(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】プロブコール誘導体及びその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
C07C 323/52 20060101AFI20220927BHJP
C07C 323/20 20060101ALI20220927BHJP
C07C 323/36 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/22 20060101ALI20220927BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20220927BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220927BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20220927BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220927BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220927BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220927BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220927BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/353 20060101ALI20220927BHJP
C07D 311/58 20060101ALI20220927BHJP
C07D 339/04 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/385 20060101ALI20220927BHJP
C07D 495/04 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/5375 20060101ALI20220927BHJP
C07D 295/088 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20220927BHJP
C07D 249/08 20060101ALI20220927BHJP
C07D 339/06 20060101ALI20220927BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
C07C323/52 CSP
C07C323/20
C07C323/36
A61K31/22
A61P1/16
A61P3/10
A61P3/06
A61P3/04
A61P9/00
A61P13/12
A61P27/02
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/16
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/353
C07D311/58
C07D339/04
A61K31/385
C07D495/04 111
A61K31/5375
C07D295/088
A61K31/4196
C07D249/08 526
C07D339/06
A61K31/122
(21)【出願番号】P 2020542234
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2019072315
(87)【国際公開番号】W WO2019149091
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】201810090320.9
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520284300
【氏名又は名称】デモテック.インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ル,ソン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ウェンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヒ,シュアンジャン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-261148(JP,A)
【文献】特開昭63-310821(JP,A)
【文献】国際公開第1992/007825(WO,A1)
【文献】特表2004-501984(JP,A)
【文献】特表2008-505097(JP,A)
【文献】特開昭63-258408(JP,A)
【文献】特許第5227803(JP,B2)
【文献】特表2010-522762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A61K
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式IIIで示される構造を有するプロブコール誘導体:
【化1】
式中、R
1とR
2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、-(O)C-(アルキル基またはアリール基)、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO
2、-O-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
R
5とR
6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基、アルケニル基、又はアリール基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、-(O)C-(アルキル基またはアリール基)、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲンで置換されてもよい;
nは1~4の整数であり、XはNH又はOである;
R
7は、水素又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基、-(O)C-(アルキル基またはアリール基)、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、芳香環基、芳香族複素環基又はハロゲンで置換されてもよい。
【請求項2】
一般式Vで示される構造を有するプロブコール誘導体:
【化2】
式中、R
1、R
2およびR
3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、-(O)C-(アルキル基またはアリール基)、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO
2、-O-アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
R
8とR
9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC
1-C
6の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;
XはN、NH、O又はSである;Yはヘテロアリール基、-CH
2-又は-C(O)である;
XがNH、O又はSである場合、一つのYしか置換できない;
XがNである場合、二つのYが置換される;
pは0~6の整数である;
R
10とR
11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基又はアルキル基は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシル基、飽和複素環炭化水素基、アルケニル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR
15R
16、-OR
15、-COOR
15、-CONR
15R
16、-NR
15COR
16、-SO
2R
15、-ONO
2、-SO
3H、-CO
2H又は-NR
15SO
2R
16で置換されてもよい;前記飽和複素環炭化水素基は、少なくとも一つのヘテロ原子以外の少なくとも一つの炭素原子を含む、4~12員の単環式、二環式又は三環式の飽和環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものである;前記ヘテロ原子の数は1~4個である;前記R
15とR
16は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アミド基、-(O)C-(アルキル基またはアリール基)、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである。
【請求項3】
下記の化合物から選ばれる1種又は複数種であることを特徴とするプロブコール誘導体:
メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート
2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)酢酸
3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸エチル
3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸
4,4’-ジスルファンジイル-ビス(2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール)
2,6-ジ-t-ブチル-4-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)ジスルファンジイル)フェノール
4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-メトキシフェノール)
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-6-イル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソ酪酸
3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸エステル
3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-2-アセトキシ安息香酸
3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアセテート
(S)-3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル 2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)アセテート
2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(2-モルホリノエトキシ)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルグリシネート
3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアラニナート
2-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アミノアセテート
2,2’-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アザンジイル)ジアセテート
N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)バレルアミド
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)シクロプロパンスルホンアミド
2-(4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソブチルアミド)エタン-1-スルホン酸
2-(4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソブタンアミド)エタン-1-スルホン酸。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のプロブコール誘導体の立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載のプロブコール誘導体、又は請求項4に記載の立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩を、活性成分の少なくとも1種として含む医薬品組成物。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載のプロブコール誘導体、又は請求項4に記載の立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩、又は請求項
5に記載の組成物の、糖尿病、心脳血管類疾患又はそれらの合併症を治療するための医薬品の調製における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本発明は、2018年1月30日に出願された特許発明名称が「プロブコール誘導体及びその調製方法と使用」である中国発明特許第201810090320.9号の優先権を主張し、引用によりその全開示内容を本明細書に援用する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、医薬技術分野に関し、具体的には、プロブコール誘導体及びその調製方法と異なる疾患分野での使用に関する。
【背景技術】
【0003】
肥満は糖・脂質代謝異常を引き起こしやすく、糖・脂質代謝異常は糖尿病、アテローム性動脈硬化および老化の主因である。上記の疾患では、糖と脂質代謝は独立して発生してもよいが、常に同時に発生する。生体高分子のグルコシル化の結果として、糖尿病患者に、脂質代謝異常がより引き起こされやすく、腎臓病、網膜症、神経障害、アテローム動脈硬化性心血管疾患、腫瘍および神経変性疾患といった各種の合併症が発生する。糖尿病の合併症、特に血管合併症は患者が死亡に至る主因である。
【0004】
プロブコール(probucol)は1970年代に米国で販売された脂質降下薬である。当該医薬品は非常に強い抗酸化活性を有しており、血中脂質を下げ、LDLの過酸化を抑制し、アテローム性動脈硬化の進行を遅らせ、さらに、脳心血管イベントを低下できる。現在、特に家族性高脂質血症患者にとって、プロブコールは、重要な脂質降下薬として、依然として広く使用され、重視されている。すでに開示された特許では、プロブコールの異なる用途が開示されており、例えば、US3862332では、プロブコールの血清コレステロールを下げる使用が開示され、US4985465では、プロブコールのウイルス及びレトロウイルスの感染の抑制における使用が開示され、CN200810246677.8とCN201610591938.4では、プロブコールとスタチン系薬の併用が開示され、CN200880007795.1では、プロブコールの慢性閉塞性肺疾患における使用が開示されている。プロブコールの化学構造は下記の通りである。
【0005】
【0006】
プロブコールという医薬品自体は、血糖値と血中脂質に対する低減効果が比較的に弱く、一部の患者のQT間隔の延長をきたす原因となることから、使用範囲の面において制限がある。同時に、プロブコール自体の物理化学的性質により、脂溶性が高すぎるためほとんど水に溶けず、バイオアベイラビリティが非常に低く、医薬品吸収が大きく変動する。従って、プロブコールは臨床使用上、更なる改善が必要となる。
【0007】
プロブコール自体の欠点を解決するために、特許には、いくつかの手段が開示されている。例えば、US5262439には、プロドラッグ技術を利用して、プロブコールのフェノール性水酸基に一つ又は二つのエステル基を導入することで水溶性を増加させる手段、US9650332とCN201710107801.1では、プロドラッグ手段を利用して水溶性基を導入し、関連疾患を治療することが開示されている。US20030064967では、プロブコールモノエステル、その薬学的に許容される塩及びプロドラッグ、並びにHDLの上昇におけるそれらの使用が開示されており、CN98807171では、プロブコールモノエステルの心血管疾患と炎症性疾患の治療における使用が開示されており、US6121319では、プロブコールモノエステルの心血管疾患と炎症性疾患の治療における使用が開示されており、CN200880016419.9では、プロブコール誘導体の糖尿病の治療における使用が開示されており、CN200810167035.9では、AGI-1067とパンテチンの併用が開示されている。
【0008】
中でも、AGI-1067はプロブコールの誘導体の一つであって、特許WO98/09781とWO2007/044726のように、プロブコールにおける一つのフェノール性水酸基にモノコハク酸エステルを形成して得られるものである。カルボキシル基の導入により、水溶性が向上したため、プロブコールの物理化学的性質上の欠点が一部解決されている。同時に、AGI-1067はプロブコールのコア構造を維持しているため、抗酸化性と抗炎症性を有する。その化学構造は下記の通りである。
【0009】
【0010】
プロブコール及びそのコハク酸モノエステル誘導体AGI-1067の臨床研究は、コレステロールとLDL-Cの低減、インスリン抵抗性の改善、血糖値とHbA1c値の低減、複数種の血管内皮増殖因子と炎症性サイトカイン、酸化ストレスに関連する酵素の発現の促進、抗アテローム性動脈硬化、糖尿病の新たな発生の顕著な減少、および安定型脳心血管イベントの顕著な減少などにおける共通点と相違点を示している。これにより、プロブコールをベースとする一連の化合物が、糖尿病に合併する心血管疾患の治療において大きな前景を持っていることが証明されている。理論と臨床実践は、現在、シングルターゲット薬が糖尿病に合併する心血管疾患の介入において理想的な有効性に欠けていることを証明し、対応する治療薬が糖代謝、脂質代謝および炎症反応のいずれに対しても良好な作用を有する多機能性化合物である必要があること暗に示している。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、第1、プロブコール誘導体を提供することを目的とし、本発明が提供するプロブコール誘導体は一般式Iで示される構造を有する。
【0012】
【0013】
式中、R1とR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基(即ち、前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素、下記も同様である。)は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
Qは存在しないか、又は-CR5R6であり、ただし、R5とR6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基から選ばれるものであり、前記アルキル基、アルケニル基、又はアリール基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲンで置換されてもよく、R5とR6は結合して環を形成してもよい;前記アミノ基は、C1-C6の分岐鎖又は直鎖アルキル基、あるいは3~5員のシクロアルキル基で置換されてもよい;
Zは、アリール基又はアルキル基から選ばれるものである;前記アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR12R13、-OR12、-COOR12、-CONR12R13、-NR12COR13、-SO2R12、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR12SO2R13で置換されてもよい;
前記アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR12R13、-OR12、-COOR12、-CONR12R13、-NR12COR13、-SO2R12、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR12SO2R13で置換されてもよい;
ただし、R12とR13は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン、飽和複素環基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;R12とR13は独立に環を形成してもよい;
