IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】バケット装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20220927BHJP
【FI】
E02F3/40 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018116487
(22)【出願日】2018-06-02
(65)【公開番号】P2019210790
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】593003949
【氏名又は名称】ウエダ産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】植田 敏治
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-003551(JP,A)
【文献】実開昭57-197548(JP,U)
【文献】特開2005-016230(JP,A)
【文献】特開平09-078624(JP,A)
【文献】特開平04-302621(JP,A)
【文献】特開2003-221837(JP,A)
【文献】米国特許第04943165(US,A)
【文献】米国特許第05771612(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケット本体内に互いがスライド移動することでスクリーニング機能を果たす一対のスクリーニングプレートが配置されて構成されるバケット装置であり、
駆動モータと、
互いに相反して偏心回転する一対の回転作動部を備え、作動軸が前記駆動モータの駆動軸に連接されて回転駆動されるクランク部と、
前記一対の回転作動部それぞれに一端が外嵌されて回動可能に連結される一対のコネクティングロッドを備え、
前記一対のコネクティングロッドのそれぞれの他端には前記一対のスクリーニングプレートのそれぞれが取り付けられてなることを特徴とするバケット装置。
【請求項2】
前記スクリーニングプレートとして一体に組まれたものが装着使用され、前記スクリーニングプレートとしてスクリーニング機能が異なるものが選択使用される請求項1記載のバケット装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はスクリーニング機能を備えるバケット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショベルのアームに連結使用されるバケット装置として、バケット本体内に互いがスライド移動する一対のスクリーニングプレートが配置され、スクリーニング機能を果たすものが提供されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のバケット装置は、例えば、モータの駆動軸に作動軸がリンク連結され、その作動軸に取り付けられた搖動片の両端それぞれに一対のスクリーニングプレートが取り付けられて構成されている。このような搖動作動の場合、モータの駆動力がスクリーニングプレートに効率良く伝達されず、また、モータの高速回転使用も難しく、スクリーニング機能が十分に発揮されない問題があった。また、組み立て構造も複雑であるとともに、作動が安定しないという問題もあった。
【0004】
この発明は上記の事情に鑑みて行ったもので、スクリーニング機能に優れ、組み立てが容易で安定作動されるバケット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明では、バケット本体内に互いがスライド移動することでスクリーニング機能を果たす一対のスクリーニングプレートが配置されて構成されるバケット装置であり、駆動モータと、互いに相反して偏心回転する一対の回転作動部を備え、作動軸が前記駆動モータの駆動軸に連接されて回転駆動されるクランク部と、前記一対の回転作動部それぞれに外嵌されて回動可能に連結される一対のコネクティングロッドを備え、前記コネクティングロッド端それぞれに前記一対のスクリーニングプレートのそれぞれが取り付けられてなることを特徴とするバケット装置を提供する。
【0006】
上記構成のバケット装置は、駆動モータによりクランク部の回転作動部それぞれが相反するタイミングで偏心回転作動され、回転作動部それぞれに連結されるコネクティングロッドそれぞれが相反するタイミングで往復動作を行い、これに伴いスクリーニングプレートそれぞれが往復作動され互いがスライド移動することでスクリーニング動作を行う。クランク部の作動軸が駆動モータの駆動軸に連接されていることで駆動力が効率良くスクリーニングプレートに伝達され、かつ、駆動モータの高速回転使用も可能で、これによりスクリーニング機能が良好に発揮される。クランク部とコネクティングロッドとを用いた容易な組み立て構造によりスクリーニング動作が行われるとともに、その動作は安定して行われる。
【0007】
スクリーニングプレートとして一体に組まれたものが装着使用され、スクリーニングプレートとしてスクリーニング機能が異なるものが選択使用されることで、スクリーニングされる物体に対応してくスクリーニング機能が効率良く行われる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、スクリーニング機能に優れ、組み立てが容易で安定作動されるバケット装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】 この発明のバケット装置の実施形態の正面図
図2】 この発明のバケット装置の実施形態の側面図
図3】 この発明のバケット装置の実施形態の平面図
