(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】日よけ隠蔵式ベビーカー
(51)【国際特許分類】
B62B 9/14 20060101AFI20220926BHJP
【FI】
B62B9/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021167119
(22)【出願日】2021-10-12
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202011093539.8
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー ユーヤ
(72)【発明者】
【氏名】ロ リンイ
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-062677(JP,U)
【文献】登録実用新案第3208511(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0127014(US,A1)
【文献】米国特許第6330898(US,B1)
【文献】特開2007-062437(JP,A)
【文献】特開2019-112052(JP,A)
【文献】特開平11-091587(JP,A)
【文献】特開2004-263346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 9/14
E06B 9/323
A61G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、当該フレーム頂部に設けられた幌、及び巻き取り可能な日よけを含む日よけ隠蔵式ベビーカーであって、当該フレームは手すり管を含み、当該手すり管の外側には手すりカバーが套設され、当該手すりカバーには、巻き取った当該日よけを収容するための収容キャビティが設けられ、当該収容キャビティは当該日よけを入れるための開口部を有し、当該開口部の箇所には、当該開口部を閉じたり開いたりするための連結部材が設けられ、当該日よけの一端が当該幌と取り外し可能に連結され、当該日よけの他端が当該収容キャビティの内壁に連結される、日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項2】
当該日よけの一端が、線ファスナー、ボタン、又は面ファスナーによって当該幌と取り外し可能に連結される、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項3】
当該日よけの他端が、縫製によって当該収容キャビティの内壁に固定連結される、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項4】
当該日よけの他端が、線ファスナーによって当該収容キャビティの内壁に取り外し可能に連結される、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項5】
当該連結部材が、線ファスナー、又はボタン、又は面ファスナーである、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項6】
当該手すりカバーが、可撓性構造である、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項7】
当該手すりカバーには、外向きにポケット部が延在し、当該ポケット部の凹構造が収容キャビティを形成する、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項8】
当該手すりカバーにはさらに、当該開口部を覆うことのできるフラップが外向きに延在し、当該フラップは当該連結部材と連結され、当該フラップは当該連結部材によって当該開口部を閉じたり開いたりする、請求項7に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項9】
当該手すりカバーが布素材の構造である、請求項8に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項10】
当該日よけが通気性構造である、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項11】
当該日よけがメッシュ構造である、請求項10に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【請求項12】
当該日よけの幅が、当該収容キャビティ内壁の底部から当該幌の方向へと徐々に幅広となる、請求項1に記載の日よけ隠蔵式ベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカーの技術分野、特に日よけ隠蔵式ベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
生活の中で、ベビーカーは、乳幼児が最も好む散歩用ツールであり、親が乳児を連れて買い物に出かける際の必需品でもあるため、ほとんどのベビーカーは屋外で使用される。乳児が日光にさらされるのを防ぐために、現在ほとんどのベビーカーは上部に幌が設けられているが、日の射す方向へ向かって移動すると、ベビーカーの真正面から乳児に日光が照りつけ、幼児の乗り心地に大きな影響を与える。もちろん、ベビーカーの中には、前方からの日差しを遮るために日よけを設置したものもあるが、構造が比較的複雑で、また、主にベビーカーに固定連結されている。ベビーカー正面からの日差しがないときに取り外すのも容易でなく、取り外せたとしても収納することはできない。
【0003】
したがって、従来技術の不足を解決するために、日よけ隠蔵式(隠し式)ベビーカーが大いに必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、日よけ隠蔵式ベビーカーを提供することであり、日よけ隠蔵式ベビーカーの日よけは、使用しないときは手すりカバー内に隠すことができ、追加の収納部材は必要なく、構造は簡単かつ実用的であり、外観に影響しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、本発明は、フレーム、フレーム頂部に設けられた幌、及び巻き取り可能な日よけを含む日よけ隠蔵式ベビーカーを提供し、フレームは手すり管を含み、手すり管の外側には手すりカバーが套設され、手すりカバーには、巻き取った日よけを収容するための収容キャビティが設けられ、収容キャビティは日よけを入れるための開口部を有し、開口部の箇所には、開口部を閉じたり開いたりするための連結部材が設けられ、日よけの一端が幌と取り外し可能に連結され、日よけの他端が収容キャビティの内壁に連結される。
