(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】フットウェア用の静電容量式足存在検知装置
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20220926BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B23/02 104
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022098807
(22)【出願日】2022-06-20
(62)【分割の表示】P 2021078734の分割
【原出願日】2017-03-15
【審査請求日】2022-07-15
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100180655
【氏名又は名称】鈴木 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー、スティーブン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ムノー、フィリップ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/188350(WO,A1)
【文献】特表2011-519611(JP,A)
【文献】特表2009-500141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0154255(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0289594(US,A1)
【文献】国際公開第2014/036374(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 13/00
A43B 23/02
A43C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用と脱ぎとのイベントの間のフットウェアの使用期間中に、アクティブなフットウェアの製品を自動的に調整する方法であって、
前記フットウェアの製品内の身体センサを使用して、前記フットウェアの製品内の足の位置の変化を感知すること、
前記身体センサによって感知された前記足の位置の変化に応じて、前記足に対する前記フットウェアの製品のフィット感を調整するために、ひも締めエンジンを制御すること、を含む、方法。
【請求項2】
プロセッサ回路を使用して、前記ひも締めエンジンへのひも締めエンジン制御信号を生成することをさらに含み、前記ひも締めエンジン制御信号は、前記身体センサによって感知された前記足の位置の変化が応答基準を満たすかどうかを示し、前記ひも締めエンジンを制御することは、前記ひも締めエンジン制御信号への応答を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記身体センサからセンサ信号を受信することをさらに含み、前記センサ信号は経時的な前記足の位置を示し、
前記プロセッサ回路は、前記センサ信号を信号形態限界と比較することによって、前記足の位置の変化が前記応答基準を満たすかどうかを決定するように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ひも締めエンジン制御信号を生成することは、前記身体センサに対する前記足の位置を特徴付けるために、前記プロセッサ回路を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ひも締めエンジン制御信号を生成することは、前記身体センサに対する前記足の向きを特徴づけるために、前記プロセッサ回路を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ひも締めエンジン制御信号を生成することは、前記フットウェアの製品のフットベッドに対する前記足の回転を特徴付けるために、前記プロセッサ回路を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ひも締めエンジンを制御することは、前記足の周りの前記フットウェアの製品の張力特性を維持するために、前記ひも締めエンジンの作動を抑制することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ひも締めエンジンを制御することは、前記足の周りの前記フットウェアの製品の張力特性を減少させるために、前記ひも締めエンジンを作動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ジェスチャセンサを使用して、着用者からのジェスチャ信号を検出することをさらに含み、前記ひも締めエンジンを制御することは、前記ジェスチャ信号への応答を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記足の位置の変化を感知することは、前記フットウェアの製品が使用される環境に基づいて、前記身体センサのベースライン又は基準特性を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
信号発生器を使用して、前記身体センサへの駆動信号を生成すること、
前記身体センサで前記駆動信号を受信すること、及び、それに応じて、前記フットウェアの製品内にあって前記身体センサに隣接する電場を生成すること、をさらに含み、
前記足の位置の変化を感知することは、少なくとも部分的に前記足の位置によって引き起こされる、前記身体センサに隣接する電場の変化を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記身体センサで前記駆動信号を受信することは、容量センサの一部を含む電極で前記駆動信号を受信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
フットウェアの製品であって、
フットウェアソールに結合されたフットウェアアッパーを含むフットウェア構造と、
前記フットウェア構造に配置され、着用と脱ぎとのイベントの間のフットウェアの使用期間中に、着用者の足の位置の変化を検出するように構成された身体センサを含む身体検知システムと、
前記フットウェア構造に結合され、前記身体検知システムによって検出された変化に基づいて前記着用者の足の周りで前記フットウェアの製品を締める又は緩めるように構成された自動締め付けエンジン、を備える、フットウェアの製品。
【請求項14】
前記身体検知システムは、電場の変化に基づいて前記着用者の足の位置の変化を検出するように構成される、請求項13に記載のフットウェアの製品。
【請求項15】
前記身体検知システムは、前記身体センサに駆動信号を提供するように構成された信号発生器を含み、前記身体センサが前記電場を生成するように構成されている、請求項14に記載のフットウェアの製品。
【請求項16】
前記身体検知システムは、前記検出された変化が足の位置の変化の基準を満たすときに、前記自動締め付けエンジンを作動させるように構成される、請求項13に記載のフットウェアの製品。
【請求項17】
前記足の位置の変化の基準は、足の回転の基準を含む、請求項16に記載のフットウェアの製品。
【請求項18】
フットウェアの製品であって、
フットウェアアッパーと前記フットウェアアッパーに結合されたフットウェアソールとを含むフットウェア構造と、
ひも締めケーブルと、
前記フットウェア構造に結合され、前記ひも締めケーブルを使用して足の周りの前記フットウェアの製品の張力特性を変更するように構成された電動のひも締めエンジンと、
着用と脱ぎとのイベントの間のフットウェアの使用期間中であって、前記フットウェアの製品が着用され、使用されているときに、前記フットウェアの製品内の足の位置の変化を検出し、検出された前記足の位置の変化に基づいて、前記足の周りの前記フットウェアの製品の張力特性を変化させるために、前記ひも締めエンジンを選択的に作動させる、身体検知システムと、を備える、フットウェアの製品。
【請求項19】
前記身体検知システムは、前記フットウェアソールに対する前記足の回転を検出し、それに応じて、前記足の周りの前記フットウェアの製品を締めるために前記ひも締めエンジンを作動させるように構成される、請求項18に記載のフットウェアの製品。
【請求項20】
前記身体検知システムは、前記フットウェア構造内に電場を生成し、前記電場において検出された変化に基づいて前記足の位置の変化を検出するように構成される、請求項18に記載のフットウェアの製品。
【請求項21】
前記足の位置の変化を感知することは、前記フットウェアの製品内の前記足の基準位置を感知すること、続いて前記フットウェアの製品内の前記足の異なる第2の位置を感知することを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な状態を監視するために様々な靴ベースのセンサが提案されている。例えば、「足
の状態を監視するセンサー靴(Sensor shoe for monitoring
the condition of a foot)」と題する特許文献1で、ブラウ
ン(Brown)は、靴ベースのセンサの実施例をいくつか提供している。ブラウン(B
rown)は、足力センサ(foot force sensor)が、比較的薄く、平坦で、可撓性で、
弾性の、誘電材料の層から作られるインソールを含むことができると述べている。足力セ
ンサは、加えられる圧縮力に基づき変化する電気抵抗を有することのできる導電性の相互
接続手段を含むことができる。
【0002】
ブラウン(Brown)はさらに、足の一部にかかる過度な圧力が潰瘍形成を引き起こ
す傾向がある場合に、糖尿病の人、または様々な種類の足の病気で悩む人が履くべき靴を
述べている。靴ボディは、力検出抵抗器(FSR:force sensing res
istor)を含むことができ、抵抗器に連結されているスイッチング回路は、閾値圧力
レベルに達するかまたはそれを超えることを着用者に警告するための警報ユニットを起動
することができる。
【0003】
フットウェア製品を自動的に締め付けるためのデバイスが、以前に提案されている。「
自動締め付け靴(Automatic tightening shoe)」と題する特
許文献2で、リュウ(Liu)は、靴のアッパー部に取り付けられる第1ファスナと、ク
ロージャ部材に接続されて、クロージャ部材を締め付け状態で保持するために第1ファス
ナと取り外し自在に係合が可能な第2ファスナとを提供する。リュウ(Liu)は、ソー
ルのかかと部に取り付けられる駆動ユニットを教示している。駆動ユニットは、ハウジン
グと、ハウジング内に回転自在に取り付けられるスプール(spool)と、1対の引きひも
と、モータユニットとを含む。各ひもは、スプールに接続されている第1端部と、第2フ
ァスナのひも穴に対応する第2端部とを有する。モータユニットは、スプールに連結され
ている。リュウ(Liu)は、ハウジング内のスプールの回転を駆動して、第2ファスナ
を第1ファスナに向かって引くためにスプールに引きひもを巻き取るように、モータユニ
ットが動作可能であることを教示している。リュウ(Liu)は、引きひもが貫通するこ
とのできるガイド管ユニットも教示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5929332号明細書
【文献】米国特許第6691433号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】全体として、例示的な実施形態によるアクティブなフットウェア製品のコンポーネントの分解図を示す。
【
図2A】全体として、例示的な実施形態によるセンサシステムおよび電動ひも締めエンジンを示す。
【
図2B】全体として、例示的な実施形態によるセンサシステムおよび電動ひも締めエンジンを示す。
【
図2C】全体として、例示的な実施形態によるセンサシステムおよび電動ひも締めエンジンを示す。
【
図3】全体として、例示的な実施形態による電動ひも締めシステムのコンポーネントのブロック図を示す。
【
図4】フットウェア製品のユーザが立っているときの、フットウェア製品内の呼びまたは平均的な足(左)についての圧力分布データ、および甲高足(右)についての圧力分布データを示す図である。
【
図5A】全体として、例示的な実施形態によるフットウェア製品のインソール内の静電容量型足存在センサの図を示す。
【
図5B】全体として、例示的な実施形態によるフットウェア製品のインソール内の静電容量型足存在センサの図を示す。
【
図6】全体として、例示的な実施形態による足存在検出のための静電容量式センサシステムを示す。
【
図7】全体として、例示的な実施形態による第1の静電容量型足存在センサの模式図を示す。
【
図8】全体として、例示的な実施形態による第2の静電容量型足存在センサの模式図を示す。
【
図9A】全体として、例示的な実施形態による静電容量型足存在センサの電極の実施例を示す。
【
図9B】全体として、例示的な実施形態による静電容量型足存在センサの電極の実施例を示す。
【
図9C】全体として、例示的な実施形態による静電容量型足存在センサの電極の実施例を示す。
【
図10】フットウェアセンサからの足存在情報を使用する実施例を示すフローチャートを示す。
【
図11】フットウェアセンサからの足存在情報を使用する第2の実施例を示すフローチャートを示す。
【
図12】全体として、静電容量式足存在センサからの第1時間可変情報のチャートを示す。
【
図13】全体として、静電容量式足存在センサからの第2時間可変情報のチャートを示す。
【
図14】全体として、静電容量式足存在センサからの第3時間可変情報のチャートを示す。
【
図15】全体として、静電容量式足存在センサからの第4時間可変情報のチャートを示す。
【
図16】全体として、例示的な実施形態による静電容量式足存在センサからの時間可変情報および信号形態限界のチャートを示す。
【
図17】全体として、フットウェア製品のミッドソール内に、誘電体スタックの下に配置されている静電容量型足存在センサの図の例を示す。
【
図18】全体として、静電容量式足存在センサからの静電容量指示信号に対する誘電体フィラーの影響を示すチャートを含む例を示す。
【
図19】全体として、フットウェア内の静電容量型足存在センサからの静電容量指示第3信号の一部を示すチャートの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
必ずしも縮尺通りには描かれていない図面において、同様の記号は、異なる図における
同様なコンポーネントを表すことがある。異なる添字を持つ同様の記号は、同様なコンポ
ーネントの異なる事例を表すことがある。図面は、一般に、限定ではなく例として、本書
で述べる様々な実施形態を図示する。
【0007】
自動的に締まる靴ひものコンセプトは、1989年に公開された映画「バック・トゥ・
ザ・フューチャー2(Back to the Future Part II)」でマ
ーティ・マクフライ(Marty McFly)が履いた、架空の電動靴ひも締めNik
e(登録商標)スニーカーによって、最初に広く一般に広められた。Nike(登録商標
)はその後、「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の映画の小道具版に外観が似た、電
動靴ひも締めスニーカーのバージョンを少なくとも1つ発売したが、採用した内部メカニ
カルシステムおよび周辺のフットウェアプラットフォームは、必ずしも大量生産または日
常的な使用に適していない。さらに、多くの問題のうちのほんのいくつかを挙げると、以
前の電動ひも締めシステムの構成は、製造コストの高さ、複雑さ、組立の難しさ、保守性
の欠如、およびメカニカル機構の弱さまたは脆弱さなどの問題をかなり抱えている。本発
明者らは、特に、上で挙げた問題のいくつかまたは全部を解決する、電動および非電動の
ひも締めエンジンを収容するためのモジュール式フットウェアプラットフォームを開発し
た。以下に述べるコンポーネントは、保守可能なコンポーネント、互いに交換可能な自動
化ひも締めエンジン、丈夫なメカニカル設計、ロバストな制御アルゴリズム、確実な操作
、合理的な組立プロセス、および小売レベルでのカスタマイゼーションを含むが、これだ
けに限らない、様々な便益を提供する。以下に述べるコンポーネントの様々な他の便益は
、関連技術の当業者には明らかであろう。
【0008】
一実施例において、モジュール式自動ひも締めフットウェアプラットフォームは、ひも
締めエンジン(lacing engine)を受け取るためにフットウェア製品のミッドソールに固
定されるミッドソールプレートを含む。ミッドソールプレートの構成は、ひも締めエンジ
ンを、購入時点のような遅い時点でフットウェアプラットフォームに追加することを可能
にする。ミッドソールプレート、およびモジュール式自動フットウェアプラットフォーム
の他の態様は、異なる種類のひも締めエンジンを互いに交換可能に使用することを可能に
する。例えば、以下に述べる電動ひも締めエンジンは、手動ひも締めエンジンと入れ替え
ることができるであろう。あるいは、足存在検知または他の特徴を備える全自動電動ひも
締めエンジンは、標準的なミッドソールプレート内に収容することができる。
【0009】
本明細書で述べる自動フットウェアプラットフォームは、エンドユーザに締め付け制御
と、例えば半透明の保護アウトソール材料を通して投影されるLED照明を使用した目視
的なフィードバックとを提供するためのアウトソールアクチュエータインタフェースを含
むことができる。アクチュエータは、ひも締めエンジンまたは他の自動フットウェアプラ
ットフォームのコンポーネントの状態を示すために、ユーザに触覚的および視覚的なフィ
ードバックを提供することができる。
【0010】
一実施例において、フットウェアプラットフォームは、靴の中に足が存在するときを検
出するように構成される足存在センサを含む。足が検出されると、例えば、自動的に、ユ
ーザのさらなる入力または命令なしに、1つまたは複数のフットウェアの機能またはプロ
セスを開始することができる。例えば、足がインソールに当たってフットウェアに適切に
収まっていることが検出されると、制御回路は自動的に、締めひもの締め付け、データ収
集、フットウェア診断または他のプロセスを開始することができる。
【0011】
自動ひも締めまたはフットウェア締付メカニズムの起動または開始が早すぎると、ユー
ザのフットウェア体験を損ないかねない。例えば、足がインソールに当たって完全に収ま
る前にひも締めエンジンが起動すると、ユーザは、足の残りの部分をフットウェアに入れ
るのが難しくなるかもしれず、または、ユーザは、ひも締めの張力を手動で調整しなけれ
ばならないかもしれない。そのため、本発明者らは、解決するべき課題に、つま先部、ミ
ッドソール部、およびかかと部がインソールの対応する部分に適切に整合されている状態
など、足がフットウェア製品に適切にまたは完全に収まっているかどうかを判別すること
が含まれることを認識した。発明者らは、さらに、センサコストおよび組立コストを削減
するため、ならびにデバイスの複雑さを低減するためなど、できるだけ少ないセンサを使
用して足の位置または足の向きを正確に判別することが課題に含まれることを認識した。
【0012】
これらの問題の解決策は、フットウェアのアーチおよびかかと領域またはアーチもしく
