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特許7146001作業支援システム、作業支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】作業支援システム、作業支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220926BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G1/137 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021030579
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131573
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】株式会社日立物流
(73)【特許権者】
【識別番号】591096369
【氏名又は名称】日立物流ソフトウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 貴嗣
(72)【発明者】
【氏名】矢田部 英行
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-234012(JP,A)
【文献】特開2016-190729(JP,A)
【文献】特開2020-064334(JP,A)
【文献】再公表特許第2015/064107(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷作業を支援する作業支援システムであって、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報と、を取得する取得部と、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定する決定部と、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成する作業工程作成部と、
前記作業工程に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示する作業表示部と、
前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定する撮影領域特定部と、
前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報を取得する識別ラベル情報取得部と、
を備え
前記作業工程作成部は、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、
前記識別ラベル情報取得部は、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品することを特徴とする作業支援システム。
【請求項2】
前記作業工程作成部は、複数の商品に対するピッキングの作業工程において、同一商品については同一ピッキング作業としてピッキング作業工程を作成する、ことを特徴とする請求項1記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記商品情報は、前記商品の保管場所を示すロケーション情報を含み、
前記作業工程作成部は、ロケーション順にピッキング作業工程を作成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業支援システム。
【請求項4】
前記収納スペースは、前記画像取得により、一度の撮影で前記画像が取得可能な開口を備える、
ことを特徴とする請求項に記載の作業支援システム。
【請求項5】
出荷作業を支援する作業支援システムが実行する作業支援方法であって、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報とを取得するステップと、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定するステップと、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成するステップと、
前記作業工程に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示するステップと、
前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得するステップと、
前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定するステップと、
前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報を取得するステップと、
を備え
前記作業工程を作成するステップは、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、
前記識別ラベル情報を取得するステップは、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品することを特徴とする作業支援方法。
【請求項6】
出荷作業を支援するコンピュータに、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報とを取得するステップ、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定するステップ、
前記出荷オーダーを受け付けた商品のピッキング作業工程を作成するステップ、
前記作業工程に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示するステップ、
前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得するステップ、
前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定するステップ、
前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報を取得するステップ、
を実行させ
前記作業工程を作成するステップは、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、
前記識別ラベル情報を取得するステップは、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流倉庫における商品のピッキング作業を支援する有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流サービスの効率化から、物流倉庫に保管した商品を効率的にピッキングして配送させることが求められている。
例えば、特許文献1では、配送便で配送先のルートを決定し、その配送ルートに適した出荷用ピッキングリストを作成する配送管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-165927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、商品をピッキングするピッキングスペースにおいて、商品を確実にピックする精度を向上させることはできない。図1に示すように、通常、倉庫には、在庫を保管する在庫保管場所と、出荷のため品番毎に、棚に収納して保管するピッキングスペースとがある。