図4】 この発明のバケット装置の実施形態の要部拡大斜視図
図5】 この発明のバケット装置の実施形態の要部拡大断面図
図6】 この発明のバケット装置の実施形態の要部拡大斜視図
図7】 この発明のバケット装置の実施形態の動作説明図
図8】 この発明のバケット装置の実施形態の動作説明図
図9】 この発明のバケット装置の実施形態の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1はこの発明のバケット装置の実施形態の正面図、図2は同側面図、図3は同平面図である。バケット装置1において、2はバケット本体であり、バケット本体2は一対の側フレーム4、4が上部において上フレーム6で連結され、上フレーム6上にショベルのアーム端に連結されるブラケット5が一体に備えられている。側フレーム4、4は前下部において連結フレーム8で、後下部において連結パイプ10でそれぞれ連結支持されている。
【0011】
上フレーム6の中央上面には油圧モータ(駆動モータ)12が設置され、その両側には軸受け部材14それぞれに軸受け支持されて、図4図5に示す偏心回転部材(クランク部)16のそれぞれが回転可能に設けられている。18のそれぞれはカップリングであり、油圧モータ12の両側に突出する駆動軸それぞれと偏心回転部材16の作動軸22とを同軸に連動連結している。偏心回転部材16は作動軸22に一対の円形作動板(回転作動部)24が互いに相反して偏心する位置において貫入固定されて取り付けられて構成されている。作動軸22の相反する位置に装着凹部19が設けられるとともに円形作動板24それぞれの軸支穴25内には内方側に沿って溝部21が設けられている。作動軸22の装着凹部19それぞれに装着された位置決め片23それぞれが溝部21それぞれに嵌入されることで、円形作動板24のそれぞれは作動軸22に対し互いに相反して偏心する位置において取り付けられている。
【0012】
26のそれぞれはコネクティングロッドであり、その上部の環状連結部28が軸受けを介して偏心回転部材16の円形作動板24それぞれに外嵌されて回転可能に連結されている。コネクティングロッド26のアーム27端は軸受けを介して連結具30に支持ピン29に軸支されて回転可能に連結され、その連結具30にスクリーニングプレート32の上部ロッド34が貫通して溶接固定されている。
【0013】
スクリーニングプレート32は上部ロッド34に複数の湾曲材36の上端が所定の間隔をおいて貫通されて溶接固着され、それら湾曲材36にはその長手方向に沿って多数個のふるい片38が所定の間隔で取り付けられている。一対のスクリーニングプレート32は互いの湾曲材36とふるい片38とが重なることがないように配置されている。
【0014】
図6はスクリーニングプレート32の下端側の構造を示す。湾曲材36それぞれの下端には支持部材40それぞれが固着されており、それら支持部材40が両端において固定部材37に固定されるピン39により回動可能に軸支されて取り付けられている。固定部材37と支持部材40とはその側面形状を同形とし、それらは前部が横方向に連続する取付け板42にボルト33より連結されて一体に固定されている。取り付け板42は連結フレーム8の後部上にボルト35より固定されている。連結フレーム8には所定の間隔をおいてガイド刃44が溶接固定されている。46は支持部材40の隙間を覆うカバープレートで、支持部材40間に物が入り詰まって湾曲材36それぞれがスムーズに動作しなくなることを回避するように設けられている。スクリーニングプレート32は上端側において連結具30のそれぞれが支持ピン29に軸支され、下端側において取り付け板42が連結フレーム8に取り付けられてバケット本体2に組付けられる。スクリーニングプレート32は湾曲材36とふるい片38との配置構成が異なるスクリーニング機能の異なるものが適宜選択使用される。
【0015】
上記構成のバケット装置は、油圧モータ12が作動されることで偏心回転部材16のそれぞれにおける円形作動板24のそれぞれか相反するタイミングで偏心回転作動され、円形作動板24それぞれに回動可能に連結されるコネクティングロッド26それぞれが相反するタイミングで往復動作を行い、これに伴いスクリーニングプレート32それぞれは下端側がピン39を支点として回動して相反するタイミングで往復動作される。図7は偏心回転部材16が1回転した際の一方のスクリーニングプレート32の往復動作の最大の動き巾Aを示し、図8は同じく他方のスクリーニングプレート32の往復動作の最大の動き巾Bを示し、図9はそれぞれのスクリーニングプレート32が最も離間した距離Cを示す。スクリーニングプレート32それぞれが相反するタイミングで往復作動して互いの湾曲材36とふるい片38とがスライドするように作動する。これにより、スクリーニングプレート32それぞれの上にある物体のふるいによるスクリーニング動作が行われ、小形の物体が互いの湾曲材36とふるい片38との間から下方にふるい落とされる。
【0016】
上記のスクリーニング動作は、偏心回転部材16の円形作動板24の作動軸22が油圧モータ12の駆動軸に連接されていることで、駆動力が効率良くスクリーニングプレート32に伝達されて行われ、かつ、油圧モータ12の高速回転使用も可能で、これによりスクリーニング機能が良好に果たされる。また、偏心回転部材16とコネクティングロッド26とを用いた容易な組み立て構造によりスクリーニング動作が行われるとともに、その動作は安定したものとなる。
【符号の説明】
1 バケット装置
2 バケット本体
12 油圧モータ(駆動モータ)
16 偏心回転部材(クランク部)
22 作動軸
24 円形作動版(回転作動部)
26 コネクティングロッド
32 スクリーニングプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9