はかかと領域にセンサを設けることを含む。一実施例において、センサは、近傍電場の変
化を検知するように構成される静電容量式センサである。電場の変化または静電容量の変
化は、足のいずれかの部分が足の他の部分よりもセンサから遠いときを含め、足がフット
ウェアに出入りするときに起きうる。一実施例において、静電容量式センサは、ひも締め
エンジン筐体と一体化されるか、またはその中に収容される。一実施例において、静電容
量式センサの少なくとも一部分は、ひも締めエンジン筐体の外に設けられて、筐体内部の
電源回路または処理回路の1つまたは複数の導電性インタコネクト(conductive interco
nnect)を含む。
【0013】
足存在検出に使用するのに適した静電容量式センサは、様々な構成を有することができ
る。静電容量式センサは、平板コンデンサ(plate capacitor)を含むことができ、例え
ば平板のうちの1つまたは複数にかかる圧力または圧力の変化に応答して、ある平板が別
の平板に対して移動するように構成される。一実施例において、静電容量式センサは、複
数のトレース(trace)を含み、例えばインソールの上面に平行な面またはインソールの
上面に一致する面に実質的に配列される。該トレースは、エアギャップ(air gap)(ま
たはStyrofoam(商標)などの他の材料)によって側方に分離することができ、
励起回路によって提供されるAC駆動信号によって選択的にまたは定期的に駆動すること
ができる。一実施例において、電極は、インターリーブされた櫛形構成(comb configura
tion)を有することができる。このような静電容量式センサは、互いに対する電極自体の
動きに基づくとともに、足または他の物体の有無または動きによる電極付近の電場の干渉
に基づいて変化する静電容量信号を提供することができる。
【0014】
一実施例において、静電容量型センサは可動部品を含む必要がないため、静電容量型セ
ンサは、例えばメカニカルセンサよりも信頼性を高くすることができる。静電容量型セン
サの電極は、耐久性のある電場透過性材料を塗布すること、または該電極を該材料で被覆
することができ、そのため、環境の変化、湿気、漏出、汚れまたは他の汚染作用物質への
直接的な暴露から電極を保護することができ、人または他の材料がセンサの電極に直接接
触することがない。
【0015】
一実施例において、静電容量式センサは、センサが検出する静電容量の大きさを示す、
または静電容量の変化を示す、アナログ出力信号を提供する。出力信号は、足がセンサ付
近に存在するときに第1の値(例、低静電容量に対応する)を有することができ、出力信
号は、足が存在しないときに別の第2の値(例、高静電容量に対応する)を有することが
できる。
【0016】
一実施例において、足が存在するときの出力信号は、さらなる情報を提供することがで
きる。例えば、静電容量信号には、ステップイベントに相関する検出可能な変動が存在す
ることができる。さらに、静電容量信号には、靴のコンポーネント(インソール、足底板
(オーソテック)または他のコンポーネントなど)の摩耗および残りの寿命の両方または
一方を示すことができる、検出可能な長期ドリフト(long-term drift)が存在すること
ができる。
【0017】
一実施例において、静電容量式センサは、センサによって検知される静電容量の大きさ
を示すデジタル信号を提供するように構成される静電容量‐デジタル変換回路を含むかま
たは該変換回路に連結されている。一実施例において、静電容量式センサは、指定の閾値
静電容量条件を検知された静電容量値が満たすかどうかを示す割り込み信号または論理信
号を提供するように構成されるプロセッサ回路を含む。一実施例において、静電容量式セ
ンサは、ベースラインまたは基準静電容量値に対する静電容量特性を測定し、ベースライ
ンまたは基準は、検知される静電容量値に影響しかねない環境的な変化または他の変化に
適応するように更新または調整されることができる。
【0018】
一実施例において、静電容量式センサは、靴のインソールのアーチまたはかかと領域の
付近の足下に設けられる。静電容量式センサは、実質的に平坦または平らにすることがで
きる。静電容量式センサは、剛性または可撓性にすることができ、足の輪郭に適合するよ
うに構成される。いくつかのケースでは、例えば比較的低い誘電率または低比誘電率を有
することができるエアギャップが、靴を履いたときに静電容量式センサの一部と足との間
に存在することができる。静電容量式センサと足の表面との間の空隙を埋めるために、例
えば比較的高い誘電率または空気よりも大きい比誘電率を有することができる隙間充填材
を、静電容量式センサの上に設けることができる。隙間充填材は、圧縮性または非圧縮性
にすることができる。一実施例において、隙間充填材は、センサに適切な感度を、かつユ
ーザに足下の快適さを提供するために、誘電値とフットウェア内での使用の適性との適切
な妥協を提供するように選択される。
【0019】
以下に、電動ひも締めエンジン、足存在センサ、ミッドソールプレート、およびプラッ
トフォームの様々な他のコンポーネントを含め、自動フットウェアプラットフォームの様
々なコンポーネントを述べる。本開示の多くは、電動ひも締めエンジンのトリガとして足
存在検知を重点的に扱うが、述べられる構成の多くの態様は、手動ひも締めエンジン、ま
たはデータ収集もしくは生理学的モニタリングなどの他のフットウェア機能を自動化する
ためなど、足存在センサとインタフェースを取ることのできる他の回路もしくは特徴に適
用可能である。「自動フットウェアプラットフォーム」などで使用される場合、「自動」
という用語は、指定のユーザ入力なしで動作するシステムのみを含むことを意図されるの
ではない。むしろ、「自動フットウェアプラットフォーム」は、フットウェアのひも締め
もしくは保持システムを締め付けるための、またはアクティブなフットウェアの他の態様
を制御するための、様々な電動および手動の、自動的に起動される、および人により起動
されるメカニズムを含むことができる。
【0020】
図1は、全体として、例示的な実施形態によるアクティブなフットウェア製品のコンポ
ーネントの分解図を示す。
図1の実施例は、ひも締めエンジン110と、蓋120と、ア
クチュエータ130と、ミッドソールプレート140と、ミッドソール155と、アウト
ソール165と、を備える電動ひも締めシステム100を含む。ひも締めエンジン110
は、システム100に、ユーザが交換可能なコンポーネントを含むことができ、1つまた
は複数の足存在センサを含むことができ、または該足存在センサに連結することができる
。一実施例において、ひも締めエンジン100は、静電容量式足存在センサを含むかまた
は該センサに連結されている。
図1の実施例では図示されていない静電容量式足存在セン
サは、ひも締めエンジン110の足側に配列される複数の電極を含むことができる。一実
施例において、静電容量式足存在センサの電極は、ひも締めエンジン110内に収容する
ことができるか、ひも締めエンジン110のハウジングと一体にすることができ、または
ひも締めエンジン110付近の他の場所に配設して、1つまたは複数の電気導体を使用し
てひも締めエンジン110の内部の電源回路もしくは処理回路に連結することができる。
【0021】
図1の実施例の電動ひも締めシステム100の組立は、ミッドソール155内にミッド
ソールプレート140を固定することから始まる。次に、アクチュエータ130を、アウ
トソール165に埋め込むことのできるインタフェースボタンの反対側など、ミッドソー
ル140の外側側部の開口に挿入することができる。次に、ひも締めエンジン110をミ
ッドソールプレート140に挿入することができる。一実施例において、ひも締めエンジ
ン110は、フットウェアの他の場所に配設される1つまたは複数のセンサと連結するこ
とができる。電動ひも締めシステム100を構築するために、他の組立方法も同様に実施
することができる。
【0022】
一実施例において、ひも締めシステム100は、ひも締めケーブルの連続ループの下に
挿入され、ひも締めケーブルをひも締めエンジン110のスプールに整列させる。組立を
完成させるために、蓋120をミッドソールプレート140の固定手段に挿入し、閉位置
に固定し、ミッドソールプレート140の凹部に掛止することができる。蓋120は、ひ
も締めエンジン110を捕捉することができ、操作中にひも締めケーブルの整列の維持を
補助することができる。
【0023】
ミッドソールプレート140は、ひも締めエンジン用空洞141と、内側および外側締
めひもガイド142と、前方フランジ143と、後方フランジ144と、上方(上端)お
よび下方(底)面と、アクチュエータ用カットアウト(actuator cutout)145とを含
む。ひも締めエンジン用空洞141は、ひも締めエンジン110を受けるように構成され
る。この実施例では、ひも締めエンジン用空洞141は、ひも締めエンジン110を外側
および前方/後方方向に保持するが、ひも締めエンジン110を空洞141内にロックす
るための特徴を含んでいない。任意で、ひも締めエンジン用空洞141は、ひも締めエン
ジン110をより確実にひも締めエンジン用空洞141内に保持するために、1つまたは
複数の側壁に沿って、戻り止め(detent)、タブまたは他の機械的特徴を含む。
【0024】
締めひもガイド142は、ひも締めケーブルをひも締めエンジン110に合った位置へ
案内することを補助することができる。締めひもガイド142は、ひも締めケーブルをひ
も締めエンジン110に対する所望の位置へ案内することを補助するために、面取り縁お
よび下向き傾斜面を含むことができる。この実施例では、締めひもガイド142は、ミッ
ドソールプレート140の側部に、典型的なひも締めケーブルの直径よりも何倍も広い開
口を含むが、他の寸法を使用することもできる。
【0025】
図1の実施例では、ミッドソールプレート140は、ミッドソールプレート140の内
側側部にさらに延びている造形または成形された前方フランジ143を含む。例示的な前
方フランジ143は、フットウェアプラットフォームのアーチの下に追加のサポートを提
供するように構成されている。しかし、他の実施例では、前方フランジ143は、内側側
部にそれほど突出していなくてもよい。この実施例では、後方フランジ144は、内側側
部および外側側部の両方に延長部を備える外形を含む。図示する後方フランジ144は、
ひも締めエンジン110に高い側方安定性を提供することができる。
【0026】
一実施例において、1つまたは複数の電極を、ミッドソールプレート140に埋め込む
かまたは配設することができ、静電容量式足存在センサの一部など、足存在センサの一部
を形成することができる。一実施例において、ひも締めエンジン110は、ミッドソール
プレート140上の1つまたは複数の電極に電気的に連結されているセンサ回路を含む。
センサ回路は、電極から検知される電場または静電容量情報を使用して、ミッドソールプ
レート140に隣接する領域に足が存在するかしないかを判別するように構成することが
できる。一実施例において、電極は、前方フランジ143の最前方の縁から後方フランジ
144の最後方の縁まで延びていて、他の例では、電極は、フランジの一方または両方の
一部のみに及ぶ。
【0027】
一実施例において、フットウェアまたは電動ひも締めシステム100は、フットウェア
内の足の存在、フットウェア内における足の不在、またはフットウェア内の足の位置特性
を監視または判別することのできる1つまたは複数のセンサを含むかまたはそれとインタ
フェースを取る。1つまたは複数の該足存在センサからの情報に基づき、電動ひも締めシ
ステム100を含むフットウェアは、様々な機能を行うように構成することができる。例
えば、足存在センサは、フットウェアの中に足が存在するか存在しないかに関するバイナ
リ情報を提供するように構成することができる。一実施例において、足存在センサに連結
されるプロセッサ回路が、デジタルまたはアナログの信号情報を受信して解釈し、フット
ウェアの中に足が存在するか存在しないかに関するバイナリ情報を提供する。足存在セン
サからのバイナリ信号が、足が存在することを示す場合、電動ひも締めシステム100の
ひも締めエンジン110を起動して、例えばひも締めケーブルもしくは他のフットウェア
拘束手段の張力を自動的に増減させ、例えば足の周りでフットウェアを締め付けるかまた
は緩めることができる。一実施例において、ひも締めエンジン110、またはフットウェ
ア製品の他の部分は、足存在センサからの信号を受信または解釈することのできるプロセ
ッサ回路を含む。
【0028】
一実施例において、足存在センサは、足がフットウェアに入るときに、足の位置に関す
る情報を提供するように構成することができる。電動ひも締めシステム100は、一般に
、例えば足がフットウェア製品のインソールの全部もしくは一部に当たるように、フット
ウェアに適切に位置付けられるか、または収められるときにのみ、例えばひも締めケーブ
ルを締め付けるために、起動することができる。足の移動または位置に関する情報を検知
する足存在センサは、例えばインソールまたはフットウェア製品の何らかの他の特徴に対
して、足が完全にまたは部分的に収まっているかどうかに関する情報を提供することがで
きる。自動ひも締め手順は、センサからの情報が、足が適切な位置にあることを示すまで
、中断または遅延させることができる。
【0029】
一実施例において、足存在センサは、フットウェアの内部の足の相対的な位置に関する
情報を提供するように構成することができる。例えば、足存在センサは、足のアーチ、か
かと、つま先または他の構成要素のうちの1つまたは複数の相対的な位置(例、足の構成
要素を受けるように構成されている、フットウェアの対応する部分に対して)を判別する
ことなどによって、所定の足にとってフットウェアが良好に「フィット」するかどうかを
検知するように構成することができる。一実施例において、足存在センサは、経時的なひ
も締めケーブルの緩み、または足自体の自然なむくみおよび収縮によるなど、指定のまた
は以前に記録された基準位置に対して、足または足の構成要素の位置が経時的に変化する
かどうかを検知するように構成することができる。
【0030】
一実施例において、足存在センサは、身体の存在に関する情報を検知または受信するよ
うに構成することのできる、電気的、磁気的、熱的、静電容量式、圧力式、光学的または
他のセンサデバイスを含むことができる。例えば、電気センサは、少なくとも2つの電極
間のインピーダンス特性を測定するように構成されるインピーダンスセンサを含むことが
できる。身体(足など)が電極の近くにまたはそれに隣接して位置するとき、電気センサ
は、第1の値を有するセンサ信号を提供することができ、身体が電極から離れた位置にあ
るとき、電気センサは、別の第2の値を有するセンサ信号を提供することができる。例え
ば、第1インピーダンス値は、空のフットウェアの状態に関連付けることができ、それよ
り小さい第2インピーダンス値は、使用中のフットウェアの状態に関連付けることができ
る。
【0031】
電気センサは、AC信号発生器回路と、例えば無線周波数情報を含む、高周波数信号情
報を発信または受信するように構成されるアンテナとを含むことができる。アンテナに対
する身体の近さに基づいて、インピーダンス、周波数または信号振幅などの1つまたは複
数の電気信号特性が、受信され、分析されて、身体が存在するかどうかを判別することが
できる。一実施例において、受信された信号強度インジケータ(RSSI:receiv
ed signal strength indicator)は、受信された無線信号
の電力レベルに関する情報を提供する。例えば、あるベースラインまたは基準値に対する
RSSIの変化を、身体の有無を識別するために使用することができる。一実施例におい
て、例えば2.4GHz、3.6GHz、4.9GHz、5GHzおよび5.9GHzの
帯域のうちの1つまたは複数で、WiFi周波数を使用することができる。一実施例にお
いて、例えば400kHzあたりでは、キロヘルツ範囲の周波数を使用することができる
。一実施例において、電力信号の変化は、ミリワットまたはマイクロワットの範囲で検出
することができる。
【0032】
足存在センサは、磁気センサを含むことができる。第1磁気センサは、磁石および磁力
計を含むことができる。一実施例において、磁力計は、ひも締めエンジン110に、また
はその付近に位置付けることができる。磁石は、アウトソール165の上に着用されるよ
うに構成される二次ソール内、またはインソール内など、ひも締めエンジン110から離
れて配置することができる。一実施例において、磁石は、発泡体または二次ソールの別の
圧縮性材料に埋め込まれる。立つまたは歩くときなど、ユーザが二次ソールを押し下げる
と、磁力計に対する磁石の位置に対応する変化が、検知され、センサ信号を介して報告さ
れることができる。
【0033】
第2磁気センサは、磁場における変化または障害物を(例、ホール効果を介して)検知
するように構成される磁場センサを含むことができる。身体が第2磁気センサに近いとき
、センサは、周囲磁場への変化を示す信号を発生させることができる。例えば、第2磁気
センサは、検出された磁場の変動に応答して、電圧出力信号を変化させるホール効果セン
サを含むことができる。出力信号における電圧の変化は、例えば導体の電流に直角な、電
気信号導体にわたる電圧差と電流に垂直な磁場との積によることができる。
【0034】
一実施例において、第2磁気センサは、身体からの電磁場信号を受信するように構成さ
れる。例えば、「磁場ベースの識別を使用するセキュリティのための装置、システムおよ
び方法(Devices, systems and methods for sec
urity using magnetic field based identif
ication)」と題する米国特許第8752200号明細書で、バーシャフスキー(
Varshavsky)らは、認証のために身体の固有電磁シグネチャを使用することを
教示している。一実施例において、フットウェア製品内の磁気センサは、検出された電磁
シグネチャ(electromagnetic signature)を介して、現在のユーザが靴の所有者である
こと、および所有者の1つまたは複数の指定ひも締めの好み(例、締め具合)に従うなど
、製品を自動的にひも締めするべきことを認証または検証するために使用することができ
る。
【0035】
一実施例において、足存在センサは、フットウェアの一部の、またはその付近の温度変
化を検知するように構成される熱センサを含む。着用者の足がフットウェア製品に入ると
、着用者自身の体温がフットウェア製品の周囲温度と異なるとき、製品の内部温度が変化
する。したがって、熱センサは、温度変化に基づいて、足が存在しそうかしそうでないか
の指示を提供することができる。
【0036】
一実施例において、足存在センサは、静電容量の変化を検知するように構成される静電
容量式センサを含む。静電容量式センサは、単一のプレートもしくは電極を含むことがで
き、または、静電容量式センサは、マルチプレートもしくはマルチ電極構成を含むことが
できる。静電容量式タイプの足存在センサの様々な実施例を、本明細書でさらに説明する
。
【0037】
一実施例において、足存在センサは、光学センサを含む。光学センサは、フットウェア
の空洞の相対する側部間など、視線が遮られるかどうかを判別するように構成することが
できる。一実施例において、光学センサは、足がフットウェアに差し込まれるときに足に
