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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】携帯電話保持具
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/12 20060101AFI20220927BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20220927BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
B60R22/12
B60R11/02 T
A45C11/00 E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021024697
(22)【出願日】2021-01-08
(65)【公開番号】P2022107486
(43)【公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】300047529
【氏名又は名称】川崎 修二
(72)【発明者】
【氏名】川崎 修二
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3107662(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 22/12
B60R 11/02
A45C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話(6)を車両の運転席に装備されるシートベルト(3)に保持する本体(4)の一端側(4b)に前記携帯電話を挿入する開口(7)と、前記本体の前記一端部と前記本体の他端部(4c)とに前記本体を前記シートベルトに摺動自在に保持するガイドバンド(13)(15)とを備えた携帯電話保持具において、
前記シートベルトに摩擦係合して前記本体を前記シートベルトの係合位置に留める結合手段(11)(12)(20)と、前記一端部と前記他端部との間で前記結合手段を前記本体に遊動可能に取け付る取付けバンド(10)とを備えたことを特徴とする携帯電話保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話を車両に保持する携帯電話保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話を車両に保持する携帯電話保持具が市販されている。一般的に市販されている携帯電話保持具は、車のダッシュボードやフロントガラスに携帯電話保持具の一端を固定し、携帯電話を磁石または保持枠で保持するようにしている。
またシートベルトに嵌合する筒状体を携帯電話保持具としたものが発明されている。この発明では、筒状体は携帯電話を収容するポケットを備え、筒状体をシートベルトに対して移動自在にしている。筒状体をシートベルトに移動自在とすることで搭乗者がいないときはシートベルトを車体の内部に自動的に巻き取られることを阻害しないものとしている。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【文献】引用文献1 特許第3484430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に市販されている携帯電話保持具では電話が掛かってきたとき、保持枠はダッシュボードに近い位置にあり、通話をする場合、携帯電話を保持具から外さなければならない。したがい素早く携帯電話を取り出すことができなかった。しかも車外から携帯電話を取ろうとすると、車のドアを大きく開けなければならない。
引用文献1の携帯電話保持具では、携帯電話保持具を備えた筒状体がシートベルトに対して移動自在であり、シートベルトの巻き取り力で筒状体を身体に密着させて装着位置を保つようにしている。このため筒状体は一度、身体から離れると身体に対する装着位置が変わってしまう。この結果、搭乗者は座席に座る都度、携帯電話を備えた筒状体の設置位置を適正な位置に調整する必要があった。このため搭乗者が頻繁に乗降する営業用の車に使用するには不便であった。
一方、最近の携帯電話は小さいながらも重量があり、携帯電話保持具は車の振動を受けるため、シートベルトに取付けたときシートベルトに対して揺動しないことが求められる。
