(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】証憑処理システム、証憑処理方法及び証憑処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/42 20120101AFI20220927BHJP
G06Q 20/40 20120101ALI20220927BHJP
【FI】
G06Q20/42
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2021212287
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2021-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】黒田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 裕輝
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-116602(JP,A)
【文献】特開2018-151698(JP,A)
【文献】特開2016-173838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付けるアカウント情報登録部と、
前記アカウント情報に基づいて、前記連携先システムから前記証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納する証憑データ取得部と、
前記証憑データの取得に応じて、前記証憑データに基づいて生成される前記証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、前記証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するトークン付与部と、
前記証憑データに基づいて、前記証憑データに対応する証憑に含まれる一部又は全部のテキストに関する証憑記載情報を生成する証憑記載情報生成部と、
前記連携先システムから、前記取引の内容を示す取引明細データを取得する取引明細データ取得部と、
前記取引明細データに基づいて、前記取引に関する会計処理を行うための会計データ
を生成し、前記証憑記載情報に基づいて、前記会計データと前記証憑データ
とを対応付けて会計データ記憶部に格納する会計データ生成部と、
を備える証憑処理システム。
【請求項2】
前記会計データは、前記取引明細データに会計データの一部の項目に関する情報が含まれていない場合に、前記証憑データ
及び前記証憑記載情報の少なくともいずれかに基づいて生成される、請求項
1に記載の証憑処理システム。
【請求項3】
前記会計データ生成部は、前記証憑データが示す取引の内容及び前記会計データが示す取引の内容が一致する場合、前記会計データと前記証憑データとを対応付けて前記会計データ記憶部に格納する、請求項1又は2に記載の証憑処理システム。
【請求項4】
前記連携先システムは、前記証憑データを含むメールを管理するメール管理システムであり、
前記証憑データ取得部は、前記メール管理システムからの前記メールに含まれる前記証憑データを取得する、
請求項1~
3のいずれかに記載の証憑処理システム。
【請求項5】
前記証憑データ取得部は、前記ユーザ端末から前記証憑データを取得する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の証憑処理システム。
【請求項6】
前記会計データは、仕訳データ又は経費精算データである、請求項1~
5のいずれか一項に記載の証憑処理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付け、
前記アカウント情報に基づいて、前記連携先システムから前記証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納し、
前記証憑データの取得に応じて、前記証憑データに基づいて生成される前記証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、前記証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納し、
前記証憑データに基づいて、前記証憑データに対応する証憑に含まれる一部又は全部のテキストに関する証憑記載情報を生成し、
前記連携先システムから、前記取引の内容を示す取引明細データを取得し、
前記取引明細データに基づいて、前記取引に関する会計処理を行うための会計データ
を生成し、前記証憑記載情報に基づいて、前記会計データと前記証憑データ
とを対応付けて会計データ記憶部に格納する、
証憑処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付けるアカウント情報登録部と、
前記アカウント情報に基づいて、前記連携先システムから前記証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納する証憑データ取得部と、
