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特許7146032分離可能なAフレームを備える移動式クレーン
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  • 特許-分離可能なAフレームを備える移動式クレーン 図1
  • 特許-分離可能なAフレームを備える移動式クレーン 図2
  • 特許-分離可能なAフレームを備える移動式クレーン 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】分離可能なAフレームを備える移動式クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 23/82 20060101AFI20220926BHJP
   B66C 23/26 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B66C23/82 C
B66C23/26 C
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021117071
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2022021321
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2021-10-08
(31)【優先権主張番号】20 2020 104 192.4
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501190549
【氏名又は名称】リープヘル-ヴェルク ネンツィング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーゲレ リヒャート
(72)【発明者】
【氏名】トーゲレ マヌエル
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-050695(JP,U)
【文献】実開平04-066197(JP,U)
【文献】特開昭54-038056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 19/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ギアを有する下部走行体(2)と、前記下部走行体(2)に垂直軸回りに回転可能に支持された上部構造(3)と、前記上部構造(3)に水平軸(A1)回りに旋回可能に関節式に連結されたブーム(6)と、前記上部構造(3)に水平軸(A2)回りに旋回可能に関節式に連結されるとともに、ガイ手段(12)によって前記ブーム(6)に連結されたAフレーム(10)と、前記Aフレーム(10)を旋回可能にする引込機構と、を備える移動式クレーン(1)、特にクローラクレーンであって、
前記Aフレーム(10)は、分離可能であり、前記上部構造(3)に関節式に連結されたポール(14)と、前記ポール(14)に取り外し可能に連結された折り畳みポール(16)と、を有
前記折り畳みポール(16)及び前記上部構造(3)は、それぞれ、前記折り畳みポール(16)を前記上部構造(3)に取り外し可能に取り付け得る固定手段(18,19)を、有し、前記上部構造(3)の前記固定手段(19)は、好ましくは、そのリア領域に配置されており、前記折り畳みポール(16)の前記固定手段(18)は、好ましくは、前記ブーム(6)から離れた前記Aフレーム(10)の側に配置されている、ことを特徴とするクレーン(1)。
【請求項2】
前記折り畳みポール(16)は、前記ポール(14)から取り外され得るとともに、前記上部構造(3)に取り外し可能に取り付けられ得る、こと特徴とする請求項1に記載のクレーン(1)。
【請求項3】
前記Aフレーム(10)に固定された前記引込機構のコンポーネントが、前記折り畳みポール(16)に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクレーン(1)。
【請求項4】
前記引込機構は、前記上部構造(3)に配置された引込ウインチ(20)と、前記上部構造(3)に配置された第1ローラセット(22)と、前記折り畳みポール(16)に配置された第2ローラセット(24)と、を有する、ことを特徴とする請求項3に記載のクレーン(1)。
【請求項5】
前記折り畳みポール(16)は、前記Aフレーム(10)の端部を形成しており、好ましくは、前記ガイ手段(12)を固定するための連結手段を有する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項6】
前記ポール(14)は、前記上部構造(3)から及び前記折り畳みポール(16)から、取り外され得るとともに、前記引込機構を前記上部構造(3)に残して、別個に輸送され得る、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項7】