作業者3は、ピッキングスペースで出荷の品番を確認しながら、該当する商品をピックする。このピッキング作業では、出荷先(納品先)毎に区別された複数のバケットをカート5に乗せ、ピックする商品の品番・個数が記載されたピッキングリスト(紙)を見ながら、配送先を誤らないようにするため、原則一のバケットに一の商品を収納する。ここで、バケットは、出荷先毎に分かれている。その後、各バケット内の商品を、ピックする商品の品番・個数が記載されたピッキングリストと照らし合わせて、人の目で検品し、納品先毎に仕分けを行い、箱詰めし、荷札を付け、出荷している。
【0005】
しかしながら、更なる物流サービス向上を求める顧客ニーズに応えるため、多数の商品のピックオーダーを、精度を落とすことなく解消できる作業支援システム、作業支援方法及びプログラムが必要であることに発明者らは着目した。
【0006】
そこで、本発明は、複数の商品のピッキング作業と、ピックした商品の検品作業の効率化を図ることが可能な作業支援システム、作業支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、出荷作業を支援する作業支援システムであって、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報と、を取得する取得部と、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定する決定部と、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成する作業工程作成部と、
前記作業工程に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示する作業表示部と、
前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定する撮影領域特定部と、
前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報を取得する識別ラベル情報取得部と、
を備え
前記作業工程作成部は、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、
前記識別ラベル情報取得部は、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品することを特徴とする作業支援システムを提供する。
【0008】
本発明によれば、出荷作業を支援する作業支援システムは、出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報と、を取得し、一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定し、前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成し、前記作業工程に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示し、前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得し、前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定し、前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報を取得し、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の商品のピッキング作業と、ピックした商品の検品作業の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のピッキング作業の概要を説明するための図である。
図2】作業支援システム1の概要を説明する図である。
図3】作業支援システム1の機能構成を示す図である。
図4】作業支援システム1が実行する作業工程作成処理を示す図である。
図5】作業工程の一例を模式的に示す図である。
図6】作業支援システム1が実行するピッキング処理を示す図である。
図7】作業支援システム1が実行する検品処理を示す図である。
図8】作業者端末50が表示するピッキング情報の一例を模式的に示す図である。
図9】バケット7の撮影方向、撮影された画像及び各収納スペースに割り当てられた撮影領域の一例を模式的に示す図である。
図10】座標マスタの一例を模式的に示す図である。
図11】エラー画面の一例を模式的に示す図である。
図12】エラー画面の一例を模式的に示す図である。
図13】台車6の画像及び各収納スペースに割り当てられた撮影領域の一例を模式的に示す図である。
図14】作業者端末50が表示するピッキング情報の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0012】
[基本概念/基本構成]
図2は、作業支援システム1の概要を説明するための図である。作業支援システム1は、倉庫における入出庫管理や在庫管理等の機能を担うWMS(Warehouse Management System)10、作業者2が行うピッキング作業を支援する作業支援装置20、ピッキングされた商品を検品する検品装置30、作業者2が使用する作業者端末50を少なくとも含む商品の出荷作業を支援するシステムである。
【0013】
本実施形態は、一例として、対象商品がコンタクトレンズであり、このコンタクトレンズの出荷作業を前提とする。また、配送先は、顧客運用エリアの一か所であるが、最終的な納品先は個人宅となっており、個人宅別に仕分けた状態で荷渡しするものである。また、商品は、小型の箱物であって、サイズが略同じものを想定している。さらには、箱の外装において、品番ラベル貼付場所が決まっており、箱は矩形状であり、長手方向の一方の端面に品番ラベル(バーコード等の一次元コードやQRコード等の二次元コード等の情報も含む)が貼付される。
【0014】
作業支援システム1が作業支援を行う場合についての処理ステップについて。図2に基づいて概要を説明する。
最初に、WMS10は、出荷オーダーされた商品の納品先情報と、出荷対象である商品の商品情報とを取得する(ステップS1)。納品先情報は、納品先の住所、名称、電話番号、納品日時等の納品先に関する個人情報を含むものである。納品先情報は、納品先伝票情報であってもよく、納品先伝票情報とは、この納品先情報に関係付けられた番号、顧客ID等であってもよい。以下では、納品先情報は顧客IDで主に説明する。商品情報は、商品の名称、商品ID、個数、在庫情報、商品を保管され、ピックする場所を示すロケーション情報(ピッキング対象商品の保管場所、以下、単に「ロケーション」とも称する)等である。
WMS10は、顧客が所持する顧客端末等から、納品先情報及び商品情報等からなる出荷オーダーを取得することにより、出荷オーダーされた納品先情報及び商品情報を取得する。
【0015】
WMS10は、一の収納場所を複数の区分に分けて収納スペースとするとともに、この収納スペースを納品先別に割り当てて決定する(ステップS2)。WMS10は、一の収納場所として、バケット7を選定し、納品先情報(顧客ID等)と、商品情報(商品ID、個数及び在庫情報)とから、このバケット7に設けられた複数の区分(例えば、縦5×横5の25区分(25納品先))の其々に対して、納品先情報(顧客ID等)と、商品情報(商品ID、個数及び在庫情報)を割り当て、ピックした商品を収納する収納スペースを決定する。
【0016】
WMS10は、出荷オーダーを受付けた複数の商品をピックするピッキング作業の作業工程を作成する(ステップS3)。作業工程とは、作業者2が、商品を在庫保管場所からピックし、ピックした商品を割り当てられた収納スペースに収納する際の順番である。作業工程には、決定した収納スペースに関する情報、上述した納品先情報及び商品情報に基づいたピッキング情報(ロケーション情報、商品ID、ピック数、次ロケーション情報、割り当てられた収納スペースの区分等)が含まれる。