よって覆うことのできる光センサを含む。検知された光または明るさの状態の変化をセン
サが示すとき、足の存在または位置の指示を提供することができる。
【0038】
本明細書で述べる様々なタイプの足存在センサのいずれも、独立して使用することがで
き、または、2つ以上の異なるセンサもしくはセンサタイプからの情報を合わせて使用し
て、足の存在、不在、向き、フットウェアへのフィット性、または足に関する他の情報お
よび足とフットウェアとの関係に関する他の情報の両方もしくは一方に関するさらなる情
報を提供することができる。
【0039】
図2A~
図2Cは、全体として、いくつかの例示的な実施形態によるセンサシステムお
よび電動ひも締めエンジンを示す。
図2Aは、ハウジング構造150、ケースねじ108
、締めひも溝112(締めひもガイドリリーフ112とも呼ばれる)、締めひも溝移行部
114、スプール凹部115、ボタン開口122、ボタン121、ボタン膜シール124
、プログラミングヘッダ128、スプール131、およびスプール131内の締めひも溝
132を含め、例示的なひも締めエンジン110の様々な外部特徴を紹介する。他の設計
も同様に使用することができる。例えば、密封されたドームスイッチなど、他のスイッチ
のタイプを使用することができ、または膜シール124を省くことなどができる。一実施
例において、ひも締めエンジン110は、ひも締めエンジン110の内部の回路と、外部
の足存在センサ(もしくはそのコンポーネント)、スイッチもしくはボタンなどの外部ア
クチュエータ、または他のデバイスもしくはコンポーネントなど、ひも締めエンジン11
0の外部の回路とのインタフェースを取るために、1つまたは複数のインタコネクトまた
は電気接点を含むことができる。
【0040】
ひも締めエンジン110は、ケースねじ108など、1つまたは複数のねじによってま
とめて保持することができる。ケースねじ108は、ひも締めエンジン110の構造的な
完全性を高めるために、主駆動機構付近に位置付けることができる。ケースねじ108は
、外部シームの超音波溶接をするために、ハウジング構造150をまとめて保持するなど
、組立プロセスを補助するようにも機能する。
【0041】
図2Aの実施例において、ひも締めエンジン110は、エンジンが自動フットウェアプ
ラットフォームに組み付けられると締めひもまたは締めひもケーブルを受ける、締めひも
溝112を含む。締めひも溝112は、操作中にそれに当ててまたはその中で締めひもケ
ーブルを移動させることのできる滑らかな案内面を提供するために、面取り縁付きの溝壁
を含むことができる。締めひも溝112の滑らかな案内面の一部は、溝移行部114を含
むことができ、これは、スプール凹部115に至る締めひも溝112の幅広部分にするこ
とができる。スプール凹部115は、溝移行部114から、スプール131の輪郭にぴっ
たり適合する略円形区画まで移行する。スプール凹部115は、巻き取られる締めひもケ
ーブルの保持と、スプール131の位置を保持とを補助することができる。他の設計の態
様は、スプール131を保持する他の手段を提供することができる。
図2Aの実施例では
、スプール131は、締めひも溝132が平らな上端面を通ってスプール軸(
図2Aでは
図示せず)が反対側から下方に延びている、ヨーヨー(yo-yo)の半分と同様な形状にさ
れている。
【0042】
ひも締めエンジン110の外側側部は、自動フットウェアプラットフォームの1つまた
は複数の特徴を起動または調整するように構成することのできるボタン121を収容する
、ボタン開口122を含む。ボタン121は、ひも締めエンジン110に含まれている様
々なスイッチの起動のために、外部インタフェースを提供することができる。いくつかの
実施例では、ハウジング構造150は、汚れや水からの保護を提供するために、ボタン膜
シール124を含む。この実施例では、ボタン膜シール124は、ハウジング構造150
の上方面から、例えば角を越えて外側側部まで、接着することのできる最大で数ミル(1
000分の2.54cm(1000分の1インチ))厚さの透明なプラスチック(または
同様な材料)である。別の実施例では、ボタン膜シール124は、ボタン121およびボ
タン開口122を被覆する約2ミル厚さのビニル粘着膜である。他のタイプのボタンおよ
びシーラントも同様に使用することができる。
【0043】
図2Bは、上区画102および底区画104を含むハウジング構造150の図である。
この実施例では、上区画102は、ケースねじ108、締めひも溝112、締めひも溝移
行部114、スプール凹部115、ボタン開口122およびボタンシール凹部126など
の特徴を含む。一実施例において、ボタンシール凹部126は、ボタン膜シール124の
嵌め込み部を提供するために削り下げられた上区画102の一部である。
【0044】
図2Bの実施例では、底区画104は、ワイヤレス充電器用アクセス105、継目10
6、およびグリース分離壁109などの特徴を含む。特に明記されていないが、ケースね
じ108を受けるためのケースねじベース、および駆動機構の一部を保持するためのグリ
ース分離壁109内の様々な特徴も描かれている。グリース分離壁109は、ひも締めエ
ンジン110の様々な電気コンポーネントから離して、駆動機構を取り囲んでグリースま
たは同様な化合物を保持するように構成されている。
【0045】
ハウジング構造150は、上区画102および底区画104の一方または両方に、構造
の表面に埋め込まれるか、または構造の表面に塗布される1つまたは複数の電極170を
含むことができる。
図2Bの実施例の電極170は、底区画104に連結されて示されて
いる。一実施例において、電極170は、静電容量型足存在センサ回路の一部を備える(
例、本明細書で述べる足存在センサ310を参照)。追加で、または代わりに、電極17
0は上区画102に連結することができる。上区画102または底区画104に連結され
る電極170は、ワイヤレス電力伝送のためにかつ静電容量型足存在センサ回路の一部と
して、または、ワイヤレス電力伝送のためにもしくは静電容量型足存在センサ回路の一部
として、使用することができる。一実施例において、電極170は、ハウジング構造15
0の外面に配設される1つまたは複数の部分を含み、別の実施例では、電極170は、ハ
ウジング構造150の内面に配設される1つまたは複数の部分を含む。
【0046】
図2Cは、例示的な実施形態によるひも締めエンジン110の様々な内部コンポーネン
トの図である。この実施例では、ひも締めエンジン110は、スプール磁石(spool magn
et)136、Oリングシール138、ウォームドライブ140、ブッシュ(bushing)1
41、ウォームドライブキー(worm drive key)、ギアボックス148、ギアモータ14
5、モータエンコーダ146、モータ回路基板147、ウォームギア151、回路基板1
60、モータヘッダ161、バッテリ接続部162および有線充電ヘッダ163をさらに
含む。スプール磁石136は、磁力計(
図2Cには図示せず)による検出により、スプー
ル131の動きの追跡を補助する。Oリングシール138は、スプール軸の周りのひも締
めエンジン110に侵入するおそれのある埃や湿気を封止するように機能する。回路基板
160は、以下に説明する静電容量式足存在センサ310などの足存在センサの1つまた
は複数のインタフェースまたはインタコネクトを含むことができる。一実施例において、
回路基板160は、足存在センサ310の一部を提供する1つまたは複数のトレースまた
は導電面を含む。
【0047】
この実施例では、ひも締めエンジン110の主要な駆動コンポーネントは、ウォームド
ライブ140、ウォームギア151、ギアモータ145およびギアボックス148を含む
。ウォームギア151は、ウォームドライブ140およびギアモータ145の逆駆動を阻
止するように構成されており、スプール131を介してひも締めケーブルからくる主要な
入力の力を、比較的大きなウォームギアとウォームドライブの歯とで分離できることを意
味する。この配列は、フットウェアプラットフォームのアクティブな使用からの動的負荷
、またはひも締めシステムの締め付けからの締め付け負荷、の両方に耐えるための十分な
力を有するギアを含む必要からギアボックス148を保護する。ウォームドライブ140
は、ウォームドライブキーなど、駆動システムの様々な脆弱な部分の保護を補助するため
の追加特徴を含む。この実施例では、ウォームドライブキーは、ギアボックス148から
出てくる駆動軸を通るピンとインタフェースを取る、ウォームドライブ140のモータ端
部にある放射状スロットである。この配列は、ウォームドライブ140が(ギアボックス
148から離れて)軸方向に自由に移動することを可能にし、その軸方向の負荷をブッシ
ュ141およびハウジング構造150に移すことによって、ウォームドライブ140がギ
アボックス148またはギアモータ145に対して不当な軸方向の力をかけるのを防ぐ。
【0048】
図3は、全体として、例示的な実施形態による電動ひも締めシステム300のコンポー
ネントのブロック図を示す。システム300は、インタフェースボタン301、静電容量
式足存在センサ310、ならびに、プロセッサ回路320、バッテリ321、充電コイル
322、エンコーダ325、モーションセンサ324、および駆動機構340を備える印
刷回路基板アセンブリ(printed circuit board assembly : PCA)を格納するハウジ
ング構造150を含むなど、電動ひも締めシステムのいくつかのコンポーネントを含むが
、必ずしも全部ではない。駆動機構340は、特に、モータ341、トランスミッション
342、および締めひもスプール343を含むことができる。モーションセンサ324は
、特に、ハウジング構造150またはハウジング構造150内のまたはハウジング構造1
50に連結されている1つまたは複数のコンポーネントのモーションを検知するように構
成される単一または複数の軸加速度計、磁力計、ジャイロメータまたは他のセンサもしく
はデバイスを含むことができる。
【0049】
図3の実施例において、プロセッサ回路320は、インタフェースボタン301、足存
在センサ310、バッテリ321、充電コイル322および駆動機構340のうちの1つ
または複数とデータまたは電力信号通信状態にある。トランスミッション342は、モー
タ341をスプール343に連結して、駆動機構340を形成する。
図3の実施例では、
ボタン301、足存在センサ310および環境センサ350が、ハウジング構造150の
外に、または部分的に外に示されている。
【0050】
代替実施形態において、ボタン301、足存在センサ310および環境センサ350の
うちの1つまたは複数は、ハウジング構造150に格納することができる。一実施例にお
いて、足存在センサ310は、ハウジング構造150の内部に配設されて、センサを汗や
汚れまたはデブリから保護する。ハウジング構造150の壁を通る接続を最小限にするか
またはなくすことは、アセンブリの耐久性および信頼性の向上に役立ちうる。
【0051】
一実施例において、プロセッサ回路320は、駆動機構340の1つまたは複数の態様
を制御する。例えば、プロセッサ回路320は、ボタン301からの、および/または足
存在センサ310からの、および/またはモーションセンサ324からの情報を受信し、
これに応答して、足に対してフットウェアを締め付けるかまたは緩めるなど、駆動機構3
40を制御するように構成することができる。一実施例において、プロセッサ回路320
は、追加でまたは代わりに、他の機能の中でも特に、足存在センサ310または他のセン
サから、センサ情報を取得または記録するための命令を出力するように構成される。一実
施例において、プロセッサ回路320は、足存在センサ310を使用した足の存在の検出
、足存在センサ310を使用した足の向きもしくは位置の検出、またはモーションセンサ
324を使用した指定のジェスチャの検出、のうちの1つまたは複数に、駆動機構340
の動作を条件付ける。
【0052】
一実施例において、システム300は、環境センサ350を含む。環境センサ350か
らの情報は、足存在センサ310のベースラインまたは基準値を更新または調整するため
に使用することができる。以下詳しく説明するように、静電容量式足存在センサが測定す
る静電容量値は、例えばセンサ付近の雰囲気条件に応答して、経時的に変化しうる。その
ため、環境センサ350からの情報を使用して、プロセッサ回路320および足存在セン
サ310の両方または一方は、測定または検知した静電容量値を更新または調整するよう
に構成することができる。
【0053】
図4は、フットウェア製品のユーザが立っているときの、フットウェア製品400内で
の呼び(nominal)または平均的な足(左)についての圧力分布データ、および甲高足(h
igh arch foot)(右)についての圧力分布データを示す図である。この実施例では、足
下の圧力の比較的より大きな面積が、かかと領域401、母指球領域402(例、アーチ
とつま先との間)、および母指領域403(例、「親指」領域)を含むことが分かる。し
かし、上で述べたように、アーチ領域またはその付近など、中央集中領域に、(例、足存
在センサ310を含む)様々なアクティブなコンポーネントを含むことが好都合なことが
ある。一実施例において、アーチ領域では、ハウジング構造150は、ハウジング構造1
50を含むフットウェア製品が着用されたときに、ユーザに対して全体的に目立ちにくい
かまたは邪魔になりにくいようにすることができる。
【0054】
図4の実施例では、ひも締めエンジン用空洞141は、アーチ領域に設けることができ
る。足存在センサ310に対応する1つまたは複数の電極を、第1位置405に、または
その付近に位置付けることができる。第1位置405に位置付けられた電極を使用して測
定される静電容量値は、第1位置405に対する足の近さによって異なることがある。例
えば、平均的な足と甲高足とでは、足自体の表面が第1位置405から距離が異なるとこ
ろにあるため、異なる静電容量値が得られるであろう。一実施例において、例えば異なる
ユーザの異なる足特性に対応するため、および足存在センサ310から得られる信号の特
性を高めるために、足存在センサ310およびひも締めエンジン110の両方または一方
の位置を、(例、ユーザによって、または販売時点で技術者によって)フットウェアに対
して調整することができる。一実施例において、足存在センサ310の感度は、例えば駆
動信号レベルを高めることによって、または足存在センサ310と足との間に位置付けら
れる誘電材料を変えることによって、調整することができる。
【0055】
図5Aおよび
図5Bは、全体として、例示的な実施形態による、フットウェア製品のイ
ンソール内の静電容量型足存在センサの図を示す。静電容量型足存在センサは、センサを
組み込む製品が着用されたときに、物体または身体550(足など)の表面の下に設ける
ことができる。
【0056】
図5Aでは、静電容量型足存在センサは、静電容量式検知コントローラ回路502に連
結されている第1電極アセンブリ501Aを含むことができる。一実施例において、コン
トローラ回路502は、プロセッサ回路320によって実行される機能に含まれるかまた
はそのような機能を含む。
図5Aの実施例では、第1電極アセンブリ501Aおよびコン
トローラ回路502の両方または一方は、ハウジング構造150の内部に含めるかもしく
はハウジング構造150に取り付けることができ、または、ハウジング構造150の内部
のPCAに連結することができる。一実施例において、第1電極アセンブリ501Aは、
ハウジング構造150の足側の面に、またはそれに隣接して配設することができる。一実
施例において、第1電極アセンブリ501Aは、ハウジング構造150の内部の上面領域
に分布させられる複数のトレースを含む。
【0057】
図5Bでは、静電容量型足存在センサは、静電容量式検知コントローラ回路502に連
結される第2電極アセンブリ501Bを含むことができる。第2電極アセンブリ501B
は、ハウジング構造150の外部に、またはその付近に取り付けることができ、可撓性コ
ネクタ511を使用するなどして、ハウジング構造150の内部のPCAに電気的に連結
することができる。一実施例において、第2電極アセンブリ501Bは、ハウジング構造
150の足側の面に、またはそれに隣接して配設することができる。一実施例において、
第2電極アセンブリ501Bは、ハウジング構造150の内面または外面に固定されて、
1つまたは複数の導体を介してプロセッサ回路320に連結される可撓性回路を含む。
【0058】
一実施例において、コントローラ回路502は、アトメル社(Atmel)のATSA
ML21E18B-MU、STマイクロエレクトロニクス社(ST Microelec
tronics)のSTM32L476M、または他の同様なデバイスを含む。コントロ
ーラ回路502は、より詳細に以下で説明するように、特に、第1電極アセンブリ501
Aまたは第2電極アセンブリ501Bで、少なくとも1対の電極にAC駆動信号を提供し
、これに応答して、その対の電極への物体または身体550の近さの対応する変化に基づ
いて、電場の変化を検知するように構成することができる。一実施例において、コントロ
ーラ回路502は、足存在センサ310またはプロセッサ回路320を含むかまたは使用
する。
【0059】
電極アセンブリ501と検知されるべき物体または身体550との間には、様々な材料
を設けることができる。例えば、電極絶縁材、ハウジング構造150の材料、インソール
の材料、インサートの材料510、靴下もしくは他の足カバー、ボディテープ、キネシオ
ロジーテープ、または他の材料を身体550と電極アセンブリ501との間に介在させて
、例えば、フットウェアの誘電特性を変化させ、それによって、電極アセンブリ501を
含むかまたは使用するセンサの静電容量検出感度に影響を与えることができる。コントロ
ーラ回路502は、例えば電極アセンブリ501を使用して検知する静電容量値の感度ま
たは信号対雑音比を高めるために、介在される材料の数または種類に基づいて、励起また
は検知パラメータを更新または調整するように構成することができる。
【0060】
図5A/
図5Bの実施例では、第1電極アセンブリ501Aおよび第2電極アセンブリ
501Bの両方または一方は、コントローラ回路502の信号発生器によって励起するこ
とができ、その結果、電極アセンブリの上端の足側から電場が放出されうる。一実施例に
おいて、電極アセンブリの下の電場は、検知を行う電極の下に位置付けられているドリブ
ンシールド(driven shield)を使用して、少なくとも部分的にブロックすることができ
る。ドリブンシールドおよび電極アセンブリは、互いに電気的に絶縁することができる。
例えば、第1電極アセンブリ501AがPCAの一表面上にある場合、ドリブンシールド
は、PCAの底層の上、またはマルチレイヤPCAの複数の内層のうちのいずれかの上に
することができる。一実施例において、ドリブンシールドは、第1電極アセンブリ501
Aの表面積に等しく、またはそれより大きくすることができ、第1電極アセンブリ501
Aの真下かつ中心に配置することができる。ドリブンシールドは、駆動信号を受信し、こ
れに応答して、第1電極アセンブリ501Aによって発生する場のX軸辺の同じ極性、位
相および/または振幅の電場を発生させることができる。ドリブンシールドの場は、第1