好ましくは、
R1とR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数の(一つが好ましい)ヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;より好ましくは、R1とR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、炭素数1~6のアルキル基、アルコキシ基から選ばれるものである;前記炭素数1~6のアルキル基、アルコキシ基の水素は、一つのヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基で置換されてもよい;
Qは存在しないか、又は-CR5R6であり、ただし、R5とR6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、いずれもメチル基であることがより好ましい;前記アリール基は、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミド基、スルホニル基、エーテル基又はハロゲンで置換されてもよく、単環式芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい;
Zは、単環式置換のアリール基又はC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものである;ただし、前記アルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR12R13、-OR12、-COOR12、-CONR12R13、-NR12COR13、-SO2R12、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR12SO2R13で置換されてもよい;前記単環式置換のアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、シアノ基、-NR12R13、-OR12、-COOR12、-CONR12R13、-NR12COR13、-SO2R12、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR12SO2R13で置換されてもよい;
ただし、R12とR13は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン、飽和複素環基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;R12とR13は独立に環を形成してもよい;
上記のR1、R2、Q、Z、R12およびR13において、
前記シクロアルキル基は、飽和又は部分的に不飽和な環状炭化水素基から選ばれるものであり、3~12員の単環式基又は二環式基であることが好ましく、3~8員の単環式基がより好ましく、3~5員の単環式基がさらに好ましい;
前記アルケニル基は、少なくとも一つのC=C二重結合と2~12個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖アルケニル基から選ばれるものであり、C3-C8のアルケニル基であることが好ましい;
前記アミノ基は、-N-アルキル基又は-N-シクロアルキル基であり、前記-N-アルキル基におけるアルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものである;前記-N-シクロアルキル基におけるシクロアルキル基は、飽和又は部分的に不飽和な環状炭化水素基から選ばれるものであり、3~12員の単環式基又は二環式基であることが好ましく、3~8員の単環式基がより好ましく、3~5員の単環式基がさらに好ましい;
前記エーテル基は-O-アルキル基であり、前記-O-アルキル基におけるアルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものである;
前記アリール基は、置換又は非置換の炭素原子が6~20個である芳香性炭化水素基から選ばれるものであり、単環式芳香族炭化水素基、二環式芳香族炭化水素基又は多環式芳香族炭化水素基であることが好ましい;前記アリール基はフェニル基であることがさらに好ましい;
前記ヘテロアリール基は、少なくとも一つのヘテロ原子を含有する5~7員の単環式芳香族環状基又は8~12員の二環式芳香族環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものであり、その他は炭素である;前記ヘテロ原子の数は1~4個であることが好ましく、1~3個であることがより好ましい;
前記エステル基は、-(O)C-置換基であり、前記置換基は、アルキル基又はアリール基であり、前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、さらに、前記アルキル基は、アミノ基、置換アミノ基、飽和複素環基、芳香族環状基、芳香族複素環基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;前記アリール基は、単環式又は二環式芳香性炭化水素基であり、フェニル基であることが好ましい;
前記アミド基は、-NHC(O)-置換基であり、前記置換基は、アルキル基又はアリール基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、さらに、前記アルキル基は、アミノ基、置換アミノ基、飽和複素環基、芳香族環状基、芳香族複素環基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;前記アリール基は、単環式又は二環式芳香性炭化水素基であり、フェニル基であることが好ましい;
前記スルホニル基は、-NHS(O)2-置換基であり、前記置換基は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選ばれるものであり、炭素原子を1~6個含有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、又は3~5員の単環式シクロアルキル基、又は単環式アリール基であることが好ましい;
前記飽和複素環基は、少なくとも一つのヘテロ原子以外の少なくとも一つの炭素原子を含む、4~12員の単環式、二環式又は三環式の飽和環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものである;ヘテロ原子の数は1~4個であり、1~3個であることが好ましく、1又は2個であることがより好ましい;単環式が好ましい。
【0014】
特に指定のない限り、本発明の前記「なにかで置換されてもよい」又は「任意になにかで置換される」とは、対応する基/原子がなにかで置換されてもよく、又は置換されなくてもよいことを意味する;一般的に、「置換」とは、対応する基の水素原子に対する置換、例えば、前記「アルキル基又はアルコキシ基はなにかで置換されてもよい」とは、前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素が置換されることを意味する。
【0015】
本発明の好ましい実施形態の一つとして、本発明に記載のプロブコール誘導体は一般式IIで示される構造を有する。
【0016】
【0017】
式中、R1、R2、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものであり、
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
Mは、独立に水素又は-CO(CH2)mCONHR14から選ばれるものであり、mは2~4の整数であり、R14は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、カルボキシル基、スルホン酸基、-ONO2、アミド基又はシアノ基で置換されてもよい;
本発明に記載の上述の構造について、
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;
より好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基は、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基、エステル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、アリール基又はヘテロアリール基で置換される;
いくつかの実例において、Mが水素である場合、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に水素又はC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基は、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基、エステル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、アリール基又はヘテロアリール基で置換される;R3又はR4は、それぞれ独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;
Mが水素である場合、R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立に水素又はC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであリ、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基が、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基で置換されることが好ましい;
いくつかの実例において、Mが-CO(CH2)mCONHR14である場合、mは2~3(2が好ましい)であり、R14は、C2-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、前記アルキル基の末端は、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;
上記のR1、R2、R3、R4、MおよびR14において、
前記シクロアルキル基は、飽和又は部分的に不飽和な環状炭化水素基から選ばれるものであり、3~12員の単環式基又は二環式基であることが好ましく、3~8員の単環式基がより好ましく、3~5員の単環式基がさらに好ましい;
前記アルケニル基は、少なくとも一つのC=C二重結合と2~12個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖アルケニル基から選ばれるものであり、C3-C8のアルケニル基であることが好ましい;
前記アミノ基は、-N-アルキル基又は-N-シクロアルキル基であり、前記-N-アルキル基におけるアルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものである;前記-N-シクロアルキル基におけるシクロアルキル基は、飽和又は部分的に不飽和な環状炭化水素基から選ばれるものであり、3~12員の単環式基又は二環式基であることが好ましく、3~8員の単環式基がより好ましく、3~5員の単環式基がさらに好ましい;
前記エーテル基は-O-アルキル基であり、前記-O-アルキル基におけるアルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものである;
前記アリール基は、置換又は非置換の炭素原子が6~20個である芳香性炭化水素基から選ばれるものであり、単環式芳香族炭化水素基、二環式芳香族炭化水素基又は多環式芳香族炭化水素基であることが好ましい;前記アリール基はフェニル基であることがさらに好ましい;
前記ヘテロアリール基は、少なくとも一つのヘテロ原子を含有する5~7員の単環式芳香族環状基又は8~12員の二環式芳香族環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものであり、その他は炭素である;前記ヘテロ原子の数は1~4個であることが好ましく、1~3個であることがより好ましい;
前記エステル基は、-(O)C-置換基であり、前記置換基は、アルキル基又はアリール基であり、前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、さらに、前記アルキル基は、アミノ基、置換アミノ基、飽和複素環基、芳香族環状基、芳香族複素環基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;前記アリール基は、単環式又は二環式芳香性炭化水素基であり、フェニル基であることが好ましい;
前記アミド基は、-NHC(O)-置換基であり、前記置換基は、アルキル基又はアリール基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、さらに、前記アルキル基は、アミノ基、置換アミノ基、飽和複素環基、芳香族環状基、芳香族複素環基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;前記アリール基は、単環式又は二環式芳香性炭化水素基であり、フェニル基であることが好ましい;
前記スルホニル基は、-NHS(O)2-置換基であり、前記置換基は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基から選ばれるものであり、炭素原子を1~6個含有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、又は3~5員の単環式シクロアルキル基、又は単環式アリール基であることが好ましい。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態として、本発明に記載のプロブコール誘導体は一般式IIIで示される構造を有する。
【0019】
【0020】
式中、R1とR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
R5とR6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基、アルケニル基、又はアリール基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲンで置換されてもよく、R5とR6は結合して環を形成してもよい;
nは1~4の整数であり、XはN又はOであり、R7は、水素又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、芳香環基、芳香族複素環基又はハロゲンで置換されてもよい。
【0021】
本発明に記載の上述の構造について、
好ましくは、R1、R2は、それぞれ独立にC1-C6アルキル基から選ばれるものであり、前記C1-C6アルキル基は、一つ又は複数のエステル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基又はヒドロキシル基で置換されてもよい;そのうち、前記エステル基は、-(O)C-置換基であり、前記置換基は、アルキル基又はアリール基であり、前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものである;さらに、前記アルキル基は、アミノ基、飽和複素環基、芳香族環状基、芳香族複素環基、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;前記アリール基は、単環式又は二環式芳香性炭化水素基であり、フェニル基であることが好ましい;
より好ましくは、R1、R2は、それぞれ独立にC2-C5の分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C2-C5の分岐鎖又は直鎖アルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基又はアミノ基で置換されてもよい;
いくつかの実例において、R1、R2は同じであり、何れも炭素数2-5のアルキル基から選ばれるものである(t-ブチルが好ましい);
好ましくは、R5とR6はそれぞれ独立にアルキル基又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記アリール基は、置換の芳香性炭化水素基から選ばれるものであり、単環式芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい;
いくつかの実例において、R5、R6は、それぞれ独立にメチル基又はエチル基から選ばれるものである;
いくつかの実例において、R5、R6は、それぞれ独立にフェニル基から選ばれるものである;
好ましくは、nは2~3の整数である;
好ましくは、R7は、水素又はC1-C6の分岐鎖又は直鎖アルキル基である;前記C1-C6の分岐鎖又は直鎖アルキル基は、一つ又は複数のアシル基、エステル基、又はスルホン酸基で置換されてもよい;
いくつかの実例において、R1、R2は、独立にC2-C5の分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C2-C5の分岐鎖又は直鎖アルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、エステル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;nは2~3の整数であり、XはN又はOであり、R7は水素、メチル基又はエチル基である;R5とR6はメチル基である。
【0022】
上記のR1、R2、R5、R6およびR7において、シクロアルキル基、アルケニル基、アミノ基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが具体的に指すものは一般式I又はIIで示される化合物と同じである。
【0023】
本発明の更なる好ましい実施形態として、本発明に記載のプロブコール誘導体は一般式IVで示される構造を有する。
【0024】
【0025】
式中、R1、R2、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものであり、
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1、R2、R3又はR4は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成しもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
Mは、水素又は-CO(CH2)mCONHR14から選ばれるものであり、mは2~4の整数であり、R14は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、カルボキシル基、スルホン酸基、-ONO2、アミド基又はシアノ基で置換されてもよい;
R5とR6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基、アルケニル基、又はアリール基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基又はハロゲンで置換されてもよく、R5とR6は結合して環を形成してもよい;前記アミノ基は、C1-C6の分岐鎖又は直鎖アルキル基、あるいは3~5員のシクロアルキル基で置換されてもよい;
本発明に記載の上述の構造について、
好ましくは、R1、R2、R3およびR4は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;
より好ましくは、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基は、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基、エステル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、アリール基又はヘテロアリール基で置換されてもよい;
好ましくは、R5とR6は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基から選ばれるものである;前記アルキル基は、炭素原子を1~6個含有する分岐鎖又は直鎖アルキル基から選ばれるものであり、いずれもメチル基であることがより好ましい;前記アリール基は、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミド基、スルホニル基、エーテル基又はハロゲンで置換されてもよく、単環式芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基がより好ましい;