【0017】
WMS10は、作成した作業工程を、作業支援装置20に送信し、作業支援装置20は、これを受信する。作業支援装置20は、受信した作業工程を、作業者端末50に送信し、作業者端末50は、これを受信する。
【0018】
作業者端末50は、作業工程毎に、作業者2が、所定の場所でピックすべき商品の商品情報と、この商品が収納されるべき収納スペースとを、区分を特徴付けながら表示する(ステップS4)。
作業者端末50は、受信した作業工程を自身の入出力部52の表示部に表示する。作業者端末50は、作業工程として、上述したピッキング情報を表示する。すなわち、作業者端末50は、ピッキング情報として、ロケーション情報(図2における「ロケーション:LA-01-01」)、商品ID(商品ID:X02K3)、ピック数(ピック数:3)、次ロケーション情報(次ロケーション:LA-10-02)、収納スペース(他とは異なる表示態様で表示される4、7、11の各区分)を表示する。このとき、作業者端末50は、収納スペースには、収納されるべき場所を、区分を特徴付けて(例えば、色分け)表示する。
【0019】
作業者2は、この表示内容に基づいて、ピッキング対象商品のロケーション、品番、個数及び商品を収納するバケット7内部の区分を把握し、実際のピッキング作業を行う。
作業者2は、作業者端末50が表示する全てのロケーションに保管された商品を巡回してピッキングする。そして、作業者は、作成された作業工程のピッキング作業を全て完了させると、バケット7が載置されたカート4を検品装置30に移動させる。検品装置30は、バケット7に収納された全ての商品を一括して検品する。
【0020】
このような作業支援システム1によれば、一の収納場所を複数の収納スペースに分けて、この収納スペースが納品先毎に割り当てられているため、一のピッキング作業で、複数の納品先へのピック作業(マルチピッキング)が可能となる。
この際に、一のピッキング作業工程内の所定のピックする場所で、ピックすべき商品情報と、その場所で収納すべき収納スペースの区分とが特徴付けられて作業者端末50に表示されるために、作業者2は、収納ミスを低減できる。
なお、一のピッキング作業工程とは、出荷オーダーを受付けた各商品の在庫保管場所を全て巡回する作業工程のことであり、出荷オーダーを受付けた全ての商品をピックしたら、一のピック作業工程は終了する。
【0021】
[機能構成]
図3に基づいて、作業支援システム1の機能構成について説明する。
作業支援システム1は、其々が公衆回線網等のネットワーク9を介して、データ通信可能に接続されたWMS10、作業支援装置20、検品装置30及び作業者端末50を備えるシステムである。
作業支援システム1は、顧客が所持する顧客端末等のその他の端末や装置類等が含まれていても良い。この場合、作業支援システム1は、後述する処理をWMS10、作業支援装置20、検品装置30、作業者端末50、その他の端末や装置の何れか又は複数の組み合わせにより実行する。
【0022】
WMS10は、倉庫における入出庫や在庫等を管理する管理者(例えば、倉庫事業者等)により管理されるサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等を少なくとも備え、荷の入出庫の指示や在庫状態に関するデータの管理等を行うシステムである。
WMS10は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
【0023】
WMS10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイスや、上述した納品先情報及び商品情報を取得する取得部101等を備える。
また、WMS10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイスや、一の収納場所を複数の区分に分けて収納スペースとするとともに、この収納スペースを納品先別に割り当てて決定する決定部102や、出荷オーダーを受付けた複数の商品をピックするピッキング作業の作業工程を作成する作業工程作成部103等を備える。
【0024】
WMS10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、出荷オーダー取得モジュール、作業工程送信モジュールを実現する。
また、WMS10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、リスト作成モジュール、ピッキング順序決定モジュール、バケット選定モジュール、収納スペース割当モジュール、作業工程作成モジュールを実現する。
【0025】
作業支援装置20は、サーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等であってよく、作業者2のピッキング作業を支援する装置である。
作業支援装置20は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0026】
作業支援装置20は、制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
【0027】
作業支援装置20において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、作業工程送信モジュール、ピッキング完了情報受信モジュール、作業ID送信モジュールを実現する。
【0028】
検品装置30は、コンピュータの機能を備え、作業者2がピッキング作業を行った後に、収納スペースに収納された商品を画像撮影により検品する装置である。
検品装置30は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0029】
検品装置30は、制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。また、検品装置30は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイスや、一の収納場所に収納された全ての商品を、この収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得する画像取得部104や、画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、この画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定する撮影領域特定部105や、撮影領域内の商品の識別ラベル情報を取得する識別ラベル情報取得部106等を備える。
【0030】
検品装置30において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、作業ID受信モジュールを実現する。また、検品装置30において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、座標マスタ選択モジュール、撮影モジュール、スキャン位置特定モジュール、撮影領域特定モジュール、識別ラベル情報取得モジュール、照合モジュール、エラー判断モジュール、完了表示モジュール、エラー表示モジュールを実現する。
【0031】
作業者端末50は、ピッキング作業を行う作業者2が所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末やスマートグラス等のヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末等である。