前記折り畳みポール(16)は、特に水平であって前記ポール(14)にラッチ可能な、軸(A3)回りに旋回可能に前記ポール(14)に連結されており、この軸(A3)及びラッチ連結は、好ましくは、取り外し可能なピン連結である、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項8】
前記折り畳みポール(16)及び前記上部構造(3)の前記固定手段(18,19)は、前記折り畳みポール(16)を前記軸(A3)回りに旋回させることによって、互いに結合され得る、ことを特徴とする請求項に記載のクレーン(1)。
【請求項9】
前記ポール(14)は、前記折り畳みポール(16)よりも長い、又は、前記ポール(14)及び前記折り畳みポール(16)は、同じ幅を有する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項10】
前記Aフレーム(10)は、特に並行であって少なくとも1つのクロスメンバを含む、2つのサイドメンバを有する、ラック状構造を備え、前記少なくとも1つのクロスメンバは、好ましくは、前記折り畳みポール(16)に配置されている、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項11】
前記ガイ手段(12)は、前記ブーム(6)及び前記Aフレーム(10)にそれぞれ旋回可能に固定された1つ以上の剛性ガイロッドを有する、ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1つに記載のクレーン(1)。
【請求項12】
請求項1から1のいずれか1つに記載の移動式クレーン(1)用の、分離可能なAフレーム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の移動式クレーン、特にクローラクレーン、及び前記クレーン用の分離可能なAフレームに、関する。
【背景技術】
【0002】
多くの移動式クレーン、特にクローラクレーンでは、上部構造に旋回可能に関節式に連結されたガイフレーム又はAフレームを介して、メインブームをガイして、引込機構によってブーム及びAフレームのユニットを旋回させる、ことが知られている。
【0003】
図1は、従来技術から知られているクローラクレーン1の側面図を示す。クローラクレーン1は、クローラ移動ギアを有する下部走行体2と、下部走行体2に垂直軸回りに回転可能に支持され且つフロント領域に配置された運転室4及びリア領域に配置された上部構造バラスト5を有する上部構造3と、水平軸回りに旋回可能に支持されたメインブーム6と、を備える。荷重懸架手段又は吊上フック7は、ホイストロープ8を介して、上部構造3に支持されたホイストロープウインチ9に、接続されている。保持ロッド12を介してメインブーム6に連結されたAフレーム10は、上部構造3に水平軸回りに旋回可能に関節式に連結されている。
【0004】
引込機構は、通常、上部構造3に配置され且つ引込ロープ21を有する引込ウインチ20を、備える。引込ロープ21は、Aフレームの端部に配置されたローラ又はローラセット24の上、及び上部構造3に配置されたローラ又はローラセット22の上を、案内される。ローラ又はローラセット22,24間の距離は、引込ウインチ20により引込ロープ21を引っ込める/引き出すことによって、減少/増大されることができ、それによって、Aフレーム10及びブーム6は、旋回されることができる。
【0005】
メインブーム6は、引込ウインチロープ駆動装置によって作動される調整ユニットを、Aフレーム10及び保持ロッド12と共に、形成する。ホイストロープ8の自由長は、ホイストロープウインチ9を作動することによって変えられることができ、それによって、荷重フック7に取り付けられた吊上荷重は、上昇又は降下されることができる。いくつかのクレーンでは、上部構造3に関節式に旋回可能に連結されたデリックブームが、メインブーム6にさらに設けられており、この場合、Aフレーム10は、メインブーム6に連結されておらず、むしろ、保持ロッド12を介してデリックブームに連結される。
【0006】
下部走行体及び上部構造のベースユニットは、通常、クローラキャリア及び上部構造バラスト無しで、且つAフレームと共に、展開場所に輸送されて、その場所で組み立てられる。ここで、Aフレーム自身の重量は、輸送されるユニットの総重量に実質的に寄与しており、このことは、(道路)輸送中の最大許容輸送重量における規定に関して、特に、この点について厳しい規制を有する国において、問題となり得る。Aフレーム及び引込機構のユニット全体の取り外しは、取り付け及び取り外しが比較的複雑で時間がかかるとともに、取り付け及び取り外し又は輸送時に引込機構のセンシティブなコンポーネントへの損傷のリスクがあるので、不利でもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この背景に対して、本発明の根本の目的は、重量を減らし且つ小さな組立労力で、ベース装置における移動可能なユニットを有する、フレームAを備える移動式クレーンを、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するクレーンによって、達成される。