いくつかの実例において、Mが水素である場合、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に水素又はC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであリ、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基は、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基、エステル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、アリール基又はヘテロアリール基で置換されてもよい;R3又はR4は、それぞれ独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成してもよい;
Mが水素である場合、R1、R2、R3およびR4が、それぞれ独立に水素又はC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記C1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基が、任意に一つ又は複数のヒドロキシル基で置換されることが好ましい;
いくつかの実例において、Mが-CO(CH2)mCONHR14である場合、mは2~3(2が好ましい)であり、R14は、C2-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、前記アルキル基の末端は、カルボキシル基又はスルホン酸基で置換されてもよい;
上記のR1、R2、R3、R4、MおよびR14において、シクロアルキル基、アルケニル基、アミノ基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが具体的に指すものは一般式I又はIIで示される化合物と同じである。
【0026】
さらに、本発明に記載のプロブコール誘導体は一般式Vで示される構造を有する。
【0027】
【0028】
式中、R1、R2およびR3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものである;
前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基の水素は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;R1又はR2は、独立に隣接するフェノール性水酸基と結合して環を形成しもよい;前記アミノ基は、アルキル基又はシクロアルキル基で置換されてもよい;
R8とR9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;
XはN、O又はSである;Yはヘテロアリール基、-CH2-又は-C(O)-である;
XがO又はSである場合、一つのYしか置換できない;
XがNである場合、一つ又は二つのYが置換される;
pは0~6の整数である;
R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アミノ基、アリール基、ヘテロアリール基又はアルキル基は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシル基、飽和複素環炭化水素基、アルケニル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-SO2R15、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよい;前記飽和複素環炭化水素基は、少なくとも一つのヘテロ原子以外の少なくとも一つの炭素原子を含む、4~12員の単環式、二環式又は三環式の飽和環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものである;前記ヘテロ原子の数は1~4個であり、1~3個が好ましく、1又は2個であることがより好ましい;単環式が好ましい;前記R15とR16は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にヒドロキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アミド基、エステル基、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;R15とR16は独立に環を形成してもよい;
本発明に記載の上述の構造について、
好ましくは、R1、R2およびR3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものであり、前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲンで置換されてもよい;より好ましくは、R1、R2およびR3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アルキル基又はアルコキシ基から選ばれるものであり、前記アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、シクロアルキル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、-ONO2又はエーテル基で置換されてもよい;
好ましくは、R8とR9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;さらに好ましくは、R8とR9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はシクロアルキル基から選ばれるものであり、いずれもメチル基であることがより好ましい;
好ましくは、R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立に水素、アミノ基、アリール基又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アミノ基、アリール基又はアルキル基は、それぞれ独立にハロゲン、ヒドロキシル基、飽和複素環炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-SO2R15、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよい;R15とR16は独立に環を形成してもよい;より好ましくは、R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアミノ基、アリール基又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アミノ基、アリール基又はアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、飽和複素環炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよく、R15とR16は独立に環を形成してもよい;
さらに好ましくは、R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6アルキル基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、飽和複素環炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよい;R15とR16は独立に環を形成してもよい;
いくつかの実例において、XがNであることが好ましい場合、pは0であり、Yはヘテロアリール基であり、トリアゾール基とテトラゾール基であることがより好ましい。
【0029】
好ましい構造として、本発明の前記一般式Vで示される構造において、
R1、R2およびR3は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、一つ又は複数のヒドロキシル基、アルキル基、アシル基、エステル基、カルボニル基で置換されてもよく、t-ブチルがさらに好ましい;
XはO又はNである;
Yは-C(O)-であり、
pは1~4の整数である;
R8とR9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基から選ばれるものである;さらに好ましくは、R8とR9は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にC1-C6の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はシクロアルキル基から選ばれるものであり、いずれもメチル基であることがより好ましい;
R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアミノ基、アリール基又はアルキル基から選ばれるものであり、前記アミノ基、アリール基又はアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル基、飽和複素環炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよく、R15とR16は独立に環を形成してもよい;より好ましくは、R10とR11は同一又は異なっていてもよく、それぞれ独立にアルキル基から選ばれるものであり、前記アルキル基は、飽和複素環炭化水素基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR15R16、-OR15、-COOR15、-CONR15R16、-NR15COR16、-ONO2、-SO3H、-CO2H又は-NR15SO2R16で置換されてもよい;R15とR16は独立に環を形成してもよい;
上記のR1、R2、R3、R8、R9、R10、R11、R15およびR16において、シクロアルキル基、アルケニル基、アミノ基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが具体的に指すものは一般式IIで示される化合物と同じである。
【0030】
より好ましくは、本発明が提供するプロブコール誘導体は下記の化合物であることが好ましい。
【0031】
1:メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート
2:2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)酢酸
3:3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸エチル
4:3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸
5:4,4’-ジスルファンジイル-ビス(2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール
6:2,6-ジ-t-ブチル-4-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)ジスルファンジイル)フェノール
7:4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-メトキシフェノール)
8:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
9:4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール
10:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-6-イル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
11:4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソ酪酸
12:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸エステル
13:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-2-アセトキシ安息香酸
14:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアセテート
15:(S)-3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル 2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)アセテート
16:2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
17:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
18:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(2-モルホリノエトキシ)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
19:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルグリシネート
20:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアラニナート
21:2-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アミノアセテート
22:2,2’-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アザンジイル)ジアセテート
23:N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)バレルアミド
24:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
25:N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)シクロプロパンスルホンアミド
26:2-(4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソブチルアミド)エタン-1-スルホン酸
27:2-(4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソブタンアミド)エタン-1-スルホン酸。
【0032】
本発明は同時に上記プロブコール誘導体の異性体(立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体)、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0033】
本発明の前記プロブコール誘導体は、置換基の種類または組み合せによって、各種の異性体が存在する可能性がある。前記異性体は、立体異性体(例えば、「シス」と「トランス」型、エナンチオマー)、互変異性体、および光学異性体(例えば、右旋型と左旋型)であることが好ましい。本発明の化合物は、特に指定のない限り、上記の異性体、立体異性体、及び上記の異性体と立体異性体の任意の割合の混合物をもすべて含む。
【0034】
本発明の前記プロブコール誘導体は、一つまたは複数の構成原子として、割合が不自然な同位体を含んでも良い。同位体の実例には、重水素(2H)、三重水素(3H)、ヨウ素-125(125I)、および炭素-14(14C)が含まれ、一般式I~Vで示されるプロブコール誘導体の全ての同位体バリアントも本発明の範囲内に含まれる。
【0035】
本発明の前記プロブコール誘導体は当分野の通常の技術手段によって調製して得られるものであり、プロブコール誘導体をより良好に得るために、本発明の第2の目的として、プロブコール誘導体の好ましい調製方法も提供する。
【0036】
前記プロブコール誘導体の調製プロセスと具体的なステップは下記の通りである。
【0037】
【0038】
R1、R2、R3、R4、R8、R9、R10、R11、X、Y、pなどは、本発明の上述のプロブコール誘導体に関する限定と同じである;
ステップ1:オレフィン付加を経て、エステル化・縮合・環化反応により、原料化合物aと原料化合物bで中間体1を得る;
ステップ2:還元反応により、前記中間体1を開環させ、中間体2を得る;
ステップ3:ロダン化反応により、前記中間体2にチオシアノ基を導入し、中間体3を得る;
ステップ4:還元によって、前記中間体3から中間体4を得る;
ステップ5:縮合反応により、前記中間体4と中間体5をドッキングさせ、中間体6を得る;
ステップ6:縮合、アルキル化又はスルホニル化により、前記中間体6から異なる一般式Vで示される化合物を得る。
本発明に記載の上述の調製方法におけるステップ1~6については、いずれも当分野の既知の通常の反応条件を採用して上記の反応を実現でき、本発明は特にそれらを限定しない。
【0039】
本願は、さらに、例えば、本発明に記載のプロブコール誘導体、又はその立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩を、活性成分の少なくとも1種として含む、又はさらに薬学的に許容される賦形剤を含む医薬品組成物を提供する。
【0040】
本発明に記載の医薬品組成物は、前記プロブコール誘導体を唯一の活性成分として使用できるだけでなく、前記プロブコール誘導体を他の既知の活性成分と併用することもできる。
【0041】
好ましくは、前記医薬品組成物の剤形は、カプセル剤、タブレット、錠剤、糖衣錠、顆粒剤および粉末剤のような固形剤、エリキシル剤、シロップ剤、乳剤、分散液および懸濁液のような液剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0042】
上記の医薬品組成物(各剤形)の調製では、当分野の通常の技術手段を採用でき、この点について本発明は特に限定しないが、当業者は、実際の状況に応じて適宜な賦形剤と調製方法を選択して本発明を実現できる。
【0043】
本発明は、さらに、需要のある患者に、治療的有効量の本発明に記載のプロブコール誘導体又はその立体異性体又はそれらの薬学的に許容される塩、あるいは本発明に記載の医薬品組成物を投与することを含む、糖尿病に合併する心血管疾患を治療する方法を提供する。
【0044】
本発明は、同時に本発明に記載のプロブコール誘導体又はその立体異性体、エナンチオマー、ラセミ体、シス-トランス異性体、互変異性体、同位体化合物及び任意の組み合わせ、又はそれらの薬学的に許容される塩、あるいは本発明に記載の医薬品組成物の、老化及び糖尿病、心脳血管類疾患又はそれらの合併症を治療するための医薬品の調製における使用を提供することを更なる目的とする。
【0045】
好ましくは、前記糖尿病と心脳血管類疾患は、高血糖、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂肪肝、肥満、糖尿病に合併する心脳血管疾患、糖尿病に合併する腎臓病、糖尿病に合併する網膜疾患を含むが、これらに限定されるものではない。
【0046】
本発明が提供するプロブコール誘導体は、上記の疾患に対して突出した治療と緩和作用を示し、血糖値の低下、血中脂質の低減、コレステロールの低減、体重の低減、トリグリセリドの低減、抗炎および抗酸化などに有効に使用でき、広い応用前景を有する。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明に開示されるプロブコール誘導体及び/又はその薬用塩は、市販の出発物質と本願に開示される内容を組み合わせて合成できる。下記の形態では、本願に開示される一部の化合物の調製方法を説明する。以下において提供するこれらの実施例と調製例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるためのものである。それらは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単なる例示的な説明と代表に過ぎない。
【0048】
通常、本願で使用される命名法は、IUPAC命名法に基づくものであり、専門的なソフトウェアchemoffice14.0を使用して自動的に命名する。描画された構造と対応構造による名称との間に不一致が生じた場合、描画された構造に準ずる。また、構造又は構造の一部の立体化学が、例えばくさび形又は破線で表記されていないのであれば、当該構造又は構造の一部が、そのすべての立体異性体を含むと解釈される。
【0049】
文中の内容によって指定されていない限り、本明細書で使用される文字、言葉および記号は、一般的に下記の意味を有する。本文における下記の略語と用語は下記のことを意味する。
【0050】