【0032】
作業者端末50は、端末制御部51として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、入出力部52として、作業者2からの入力操作の受付デバイス、データや画像(動画や静止画)等の出力デバイスや、作業者2が行うピッキング作業についての情報を表示する作業表示部60等を備える。また、作業者端末50は、通信部53として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
【0033】
作業者端末50において、端末制御部51が所定のプログラムを読み込むことにより、入出力部52と協働して、ピッキング情報表示モジュール、収納完了判断モジュール、ピッキング完了判断モジュール、加算モジュールを実現する。また、作業者端末50において、端末制御部51が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部53と協働して、作業工程受信モジュール、ピッキング完了情報送信モジュールを実現する。
【0034】
[WMS10が実行する作業工程作成処理]
図4に基づいて、WMS10が実行する作業工程作成処理について説明する。図4は、WMS10が実行する作業工程作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本作業工程作成処理は、上述した納品先情報と商品情報との取得処理(ステップS1)、収納スペースを納品先別に割り当てて決定する処理(ステップS2)及び作業工程作成処理(ステップS3)の処理の詳細である。
【0035】
初めに、出荷オーダー取得モジュールは、出荷オーダー(納品先情報と商品情報)を取得する(ステップS10)。納品先情報は、上述した通り、納品先の住所、名称、電話番号等の納品先に関する個人情報であってよいし、納品先情報と関係付けられた番号や顧客ID等であってもよい。また、商品情報は、上述した通り、商品の名称、商品ID、個数、在庫情報、商品をピックする場所を示すロケーション情報等である。出荷オーダー取得モジュールは、図示していない顧客端末が入力を受け付け、送信した出荷オーダーを受信する又は出荷オーダーの入力を受け付けることにより、一又は複数の出荷オーダーを取得する。
リスト作成モジュールは、取得した出荷オーダーに基づいて、出荷オーダーをまとめたリストを作成する。
このステップS10の処理により、作業支援システム1は、出荷オーダーされた商品の納品先情報と、出荷対象である商品の商品情報とを取得することになる。また、商品情報には、商品をピックする場所を示すロケーション情報が含まれることになる。
【0036】
ピッキング順序決定モジュールは、ピッキング順序を決定する(ステップS11)。ピッキング順序決定モジュールは、商品情報における商品ID、在庫情報、ロケーション情報に基づいて、商品が保管されたロケーションが近い順序(ロケーション順)で、ピッキング順序を決定する。すなわち、決定されるピッキング順序は、作業者2の場所の移動が少なくなるよう考慮されたものである。後述するピッキング処理において、ピッキング順序決定モジュールが決定したピッキング順序に従って、作業者2は、ピッキング作業を行う。
このステップS11の処理により、作業支援システム1は、商品が保管されたロケーション順序にピッキング作業の作業順序を決定することになる。
【0037】
バケット選定モジュールは、バケットを選定する(ステップS12)。バケットは、作業者2がピックした商品を入れるための物品であり、一つの面が開口している矩形の箱である。このバケットを、開口両側から見たとき、左右、上下に升目上の仕切りが形成されており、仕切られた枠により、内部が区分分けされることになる。一の区分(枠)は、ピックされた商品(コンタクトレンズが収納された箱)が二個入る程度のスペースを有している。また、バケット7は、後述するステップS32の処理による画像の撮影の際、一度の撮影で自身に収納された全ての商品を、自身の区分毎に収納された状態で撮影可能な開口を備える。
仕切られた各区分には、固有の符号等が付与されていることが好ましい。符号は、作業者2が商品を収納する際の目印であるとともに、各区分を個別に識別するためのものであり、色彩、図形、番号、記号、文字又はこれらの組み合わせであっても良いが、好ましくは番号である。
バケット選定モジュールは、納品先情報における顧客IDと、商品情報における商品ID及び個数とに基づいて、ピッキング作業に適したバケットのバケット情報(例えば、バケットID、バケットの種類、具体的には、サイズ、区分及び座標情報)を選定する。バケット選定モジュールは、バケット情報を選定した結果、バケットを選定することになる。後述するピッキング処理において、作業者2は、バケット選定モジュールが選定したバケット情報に該当するバケットを用いて、ピッキング作業を行う。
本実施形態では、後述する図9で示すように、縦5×横5の25区分(25納品先)を有する、50個の商品が収納されるバケット7を用いて説明する。バケット7は、各区分に対して、1から25までの番号が付与されている。
【0038】
収納スペース割当モジュールは、収納スペースの割り当てを決定する(ステップS13)。収納スペース割当モジュールは、選定したバケット7の区分毎に、納品先情報における顧客IDを割り当て、さらに、納品先に関係付けられた商品情報における商品ID、個数、在庫情報を割り当てる。収納スペース割当モジュールは、バケット7の1から25までの区分毎に、顧客IDと、商品ID、個数及び在庫情報とを割り当てることにより、作業者2がピックする商品の収納スペースを、各区分に割り当てることになる。
【0039】
上述したステップS12及びS13の処理により、作業支援システム1は、一の収納場所を複数の区分に分けて収納スペースとするとともに、この収納スペースを納品先別に割り当てて決定することになる。
【0040】
作業工程作成モジュールは、商品が保管されたロケーションが近い順序に従って、作業工程(作業ID)を作成する(ステップS14)。作業工程作成モジュールは、上述したステップS10の処理により取得した商品情報と、上述したステップS11の処理により決定したピッキング順序と、上述したステップS12の処理により選定したバケット7と、上述したステップS13の処理により割り当てられた収納スペースとに基づいて、作業工程(作業ID)を作成する。作業IDは、作業工程に関係づけられた識別子である。作業工程は、作業ID毎に作成されるものであり、一の作業IDに対して、一のバケット7のバケット情報と、取得した商品情報(一又は複数のロケーション情報、商品ID及び個数)と、割り当てられた収納スペースとが関係付けられて作成されるものである。
このステップS14の処理により、作業支援システム1は、作業工程に対応する作業IDを生成することになる。また、作業支援システム1は、出荷オーダーを受付けた複数の商品をピックするピッキング作業の作業工程を作成することになるとともに、商品が保管されたロケーションが近い順序でピッキング作業の作業順序を決定した作業工程を作成することになる。
作業工程作成モジュールは、作業者2が、一のロケーションにおいて、割り当てられた区分に、商品を収納し、次のロケーションにおいて、商品を割り当てられた区分に収納するといった、作業者2が実際の商品をピックして回る場所の順序、商品をピックする個数及び、商品を収納する区分を、作業工程として作成する。このとき、作業工程作成モジュールは、作業者2がピックして回る移動距離が可能な限り短くなるよう、商品が保管されたロケーションが近い順序でピッキング作業の作業順序を決定し、これに従った作業工程を作成する。
