を打ち消すことができる。本明細書で使用されるときに、「短縮率」は、デバイス300の長さが、その非拡張直径からその拡張直径に、又は言い換えれば、その非拡張構成からその拡張構成に拡張されたときに減少する百分率であることができる。幾つかの実施形態において、デバイス300は、カバー500のないシステム100とは対照的に、カバー500とともに使用されるときに、20パーセント未満で短縮することができる。
【0058】
カバー500は、バルーン400の長さ412よりも長い長さ512を有することができる。幾つかの実施形態において、カバー500は、第一のカバー端502及び第二のカバー端504が第一のバルーン端502及び第二のバルーン端504を超えて延在するように、バルーン400を完全に覆う。幾つかの実施形態において、カバー500は、次に、第一のバルーン端402及び第二のバルーン端404で軸方向に圧縮又は押し潰されることができる。幾つかの実施形態において、カバー500は、一端(例えば、第一のバルーン端部402又は第二のバルーン端部404のいずれか)でのみ圧縮又は押し潰されることができ、又は、カバー500は、どちらの端でも圧縮又は押し潰されえない。
【0059】
幾つかの実施形態において、カバー500は、比較的に一定の膨張圧力でのバルーン400のさらなる膨張を制限するか、又は、場合によっては抵抗する停止点まで半径方向に拡張可能である。例えば、停止点は、バルーン400の公称バルーン直径Dnを超えた拡張を制限し又は抵抗し、又は、別の例において、バルーン400の最大破裂圧力直径Dmaxを超えて、バルーン400の拡張を制限し又は抵抗することができる。そのような例において、カバー500は、過膨張を低減することができ、又は、バルーン400の急速な展開を低減することができ、これは、患者への外傷を保護及び軽減しうる。
【0060】
カバー500は、例えば、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、変性(例えば、高密度化)ePTFE及びPTFEの延伸コポリマーなどの延伸フルオロポリマーなどのポリマーを含むことができる。幾つかの例において、ポリマーは、ノード及びフィブリル微細構造を含むことができ、及び/又は、高度にフィブリル化されうる(すなわち、溶融フィブリルの不織布ウェブ)。例えば、カバー500は蛇行したフィブリルを含みうる。幾つかの実施形態において、蛇行したフィブリルは、カバー500が半径方向又は周方向に拡張可能でありかつ軸方向又は長手方向に拡張可能であることの両方を可能にし得る。したがって、カバー500は、バルーン400とともに拡張することができ、バルーン400の拡張を制限したり、又は、バルーン400及び/又はデバイス300の不均一な拡張を引き起こしたりしない。
【0061】
幾つかの実施形態において、カバー500は、とりわけ、例えば、PMVE-TFE(ペルフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン)コポリマー、PAVE-TFE(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)-テトラフルオロエチレン)コポリマー、シリコーン及びポリウレタンなどのエラストマーを含むことができる。幾つかの例において、エラストマーは、カバー500の伸長及び/又は拡張後に蛇行性フィブリルがそれらの形状、長さなどを回復させるのを助けることができる。適切なカバー及び/又はカバー材料及び/又はステントの例は、2013年12月18日にW.L. Gore&Associates, Inc.によって出願された「Medical Balloon Devices and Methods」というタイトルの米国出願公開第2014/0172066号明細書、及び、2015年11月24日にW.L. Gore & Associates, Inc.によって出願された「Balloon Expandable Endoprosthesis」というタイトルの米国出願公開第2016/0143759号明細書に見ることができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、カバー500は、エラストマーと、蛇行性フィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンマトリックスとを含む複合材である。適切な蛇行性フィブリル及びエラストマー複合材の非限定的な例は、2012年11月13日にW.L. Gore& Associates, Inc.