電極アセンブリ501Aの電場を跳ね返すことができ、それによって、センサ場を、PC
Aの接地板への望ましくない連結など、様々な寄生効果から隔離する。ドリブンシールド
は、同様に、第2電極アセンブリ501Bとともに使用するために設けることができる。
例えば、第2電極アセンブリ501Bは、
図5Bに図示するように、ハウジング構造15
0の上に設けることができ、ハウジング構造150の一部は、ドリブンシールドとして使
用される導電フィルムを含むことができる。追加で、または代わりに、ドリブンシールド
は、第2電極アセンブリ501Bがハウジング構造150の上以外の場所に設けられると
き、フットウェア製品の他の場所に設けることができる。
【0061】
ハウジング構造150を配置するべき好適な位置は、フットウェアのアーチ区域である
。これは、アーチ区域が、着用者が感じにくい区域であり、しかも着用者に不快感を生じ
させにくい区域であるためである。フットウェア内での足の存在を検出するために静電容
量式検知を使用する1つの利点は、静電容量式センサがアーチ領域に配置され、ユーザの
足が比較的または非常に甲高である場合でも、静電容量式センサが十分に機能できること
を含む。例えば、センサの駆動信号の振幅またはモルフォロジー特性は、静電容量式セン
サから受信される信号の、検出される信号対雑音比に基づいて変更または選択することが
できる。一実施例において、センサの駆動信号は、例えば第1電極アセンブリ501Aま
たは第2電極アセンブリ501Bと身体550との間に配設される1つまたは複数の材料
(例、靴下、インソール等)の変化に対応するために、フットウェアが使用される度に更
新または調整することができる。
【0062】
一実施例において、第1電極アセンブリ501Aまたは第2電極アセンブリ501Bな
ど、静電容量式センサの電極アセンブリは、X軸配向電極とY軸配向電極との間など、複
数の電極間の信号の差を検知するように構成することができる。一実施例において、適切
なサンプリング周波数は、約2から50Hzの間にすることができる。いくつかの実施例
において、静電容量型足検知技術は、足の周りのインソール上または靴下内の汗(湿気)
に対して比較的不変にすることができる。水分の存在は、測定される静電容量を増やすこ
とがあるため、該水分の影響は動的な検出範囲を減らしかねないことである。しかし、い
くつかの実施例では、動的な範囲は、フットウェア内の予想水分レベル内でこの影響に対
応するのに十分である。
【0063】
図6は、全体として、例示的な実施形態による足存在検出のための静電容量式センサシ
ステム600を示す。システム600は、身体550(例、アクティブなフットウェア製
品内の、またはその付近の足を表す)と、第1電極601および第2電極602とを含む
。電極601および602は、足存在センサ310の一部を備えるなど、
図5A/
図5B
の実施例の第1電極アセンブリ501Aまたは第2電極アセンブリ501Bの全部または
一部を形成することができる。
図6の実施例において、第1電極601および第2電極6
02は、互いにおよび身体550に対して垂直に離間しているように描かれているが、電
極は、例えば、
図7~
図9Cの実施例で詳述されるように、同様に水平方向に離間するこ
とができる。すなわち、一実施例において、電極は、身体550の下面に平行な平面に配
設することができる。
図6の実施例では、第1電極601は、送信電極として構成されて
、信号発生器610に連結されている。一実施例において、信号発生器610は、
図3の
実施例のプロセッサ回路320の一部を備える。すなわち、プロセッサ回路320は、駆
動信号を発生させて、それを第1電極601に適用するように構成することができる。
【0064】
第1電極601を信号発生器610からの駆動信号により励起することの結果として、
主に第1電極601と第2電極602との間に電場615を発生させることができる。す
なわち、発生された電場615の様々な成分は、第1電極601と第2電極602との間
に延びることができ、発生された電場615の他のフリンジ成分(fringe component)は
、他の方向に延びることができる。例えば、フリンジ成分は、送信電極または第1電極6
01からハウジング構造150(
図6の実施例には図示せず)から離れて延び、受信電極
または第2電極602に戻って終端することができる。
【0065】
身体550の近さによる電場615の変化に関する情報を含め、電場615に関する情
報は、第2電極によって検知または受信することができる。第2電極602から検知され
る信号は、様々な回路を使用して処理し、身体550の有無を示すアナログまたはデジタ
ル信号を提供するために使用することができる。
【0066】
例えば、第2電極602が受信する電場615の場の強さは、アナログ静電容量指示信
号をデジタル信号に変換するように構成されるシグマデルタ・アナログ‐デジタル変換回
路(ADC:analog-to-digital converter)620を使用
して測定することができる。身体550などの物体がそのフリンジ成分を含む電場615
に侵入するとき、電極付近の電気的環境が変化する。身体550が場に入ると、電場61
5の一部は、第2電極602で受信されて終端される代わりに地面に分路されるか、また
は第2電極602で受信される前に(例、空中の代わりに)身体550を通過する。この
結果、足存在センサ310およびプロセッサ回路320の両方または一方によって検出す
ることのできる静電容量変化を生じることができる。
【0067】
一実施例において、第2電極602は、実質的に連続して電場情報を受信することがで
き、情報は、ADC620によって連続的にまたは定期的にサンプリングすることができ
る。ADC620からの情報は、オフセット621に従って処理または更新することがで
き、さらに、デジタル出力信号622を提供することができる。一実施例において、オフ
セット621は、指定のもしくはプログラミングすることのできる静電容量オフセットで
あるか(例、プロセッサ回路320の内部で)、または経時的な環境変化、温度、および
環境の他の可変特性を追跡するために使用される別のコンデンサに基づくことができる。
【0068】
一実施例において、デジタル出力信号622は、例えば測定された静電容量値を指定の
閾値と比較することによって、判別された身体550の有無に関するバイナリ情報を含む
ことができる。一実施例において、デジタル出力信号622は、測定された静電容量に関
する定性的情報を含み、例えば身体550が存在するかしないかの可能性の指示を提供す
るために(例、プロセッサ回路320によって)使用することができる。
【0069】
定期的に、または(例、モーションセンサ324からの情報を使用して判別されるとお
り)足存在センサ310がアクティブではないときに常に、静電容量値を測定して、基準
値、ベースライン値または周囲値として記憶することができる。足または身体が足存在セ
ンサ310ならびに第1電極601および第2電極602に近づくと、測定された静電容
量は、例えば記憶された基準値に対して、増減することができる。一実施例において、1
つまたは複数の閾値静電容量レベルを、例えば、プロセッサ回路320を用いて内蔵レジ
スタに記憶することができる。測定された静電容量値が指定の閾値を超える場合、身体5
50は、足存在センサ310を含むフットウェアに存在する(または不在である)と判別
することができる。
【0070】
足存在センサ310、ならびに足存在センサ310の一部を備える電極601および6
02は、以下の非制限的ないくつかの実施例に示されるように、複数の異なる形態をとる
ことができる。一実施例において、足存在センサ310は、複数の電極またはプレート間
の相互静電容量に関する情報を検知または使用するように構成される。
【0071】
一実施例において、電極601および602は、電極グリッドに配列される。グリッド
を使用する静電容量式センサは、グリッドの各行および各列の各交差に可変コンデンサを
含むことができる。任意で、電極グリッドは、1つまたは複数の行または列に配列される
電極を含む。電圧信号を行または列に印加することができ、センサの表面付近の身体また
は足は、局所的な電場に影響を与えることができ、さらには、相互静電容量の影響を減少
させることができる。一実施例において、グリッドの複数の点における静電容量変化を測
定して、例えば各軸の電圧を測定することによって、身体の位置を判別することができる
。一実施例において、相互静電容量測定技術は、グリッド周りの複数の位置からの情報を
同時に提供することができる。
【0072】
一実施例において、相互静電容量測定は、送信および受信電極の直交グリッドを使用す
る。このようなグリッドベースのセンサシステムでは、複数の個別のX-Y座標ペアのそ
れぞれについて測定値を検出することができる。一実施例において、複数のコンデンサか
らの静電容量情報を使用して、フットウェア内の足の存在または足の向きを判別すること
ができる。別の実施例では、1つまたは複数のコンデンサからの静電容量情報を経時的に
取得して分析し、足の存在または足の向きを判別することができる。一実施例において、
X検出座標およびY検出座標の両方または一方に関する変化率の情報を使用して、足がフ
ットウェアのインソールに対して適切にもしくは完全に収まっているときを、または足が
フットウェアのインソールに対して適切にもしくは完全に収まっているかどうかを、判別
することができる。
【0073】
一実施例において、自己静電容量型の足存在センサは、相互静電容量センサと同じX-
Yグリッドを有することができるが、列および行は独立して動作することができる。自己
静電容量センサでは、各列または行における身体の静電容量性負荷を独立して検出するこ
とができる。
【0074】
図7は、全体として、例示的な実施形態による第1静電容量型足存在センサの模式図を
示す。
図7の実施例において、第1静電容量式センサ700は、複数の平行な静電容量性
プレートを含む。複数のプレートは、例えば、第1静電容量式センサ700を含むフット
ウェア製品が着用されているときに、足の下側に、またはその付近に位置付けられている
ハウジング構造150上またはハウジング構造150内に配列することができる。一実施
例において、静電容量式足存在センサ310は、第1静電容量式センサ700を含むかま
たはそれを使用する。
【0075】
図7の実施例において、4枚の導電性コンデンサプレートが701~704として図示
されている。プレートは、導電フォイル(conductive foil)などの導電材料で作ること
ができる。フォイルは、可撓性にすることができ、かつ、任意でハウジング構造150自
体のプラスチックに埋め込むことができ、またはハウジング構造150とは独立させるこ
とができる。フィルム、インク、溶着金属または他の材料など、任意の導電材料を使用で
きるであろうことは理解されるべきである。
図7の実施例では、プレート701~704
は、共通の平面に配列されて、互いに離間して、個別の導電要素または電極を形成してい
る。
【0076】
コンデンサの静電容量値は、コンデンサを形成する2枚のプレート間の材料の誘電率に
関数的に関係付けられる。第1静電容量式センサ700内に、2枚以上のコンデンサプレ
ート701~704の各対の間にコンデンサを形成することができる。したがって、コン
デンサA、B、C,D、EおよびFとして
図7に示されるように、コンデンサプレート7
01~704の6つの固有の組み合わせ対によって形成される6つの有効コンデンサがあ
る。任意で、プレートのうちの2枚以上を電気的に連結して、1枚のプレートを形成する
ことができる。すなわち、一実施例において、第1導体を提供するために電気的に連結さ
れている第1のコンデンサプレート701および第2のコンデンサプレート702、なら
びに第2導体を提供するために電気的に連結されている第3のコンデンサプレート703
および第4のコンデンサプレート704を使用して、コンデンサを形成することができる
。
【0077】
一実施例において、第1のコンデンサプレート701と第2のコンデンサプレート70
2との間の静電容量効果は、
図7に、文字Aによって識別される仮想コンデンサによって
表される。第1のコンデンサプレート701と第3のコンデンサプレート703との間の
静電容量効果は、文字Bによって識別される仮想コンデンサによって表される。第2のコ
ンデンサプレート702と第4のコンデンサプレート704との間の静電容量効果は、文
字Cによって識別される仮想コンデンサによって表され、以下同様である。当業者は、各
仮想コンデンサが、コンデンサプレートの各対の間に延びる静電場を表すことを理解する
であろう。以下、識別しやすくするために、静電容量性プレートの各対が形成するコンデ
ンサを、
図7で仮想に描かれたコンデンサを識別するために使用される文字(例、「A」
、「B」等)で呼ぶ。
【0078】
図7の実施例のコンデンサプレートの各対について、プレート間の有効誘電体は、プレ
ート間に配設されるエアギャップ(または他の材料)を含む。各対のコンデンサプレート
について、各対の静電容量性プレートに近い身体または足の任意の部分が、所定の対の静
電容量性プレートの有効誘電体の一部になることができ、または該有効誘電体に影響を与
えることができる。すなわち、各対のプレートへの身体の近さに従って、各対のコンデン
サプレート間に可変誘電体を提供することができる。例えば、身体または足が所定の対の
プレートに近いほど、有効誘電体の値は大きくなるであろう。誘電率値が増えるにつれて
、静電容量値が増える。このような静電容量値の変化は、プロセッサ回路320によって
受信されて、身体が第1静電容量式センサ700に、またはその付近に存在するかどうか
を示すために使用される。
【0079】
第1静電容量式センサ700を含む足存在センサ310の実施例においては、複数の静
電容量式センサの駆動/監視回路をプレート701~704に連結することができる。例
えば、個々の駆動/監視回路は、
図7の実施例の各対のコンデンサプレートに関連付ける
ことができる。一実施例において、駆動/監視回路は、駆動信号(例、時間可変電気励起
信号)をコンデンサプレート対に提供することができ、これに応えて、静電容量指示値を
受信することができる。各駆動/監視回路は、関連付けられているコンデンサ(例、コン
デンサ「A」は、第1のプレート701と第2のプレート702とに対応する)の可変静
電容量値を測定するように構成することができ、測定した静電容量値を示す信号を提供す
るようにさらに構成することができる。駆動/監視回路は、静電容量を測定するための任
意の適切な構造を有することができる。一実施例において、2つ以上の駆動/監視回路を
一緒に使用すると、例えば異なるコンデンサを使用して測定される静電容量値間の差の指
示を提供することができる。
【0080】
図8は、全体として、例示的な実施形態による第2静電容量型足存在センサの模式図を
示す。
図8の実施例は、第1電極801および第2電極802を含む第2静電容量式セン
サ800を含む。足存在センサ310は、第2静電容量式センサ800を含むかまたはそ
れを使用することができる。
図8の実施例において、第1電極801および第2電極80
2は、櫛形構成など、実質的に平坦な表面に沿って配列されている。一実施例において、
プロセッサ回路320などの駆動回路は、第1電極801および第2電極802に印加す
るための励起または刺激信号(stimulus signal)を発生させるように構成することがで
きる。同じかまたは異なる回路を、第1電極801と第2電極802との間の静電容量の
変化を示す応答信号を検知するように構成することができる。静電容量は、電極に対する
身体または足の存在から影響を受けうる。例えば、第1電極801および第2電極802
は、ハウジング構造150を含むフットウェア内に足が存在するときの足の近くなど、ハ
ウジング構造150の表面に、またはその付近に配列することができる。
【0081】
一実施例において、第2静電容量式センサ800は、例えば電極のパターンを形成する
X-Yグリッド内に、エッチングした導電層を含む。追加で、または代わりに、第2静電
容量式センサ800の電極は、例えばグリッドを形成する垂直線またはトラックを用いて
、導電材料の複数の個々の平行な層をエッチングすることによって提供することができる
。この静電容量式センサおよび他の静電容量式センサでは、身体または足と導電層または
電極との直接的な接触が必要ない。例えば、導電層もしくは電極は、ハウジング構造15
0に埋め込むことができ、または、導電層もしくは電極には、保護層もしくは絶縁層を塗
布することができる。代わりに、検出するべき身体または足は電極付近の電場特性とイン
タフェースを取るかまたはそれに影響を与えることができ、かつ、電場の変化を検出する
ことができる。
【0082】
一実施例において、地面もしくは基準に対する第1電極801について、および地面も
しくは基準に対する第2電極802について、個々の静電容量値を測定することができる
。足存在検出で使用するための信号は、第1および第2電極801および802について
測定された個々の静電容量値間の差に基づくことができる。すなわち、足の存在または足
検出信号は、第1電極801および第2電極802を使用して測定される個別の静電容量
信号間の差に基づくことができる。
【0083】
図9Aおよび
図9Bは、全体として、いくつかの実施例による第3静電容量式センサ9
00の実施例を示す。
図9Cは、全体として、第4静電容量式センサ902の実施例を示
す。
図9Aは、第3静電容量式センサ900の模式的な上面図を示す。
図9Bは、第3静
電容量式センサ900を含むセンサアセンブリ901の斜視図を示す。
図9Cは、第4静
電容量式センサ902の模式的な上面図を示す。
【0084】
図9Aの実施例では、第3静電容量式センサ900は、第1電極トレース911と第2
電極トレース912とを備える電極領域を含む。第1電極トレース911および第2電極
トレース912は、絶縁体トレース913によって隔てられている。一実施例において、
第1電極トレース911および第2電極トレース912は、他の導電材料の中でも特に、
銅、炭素または銀にすることができ、他の材料の中でも特に、FR4、フレックス、PE
TまたはITOから作られる基板上に配設することができる。第3静電容量式センサ90
0の基板およびトレースは、1つまたは複数の可撓性部分を含むことができる。
【0085】
第1電極トレース911および第2電極トレース912は、実質的に、第3静電容量式
センサ900の基板の表面積全体にわたって分布することができる。電極トレースは、第
3静電容量式センサ900が設置されるとき、ハウジング構造150の上側または上面に
対して位置付けることができる。一実施例において、第1電極トレース911および第2
電極トレース912のうちの一方または両方を約2mm幅にすることができる。絶縁体ト
レース913は、ほぼ同じ幅にすることができる。一実施例において、トレースの幅は、
特に、フットウェアのサイズまたはインソールの種類に基づいて選択することができる。
例えば、第1電極トレース911および第2電極トレース912と、絶縁体トレース91
3と、の両方または一方について、例えば第3静電容量式センサ900を使用して測定さ
れる静電容量値の信号対雑音比を最大化するために、例えばトレースと検知するべき身体
との距離、インソールの材料、隙間充填材、ハウジング構造150の材料、またはフット