用語「アルキル基」とは、炭化水素基であり、前記炭化水素基は、直鎖及び分岐鎖の飽和炭化水素基から選ばれるものであり、前記飽和炭化水素基は、1~18個の炭素原子を含み、例えば、1~12個の炭素原子を含み、さらに、例えば1~6個の炭素原子を含む。アルキル基の例は、メチル基、エチル基、1-プロピル基又はn-プロピル基(「n-Pr」)、2-プロピル基又はイソプロピル基(「i-Pr」)、1-ブチル基又はn-ブチル基(「n-Bu」)、2-メチル-1-プロピル基又はイソブチル基(「i-Bu」)、1-メチルプロピル基又はs-ブチル基(「s-Bu」)、1,1-ジメチルエチル基又はt-ブチル基(「t-Bu」)から選ばれるものであってもよい。アルキル基の他の例は、1-ペンチル基(n-ペンチル基、-CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ペンチル基(-CH(CH3)CH2CH2CH3)、3-ペンチル基(-CH(CH2CH3)2)、2-メチル-2-ブチル基(-C(CH3)2CH2CH3)、3-メチル-2-ブチル基(-CH(CH3)CH(CH3)2)、3-メチル-1-ブチル基(-CH2CH2CH(CH3)2)、2-メチル-1-ブチル基(-CH2CH(CH3)CH2CH3)、1-ヘキシル基(-CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2-ヘキシル基(-CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3-ヘキシル基(-CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2-メチル-2-ペンチル基(-C(CH3)2CH2CH2CH3)、3-メチル-2-ペンチル基(-CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4-メチル-2-ペンチル基(-CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3-メチル-3-ペンチル基(-C(CH3)(CH2CH3)2)、2-メチル-3-ペンチル基(-CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3-ジメチル-2-ブチル基(-C(CH3)2CH(CH3)2)及び3,3-ジメチル-2-ブチル基(-CH(CH3)C(CH3)3)基から選ばれるものであってもよい。
【0051】
用語「アルケニル基」とは、直鎖と分岐鎖の炭化水素基から選ばれる炭化水素基であり、前記炭化水素基は、少なくとも一つのC=C二重結合と、2~18個の炭素原子、例えば、2~6個の炭素原子とを含む。アルケニル基の例は、ビニル基又はエテニル基(-CH=CH2)、1-プロペニル基(-CH=CHCH3)、2-プロペニル基(-CH2CH=CH2)、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-メチル-1,3-ブタジエニル基、1-ヘキセシル基、2-ヘキセシル基、3-ヘキセシル基、4-ヘキセシル基、及び1,3-ヘキサジエニル基から選ばれるものであってもよい。
【0052】
用語「シクロアルキル基」とは、単環式基と多環式基を含む、飽和と部分的に不飽和な環状炭化水素基から選ばれるものであり、単環式と多環式(例えば、二環式と三環式)の基を含む。例えば、前記シクロアルキル基は、3~12個の炭素原子を含み、例えば、3~8個の炭素原子、さらに、例えば、3~6個、3~5個又は3~4個の炭素原子を含む。よりさらに、例えば、前記シクロアルキル基は、炭素数3~12、例えば3~8、3~6の単環式基から選ばれるものであってもよい。単環式シクロアルキル基の例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1-シクロペンタン-1-エニル基、1-シクロペンタン-2-エニル基、1-シクロペンタン-3-エニル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキサン-1-エニル基、1-シクロヘキサン-2-エニル基、1-シクロヘキサン-3-エニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、およびシクロドデシル基を含むものである。ビシクロアルキル基の例は、7~12個の環原子からなるビシクロ基又は橋かけビシクロ基を含み、前記ビシクロ環は、[4,4]、[4,5]、[5,5]、[5,6]及び[6,6]環系から選ばれるものであり、前記橋かけビシクロ環は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びビシクロ[3.2.2]ノナンから選ばれるものである。前記環は、飽和又は少なくとも1つの二重結合を有する(例えば、部分的に不飽和である)が、完全共役しておらず、かつ芳香族、例えば、本文で定義される芳香族ではない。
【0053】
用語「飽和複素環基」について、前記飽和複素環炭化水素基は、少なくとも一つのヘテロ原子以外の少なくとも一つの炭素原子を含む、4~12員の単環式、二環式又は三環式の飽和環状基から選ばれるものであり、前記ヘテロ原子は、N、O又はSから選ばれるものである;前記ヘテロ原子の数は1~4個であり、1~3個が好ましく、1又は2個のヘテロ原子がより好ましい;単環式、例えば、ピペリジン、モルホリン、2-ヒドロキシエチルピロール、ホモピペラジン、ピペラジン及びテトラヒドロピランが好ましい。
【0054】
用語「アリール基」は、
フェニル基のような5員と6員の炭素環式芳香環;
例えば、ナフタレン、インダン及び1,2,3,4-テトラヒドロキノリンから選ばれるものである、少なくとも1つの環が炭素環と芳香環である7~12員の二環系などの二環系;及び
フルオレンのような少なくとも1つの環が炭素環と芳香環である10~15員三環系などの三環系から選ばれるものである。
【0055】
例えば、前記アリール基は、5員と6員の炭素環式芳香環を5~7員のシクロアルキル基又は複素環基に縮合させて形成されるアリール基から選ばれるものであり、前記5~7員のシクロアルキル基又は複素環基は、N、OおよびSから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、条件は、前記炭素環式芳香環に複素環基が縮合される場合、結合点が炭素環式芳香環にあることと、前記炭素環式芳香環とシクロアルキル基が縮合される場合、結合点が炭素環式芳香環又はシクロアルキル基にあってもよいことである。置換のベンゼン誘導体に形成し、かつ環原子において自由原子価を有する二価の基を置換のフェニレンフリーラジカルと称する。一価の多環式炭化水素基の二価のフリーラジカルの命名は、対応する一価のフリーラジカルの名称に「-エン」を加えることで得られ、例えば、二つの結合点を有するナフチルをナフチレンと称し、前記一価の多環式炭化水素基の名称は、自由原子価の炭素原子から一つの水素原子を除いて「-イル」で終了することで得られる。しかしながら、いずれの場合も、アリール基は、ヘテロアリール基を含まないか、又はヘテロアリール基と重複しておらず、以下において、それぞれ定義する。従って、一つ又は複数の炭素環式芳香環が複素環芳香環と縮合する場合、得られる環系は本明細書に定義されているヘテロアリール基であり、アリール基ではない。
【0056】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」とは、F、Cl、Br又はIである。
【0057】
用語「ヘテロアリール基」は、
少なくとも1つのヘテロ原子を含み、例えば、前記ヘテロ原子が1~4個であり、あるいは、一部の実施形態において、1~3個であり、前記ヘテロ原子が、N、OおよびSから選ばれるものであり、その他の環原子が炭素である、5~7員の芳香族単環;
少なくとも1つ、例えば1~4個のヘテロ原子を含み、あるいは、一部の実施形態において、1~3個であり、あるいは、他の実施形態において、1~2個であり、前記ヘテロ原子が、N、OおよびSから選ばれるものであり、その他の環原子が炭素であり、かつそのうちの少なくとも1つの環が芳香族のものであり、さらに、芳香環に少なくとも一つのヘテロ原子を有する8~12員の二環;及び
少なくとも1つ、例えば、1~4のヘテロ原子を含み、あるいは、一部の実施形態において、1~3個であり、あるいは、他の実施形態において、1~2個であり、ヘテロ原子が、N、OおよびSから選ばれるものであり、その他の環原子が炭素であり、かつ少なくとも1つの環が芳香族のものであり、さらに、芳香環に少なくとも一つのヘテロ原子を有する11~14員の三環から選ばれるものである。
【0058】
例えば、ヘテロアリール基は、5~7員のシクロアルキル環を縮合している5~7員の複素芳香環を含む。このような一つの環のみが少なくとも1つのヘテロ原子を含む縮合二環式複素芳香環系について、結合点は複素芳香環又はシクロアルキル環にあってもよい。
【0059】
ヘテロアリール基におけるSとO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は隣接しなくなる。いくつかの実施案において、ヘテロアリール基におけるSとOの総数は2を超えない。一部の実施形態において、複素芳香環におけるSとOの総数は1を超えない。
【0060】
ヘテロアリール基の例は、(優先的に1と指定された結合位置から番号を付ける)ピリジニル基(例えば、2-ピリジニル基、3-ピリジニル基、4-ピリジニル基)、シンノリニル基、ピラジニル基、2,4-ピリミジル基、3,5-ピリミジル基、2,4-イミダゾリル基、イミダゾピリジル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾール基、テトラゾリル基、チエニル基、トリアジニル基、ベンゾチエニル基、フラニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリニル基、フタラジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピロリル基、トリアゾリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピラゾリル基、ピロロピリジニル基(例えば、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)、ピラゾリルピリジニル基(例えば、1H-ピラゾリル[3,4-b]ピリジン-5-イル)、ベンゾオキサゾリル基(例えば、ベンゾ[d]オキサゾリン-6-イル)、プテリジニル基、プリニル基、1-オキサ-2,3-ジアゾリル基、1-オキサ-2,4-ジアゾリル基、1-オキサ-2,5-ジアゾリル基、1-オキサ-3,4-ジアゾリル基、1-チア-2,3-ジアゾリル基、1-チア-2,4-ジアゾリル基、1-チア-2,5-ジアゾリル基、1-チア-3,4-ジアゾリル基、フラザニル基(furazanyl)、ベンゾフラザニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、フロピリジニル基、ベンゾチアゾリル基(例えば、ベンゾ[d]チアゾリン-6-イル)、インダゾリル基(例えば、1H-インダゾリン-5-イル)及び5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
単一の立体異性体(例えば、実質的に純粋なエナンチオマー)は、ラセミ混合物を分ける方法、例えば、光学活性分割剤を利用してジアステレオマーを形成する方法で得られる。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、いかなる適宜の方法によって分離でき、当該方法は、(1)キラル化合物とイオン性ジアステレオマー塩を形成した後、分別結晶化又はその他の方法によって分離すること;(2)キラル誘導化試薬とジアステレオ異性体化合物を形成し、形成されたジアステレオマーを分離し、それらを純粋な立体異性体に変換すること;(3)キラル条件下で、実質的に純粋な又は含有量の多い立体異性体を直接に分離することを含む。
【0062】
「薬学的に許容される塩」は、例えば、塩酸塩、リン酸塩、臭化水素塩、硫酸塩から選ばれる無機酸塩;例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸3-アミノプロピオニトリル、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メシル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩やHOOC-(CH2)n-COOHの塩などのアルカン酸塩から選ばれる有機塩を含むが、これらに限定されるものではない。ただし、nは0~4から選ばれるものである。同様に、薬学的に許容されるカチオンの例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム及びアンモニウムを含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
なお、本願の前記化合物が酸付加塩の形態で得られるのであれば、その遊離塩基は、その塩溶液をアルカリ化して得られる。逆に、生成物が遊離塩基であれば、付加塩(例えば、薬学的に許容される付加塩)は、遊離塩基を好適な有機溶媒に溶かして、かつその溶液を酸処理する方法で調製され、塩基性化合物からの酸付加塩の調製における通常のプロセスと一致する。当業者は、過度な実験を必要とせずとも、毒のない薬学的に許容される付加塩を調製するのに使用できる各種の合成方法を見分けできる。
【0064】
ここで定義される「薬学的に許容される塩」は、化合物の塩、及びエナンチオマーの塩、及び/又はジアステレオマーの塩のような化合物の立体異性体の塩を含む。
【0065】
「治療」又は「緩和」とは、需要があると確定した被験者に、本文に開示される少なくとも1種の化合物及び/又はその少なくとも1種の立体異性体、及び/又は少なくとも1種の薬学的に許容される塩を投与することを意味し、例えば、前記被験者は糖尿病を患っている。
【0066】
用語「有效量」とは、本願に開示される少なくとも1種の化合物及び/又はその少なくとも1種の立体異性体、及び/又は少なくとも1種の薬学的に許容される塩の下記の量であり、前記量は、被験者において疾患又は機能障害を有効に「治療」(上記で定義した)できる。
【0067】
本願の前記用語「少なくとも1個の置換基」は、例えば、1~4、1~3、さらに1~2個の置換基を含む。
【0068】
表1は一般式Iのプロブコール誘導体の一部の実例を記述したものである。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
合成案:
【0076】
【0077】
この案において、市販品又はさらに誘導・合成されたフェノールに、文献における標準的な方法によりチオシアノ基を導入し、その後、還元方法を利用してチオフェノール誘導体を得る。チオール化合物をさらに縮合・ドッキングして、一般式Iで示される化合物を得る。下記の実施例では、一部の代表性を有する化合物のみが例示されているが、当業者は、本発明に開示される合成方法によって、対応的に原料を置き換えるだけで、本発明の前記他のプロブコール誘導体を得ることができると理解できるため、それらも同じく、本発明の保護しようとする範囲に属すものであることにご注意ください。
【0078】
下記の実施例において下記の略記を使用する。
DCM ジクロロメタン
DMAP N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
EtOAc 酢酸エチル
PE 石油エーテル
MeOH メタノール
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOH 無水エタノール
K2CO3 炭酸カリウム
HOAc 酢酸
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
LAH 水素化アルミニウムリチウム
NaBr 臭化ナトリウム
NaSCN チオシアン酸ナトリウム
Br2 臭素
Acetone アセトン
HCl 塩酸
rt又はr.t. 室温
TBDPSCl t-ブチルジフェニルクロロシラン
Im イミダゾール
BOMCl ベンジルクロロメチルエーテル
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
THF テトラヒドロフラン
PPh3 トリフェニルホスフィン
Hydrazine ヒドラジン
G又はg グラム
mg ミリグラム
mL ミリリットル
L リットル
mmol ミリモル
mol モル
H2O 水
Na2SO4 硫酸ナトリウム
NaCl 塩化ナトリウム
Eq 当量
min 分
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
HCl 塩酸
MeLi メチルリチウム
N2 窒素
MeSO3H メタンスルホン酸
NaH 水素化ナトリウム
MsCl メタンスルホニルクロリド
Et3N トリエチルアミン
KI ヨウ化カリウム
DCC N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
MnO2 二酸化マンガン
O2 酸素
KOH 水酸化カリウム
Piperidine ピペリジン
DPPH 1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジルフリーラジカルOD値 吸光度。
【0079】
一般的な条件:
特に記述のない限り、融点を含むすべての温度を摂氏とする。特に説明のない限り、下記の反応は、一般的に無水溶液において、窒素の正圧下で行われる。反応フラスコには、注射器によって基質と試薬を容易に加えるためのゴム栓が設けられ、ガラス器具はベーク及び/又は加熱により乾燥されたものである。
【0080】
1HNMRスペクトルは、300MHzのVarianの装置を使用して獲得し、通常の重水素化溶媒、例えば、CDCl3、DMSO-d6、CD3OD、D2Oを溶媒として使用し、テトラメチルシランを基準とするか、あるいは残存溶媒(CDCl3:7.25ppm;CD3OD:3.31ppm;D2O 4.79ppm;及びDMSO-d6 2.50ppm)を内部標準とする。ピークの多重度については、下記の略記、例えば、s(シングルピーク)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、qn(クインテット)、sx(セクテット)、m(マルチプレット)、br(ブロード)、dd(ダブルダブレット)、dt(ダブルトリプレット)を使用する。与えられた結合定数はヘルツ(Hz)で表示する。
【0081】
実施例1:メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート
【0082】
【0083】
ステップ1:2,6-ジ-t-ブチル-4-チオシアナトフェノール
【0084】
【0085】
2,6-ジ-t-ブチルフェノール(2.06g、10mmol)、NaBr(1.02g、10mmol)、NaSCN(1.62g、20mmol)をそれぞれ、MeOH(30mL)を含有する三口フラスコに加え、上記の混合物を氷水浴を用いて冷却し、温度を0~5℃に保持した。その後、Br2(0.56mL、11mmol)のMeOH(5mL)溶液をゆっくり滴下し、温度を5℃を超えないように制御した。滴下終了後、得られた混合液を攪拌しながら自然に室温までに昇温させ、TLCによりモニターした。減圧濃縮してメタノールを除去し、残存物にH2O(100mL)を加え、EtOAcで抽出し(100mL×3)、Na2SO4で乾燥させた。減圧濃縮してEtOAcを除去し、粗製品である2,6-ジ-t-ブチル-4-チオシアナトフェノールをそのまま次のステップに使用した。
【0086】
ステップ2:2,6-ジ-t-ブチル-4-メルカプトフェノール
【0087】
【0088】
0℃で、2,6-ジ-t-ブチル-4-チオシアナトフェノール(10.0g、粗製品)の乾燥THF(30mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(2.0g、52.6mmol)のTHF(50mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら5時間反応し、EtOAc(20mL)をゆっくり加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(50mL)、EtOAc(200mL)を加え、有機相を分離した。それぞれ飽和NaHCO3と食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:10~1:5)に通し、黄色いろう状の固体である製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-メルカプトフェノール(5.4g)を得た。
【0089】