この結果、作業支援システム1は、作業者2が、一回のピッキング作業工程で、複数納品先の商品を仕分けしながらピッキングすることを支援することになる。
【0041】
[作業工程の一例]
作業工程作成モジュールが作成する作業工程について、図5に基づいて説明する。図5は、作業工程作成モジュールが作成する作業工程の一例を模式的に示した図である。図5において、作業工程作成モジュールは、作業IDと、決定したピッキング順序と、選定したバケット7のバケット情報と、取得した商品情報と、割り当てられた収納スペースとが関係付けられた表形式で、作業工程を作成している。本実施形態では、作業ID、バケットID、ロケーション、商品ID、収納スペースが其々示されている。
作業IDは、この作業工程に関係付けられて生成されたものである。バケットIDは、ピッキング作業に用いるバケット7を示すものである。ロケーションは、商品の在庫保管場所を示すものであり、ピッキング順序を上から順番に示している(作業者2が、LA-01-01、LA-10-02、LA-07-03の順番に実際のピッキング作業を行う)。商品IDは、ピッキングする商品を示すものである。収納スペースは、ピッキングした商品を収納するバケット7の区分の数字を示すものである。
一の作業IDには、一又は複数のロケーションが関係付けられており、ロケーション毎に、商品ID及び収納スペースが関係付けられている。他の作業IDが存在する場合、其々の作業IDも、同様の構成となる。
【0042】
図4に戻り、作業工程作成処理の続きを説明する。
作業工程送信モジュールは、作業工程を作業支援装置20に送信し(ステップS15)、作業支援装置20は、この作業工程を受信する。作業支援装置20は、この作業工程を受信することにより、WMS10が作成した作業工程を取得する。
【0043】
以上が、作業工程作成処理である。
【0044】
[作業支援装置20と作業者端末50とが実行するピッキング処理]
図6に基づいて、作業支援装置20と、作業者端末50とが実行するピッキング処理について説明する。図6は、作業支援装置20と、作業者端末50とが実行するピッキング処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本ピッキング処理は、上述した商品情報と、収納スペースとを区分を特徴付けながら表示する処理(ステップS4)の処理の詳細である。
【0045】
初めに、作業工程作成送信モジュールは、上述したステップS15の処理により、WMS10から受信した作業工程を作業者端末50に送信し(ステップS20)、作業工程受信モジュールは、この作業工程(N=1)を受信する(ステップS21)。これらの処理により送受信される作業工程は、上述したステップS14の処理により、一の作業IDのみが生成されている場合、一の作業IDに関係付けられた作業工程のみであり、複数の作業IDが生成されている場合、作業ID毎に関係付けられた作業工程(複数の作業工程)である。
以下、作業工程として、N=1(Nは1以上の整数)であり、上述した図5における作業ID「001」を送受信したものとして説明する。
【0046】
ピッキング情報表示モジュールは、N番目のピッキング情報を表示する(ステップS22)。ピッキング情報表示モジュールは、1番目のピッキング情報として、図8に示す画面を表示する。このとき、ピッキング情報表示モジュールは、作業工程(作業ID)毎に、作業者2が、所定の場所(ロケーション)でピックすべき商品の商品情報(商品ID及びピック数)と、この商品が収納される収納スペースとを区分を特徴付けながら(区分を色分け等により識別可能に表示)表示する。
このステップS22の処理により、作業支援システム1は、作業工程毎に、作業者2が所定の場所でピックすべき商品の商品情報と、この商品が収納されるべき収納スペースとを区分を特徴付けながら表示することになる。
【0047】
[ピッキング情報表示画面]
ピッキング情報表示モジュールが表示するピッキング情報について図8に基づいて説明する。図8は、ピッキング情報表示モジュールが表示するピッキング情報の一例を模式的に示す図である。図8において、ピッキング情報表示モジュールは、受信した作業工程に基づいて、作業ID(001)、ロケーション(LA-01-01)、商品ID(X02K3)、ピック数(3)、次ロケーション(L1-10-02)、ピックした商品を収納する区分(色分けされた4、7及び11)を表示する。
【0048】
作業者2が実際に行うピッキング作業について説明する。
作業者2は、図8に示す画面を閲覧し、表示されたロケーション、商品ID、ピック数、次ロケーション、収納する区分に従って、ピッキング作業を行う。作業者2は、表示されたロケーションに従って、このピックする商品が保管されるロケーション(LA-01-01)に移動する。作業者2は、このロケーションに保管された商品のうち、表示された商品IDの商品(X02K3)を、ピック数(3)に従ってピックする。作業者2は、ピックした商品を、表示された区分と一致するバケット7の区分(4、7及び11)に収納する。作業者2は、表示された次ロケーションに従って、次の商品が保管されたロケーション(L1-10-02)に移動する。ピッキング情報表示モジュールは、ピッキング情報表示画面に表示された「次へ」のアイコンへ入力操作を受け付けることにより、次ロケーション(L1-10-02)における商品ID、ピック数、商品を収納する区分のピッキング情報表示画面に遷移しても良いし、GPS(Global Positioning System)等から自身の位置情報を取得し、予めロケーションと位置情報と関係付けて記憶したデータベース等を参照し、現在位置が、次ロケーション(L1-10-02)の位置情報と一致又は近傍にある時、次ロケーションに表示された位置へ作業者2が移動したと判断し、「次へ」のアイコンへ入力操作を受け付けた際と同様に、次ロケーション(L1-10-02)における商品ID、ピック数、商品を収納する区分のピッキング情報表示画面に遷移しても良い。
作業者2は、全てのロケーションで、ピッキング作業を完了するまで、ピッキング情報表示画面が表示するピッキング情報に従って、ピッキング作業を行う。
なお、作業支援システム1は、作業者2が、表示されたピッキング情報の指示に従い、表示された商品をバケット7の区分に収納後、図示していない完了ボタン等を押下することにより、図示していない在庫管理部でのピッキングスペース内の在庫情報を更新する構成であっても良い。在庫情報が更新されることにより、次の作業IDの際に、欠品が無いよう、必要に応じて補充指示がなされることも可能である。また、作業者2が全てのピッキング作業を完了させることにより、作業者端末50には、検品指示が表示されても良い。
【0049】
図6に戻り、ピッキング処理の続きを説明する。
収納完了判断モジュールは、収納が完了したか否かを判断する(ステップS23)。収納完了判断モジュールは、ピッキング情報表示モジュールが表示したピッキング情報に基づいた、商品の収納が完了したか否かを判断する。収納完了判断モジュールは、「次へ」への入力操作や、現在位置の位置情報が次ロケーションの位置情報と一致するか否か等に基づいて、この判断を実行する。収納完了判断モジュールは、収納が完了していないと判断した場合(ステップS23 NO)、すなわち、次への入力操作を受け付けていない場合や現在位置の位置情報が次ロケーションの位置情報と一致しない場合、ピッキング情報表示モジュールは、上述したステップS22の処理により表示するピッキング情報の表示を続ける。
【0050】
