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特許7146136ゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
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  • 特許-ゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及コンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図1
  • 特許-ゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及コンピュータ読み取り可能な記憶媒体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-22
(45)【発行日】2022-10-03
(54)【発明の名称】ゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/577 20140101AFI20220926BHJP
   A63F 13/56 20140101ALI20220926BHJP
【FI】
A63F13/577
A63F13/56
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022503792
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 CN2020106929
(87)【国際公開番号】W WO2022027262
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-01-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522023716
【氏名又は名称】シャンハイ リリス テクノロジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チュアン、ガンリン
(72)【発明者】
【氏名】マオ、イーファン
(72)【発明者】
【氏名】ジン、フアン
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-178412(JP,A)
【文献】特開2006-174930(JP,A)
【文献】特開2010-108319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクションを制御するためのゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システムにおいて、
ゲームオブジェクト毎に、前記ゲームオブジェクトのひずみの大きさ、質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む衝突属性を与える衝突モジュールと、
前記ゲームグループに対する移動命令を受信し、移動目標へ移動させる移動モジュールと、
前記衝突モジュールに接続され、前記衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出して、前記反発力による前記ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表し、及び、前記移動モジュールに接続され、前記ゲームグループが前記移動目標に移動した場合、前記ゲームグループの中心を円心とし、第一長さを半径としてグループ円を作り、前記ゲームオブジェクトが前記グループ円の外にある場合、前記衝突モジュールが前記ゲームオブジェクトに前記円心に向ける復元力を与えるように制御することで、前記ゲームオブジェクトが前記ゲームグループに戻るようにするインタラクティブモジュールと、
を備えることを特徴とするインタラクティブ制御システム。
【請求項2】
前記インタラクティブモジュールは、下式によって前記反発力を算出し、
反発力=ひずみの大きさ*反発力係数*方向/質量
ここで、前記ひずみの大きさは異なるゲームオブジェクトの輪郭の接触による輪郭変形値であり、
前記反発力係数は各ゲームオブジェクトの反発力表現であり、
前記質量はゲームオブジェクトが接触した相手のゲームオブジェクトの質量であることを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブ制御システム。
【請求項3】
前記インタラクティブモジュールは、各ゲームオブジェクトと同一のゲームグループ内の他のゲームオブジェクトとの第一反発力、及び異なるゲームグループ内のゲームオブジェクトとの第二反発力を算出して、前記第一反発力と第二反発力に基づく反発力の合力を算出し、
前記インタラクティブモジュールは、前記反発力の合力に基づいて、前記ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表す時に、前記ゲームオブジェクトの前記反発力の合力での移動を模擬し、同一/非同一のゲームグループ内のゲームオブジェクトにモデルめり込みが発生しないようにすることを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブ制御システム。