によって出願された「Articles Including Expanded Polytetrafluoroethylene Membranes with Serpentine Fibrils and Having a Discontinuous Fluoropolymer Layer Thereon」というタイトルで米国出願公開第2013/0184807号明細書に見ることができる。蛇行性フィブリルは、複数の方向(例えば、二軸)又は単一の方向(すなわち、一軸)で形成又は配置されうる。例えば、蛇行性フィブリルは、カバーがバルーン400に適用されたときに、長手方向(長手方向軸ALに沿って)及び円周方向にあることができる。そのようなカバー500の使用は、長手方向及び円周方向の順応性又は伸長性を容易にするのを助けることができ、それにより、複数の異なるバルーン直径のためのカバー500の使用を容易にする。例えば、カバー500は、5mmバルーン、6mmバルーン、7mmバルーン、8mmバルーン、9mmバルーン、10mmバルーン、11mmバルーン以上、又は、それらのある中間又は組み合わせで使用することができる。
【0063】
幾つかの例において、カバー500は、カバー500がぴんと張った後に、カバー材料(例えば、フィルムマトリックス)が裂けることなく伸長することができる量に対応する「伸長」特性を有する。そのような「伸長」特性はカバー500に組み込まれることができ、その結果、カバー500が例えば3mmでバルーン400に適用されるときに、カバー500はより大きな直径、例えば5mmでぴんと張るが、それでも別のより大きな直径、例えば最大10mm又は12mm又は14mm又は16mm又は18m又はそれ以上を、例えば裂け目なしに収容する。寸法の幾つかの例が提供されているが、様々ないかなる寸法も可能である。
【0064】
幾つかの例において、引き裂きを示さないカバー500の半径方向の伸び又は伸長性は、10%、25%、50%、100%、200%、300%、400%又はそれ以上であることができる。さらに、カバー500は、バルーン400の伸長に適応するか、又は、長手方向に伸長することができる。例えば、バルーン400は、長手方向への1mm、3mm、5mm、7mm、9mm又はそれ以上の伸長を容易にすることができる。そのような例において、バルーン400の伸長は、カバー500の長手方向の伸長によって適応することができる。カバーの長手方向の伸長は、カバー500の初期長さの10%、15%、20%又はそれ以上であることができる。カバー500は、長手方向及び半径方向の異なる量又は程度の伸長を容易にすることができる。幾つかの例において、カバー500は、バルーン400がその所望の公称直径に拡張されると、カバー500が緩和状態と伸長状態との間で遷移するように、収縮したバルーン400に(例えば、バルーン400が緩和状態にある間に)適用される。他の実施形態において、カバー500が、バルーン400がその所望の公称直径に拡張されたときの状態にあるようにして、カバー500を収縮したバルーン400に適用する。
【0065】
図5は、プリーツ形成され及び折り畳まれたカバー500及びバルーン400の内部を示すカテーテルシステム100の一部の断面図である。示されるように、幾つかの例において、バルーン400は、圧縮中にプリーツ形成され、折り畳まれ又は押し潰されることができる。追加的又は代替的に、幾つかの実施形態において、カバー500は、折り畳まれ、プリーツ形成され、押し潰され又は他の方法で圧縮されうる。
【0066】
様々な実施形態において、カバー500は複数のプリーツ510を含む。プリーツ510は、カバー500の長さの少なくとも一部に沿って一般に延在しているカバー500の材料において折り目又は変曲点を含むことができる。プリーツ510は、バルーン400及びカバー500の圧縮を援助し、又は、一般にその結果として得られる。
【0067】
図6は、幾つかの実施形態による、プリーツ又は折り目がないカバー500及びプリーツ及び折り目があるバルーン400の内部を示すカテーテルシステム100の一部の断面図である。示されるように、バルーン400は、折り畳まれ、プリーツ形成され、又は押しつぶされることができ、一方、カバー500はプリーツ510を含まない。したがって、カバー500は、折り畳み、プリーツ又は押し潰しを使用せずに圧縮されうる。そのような実施形態において、バルーン400がプリーツ及び/又は折り目を有する一方で、カバー500はピンと張ることができる。バルーン400が膨張して展開すると、カバー500は伸長して、よりピンと張るようになることができる。幾つかの実施形態において、カバーはまた、カバー表面に適用される薬剤物質(例えば、ヘパリン、抗生物質など)などの治療的処置薬を有することができる。そのような治療的処置薬は、治癒を促進し、組織の炎症を軽減し、感染を軽減又は阻害し、及び/又は、他の様々な治療結果を促進しうる。