一方、収納完了判断モジュールは、収納が完了したと判断した場合(ステップS23 YES)、すなわち、次への入力操作を受け付けた場合や現在位置の位置情報が次ロケーションの位置情報と一致する場合、ピッキング完了判断モジュールは、全てのロケーションでピック完了したか否かを判断する(ステップS24)。ピッキング完了判断モジュールは、受信した作業IDに含まれる全てのロケーションにおいて、商品のピッキング作業が完了したか否かを判断する。本実施形態では、作業ID「001」に含まれるロケーション「LA-01-01」、「LA-10-02」、「LA-07-03」の其々の場所での商品のピッキング作業が完了したか否かを判断する。ピッキング完了判断モジュールは、全てのロケーションでピック完了していないと判断した場合(ステップS24 NO)、すなわち、ロケーション「LA-01-01」、「LA-10-02」及び「LA-07-03」のピッキング作業が完了していないと判断した場合、加算モジュールは、Nに1を加算し新たなN(N=N+1)とする(ステップS25)。加算モジュールは、上述したステップS22の処理により表示するN番目のピッキング情報の次のピッキング情報をN+1番目のピッキング情報として扱う。N=1である場合、ステップS25の処理により新たなNは、1+1=2の「2」となる。
ピッキング情報表示モジュールは、上述したステップS22の処理に戻り、新たに、N+1(本実施形態では、1+1の結果「2」となる)番目のピッキング情報を表示する。
【0051】
作業者端末50は、受信した作業工程が全て完了するまで、上述したステップS22-S25の処理を繰り返すことになる。
なお、この作業工程が全て完了した際、作業者端末50には、検品作業を促すメッセージが表示されても良い。
【0052】
一方、ピッキング完了判断モジュールは、全てのロケーションでピック完了したと判断した場合(ステップS25 YES)、すなわち、ロケーション「LA-01-01」、「LA-10-02」及び「LA-07-03」のピッキング作業が完了したと判断した場合、ピッキング完了情報送信モジュールは、ピッキング完了情報を作業支援装置20に送信し(ステップS26)、ピッキング完了情報受信モジュールは、ピッキング完了情報を受信する(ステップS27)。
【0053】
作業ID送信モジュールは、ピッキングが完了した作業IDを、検品装置30に送信する(ステップS28)。
【0054】
以上が、ピッキング処理である。
本ピッキング処理が完了した際、作業者2は、バケット7を載置したカート4を、検品エリアに移動させる。検品装置30が、このバケット7に対して、後述する検品処理を行う。
【0055】
[検品装置30が実行する検品処理]
図7に基づいて、検品装置30が実行する検品処理について説明する。図7は、検品装置30が実行する検品処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0056】
作業ID受信モジュールは、上述したステップS28の処理により、作業支援装置20が送信した作業IDを受信する(ステップS30)。本処理により受信する作業IDは、上述したステップS14の処理により生成され、上述したピッキング処理によりピッキング作業が完了したものである。この作業IDは、上述した通り、ピッキング作業に用いられたバケット7のバケット情報(バケットID、サイズ、区分及び座標情報)、収納スペースに収納された各商品の商品IDが含まれる。
なお、作業IDは、検品装置30の入力部(例えば、コードスキャナーやキーボード)から、作業IDを入力することにより、取得されるものであっても良い。
【0057】
座標マスタ選択モジュールは、バケットIDから座標マスタを選択する(ステップS31)。座標マスタ選択モジュールは、バケット情報に含まれるバケットIDに関係付けられた座標情報と、予め記憶した座標マスタとを照合し、このバケットIDに対応する座標マスタを選択する。この予め記憶した座標マスタは、各バケット単位で、事前に登録されたものである。
【0058】
[座標マスタ]
図10に基づいて、座標マスタについて説明する。図10は、座標マスタの一例を模式的に示す図である。本実施形態における座標マスタは、原点0が設定されており、5×5の計25個の区分を有するものであり、各区分には、座標が割り当てられている。
【0059】
図7に戻り、検品処理の続きを説明する。
撮影モジュールは、バケット7の撮影を開始する(ステップS32)。撮影モジュールは、バケット7の開口面(上面)を撮影する。このとき、撮影モジュールは、バケット7の各区分の全てを一度に撮影する。図9で示す通り、撮影モジュールは、バケット7の開口面の上部から、バケット7を撮影することにより、バケット7の開口面の全てを一度に撮影することになる。
このステップS32の処理により、作業支援システム1は、一の収納場所に収納された全ての商品を、収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得することになる。また、収納スペースは、一度の撮影で、この画像が取得可能な開口を備えるものである。
【0060】
スキャン位置特定モジュールは、原点の決定及びバケットIDよりスキャン位置を特定する(ステップS33)。スキャン位置特定モジュールは、バケット7の区分(枠)を、指定位置に固定し、選択した座標マスタを識別するためのキーにして、仮想面の原点位置を決定する。これにより、撮影されたバケット7の画像の位置が座標情報で認識可能となり、上述したステップS30の処理により受信した作業IDにおけるバケット7の座標情報に対応付けられる。
バケット7の区画の位置と、撮影した画像の区画の位置とを決定する方法は、適宜変更可能である。例えば、原点を決定して座標データに変換する方法や、バケット7の画像を撮影する位置を予め決定しておき、選択する座標マスタに合わせる方法である。
【0061】
撮影領域特定モジュールは、座標マスタにより収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定する(ステップS34)。撮影領域特定モジュールは、上述したステップS31の処理により選択された座標マスタの各区分の座標情報と、上述したステップS33の処理により特定されたスキャン位置の座標情報とに基づいて、各区分の撮影領域を特定する。図9に示す通り、各収納スペースの区分毎に、撮影領域が特定されることになる。
このステップS34の処理により、作業支援システム1は、取得した画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、この画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定することになる。
なお、撮影領域特定モジュールは、バケット7に所定のマークを付与し(例えば、4隅や中心や端部にマークを付与)、バケット7の大きさを決定したうえで、撮影領域を特定しても良い。バケット7の各区分の個々の大きさは、バケットの大きさに伴い決定されるため、撮影領域を特定することが可能となる。
【0062】
識別ラベル情報取得モジュールは、各収納スペースの区分毎の識別ラベル情報を取得する(ステップS35)。識別ラベル情報は、品番ラベルに格納された商品ID等である。識別ラベル情報取得モジュールは、特定された各撮影領域に写った商品の箱に貼付された品番ラベルを読み取ることにより、各撮影領域の座標情報と関係付けて、格納された識別ラベル情報を取得する。
このステップS35の処理により、作業支援システム1は、各収納スペースの区分内の商品の識別ラベル情報を取得することになる。
【0063】
照合モジュールは、各収納スペースの区分の座標と、識別ラベル情報とを照合する(ステップS36)。照合モジュールは、各撮影領域の座標情報に関係付けられた識別ラベル情報に含まれる商品IDと、受信した作業IDにおける各区分に収納されるべき商品の商品IDとを照合する。
このステップS36の処理により、検品装置30は、取得した識別ラベル情報に基づいて、一の収納場所に収納された商品を、収納スペース毎の商品情報と照合して、作業ID毎に検品することになる。