ウェアで使用される他の材料に応じて、異なるトレース幅を選択することができる。
【0086】
第3静電容量式センサ900は、コネクタ915を含むことができる。コネクタ915
は、例えばハウジング構造150内のPCAに連結される相手側コネクタと連結すること
ができる。相手側コネクタは、第1電極トレース911と第2電極トレース912とをプ
ロセッサ回路320と電気的に連結するために、1つまたは複数の導体を含むことができ
る。
【0087】
一実施例において、第3静電容量式センサ900は、入力信号導体920Aおよび92
0Bを含む。入力信号導体920Aおよび920Bは、
図2Aの実施例のボタン121に
対応するものなど、ドームボタンまたは他のスイッチなど、1つまたは複数の入力デバイ
スと連結されるように構成することができる。
【0088】
図9Bは、第3静電容量式センサ900と、ボタン121Aおよび121Bと、膜シー
ル124Aおよび124Bとを含むセンサアセンブリ901を示す。一実施例において、
接着剤によって、入力信号導体920Aおよび920Bの対応する導電面がボタン121
Aおよび121Bに連結される。例えばボタン121Aおよび121Bをデブリから保護
するために、膜シール124Aおよび124Bをボタン121Aおよび121Bの上に接
着することができる。
【0089】
図9Cの実施例では、第4静電容量式センサ902は、第1電極トレース921と第2
電極トレース922とを備える電極領域を含む。第1電極トレース921および第2電極
トレース922は、絶縁体トレース923で隔てられている。電極トレースは、様々な導
電材料を備えることができ、第4静電容量式センサ902は、1つまたは複数の可撓性部
分を含むことができる。第4静電容量式センサ902は、コネクタ925を含むことがで
き、コネクタ915は、例えばハウジング構造150内でPCAに連結される相手側コネ
クタと連結することができる。
【0090】
本発明者らは、解決するべき課題に、例えば、足存在センサの全部または一部が、例え
ばエアギャップまたは他の介在物によって、検出するべき足または身体から離間している
とき、静電容量式足存在センサの適切な感度または静電容量式足存在センサからの応答を
取得することが含まれることを認識した。本発明者らは、解決策は、電極が通電されると
きに生じる電場の向きおよび相対的な強度を高めるために、指定の形状、サイズおよび向
きの複数の電極を使用することを含むことができることを認識した。すなわち、本発明者
らは、静電容量式足存在検知で使用するのに最適な電極構成を特定した。
【0091】
一実施例において、第4静電容量式センサ902は、第1電極トレース921と第2電
極トレース922とを含み、第1電極トレース921および第2電極トレース922は、
それぞれ互いに実質的に平行に延びている複数の個別のフィンガー(finger)またはトレ
ースを含む。例えば、第1電極トレース921および第2電極トレース922は、
図9C
に図示するように、インターリーブされた複数の導電フィンガーを含むことができる。
【0092】
一実施例において、第2電極トレース922は、第4静電容量式センサ902の外周縁
または表面部の周りに実質的に延びていて、第1電極トレース921を実質的に取り囲む
境界線または周縁部を含むことができる。
図9Cの実施例では、第2電極トレース922
を含む境界線は、第4静電容量式センサ902アセンブリの上端面の実質的に全部の周り
に延びているが、いくつかの他の実施例では、境界線は、センサのより少ない部分の周り
を延びることができる。本発明者らは、例えば平行ではない1つまたは複数のトレースま
たはフィンガー部を含む代わりに、第1電極トレース921と第2電極トレース922と
のフィンガーのほとんどまたは全部が互いに実質的に平行に配列されるとき、足の存在を
検出するのに最適な電場が発生することをさらに認識した。例えば、第4静電容量式セン
サ902とは対照的に、
図9Aの第3静電容量式センサ900は、垂直に延びているフィ
ンガー部を含む第1電極トレース911の上部、および水平に延びているフィンガー部を
含む第1電極トレース911の下部など、非平行のフィンガーを含む。第1電極トレース
921および第2電極トレース922の相対的な厚さは、センサの感度をさらに高めるた
めに調整することができる。一実施例において、第2電極トレース922は、第1電極ト
レース921の3倍以上厚い。
【0093】
一実施例において、例えば第1、第2、第3および第4の静電容量式センサ700、8
00、900および902のうちの1つまたは複数を使用して、足存在センサ310が測
定する静電容量値は、
図3のプロセッサ回路320などのコントローラまたはプロセッサ
回路に提供することができる。測定された静電容量に応答して、プロセッサ回路320は
、駆動機構340を作動させて、例えば足に対するフットウェアの張力を調整することが
できる。調整操作は、任意で、個別の「ハードワイヤード」コンポーネントによって少な
くとも部分的に行うことができ、ソフトウェアを実行するプロセッサによって行うことが
でき、またはハードワイヤードコンポーネントとソフトウェアとの組み合わせで行うこと
ができる。一実施例において、駆動機構340を作動させることは、(1)プロセッサ回
路320を使用するなど、1つまたは複数の駆動/監視回路を使用して足存在センサ31
0からの信号を監視すること、(2)受信した静電容量信号(存在すれば)のうちのどれ
が、指定の閾値(例、プロセッサ回路320のメモリレジスタと、プロセッサ回路320
とデータ通信するメモリ回路と、の両方または一方に記憶される)以上の静電容量値を示
すかを判別すること、(3)例えば超えられた様々な指定の閾値に基づいて、足存在セン
サ310付近の身体または足の位置、サイズ、向きまたは他の特徴を特徴付けすること、
および(4)特徴付けに応じて、駆動機構340の作動を許可、有効化、調整、または抑
制することが含まれる。
【0094】
図10は、フットウェアセンサからの足存在情報を使用することを含む方法1000の
実施例を示すフローチャートを示す。動作1010で、この実施例は、足存在センサ31
0から足存在情報を受信することを含む。足存在情報は、足がフットウェア内に存在して
いるかどうかに関するバイナリ情報を含むことができ(例、
図12~
図14の実施例で述
べる割り込み信号を参照)、またはフットウェア製品に足が存在する可能性の指示を含む
ことができる。情報には、足存在センサ310からプロセッサ回路320に提供される電
気信号を含むことができる。一実施例において、足存在情報は、フットウェア内の1つま
たは複数のセンサに対する足の位置に関する定性的な情報を含む。
【0095】
動作1020で、この実施例は、足がフットウェアに完全に収まっているかどうかを判
別することを含む。足が完全に収まっているとセンサ信号が示す場合、この実施例は、動
作1030に進むことができ、駆動機構340を作動させる。例えば、足存在センサ31
0からの情報に基づくなどして、動作1020で足が完全に収まっていると判別される場
合、駆動機構340が係合されて、前述したように、スプール131を介してフットウェ
アの締めひもを締めることができる。足が完全に収まっていないとセンサ信号が示す場合
、この実施例は、ある指定の間隔(例、1~2秒、またはそれ以上)の間遅延またはアイ
ドリングして動作1022で継続することができる。指定された遅延が経過した後、この
実施例は、動作1010に戻ることができ、プロセッサ回路は、足存在センサ310から
情報を再びサンプリングして、足が完全に収まっているかどうかを再び判別することがで
きる。
【0096】
動作1030で駆動機構340が作動された後、プロセッサ回路320は、動作104
0で足の位置情報を監視するように構成することができる。例えば、プロセッサ回路は、
足存在センサ310から、フットウェア内での足の絶対的または相対的な位置に関する情
報を定期的に、または断続的に監視するように構成することができる。一実施例において
、動作1040で足の位置情報を監視すること、および動作1010で足の存在情報を受
信することは、同じかまたは異なる足存在センサ310から情報を受信することを含むこ
とができる。例えば、動作1010および1040で、異なる電極を使用して、足の存在
または位置情報を監視することができる。
【0097】
動作1040で、この実施例は、ボタン121など、フットウェアに関連付けられてい
る1つまたは複数のボタンからの情報を監視することを含む。ボタン121からの情報に
基づいて、ユーザがフットウェアを脱ぎたいときなど、駆動機構340に締めひもを解く
または緩めるよう指示することができる。
【0098】
一実施例において、駆動機構340を作動させるため、または締めひもを締め付けるた
めのフィードバック情報として、追加で、または代わりに、締めひも張力情報を監視また
は使用することができる。例えば、締めひも張力情報は、モータ341に供給される駆動
電流を測定することによって監視することができる。張力は、製造時点で特徴付けること
ができ、またはユーザがプリセットもしくは調整することができ、かつ、監視もしくは測
定された駆動電流レベルに相関させることができる。
【0099】
動作1050で、この実施例は、足の位置がフットウェア内で変化したかどうかを判別
することを含む。足存在センサ310およびプロセッサ回路320によって足の位置の変
化が検出されない場合、この実施例は、動作1052の遅延で継続することができる。動
作1052での指定の遅延間隔後、この実施例は、動作1040に戻って、足存在センサ
310から情報を再びサンプリングして、足の位置が変更されたかどうかを再び判別する
ことができる。動作1052での遅延は、数ミリ秒から数秒までの範囲にすることができ
、任意で、ユーザが指定することができる。
【0100】
一実施例において、動作1052の遅延は、例えばフットウェア使用特性を判別するこ
とに応答して、プロセッサ回路320によって自動的に判別することができる。例えば、
着用者が激しい活動(例、走っている、ジャンプしている等)の最中であるとプロセッサ
回路320が判別する場合、プロセッサ回路320は、動作1052で提供される遅延時
間を短縮することができる。着用者が激しくない活動(例、歩いている、または座ってい
る)の最中であるとプロセッサ回路が判別する場合、プロセッサ回路は動作1052で提
供される遅延期間を増やす。遅延時間を増やすことによって、センサのサンプリングイベ
ントを延期し、プロセッサ回路320および足存在センサ310の両方または一方による
対応する電力消費量を据え置くことによって、バッテリの寿命を温存することができる。
一実施例において、動作1050で位置の変化が検出される場合、この実施例は、動作1
030に戻って継続することができ、例えば、駆動機構340を作動させて、足の周りで
フットウェアを締め付けるまたは緩める。一実施例において、プロセッサ回路320は、
例えば、足の位置の軽微な変化を検出した場合に、不要な締めひもの巻き取り回避に役立
てるため、駆動機構340用にヒステリシスコントローラを含むかまたはそれを組み込む
。
【0101】
図11は、フットウェアセンサからの足存在情報を使用する方法1100の実施例を示
すフローチャートを示す。
図11の実施例は、一実施例において、状態マシンの動作を表
すことができ、例えばプロセッサ回路320および足存在センサ310を使用して実施す
ることができる。
【0102】
状態1110は、アクティブなフットウェア製品のデフォルトまたはベースライン状態
を表す「出荷」状態を含むことができ、製品は、足存在センサ310からの情報によって
影響を受けることのできる1つまたは複数の特徴を含む。出荷状態1110では、フット
ウェアの様々なアクティブなコンポーネントのスイッチが切られるか、または非アクティ
ブにされて、フットウェアのバッテリ寿命を温存することができる。
【0103】
「電源投入」イベント1115に応答して、この実施例は、「無効化」またはインアク
ティブ状態1120に移行することができる。駆動機構340、またはアクティブなフッ
トウェアの他の特徴は、無効化状態1120では待機状態のままにすることができる。無
効化状態1120から脱するためのトリガイベントとして、様々な入力を使用することが
できる。例えば、ボタン121のうちの1つからのユーザ入力を使用して、無効化状態1
120からの移行を示すことができる。一実施例において、モーションセンサ324から
の情報をウェイクアップ信号として使用することができる。モーションセンサ324から
の情報は、フットウェアの動きに関する情報を含むことができ、例えばユーザが靴を準備
位置に置くこと、またはユーザが足をフットウェアに差し入れ始めたことに対応すること
ができる。
【0104】
状態マシンは、電源投入イベント1115の後、自動ひも締め有効化イベント1123
が引き起こされるかまたは受信されるまで、無効化状態1120に留まることができる。
自動ひも締め有効化イベント1123は、ユーザが(例、駆動機構340へのユーザ入力
またはインタフェースデバイスを使用して)手動でトリガすることができ、または例えば
モーションセンサ324から受信したジェスチャ情報に応答して、自動的にトリガするこ
とができる。自動ひも締め有効化イベント1123の後、校正イベント1125が生じる
ことができる。校正イベント1125は、例えばセンサに対する環境的な影響を考慮する
ために、足存在センサ310の静電容量の基準値またはベースライン値を設定することを
含むことができる。校正は、足存在センサ310自体から検知される情報に基づいて行う
ことができ、または、プログラミングもしくは指定された基準情報に基づくことができる
。
【0105】
自動ひも締め有効化イベント1123の後、状態マシンは、保留状態1130に入り、
「足存在信号待ち」になることができる。状態1130で、状態マシンは、足存在センサ
310およびモーションセンサ324の両方または一方からの割り込み信号を待つことが
できる。足が存在することを示すかまたは足が存在する十分な可能性を示すなどの割り込
み信号を受信すると、イベント1135でイベントレジスタが「足検出」を示すことがで
きる。
【0106】
状態マシンは、足検出イベント1135が発生すると、様々な機能に移行するか、また
はそれを開始することができる。例えば、フットウェアは、足検出イベント1135に応
答して、駆動機構340を使用して、張力特性を締め付けるかまたは調整するように構成
することができる。一実施例において、足検出イベント1135に応答して、プロセッサ
回路320が駆動機構340を作動させて、締めひも張力を初期量分調整し、プロセッサ
回路320は、さらなる制御ジェスチャが検出されるか、またはユーザ入力が受信されな
い限り、またはそれまで、フットウェアのさらなる締め付けを遅らせる。すなわち、状態
マシンは、「移動待ち」状態1140に移行することができる。一実施例において、足検
出イベント1135の後、プロセッサ回路320は、駆動機構340を有効化するが、駆
動機構を作動させない。状態1140で、状態マシンは、任意の初期またはさらなる張力
調整の前に、追加で検知されるフットウェアモーション情報を保留または一時停止するこ
とができる。移動待ち状態1140の後、足踏み/歩行/立位イベント1145を検出す
ることができ、これに応えて、プロセッサ回路320はフットウェアの張力特性をさらに
調整することができる。
【0107】
足踏み/歩行/立位イベント1145は、アクティブなフットウェアの1つまたは複数
のセンサからなど、検知された様々な個別入力を含むことができる。例えば、足踏みイベ
ントは、モーションセンサ324からの、肯定的な加速(例、指定された、または一般的
な方向の)および「上」または「直立」向きを示す情報を含むことができる。一実施例に
おいて、足踏みイベントは、ユーザが片方の膝を実質的に垂直かつ前方に持ち上げる「高
膝」またはキック型イベントを含む。モーションセンサ324からの加速特性を分析して
、例えば加速が指定の閾値以上になるかどうかを判別することができる。例えば、ゆっく
りとした膝上げイベントは、足踏みイベント反応をトリガしないかもしれないのに対し、
急速または素早い膝上げイベントは、足踏みイベント反応をトリガするかもしれない。
【0108】
歩行イベントは、モーションセンサ324からの、肯定的なステップパターンと「上」
または「直立」向きとを示す情報を含むことができる。一実施例において、モーションセ
ンサ324およびプロセッサ回路320の両方または一方は、ステップイベントを特定す
るように構成され、歩行イベントは、ステップイベントが特定されたとき、および加速度
計(例、モーションセンサ324とともに含まれるかまたはそれとは別)がフットウェア
が直立であることを示すときに認識することができる。
【0109】
立位イベントは、例えばモーションセンサからのフットウェアの加速または方向の変化
に関するさらなる情報なしに、「上」または「直立」を示すモーションセンサからの情報
を含むことができる。一実施例において、立位イベントは、より詳細に以下で説明するよ
うに、足存在センサ310からの静電容量信号の変化に関する情報を使用して特定するこ
とができる。すなわち、足存在センサ310からの静電容量信号は、ユーザの足がフット
ウェアに対して下向きの圧力をかけているときなど、ユーザが立っているかどうかを示す
ことができる信号変動を含むことができる。
【0110】
足踏み/歩行/立位イベント1145の特別な実施例は、制限的なものと見なすべきで
はなく、足が足検出イベント1135で検出された後など、様々な他のジェスチャ、時間
ベースの入力、またはユーザ入力制御を、フットウェアの挙動をさらに制御するか、また
はフットウェアの挙動にさらなる影響を与えるために提供することができる。
【0111】
足踏み/歩行/立位イベント1145の後、状態マシンは、「ひも解き待ち」状態11
50を含むことができる。ひも解き待ち状態1150は、フットウェアを緩め、張力解除
し、またはひも解きする指示のために、ユーザ入力およびジェスチャ情報の両方または一
方を(例、モーションセンサ324を使用して)監視することを含むことができる。ひも
解き待ち状態1150では、プロセッサ回路320などの状態マネージャが、ひも締めエ
ンジンまたは駆動機構340が解除されて足存在信号待ち状態1130に戻るべきである
ことを示すことができる。すなわち、第1実施例において、(ユーザ入力に応答して)ひ
も解きイベント1155が発生することができ、状態マシンがフットウェアをひも解き状
態に移行させることができ、状態マシンは、足存在信号状態1130に戻ることができる
。第2実施例では、自動ひも締め無効化イベント1153が発生し、フットウェアを無効
化状態1120に移行させることができる。
【0112】
図12は、全体として、静電容量式足存在センサからの第1時間可変情報のチャート1
200を示す。
図12の実施例は、静電容量対時間のチャートを含み、第1時間可変静電
容量信号1201をチャートにプロットしている。一実施例において、第1時間可変静電
容量信号1201は、本明細書で説明する足存在センサ310を使用して取得することが
できる。第1時間可変静電容量信号1201は、測定される静電容量に、または前述した
ように、足存在センサ310の複数の電極間の電場に対する身体の影響の指示に対応する
ことができる。一実施例において、第1時間可変静電容量信号1201は、絶対的または