【0068】
幾つかの実施形態において、カバー500は折り畳まれ、プリーツ形成され、又は押し潰されることができ、一方、バルーン400はプリーツ又は折り目を有しなくてよく、又はバルーン400とカバー500の両方はプリーツ又は折り目を有しなくてよい。
【0069】
図6に示されるデバイスは、デバイスの様々な特徴の例として提供され、これらの例示された特徴の組み合わせは明らかに本発明の範囲内であるが、その例及びその例示は、本明細書で提供される本発明の概念がより少ない特徴、追加の特徴、又は、図5に示されるそれらの特徴のうちの1つ以上に対する代替の特徴から限定されることを示唆することが意図されない。例えば、様々な実施形態において、図6に示されるデバイスのバルーンは、図5を参照して説明された特徴を含むことができる。その逆もまた真であることも理解されるべきである。図5に示される構成要素のうちの1つ以上は、図6に示される構成要素に加えて、又はその代替として使用することができる。例えば、図5に示されるデバイスのカバー及び/又はバルーンは、図6に示されるデバイスのカバー及び/又はバルーンに関連して使用されうる。
【実施例
【0070】

例1:前駆体膜の伸長
二軸延伸したePTFE膜を入手した。膜は厚さが約0.007mmであり、密度が約0.18g/cmであった。マトリックスの引張強度は、フィブリルの方向で約420MPaであり、反対方向で約256MPaであった。フィブリルの方向に張力を加えたときに、膜の伸びは最大荷重で約74%であった。反対方向の伸びは、最大荷重で約151%であった。
【0071】
例2:伸長に対する前駆体膜の加熱の影響
例1に記載されているように、前駆体膜のロールを、加熱された一軸テンターフレームに拘束した。膜の初期幅は約1,500mmであった。次に、膜をテンターフレームの加熱されたチャンバーに供給し、ここで、温度は約300℃に設定されていた。テンターフレームのレールは、加熱中に膜が元の幅の約27%まで収縮できるように、わずかに内側に角度が付けられていた。膜の最終的な幅は約400mmであった。
【0072】
最終膜は、加熱前の前駆体膜と比較して、約0.007mmの同様の厚さであったが、約0.76g/cmのより高い密度を有した。フィブリルの方向のマトリックス引張強度は、約238MPaに減少し、反対方向には約90MPaに減少した。フィブリルの方向に張力を加えたときに、膜の伸びは最大荷重で約125%であった。反対方向の伸びは、最大荷重で約620%であった。したがって、上記のように前駆体膜を加熱すると、加熱前の前駆体膜と比較して、より大きな二軸伸長及び/又は拡張が可能な膜が得られたと結論付けられた。
【0073】
例3:エラストマー複合フィルムの調製
ポリウレタンエラストマー(Tecothane(登録商標)TT-107A)をテトラヒドロフランに溶解し、溶液中で約5wt.%の濃度にした。次に、スロットダイコーティング法を使用して、溶液を例2の前駆体膜上にコーティングした。複合フィルム材料内のエラストマーの質量パーセントは約75質量%であった。エラストマーが膜に吸収された後に、エラストマー複合フィルムは、約65mmの長さ及び114mmの幅を有していた。複合フィルム材料の厚さは約0.014mmであった。
【0074】
エラストマー複合フィルムの長さを元の長さのさらに78%に手で伸ばした。伸ばされたときに、フィブリルは蛇行形状を保持することが観察された。エラストマー複合フィルムの引張強度は約104MPaであった。
【0075】
例4:公称直径11.7mmのバルーンの調製
プリーツ形成しそして折り畳んだ状態で、公称膨張圧6気圧で作動長82cm及び直径約11.7mmを有するバルーンを得た。バルーンは二重壁の厚さが約0.07mm(70μm)未満であった。
【0076】
例3のエラストマー複合フィルムを平らな表面に置いた。平らな表面上にあるときに、フィルムは、約40mm×114mmと測定された、ePTFE上のポリウレタンの複合材セクションと、約28mm×114mmと測定された非複合材セクション(ポリウレタンなし)を有していた。次に、複合フィルムのフィブリルが3.0mmマンドレルの周りに周方向に配向されるように複合フィルムを配向させた。次に、複合フィルムをマンドレルの周りに周方向に巻き付けた。次に、複合フィルムを備えたマンドレルを190℃に約3分間加熱した。複合フィルムの両端を、プリーツ形成して折り畳んだ状態のバルーンカテーテルに接着剤で取り付けた。次いで、フィルムを硬化させた。