【0064】
エラー判断モジュールは、照合がエラーであるか否かを判断する(ステップS37)。エラー判断モジュールは、照合結果が、エラーではない場合(ステップS37 NO)、すなわち、バケット7の各区分に収納されるべき商品が収納されていると判断した場合、完了表示モジュールは、ピッキング及び検品作業が完了した旨を表示する。その後、検品装置30は、本処理を終了する。
【0065】
一方、エラー判断モジュールは、照合結果がエラーである場合(ステップS37 YES)、すなわち、バケット7の区分の何れか又は複数に、誤った商品が収納されている場合、エラー表示モジュールは、エラーを表示する(ステップS38)。エラー表示モジュールは、エラー画面として、誤った商品の情報を表示する。例えば、エラー表示モジュールは、上述したステップS32の処理により撮影された画像に対して、誤った商品の区分を特徴付けて(色付け等して)、表示する。または、エラー表示モジュールは、誤った商品に関する情報をリスト化し、誤った商品の商品IDと、正しい商品の商品IDとを表示する。正しい商品の商品IDと共に、この正しい商品が保管されたロケーションを併せて表示しても良い。
【0066】
[エラー画面]
図11及び図12に基づいて、エラー表示モジュールが表示するエラー画面について説明する。図11は、エラー画面として、誤った商品が収納された区分を特徴づけて表示したものの一例を模式的に示す図である。図12は、テレコのエラーを表示したものの一例を模式的に示す図である。
図11において、エラー表示モジュールは、照合結果に基づいて、誤った商品が収納された区分(10、15、12、24)を色分け等により特徴付けて、正しい商品が収納された区分とは異なる表示態様として表示する。本実施形態では、区分10及び15が、テレコ(収納場所が逆)であり、区分12が過剰であり、区分24が過少であるものとして示している。エラー表示モジュールは、区分10に収納された商品と、区分15に収納された商品とがテレコになっていることを示し、区分12に収納された商品の個数が過剰になっていることを示し、区分24に収納された商品の個数が過少になっていることを示している。
図示していないが、区分に収納されるべき商品とは異なる商品が収納されている場合も、同様に、正しい商品が収納された区分とは異なる表示態様としてこの区分を表示する。誤った商品や個数が合わない商品に対しては、正しい商品のロケーションの表示や、正しい個数の表示等が行われていても良い。
作業者2は、このエラー画面の内容に従って、テレコと表示された区分10,15の商品を入れ替え、過剰と表示された区分12の商品を適切な個数に減らし、過少と表示された区分24の商品を適切な個数に増やす等を行う。
次に、図12について説明する。
図12において、エラー表示モジュールは、照合結果に基づいて、テレコになっている商品に関する情報を表示したものである。本実施形態では、商品ID「X02K3」と、「X02L1」とが、区分10と区分15とで、入れ替えること及びその数量を示している。
作業者2は、このエラー画面の内容に従って、テレコと表示された区分10,15の商品を入れ替える。
【0067】
以上が、検品処理である。
【0068】
以上のように、本発明では、一の納品先を、一の区分に割り当てて商品のピッキング作業指示を作成する。そして、商品の品番ラベルの画像を撮影する際、商品を収納した区分の座標情報を同時に取得するようにする。これにより、商品情報と納品先情報とを関係付けて得ることができる。
この結果、一回のピッキング作業工程で、複数納品先の商品を仕分けしながらピッキングし、かつ、一度の画像取得で、複数納品先の検品を完了させることができる。従来の画像検品装置では、一納品先分しか検品しないので、画像の中のどの位置に商品が配置されているか判断する必要はなく、また、区分毎に納品先を割り当てる必要もない。具体的には、ある商品と他の商品との配置が換わっていても、同一納品先であるため、問題にならなかった。また、本発明の背景技術で述べたように、一の台車に複数のバケットを載置して、複数の納品先のピッキング作業と比較した場合、従来、検品は、一バケット毎(一納品先毎)に行われていたが、本発明では、複数納品先であるにもかかわらず、一度の画像取得により、検品作業が可能となる。
【0069】
本発明によれば、バケット7の各区分=各枠=座標情報=納品先となるので、商品情報と、納品先情報とを一度に得ることができ、納品先に関係付けられた商品の照合検品を、一括の撮影・データ処理で完了させることが可能となる。従って、複数納品先への出荷オーダーに対し、商品を仕分けしながら、ピッキングし、さらに複数の納品先に仕分けた状態で、一括検品することができるようになり、ピッキング及び検品作業の大幅な効率化を図ることが可能になる。
【0070】
[その他の実施形態]
作業支援システム1は、上述した実施形態以外の実施形態として、上述した実施形態におけるバケット7の代わりに、台車6(6a,6b)を用いることも可能である。この場合について説明する。なお、上述した実施形態と略同様であるため、相違点のみを説明する。
台車6は、図13で示すように、内部が納品先毎に区分分け(例えば、2×2の4区分(4納品先))されており、一の区分には、同一納品先の複数の商品8(区分毎の積載量に応じてその個数は可変)が収納される程度のスペースを有し、商品8が積載量に応じて収納されるものである。
【0071】
作業支援システム1は、上述した作業工程作成処理により、出荷オーダーの取得処理(ステップS10)、ピッキング順序の決定処理(ステップS11)、バケット7の代わりに台車6の選定処理(ステップS12)、収納スペースの割り当て決定処理(ステップS13)、商品が保管されたロケーションが近い順序に従って、作業工程(作業ID)の作成処理(ステップS14)、作業工程を作業支援装置20に送信処理(ステップS15)を実行する。
本実施形態では、ステップS12の処理において、上述したバケット情報の代わりに、台車情報(例えば、台車ID、台車の種類、具体的には、サイズ、区分及び座標情報)を用い、台車6を選定する。台車6の各区分には、1から4までの番号が付与されている。この台車情報に基づいて、収納スペースの割り当て決定処理以降の作業工程作成処理、ピッキング処理及び検品処理を実行する。
【0072】
作業支援システム1は、上述したピッキング処理により、作業工程の送受信処理(ステップS20、S21)、N番目のピッキング情報を表示処理(ステップS22)、収納完了判断処理(ステップS23)、全てのロケーションでピック完了判断処理(ステップS24)、N=N+1処理(ステップS25)、ピッキング完了情報の送受信処理(ステップS26、S27)、作業IDの送信処理(ステップS28)を実行する。
本実施形態では、ピッキング情報表示モジュールは、図14で示す画面をピッキング情報として表示する。上述した図8との相違点は、区分の数が異なる(2×2の4区分)のみである。
なお、作業者2は、全ての商品8に貼付された商品ラベルが、台車6の開口面側に位置する(すなわち、全ての商品8の商品ラベルが、同一面側に位置する)ように、商品8を区分に収納することが望ましい。
【0073】
作業支援システム1は、上述した検品処理により、作業IDの受信処理(ステップS30)、バケットIDの代わりに、台車IDから座標マスタの選択処理(ステップS31)、撮影開始処理(ステップS32)、原点の決定、バケットIDよりスキャン位置特定処理(ステップS33)、座標マスタにより収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定処理(ステップS34)、各収納スペースの区分毎の識別ラベル情報を取得処理(ステップS35)、各収納スペースの区部の座標と識別ラベル情報とを照合処理(ステップS36)、照合エラー判断処理(ステップS37)、エラー表示処理(ステップS38)を実行する。