したがって、移動ギアを有する下部走行体(undercarriage)と、前記下部走行体に垂直軸回りに回転可能に支持された上部構造(superstructure)と、前記上部構造に水平軸回りに旋回可能に関節式に連結されたブームと、前記上部構造に水平軸回りに旋回可能に関節式に連結されるとともに、ガイ手段(guying means)によって前記ブームに連結されたAフレームと、前記Aフレームを旋回可能にする引込機構(retraction mechanism)と、を備える移動式クレーン、特にクローラクレーンが、提案されている。本発明によれば、前記Aフレームは、分離可能、すなわち輸送のために分解可能として設計されており、前記上部構造に旋回可能に関節式に連結されたポールと、前記ポールに取り外し可能に連結された折り畳みポール(folding pole)と、を有する。
【0009】
本発明によれば、Aフレームが、ポールと折り畳みポールとに分解されることができるので、輸送のために、Aフレームにおける一のパーツ、特にポールのみを取り外して、他のパーツ、特に折り畳みポールを引込機構と共に上部構造に残すこと、が可能である。したがって、輸送のために通常分解されるベースユニットを、同様に引込機構を取り外す必要なく、さらに小さくて軽い輸送ユニットに分解することが可能であり、このことは、組立手順を簡素化し且つ加速する。さらに、引込機構のセンシティブで高価なコンポーネントは、取扱い及び輸送による損傷から保護される。
【0010】
輸送のために取り外し可能なAフレームのパーツは、特に、迅速且つ簡素に取り外されることができるとともに、コンパクトであり、したがって、小さな輸送体積を必要とする。コストに関する実質的な輸送における利点は、特に最大輸送重量に関する厳しい規制を有する国において、分解されたベースユニットの輸送重量の減少に起因して、当局から許可される。
【0011】
「折り畳みポール」という用語は、幅広い解釈を与えられるべきであり、特に、このパーツが折り畳み可能に設計されることを、必ずしも必要としない。ここで、特にポールを取り外した後に上部構造に残り得る、Aフレームの任意の所望のパーツとしてもよい。ブーム及びAフレームは、同じ軸回り又は異なる軸回りに、旋回可能でもよい。ブームは、メインブーム又はデリックブームでもよい。
【0012】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項から及び以下の説明から、得られる。
【0013】
一実施形態では、前記折り畳みポールは、前記ポールから取り外され得るとともに、前記上部構造に取り外し可能に取り付けられ得る。したがって、ポールは、輸送のために取り外され、折り畳みポールが上部構造に可逆的に固定されて上部構造と共に輸送される間に、別個に輸送される。
【0014】
さらなる実施形態では、前記Aフレームに固定された前記引込機構のコンポーネントが、前記折り畳みポールに配置されている。これにより、引込機構に連結されたAフレームのパーツを輸送のために上部構造に残すとともに、Aフレームの残り、すなわちポールを取り外して、別個に輸送することが、可能である。したがって、Aフレームの迅速且つ簡素な分解又は組立が、得られる。引込機構のコンポーネントは、それらを支持する構造から取り外される必要はない。
【0015】
さらなる実施形態では、前記引込機構は、前記上部構造に配置された引込ウインチと、前記上部構造に配置された第1ローラセットと、前記折り畳みポールに配置された第2ローラセットと、を有する。引込ロープは、複数巻きによって、ローラセットの周りに案内され得る。第2ローラセットは、特に、Aフレームの外端部に配置されている。これにより、折り畳みポールは、小さくなることができ、第2ローラセットを囲み且つそれを支持するAフレームの構造のみを、備えることができ、その結果、Aフレームの大部分は、ポールの形成において取り外し可能であり、残りの輸送ユニットの重量は、大幅に低減されることができる。
【0016】
さらなる実施形態では、前記折り畳みポールは、関節式連結軸から離間した、前記Aフレームの端部を形成しており、好ましくは、前記ガイ手段を固定するための連結手段を有する。連結手段は、特に、ブームに面するAフレームの側部(上側部)に、配置されている。ここで、これらは、保持ロッドを固定するためのピン留めポイント(pinning points)でもよい。
【0017】
さらなる実施形態では、前記ポールは、前記上部構造から及び前記折り畳みポールから、取り外され得るとともに、前記引込機構を前記上部構造に残して、別個に輸送され得る。ポールと折り畳みポールとの間の連結、及びポールの上部構造への連結は、この目的のために、解除される。
【0018】