ステップ3:メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート
【0090】
【0091】
0℃で、2-メルカプト酢酸メチル(1mL)と2,6-ジ-t-ブチル-4-メルカプトフェノール(0.88g、3.7mmol)を、乾燥アセトン(20mL)に加えた後、MeOH(20mL)をゆっくり加え、その後、pHが2~3になるまでHClガスをゆっくり注入した。反応液を室温で終夜反応させ、減圧して有機溶媒を除去し、残存物にEtOAc(100mL)を加え、それぞれ飽和NaHCO3と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:20~1:5)に通し、無色の液体で、室温でゆっくりと固まる製品、メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート(444mg、収率22%)を得た。
【0092】
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.30(s,2H),5.37(s,1H),3.74(s,3H),3.58(s,3H),3.88(s,2H),1.54(s,6H),1.44(s,18H).LC-MS:385.2 [M+H]+.HPLC:93.0% at 242nm,tR=4.18min。
【0093】
実施例2:2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)酢酸
【0094】
【0095】
0℃で、メチル2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)アセテート(200mg、0.52mmol)のTHF(5mL)に、水と水酸化リチウム(218mg、5.2mmol)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌し、EtOAc(50mL)を加え、その後、1N HCl(5mL)を加えて有機相を分離した。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:1~3:1)に通し、黄色い固体である製品、2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)酢酸(120mg、収率62%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.31(s,2H),5.38(s,1H),3.63(s,2H),1.55(s,6H),1.43(s,18H).LC-MS:371 [M+H]+.HPLC:98.1% at 242nm,tR=2.11min。
【0096】
実施例3:3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸エチル
【0097】
【0098】
0℃で、メルカプトプロピオン酸エチル(1.7g、12.8mmol)と2,6-ジ-t-ブチル-4-メルカプトフェノール(1.5g、6.3mmol)を乾燥アセトン(20mL)に加えた後、0℃で、MeOH(20mL)をゆっくり滴下し、その後、pHが2~3になるまでHClガスをゆっくり注入した。得られた反応液を室温で終夜攪拌した。減圧して有機溶媒を除去し、残存物にEtOAc(100mL)を加え、それぞれ飽和NaHCO3と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、無色の油状物質である製品、3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸エチル(649mg、収率25%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.32(s,2H),5.36(s,1H),4.15(q,2H,J=3Hz),3.03(t,2H,J=6Hz),2.76(d,2H,J=6Hz),1.52(s,6H),1.42(s,18H),1.27(t,3H,J=6Hz).LC-MS:413 [M+H]+.HPLC:98.8% at 242nm,tR=4.33min。
【0099】
実施例4:3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸
【0100】
【0101】
0℃で、2-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)酢酸エチル(200mg、0.52mmol)のTHF(5mL)に水と水酸化リチウム(218mg、5.2mmol)を加えた。反応液を室温で終夜攪拌した後、EtOAc(50mL)を加え、その後、1N HCl(5mL)を加えて,有機相を分離した。飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ,EtOAc:PE=1:1~3:1)に通し、黄色い固体である製品、3-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)プロピオン酸(120mg、収率62%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.32(s,2H),5.36(s,1H),3.06(t,2H,J=6Hz),2.73(d,2H,J=6Hz),1.54(s,6H),1.44(s,18H).LC-MS:385 [M+H]+.HPLC:99.5% at 242nm,tR=3.61min。
【0102】
実施例5:4,4’-ジスルファンジイル-ビス(2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール
【0103】
【0104】
ステップ1:2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール
【0105】
【0106】
N2の保護下、3-(t-ブチル)-2-ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、11.2mmol)を、乾燥THF(10mL)を含有する三口フラスコに加え、ドライアイス-アセトン浴を用いて-10℃以下まで安定に低下させ、その後、MeLi(10.5mL、33.7mmol、1.6MのTHF溶液)を、上記の溶液にゆっくり滴下し、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、徐々に室温まで上昇し、反応液にH2O(50mL)を注ぎ、2N HClでpHを6程度に調整し、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して黄色い油状物質である粗生成物を得、そのまま次のステップに使用した。
【0107】
ステップ2:2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-チオシアナトフェノール
【0108】
【0109】
2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール(1.0g、5.1mmol)、NaBr(0.52g、5.1mmol)、NaSCN(1.6g、20mmol)をそれぞれMeOH(10mL)を含有する三口フラスコに加え、上記の混合物を氷水浴を用いて冷却し、温度を0~5℃に保持した。その後、Br2(0.30mL、5.7mmol)のMeOH(5mL)溶液を、上記の混合液にゆっくり滴下し、温度を5℃を超えないように制御した。滴下終了後、得られた混合液を攪拌しながら自然に室温までに昇温させ、TLCによりモニターした。減圧濃縮してメタノールを除去し、残存物にH2O(40mL)を加え、EtOAcで抽出し(100mL×2)、Na2SO4で乾燥させた。減圧濃縮してEtOAcを除去し、粗製品をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、PE:EA=10:1)に通し、淡黄色の油状物質(0.54g、収率42%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.90(s,2H),7.34(d,1H,J=3Hz),7.07(d,1H,J=3Hz),5.06(q,1H,J=6Hz),1.61(d,3H,J=6Hz),1.61(d,3H,J=6Hz),1.40(s,9H).LC-MS:252 [M+H]+。
【0110】
ステップ3:2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メルカプトフェノール
【0111】
【0112】
0℃で、2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-チオシアナトフェノール(300mg、1.2mmol)の乾燥THF(6mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(114mg、3.0mmol)のTHF(3mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら5時間反応し、EtOAc(20mL)をゆっくり加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(3mL)、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離した。それぞれ飽和NaHCO3と食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して粗生成物(187mg、収率69%)を得た。
【0113】
ステップ4:4,4’-ジスルファンジイル-ビス(2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール
【0114】
【0115】
N2の保護下、2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メルカプトフェノール(187mg、0.75mmol)をMeOH(10mL)に溶解し、その後、室温で濃塩酸(0.5mL)を滴下し、70℃で攪拌して3h反応させ、TLCにより反応をモニターした。室温に達した後、黄色い固体がゆっくり析出し、ろ過を行い、少量の冷MeOHでケーキを洗浄し、淡黄色の固体である、4,4’-ジスルファンジイル-ビス(2-(t-ブチル)-6-(1-ヒドロキシエチル)フェノール(111mg、収率58%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.41(s,2H),7.30(s,2H),7.00(s,2H),4.42(q,2H,J=6Hz),1.51(d,6H,J=6Hz),1.35(s,18H).HPLC:97.2% at 242nm,tR=9.03min。
【0116】
実施例6:2,6-ジ-t-ブチル-4-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)ジスルファンジイル)フェノール
【0117】
【0118】
2,6-ジ-t-ブチル-4-メルカプトフェノール(400mg、1.68mmol)、2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)-4-メルカプトフェノール(300mg、1.20mmol)をそれぞれMeOH(20mL)に加え、その後、室温で濃塩酸(0.5mL)を滴下し、得られた反応液を70℃で攪拌して3h反応させ、TLCにより反応をモニターした。室温まで温度を下げた後、減圧濃縮してMeOHを除去し、残存物に飽和食塩水(10mL)、EtOAc(50mL)を加え、Na2SO4で乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(200~300メッシュのシリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:10)で精製し、淡黄色の固体である、2,6-ジ-t-ブチル-4-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)ジスルファンジイル)フェノール(31mg、収率4%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.23(s,2H),7.90(s,2H),3.48(t,2H,J=6Hz),2.26(t,2H,J=6Hz),1.45(s,9H),1.41(s,6H),1.35(s,18H).HPLC:93.5% at 242nm,tR=6.04min。
【0119】
実施例7:4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-メトキシフェノール)
【0120】
【0121】
ステップ1:2-メトキシ-4-チオシアナトフェノール
【0122】
【0123】
2-メトキシフェノール(3.7g、30.0mmol)、NaBr(3.1g、30.0mmol)、NaSCN(4.9g、60.0mmol)をそれぞれ、MeOH(37mL)を含有する三口フラスコに加え、上記の混合物を氷水浴を用いて冷却し、温度を0~5℃に保持した。その後、Br2(1.7mL,33.0mmol)のMeOH(19mL)溶液を、上記の混合液にゆっくり滴下し、温度を5℃を超えないように制御した。滴下終了後、得られた混合液を攪拌しながら自然に室温までに昇温させ、TLCによりモニターした。減圧濃縮してメタノールを除去し、残存物にH2O(40mL)を加え、EtOAcで抽出し(100mL×2)、Na2SO4で乾燥させた。減圧濃縮してEtOAcを除去し、淡黄色の固体を得た。得られた固体に少量のPEを加え、攪拌して洗浄し、濾過して淡黄色の固体を得た。
【0124】
ステップ2:2-メトキシ-4-メルカプトフェノール
【0125】
【0126】
0℃で、2-メトキシ-4-チオシアナトフェノール(1.0g、5.5mmol)の乾燥THF(15mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(0.34g、8.3mmol)のTHF(10mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら5時間反応し、H2O(20mL)をゆっくり加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(3mL)、EtOAc(50mL)を加え、有機相を分離した。飽和NaHCO3と食塩水で有機相をそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、そのまま次のステップに使用した。
【0127】
ステップ3:4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-メトキシフェノール)
【0128】
【0129】
N2の保護下、2-メトキシ-4-メルカプトフェノール(400mg、2.6mmol)、アセトン(2mL)をそれぞれMeOH(8mL)に加え、その後、pHが2~3になるまでHClガスをゆっくり注入し、得られた溶液を室温で終夜反応させ、TLCにより反応をモニターした。減圧濃縮してメタノールを除去し、残存物にH2O(40mL)を加え、EtOAcで抽出し(100mL×2)、Na2SO4で乾燥させた。減圧濃縮してEtOAcを除去し、粗製品をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、PE:EA=10:1)に通し、浅黄色の固体(85mg、収率37%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 703~6.96(m,4H),6.79(d,2H,J=3Hz),3.75(s,6H),1.38(s,6H)。
【0130】
実施例8:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0131】
【0132】
ステップ1:2,6-ジ-t-ブチル-4-チオシアナトフェノール
【0133】
【0134】
0℃で、2,6-ジ-t-ブチルフェノール(10.0g、48.5mmol)、NaBr(5.0g、48.5mmol)およびNaSCN(15.5g、48.5mmol)をMeOH(100mL)に加え、攪拌しながらそこにBr2(2.3mL,48.5mmol)のメタノール(20mL)溶液をゆっくり加え、滴下過程において、温度を5℃を超えないように制御した。滴下終了後、室温まで自然に昇温させ、3時間反応させた。MeOHを減圧濃縮し、残存物にEtOAc(200mL)を加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗生成物、2,6-ジ-t-ブチル-4-チオシアナトフェノールを、そのまま次のステップに使用した。
【0135】
ステップ2:2,6-ジ(t-ブチル)-4-メルカプトフェノール
【0136】
【0137】
0℃で、8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-2-オン(7.0g、0.03mol)の乾燥THF(10mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(2.3g、0.06mmol)のTHF(50mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら3時間反応させ、EtOAc(20mL)を加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(50mL)、EtOAc(200mL)を加え、それぞれ飽和NaHCO3と食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧して有機溶媒を除去した後、黄色い油状物質である、2,6-ジ(t-ブチル)-4-メルカプトフェノール(7.1g、粗生成物の収率99.7%)を得た。
【0138】
ステップ3:8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-2-オン
【0139】
【0140】
MeSO3H(150mL)に、o-t-ブチルフェノール(15.0g、0.10mol)と3-メチルクロトン酸(11g、0.11mol)をそれぞれ加え、その後、混合液を70~80℃に加熱して3時間反応させた。温度が室温まで冷却した後、反応液に氷水を注ぎ、EtOAc(200mL)で抽出し、飽和NaHCO3水溶液と食塩水で有機相をぞれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧して有機溶媒を除去した後、黄色い油状物質で、室温でゆっくりと固まる、8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-2-オン(24.6g、粗生成物の収率106%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.33~7.29(br,2H),7.01(d,1H,J=8Hz),2.65(s,2H),1.39(s,6H),1.35(s,9H)。
【0141】
ステップ4:2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール
【0142】
【0143】
窒素保護下、0℃で8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-2-オン(7.0g、0.03mol)の乾燥THF(10mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(2.3g、0.06mmol)のTHF(50mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら3時間反応させ、EtOAc(20mL)を加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(50mL)、EtOAc(200mL)を加え、飽和NaHCO3と食塩水で有機相をそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧して有機溶媒を除去した後、黄色い油状物質である、2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール(7.1g、粗生成物の収率99.7%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.23(d,1H)、7.10(dd,1H,J=8Hz),6.60(d,1H,J=8Hz),3.55(t,2H,J=8Hz),2.21(t,2H,J=8Hz),1.45(s,6H),1.31(s,9H)。
【0144】
ステップ5:2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)-4-チオシアナトフェノール