【請求項4】
攻撃ゲームグループ及び被攻撃ゲームグループに対する攻撃命令を受信し、攻撃ゲームグループと被攻撃ゲームグループとの戦闘を制御する戦闘モジュールをさらに備え、
前記戦闘モジュールは、攻撃ゲームグループ内のゲームオブジェクト毎に、被攻撃ゲームグループ内の1つのゲームオブジェクトを攻撃対象としてランダム又は指向的に選択し、
前記インタラクティブモジュールは前記戦闘モジュールに接続され、攻撃対象の関係を受信し、戦闘インタラクティブ表現を提供して、前記戦闘インタラクティブ表現を少なくとも1つのクライアント端末に送信して表示することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブ制御システム。
【請求項5】
前記戦闘インタラクティブ表現は、ゲームオブジェクトの攻撃動作、特殊効果、被攻撃動作、ダメージデータのうちの1種又は数種を含み、
前記戦闘モジュールは攻撃ゲームグループ内のゲームオブジェクトに対して被攻撃ゲームグループ内の少なくとも2つのゲームオブジェクトを攻撃対象として指向的に選択した場合、前記戦闘インタラクティブ表現は攻撃半径をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のインタラクティブ制御システム。
【請求項6】
各ゲームグループのオブジェクトの上限及びゲームオブジェクトの現在の数を取得する補償モジュールをさらに備え、前記現在の数が前記オブジェクトの上限より小さい場合、前記補償モジュールはゲームオブジェクトを有するオブジェクトセンターがゲームグループに向けてゲームオブジェクトを補償するように制御することを特徴とする請求項1に記載のインタラクティブ制御システム。
【請求項7】
少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクションを制御するためのゲームオブジェクトのインタラクティブ制御方法において、
衝突モジュールが、ゲームオブジェクト毎に、前記ゲームオブジェクトの質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む衝突属性を与えるステップと、
移動モジュールが、前記ゲームグループに対する移動命令を受信し、移動目標へ移動させるステップと、
インタラクティブモジュールが、前記衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出して、前記反発力による前記ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表すステップと、
前記ゲームグループが前記移動目標に移動した場合、前記インタラクティブモジュールが前記ゲームグループの中心を円心とし、第一長さを半径としてグループ円を作り、前記ゲームオブジェクトが前記グループ円の外にある場合、前記衝突モジュールが前記ゲームオブジェクトに前記円心に向ける復元力を与えるように制御することで、前記ゲームオブジェクトが前記ゲームグループに戻るようにするステップと、
を含むことを特徴とするインタラクティブ制御方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のインタラクティブ制御システムを備えることを特徴とするサーバー。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、前記コンピュータプログラムがプロセッサーにより実行される時、請求項7に記載のステップを実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソフトウェア分野に関し、特に、ゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準が日増しに向上するにつれて、精神面に関するニーズがますます多くなる。したがって、ゲームは多くの人の仕事の余暇の選択になり、自分に退屈しのぎのためにすることである。
【0003】
ゲームは通常、ユーザが制御する対象としてのゲームオブジェクトを有しており、ゲームオブジェクトのリアリティを模擬するために、ゲームオブジェクトの移動、動作等のいずれもできるだけ実際の物理法則に従っている。戦略シミュレーションゲームを例にして、ゲームオブジェクトは戦闘部隊であり、大地図において発生する戦闘体験は部隊をベースキャリアとしたものであり、各部隊をキャリアとして戦闘表現及びロジック計算を行う。戦闘部隊とはプレイヤが直接制御可能な1つの兵種グループを指し、部隊毎に複数の単位を含むことができ、各部隊が全体的な属性を有する。部隊の間に戦闘が発生した場合、部隊間の戦闘表現は、よく部隊の内部単位の間にはペネトレーション又はモデルめり込みの現象が現れ、この現象が出てくると、実情に合わず、ユーザのゲーム体験が下がる。また、戦闘過程もあまり真実ではなく、ユーザがゲーム類アプリケーションプログラムを使用する時の使い心地をさらに低減した。
【0004】