前記証憑データの取得に応じて、前記証憑データに基づいて生成される前記証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、前記証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するトークン付与部と、
前記証憑データに基づいて、前記証憑データに対応する証憑に含まれる一部又は全部のテキストに関する証憑記載情報を生成する証憑記載情報生成部と、
前記連携先システムから、前記取引の内容を示す取引明細データを取得する取引明細データ取得部と、
前記取引明細データに基づいて、前記取引に関する会計処理を行うための会計データ
を生成し、前記証憑記載情報に基づいて、前記会計データと前記証憑データ
とを対応付けて会計データ記憶部に格納する会計データ生成部と、
を実現させるための証憑処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証憑処理システム、証憑処理方法及び証憑処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信技術の進展に伴い普及しつつある電子商取引では、インターネット等のネットワークを介して、証憑が電子的に送受信される。電子的に作成される証憑は容易にコピーを作成されてしまうおそれがあることから、証憑管理の一環として、送受信される証憑が改ざんされていないことを示す情報(例えば、タイムスタンプ)を、証憑に付与する処理が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ユーザ指示に応じて、ユーザによってアップロードされた証憑画像データへのタイムスタンプ付与処理を行う装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、タイムスタンプの付与に際して、ユーザの指示を前提とするため、ユーザに負担が発生することが問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザにとってより簡易に証憑を処理する証憑処理システム、証憑処理方法及び証憑処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る証憑処理システムは、取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付けるアカウント情報登録部と、アカウント情報に基づいて、連携先システムから証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納する証憑データ取得部と、証憑データの取得に応じて、証憑データに基づいて生成される証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するトークン付与部と、取引に関する会計処理を行うための会計データを証憑データに対応付けて会計データ記憶部に格納する会計データ生成部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る証憑処理方法は、コンピュータが、取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付け、アカウント情報に基づいて、連携先システムから証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納し、証憑データの取得に応じて、証憑データに基づいて生成される証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納し、取引に関する会計処理を行うための会計データを証憑データに対応付けて会計データ記憶部に格納する。
【0009】
本発明の一態様に係る証憑処理プログラムは、コンピュータに、取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付けるアカウント情報登録部と、アカウント情報に基づいて、連携先システムから証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納する証憑データ取得部と、証憑データの取得に応じて、証憑データに基づいて生成される証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するトークン付与部と、取引に関する会計処理を行うための会計データを証憑データに対応付けて会計データ記憶部に格納する会計データ生成部と、を実現させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザにとってより簡易に証憑を処理する証憑処理システム、証憑処理方法及び証憑処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態である証憑処理システム100の構成を示す図である。
【
図2】アカウント情報記憶部112に記憶される情報の例を示す図である。