本発明は、素早く携帯電話を取り出すことができ、搭乗者がシートベルトを外しても携帯電話の設置位置が変わらず、しかもシートベルトに対し揺動しない姿勢で保持できる携帯電話保持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の発明は、シートベルトに係合して携帯電話を保持する携帯電話保持具の本体に、シートベルトに摩擦係合して本体を係合させた位置に留める結合手段と揺動防止手段とを設けた。
第二の発明は、第一の発明の結合手段を、本体に取り付けられる基台と、基台に着脱自在で回動自在に軸支される回動部材とし、回動部材は一方への回動によりシートベルトを基台と回動部材との間で挟持して本体を係合位置に留めるものとした。また、揺動防止手段を本体に着脱自在でシートベルトの幅方向に配置された保持部材とした。
第三の発明は、第一の発明の結合手段を、長方形の平板とし、この平板にシートベルトを挿通する第一長孔と第二長孔とを設ける。そして、各長孔の長辺の中央にシートベルトを第一長孔に挿通する第一開口孔と、シートベルトを第二長孔に挿通する第二開口孔とを設けた。また、揺動防止手段を本体に着脱自在でシートベルトの幅方向に配置された保持部材とした。
第四の発明は、第一の発明の結合手段を、本体にシートベルトの幅方向に配置された狭持体に第一係合部と狭持体の一側面側に設けた第二係合部と狭持体の他側面側に設けたシートベルトを狭持する回動板と回動板に設けた第一係合部と係合する第一被係合部と第二係合部と係合する第二被係合部とした。そして、揺動防止手段を本体に着脱自在でシートベルトの幅方向に配置された保持部材(13)(15)とした。
第五の発明は、第四の発明の結合手段の第一係合部を本体の一端側と他端側とに設けた。そして揺動防止手段を第一係合部と第一被係合部とした。
【発明の効果】
【0006】
第一の発明は、携帯電話保持具の本体に、結合手段を設けたことで結合手段は携帯電話を保持する本体をシートベルトに係合した位置に留めることができる。このため携帯電話は身近にあり素早く取り出すことができる。しかもシートベルトに対する携帯電話の位置を一旦設定すればその後は位置調整をする必要が無い。
また、揺動防止手段を設けたことで車の振動に耐えて本体はシートベルトに対して揺動しない姿勢で保持できる。
第二の発明は、第一の発明の結合手段を、本体に取り付けられる基台と回動部材だけの簡単な構成で本体を係合位置に強固に留めることができる。
また、揺動防止手段を本体に設けたことで車の振動に耐えて本体はシートベルトに対して揺動しない姿勢で保持できる。
第三の発明は、平板の第一開口孔を介して第一長孔に挿通させた後、第二開口を介して第二長孔に挿通させる。するとシートベルトは屈曲されて平板に絡み付くので平板は本体を係合位置に留めることができる。長方形の平板に二つの長孔と開口部とを設けるだけなので結合手段の構成を簡素化できる。
また揺動防止手段を本体に設けたことで、本体は車の振動に耐えてシートベルトに対して揺動しない姿勢で保持できる。
第四の発明は、本体にシートベルトの幅方向に配置された狭持体に他側面側に設けたシートベルトを狭持する回動板を回動させるだけの簡単な操作で本体を係合位置に強固に留めることができる。
第五の発明は、第四の発明の結合手段の第一係合部を、本体の一端側と他端側とに設けた。揺動防止手段は結合手段の一部となる第一係合部と第一被係合部とを共用したので簡単な構成で本体を車の振動に耐えてシートベルトに対して揺動しない姿勢で保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一の発明の携帯電話保持具を使用する状態を示す斜視図
図2】第二の発明の携帯電話保持具上面斜視図
図3】第二の発明の携帯電話保持具背面斜視図
図4】第二の発明の結合手段を示す斜視図
図5】第二の発明の結合手段を示す側面図
図6】第三の発明の結合手段を示す斜視図
図7】他の係合手段を示す斜視図
図8】第四の発明の結合手段を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