したがって、部隊内の作戦単位毎に真実かつ独立した衝突パラメータを与え、ユーザにさらにリアルな使用体験を与えることができる新型のゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システムが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術欠陥を克服するために、本発明の目的は、ユーザの使用体験がよりリアルになり、ゲームオブジェクトの戦闘表現とロジックがさらに没入感を有するゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システム、方法、サーバー及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクションを制御するためのゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システムであって、ゲームオブジェクト毎に、ゲームオブジェクトのひずみの大きさ、質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む衝突属性を与える衝突モジュールと、
ゲームグループに対する移動命令を受信し、移動目標へ移動させる移動モジュールと、
衝突モジュールに接続され、衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出して、反発力によるゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表し、及び、移動モジュールに接続され、ゲームグループが移動目標に移動した場合、ゲームグループの中心を円心とし、第一長さを半径としてグループ円を作り、ゲームオブジェクトがグループ円の外にある場合、衝突モジュールがゲームオブジェクトに円心に向ける復元力を与えるように制御することで、ゲームオブジェクトが前記ゲームグループに戻るようにするインタラクティブモジュールと、を備えるインタラクティブ制御システムを開示する。
【0007】
好ましくは、インタラクティブモジュールは、下式によって反発力を算出し、
【数1】

ここで、ひずみの大きさは異なるゲームオブジェクトの輪郭の接触による輪郭変形値であり、
反発力係数は各ゲームオブジェクトの反発力表現であり、
質量はゲームオブジェクトが接触した相手のゲームオブジェクトの質量である。
【0008】
好ましくは、インタラクティブモジュールは、各ゲームオブジェクトと同一のゲームグループ内の他のゲームオブジェクトとの第一反発力、及び異なるゲームグループ内のゲームオブジェクトとの第二反発力を算出して、第一反発力と第二反発力に基づく反発力の合力を算出し、
インタラクティブモジュールは、反発力の合力に基づいて、ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表す時に、ゲームオブジェクトの反発力の合力での移動を模擬し、同一/非同一のゲームグループ内のゲームオブジェクトにモデルめり込みが発生しないようにする。
【0009】
好ましくは、インタラクティブ制御システムは、
攻撃ゲームグループ及び被攻撃ゲームグループに対する攻撃命令を受信し、攻撃ゲームグループと被攻撃ゲームグループとの戦闘を制御する戦闘モジュールをさらに備え、戦闘モジュールは、攻撃ゲームグループ内のゲームオブジェクト毎に、被攻撃ゲームグループ内の1つのゲームオブジェクトを攻撃対象としてランダムに又は指向的に選択し、
インタラクティブモジュールが戦闘モジュールに接続され、攻撃対象の関係を受信し、戦闘インタラクティブ表現を提供して、戦闘インタラクティブ表現を少なくとも1つのクライアント端末に送信して表示する。
【0010】
好ましくは、戦闘インタラクティブ表現は、ゲームオブジェクトの攻撃動作、特殊効果、被攻撃動作、ダメージデータのうちの1種又は数種を含み、
戦闘モジュールは攻撃ゲームグループ内のゲームオブジェクトに対し被攻撃ゲームグループ内の少なくとも2つのゲームオブジェクトを攻撃対象として指向的に選択した場合、戦闘インタラクティブ表現は攻撃半径をさらに含む。
【0011】
好ましくは、インタラクティブ制御システムは、
各ゲームグループのオブジェクトの上限及びゲームオブジェクトの現在の数を取得する補償モジュールをさらに備え、現在の数がオブジェクトの上限より小さい場合、補償モジュールはゲームオブジェクトを有するオブジェクトセンターがゲームグループに向けてゲームオブジェクトを補償するように制御する。
【0012】
本発明は、少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクションを制御するためのゲームオブジェクトのインタラクティブ制御方法において、衝突モジュールが、ゲームオブジェクト毎に前記ゲームオブジェクトの質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む衝突属性を与えるステップと、
移動モジュールが、ゲームグループに対する移動命令を受信し、移動目標へ移動させるステップと、