相対的な静電容量値を表し、別の実施例では、信号は、複数の異なる静電容量信号間の差
を表す。
【0113】
一実施例において、第1静電容量信号1201を、指定の第1閾値静電容量値1211
と比較することができる。足存在センサ310は、比較を行うように構成することができ
、またはプロセッサ回路320は、足存在センサ310からの静電容量情報を受信して、
比較を行うように構成することができる。
図12の実施例では、第1閾値静電容量値12
11は、非ゼロの一定値であることが示されている。時刻T1などで、第1静電容量信号
1201が第1閾値静電容量値121以上になると示される場合、足存在センサ310お
よびプロセッサ回路320の両方または一方は、第1割り込み信号INT1を提供するこ
とができる。第1割り込み信号INT1は、足存在センサ310が示す静電容量値が第1
閾値静電容量値1211以上である限り、高いままであることができる。
【0114】
一実施例において、第1割り込み信号INT1は、動作1010または1020など、
図10の実施例で使用することができる。動作1010で、足存在センサ310から足存
在情報を受信することは、プロセッサ回路320でなど、第1割り込み信号INT1を受
信することを含むことができる。一実施例において、動作1020は、足がフットウェア
に完全に収まっているかどうか、または収まっていそうかどうかを判別するために、割り
込み信号情報を使用することを含むことができる。例えば、プロセッサ回路320は、第
1閾値静電容量値1211を超える静電容量値を足存在センサ310がどれくらい長く提
供しているかを判別するために、第1割り込み信号INT1の継続時間を監視することが
できる。継続時間が指定の基準時間を超える場合、プロセッサ回路320は、足が完全に
収まっているか、または収まっていそうであると判別することができる。
【0115】
一実施例において、第1割り込み信号INT1は、状態1130またはイベント113
5などで、
図11の実施例で使用することができる。状態1130で、状態マシン(stat
e machine)は、INT1など、プロセッサ回路320からのまたは足存在センサ310
からの割り込み信号を待つように構成することができる。イベント1135で、状態マシ
ンは、第1割り込み信号INT1を受信し、これに応答して、1つまたは複数の以下の状
態を開始することができる。
【0116】
一実施例において、第1閾値静電容量値1211は、調整可能である。閾値は、環境の
変化によるなど、測定または検出した静電容量のベースラインまたは基準の変化に基づい
て変更することができる。一実施例において、第1閾値静電容量値1211は、ユーザが
指定することができる。ユーザの閾値指定は、フットウェアの感度に影響を与えることが
できる。一実施例において、第1閾値静電容量値1211は、足存在センサ310で、ま
たはその周りで検知される、環境または材料の変化に応答して自動的に調整することがで
きる。
【0117】
図13は、全体として、静電容量式足存在センサからの第2時間可変情報のチャート1
300を示す。
図13の実施例は、第1閾値静電容量値1211付近の第2静電容量信号
1202の変動をどのように処理または使用して、フットウェア内の足の存在または向き
に関するさらなる情報を判別するかを示す。
【0118】
一実施例において、第2静電容量信号1202は、足存在センサ310から受信され、
第2静電容量信号1202は、第1閾値静電容量値1211と比較される。特に、ユーザ
、ユーザの好み、フットウェアの種類、または環境もしくは環境特性に応じて、他の閾値
も同様に使用することができる。
図13の実施例では、第2静電容量信号1202は、第
1閾値静電容量値1211と時刻T2、T3およびT4で交差することができる。一実施
例において、複数の閾値の交差を使用して、例えば足がフットウェアに入るときの足の移
動経路を示すことにより、足存在センサ310による足の存在を確実に特定することがで
きる。例えば、時刻T2およびT3での第1および第2の閾値交差によって区切られる時
間間隔は、足のつま先または指骨が足存在センサ310の電極に、またはその付近に位置
するときの継続時間を示すことができる。第2静電容量が第1静電容量値1211よりも
小さいときのT3とT4との間隔は、足の中足関節または中足骨が足存在センサ310の
電極の上またはその付近に移動するときの時間に対応することができる。中足関節および
中足骨は、指骨がフットウェア内に移動するときの足存在センサ310までの指骨の距離
より大きい距離だけ、足存在センサ310から離間することができ、そのため、結果とし
て測定されるT3とT4との間の静電容量は、小さくなることができる。時刻T4で、足
のかかとまたは距骨は適所に滑り込むことができ、足存在センサ310の電極の上にアー
チが収まることができ、それによって、検知される静電容量が再び上昇して第1閾値静電
容量値1211を超える。したがって、足存在センサ310またはプロセッサ回路320
は、第2割り込み信号INT2を時刻T2とT3との間にし、第3割り込み信号INT3
を時刻T4の後にするように構成することができる。
【0119】
一実施例において、プロセッサ回路320は、割り込み信号のシーケンスに基づいて、
足の存在を確実に特定するように構成することができる。例えば、プロセッサ回路320
は、受信した割り込み信号に関する情報と、受信した割り込み信号間の1つまたは複数の
間隔または継続時間に関する情報とを使用することができる。例えば、プロセッサ回路は
、足の存在の確実な指示を提供するために、指定の継続時間分だけ隔てられた、対の割り
込み信号を探すように構成することができる。
図13では、例えば、T3とT4との間の
継続時間を使用して、例えばある調整可能なまたは指定の許容誤差をもって、足の存在の
指示を提供することができる。一実施例において、プロセッサ回路320は、割り込み信
号をデータとして受信し、データを他のユーザ入力信号と一緒に、例えばジェスチャに基
づくユーザ入力の一部として、処理することができる。一実施例において、割り込み信号
の有無に関する情報は、1つまたは複数の他の信号の妥当性検証または却下を行うために
使用することができる。例えば、割り込み信号が最近受信されるかもしくは受信された場
合には、加速度計の信号をプロセッサ回路320によって妥当性検証して処理することが
でき、または足存在センサに対応する割り込み信号が存在しない場合には、加速度計の信
号をプロセッサ回路320によって却下することができる。
【0120】
図12および
図13の実施例は、足存在センサ310からの測定された静電容量値が、
環境条件の変化がある場合を含め、経時的に確実に一定であるかまたは再現可能である実
施形態を示す。しかし、多くのフットウェアの使用ケースでは、例えば温度、湿度または
他の環境要因の変化により、埋め込まれている電子機器の周囲の静電容量変化が常にまた
は予想外に発生することがある。周囲の静電容量の著しい変化は、例えばセンサのベース
ラインまたは基準静電容量特性を変えることによって、足存在センサ310の起動に悪影
響を及ぼしかねない。
【0121】
図14は、全体として、静電容量式足存在センサからの第3時間可変情報のチャート1
400を示す。
図14の実施例は、様々な周囲状態の変化、使用状況の変化、またはフッ
トウェアコンポーネントの摩耗もしくは劣化による変化など、基準静電容量の変化をどの
ように考慮できるかを示す。この実施例は、第2閾値静電容量1212および時間可変基
準静電容量1213とともにチャート1400にプロットされた、第3静電容量信号12
03を含む。
図14の実施例では、時間可変基準静電容量1213は、経時的に増加する
。他の実施例では、基準静電容量は、経時的に減少するか、またはフットウェアの使用イ
ベントの過程などで変動することがある(例、1日のうちに、プレーした1試合で、1ユ
ーザの設定または好みで、等)。一実施例において、基準静電容量は、インソール、アウ
トソール、中敷き、足底板インサート、またはフットウェアの他のコンポーネントなど、
フットウェア自体の様々なコンポーネントのライフサイクルにわたって変化することがあ
る。
【0122】
一実施例において、第3静電容量信号1203は、足存在センサ310から受信され、
第3静電容量信号1203は、例えば足存在センサ310の処理回路を使用して、または
プロセッサ回路320を使用して、第2閾値静電容量1212と比較される。時間可変基
準静電容量1213を考慮しないかまたは使用しない実施例では、第3静電容量信号12
03の閾値交差(threshold crossings)を、時刻T5、T6、およびT8で監視するこ
とができる。しかし、第2閾値静電容量1212は、例えば足存在センサ310から検知
される情報を用いて、リアルタイムで調整することができる。第2閾値静電容量1212
の調整は、時間可変基準静電容量1213に基づくことができる。
【0123】
一実施例において、第2閾値静電容量1212は、継続的に、かつ時間可変基準静電容
量1213の変化に対応する量の分、調整される。代替実施例では、第2閾値静電容量1
212は、例えば時間可変基準静電容量1213の指定の閾値変化量に応答して、段階的
増分で調整される。段階的調整技術は、
図14では、図示される間隔にわたる第2閾値静
電容量1212の段階的増加によって示されている。例えば、第2閾値静電容量1212
は、時間可変基準静電容量1213での静電容量の指定の閾値増加ΔCに応答して、時刻
T7およびT10で増加される。
図14の実施例では、第3静電容量信号1203は、時
刻T5、T6およびT9で、基準補償された第2閾値静電容量1212と交差する。した
がって、閾値が基準補償されたかどうかに応じて、異なる割り込み信号または割り込み信
号のタイミングを提供することができる。例えば、時刻T5とT6との間に第4割り込み
信号INT4を発生させて提供することができる。第2閾値静電容量1212を基準補償
なく使用する場合、第5割り込み信号INT5を、時刻T8で発生させて提供することが
できる。しかし、基準補償された第2閾値静電容量1212が使用される場合、第5割り
込み信号INT5を、図示されるように、補償された第2閾値静電容量1212と第3静
電容量信号1203が交差する時刻T9で発生させて提供する。
【0124】
論理回路を使用して、閾値静電容量値を監視し、更新することができる。該論理回路は
、足存在センサ310またはプロセッサ回路320に組み込むことができる。更新された
閾値レベルは、自動的に内蔵RAMに提供されて、そこに記憶することができる。一実施
例において、閾値の更新を行うために、ユーザからの入力または確認は必要ない。
【0125】
図15は、全体として、静電容量式足存在センサからの第4時間可変情報のチャート1
500を示す。
図15の実施例は、様々な周囲状態の変化、使用状況の変化、またはフッ
トウェアコンポーネントの摩耗もしくは劣化による変化など、基準静電容量の変化をどの
ように考慮できるかを示す。この実施例は、適応閾値静電容量1214とともにチャート
1500にプロットされている第4静電容量信号1204を含む。第4静電容量信号12
04は、足存在センサ310によって提供することができる。適応閾値静電容量1214
を使用して、足存在センサ310によって測定される静電容量の環境的変化または使用ケ
ース関連の変化の補償を助けることができる。
【0126】
一実施例において、足存在センサ310またはプロセッサ回路320は、指定の閾値の
大きさ量よりも大きい変化についてなど、信号の大きさの変化について第4静電容量信号
1204を監視するように構成される。すなわち、指定の閾値静電容量の大きさΔC以上
である大きさの変化を第4静電容量信号1204が含む場合、足存在センサ310または
プロセッサ回路320は、割り込み信号を提供することができる。
【0127】
一実施例において、検知または測定した第4静電容量信号1204の静電容量値を基準
静電容量またはベースラインと比較し、その基準またはベースラインを指定の間隔または
時間可変間隔で更新することができる。
図15の実施例では、基準の更新は、図示するよ
うに、時刻T11、T12、T13等で定期的に行われる。他の間隔、または他のトリガ
イベントに応答した更新を、追加で、または代わりに使用することができる。
【0128】
図15の実施例では、初期基準静電容量は、0にすることができ、またはx軸によって
表すことができる。第6割り込み信号INT6は、第4静電容量信号1204が、前に指
定された基準に対して指定の閾値静電容量の大きさΔCよりも大きく増加した後、時刻T
11で提供することができる。
図15の実施例では、割り込みは、定期的な間隔で提供す
ることができるが、他の実施例では、割り込みは、静電容量の閾値変化を特定するのと同
時に提供することができる。
【0129】
例えば時刻T11で、特定された閾値変更後、基準またはベースライン静電容量を、第
1静電容量基準C1に更新することができる。時刻T11の後、足存在センサ310また
はプロセッサ回路320は、その後の信号の少なくともΔC分の変更について第4静電容
量信号1204を監視するように、すなわち、C1+ΔCまたはC1-ΔCの静電容量値
を探すように、構成することができる。
【0130】
第1時刻で静電容量の増加を特定することを含む実施例では、割り込み信号ステータス
は、後の時刻で静電容量の低下の特定に応答して変化することができる。しかし、後の時
刻でさらに静電容量の増加が特定される場合、基準静電容量を更新することができ、更新
された基準静電容量に基づいてその後の比較を行うことができる。この状況を
図15に示
している。例えば、時刻T12で、第4静電容量信号1204の静電容量の増加が検出さ
れて、基準を第2静電容量基準C2に更新することができる。第1およびその後の第1の
静電容量変化は増加を表すため、第6割り込み信号INT6のステータスは変えないでお
くことができる。時刻T13で、第4静電容量信号1204の静電容量の低下が検出され
て、基準を第3静電容量基準C3に更新することができる。T13での静電容量の変化は
、指定の閾値静電容量の大きさΔCよりも大きく低下しているため、第6割り込み信号I
NT6のステータスを(例、割り込みアサート状態から非アサート状態に)変更すること
ができる。
【0131】
一実施例において、時刻T11で最初に検出された変化および対応する割り込み信号I
NT6は、足存在センサ310によって検知されてフットウェア内に存在することが判別
される足を表す。基準静電容量のその後の増加は、センサまたはその付近での環境的な変
化によるなど、足存在センサ310によって測定されるベースライン静電容量に対する変
化を表す。時刻T13で検出される変化は、フットウェアを脱いでいるとともに足存在セ
ンサ310の近くで検知されなくなった足を表すことができる。その後の静電容量変化(
例、時刻T16)は、フットウェアに再び差し込まれる足を表すことができる。
【0132】
図16は、全体として、例示的な実施形態による静電容量式足存在センサからの時間可
変情報および信号形態限界のチャート1600を示す。この実施例は、チャート1600
にプロットされる第5静電容量信号1205および第6静電容量信号1206を含む。チ
ャート1600は、形態限界(morphology limit)1601をさらに含む。形態限界16
01は、足存在センサ310からサンプリングした静電容量信号のセグメントと比較する
ことができる。比較は、足存在センサ310またはプロセッサ回路320を使用して行い
、サンプリングされた特定のセグメントが形態限界1601に適合するかどうかを判別す
ることができる。
図16の実施例では、形態限界は、超えた場合には静電容量信号セグメ
ントが足存在センサ310の近くの足の存在を表さないかまたは表しそうにないことを示
す下限を画定する。
【0133】
図示される第5静電容量信号1205のサンプリングされた部分は、形態限界1601
に適合する。
図16の実施例では、形態限界1601は、静電容量信号の大きさの変化、
またはディップ(dip)、ドウェル(dwell)および回復を含む形態を画定する。第5静電
容量信号1205が形態限界1601の全部または一部に適合することを特定した後、足
の存在または検出の成功を示す割り込み信号を提供することができる。
【0134】
第6静電容量信号1206の、図示されるサンプリングされた部分は、形態限界160
1に適合しない。例えば、第6静電容量信号1206の急激な低下および長いドウェル時
間は、形態限界1601によって画定される境界の外になり、そのため、例えば足存在セ
ンサ310によって足が検出されないことを示すために、割り込み信号を保留にすること
ができる。
【0135】
形態限界1601は、固定または可変にすることができる。例えば、形態限界は、基準
静電容量、環境、フットウェアの使用ケース、ユーザ、感度の好み、または他の情報に関
する情報に基づいて調整することができる。例えば、形態限界1601は、使用されるフ
ットウェアの種類によって異なることができる。すなわち、少なくとも部分的には、靴の
幾何学形状もしくは材料、またはユーザが特定のフットウェア製品を着脱するのにかかる
と予想される時間量が異なるため、バスケットボールシューズはランニングシューズとは
異なる形態限界1601を有することができる。一実施例において、形態限界1601は
、例えばユーザの固有のフットウェアの着脱の好みまたは手順に対応するため、ユーザに
よってプログラミングすることができる。
【0136】
上で説明したように、足存在センサ310は、関連付けられた固定または可変ベースラ
インまたは基準静電容量値を有することができる。基準静電容量値は、電極の表面積、他
のフットウェアコンポーネントに対する電極の配置、またはフットウェアの向き、または
センサもしくはフットウェア自体が使用される環境に従った値とすることができる。すな
わち、センサは、フットウェア内に足が存在しなくても何らかの関連付けられた静電容量
値を有することができ、その値は、1つまたは複数の材料の誘電効果またはセンサもしく
はその付近の環境要因の関数とすることができる。一実施例において、フットウェアの足
底板インサート(例、インソール)は、静電容量センサで、またはその付近でフットウェ
アの誘電特性を変えることができる。プロセッサ回路320は、任意で、ベースラインま
たは基準特性が変化するときに、例えばインソールが変更されるときに、足存在センサ3
10を校正するように構成することができる。一実施例において、プロセッサ回路320
は、ベースラインもしくは基準静電容量値を自動的に検出するように構成することができ
、またはユーザ入力または命令に応答して、ベースラインまたは基準静電容量を更新する
ように構成することができる。
【0137】
図17は、全体として、フットウェア製品のミッドソール内に、誘電体スタックの下に
配置されている静電容量型足存在センサの図の実施例1700を示す。実施例1700は
、ハウジング構造150を含み、例えば静電容量式足存在センサ1701からの情報に少
なくとも部分的に基づいて作動させられるひも締めエンジンまたは駆動機構340を含む
かまたはそれを使用することができる。静電容量式足存在センサ1701は、センサの近
くの身体550の有無に基づいて静電容量または静電容量指示信号を提供するように構成
することができる。
【0138】
身体550と静電容量式足存在センサ1701との間に1つまたは複数の材料を設ける