シートベルトに係合して携帯電話を保持する本体に、シートベルトに摩擦係合して本体を係合させた位置に留める結合手段と揺動防止手段とを設けた。結合手段は、本体をシートベルトに係合した位置に留めることができる。揺動防止手段は、本体を車の振動に耐えてシートベルトに対しての揺動をしない姿勢で保持できる。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の携帯電話保持具を使用する状態を示す斜視図で、車両の座席1に座る搭乗者2はシートベルト3で座席1に保持されている。このシートベルト3には搭乗者2の胸の辺りの位置に本発明の携帯電話保持具の本体4が後述する結合手段で固定されている。車両の支柱5内に図示しない巻取り装置が設けられ、シートベルト3は、搭乗者2が降車すると巻取り装置により支柱5内に巻き取られる。このときシートベルト3に固定された本体4は支柱5に当接するまで移動する。携帯電話6を車外から取り出そうとするとき、本体4は支柱5に当接した位置に留められているので車のドアを大きく開かなくとも携帯電話6を取り出すことができる。
【0010】
図2に本体4を上面斜視図で示す。本体4は長方形の袋状をなし、一端側4bに携帯電話6を挿通する開口7が設けられ、他端側4cには挿入された携帯電話を受け止める底が設けられる。また、両側面には本体4をシートベルト3に沿っての移動を助ける指掛け凹部8が形成されている。そして上面には携帯電話6のデイスプレーを覗ける窓9が開けられている。この本体4は二枚の本革か合成革または厚手布の縁を貼り合わせた袋状のもので、材料を革製とすることで搭乗者の身体に馴染み易いものとしている。そして、革は摩擦力があるので搭乗者が動いても濫りに本体4から飛び出すようなことはない。また、本体4の長さは携帯電話6の長さより短く、携帯電話6は本体4に収納されると一部が本体4よりはみ出されるようにしている。このように携帯電話6の一部が本体4よりはみ出すようにすることで携帯電話6の取り出しを容易にしている。
【0011】
図3に第一実施例の揺動防止手段を示す。本体4には、本体4の一端側4bにシートベルト3を摺動自在に案内する細長い第一のガイドバンド13(保持部材)がシートベルトの幅方向に配置される。また、本体4の他端側4cに第一のガイドバンド13と同じ形状の第二のガイドバンド15(保持部材)が取付けられる。これら二つのガイドバンド13・15は一端を本体4に固定され、他端にはホック13aが設けられ、このホック13aは本体4側のホック4a(図4参照)に着脱自在につながれる。この二つのガイドバンド13・15は、ホック13aをホック4aより外してシートベルト3を本体4の上に載置した後、ホック13aをホック4aに繋げると、シートベルト3は本体4に摺動自在に保持される。すると、二つのガイドバンド13・15は、本体4の両側でシートベルト3に対して本体4を揺動しないように支えるので、二つのガイドバンド13・15は、本体4が車の振動を受けても本体4をシートベルト3に対して揺動しない姿勢で保持する揺動防止手段となる。また、ガイドバンド13・15は、シートベルト3を基台11に形成される複数の突起11a(図4参照)の上に案内をする。
【0012】
図4に第一実施例の結合手段を示す。本体の中央に位置する基台11にはシートベルト3の幅方向の両側に配置された二つの支軸11b・11cと、両支軸の間に配列された複数の突起11aとが設けられている。そして、基台11の支軸11b・11cには開閉蓋12(回動部材)が着脱可能且つ、回動自在に軸支されている。この開閉蓋12の一方の側面には基台11の一方の支軸11cに嵌合する丸孔12aが設けられ、他方の側面には他方の支軸11bに嵌合するU字孔12bが設けられている。そして、開閉蓋は図3に示す位置で開閉蓋のシートベルト対向面はシートベルトを突起に圧接させて本体をシートベルトに固定する。すなわち基台11と開閉蓋12が実施例一の結合手段となっている。
なお、基台11には本体4に取付ける取付け孔11dが設けられる。取付け孔11dには、本体4に取付けられた取付けバンド10を挿通する。すると基台11は本体4に対して所定範囲で遊動可能に取り付けられている。これにより揺動防止手段の機能が不完全であった場合でも突起11aに圧接されたシートベルト3は結合手段が動ける。すると突起11aに圧接された部分の相対位置は変わらないのでシートベルト3にダメージを与えない。
【0013】
図5にシートベルト3を基台11と開閉蓋12とで狭持する状態を側面図でしめす。シートベルト3を本体4に乗せてガイドバンド13・15をシートベルト3の上方からホック13aで本体4に繋げる。すると、ガイドバンド10は、シーベルト3を摺動自在に本体4に保持する。そして、開閉蓋12を基台11に対して垂直方向から丸孔12aを一方の支軸11cに嵌合させる。そして、U字孔12bの開口側よりU字孔12bを他方の支軸11bに装着する。そして、開閉蓋12を基台11と平行になるように回動させる。すると開閉蓋12の突起対向面12cはシートベルト3を突起11aに向けて押圧する。そして、開閉蓋12の突起対向面12cが回動終端でシートベルト3を突起11aに圧接させる。そしてシートベルト3は突起対向面12cと突起11aとに圧接された位置に本体4を留める。