本実施形態では、撮影モジュールは、台車6の開口面(側面)を撮影し、開口面の全てを一度に撮影する。また、図13で示す通り、台車6は、1から4の四つの撮影領域が特定される。撮影領域毎の識別ラベル情報を取得し、識別ラベル情報の照合及びエラー判断が行われる。
【0074】
以上が、他の実施形態である。
【0075】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0077】
(1)出荷作業を支援する作業支援システムであって、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報(例えば、納品先の住所、名称、電話番号等の納品先に関する個人情報や、納品先伝票情報、例えば、納品先情報に関係付けられた番号、顧客ID等)と、商品情報(例えば商品の名称、商品ID、個数、在庫情報、商品をピックする場所を示すロケーション情報)と、を取得する取得部(例えば、取得部101、出荷オーダー取得モジュール)と、
一の収納場所(例えば、バケット7、台車6)が複数の区分(例えば、5×5の25区分、2×2の4区分)に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定する決定部(例えば、決定部102、収納スペース割当モジュール)と、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキングの作業工程を作成する作業工程作成部(例えば、作業工程作成部103、作業工程作成モジュール)と、
前記作業工程毎に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示する作業表示部(例えば、作業表示部60、ピッキング情報表示モジュール)と、
を備えることを特徴とする作業支援システム。
【0078】
(1)の発明によれば、一の収納場所を複数の収納スペースに分けて、この収納スペースが納品先毎に割り当てられているため、一のピッキング作業工程で複数の納品先へのピック作業(マルチピッキング)が可能となる。この際に、一のピッキング作業工程内の所定のピックする場所で、ピックすべき商品の商品情報と、その場所で収納すべき収納スペースの区分とが特徴付けられて表示されるため、作業者の収納ミスを低減することが可能となる。
【0079】
(2)前記作業工程作成部は、複数の商品に対するピッキングの作業工程において、同一商品については同一ピッキング作業としてピッキング作業工程を作成する、ことを特徴とする(1)に記載の作業支援システム。
【0080】
(2)の発明によれば、同一商品を複数個分ピッキングする場合に、同一ピッキング作業として作業工程を作成するので、結果として、作業者端末50で1画面で同一商品のピッキングを認識できる(図8)。
【0081】
(3)前記商品情報は、前記商品の保管場所を示すロケーション情報を含み、
前記作業工程作成部は、ロケーション順にピッキング作業工程を作成する、ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の作業支援システム。
【0082】
(3)の発明によれば、ロケーション順に作業者の場所の移動を少なくすることが可能となるため、作業効率を向上させることが可能となる。
【0083】
(4)前記一の収納場所に収納された全ての商品を、前記収納スペースの区分毎に収納された状態で撮影された画像を取得する画像取得部(例えば、画像取得部104、撮影モジュール)と、
前記画像内の一の収納場所の原点を画像認識し、当該画像における収納スペースの区分が撮影された撮影領域を特定する撮影領域特定部(例えば、撮影領域特定部105、撮影領域特定モジュール)と、
前記撮影領域内の前記商品の識別ラベル情報(例えば、商品ID)を取得する識別ラベル情報取得部(例えば、識別ラベル情報取得部106、識別ラベル情報取得モジュール)と、
を備えることを特徴とする(1)又は(2)に記載の作業支援システム。
【0084】
(4)の発明によれば、一回のピッキング作業工程で、複数納品先の商品を仕分けしながらピッキングし、かつ、一度の画像取得で複数納品先の検品を完了させることが可能となる。
【0085】
(5)前記作業工程作成部は、前記作業工程に対応する作業IDを生成し、
前記識別ラベル情報取得部は、取得した前記識別ラベル情報に基づいて、前記一の収納場所に収納された商品を、前記収納スペース毎の商品情報と照合して、前記作業ID毎に検品する、
ことを特徴とする(4)に記載の作業支援システム。
【0086】
(5)の発明によれば、一回のピッキング作業工程で、複数納品先の商品を仕分けしながらピッキングし、かつ、一度の画像取得で複数納品先の検品を完了させることが可能となる。
【0087】
(6)前記収納スペースは、前記画像取得手段により、一度の撮影で前記画像が取得可能な開口を備える、
ことを特徴とする(4)に記載の作業支援システム。
【0088】
(6)の発明によれば、一の収納場所に収納された全ての商品の画像を、一度の撮影で取得することが可能となるため、複数回、撮影を行う必要が生じず、検品の効率化を図ることが可能となる。
【0089】
(7)出荷作業を支援する作業支援システムが実行する作業支援方法であって、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報とを取得するステップ(例えば、出荷オーダーの取得処理(ステップS10))と、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定するステップ(例えば、収納スペースの割当決定処理(ステップS13))と、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成するステップ(例えば、作業工程作成処理(ステップS14))と、
前記作業工程毎に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示するステップ(例えば、ピッキング情報表示処理(ステップS22))と、
を備えることを特徴とする作業支援方法。
【0090】
(8)商品の出荷作業を支援するコンピュータに、
出荷オーダーを受付けた商品の納品先情報と、保管されている商品の商品情報とを取得するステップ(例えば、出荷オーダーの取得処理(ステップS10))、
一の収納場所が複数の区分に分かれてなる収納スペースの各々を、複数の納品先の各々に割り当てて決定するステップ(例えば、収納スペースの割当決定処理(ステップS13))、
前記出荷オーダーを受付けた商品のピッキング作業工程を作成するステップ(例えば、作業工程作成処理(ステップS14))、
前記作業工程毎に、ピッキングすべき商品の商品情報と、当該商品が収納されるべき収納スペースとを、前記区分を特徴付けながら表示するステップ(例えば、ピッキング情報表示処理(ステップS22))、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0091】
1 作業支援システム
2,3 作業者
4,5 カート
6a,6b 台車
7 バケット
8 商品
9 ネットワーク
10 WMS
20 作業支援装置
30 検品装置
50 作業者端末
51 端末制御部
52 入出力部
53 通信部
60 作業表示部
101 取得部
102 決定部
103 作業工程作成部
104 画像取得部
105 撮影領域特定部
106 識別ラベル情報取得部

図1
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