さらなる実施形態では、前記折り畳みポール及び前記上部構造は、それぞれ、前記折り畳みポールを前記上部構造に取り外し可能に取り付け得る固定手段を、有し、前記上部構造の前記固定手段は、好ましくは、そのリア領域に配置されており、前記折り畳みポールの前記固定手段は、好ましくは、前記ブームから離れた前記Aフレームの側(下側)に配置されている。ここで、これらは、取り外し可能なピン連結を確立するための、ピン留めポイントでもよい。この有利な配置では、折り畳みポールは、固定手段を互いに結合するために、水平軸回りで下方に旋回される又は折り畳まれる必要があるのみであり、互いに結合された固定手段は、続いて連結される必要があるのみである。そして、ポールへの残りの連結は、解除されてもよく、ポールは、上部構造から取り外されてもよい。折り畳みポールの旋回は、補助クレーンの助けを借りて、行われてもよい。
【0019】
さらなる実施形態では、前記折り畳みポールは、特に水平であって前記ポールにラッチ可能な、軸(旋回軸)回りに旋回可能に、前記ポールに連結されており、この軸及びラッチ連結は、それぞれ、取り外し可能なピン連結である。ラッチ連結は、旋回軸と並行な軸(ラッチ軸)に沿って、行われてもよい。ポール及び折り畳みポールは、この目的のために、それぞれ、連結手段、好ましくはピン留めポイントを、有してもよい。折り畳みポールは、ラッチ軸への連結を解除することによって、ポールに対して旋回軸回りに、旋回されてもよい。
【0020】
さらなる実施形態では、前記折り畳みポール及び前記上部構造の前記固定手段は、前記折り畳みポールを前記軸(旋回軸)回りに旋回させることによって、互いに結合され得る。旋回軸に沿ったポールと折り畳みポールとの間の連結は、固定手段の連結の確立の後に、解除されてもよい。折り畳みポールの旋回は、補助クレーンの助けを借りて、行われてもよい。
【0021】
さらなる実施形態では、前記ポールは、前記折り畳みポールよりも長い。これにより、Aフレームの大部分は、輸送のために取り外されることができ、輸送ユニットの重量は、大幅に低減されることができる。代替的に又は追加的には、前記ポール及び前記折り畳みポールとは、実質的に同じ幅を有してもよい。しかしながら、Aフレームは、また、端部に向かってテーパになるベース形状を、有してもよい。この場合、ポール及び折り畳みポールは、連結点において、少なくとも実質的に同じ幅を有する。
【0022】
さらなる実施形態では、前記Aフレームは、特に並行であって少なくとも1つのクロスメンバを含む、2つのサイドメンバを有する、ラック状構造を備え、前記少なくとも1つのクロスメンバは、サイドメンバを連結しており、好ましくは、前記折り畳みポールに配置されている。あるいは、サイドメンバは、折り畳みポールに向かって、互いに向かって、収束してもよい。
【0023】
さらなる実施形態では、前記ガイ手段は、前記ブーム及び前記Aフレームにそれぞれ旋回可能に固定された1つ以上の剛性ガイロッドを、有する。
【0024】
本発明はさらに、本発明に係る移動式クレーン用の、分離可能なAフレームに、関する。この点について、本発明に係るクレーンと同じ利点及び特性が明らかに得られ、その結果、この時点では繰り返しの説明は省略される。
【0025】
本発明のさらなる特徴、詳細及び利点は、図面を参照して以下で説明される実施形態から、得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、Aフレームを備えるカテゴリのクローラクレーンを側面図で示す。
図2図2は、折り畳まれた折り畳みポールを有する本発明に係るクレーンの一実施形態の上部構造を概略側面図で示す。
図3図3は、ポールを取り外した後における図2に係る上部構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、Aフレーム10を備えるカテゴリのクローラクレーン1を側面図で示しており、既に最初に詳細に説明された。したがって、繰り返しの説明は、省略される。本発明に係る移動式クレーンは、そのようなクローラクレーン1でもよく、Aフレーム10は、カテゴリのユニットと比較して、分離可能である。
【0028】
図2は、図1に係るクローラクレーン1である本発明に係るクレーン1の好適な実施形態による上部構造3の詳細を、側面図で示す。本発明によれば、Aフレーム10は、分離可能又は分解可能であり、上部構造3に水平軸A2回りに旋回可能に連結されたポール14と、これに取り外し可能に固定され且つ軸A2から離間したAフレーム10の端部を形成する折り畳みポール16と、を有する。本実施形態に係るクレーン1のメインブームであるブーム6は、軸A2から離間した水平軸A1である。
【0029】
Aフレーム10は、引込機構の作動によって、調整可能又は旋回可能である。引込機構は、上部構造3に配置された引込ウインチ20と、上部構造3のリアエンドに配置された第1ローラセット22と、折り畳みポール16に固定された第2ローラセット24と、を有する。引込ウインチ20上で巻き上げ可能(windable)且つ巻き戻し可能(unwindable)な方法で支持された引込ロープ21は、ローラセット22,24の周りに複数回ガイドされる又は巻き上げられる。ローラセット22,24の間の距離は、減少されることができ、これにより、引込ロープ21を巻き上げることによって、Aフレームは、後方/下方に旋回されることができる。逆の動きは、作動中の保持ロッド12を介してAフレーム10に結合されたブーム6の重量により、巻き戻しで、行われる。