【0145】
【0146】
0℃で、2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール(5.0g、21.2mmol)、NaBr(2.2g、21.2mmol)およびNaSCN(6.87g、84.8mmol)をMeOH(50mL)に加え、攪拌しながらそこにBr2(1.0mL、21.2mmol)のメタノール(10mL)溶液をゆっくり加えた。滴下終了後、室温で3時間反応させた。減圧濃縮してMeOHを除去し、残存物にEtOAc(200mL)を加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗生成物をそのまま次のステップに使用した。
【0147】
ステップ6:3-(3-(t-ブチル)-5-メルカプト-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン-1-オール
【0148】
【0149】
0℃で、2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)-4-チオシアナトフェノール(1.38g、4.7mmol)の乾燥THF(10mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(0.36g、9.47mmol)のTHF(50mL)懸濁液にゆっくり滴下した。0℃に保持しながら5時間反応し、EtOAc(10mL)を加えて反応を停止させ、その後、3N HCl(20mL)、EtOAc(100mL)を加え、飽和NaHCO3と食塩水で有機相をそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:5~1:2)に通し、黄色い粘着物質である製品、3-(3-(t-ブチル)-5-メルカプト-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン-1-オール(350mg、収率28%)を得た。
【0150】
ステップ7:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0151】
【0152】
N2の保護下、3-(3-(t-ブチル)-5-メルカプト-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン-1-オール(400mg、1.5mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(2mL)をそれぞれMeOH(8mL)に加え、その後、pHが2~3になるまでHClガスをゆっくり注入し、得られた溶液を室温で終夜反応させ、TLCにより反応をモニターした。メタノールを減圧濃縮し,残存物にH2O(40mL)を加え、EtOAで抽出し(100mL×2)、Na2SO4で乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:20~1:5)に通し、無色の油状物質で、室温でゆっくりと白い固体になる製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(154mg、収率19%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.49(m,2H),7.42(s,1H),7.28(m,2H),7.18(s,2H),5.46(s,1H),3.45(t,2H,J=6Hz),2.16(t,2H,J=6Hz),1.48(s,18H),1.46(s,6H),1.41(s,6H),1.27(s,9H).HPLC:94.0% at 242nm,tR=8min。
【0153】
実施例9:4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール
【0154】
【0155】
N2の保護下、0℃で、3-(3-(t-ブチル)-5-メルカプト-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン-1-オール(100mg、0.183mmol)、2,2-ジメトキシプロパン(1mL)をそれぞれMeOH(5mL)に加え、その後、pHが2~3になるまでHClガスをゆっくり注入し、得られた溶液を室温で終夜反応させ、TLCにより反応をモニターした。メタノールを減圧濃縮し、残存物にH2O(40mL)を加え、EtOAcで抽出し(100mL×2)、Na2SO4で乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:20~1:5)に通し、無色の油状物質で、室温でゆっくりと白い固体になる、4,4’-(プロパン-2,2-ジイルビス(チオ))ビス(2-(t-ブチル)-6-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェノール(54mg、収率50%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.32(s,4H),5.36(s,1H),3.04(t,2H,J=6Hz),2.73(t,2H,J=6Hz),1.54(s,6H),1.44(s,30H).HPLC:95.3% at 242nm,tR=7.53min。
【0156】
実施例10:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-6-イル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0157】
【0158】
0℃で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(100mg、0.183mmol)、PPh3(76mg、0.274mmol)およびフタルイミド(40mg、0.274mmol)をそれぞれ乾燥THF(10mL)に加え、その後、DIAD(74mg、0.366mmol)のTHF(2mL)溶液をゆっくり滴下した。0℃に保持しながら2時間反応させ、有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(20mL)を加え、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、白い泡である製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((8-(t-ブチル)-4,4-ジメチルクロメン-6-イル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(54mg、収率56%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.32(s,4H),5.36(s,1H),3.04(t,2H,J=6Hz),2.73(t,2H,J=6Hz),1.54(s,6H),1.44(s,30H).HPLC:95.3% at 242nm,tR=7.53min。
【0159】
実施例11:4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソ酪酸
【0160】
【0161】
0℃で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(2.3g、4.21mmol)、無水コハク酸(2.1g、21.06mmol)およびDMAP(0.51g、4.21mmol)をそれぞれTHF(50mL)に加え、得られた混合液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(20mL)を加え、1N HCl、飽和食塩水および飽和NaHCO3溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:100~1:50)に通し、白い泡である製品、4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソ酪酸(2.5g、収率92%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.40(s,1H),7.32(m,2H),7.21(s,1H),4.00(t,2H,J=6Hz),2.34~2.27(m,4H),1.97(t,2H,J=6Hz),1.54~1.38(39H).HPLC:91.6% at 242nm,tR=7.12min。
【0162】
実施例12:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸エステル
【0163】
【0164】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(300mg、0.55mmol)、リポ酸(113mg、0.55mmol)およびEDC塩酸塩(126mg、0.66mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、室温で終夜攪拌した。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(50mL)と飽和食塩水(10mL)をそれぞれ加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、白い固体である製品、3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸エステル(110mg、収率27%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.98(s,1H),7.42(s,1H),7.34(m,2H),7.23(s,1H),3.75(t,2H,J=6Hz),3.15~3.11(m,2H),2.41~2.36(m,2H),2.37~2.05(m,6H),1.65~1.62(m,1H),1.58~1.54(m,4H),1.39~1.25(m,30H),1.17(s,9H).HPLC:90.5% at 242nm,tR=16.59min。
【0165】
実施例13:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-2-アセトキシ安息香酸
【0166】
【0167】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(700mg、1.28mmol)、2-アセトキシ安息香酸(460mg、2.56mmol)およびEDC塩酸塩(126mg、0.66mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、反応液を室温で終夜攪拌した。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(50mL)と飽和食塩水(25mL)をそれぞれ加え、飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:40~1:15)に通し、白い固体である製品、3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル-2-アセトキシ安息香酸(520mg、収率57%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.05(s,1H),7.65~7.61(m,2H),7.42(s,1H),7.38~7.26(m,3H),7.18(d,1H,J=6Hz),3.98(t,2H,J=6Hz),2.29(t,2H,J=6Hz),1.41(s,6H),1.36(s,18H),1.17(s,9H).HPLC:88.5% at 242nm,tR=10.45min。
【0168】
実施例14:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアセテート
【0169】
【0170】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(300mg、0.55mmol)、無水酢酸(2mL)およびDMAP(50mg、0.41mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、反応液を室温で終夜攪拌した。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(100mL)と飽和NaHCO3水溶液(25mL)をそれぞれ加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:15~1:5)に通し、白い固体である製品、3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアセテート(240mg、収率74%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.13(s,1H),8.45(s,1H),7.38(s,1H),7.32(m,2H),3.91(t,2H,J=6Hz),2.99(s,3H),2.27(t,2H,J=6Hz),1.38~1.24(m,33H),1.20(s,9H).HPLC:78.2% at 242nm,tR=21.95min。
【0171】
実施例15:(S)-3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル 2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)アセテート
【0172】
【0173】
ステップ1:(S)-2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)酢酸
【0174】
【0175】
室温で、(S)-2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)酢酸メチル(200mg、1.56mmol)と水酸化リチウム水和物(655mg、15.6mmol)をそれぞれTHF(20mL)と水(5mL)の混合液に加え、反応液を室温で終夜攪拌した。減圧濃縮して有機溶媒を除去し、残存物にEtOAc(50mL)を加え、その後、1N HClでpHを4~5になるように調整し、有機相を分離した。再び飽和食塩水(25mL)で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機溶媒を除去した後、浅黄色の固体である粗生成物、(S)-2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロキシチエノ[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)酢酸(326mg、収率68%)を得た。
【0176】
ステップ2:(S)-3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル 2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)アセテート
【0177】
【0178】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(200mg、0.325mmol)、(S)-2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)酢酸(100mg、0.325mmol)およびEDC塩酸塩(75mg、0.39mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、反応液を室温で終夜攪拌した。減圧濃縮して有機溶媒を除去し、残存物にEtOAc(100mL)と飽和食塩水(25mL)をそれぞれ加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:40~1:25)に通し、白い固体である製品、(S)-3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル 2-(2-クロロフェニル)-2-(6,7-ジヒドロチオフェン[3,2-c]ピリジン-5(4H)-イル)アセテート(130mg、収率42%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.79(t,2H,J=6Hz),7.62(d,2H,J=6Hz),7.61(m,2H),7.49~7.43(m,3H),7.18(s,1H),5.46(s,2H),5.27(m,2H),4.41(d,2H,J=6Hz),4.25(m,2H),3.98(t,2H,J=6Hz),3.85(m,2H),2.26(t,2H,J=6Hz),1.49~1.42(m,30H),0.88~0.82(m,2H),1.29(s,9H).HPLC:98.4% at 242nm,tR=21.91min。
【0179】
実施例16:2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0180】
【0181】
ステップ1:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-((t-ブチルジフェニルシリル)オキソ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0182】
【0183】
N2の保護下、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(6.7g、12.27mmol)とIm(1.7g、24.5mmol)をそれぞれ、乾燥THF(100mL)を含有する三口フラスコに加え、その後、氷水浴を用いて0~5℃以下になるまで温度を低下させ、均一に攪拌した後、TBDPSCl(5.0g、18.40mmol)のTHF(10mL)を、上記の溶液にゆっくり滴下し、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、温度を徐々に室温まで上昇させ、有機溶媒を減圧濃縮し、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、2N HClでpHを4程度に調整し、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、PE:EtOAc=50:1~20:1)で精製し、黄色い油状物質(10.9g、収率113%)を得、精製せず、粗製品をそのまま次のステップに使用した。
【0184】
ステップ2:(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブトキシ)(t-ブチル)ジフェニルシラン
【0185】
【0186】
N2の保護下、NaH(11.1g、277.6mmol、60%鉱油)をバッチで無水THF(50mL)に加え、攪拌しながら氷水浴を用いて0~5℃になるまで温度を低下させる。その後、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-((t-ブチルジフェニルシリル)オキソ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(10.9g、13.88mmol)の乾燥THF(10mL)溶液を、上記の懸濁液に滴下し、温度を10℃を超えないように保持した。最終的に得られた反応液を室温で攪拌し、TLCにより反応をモニターした。減圧濃縮して反応させ、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、2N HClでpHを6程度に調整し、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して黄色い油状物質である粗生成物を得、そのまま次のステップに使用した。
【0187】
ステップ3:3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-オール
【0188】
【0189】
N2の保護下、(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブトキシ)(t-ブチル)ジフェニルシラン(12.0g、粗製品)を乾燥THF(100mL)を含有する三口フラスコに加え、ドライアイス-アセトン浴を用いて-10℃以下まで安定に低下させ、その後、TBAF(50mL、1MのTHF溶液)を滴下し、滴下終了後、混合液を室温で終夜攪拌した。減圧濃縮して有機溶媒を除去し、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して黄色い油状物質である粗生成物を得、そのまま次のステップに使用した。
【0190】
ステップ4:2-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチル)イソインドリン-1,3-ジオン