【
図3】証憑データ記憶部123に記憶される情報の例を示す図である。
【
図4】証憑記載情報記憶部125に記憶される情報の例を示す図である。
【
図5】取引明細データ記憶部132に記憶される情報の例を示す図である。
【
図6A】会計データ記憶部142に記憶される情報の例を示す図である。
【
図6B】会計データ記憶部142に記憶される情報の例を示す図である。
【
図7】証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である証憑処理システム100の構成を示す図である。
【0014】
証憑処理システム100は、ユーザ端末200(200a、200b)及び連携先システム300(300a、300b)とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。
【0015】
証憑処理システム100は、ユーザのアカウント情報に基づいて連携先システム300から取引に関する証憑データを取得し、証憑データの取得に応じて、証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するシステムである。そして、証憑処理システム100は、取引に関する会計処理を行うための会計データを、証憑データに対応付けて会計データ記憶部に格納する。証憑処理システム100の詳細については、後述する。
【0016】
ユーザ端末200は、ユーザが利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
図1では、ユーザ端末200の例として、ユーザ端末200a、200bの2つを示しているが、ユーザ端末200の数はこれに限られない。
【0017】
連携先システム300は、インターネット等のネットワークを介してユーザに証憑データ及び取引明細データの少なくともいずれかを提供可能な情報処理システムである。連携先システム300は、例えば、電子商取引サイトやクレジットカード会社のウェブサイト、取引に関する電子メールを管理するメール管理システム等である。
図1では、連携先システム300の例として、連携先システム300a、300bの2つを示しているが、連携先システム300の数はこれに限られない。
【0018】
証憑処理システム100の詳細について説明する。証憑処理システム100は、アカウント情報登録部111、アカウント情報記憶部112、証憑データ取得部121、トークン付与部122、証憑データ記憶部123、証憑記載情報生成部124、証憑記載情報記憶部125、取引明細データ取得部131、取引明細データ記憶部132、会計データ生成部141、会計データ記憶部142を備える。証憑処理システム100を構成するコンピュータは、プロセッサ及び記憶領域を備える。
図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0019】
アカウント情報登録部111は、連携先システム300にアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末200から受け付け、アカウント情報記憶部112に格納する。
【0020】
図2は、アカウント情報記憶部112に記憶される情報の例を示す図である。アカウント情報記憶部112に記憶される情報は、例えば、ユーザID、連携先ID、アカウント情報を含む。
【0021】
ユーザIDは、証憑処理システム100を利用するユーザを識別するユーザ識別情報である。なお、ユーザIDは、証憑処理システム100で生成される情報であってもよく、また、メールアドレス等の他の情報であってもよい。連携先IDは、証憑処理システム100において連携先システム300を識別する連携先システム識別情報である。アカウント情報は、ユーザが連携先システム300にアクセスするためのIDやパスワード等の情報である。
【0022】
証憑データ取得部121は、アカウント情報に基づいて連携先システム300にアクセスして証憑データを取得し、証憑データ記憶部123に格納する。
【0023】
証憑データは、取引の事実の証拠となるデータであり、例えば、請求書、領収書、見積書等の証憑を示す情報である。1つの証憑は、複数の取引に関するものであってもよい。また、証憑データは、画像、PDF(Portable Document Format)、HTML(Hyper Text Markup Language)等の任意の形式のデータであってよい。
【0024】
連携先システム300が電子商取引サイトやクレジットカード会社のウェブサイトである場合、証憑データ取得部121は、例えば、ウェブスクレイピングやAPI(Application Program Interface)を用いて、連携先システム300から証憑データを取得することができる。
【0025】
連携先システム300がメールを管理するメール管理システムである場合、証憑データ取得部121は、メール管理システムからのメールに含まれる証憑データを取得することができる。すなわち、証憑データ取得部121は、メール管理システムに記憶されているメールを解析し、メール本文又はメールに添付されているファイルに基づいて証憑データを取得することができる。