【0030】
Aフレーム10又はポール14及び折り畳みポール16は、2つのアウターサイドメンバを有してもよく、第2ローラセット24は、折り畳みポール16のアウターサイドメンバの間に支持されている。ポール14及び折り畳みポール16はそれぞれ、互いに取り外し可能に連結される又は連結可能である連結手段26,27を、有する。ここで、連結手段26,27は、2つの並行なピン連結を確立させ得るピン留めポイントとして、設計されている。
【0031】
Aフレーム10は、実質的に上部構造3に接触するように、輸送の目的で上部構造3からポール14を取り外すために、下方に旋回される(図2参照)。ポール14と折り畳みポール16との間の2つのピン連結(ラッチ軸)の上の方を取り外すことによって、折り畳みポール16は、水平旋回軸A3を形成する下側ピン連結回りに、上部構造3の方向における下方に旋回又は折り畳まれることができる。折り畳みポール16の軸A3周りの旋回は、補助クレーンによって、行われてもよい。ここで、第2ローラセット24は、第1ローラセット22に対して、僅かに移動する。
【0032】
ピン留めポイントとして形成された固定手段18は、ブーム6から離れた側に又は折り畳みポール16の下側に、配置されている。このような固定手段19は、同様に、上部構造3のリアエンド又はリア領域に、配置されている。軸A3回りに折り畳みポール16を旋回させることによって、折り畳みポール16は、上部構造3に対して回転して、固定手段18,19は、互いに結合される、すなわち、ピン留めポイントは、位置合われる。折り畳みポール16は、固定手段18,19をピン留めすることによって、上部構造3に固定され、その結果、ポールへのピン連結(軸A3)は、解除されるようになる。ここで、ポール14と折り畳みポール16との間において解除された上側ピン連結(ラッチ軸)における現在解除されているピンが、固定手段18,19のピン連結のために使用され得ることが、考えられる。しかしながら、また、別個のピンが使用されてもよい。
【0033】
折り畳みポール16が上部構造3に取り付けられて、ポール14へのピン連結が解除されると、ポール14は、上部構造3から分解されることができる。ポール14自身が、引込機構のいかなるコンポーネントも支持しないので、引込機構のコンポーネントは、上部構造3に完全に残り、それと共に輸送されることができる。
【0034】
図3は、ポール14を取り外した後の輸送位置における上部構造3を示しており、折り畳みポール16は、そのリアで支持されている。ポール14が、Aフレーム10の先端のみを形成する折り畳みポール16よりも実質的に大きい又は長いので、ポール14を分解することによって、残りのユニットの輸送重量は、大幅に低減されることができる。取り外し自体は、複雑なパーツを分解する必要がないので、簡素且つ迅速に、行われることができる。また、引込機構を含むAフレーム10全体の分解よりも、取り外しは、簡素であり、損傷に対して安全である。ポール14自身は、コンパクトであり、したがって、小さな輸送体積のみを必要とする。
【0035】
軽い輸送ユニットを形成する目的のためにポール14を分解する方法は、以下のステップを含み得る。Aフレーム10を、下ろすステップ。ガイ手段12を、Aフレーム10から解除するステップ。ポール14と折り畳みポール16との間の上側(ピン)連結を、解除するステップ。折り畳みポール16を、下側ピン連結A3回りに旋回させるステップ。共に旋回された折り畳みポール16と上部構造3との固定手段18,19を、任意で補助クレーンによって、連結又はピン留めするステップ。ポール14と折り畳みポール16との間の下側(ピン)連結A3を、解除するステップ。任意で補助クレーンによって、(特に、軸A2における上部構造3への連結を解除することによって、)ポール14を、取り外すステップ。これらのステップは、ポール14の組立のために、逆の順序で実行される。
【0036】
また、本発明に係るAフレーム10は、単に、既存のクレーン1に後付けされてもよい。折り畳みポール16を固定するための固定手段19は、この目的のために、上部構造3のリアにおける適切な箇所に取り付けられる必要があるのみであり、第2ローラセット24は、折り畳みポール16に取り付けられる必要がある。
【符号の説明】
【0037】
1 クレーン
2 下部走行体
3 上部構造
4 運転室
5 上部構造バラスト
6 ブーム(メインブーム)
7 荷重懸架手段(荷重フック)
8 ホイストロープ
9 ホイストロープウインチ
10 Aフレーム
12 ガイ手段(引込ロッド)
14 ポール
16 折り畳みポール
18 固定手段、折り畳みポール
19 固定手段、上部構造
20 引込ウインチ
21 引込ロープ
22 第1ローラセット
24 第2ローラセット
26 連結手段、ポール
27 連結手段、折り畳みポール
A1 軸
A2 軸
A3 軸

図1
図2
図3