【0191】
【0192】
0℃で、3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-オール(1.5g、1.91mmol)、PPh3(0.67g、2.55mmol)およびフタルイミド(0.37g、2.55mmol)をそれぞれ乾燥THF(10mL)に加え、その後、DIAD(0.44g、2.55mmol)のTHF(5mL)溶液をゆっくり滴下した。0℃で2時間反応させ、有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(20mL)を加え、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物である2-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチル)イソインドリン-1,3-ジオンをそのまま次のステップに使用した。
【0193】
ステップ5:3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-アミン
【0194】
【0195】
前のステップの粗生成物、2-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチル)イソインドリン-1,3-ジオンをEtOH(100mL)に溶解し、その後、85%のヒドラジン一水和物(75mL)を加えた。得られた溶液を50℃に加熱して反応させ、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、徐々に室温まで温度を下げ、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、EtOAc(200mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。クロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、MeOH:DCM=1:100~1:10)で精製し、黄色い油状物質である製品、3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-アミン(3.5g、三段階収率54%)を得た。
【0196】
ステップ6:2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0197】
【0198】
3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-アミン(2.0g、2.54mmol)を10% HCl/EtOH(50mL)に加え、40℃で終夜攪拌した。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液にH2O(50mL)を注ぎ、NaHCO3でpHを8程度に調整し、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、0.1%アンモニア水を含有するMeOH:DCM=1:100~1:10を溶離液とした)に通し、黄色い油状物質である製品、2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(150mg、収率11%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.48(s,1H),7.37(s,2H),7.26(s,2H),2.32~2.21(m,2H),2.15~2.10(m,2H),1.41~38(m,30H),1.28~1.26(m,9H).HPLC:93.6% at 242nm,tR=6.82min。
【0199】
実施例17:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0200】
【0201】
ステップ1:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-((t-ブチルジフェニルシリル)オキソ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0202】
【0203】
N2の保護下、0℃でバッチでNaH(32mg、0.95mmol、含有量が70%である鉱油で保護)を乾燥THF(8mL)に加え、その後、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(147mg、0.19mmol)と2-クロロ-N,N-ジエチル-1-アミン(50mg、0.29mmol)をそれぞれ加えた。得られた混合液を70℃で終夜攪拌した。TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、有機溶媒を減圧濃縮し、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、DCM:MeOH=10:1)で精製し、黄色い油状物質(80mg、収率48%)を得た。
【0204】
ステップ2:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0205】
【0206】
2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-((t-ブチルジフェニルシリル)オキソ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(80mg、0.09mmol)を10% HCl/EtOH(50mL)に加え、40℃で終夜攪拌した。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液にH2O(50mL)を注ぎ、NaHCO3でpHを8程度に調整し、その後、EtOAc(10mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、0.1%アンモニア水を含有するMeOH:DCM=1:100~1:10を溶離液とした)に通し、黄色い油状物質である製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-5-(4-(2-(ジエチルアミノ)エトキシ)-2-メチルブタン-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(35mg、収率60%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 8.02(s,1H),7.42~7.37(s,2H),7.33~7.23(s,2H),7.10(s,1H),3.51(m,1H),3.19~3.06(m,8H),2.18~2.13(m,2H),1.42~1.36(m,30H),1.26(s,9H),1.15(t,6H,J=6Hz).LC-MS:646.4 [M+H]+.HPLC:93.5% at 242nm,tR=18.61min。
【0207】
実施例18:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(2-モルホリノエトキシ)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0208】
【0209】
ステップ1:4-(2-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブトキシ)エチル)モルホリン
【0210】
【0211】
N2の保護下、0℃でバッチでNaH(34mg、1.0mmol、含有量が70%である鉱油で保護)を乾燥THF(15mL)に加え、その後、それぞれ4-(2-クロロエチル)モルホリン(450mg、3mmol)と2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(240mg、0.3mmol)を加えた。得られた混合液を70℃で終夜攪拌した。TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、有機溶媒を減圧濃縮し、残存液にH2O(50mL)を注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、DCM:MeOH=10:1)で精製し、黄色い油状物質(190mg、収率69%)を得た。
【0212】
ステップ2:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(2-モルホリノエトキシ)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0213】
【0214】
4-(2-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブトキシ)エチル)モルホリン(120mg、0.13mmol)を10% HCl/EtOH(20mL)に加え、40℃で終夜攪拌した。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液をH2O(10mL)に注ぎ、NaHCO3でpHを8程度に調整し、その後、EtOAc(20mL)を加えて、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、0.1%アンモニア水を含有するMeOH:DCM=1:100~1:10を溶離液とした)に通し、黄色い油状物質である製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(2-モルホリノエトキシ)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(65mg、収率74%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 7.95(s,1H),7.41(s,1H),7.40(s,1H),7.37~7.32(m,2H),7.21(s,1H),3.49~3.46(m,4H),3.24(t,2H,J=6Hz)、3.07(t,2H,J=6Hz),2.53~2.49(m,6H),2.25(t,2H,J=6Hz),1.38~1.34(m,30H),1.22(s,9H).LC-MS:660.4 [M+H]+.HPLC:94.4% at 242nm,tR=14.19min。
【0215】
実施例19:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルグリシネート
【0216】
【0217】
ステップ1:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)グリシネート
【0218】
【0219】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(500mg、0.92mmol)、(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)グリシネート(328mg、1.1mmol)、DMAP(112mg、0.92mmol)およびEDC塩酸塩(264mg、1.38mmol)をそれぞれDCM(50mL)に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、粗生成物群をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:30~1:10)で精製し、白い泡である製品(525mg、収率69%)を得た。LC-MS:826.2[M+H]+。
【0220】
ステップ2:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルグリシネート
【0221】
【0222】
室温で、3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)グリシネート(526mg、0.64mmol)をTHF(10mL)に加え、その後、ピペリジン(10mL)をゆっくり滴下した。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、減圧濃縮してTHFを除去し、残存物を凍結乾燥して水を除去し、EtOAc(50mL)で抽出し、粗生成物群をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:10~1:1)で精製し、白い泡である製品(320mg、収率83%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.46(s,1H),7.35(m,2H),7.28(s,1H),4.06(t,2H,J=6Hz),3.95(m,1H),2.03(t,2H,J=6Hz),1.54~1.38(39H)。
【0223】
実施例20:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアラニナート
【0224】
【0225】
ステップ1:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アラニナート
【0226】
【0227】
室温で、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(500mg、0.92mmol)、(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アラニナート(342mg、1.1mmol)、DMAP(112mg、0.92mmol)およびEDC塩酸塩(264mg、1.38mmol)をそれぞれDCM(50mL)に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、粗生成物群をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:30~1:10)で精製し、白い泡である製品(540mg、収率70%)を得た。LC-MS:840.0 [M+H]+。
【0228】
ステップ2:3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチルアラニナート
【0229】
【0230】
室温で、3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アラニナート(540mg、0.64mmol)をTHF(10mL)に加え、その後、ピペリジン(10mL)をゆっくり滴下した。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、減圧濃縮してTHFを除去し、残存物を凍結乾燥して水を除去し、EtOAc(50mL)で抽出し、粗生成物群をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:10~1:1)で精製し、白い泡である製品(340mg、収率86%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.38(s,1H),7.30(m,2H),7.25(s,1H),4.10(t,2H,J=6Hz),3.68(m,1H),2.10(t,2H,J=6Hz),1.54~1.38(39H)、1.35(d,3H,J=6Hz)。
【0231】
実施例21:2-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アミノアセテート
【0232】
【0233】
2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(2.0g、1.52mmol)、炭酸セシウム(1.78g、5.50mmol)、ヨウ化カリウム(0.913g、5.50mmol)をそれぞれ無水THF(50mL)に加え、攪拌しながらブロモ酢酸メチル(0.253g、1.52mmol)のTHF(10mL)溶液をゆっくり滴下し、滴下終了後、室温で終夜攪拌した。反応が完了した後、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液をH2O(50mL)に注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:100~1:50)に通し、油状物質である製品、2-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アミノアセテート(780mg、収率34%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 7.41(s,1H),7.35(s,2H),7.22(s,1H),3.54(s,3H),3.17(s,2H),2.21(d,2H,J=6Hz),1.94(t,2H,J=6Hz),1.42~1.33(m,30H),1.26(s,9H).HPLC:91.2% at 242nm,tR=9.52min。
【0234】
実施例22:2,2’-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アザンジイル)ジアセテート
【0235】
【0236】
2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(2.0g、1.52mmol)、炭酸セシウム(1.78g、5.50mmol)、ヨウ化カリウム(0.913g、5.50mmol)をそれぞれ無水THF(50mL)に加え、攪拌しながらブロモ酢酸メチル(0.518g、3.1mmol)のTHF(10mL)溶液をゆっくり滴下し、滴下終了後、室温で終夜攪拌した。反応が完了した後、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液をH2O(50mL)に注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:100~1:5)に通し、油状物質である製品、2,2’-((3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)アザンジイル)ジアセテート(420mg、収率17%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 7.94(s,1H),7.42(s,1H),7.38(s,1H),7.35(s,2H),7.20(s,1H),3.52(s,6H),3.35(t,2H,J=6Hz),2.51(t,2H,J=6Hz),2.36~2.26(m,2H),1.98~1.94(m,2H),1.39(s,18H),1.37(s,6H),1.32(s,6H),1.26(s,9H).HPLC:94.5% at 242nm,tR=8.56min。
【0237】
実施例23:N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)バレルアミド
【0238】
【0239】
室温で、2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(300mg、0.55mmol)、リポ酸(113mg、0.55mmol)およびEDC塩酸塩(126mg、0.66mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、室温で終夜攪拌した。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(50mL)と飽和食塩水(10mL)をそれぞれ加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、白い固体である製品、N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)バレルアミド(110mg、収率27%)を得た。1H NMR(300MHz,DMSO-d6):δ 7.96(s,1H),7.51(s,1H),7.43(m,1H),7.38~7.35(m,2H),7.26(s,1H),5.63(s,1H),3.64(t,2H,J=6Hz),3.16~3.10(m,4H),2.57~2.52(m,2H),2.48~2.51(m,4H),2.00~1.98(m,2H),1.39~1.27(m,30H),1.24(s,9H).HPLC:90.7% at 242nm,tR=10.22min。
【0240】
実施例24:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0241】
【0242】
ステップ1:3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチルメタンスルホン酸
【0243】
【0244】