【0077】
例5:公称直径7.0mmのバルーンの調製
6気圧の公称膨張圧力で約17.5mmの作動長及び7.4mmの直径を有するバルーンを得た。バルーンは二重壁の厚さが約0.060mm(60μm)未満であった。例3のエラストマー複合フィルムを平らな表面に置いた。フィルムは、約40mm×152mmのePTFE上のポリウレタンの複合材セクションと、約28mm×152mmの非複合材セクション(ポリウレタンなし)を有していた。次に、複合フィルムのフィブリルが3.0mmのマンドレルの周りに周方向に配向されるように複合フィルムを配向させた。次に、フィルムをマンドレルの周りに周方向に巻き付けた。次に、複合フィルムを備えたマンドレルを190℃に約3分間加熱した。次に、複合フィルムを40mmの幅に切断し、複合フィルムの各端部を接着剤でカテーテルに取り付けた。次いで、フィルムを硬化させた。
【0078】
例6:公称膨張圧力の比較
バルーン1は従来のカテーテルシステムで使用されているバルーンの例であり、対照変数として使用された。バルーン1は、BMT Productsから入手可能な二管腔ナイロン経皮経管血管形成術(PTA)バルーンである。バルーン2及び3は、例4及び5に上記されているように調製された。各バルーンを80cmのカテーテル上で維持した。次に、バルーンを公称膨張圧力直径まで膨張させ、公称膨張圧力を測定した。結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0079】
表1に示されるように、バルーン1及びバルーン2は両方とも同じ長さを有したが、バルーン1はバルーン2よりも公称バルーン直径が小さく、壁厚が厚かった。バルーン2は、公称直径バルーンがより大きく、壁厚がより小さかった。示されているように、バルーン2は公称バルーン直径がより大きいにもかかわらず、バルーン2はバルーン1よりもデリバリー直径が小さかった。したがって、バルーン2は、バルーン1と比較して、公称バルーン直径が増加し、バルーン壁厚がより薄い結果として、デリバリー構成において、より低いプロファイルを達成することができたと結論付けられた。
【0080】
表1に示すように、バルーン2は、バルーン1よりも特定の望ましい直径に膨張するのに低い圧力を必要とした。例えば、バルーン2は、公称膨張圧力の直径に膨張するのに約9気圧を必要とした。これは同じ直径に膨張させるために約11気圧を必要としたバルーン1より小さかった。さらに、バルーン2は定格破裂圧力が10atmであり、一方、バルーン1は定格破裂圧力が12atmであった。したがって、バルーン公称膨張圧力直径を大きくすると、定格破裂圧力/公称膨張圧力の比を大きくすることができ、このため、安全率も高くなった。この増加した安全率により、バルーンの壁厚を減少させ、デリバリー構成でのプロファイルを低くすることができた。
【0081】
バルーン3はバルーン2よりも小さく、公称バルーン直径が小さく、公称デバイス直径も小さかった。予想通り、バルーン3はバルーン2と同様の特性を示し、バルーン2及びバルーン1の両方と比較して、さらに小さいデリバリー直径を達成することができた。したがって、様々なサイズのバルーンは、同様の縮小されたプロファイル特性を示すと結論付けられた。
【0082】
本発明の範囲から逸脱することなく、議論された例示的な実施形態に様々な修正及び追加を行うことができる。例えば、上記の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び上記の特徴のすべてを含むわけではない実施形態を包含する。
(態様)
[態様1]
インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムであって、前記システムは、
デリバリー直径及び公称デバイス直径を有するインプラント可能なメディカルデバイスと、
バルーンを含むデリバリーカテーテルと、
を含み、
前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記デリバリー直径から前記公称デバイス直径まで拡張することができ、前記公称デバイス直径は前記デリバリー直径よりも大きく、
前記インプラント可能なメディカルデバイスは前記バルーンに取り付けられ、前記バルーンは公称デバイス直径より少なくとも3.5%大きい公称バルーン直径を有する、
システム。
[態様2]