インタラクティブモジュールは、衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出して、反発力に基づいて前記ゲームオブジェクトのインタラクティブフォームを表すステップと、
ゲームグループが移動目標に移動した場合、インタラクティブモジュールがゲームグループの中心を円心とし、第一長さを半径としてグループ円を作り、ゲームオブジェクトがグループ円の外にある場合、ゲームオブジェクトを制御して前記ゲームグループに戻るように、衝突モジュールを制御してゲームオブジェクトに円心に向ける復元力を与えるステップと、を含むインタラクティブ制御方法をさらに開示する。
【0013】
本発明は上記のインタラクティブ制御システムを備えるサーバーをさらに開示する。
【0014】
本発明は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体において、コンピュータプログラムがプロセッサーにより実行される時、上記のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに開示する。
【発明の効果】
【0015】
上記の技術案によれば、従来技術と比べて、以下の効果を奏する。
1.ゲームグループ内の複数のゲームオブジェクトのいずれも物理モデル及び衝突パラメータを有し、複数のゲームグループが戦闘時の戦闘シーンがリアルであり、モデルめり込み現象はない。
2.鳥の群れの動きに類似する移動方式でユーザによりリアルなゲームグループの行軍体験を与える。
3.戦闘シーンがサーバーからリアルタイムにクライアントに送信され、クライアントによってリアルタイムに放送され、たとえ複数人の操作によるシーンでも、ラグがなく安定で表現している。
4.リアルタイムにゲームオブジェクトを補充するメカニズムはユーザのゲームグループへの制御がより自由になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本発明の好ましい実施例に係るゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システムの概略構成図である。
図2図2は本発明の好ましい実施例に係るゲームオブジェクトのインタラクティブ制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明のメリットについてさらに説明する。
【0018】
ここで、例示的な実施例について詳しく説明し、その例示が図面において示される。以下の説明が図面に係る場合、特に明記されていない限り、異なる図面における同一の数字が同一又は類似の要素を表す。以下、例示的な実施例に記載された実施形態は本開示と一致した全ての実施形態を代表するものではない。逆に、それらはただ添付されている特許請求の範囲に詳しく述べられるような、本開示の幾らかの面と一致した装置及び方法の例のみである。
【0019】
本開示に使用された用語は単に特定の実施例を説明することのみを目的としており、本開示を制限することは意図していない。文脈がその他の意味合いをはっきり表していることを除く、本開示及び添付されている特許請求の範囲に使用された単数形式の「1つ」、「前記」及び「この」も多数形式を含むことを意味する。なお、本文に使用された用語「及び/又は」とは、書き並べた1つの又は複数の関連する事項の任意又はあらゆる可能な組み合わせという意味であり、更に、これらの組み合わせを含む。
【0020】
なお、本開示では第一、第二、第三等の用語を用いて各種の情報を説明し得るものの、これらの情報はこれらの用語に限られるべきではない。これらの用語は同一類型の情報を互いに区分するのみに用いられる。例えば、本開示の範囲を逸脱しない場合には、第一情報は第二情報と呼ばれてもよく、同様に、第二情報は第一情報と呼ばれてもよい。コンテクストによって決まるが、ここで使用される語句「もし…ならば」は、「……の場合に」又は「……の時に」若しくは「に応じて決定」に解釈されてもよい。
【0021】
なお、本発明の説明において、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の用語に示された方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、示される装置又は部品が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構造や操作をしなければならないことを指す又は暗示するものではなく、本発明の説明の便宜及び説明の簡素化のためのもののみであり、したがって、本発明に対する制限と理解することができない。
【0022】
なお、本発明の説明において、特に指定および制限がない限り、「取付け」、「繋がり」、「接続」という用語は広い意味で理解されるべき、例えば、機械的接続又は電気的接続であってもよいし、2つの部品内部の連通であってもよいし、直接接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の具体的な意味合いを理解することができる。
【0023】