【0026】
また、証憑データ取得部121は、ユーザ端末200から証憑データを取得することができる。この場合、例えば、ユーザが、ユーザ端末200を通じて証憑データを証憑処理システム100にアップロードすることで、証憑データ取得部121は、証憑データを取得する。
【0027】
トークン付与部122は、証憑データの取得に応じて、証憑データに基づいて証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納する。
【0028】
トークン情報は、証憑データの改ざんを防止するための情報であり、例えば、ある時刻に証憑データが存在していたこと及びそれ以降改ざんされていないことを証明するタイムスタンプ情報である。タイムスタンプ情報は、例えば、所定の関数に証憑データを入力することによって生成される値(例えば、ハッシュ値)及び時刻を示す情報を含む。
【0029】
トークン付与部122が証憑データに対応付けるトークン情報は、トークン付与部122において生成されるトークン情報であってもよく、また、外部の情報処理システムにて生成されるトークン情報であってもよい。この場合、トークン付与部122は、例えば、証憑データ又は証憑データに対応する所定の情報(例えば、ハッシュ値)を外部の情報処理システムに提供し、外部の情報処理システムにて生成されるトークン情報を取得することができる。
【0030】
図3は、証憑データ記憶部123に記憶される情報の例を示す図である。証憑データ記憶部123に記憶される情報は、例えば、証憑ID、連携先ID、ファイル情報、トークン情報を含む。証憑IDは、証憑処理システム100にて処理される証憑を識別する証憑識別情報である。ファイル情報は、証憑データの実体を示す情報(例えば、バイト列情報等)である。
【0031】
証憑記載情報生成部124は、証憑データ記憶部123に記憶される証憑データに基づいて、証憑データに対応する証憑に含まれる一部又は全部のテキストに関する証憑記載情報を生成し、証憑記載情報記憶部125に格納する。
【0032】
証憑記載情報は、証憑に含まれる一部又は全部のテキストに関する情報であり、取引の詳細(例えば、取引日、取引先、取引金額、取引内容)の項目を示すテキストに関する情報である。証憑には、取引の詳細に関する情報が記載されているため、証憑記載情報生成部124は、証憑データに基づいて、取引の詳細に関するテキストに関する情報を生成する。
【0033】
証憑記載情報生成部124は、例えば画像認識技術を用いて、画像又はPDF形式の証憑データに基づいて、証憑データに対応する証憑に記載されている取引の詳細(例えば、取引日、取引先、取引金額、取引内容)に関する情報を抽出し、証憑記載情報を生成する。また、証憑記載情報生成部124は、HTML形式の証憑データを解析し、取引の詳細(例えば、取引日、取引先、取引金額、取引内容)に関する情報を抽出し、証憑記載情報を生成する。
【0034】
なお、証憑記載情報生成部124は、取引の詳細のすべての項目の情報を抽出しなくてもよく、一部の項目が欠けている証憑記載情報を生成してもよい。
【0035】
図4は、証憑記載情報記憶部125に記憶される情報の例を示す図である。証憑記載情報記憶部125に記憶される情報は、例えば、証憑ID、種別情報、取引日情報、取引先情報、金額情報、取引内容情報を含む。証憑記載情報記憶部125に記憶される情報は、証憑IDごとに、すべての情報が記憶されてもよく、また、一部の情報が欠けていてもよい。
【0036】
種別情報は、証憑の種別を示す情報であり、例えば、「請求書」、「領収書」、「見積書」等を含む。取引日情報は、証憑に対応する取引が行われた日を示す情報である。取引先情報は、証憑に対応する取引の相手を示す情報である。金額情報は、証憑に対応する取引の金額を示す情報である。取引内容情報は、証憑に対応する取引の内容を示す情報であり、例えば、取引された商品又はサービスを示す情報である。なお、取引内容情報は、複数の商品又はサービスを示す情報を含んでもよい。
【0037】
取引明細データ取得部131は、連携先システム300から取引の詳細を示す取引明細データを取得し、取引明細データ記憶部132に格納する。取引明細データ取得部131は、例えば、ウェブスクレイピングやAPIを用いて、連携先システム300から取引明細データを取得することができる。取引明細データは、取引の詳細を示す情報であり、例えば、取引日、取引先、取引金額、取引内容等の情報を含む。
【0038】
取引明細データ取得部131は、取引明細データを取引明細データ記憶部132に格納する際、取引明細データに対応する取引の証憑データを、取引明細データに対応付けて格納することができる。この場合、取引明細データ取得部131は、既に連携先システム300にて取引明細データと対応付けられている証憑データを、取引明細データに対応付けて格納してもよい。
【0039】