【0014】
第一実施例では、シートベルト3が突起11aと開閉蓋12の突起対向面12cとで圧接されるので本体4は強固にシートベルト3に保持される。なお、図5において突起11aの先端を支軸11b・11cの中心より右方に配置すると、圧接の反力で開閉蓋12は支軸11b・11cを中心に反時計方向の回動力が付与されるので回動位置が安定する。そして、車両の振動を受けてシートベルト3が本体4を回動させようとしても、揺動防止手段によりその回動が阻止されて、本体4はシートベルト3に対して揺動しない姿勢で保持される。なお、突起11aの先端は、実施例の図では尖ったように描かれているが円弧状であっても良い。
【実施例2】
【0015】
図6に揺動防止手段の第二実施例を示す。なお、実施例1と同じ部材は同一の符号を使って説明する。本体4には、本体4の一端側4bにシートベルト3を摺動自在に案内する細長い第一のガイドバンド13(保持部材)がシートベルト3の幅方向に配置される。また、本体4の他端側4cに第一のガイドバンド13と同じ形状の第二のガイドバンド15(保持部材)が取付けられる。これら二つのガイドバンド13・15は一端を本体4に固定され、他端にはホック13aが設けられ、このホック13aは本体4側のホック4a(図4参照)につながれる。この二つのガイドバンド13・15は、実施例1と同様に車の振動を受けても本体4をシートベルト3に対しての揺動をしない姿勢で保持する揺動防止手段となっている。
【0016】
第二実施例の結合手段は、本体の中央に取付けられる平板20となっている。この平版20には、シートベルト3を挿通する第一長孔20aと第二長孔20bとが設けられる。そして、各長孔の長辺の中央にシートベルト3を第一長孔20aに挿通する第一開口孔20cと、シートベルト3を第二長孔20bに挿通する第二開口孔20dとが設けられる。第一・第二開口20c・20dの幅は、シートベルト3の幅より狭い寸法となっており、このため第一・第二長孔20a・20bと平板20の外周との間には舌片20eが形成される。また、両長孔20a・20bの間に細長い桟20fが形成される。この桟20fは、実施例1と同様な取付けバンド10を介して平板20を本体4に遊動可能に取り付ける。
【0017】
第二実施例の結合手段ではシートベルト3を、第一開口孔20cを介して第一長孔20aに挿通させた後、第二開口20dを介して第二長孔20bに挿通させる。するとシートベルト3は、第一長孔20aと第二長孔20bと桟20fと舌片20eとで屈曲され、平板20に絡み付くようになり、摩擦抵抗が増すことで平板20はシートベルト3に絡みついた位置に本体4を留めることができる。第二実施例では、長方形の平板20に二つの長孔20a・20bと開口部20c・20dとを設けた平板20を本体4に取り付けるだけの簡素なものとなっている。平板20は金属製であっても合成樹脂製であってもよい。
【実施例3】
【0018】
図7に揺動防止手段の第三実施例を示す。なお、実施例1と同じ部材は同一の符号を使って説明する。本体4には、本体4の一端側4bにシートベルト3を摺動自在に案内する細長い第一のガイドバンド13(保持部材)がシートベルトの幅方向に配置される。また、本体4の他端側4cに第一のガイドバンド13と同じ形状の第二のガイドバンド15(保持部材)が取付けられる。これら二つのガイドバンド13・15は一端を本体4に固定され、他端にはホック13aが設けられ、このホック13aは本体4側のホック4a(図4参照)につながれる。この二つのガイドバンド13・15は、実施例1と同様に本体4が車の振動を受けても本体4をシートベルト3に対して揺動をしない姿勢で保持する揺動防止手段となっている。
【0019】