【0006】
従来技術と比較すると、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーは、日よけが幌と取り外し可能に連結され、手すりカバーには巻き取った日よけを収容するための収容キャビティが設けられ、収容キャビティは、日よけを入れるための開口部を有し、開口部の箇所には、開口部を閉じたり開いたりするための連結部材が設けられる。本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーの使用時に、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーが光を遮断する必要がある場合は、連結部材によって開口部を開き、手すりカバーの収容キャビティ内に隠された日よけを開口部から引き出して幌と連結すれば、日よけがシート上に展開されて日光を遮るという目的が達成され、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーが光を遮断する必要がない場合は、日よけを幌から取り外して巻き取り、巻き取った日よけを開口部から手すりカバーの収容キャビティ内に入れ、その後、連結部材によって開口部を閉じることで、日よけを手すりカバー内に隠すという目的を達成する。これから分かるとおり、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーの日よけは、使用時に展開して日光を遮ることができ、不使用時には日よけを巻き取って手すりカバー内に隠すことができ、追加の収納部材は必要なく、構造は簡単かつ実用的であり、外観に影響しない。
【0007】
好ましくは、本発明の日よけの一端は、線ファスナー、ボタン、又は面ファスナーによって幌と取り外し可能に連結される。
【0008】
好ましくは、本発明の日よけの他端は、縫製によって収容キャビティの内壁に固定連結される。
【0009】
好ましくは、本発明の日よけの他端は、線ファスナーによって収容キャビティの内壁に取り外し可能に連結される。
【0010】
好ましくは、本発明の連結部材は、線ファスナー、又はボタン、又は面ファスナーである。
【0011】
好ましくは、本発明の手すりカバーは、可撓性構造である。
【0012】
好ましくは、本発明の手すりカバーには、外向きにポケット部が延在し、ポケット部の凹構造が収容キャビティを形成する。
【0013】
好ましくは、本発明の手すりカバーにはさらに、開口部を覆うことのできるフラップが外向きに延在し、フラップは連結部材と連結され、フラップは連結部材によって開口部を閉じたり開いたりする。まずフラップを用いて開口部を覆い、さらに連結部材で開口部を閉じることで、ベビーカーの外観をより美しくすることができる。
【0014】
好ましくは、本発明の手すりカバーは布素材の構造である。
【0015】
好ましくは、本発明の日よけは、通気性構造である。
【0016】
好ましくは、本発明の日よけはメッシュ構造である。メッシュ構造は日光を遮るだけでなく、乳児前方の視野が完全に遮られないようにすることができる。
【0017】
好ましくは、本発明の日よけは、黒色の構造である。黒色の構造は、太陽光の熱を有効に吸収することができ、それによって熱がシートに放散するのを防ぎ、ひいては乳児の乗り心地を向上させる。
【0018】
好ましくは、本発明の日よけの幅は、収容キャビティ内壁の底部から幌の方向へと徐々に幅広となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーの日よけを展開したときの構造概略図である。
【
図2】本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーの日よけを巻き取って収容キャビティ内に入れたときの構造概略図である。
【
図3】本発明の日よけ隠蔵式ベビーカーの日よけを手すりカバー内に隠したときの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術的内容、構造的特徴、及び達成される技術的効果を詳細に説明するために、以下では実施形態及び図面と組み合わせて詳しく説明を行う。
【0021】
図1から
図3を参照されたい。本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100は、フレーム1及びフレーム1の頂部に設けられた幌2を含み、フレーム1は手すり管11を含み、乳児が衝突してけがすることを避けるため、手すり管11の外側には手すりカバー111が套設され、また、乳児が日光にさらされるのを防ぐために、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100はさらに巻き取り可能な日よけ3を含み、具体的には、日よけ3は手動で巻き取ることができる。巻き取った日よけ3が収納できるように、手すりカバー111には、巻き取った日よけ3を収容するための収容キャビティ1111が設けられ、収容キャビティ1111は、日よけ3を入れるための開口部1112を有する。巻き取った日よけ3は、開口部1112から収容キャビティ1111に入れて収容キャビティ1111内に収納することができ、日よけ3が収容キャビティ1111内から容易に落下することのないように、開口部1112の箇所には開口部1112を閉じたり開いたりするための連結部材1113が設けられ、連結部材1113はさらに、日よけ3を手すりカバー111内に隠して、日よけ隠蔵式ベビーカー100の外観に影響しないようにすることができる。日よけ3の一端は、幌2と取り外し可能に連結されており、日よけ3の他端は、収容キャビティ1111の内壁と連結されている。日よけ隠蔵式ベビーカー100の使用時に、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100が光を遮断する必要がある場合は、連結部材1113によって開口部1112を開き、手すりカバー111の収容キャビティ1111内に隠された日よけ3を開口部1112から引き出して幌2と連結すれば、日よけ3がシート上に展開されて日光を遮るという目的が達成され、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100が光を遮断する必要がない場合は、日よけ3を幌2から取り外して巻き取り、巻き取った日よけ3を開口部1112から手すりカバー111の収容キャビティ1111内に入れ、その後、連結部材1113によって開口部1112を閉じることで、日よけ3を手すりカバー111内に隠すという目的を達成する。これから分かるとおり、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100の日よけ3は、使用時に展開して日光を遮ることができ、不使用時には日よけ3を巻き取って手すりカバー111内に隠すことができ、追加の収納部材は必要なく、構造は簡単かつ実用的であり、日よけ隠蔵式ベビーカー100の外観に影響しない。