後続の説明において、例えば部品を示すための「モジュール」、「部品」又は「ユニット」などの接尾語の使用はただ本発明の説明のためになるだけであり、それ自体が特定の意味はない。したがって、「モジュール」と「部品」を混ぜ合わして使用してもよい。
【0024】
図1を参照し、図1は本発明の好ましい実施例に係るゲームオブジェクトのインタラクティブ制御システムの概略構成図である。この実施例では、インタラクティブ制御システムは、ユーザが知能端末又はクライアント端末を使用している時に受信したゲームオブジェクトの表現方式を変え、即ち少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクティブを制御するのに用いられ、具体的には、インタラクティブ制御システムは、以下のものを備える。
【0025】
[衝突モジュール]
衝突モジュールは、インタラクティブ制御システム内に設置され、ゲームオブジェクトの物理表現に対して限定と模擬を行うモジュールであり、ゲームオブジェクトが移動する過程の中でゲームアプリケーションプログラム設計者の期望に従ってインタラクティブするようにする。したがって、衝突モジュールがゲームオブジェクト毎に関連付けられて指向され、ゲームオブジェクト毎に衝突属性を与え、この衝突属性がゲームオブジェクトの物理表現を決定する。例えば、この衝突属性は、ゲームオブジェクトの実際の物理モデルがゲームオブジェクトのインタラクティブ輪郭より小さいことである場合に、ユーザがゲームオブジェクトを移動させる時、ゲームオブジェクトの一部のモデルとその他のゲームオブジェクトの一部のモデルとが重なり合うことを発見することになる。衝突属性は、ゲームオブジェクトの実際の物理モデルがゲームオブジェクトのインタラクティブ輪郭より大きいことである場合に、ユーザがゲームオブジェクトを移動させる時、その他のゲームオブジェクトがゲームオブジェクトに接近している時、実際のシーンに衝突による変形、後退等の表現が現れることを発見することになる。即ち、衝突モジュールがゲームオブジェクトに与えた衝突属性の変化は、ゲームオブジェクトの異なるインタラクティブ表現を引き起こすことになる。具体的には、衝突属性はゲームオブジェクトのひずみの大きさ、質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む。
【0026】
[移動モジュール]
移動モジュールは、インタラクティブ制御システム内に設置され、ゲームオブジェクトを移動させる命令発出モジュールである。移動モジュールがユーザの操作を受信可能なモジュール、例えば、表示モジュール等に接続され、ユーザが表示モジュールでの操作は移動モジュールに識別されて、ゲームグループに対する移動命令に従って、ゲームオブジェクトを1つの移動目標へ移動させる。即ち、移動時の静止状態にある位置がゲームオブジェクトの移動起点であり、ユーザの移動命令内の最終位置が所望の移動目標である。
【0027】
[インタラクティブモジュール]
インタラクティブ制御モジュール内には、衝突モジュールに接続するインタラクティブモジュールがさらに備えられ、衝突モジュールがゲームオブジェクトに与える衝突属性について、衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出し、この反発力は、ゲームオブジェクトが接近・接触する他のゲームオブジェクトに対して加えられる他のゲームオブジェクトの移動方向と逆方向の力であり、即ち、他のゲームオブジェクトを外へ付勢する力である。反発力の存在は、ゲームオブジェクトの間にモデルめり込み現象が現れるのを防止することができる。なお、従来の戦略類ゲームアプリケーションプログラム内における衝突属性の配置は、ただゲームグループに限られており、ゲームグループ内の各ゲームオブジェクトまでに精密化することができない。本実施例では、インタラクティブモジュール計算によって各ゲームオブジェクトの反発力を得た後、各ゲームオブジェクトの反発力に基づいて各ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を示す。例えば、同一ゲームグループ内のゲームオブジェクトが移動中に接近する時、この反発力により、ゲームオブジェクト同士が離れる(反発力が大きければ大きいほど、又は生じる反発力の距離が大きければ大きいほど、ゲームオブジェクト同士が遠く離れる。その逆も同様である)。さらに、インタラクティブモジュールが移動モジュールに接続され、移動モジュールに命令を送信し、ゲームオブジェクトを移動させる過程の中でゲームオブジェクトが表現すべくインタラクティブ形式を移動モジュールに知らせる。よりリアルに実際の部隊行軍中と同じ様子を表現するために、ゲームグループが移動する時に、その中のゲームオブジェクトの移動速度が一様でないので、ゲームグループが移動目標に到着した時、一部のゲームオブジェクトが既に移動目標に到着したが、もう一部のゲームオブジェクトが依然として移動中であることが出てくる可能性がある。これに対し、1つの又は複数のゲームオブジェクトが移動目標に到着した場合、まず、ゲームグループが既にこの移動目標に到着したと見なし、次に、ゲームグループの中心(例えば、到着したあらゆるゲームオブジェクトの中心、ゲームグループの固有中心等)を円心とし、第一長さ(元のゲームグループの最大幅以上であり、ゲームオブジェクトの配列疎密度によって定めることができる)を半径としてグループ円を作る。