結合手段は、本体4の中央にシートベルト3に直交する方向に取付けた第一細板30(狭持体)とこの第一細板30にヒンジ31で繋がる第一細板30と同じサイズの第二細板32(回動板)で構成される。第一細板30にはシートベルト3の幅方向に延在する二本の細溝30a(第一係合部)が並べて開けられている。また第二細板32には細溝30aに嵌合する細長突起32a(第一被係合部)が二本形成されている。また、第二細板32の先端には第二細板32がヒンジ31を撓ませてシートベルト3を狭持したとき、第一細板30の先端に弾性係合する鉤爪32b(第二被係合部)を形成している。そして、第二細板32は、第一細板30上にシートベルト3が載置された後、ヒンジ31を撓ませて鉤爪32bが第一細板30の先端30bに係合したとき、細長突起32aが細溝30aに入り込むことでシートベルト3を屈曲させる。すると結合手段はシートベルト3を屈曲した位置に本体4を留めることができる。第三実施例では第二細板32を回動するだけのワンタッチ操作で本体4をシートベルト3に留めることができる。この結合手段は、本体4に可撓性の取付けバンド35を介して第一細板30を本体4に遊動可能に取り付ける。また、第一細板30の四隅を本体4に細い糸で軽く縫い付けてもよい。
【0020】
(応用例)
上記実施例では、揺動防止手段を本体4の一端側4bに第一のガイドバンド13、他端側4cに第二のガイドバンド15を設けた説明をしたが、一端側4bか他端側4cに一本のガイドバンドを設け、その反対側に結合手段を設けてこれをガイドバンドの代用にしても良い。
また、揺動防止手段はガイドバンド13・15を細長いものとして本体4の一端側4bと他端側4cに設けて、その間に結合手段を設けた内容で説明した。しかし、揺動防止手段を一本の幅広なガイドバンドとして本体4に配置し、残りの空き部分に結合手段を設けても良い。
また、実施例1では結合手段を基台11と開閉蓋12とした。また実施例2では結合手段を平板20とした。そして実施例3では第一細板30と第二細板32としたが、これらの結合手段は一般に市販されている。また本体4も二枚の本革か合成革または厚手布の縁を貼り合わせたものでいずれも入手が容易であり格別な加工装置が無くとも作成することができる。
【実施例4】
【0021】
図8に結合手段の第四実施例をしめす。なお本実施例は成形加工機で大量生産可能な実施例となっている。なお、実施例三と同様の機能を有するものは同一符号で説明する。本体40は合成樹脂製の長方形の箱状をしている。本体40のシートベルト装着面40aには、一端側4bと他端側4cにシートベルト3の幅方向に伸びる二本の細孔40b(第一係合部)が開けられている。また本体40の長手方向側面にはヒンジ31で繋がれた蓋板41(回動板)が配置される。この蓋板41は本体40と同じサイズの薄板状でシートベルト対向面40a側に二本の細孔40bに嵌合する細長突起41a(第一被係合部)が形成される。また蓋板41の回動端中央には、本体40の側面に形成される鍵穴40c(第二係合部)に弾性係合する鉤爪41b(第二被係合部)が形成されている。
そして、シートベルト3をヒンジ31に沿わせてシートベルト載置面40aに置き、蓋板41を閉じて鍵穴40cに鉤爪41bを掛け止めする。すると細長突起41aが細孔40bに入り込むことでシートベルト3は屈曲される。屈曲したシートベルト3は本体40との摩擦抵抗が大きくなり、結合手段はシートベルト3を屈曲した位置に本体40を留めることができる。すなわち実施例4では、細長突起41aと細孔40bとが結合手段になっている。
また、本体40の長手方向両端で結合手段がシートベルト3を屈曲した位置に本体40を留めるので、細長突起41aと細孔40bとが、本体40が車の振動を受けても本体40をシートベルト3に対して揺動をしない姿勢で保持する揺動防止手段となっている。
【0022】
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、搭乗者が頻繁に乗降する宅配用の貨物車のほか、シートベルトが付いた小児用のバギー車にも利用できる。
【符号の説明】
【0024】
3・・・シートベルト 4・・・本体 4b・・・一端側 4c・・・他端側
10・・・取付けバンド 11・・・基台 11a・・・突起 11b・11c・・・支軸 11d・・・挿通孔 12・・・回動部材 13・・・第一のガイドバンド(保持部材) 15・・・第二のガイドバンド(保持部材) 20・・・平板 20a・・・第一長孔 20b・・・第二長孔 20c・・・第一開口孔 20d・・・第二開口孔
40b・・・細孔(第一係合部) 40c・・・鍵穴(第二係合部)
41・・・蓋板(回動板) 41a・・・細長突起(第一被係合部)
41b・・・鉤爪(第二被係合部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8