【0022】
乳児が衝突してけがすることを有効に回避するため、本発明の手すりカバー111は、可撓性の構造となっている。続いて
図2を参照されたい。手すりカバー111には、外向きにポケット部1114が延在し、ポケット部1114の凹構造が収容キャビティ1111を形成し、手すりカバー111にはさらに、開口部1112を覆うことのできるフラップ1115が外向きに延在し(
図3のとおり)、フラップ1115は連結部材1113と連結され、フラップ1115は連結部材1113によって開口部1112を閉じたり開いたりする。巻き取った日よけ3を開口部1112から手すりカバー111の収容キャビティ1111内に入れた後は、フラップ1115を用いて開口部1112を覆い、さらに連結部材1113によって開口部1112を閉じれば、日よけ3を手すりカバー111の中に隠すことができる。連結部材1113で開口部1112を直接閉じるのと比較して、まずフラップ1115で開口部1112を覆ってから連結部材1113で開口部1112を閉じると、日よけ隠蔵式ベビーカー100の外観がより美しくなる。好ましくは、手すりカバー111は布素材の構造を選択するとよい。
【0023】
具体的には、本発明の日よけ3の他端は、縫製により収容キャビティ1111の内壁に固定連結されている。もちろん、日よけ3の他端と収容キャビティ1111の内壁とは、線ファスナーによって取り外し可能に連結してもよい。日よけ3を幌2から取り外せるよう、日よけ3の一端は、線ファスナー、ボタン、又は面ファスナーによって幌2と取り外し可能に連結することができる。具体的には、本発明の連結部材1113は、線ファスナー、又はボタン、又は面ファスナーとすることができる。連結部材1113に面ファスナーを選択した場合、フラップ1115及び開口部1112の相互に対応する箇所に、相互に対となる面ファスナーが設けられており、フラップ1115は、面ファスナーを合わせることによって、開口部1112を閉じたり開いたりし、日よけ3を展開して使用するときは、面ファスナーを合わせることによってフラップ1115を手すりカバー111の開口部1112上に接着してフラップ1115を位置決めできるため、日よけ3を展開して使用しているときも、日よけ隠蔵式ベビーカー100の外観は変わらず美しい。
【0024】
引き続き
図1を参照されたい。日よけ3の幅は、収容キャビティ1111内壁の底部から幌2の方向へと徐々に幅広になっており、これにより、乗っている乳児が日光にさらされるのを防ぐことができ、また両側の視野も遮られない。具体的には、日よけ3は通気性構造であり、さらには、乳児前方の視野を完全に遮らず、同時に日光は遮ることができるように、日よけ3はさらにメッシュ構造となっている。好ましくは、日よけ3は黒色の構造である。黒色の構造は、太陽光の熱を有効に吸収することができ、それによって熱がシートに放散するのを防ぎ、ひいては乳児の乗り心地を向上させる。
【0025】
図1から
図3を参照されたい。本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100は幌2、手すりカバー111及び巻き取り可能な日よけ3を含み、日よけ3の一端が幌2と取り外し可能に連結され、手すりカバー111には、外向きにポケット部1114が延在し、ポケット部1114の凹構造が収容キャビティ1111を形成し、収容キャビティ1111は、日よけ3を入れるための開口部1112を有し、手すりカバー111にはさらに、開口部を覆うことのできるフラップ1115が外向きに延在し、フラップ1115は連結部材1113と連結され、フラップ1115は連結部材1113によって開口部1112を閉じたり開いたりする。日よけ隠蔵式ベビーカー100の使用時に、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100が光を遮断する必要がある場合は、連結部材1113によってフラップ1115を開けて、さらに開口部1112を開き、手すりカバー111の収容キャビティ1111内に隠された日よけ3を開口部1112から引き出して幌2と連結すれば、
図1のように、日よけ3がシート上に展開されて日光を遮るという目的が達成され、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100が光を遮断する必要がない場合は、日よけ3を幌2から取り外して巻き取り、巻き取った日よけ3を開口部1112から手すりカバー111の収容キャビティ1111内に入れ、その後、フラップ1115で開口部1112を覆い、さらに連結部材1113によって開口部1112を閉じることで、
図3のように、日よけ3を手すりカバー111内に隠すという目的を達成する。これから分かるとおり、本発明の日よけ隠蔵式ベビーカー100の日よけ3は、使用時に展開して日光を遮ることができ、不使用時には日よけ3を巻き取って手すりカバー111内に隠すことができ、追加の収納部材は必要なく、構造は簡単かつ実用的であり、日よけ隠蔵式ベビーカー100の外観に影響しない。
【0026】
なお、本発明に関わる日よけ隠蔵式ベビーカー100のフレーム1の具体的構造は当業者によく知られているため、詳細について贅言しないことは留意されるべきである。
【0027】
以上は、本発明の好ましい実施形態のみを開示したに過ぎず、当然、これによって本発明の権利の範囲を限定することはできない。したがって、本発明の特許請求の範囲に従って行われた等価の変更も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0028】
1 フレーム
2 幌
3 日よけ
11 手すり管
100 日よけ隠蔵式ベビーカー
111 手すりカバー
1111 収容キャビティ
1112 開口部
1113 連結部材
1114 ポケット部
1115 フラップ