この時、グループ円の外に位置するゲームオブジェクトについては、インタラクティブモジュールから衝突モジュールへ命令が与えられることで、衝突モジュールがゲームオブジェクトに対して円心に向ける復元力を加える旨の命令を下すように制御し、これによって、ゲームオブジェクトがゲームグループに戻るように加速制御する。この配置を持つことで、ゲームグループ中のゲームオブジェクトのいずれも鳥群アルゴリズム(Bird Swarm Algorithm)に従って、鳥の群れの運動軌跡を模擬することができ、現実中の行軍の状態により適合している。なお、復元力の設置により、移動前と移動後のゲームグループ内の全てのゲームオブジェクトが同一の集まる状態を保持することを保証する。
【0028】
上記の技術案によれば、ゲームオブジェクト毎に独立した衝突設計を有するので、同一のゲームグループ内でのゲームオブジェクトのモデルめり込みのようなインタラクティブ表現、又は異なるゲームグループが移動、攻撃を行う時の異なるゲームオブジェクトのモデルめり込みの発生がなくなる。
【0029】
1つの好ましい実施例では、インタラクティブモジュールは下式によってゲームオブジェクト間の反発力を算出する。
【数2】
【0030】
ゲームオブジェクトAとゲームオブジェクトBが各自の反発力を有することを例にして、ゲームオブジェクトAとゲームオブジェクトBが相手側の反発力のため、及び互いに接近する運動関係の下で、相手の反発力を受けて出てくるインタラクティブ表現を模擬するために、前記の式では、ひずみの大きさはゲームオブジェクトAとゲームオブジェクトBが各自に外力を受けた時に出現した形状の変化である。ゲームオブジェクトAとゲームオブジェクトBとの衝突が発生した場合、両者の間に生じるひずみの大きさが一致している。しかし、反発力係数が存在するため、ゲームオブジェクトに代表されるモデルが剛体により近い場合に、その相手側に対して生じる反発力がさらに大きく、例えば、タンク、軍用車等である。ゲームオブジェクトに代表されるモデルは硬さが小さい物体で形成された場合に、その相手側に対して生じる反発力がさらに小さく、例えば、歩兵、騎兵等である。反発力係数は正にゲームオブジェクトの剛体の程度を描き出すためのものである。上記の反発力の計算式により、比較的小さい変形で大きい反発力が生じることができ、質量がとても大きくて押し動かされ難いタンク、及び変形が大きくてこそ初めて有効な反発力が生じることができ、質量がとても小さくて非常に押し動かされ易い、行動がすばしこい歩兵を表現することができる。
【0031】
又、1つの好ましい実施例では、インタラクティブモジュールは同一ゲームグループ内のゲームオブジェクト間の反発力、即ち第一反発力、及び異なるゲームグループ内の異なるゲームオブジェクト間の反発力、即ち第二反発力をさらに算出し、上記2つの反発力の大きさを算出した後、さらに生じられた第一反発力と第二反発力の大きさによって、両者の反発力の合力を算出する。例えば、第一反発力はゲームオブジェクトが自身の所在するゲームグループ中心から離れる力であり、第二反発力はゲームオブジェクトが自身の所在するゲームグループ中心に向けた力であり、且つ、第二反発力が第一反発力より大きい場合、ゲームオブジェクトが自身の所在するゲームグループ中心へ移動する。さらに、例えば、第一反発力はゲームオブジェクトが自身の所在するゲームグループ中心から離れる力であり、第二反発力はゲームグループの側縁に接する力であると、ゲームオブジェクトが斜め方向に沿って移動することになり、現実の衝突状況とほとんど完全に一致している。つまり、インタラクティブモジュールは反発力の合力に基づいて、ゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表す時、ゲームオブジェクトの反発力の合力での移動を模擬し、同一/非同一のゲームグループ内のゲームオブジェクトのモデルめり込みが発生しないようにする。
【0032】
又、1つの好ましい実施例では、インタラクティブ制御モジュールは、戦闘モジュールをさらに備えている。
【0033】
[戦闘モジュール]
戦闘モジュールは攻撃命令を受信し、攻撃命令内に攻撃ゲームグループと被攻撃ゲームグループが含まれ、攻撃ゲームグループは攻撃をかけるゲームグループであり、被攻撃ゲームグループは、攻撃を受けたゲームグループである。戦闘モジュールはこの攻撃命令に基づき、攻撃ゲームグループと被攻撃ゲームグループとの戦闘を制御する。戦闘時、戦闘モジュールは攻撃ゲームグループ内の各ゲームオブジェクトに対しランダム又は指向的に被攻撃ゲームグループ内の1つのゲームオブジェクトを攻撃対象として選択する。その中で、ランダムな指定とは、攻撃対象がランダムであり、ゲーム類アプリケーションプログラムにランダム性を提供する。指向性の指定とは、最適な攻撃効果を奏するように、相手に狙いを定めて攻撃をかけるものである(この指向性の選択ロジックは、予め配置した相性対立関係等であってもよい)。なお、戦闘過程の中で、インタラクティブモジュールが戦闘モジュールに接続され、両グループ間の上記攻撃対象の関係を受け取って、1種の戦闘インタラクティブ表現を提供し、例えば、戦闘モジュールが戦闘サーバーの形で表現され、1周期ごとに、例えば0.1秒、0.25秒等毎に、戦闘データの結果を戦闘サーバーに接続された少なくとも1つのクライアント端末に同期させ、各クライアント端末は選ばれたゲームグループに対して対応の戦闘インタラクティブ表現、例えば、攻撃動作、特殊効果、被攻撃動作、ダメージ表示文字、死亡効果等を再生する。また、各ゲームオブジェクトは継続的に活躍可能な性質を展示する独立の体力ゲージを有する。