また、取引明細データ取得部131は、証憑記載情報に基づいて、取引明細データの内容及び証憑データの内容の一致度を評価した上で、取引明細データの内容及び証憑データの内容が一致している場合に、証憑データを取引明細データに対応付けて格納してもよい。この場合、取引明細データ取得部131は、例えば、取引明細データ及び証憑データ又は証憑記載情報を入力として、取引明細データの内容及び証憑データの内容の一致度を出力する学習モデルを用いて、取引明細データの内容及び証憑データの内容の一致度を評価してもよい。
【0040】
また、取引明細データ取得部131は、ユーザ端末200を通じたユーザの操作に基づいて、証憑データを取引明細データに対応付けて格納してもよい。この場合、例えば、ユーザは、ユーザ端末200に表示される取引明細データ及び証憑データから、対応する取引明細データ及び証憑データを選択することで、取引明細データ及び証憑データを対応付けてもよい。また、取引明細データ及び証憑データをユーザ端末200に表示する際、例えば、取引明細データ及び証憑データ又は証憑記載情報を入力として、取引明細データの内容及び証憑データの内容の一致度を出力する学習モデルの結果に基づいて、一致度が高い取引明細データ及び証憑データの1つ以上の組み合わせを、ユーザが選択する候補として、ユーザ端末200に表示してもよい。
【0041】
図5は、取引明細データ記憶部132に記憶される情報の例を示す図である。取引明細データ記憶部132に記憶される情報は、例えば、明細ID、連携先ID、取引日情報、取引先情報、金額情報、取引内容情報、証憑IDを含む。ここで、明細IDは、取引明細データを識別する取引明細データ識別情報である。
【0042】
会計データ生成部141は、証憑データ、証憑記載情報及び取引明細データの少なくともいずれかに基づいて、取引に関する会計処理を行うための会計データを生成し、証憑データに対応付けて会計データ記憶部142に格納する。会計データは、例えば、仕訳データや経費精算データである。
【0043】
具体的には、会計データ生成部141は、証憑データに含まれる連携先IDや、証憑データの取得日時に基づいて、会計データを生成することができる。また、会計データ生成部141は、証憑記載情報又は取引明細データに含まれる、取引日情報、取引先情報、金額情報、取引内容情報等に基づいて、会計データを生成してもよい。
【0044】
図6Aは、会計データ記憶部142に記憶される情報の例を示す図である。
図6Aに例示されているのは、仕訳データの例である。会計データ記憶部142に記憶される情報は、例えば、仕訳データ、証憑IDを含む。仕訳データは、例えば、取引日情報、金額情報、摘要情報、勘定科目情報を含む。摘要情報は、仕訳の内容を示す情報であり、例えば、商品又はサービスを示す情報である。勘定科目情報は、仕訳時に用いられる情報であり、例えば、取引の性質を示す情報である。
【0045】
図6Bは、会計データ記憶部142に記憶される情報の例を示す図である。
図6Bに例示されているのは、経費精算データの例である。会計データ記憶部142に記憶される情報は、例えば、経費精算データ、証憑IDを含む。経費精算データは、例えば、日付情報、金額情報、内容情報、経費科目情報を含む。日付情報は、日付を示す情報であり、例えば、取引の日付を示す情報である。内容情報は、経費の内容を示す情報であり、例えば、商品又はサービスを示す情報である。経費科目情報は、経費精算時に用いられる情報であり、例えば、取引の性質を示す情報である。
【0046】
なお、会計データ生成部141は、証憑データ、証憑記載情報及び取引明細データに含まれない項目や抽出することが難しい項目を設定しなくてもよい。また、会計データ生成部141は、証憑データ、証憑記載情報及び取引明細データに含まれない項目であっても、所定のルールに基づいて、項目に対応する情報(例えば、勘定科目情報、経費科目情報等)を生成してもよい。
【0047】
図7は、証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図7に例示されている処理は、証憑処理システム100が、既に連携先システム300にて対応付けられている証憑データ及び取引明細データを取得する場合の処理の例である。
【0048】
まず、アカウント情報登録部111が、ユーザ端末200からアカウント情報を受け付け、登録する(S701)。証憑データ取得部121及び取引明細データ取得部131が、アカウント情報に基づいて、連携先システム300から、既に対応付けられている証憑データ及び取引明細データを取得する(S702)。トークン付与部122が、証憑データの取得に応じて、証憑データにトークン情報を対応付ける(S703)。
【0049】
会計データ生成部141が、取引明細データに基づいて会計データを生成し(S704)、証憑データに対応付けて会計データ記憶部142に格納する(S705)。なお、S704で、会計データ生成部141は、証憑データ又は証憑記載情報生成部124によって生成される証憑記載情報に基づいて、会計データを生成してもよい。
【0050】
図8は、証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図8に例示されている処理は、証憑処理システム100が、連携先システム300にて対応付けられていない証憑データ及び取引明細データを取得する場合の処理の例である。