ことができ、1つまたは複数の材料は、センサの感度に影響を与えることができ、または
センサからの信号の信号対雑音比に影響を与えることができる。一実施例において、1つ
または複数の材料は、誘電体スタックを形成する。1つまたは複数の材料は、特に、靴下
1751、センサまたはその付近での身体550のアーチ高さによるなどのエアギャップ
、中敷き1750、Velcro(商標)などのファスナ1730、または誘電体フィラ
ー(dielectric filler)1720を含むことができる。一実施例において、静電容量式
足存在センサ1701がハウジング構造150の内部に設けられるとき、ハウジング構造
150自体の上壁が誘電体スタックの一部である。一実施例において、足底板インサート
を誘電体スタックの一部にすることができる。
【0139】
本発明者らは、高い比誘電率または高いk値を有する誘電体スタックを提供することで
静電容量式足存在センサ1701の入力感度を高めることができることを認識した。k値
の高い様々な材料を試験し、フットウェアにおける有効性と適性とを評価した。一実施例
において、誘電体フィラー1720は、ネオプレン部材を含むことができる。ネオプレン
部材は、フットウェアにおいて足下で使用するのに快適で、かつ、例えばその代わりにエ
アギャップまたは他のk値の低い材料にすることに比べて、静電容量式足存在センサ17
01の感度を高めるために十分な誘電効果を提供する硬さまたはデュロメータ特性を有す
るように指定することができる。一実施例において、ネオプレン部材は、約30ショアA
硬さ値を有する独立気泡発泡材を含む。
【0140】
図18は、全体として、静電容量式足存在センサ1701からの静電容量指示信号に対
する誘電体フィラー1720の効果を示すチャート1800を含む実施例を示す。チャー
ト1800では、x軸は、多数のデジタルサンプルを示し、経過時間に対応し、y軸は、
静電容量式足存在センサ1701が検出した静電容量の相対尺度を示す。チャート180
0は、第1タイプの誘電体フィラー1720の材料に対応する静電容量指示第1信号18
01と、別の第2タイプの誘電体フィラー1720に対応する静電容量指示第2信号18
02との、時間整合させた重ね合わせを含む。
【0141】
この実施例において、第1信号1801は、誘電体フィラー1720として提供される
第1誘電部材を備えるフットウェアに対応する。第1誘電部材は、例えば、第1誘電k値
を有するポリウレタン発泡体を含むことができる。チャート1800は、第1誘電部材と
足存在センサ1701とを含むフットウェア製品に差し入れてから出される身体550の
複数の事例を示す。例えば、第1信号1801の第1部分1820は、静電容量式足存在
センサ1701が測定する基準またはベースライン静電容量を示す。
図18の実施例では
、基準またはベースラインは、ゼロの値に正規化される。基準またはベースライン状態は
、フットウェア内に足が存在しないことに対応することができる。すなわち、第1信号1
801の第1部分1820は、フットウェアに足が不在であることを示す。サンプル60
0のあたりに対応する時点で、身体550を、フットウェアに差し入れることができ、静
電容量式足存在センサ1701および第1誘電部材に、またはその付近に位置付けること
ができる。差し入れの後、第1信号1801の大きさは、例えば第1量1811の分だけ
変化し、足(または他の身体)がフットウェア内に存在することを示す。
図18の実施例
では、サンプル600から1400のあたりに対応するなど、身体550は、第1信号1
801の第2部分1821に対応する継続時間中、フットウェア内に存在する。サンプル
1400のあたりに対応する時点で、身体550はフットウェアを脱ぐことができる。身
体550が不在になると、第1信号1801は、その基準またはベースライン値に復帰す
ることができる。
【0142】
図18の実施例では、第2信号1802は、誘電体フィラー1720として提供される
第2誘電部材を備えるフットウェアに対応する。第2誘電部材は、例えば、上で述べた第
1誘電部材の第1誘電k値を超える第2誘電k値を有するネオプレン発泡体を含むことが
できる。チャート1800は、身体550が第2誘電部材と足存在センサ1701とを含
むフットウェア製品に差し入れられてからフットウェア製品を脱ぐまでの多数の事例を示
す。第2信号1802の第1部分1820は、静電容量式足存在センサ1701によって
測定される基準またはベースライン静電容量を示し、
図18の実施例では、第2信号18
02の第1部分1820は、足がフットウェア内に不在であることを示す。サンプル60
0のあたりに対応する時点で、身体550はフットウェアに差し入れることができ、静電
容量式足存在センサ1701および第2誘電材料に、またはその付近に位置付けることが
できる。差し込みの後、第2信号1802の大きさは、例えば第2量1812の分だけ変
化し、足(または他の身体)がフットウェア内に存在することを示す。この実施例におい
て、第2量1812は、第1量1811を超える。大きさ変化の差は、誘電体フィラー1
720のために使用される材料の種類に起因する。すなわち、静電容量指示第1信号18
01および第2信号1802の大きさは、別の誘電体スタックが使用されるときに、異な
ることができる。誘電体スタックがk値の高い誘電体フィラー1720を含む場合、大き
さの差またはベースラインからの差は、誘電体スタックがk値の低い誘電体フィラー17
20を含む場合よりも大きい。
【0143】
一実施例において、足底板インサートは、フットウェアの誘電体スタックの一部を含む
。本発明者らは、静電容量式足検知技術に対する様々な足底板インサートの効果を評価す
るために、多様な試験を行った。フットウェアに標準的な(部分長)足底板を追加すると
、スタックの全体的な誘電効果が高まり、足の存在に対する電場の感度が低下した。検知
した信号の振幅(例、検知した静電容量の変化に対応する)も、足底板の存在で低下した
。しかし、ノイズフロアのRMS振幅は、足底板があってもなくても同様であった。負荷
および無負荷条件下での応答も似ていた。
【0144】
足底板試験の結果に基づき、標準的なまたは全長の足底板を用いて足の存在を検出する
ために静電容量式検知を使用することは、信号対雑音比に関して実現可能である。部分長
または全長の足底板を使用して、望ましい最小の約6dBを超えるSNRを足の存在の決
定に使用することができ、低デューティおよび高デューティのどちらの負荷条件でも使用
することができる。一実施例において、足存在センサ310は、追加される足底板の誘電
効果を補償するために、静電容量オフセット範囲を含むかまたは使用することができる。
【0145】
全長の足底板と足存在センサ310の電極との間のエアギャップのばらつきは、加えら
れる負荷の関数として、測定可能なSNRのばらつきに対応することができる。例えば、
図18の実施例で実証されるように、k値の高い誘電材料を、静電容量式足存在センサに
、またはその付近に設けると、k値の低い誘電材料を含むかまたは使用する実施例よりも
、SNRを改善することができる。
【0146】
足底板下で隙間距離の著しい変形を示さないなど、様々な足ゾーンが低負荷条件下で同
様に挙動することが分かった。しかし、ユーザが立っているときなどの高負荷条件下では
、足底板のアーチ領域が圧縮されることがあり、エアギャップが実質的に最小限になるか
またはなくなることがある。したがって、検知条件下で、足底板の存在下で測定される電
場は、生産用またはOEM用インソールを使用して測定される電場と同様な大きさにする
ことができる。足存在センサ310と検出するべき身体との間のエアギャップを作る足底
板またはOEM生産用インソールの実施例では、エアギャップを補償または充填するため
に、様々な材料を設けるかまたは追加することができる。例えば、ネオプレンなどの隙間
充填発泡体を、全長の足底板の下側に設けることができる。
【0147】
一実施例において、インソールに足底板を含むことは誘電体スタックの全体的な誘電厚
さを増やし、足の存在に対する電場の感度を低下させる。信号の振幅は、足底板があると
低下した。雑音特性のRMS振幅は、足底板があってもなくても同様であった。静電容量
式センサの検知電極と足底板の下面との間の体積を占める誘電部材は、静電容量式センサ
の感度に対して大きな影響を与えうることも明らかになった。例えば1.28のk値を有
するポリウレタン発泡体は、誘電率またはk値が約5.6のネオプレン発泡体を使うとき
に測定されたものより約70%低い信号振幅を有することができる。雑音振幅が等しい場
合、これは約4.6dBのSNRの差に等しい。
【0148】
このように、足の存在を検出するために炭素繊維足底板を用いて静電容量式検知を使用
することは、信号対雑音比に関しては実現可能である。足の存在を決定するために必要な
最低6dBを超えるSNRが測定された。
【0149】
図19は、全体として、フットウェア内の静電容量型足存在センサからの静電容量指示
第3信号1803の一部を示すチャート1900の実施例を示す。チャート1900では
、x軸は、多数のデジタルサンプルを示し、経過時間に対応し、y軸は、静電容量式足存
在センサ1701によって検出された静電容量の相対尺度を示す。第3信号1803から
の情報を使用して、ユーザがフットウェアに対して下向きの力を加えているかどうかを判
別することができ、例えば、特に、ユーザが座っているのかもしくは立っているのかの特
定、または歩数の判別、またはユーザの歩き方の判別、のために使用することができる。
【0150】
例えばx軸のサンプル「0」に対応する初期時間で、第3信号1803は、相対静電容
量スケールで約0の基準またはベースライン値を有することができる。1901で、また
はx軸のサンプル175あたりで、第3信号1803は、例えば身体550がフットウェ
アに差し入れられていることに対応するフットウェア着用イベントを含む。第3信号18
03は、1910で、またはサンプル10000のあたりで、フットウェア脱ぎイベント
を含み、その後第3信号1803は、ベースライン値に復帰する。
【0151】
図19の実施例は、閾値1920をさらに含む。閾値1920は、身体550がフット
ウェア内に存在していることを示す相対静電容量値に対応することができる。例えば、足
または身体550がフットウェア内に存在しているとき、第3信号1803が示す相対静
電容量は、閾値1920を超え、足または身体550がフットウェア内に不在のときは、
相対静電容量は、閾値1920未満になることができる。本明細書で詳しく説明するよう
に、環境的な変化またはフットウェアの材料の変化を考慮するためなど、閾値1920を
動的に調整するために様々な方法または手法を使用することができる。
【0152】
サンプル175と1000との間の間隔に対応するなど、1901および1910にお
けるフットウェアの着用と脱ぎとのイベント間で、フットウェア製品の着用者は、座位と
立位との間を複数回移行することができる。座位と立位との間の移行は、例えば第3信号
1803を提供する静電容量式センサの上に誘電体スタックを形成するフットウェア材料
の圧縮および弛緩により、第3信号1803の変動に対応することができる。すなわち、
ユーザが立っていて、誘電体スタックに対して下向きの力をかけるとき、誘電体スタック
の1つまたは複数の材料は圧縮することができ、ユーザの足は静電容量式センサに近づく
ことができ、それにより、センサを使用して測定される相対静電容量が変化する。ユーザ
が座っていて、誘電体スタックに対する下向きの力が減少するとき、誘電体スタック材料
は弛緩するかまたは延びることができ、ユーザの足は静電容量式センサから遠ざかること
ができる。
【0153】
着用イベント1901は、第3信号の乱れの部分を含む。すなわち、滑らかまたは緩や
かな移行を示す代わりに、ユーザが足をフットウェア内の適所に収めると、第3信号18
03は、急激かつ不規則に変動する。一実施例において、着用イベント1901は、自動
または手動ひも締めなどのひも締めを含み、これは、ユーザがフットウェア材料(誘電体
スタックを含む)に対して様々な力をかけ、ユーザの足に対するフットウェアの張力をユ
ーザが調整することに対応することができる。
図19の実施例では、1901での着用イ
ベントの後、ユーザは、サンプル200から275に対応するなど、第1継続時間193
1の間、座っていることができる。第1継続期間1931において、第3信号1803は
、約220相対静電容量単位の平均値を有することができる。
【0154】
第1継続時間1931の後、ユーザは立つことができ、誘電体スタックの材料を圧縮さ
せ、それによってユーザの足をスタック下の静電容量式センサに近づけることが可能にな
る。ユーザが完全に立っていて誘電体スタックを圧縮している場合、第3信号1803は
、第2継続時間1932において、約120相対静電容量単位の平均値を有することがで
きる。すなわち、第3信号1803の大きさは、ユーザが座位から立位に移行するときに
、または、ユーザが誘電体スタックに対して最小の力をかけているところから、誘電体ス
タックに対して最大の力をかけているところまで移行し、それによって誘電体スタック自
体の誘電特性が変化するときに、第1の大きさ変化量1951の分だけ変化することがで
きる。一実施例において、第1の大きさ変化量1951は、誘電体スタックに対してかけ
られる力の大きさに対応することができる。すなわち、例えば歩いているときと比べて走
っているときに、ユーザは誘電体スタックに対してより大きな力をかけていると予想され
るので、第1の大きさ変化量1951を使用して、特に、ユーザの体重またはユーザが走
っているか歩いているかどうかを判別することができる。
【0155】
図19の実施例では、サンプル375のあたりで、第3信号1803は、ユーザが座位
姿勢に戻るとき、約220相対静電容量単位の値に戻る。ユーザは、次の相対静電容量が
変化するまで、第3継続時間1933の間、座る。
【0156】
第3信号1803の点線部分(
図19の実施例のサンプル500あたりの後)は、時間
の経過およびx軸のスケールの変化を示す。一実施例において、サンプル0から500は
、静電容量式センサを組み込んだフットウェアが新品であるとき、または新たな誘電体ス
タックがフットウェアに使用されるときに対応する。サンプル9,800あたりから後の
サンプルは、フットウェアが古くなったかもしくは部分的に履き古されているとき、また
は誘電体スタックの一部が圧縮されて、弛緩状態または使用していない状態でも跳ね返ら
ないかまたは膨張しないときに対応することができる。
【0157】
図19の実施例では、第3信号1803は、座位姿勢と立位姿勢との間のユーザの数回
の移行を示す。この実施例では、第4継続時間1934および第6継続時間1936が座
位姿勢に対応し、フットウェアの誘電体スタックにかかる力または圧力は最小である。第
5継続時間1935は、立位姿勢に対応し、誘電体スタックに加えられる力が上昇する。
この実施例では、第4継続時間1934および第61936は、約240相対静電容量単
位の平均値に対応することができる。すなわち、第4継続時間1934および第6193
6の平均は、約220単位であった第1継続時間1931および第31933の平均を超
えることができる。一実施例において、平均値の差は、誘電体スタックまたはフットウェ
アの使用で経時的に変化する他のフットウェア材料の1つまたは複数の部分の摩耗に起因
することがある。この実施例では、第5継続時間1935は、約150相対静電容量単位
の平均値に対応することができ、これは、第3継続時間1933の約120単位の平均値
を超える。さらに、座位姿勢と立位姿勢との差は、誘電体スタックに力が加えられるか加
えられないかの差であるが、新品のフットウェアと中古のフットウェアとの場合で異なる
ことがある。第1の大きさ変化量1951は、新品のフットウェアの場合で、立位姿勢と
座位姿勢との間で約200単位の相対静電容量の変化を示し、第2の大きさ変化量195
2は、古くなったかまたは中古のフットウェアの場合で、立位姿勢と座位姿勢との間で約
150単位の相対静電容量の変化を示す。
図19の実施例では、第4継続時間1934~
第6継続時間1936はさらに、第1継続時間1931~第3継続時間1933と比べて
比較的雑音の多い信号を示すが、これはさらにフットウェアまたはセンサコンポーネント
の摩耗に起因することがある。
【0158】
このように、
図19は、第3信号1803からの情報を使用して、特に、フットウェア
のライフサイクルのステータスまたはフットウェアの使用特性を示すことができることを
示す。この情報は、例えば、1つまたは複数のフットウェアコンポーネントが摩耗または
消耗していて、最適または十分なクッション性または足の保持力を提供するのに利用でき
ないかもしれないことをユーザに報告または警告することによって、ユーザの怪我防止に
役立てるために使用することができる。
【0159】
一実施例において、静電容量式足センサからの情報を使用して、ステップ頻度情報を導
くかまたは判別することができ、これはさらに、ユーザの歩幅が分かっているかまたは判
別可能なときなどに、ステップカウンタまたは歩数計として使用することができる。再び
図19を参照すると、第3信号1803の変動は、異なるステップイベントに対応するこ
とができる。例えば、第2継続時間1932は、ユーザの第1の足が着地していて、ユー
ザの体重がユーザのフットウェアに力をかけているときなど、ユーザのステップの第1部
分を含む間隔に対応することができ、フットウェアは、第3信号1803を提供する静電
容量型足存在センサを含む。第2継続時間1932の後、ユーザは、体重をユーザの第1
の足から第2の足に移すことができる。その結果、ユーザがフットウェアにかける圧力ま
たは力が減り、第3信号1803において対応する変化が観察できる。例えば、第3信号
1803の大きさは、例えば第1の大きさ変化量1951の分、増加することができる。
ユーザが再び歩行を進めて、第1の足に戻ると、第3信号1803の大きさは、例えば同
じかまたは同様な第1の大きさ変化量1951の分、減少することができる。一実施例に
おいて、大きさの変化は、ユーザがフットウェアにかける力に依存することができ、また
はそれに関係付けることができ、これはさらに、ユーザがどれほど早く歩いているかまた
は走っているかに対応することができる。例えば、より大きな大きさ変化量は、走る速さ
に対応することができる一方、より小さな変化量は、歩く速さに対応することができる。
【0160】
一実施例において、第3信号1803の指定部分の継続時間、間隔またはサンプル数を
使用して、ステップ間隔または歩数を判別することができる。例えば、第1継続時間19
31は、約75サンプルのサンプル数を有することができ、第2継続時間1932は、約
50サンプルのサンプル数を有することができる。第1継続時間1931が、第1の足が
地面から離れているときのユーザの歩行またはステップ周期の第1部分に対応し、第2継
続時間1932が、第1の足が着地しているときのユーザの歩行またはステップ周期の後
の第2部分に対応する場合、ユーザは、約125サンプルのステップ間隔を有することが
できる。サンプルレートに応じて、ステップ間隔は、プロセッサ回路320を使用してサ
ンプル数情報を処理するなど、歩く速さまたは走る速さに相関させることができる。
【0161】
一実施例において、第3信号1803の信号の大きさ変化間の継続時間、間隔またはサ