【0034】
なお、ゲームオブジェクトが範囲攻撃効果を有し得るため、即ち戦闘モジュールは攻撃ゲームオブジェクトに対して被攻撃ゲームオブジェクトグループ内の少なくとも2つのゲームオブジェクトを攻撃対象として指向的に選択した場合、戦闘インタラクティブ表現はこのゲームオブジェクトの攻撃半径をさらに含み、この攻撃半径内に位置する全ての被攻撃ゲームオブジェクトのいずれも攻撃される。さらには、攻撃ゲームグループ内の攻撃ゲームオブジェクトが付与可能な攻撃ダメージは下式によって算出することができる。
【数3】

前記の式では、半径定数は予め配置したデータ、又は被攻撃ゲームオブジェクトが被攻撃ゲームグループを占める割合等である。
【0035】
この攻撃半径内に位置する全ての被攻撃ゲームオブジェクトが受けた攻撃ダメージは下式によって算出することができる。
【数4】
【0036】
又、もう1つの好ましい又は好適な実施例では、インタラクティブ制御システムは、をさらに備えている。
【0037】
[補償モジュール]
補償モジュールはインタラクティブ制御システム内に設けられ、ゲームグループ毎のオブジェクトの上限及びゲームオブジェクトの現在の数を取得し、戦闘類ゲームアプリを例にして、オブジェクトの上限は部隊内で最も多い歩兵、騎兵等の数であり、現在の数は部隊内で現在の歩兵、騎兵の数であり、現在の数がオブジェクトの上限より小さい場合、補償モジュールはゲームオブジェクトを有するオブジェクトセンターがゲームグループにゲームオブジェクトを補償するように制御し、即ち、ゲームグループの移動中では、もしゲームグループ内のゲームオブジェクトの数が上限に達していなければ、ゲームグループの所属する基地は両者の差値(まず生産する必要がある)を派遣して所属のゲームグループへ移動させて、ゲームグループに移動した後に入り、次の移動と戦闘に参加し、つまり、ゲームグループ内に人員が減ることが現れた後、直ちに基地に補償させることができる。これにより、ユーザによるゲームグループの制御はより自由になり、ユーザに自由度の高い体験を与える。
【0038】
図2を参照し、本発明は少なくとも2つのゲームオブジェクトを含む少なくとも1つのゲームグループのインタラクションを制御するためのゲームオブジェクトのインタラクティブ制御方法であって、
S100:衝突モジュールは、ゲームオブジェクト毎に、ゲームオブジェクトの質量、半径、反発力係数のうちの少なくとも1種又は数種を含む衝突属性を与えるステップと、
S200:移動モジュールは、ゲームグループに対する移動命令を受信し、移動目標へ移動させるステップと、
S300:インタラクティブモジュールは、衝突属性に基づく各ゲームオブジェクトの反発力を算出して、反発力によるゲームオブジェクトのインタラクティブ形式を表すステップと、
S400:ゲームグループが移動目標に移動した場合、インタラクティブモジュールがゲームグループの中心を円心とし、第一長さを半径としてグループ円を作り、ゲームオブジェクトがグループ円の外にある場合、衝突モジュールがゲームオブジェクトに円心に向ける復元力を与えるように制御することで、ゲームオブジェクトが前記ゲームグループに戻るようにするステップと、
を含むことを特徴とするインタラクティブ制御方法をさらに開示する。
【0039】
本発明には、上記いずれか1つの実施例に示されるインタラクティブ制御システムを備えるサーバーがさらに開示されており、及びプロセッサーにより実行される時に上記のステップを実現するコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体がさらに開示されている。
【0040】
クライアント端末は各種の形で実施可能である。例えば、本発明に説明された端末は、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、PAD(タブレットPC)、PMP(ポータブルメディアプレーヤー)、ナビゲーション装置等のようなクライアント及びデジタルTV、デスクトップパソコン等のような固定端末を含んでもよい。以下、端末はクライアント端末だと仮定する。なお、特に移動目的に用いる部品を除いて、本発明の実施形態による構造も据置型端末に適用できることは言うまでもない。
【0041】
なお、本発明の実施例は、産業上の利用可能性があり、本発明に対して如何なる形の制限をするものではない。当業者は上記開示した技術内容を利用して同等の有効な実施例に変更又は修正することが可能であり、本発明技術案の内容を逸脱しない限り、本発明の技術本質に基づいて以上の実施例に対して行われた如何なる補正又は同様な変化及び修正は、依然として本発明技術案の範囲内に属する。
図1
図2