【0051】
まず、アカウント情報登録部111が、ユーザ端末200からアカウント情報を受け付け、登録する(S801)。証憑データ取得部121及び取引明細データ取得部131が、連携先システム300から、それぞれ、証憑データ及び取引明細データを取得する(S802)。このとき、証憑データ及び取引明細データは対応付けられていない。トークン付与部122が、証憑データの取得に応じて、証憑データにトークン情報を対応付ける(S803)。
【0052】
次に、証憑記載情報生成部124が、証憑データに基づいて証憑記載情報を生成する(S804)。取引明細データ取得部131が、証憑記載情報に基づいて、取引明細データを証憑データに対応付けて取引明細データ記憶部132に格納する(S805)。会計データ生成部141が、取引明細データに基づいて会計データを生成し(S806)、証憑データに対応付けて会計データ記憶部142に格納する(S807)。なお、S806で、会計データ生成部141は、証憑データ又は証憑記載情報に基づいて、会計データを生成してもよい。
【0053】
図9は、証憑処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図9に例示されている処理は、証憑処理システム100が、ユーザ端末200から証憑データを取得する場合の処理の例である。
【0054】
まず、証憑データ取得部121が、ユーザ端末200から証憑データを取得する(S901)。トークン付与部122が、証憑データの取得に応じて、証憑データにトークン情報を対応付ける(S902)。証憑記載情報生成部124が、証憑データに基づいて証憑記載情報を生成する(S903)。会計データ生成部141が、証憑記載情報に基づいて会計データを生成し(S904)、証憑データと対応付けて会計データ記憶部142に格納する(S905)。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明した。証憑処理システム100は、アカウント情報に基づいて連携先システム300から証憑データを取得し、証憑データの取得に応じて、トークン情報を証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納し、会計データを証憑データに対応付けて会計データ記憶部142に格納することができる。これにより、アカウント情報に基づいて、自動で、証憑データの取得、トークン情報の付与及び会計処理を行うことができる。
【0056】
また、証憑処理システム100は、連携先システム300から取引明細データを取得し、証憑データに対応付けて取引明細データを記憶することができる。これにより、対応付けられた取引明細データ及び証憑データに基づいて、会計処理を行うことができる。
【0057】
また、証憑処理システム100は、証憑データから生成される証憑記載情報に基づいて、証憑データ及び取引明細データを対応付けることができる。これにより、連携先システム300にて証憑データ及び取引明細データが対応付けられていない場合であっても、証憑データに対応付けて取引明細データを記憶し、会計処理を行うことができる。
【0058】
また、証憑処理システム100は、連携先システム300であるメール管理システムにアクセスして、メールに含まれる証憑データを取得することができる。これにより、証憑がメールでやり取りされる場合であっても、ユーザは証憑処理システム100を利用することができる。
【0059】
また、証憑処理システム100は、ユーザ端末から証憑データを取得することができる。これにより、ユーザは、連携先システムとして登録されていない機関から発行された証憑であっても、証憑処理システム100の処理対象とすることができる。
【0060】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
100 証憑処理システム、111 アカウント情報登録部、112 アカウント情報記憶部、121 証憑データ取得部、122 トークン付与部、123 証憑データ記憶部、124 証憑記載情報生成部、125 証憑記載情報記憶部、131 取引明細データ取得部、132 取引明細データ記憶部、141 会計データ生成部、142 会計データ記憶部、200 ユーザ端末、300 連携先システム
【要約】
【課題】ユーザにとってより簡易に証憑を処理する証憑処理システム、証憑処理方法及び証憑処理プログラムを提供する。
【解決手段】取引に関する証憑データを提供する連携先システムにアクセスするためのアカウント情報をユーザ端末から受け付けるアカウント情報登録部と、アカウント情報に基づいて、連携先システムから証憑データを取得し、証憑データ記憶部に格納する証憑データ取得部と、証憑データの取得に応じて、証憑データに基づいて生成される証憑データの改ざんを防止するためのトークン情報を、証憑データに対応付けて証憑データ記憶部に格納するトークン付与部と、取引に関する会計処理を行うための会計データを証憑データに対応付けて会計データ記憶部に格納する会計データ生成部と、を備える証憑処理システム。
【選択図】
図1