室温で、3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブタン-1-オール(800mg、1.0mmol)、Et3N(1mL)をそれぞれTHF(20mL)に加え、その後、MsCl(2mL)を滴下した。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。原料が完全に消耗された後、減圧濃縮してTHFを除去し、残存物に飽和食塩水(20mL)を加え、EtOAc(50mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた混合物を精製せず、そのまま次のステップに使用した。
【0245】
ステップ2:1-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチル)-1H-1,2,4-トリアゾール
【0246】
【0247】
室温で、3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチルメタンスルホン酸(前のステップの粗生成物)、Et3N(1mL)をそれぞれTHF(20mL)に加え、その後、1H-1,2,4-トリアゾール(1g)を加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。原料が完全に消耗された後、減圧濃縮してTHFを除去し、残存物に飽和食塩水(20mL)を加え、EtOAc(50mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた混合物を精製せず、そのまま次のステップに使用した。
【0248】
ステップ3:2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール
【0249】
【0250】
1-(3-(2-((フェノキシ)メトキシ)-5-((2-((4-((フェノキシ)メトキシ)-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-3-(t-ブチル)フェニル)-3-メチルブチル)-1H-1,2,4-トリアゾール(粗生成物、前のステップに由来する)を10% HCl/EtOH(10mL)に加え、40℃で終夜攪拌した。反応が完了した後、徐々に温度を室温まで下げ、減圧濃縮して有機溶媒を除去し、反応液をH2O(10mL)に加え、NaHCO3でpHを8程度に調整し、その後、EtOAc(20mL)を加えて、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮して得られた粗生成物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=1:50~1:20を溶離液とした)に通し、淡黄色の泡である製品、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(2-メチル-4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(50mg、三段階収率8%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 8.65(s,1H),8.01(s,1H),7.36(s,1H),7.31(s,2H),7.24(s,2H),3.82~3.71(m,2H),2.15~2.10(m,2H),1.41~38(m,30H),1.28~1.26(m,9H).HPLC:93.6% at 242nm,tR=14.2min。
【0251】
実施例25:N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)シクロプロパンスルホンアミド
【0252】
【0253】
室温で、2-(4-アミノ-2-メチルブタン-2-イル)-6-(t-ブチル)-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(300mg、0.55mmol)、シクロプロパンスルホニルクロリド(84mg、0.60mmol)およびEt3N(111mg、1.1mmol)をそれぞれTHF(20mL)に加え、室温で終夜攪拌した。有機溶媒を減圧濃縮し、残存物にEtOAc(50mL)と飽和食塩水(10mL)をそれぞれ加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:30)に通し、白い固体である製品、N-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブチル)シクロプロパンスルホンアミド(180mg、収率50%)を得た。1H NMR(300MHz,CD3Cl):δ 7.36(s,1H),7.38~7.30(m,2H),7.26(s,1H),3.58(t,2H,J=6Hz),3.16~3.08(m,1H),2.00~1.98(m,2H),1.39~1.27(m,30H),1.24(s,9H).HPLC:90.7% at 242nm,tR=16.89min。
【0254】
実施例26:2-(4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソブチルアミド)エタン-1-スルホン酸
【0255】
【0256】
ステップ1:4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソ酪酸
【0257】
【0258】
N2の保護下、0℃でバッチでNaH(2.0g、58.3mmol、含有量が70%である鉱油で保護)を乾燥THF(30mL)に加え、その後、プロブコール(3.0g、5.8mmol)と無水コハク酸(0.64g、6.4mmol)をそれぞれ加えた。得られた混合液を室温で攪拌して,TLCにより反応をモニターした。反応が完了した後、有機溶媒を減圧濃縮し、残存液をH2O(50mL)に注ぎ、その後、EtOAc(100mL)を加え、有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、200~300メッシュ、EtOAc:PE=10:1)で精製し、白い固体(1.2g、収率50%)を得た。
【0259】
ステップ2:2-(4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソブチルアミド)エタン-1-スルホン酸
【0260】
【0261】
室温で、4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソ酪酸(1.37g、2.21mmol)、硫酸(1.37g、11.055mmol)、DCC(0.68g、3.31mmol)およびDMAP(0.40g、3.31mmol)をそれぞれ、THF(40mL)とH2O(20mL)の混合溶液に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。減圧濃縮して余分な有機溶媒を除去し、残存物にEtOAc(50mL)と飽和食塩水(10mL)を加え、再び飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、白い泡状の固体である製品、2-(4-(2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノキシ)-4-オキソブチルアミド)エタン-1-スルホン酸(650mg、収率40%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.66(s,2H),7.47(s,2H),6.80(br,1H),5.40(s,1H),4.07(t,2H,J=6Hz),3.67(t,2H,J=6Hz),3.16(t,2H,J=6Hz),2.74(t,2H,J=6Hz),1.50(s,6H)、1.46(s,18H)、1.35(s,18H).HPLC:99.7% at 242nm,tR=15.59min。
【0262】
実施例27:2-(4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソブタンアミド)エタン-1-スルホン酸
【0263】
【0264】
ステップ1:4-オキソ-4-((2-スルホエチル)アミノ)酪酸
【0265】
【0266】
室温で、タウリン(625mg、5.0mmol)、無水コハク酸(500mg、5.0mmol)およびDMAP(1.22g、10.0mmol)をそれぞれ、THF(20mL)とH2O(30mL)の混合溶液に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、LC-MSにより反応をモニターした。タウリンが完全に消耗された後、減圧濃縮してTHFを除去し、残存物を凍結乾燥して水を除去し、得られた混合物を精製せず、そのまま次のステップに使用した。LC-MS:224.0 [M-H]-。
【0267】
ステップ2:2-(4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソブタンアミド)エタン-1-スルホン酸
【0268】
【0269】
室温で、4-オキソ-4-((2-スルホエチル)アミノ)酪酸(1.12g、理論値5.0mmol)、2,6-ジ-t-ブチル-4-((2-((3-(t-ブチル)-4-ヒドロキシ-5-(4-ヒドロキシ-2-メチルブタン-2-イル)フェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)フェノール(525mg、0.96mmol)、DCC(1.03g、5.0mmol)をそれぞれDMF(20mL)に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応液を水に注ぎ、EtOAc(100mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、EtOAc:PE=1:50~1:20)に通し、白い泡状の固体である製品、2-(4-(3-(3-(t-ブチル)-5-((2-((3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)チオ)プロパン-2-イル)チオ)-2-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブトキシ)-4-オキソブタンアミド)エタン-1-スルホン酸(650mg、収率40%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.45(s,1H),7.33(m,2H),7.28(s,1H),4.09(t,2H,J=6Hz),3.58(t,2H,J=6Hz),3.23(t,2H,J=6Hz),2.35(t,2H,J=6Hz),1.54~1.38(m,39H).HPLC:91.6% at 242nm,tR=8.12min。
【0270】
実施例28:2,4,9,11-テトラ-t-ブチル-14,14-ジメチル-13,15-ジチオジスピロ[5.0.57.36]ペンタデカン-1,4,8,11-テトラエン-3,10-ジオン
【0271】
【0272】
室温で、まず、MnO2(1.0g、11.63mmol)をn-ヘプタン(10mL)に加え、攪拌しながらバッチでプロブコール(2.0g、3.88mmol)に加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応液を濾過して固形物を除去し、ろ液にEtOAc(100mL)を加え、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた固体を少量のMeOHで洗浄し、製品である、2,4,9,11-テトラ-t-ブチル-14,14-ジメチル-13,15-ジチオジスピロ[5.0.57.36]ペンタデカン-1,4,8,11-テトラエン-3,10-ジオン(1.23g、収率62%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 6.90(s,4H),2.03(s,6H),1.22(s,36H).HPLC:92.6% at 242nm,tR=18.0min。
【0273】
実施例29:3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチル-[1,1’-ジ(シクロヘキシリデン)]-2,2’,5,5’-テトラエン-4,4’-ジオン
【0274】
【0275】
O2雰囲気で、まず、KOH(2.8g、50.0mmol)をt-ブタノール(50mL)とH2O(1mL)の混合液に加え、10min攪拌してから、バッチで2,6-ジ-t-ブチルフェノール(2.06g、10.0mmol)を加えた。得られた反応液を室温で攪拌して、TLCにより反応をモニターした。反応液にH2O(100mL)を加え、30min攪拌して、濾過し、ろ液を捨てた。得られた固体を少量のMeOHで洗浄し、濾過して、製品である、3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチル-[1,1’-ジ(シクロヘキシリデン)]-2,2’,5,5’-テトラエン-4,4’-ジオン(0.66g、収率32%)を得た。1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.73(s,4H),1.39(s,36H).HPLC:90.0% at 242nm,tR=18.9min。
【0276】
試験例1 生物学的活性試験:
1.インビトロフリーラジカル阻害試験(DPPH法)
原理:
DPPHフリーラジカルの単電子は、517nmに強い吸収を持ち、そのアルコール溶液は紫色を呈する。フリーラジカル消去剤が存在する場合、その単電子とペアになって、その吸収が弱くなるか、あるいは消え、その退色程度はその受け取る電子の数と定量的関係にあるため、分光光度計で化合物のラジカル消去率を迅速かつ定量的に分析できる。
【0277】
実験対象:
表1における化合物1~27及び四つの対照物、即ち、化合物28~31(プロブコール及びその二つの代謝生成物である化合物28と29、ならびにAGI-1067)。
【0278】
実験の操作:
1)1mLのDPPHの無水エタノール溶液(濃度0.059mg/mL)を取った;2)8μLの被験化合物(20mmol/L)を加えた;3)均一に混合した後、室温で遮光して60分放置した;4)517nmでサンプルの吸光度を測定した。得られた結果は標準品(AGI1067)と対照し、DPPHに対するAGI1067の阻害率を100として、各化合物のインビトロでの相対的フリーラジカル阻害能を示した;フリーラジカルに対する化合物の阻害率の計算式は下記の通りである。
【0279】
阻害率%=100*(OD値DPPH対照-OD値サンプル)/OD値DPPH。
【0280】
実験結果:表2に示す。
【0281】
【0282】
試験例2 ゴールデンハムスターを用いた疾患モデルの作成、及び体重、血糖、血中脂質、コレステロールならびにトリグリセリドの測定
2.1 疾患モデルの作成:
動物と飼料:1)体重範囲が100±5gである8週齢のオスのゴールデンハムスターを選択した;2)60%高脂肪食;3)30%高脂肪食;4)一般飼料:5%脂肪を含み、総カロリーが4200kcal/kgであるNRC標準飼料。
【0283】
動物モデル対照群(chow):標準環境下で、普通食、純水を給餌した。
【0284】
動物モデル誘導群(16週齢群):1)標準環境下で、60%高脂肪飼料を2週間給餌した;2)1日おきに2回、毎回50mg/kgとしてSTZを腹腔内注射した;3)STZで誘導した後、1週間給餌を続けた;4)眼窩静脈叢から採血し、初期体重、血糖、総コレステロール、LDL-c、HDL-cおよびトリグリセリドを測定し、動物の生化学的指標に応じて平行的に群を分け、群あたり8匹とした;5)化合物の強制経口投与:0.1mLの化合物溶液(濃度6.8mg/mL、DMSO溶液)と0.25mLの全乳を均一に混合した後、強制経口投与し、1日1回とし、2週間続けた;6)ブランクコントロール:0.1mLのDMSOと0.25mLの全乳を均一に混合した後、強制経口投与し、1日1回とし、2週間続けた;7)観察時間:14日後、眼窩静脈叢から採血し、体重、血糖、総コレステロール、LDL-c、HDL-cおよびトリグリセリドを測定した。
【0285】
動物モデル誘導群(24週齢群):STZで誘導した後、30%高脂肪飼料で8週間給餌を続け、眼窩静脈叢から採血し、初期体重、血糖濃度、総コレステロール、LDL-c、HDL-cおよびトリグリセリドを測定し、動物の生化学的指標に応じて平行的に群を分け、群あたり8匹とした;5)化合物の強制経口投与:0.1mLの化合物溶液(濃度6.8mg/mL,DMSO溶液)と0.25mLの全乳を均一に混合した後、強制経口投与し、1日1回とし、2週間続けた;6)ブランクコントロール:0.1mLのDMSOと0.25mLの全乳を均一に混合した後、強制経口投与し、1日1回とし、2週間続けた;7)14日後、眼窩静脈叢から採血し、体重、血糖、総コレステロール、LDL-c、HDL-cおよびトリグリセリドを測定した。
【0286】
2.2 体重、血糖、血中脂質、コレステロール及びトリグリセリドの測定
機器:島津UV-1750分光光度計、臨床測定キット(Changchun Huili Biotech Co., Ltd.)
血糖測定:グルコースオキシダーゼ法、キット
総コレステロール測定(COD-PAP法)、キット
低密度リポタンパク質コレステロール測定(直接法)、キット
トリグリセリド測定(GP-PAP法)
高密度リポタンパク質測定(直接法)、キット。
【0287】
2.3 試験結果:表3~表6に示す。
【0288】
【0289】
【0290】
【0291】
【0292】
試験例3 生体内での抗脂質酸化試験
試験原理:過酸化リポソームの分解生成物におけるマロンジアルデヒド(MDA)はチオバルビツール酸(TBA)と縮合し、532nmに最大吸収ピークを持つ赤い生成物を形成する。分光光度計で吸収値を測定して抗酸化値を算出する。
【0293】
材料と機器:可視分光光度計、95℃恒温水槽、遠心分離機
溶液と試薬の準備:
試薬:マロンジアルデヒド(MDA)試験キット(製品番号:A003-1、TBAF法、Nanjing Jiancheng Biology Engineering Institute)、分析用純氷酢酸。
【0294】
試薬の準備:1)試薬1:キットにおける1#試薬を冷蔵庫から取り出し、透明な液体になるまで自然に昇温した;2)試薬2:ボトルあたり、170mLの再蒸留水を加えて均一にした;3)試薬3:キットにおける一本の乾燥粉末を60mLの90~100℃の再蒸留水に溶解し、全部溶解した後、再び30mLの氷醋酸を加え、遮光保存した;4)標準品:10nmol/mL テトラエトキシプロパン
実験ステップ:1)ブランクチューブ:2mLの遠心チューブに、無水エタノール(70μl)、試薬1(70μl)、試薬2(0.8mL)および試薬3(0.8mL)を順に加えた;2)標準チューブ:2mLの遠心チューブに、標準品(70μl)、試薬1(70μl)、試薬2(0.8mL)および試薬3(0.8mL)を順に加えた;3)測定チューブ:2mLの遠心チューブに、被験血清及び生理食塩水(血清量と生理食塩水量が合計70μl)、試薬1(70μl)、試薬2(0.8mL)ならびに試薬3(0.8mL)を順に加えた;4)コントロールチューブ:全てのサンプルの対応コントロールチューブを設けた。2mLの遠心チューブに、被験血清及び生理食塩水(血清量と生理食塩水量が合計70μl)、試薬1(70μl)、試薬2(0.8mL)ならびに50%氷醋酸(0.8mL)を順に加えた。
【0295】
上記の各試薬を加えた後、均一にした。その後、95℃の水浴で60分間静置した。サンプルを4000rpmで10分間遠心させた。上清を取ってOD値を測定した。
【0296】
各試薬を加えた後、均一にした。その後、95℃の水浴に60分間放置した。サンプルを4000rpmで10分間遠心させた。上清を取ってOD値を測定した。
【0297】
実験データ処理:血清MDA含有量の算出:
MDA=(OD値測定-OD値コントロール)/OD値標準3*標準品濃度
阻害率%=100-(ODサンプル平均値-Chow平均値)/(溶媒DMSO平均値-Chow平均値)*100。
実験結果:表7に示す。
【0298】
【0299】
上記では、一般的な説明及び具体的な実施例により本発明を詳細に説明したが、本発明に基づいて、いくつかの修正や変更を行い得ることは当業者にとって自明である。従って、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で行われた上記の修正や変更は、いずれも本発明の保護しようとする範囲に属すものである。
【産業上の利用可能性】
【0300】
本発明は、一般式Iで示される構造を有するプロブコール誘導体を提供する。
【0301】
【0302】
本発明は、同時に前記プロブコール誘導体の調製方法と使用を提供する。本発明が提供するプロブコール誘導体は、糖尿病、心脳血管疾患又はそれらの合併症を含む疾患の予防と治療に使用でき、血糖値の低下、血中脂質の低減、コレステロールの低減、体重の低減、トリグリセリドの低減、抗炎と抗酸化などに有効に使用でき、比較的良好な経済的価値と応用前景を有する。