ンプル数を使用して、ステップ間隔または歩数を判別することができる。指定の閾値大き
さ変化量より大きいなどの大きさの変化を、プロセッサ回路320によって特定すること
ができ、さらに、プロセッサ回路320は、特定された大きさ変化間の間隔の長さを計算
または特定することができる。例えば、プロセッサ回路320によって第2継続時間19
32の開始がサンプル325のあたりであると特定することができ、これは、例えば第3
信号1803で、指定の閾値変化よりも大きいことが監視された大きさ変化に対応する。
プロセッサ回路320によって第2継続時間1932の終了がサンプル375あたりであ
ると特定することができ、これは、例えば第3信号1803で監視されるその後の大きさ
変化に対応し、指定の閾値変化よりも大きい。プロセッサ回路320は、サンプル数間の
差を計算して、第2継続時間1932が継続時間内に約50サンプルであると判別するこ
とができる。プロセッサ回路320は、同様に、第3信号1803の任意の1つまたは複
数のセグメントについて、継続時間またはサンプル長さを判別することができる。さらに
、プロセッサ回路は、ステップ間隔を判別することができ、ステップ間隔を使用して、移
動距離またはユーザが動いている速度を判別することができる。一実施例において、ユー
ザの歩幅の長さに関する情報をステップ間隔情報とともに使用すると、移動距離を判別す
ることができる。
【0162】
一実施例において、ユーザの歩幅の長さは、指定されていないかまたは分かっていない
。ユーザの歩幅の長さは、任意で、足センサ情報と連携して加速度計または位置センサ(
例、GPSセンサ)など、1つまたは複数の他のセンサからの情報を使用して判別するこ
とができる。例えば、位置センサからの情報は、ユーザが指定の継続時間中に移動した総
距離を示すことができる。プロセッサ回路320、またはフットウェアに付属する他のプ
ロセッサは、第3信号1803を受信して、多数の信号の大きさ変化イベントをステップ
と移動距離とに相関させて、平均的なユーザのステップまたは歩幅の長さを判別すること
ができる。例えば、ユーザが30秒間で100メートル移動し、足存在センサからの静電
容量指示信号が同じ30秒の間隔内で100の信号の大きさ変化イベントを示す場合、プ
ロセッサ回路320または他のプロセッサは、ユーザの歩幅が、約100メートル/10
0大きさ変化イベント=大きさ変化イベントあたり1メートルであると判別することがで
きる。
【0163】
一実施例において、第3信号1803からの情報を使用して、ユーザの歩き方またはユ
ーザの歩き方の変化を判別することができる。プロセッサ回路320は、例えば、信号の
変化を特定するなど、経時的に静電容量指示信号を監視するように構成することができる
。例えば、プロセッサ回路320は、検出された着用イベント後の第1(もしくは他の)
継続時間または第1ステップイベントを監視することができる。一般に、ユーザは、ユー
ザがフットウェアを着用する度に、同様な歩き方を使用するなど、同様なやり方でウォー
キングまたはランニングを始めると予想することができる。フットウェアの着用後に、確
立されたベースラインまたは平均信号特性からの逸脱をプロセッサ回路320が検出する
場合、ユーザに警報を発することができる。同様に、プロセッサ回路320は、結果とし
て怪我につながりかねないユーザの疲労に関連付けることのできる、使用特性または逸脱
を検出するように構成することができる。例えば、足の位置の変化は、静電容量型足存在
センサでの、またはその上での誘電特性を対応して変化させることができるので、確立さ
れたベースラインまたは基準信号特性からの逸脱は、足または足首がフットウェア内で回
転しているかまたは滑っていることを示すことができる。自動ひも締めエンジンを含む実
施例では、足の位置の変化を使用して、ユーザの怪我防止を助けるため、ユーザの足に対
してフットウェアを自動的に締め付けることができる。
【0164】
以下の態様は、本明細書で述べるフットウェアおよび静電容量式センサの非制限的な概
要を提供する。
態様1は、主題(装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手段、またはデバ
イスで実行されたときにデバイスに行為を実施させることのできる命令を含むデバイス可
読媒体など)を含むかまたはそれを使用することができ、例えばフットウェア製品で使用
するための自動フットウェアシステムを含むかまたはそれを使用することができ、前記シ
ステムは、製品内に配設されるように構成されるデバイスハウジングと、デバイスハウジ
ング内に設けられるプロセッサ回路と、プロセッサ回路とデバイスハウジング内の1つま
たは複数のポートとに連結される電気インタコネクトと、静電容量式センサと、を備え、
前記静電容量式センサは、少なくとも部分的にデバイスハウジングの外部に設けられてい
るとともに電気インタコネクトを使用してプロセッサ回路に連結される複数の電極を含み
、前記静電容量式センサは、電極に対する身体の近さを検知するように構成される。
【0165】
態様2は、態様1の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと組
み合わせることができ、任意で、静電容量式センサによって検知される近さに関する情報
を受信して、製品内の足の存在または製品における足の不在の指示を提供するように構成
されるプロセッサ回路を含むかまたは使用する。
【0166】
態様3は、態様2の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと組
み合わせることができ、任意で、製品が着用されたときに足に対して製品を締め付けるか
または緩めるように構成されるひも締めエンジンの少なくとも一部を格納するデバイスハ
ウジングを含むかまたは使用し、プロセッサ回路は、指示に基づいて、ひも締めエンジン
の動作を開始または阻止するように構成される。
【0167】
態様4は、態様1から3のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもしくは
使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、共通の平面
内で離間している少なくとも2つの電極を含む複数の電極を含むかまたは使用する。
【0168】
態様5は、態様4の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと組
み合わせることができ、任意で、製品のインソールの上面と実質的に平行に延びている複
数の電極の少なくとも一部を含む。
【0169】
態様6は、態様1から5のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもしくは
使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、製品のイン
ソールもしくは製品のアウトソールに、または製品のインソールもしくは製品のアウトソ
ールの中に配設されるように構成されるデバイスハウジングを含むかまたは使用する。
【0170】
態様7は、態様1から6のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもしくは
使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、デバイスハ
ウジングの外面に固着される静電容量式センサの一部を含む。
【0171】
態様8は、態様1から7のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもしくは
使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、製品のミッ
ドソール領域の足下に設けられるデバイスハウジングを含み、静電容量式センサは、製品
が足に着用されるときに、デバイスハウジングの上面と足との間に設けられる。
【0172】
態様9は、態様8の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと組
み合わせることができ、任意で、静電容量式センサの足側面と足との間に誘電部材を含む
かまたは使用する。
【0173】
態様10は、態様9の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと
組み合わせることができ、任意で、空気よりも比誘電率またはk値が高い材料を備える誘
電部材を含むかまたは使用する。
【0174】
態様11は、態様9の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれと
組み合わせることができ、任意で、ネオプレンを備える誘電材料を含むかまたは使用する
。
【0175】
態様12は、態様1から11のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもし
くは使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、共通の
可撓性基板上に配設される複数の電極を含む。
【0176】
態様13は、態様1から12のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むかもし
くは使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、複数の
電極として、第1および第2の櫛形電極を含み、各櫛形電極は、共通の軸に平行に配列さ
れている離間した複数の延長部材を有する。
【0177】
態様14は、主題(装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手段、またはデ
バイスで実行されたときにデバイスに行為を実施させることのできる命令を含むデバイス
可読媒体など)を含むかまたはそれを使用することができ、例えば張力付与部材(tensio
ning member)と、張力付与部材の張力を制御する電動張力付与デバイスと、フットウェ
ア内の足の有無に関する情報を受信するための静電容量式センサであって、実質的にフッ
トウェアのインソールに平行な共通の平面内で離間している複数の電極を備える少なくと
も1つの静電容量式センサと、少なくとも1つの静電容量式センサから情報を受信し、そ
れによって足がフットウェアに存在するか、不在か、入っているか、または出ているかど
うかを判別することができる制御ユニットと、を備えるフットウェア製品を含むかまたは
使用することができる。
【0178】
態様15は、態様14の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれ
と組み合わせることができ、任意で、少なくとも1つの静電容量式センサからの情報を使
用して、電動張力付与デバイスを条件付きで動作させるために制御ユニットを使用する。
【0179】
態様16は、態様14または15のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか
もしくは使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、フ
ットウェア内の足下、かつ、電動張力付与デバイスと制御ユニットとの少なくとも一部を
収容するデバイスハウジングの上に設けられる、少なくとも1つの静電容量式センサを含
む。
【0180】
態様17は、態様16の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれ
と組み合わせることができ、任意で、空気の誘電率よりも高い誘電率を有する誘電部材を
含むかまたは使用し、誘電部材は、静電容量式センサの複数の電極に隣接する。
【0181】
態様18は、主題(装置、システム、デバイス、方法、行為を実施する手段、またはデ
バイスで実行されたときにデバイスに行為を実施させることのできる命令を含むデバイス
可読媒体など)を含むかまたはそれを使用することができ、例えばフットウェア製品の内
部の足の存在または相対的な位置を示す静電容量指示信号を発生させるように構成される
静電容量型足存在センサであって、前記静電容量型足存在センサは、足下かつフットウェ
アのアーチ領域の共通の基板上に配設される1対のインターリーブされた電極を含む静電
容量型足存在センサと、
フットウェアのアーチ領域のデバイスハウジングに含まれて、電極の少なくとも一部の
下に設けられており、足位置センサからの信号を受信するように構成されるプロセッサ回
路と、を備え、信号が足の存在を示す場合、またはフットウェア製品内の足の相対的な位
置の変化を示す場合、フットウェア製品を含むかまたは使用することができる。態様18
では、プロセッサ回路は、フットウェア製品内の、またはそれに関連付けられている1つ
または複数の他のセンサからのデータ収集を開始するか、または足に対してフットウェア
製品を締め付けるかもしくは緩めるように駆動機構を作動させるように構成することがで
きる。
【0182】
態様19は、態様18の主題を含むかもしくは使用することができ、または任意でそれ
と組み合わせることができ、任意で、電極に関連付けられている相互静電容量特性の変化
を示す信号を発生させるように構成される足存在センサを含むかまたは使用する。
【0183】
態様20は、態様18または19のうちの1つまたは任意の組み合わせの主題を含むか
もしくは使用することができ、または任意でそれと組み合わせることができ、任意で、製
品が着用されたときに、足存在センサの少なくとも一部と足との間に設けられる誘電部材
を含むかまたは使用し、誘電インサート部材は、空気の比誘電率よりも高い比誘電率を有
する。
【0184】
以上の非制限的な態様のそれぞれは、独立して使用することができ、または本明細書で
説明する他の態様もしくは実施例のうちの1つまたは複数との様々な入れ替えもしくは組
み合わせと組み合わせることができる。
【0185】
様々な注記
上記の説明は、添付の図面の参照を含み、これは、詳細な説明の一部を成す。図面は、
例として、本発明を実施することのできる具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は
、本明細書では「実施例」ともいう。該実施例は、図示または説明するものに加えて、要
素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示または説明される要素のみが提供さ
れる実施例も想定する。さらに、本発明者らは、特定の実施例(またはその1つもしくは
複数の態様)、または本明細書で図示または説明される他の実施例(またはその1つもし
くは複数の態様)のいずれについても、図示または説明される要素の任意の組み合わせま
たは入れ替えを使用した実施例(またはその1つもしくは複数の態様)も想定する。
【0186】
本書において、特許文書で一般的なように、「少なくとも1つ」または「1つまたは複
数」の任意の他の事例または用法とは独立して、1つまたは1つよりも多くを含むために
、「1つ(の)」という用語を使用する。本書において、「または(もしくは)」は非排
他的であることをいうために使用されるので、「AまたはB」は、別の指示がない限り、
「AではあるがBではない」、「BではあるがAではない」および「AおよびB」を含む
。本書において、「~を含み」および「これは(in which)」は、それぞれ「~
を備え」および「~であって(wherein)」の用語の平易な英語の等価物として使
用される。また、以下の請求項では、「~を含み(including)」および「~を
備え(comprising)」は、非限定的、すなわち、請求項でそのような用語の後
に挙げられるものの他に要素を含むシステム、デバイス、製品、組成、設計またはプロセ
スは、やはりその請求項の範囲内にあると見なされる。また、以下の請求項において、「
第1」、「第2」および「第3」等の用語は単に呼び名として使用され、そのものに対し
て数的な要求事項を課す意図はない。
【0187】
「平行」、「垂直」、「丸」または「四角」などの幾何学的な用語は、文脈上別のこと
を示さない限り、絶対的な数学的厳密さを要求する意図はない。代わりに、該幾何学的な
用語は、製造または同等の機能によるばらつきを許容する。例えば、ある要素が「丸」ま
たは「略丸」と記述される場合、正確に円形ではないコンポーネント(例、やや長円形ま
たは多面多角形のもの)もこの記述により包含される。
【0188】
本明細書で説明される方法の実施例は、少なくとも一部をマシンまたはコンピュータに
より実施されることができる。いくつかの実施例は、上記実施例で説明される方法を実施
するために電子デバイスを構成するように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可
読媒体またはマシン可読媒体を含むことができる。該方法の実施態様は、マイクロコード
、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、または同様なものなどのコードを含むこと
ができる。該コードは、様々な方法を実施するためのコンピュータ可読命令を含むことが
できる。コードは、コンピュータプログラム製品の部分を形成してもよい。さらに、一実
施例において、コードは、実行中または他のときなど、1つまたは複数の揮発性の非一時
的、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形に記憶することができる。これら
の有形コンピュータ可読媒体の実施例は、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、
リムーバブル光ディスク(例、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁
気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)
、読み出し専用メモリ(ROM)などを含むことができるが、これだけに限定されない。
【0189】
上記の説明は制限的なものではなく、例示的なものと意図している。例えば、前述の実
施例(またはその1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用してもよい。上
記の説明を検討するにあたって、例えば当業者によって、他の実施例を使用することがで
きる。要約書は、読者が技術的な開示の性質を素早く確認できるように提供される。これ
は、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されるものではないという
了解のもとに提出される。また、上記詳細な説明において、開示を簡素化するために、様
々な特徴を一緒にまとめていることがある。これは、請求されていないが開示されている
特徴が任意の請求項に不可欠であるとの意図として解釈されるべきではない。むしろ、発
明の主題は、開示されている特定の実施形態の全部の特徴にあるとは限らないことがある
。したがって、以下の請求項は、本明細書により実施例または実施形態として詳細な説明
に組み込まれ、各請求項は、個別の実施形態として独立しており、該実施形態は、様々な
組み合わせまたは入れ替えにおいて互いに組み合わせることができると想定される。本発
明の範囲は、添付の請求項を参照して、該請求項に権利が認められる均等物の完全な範囲
とともに判断されるべきである。