前記インプラント可能なメディカルデバイスが前記バルーンに取り付けられたときに、前記バルーンは約8気圧未満の公称膨張圧力で公称バルーン直径を有する、態様1記載のシステム。
[態様3]
前記バルーンは、前記公称デバイス直径よりも3.5%~10%大きい公称バルーン直径を有する、先行の態様のいずれか1項記載のシステム。
[態様4]
前記バルーンは、前記公称デバイス直径よりも5%~10%大きい公称バルーン直径を有する、先行の態様のいずれか1項記載のシステム。
[態様5]
前記バルーンは4mm~15mmまでの公称バルーン直径を有する、先行の態様のいずれか1項記載のシステム。
[態様6]
前記バルーンは約7.5mmの公称バルーン直径を有する、先行の態様のいずれか1項記載のシステム。
[態様7]
前記バルーンの少なくとも一部の上に配置された前記バルーンの拡張を制限するカバーをさらに含む、先行の態様のいずれか1項記載のシステム。
[態様8]
前記カバーはエラストマーを含む、態様7記載のシステム。
[態様9]
前記カバーは、半径方向及び軸方向に拡張可能である、態様7~8のいずれか1項記載のシステム。
[態様10]
前記カバーは蛇行性フィブリルを含む、態様7~9のいずれか1項記載のシステム。
[態様11]
前記カバーは、比較的に一定の膨張圧力で前記バルーンの膨張を制限する停止点まで半径方向に拡張可能である、態様7~10のいずれか1項記載のシステム。
[態様12]
カテーテルと、
前記カテーテルに取り付けられたバルーンと、
前記バルーンに取り付けられそして公称デバイス直径を有するメディカルデバイスと、
を含む、バルーンカテーテルであって、
前記バルーンは公称膨張圧力及び公称バルーン直径を有し、
前記バルーンの前記公称バルーン直径は前記公称デバイス直径よりも少なくとも約5%
大きく、前記メディカルデバイスが前記バルーンに取り付けられているときに、前記バルーンの前記公称膨張圧力は約6気圧である、バルーンカテーテル。
[態様13]
カテーテルに結合されたバルーンと、
前記バルーンの少なくとも一部に沿って配置されたメディカルデバイスと、
を含む、カテーテルシステムであって、
前記バルーンは定格破裂圧力を有し、前記バルーンは約60μm未満の二重壁厚を有し、
前記メディカルデバイスは公称デバイス直径を有し、
前記公称デバイス直径での前記バルーンの圧力/前記バルーンの定格破裂圧力の比は約0.8未満である、カテーテルシステム。
[態様14]
前記バルーン及び前記メディカルデバイスは、前記メディカルデバイスが前記バルーンの少なくとも一部に沿って配置されたときに、約2.5mm未満の直径を通してデリバリーされるように構成されている、態様13記載のカテーテルシステム。
[態様15]
ある長さを有するバルーン、
前記バルーンの少なくとも一部の上に配置されたカバー、及び、
前記カバーの少なくとも一部の上に配置されたインプラント可能なメディカルデバイス、
を含む、インプラント可能なメディカルデバイスをデリバリーするためのシステムであって、
前記カバーは、圧縮状態から拡張状態への前記バルーンの半径方向の拡張中に弾性的に伸長し、前記インプラント可能なメディカルデバイスに長手方向の伸長力を与える、システム。
[態様16]
前記カバーは前記インプラント可能なメディカルデバイスの短縮化を低減する、態様15記載のシステム。
[態様17]
前記インプラント可能なメディカルデバイスは、圧縮状態にあるときの前記バルーンの長さと比較して、20%未満で短縮化する、態様15~16のいずれか1項記載のシステム。
[態様18]
カテーテルシステムを組み立てるための方法であって、前記方法は、
インプラント可能なメディカルデバイスの公称デバイス直径よりも少なくとも5%大きい公称バルーン直径を有するバルーンを備えたバルーンカテーテルを選択すること、
前記バルーンの少なくとも一部の上に前記インプラント可能なメディカルデバイスを取り付けること、及び、
前記インプラント可能なメディカルデバイス及び前記バルーンをデリバリー直径に圧縮すること、ここで、前記バルーンを前記公称デバイス直径まで拡張するときに、前記バルーンの公称膨張圧力は前記バルーンの定格破裂圧力以下である、
を含む、方法。
[態様19]
前記バルーン上にカバーを配置すること、及び、前記インプラント可能なメディカルデバイスを前記カバーの上に取り付けることをさらに含み、その結果、前記バルーンの膨張時に前記カバーは前記メディカルデバイスに長手方向の伸長力を与える、態様18記載の方法。
[態様20]
前記デリバリー直径は1.5mm~3mmである、態様18~19のいずれか1項記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6