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特許7146454ケーブルを加工するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】ケーブルを加工するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/00 20060101AFI20220927BHJP
   H01B 13/012 20060101ALI20220927BHJP
   H01R 43/28 20060101ALI20220927BHJP
   B21F 1/00 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
H01B13/00 511Z
H01B13/012 A
H01R43/28
B21F1/00 C
H01B13/00 521
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018103158
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2018206770
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】17173803.2
(32)【優先日】2017-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ギズラー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・シュトッカー
【審査官】中嶋 久雄
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-186777(JP,A)
【文献】特開平01-313812(JP,A)
【文献】特開2000-007216(JP,A)
【文献】特開2010-010063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/00
H01B 13/012
H01R 43/28
B21F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル(102)を加工するための方法であって、
ケーブル(102)のループ(110)がループ配置面(104)上に配置されたガイド本体(106)の上に引っ張られるステップであって、ループ(110)が、動かされる駆動部(108)を使用して所定の長さに引っ張られる、ステップと、
ループ(110)が駆動部(108)からループ配置面(104)上に置かれるステップであって、ループ(110)は、ケーブル(102)が、重力によって、駆動部(108)からガイド本体(106)のテーパーを越えてループ配置面(104)に下向きに落下するようにして、かつ、その過程では、ループ(110)の一方の側が、ガイド本体(106)の傾斜面上を摺動するようにして、ガイド本体(106)の上に置かれる、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
引っ張られるステップにおいて、ケーブル(102)の第1の端部が固定され、ループ(110)が駆動部(108)の周りで引っ張られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
引っ張られるステップにおいて、ループ(110)が、ループ配置面(104)に配置された少なくとも1つのさらなるガイド本体(106)の上に引っ張られる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
取り外しステップであって、ループ(110)の第1の端部が、引っ張られ、ケーブル(102)が、ガイド本体(106)をまわってループ配置面(104)から取り外される、取り外しステップを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ケーブル(102)を加工するための装置(100)であって、装置(100)は、以下の特徴:
上端に傾斜面を有する少なくとも1つのガイド本体(106)がその上に配置されるループ配置面(104)と、
ケーブル(102)のループ(110)を引っ張るように構成された、動かされる駆動部(108)であって、ケーブル(102)が、重力によって、駆動部(108)からガイド本体(106)のテーパーを越えてループ配置面(104)に下向きに落下するようにして、かつ、その過程では、ループ(110)の一方の側が、ガイド本体(106)の傾斜面上を摺動するようにして、それがガイド本体(106)の上に置かれるように構成された、動かされる駆動部(108)と、
を備える、装置(100)。
【請求項6】
ガイド本体(106)が、斜めにカットされている、請求項5に記載の装置(100)。
【請求項7】
ガイド本体(106)の先端が、ループ(110)の中心軸(114)と位置合わせされる、請求項5および6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
ガイド本体(106)が、ループ配置面(104)に磁気的に付着される、請求項5から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
駆動部(108)が、ケーブル(102)のための送り込み形状(504)を有する、請求項5から8のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項10】
駆動部(108)が、ケーブル(102)とドグ(108)との間の接触面を低減するように構成された複数の隆起部(300)を含み、隆起部(300)の分布および数は、ケーブル(102)の曲げ半径が、その最小許容曲げ半径を下回らないように選択される、請求項5から9のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項11】
駆動部(108)が、回転可能なローラ(600)を備え、ローラ(600)の半径は、ケーブル(102)の最小許容曲げ半径よりも大きい、請求項5から10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項12】
駆動部(108)が、複数の回転可能なローラ(600)を備え、ローラ(600)の分布および数は、ケーブル(102)の曲げ半径が、その最小許容曲げ半径を下回らないように選択される、請求項5から10のいずれか一項に記載の装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを加工するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルハーネスを製造するために、ケーブルは、ケーブルの供給源から長さに合わせて切断される。長いケーブルの場合、スペースを節約するためにケーブルはケーブルループに成形され得る。
【0003】
変形形態が、米国特許第5153839号明細書に説明されている。ケーブルは、前記装置によってループになるように垂直に引き出され、その後カルーセルによって個々の加工ステーションに運ばれる。この種の機械は、水平方向において非常に空間効率がよい。しかし、ケーブルの長さが6メートル以上の場合、この構造は非常に複雑になる。
【0004】
比較的短い機械で非常に長いケーブルを加工する別の方法は、個々のケーブルが中に巻かれるケーブルカセットを使用することである(米国特許第5125154号明細書、米国特許第5153839号明細書)。したがって、加工されたケーブルの結果として生じる長さは、他の機械概念の全体的なサイズと比較して著しく大きくなることができる。対照的に、欧州特許出願公開第0182592号明細書からの装置は、容器を使用して長いケーブルを加工機械に通す。この場合、ケーブルは容器の内側でループ状になる。
【0005】
しかしながら、前述の解決策のすべては、コネクタハウジングに多数のケーブルを取り付けるために使用することが困難または不可能である。
【0006】
多数のケーブルを有するコネクタハウジングを加工するのに適した、長いケーブルを有する部分ケーブルハーネスを機械的に製造するための装置が、例えば欧州特許出願公開第2421102号明細書から知られている。ケーブルは、ケーブルの供給源から機械に供給される。ケーブルによってループが形成され、このループは水平に引き出されることによって延長される。次いで、2つのケーブル端部は、加工ステーションに搬送され、最後に対応するコネクタハウジング内に導入される。個々のケーブルループは、取り外されるまで、部分ケーブルハーネス内のケーブル溝に残ったままである。
【0007】
しかしながら、長いケーブルがその一端だけで加工され、コネクタに多数の接点が取り付けられる場合、ケーブルの緩んだ端部が絡まるようになる。これは、隣り合うケーブルループが緩んだケーブル端部と共に引っ張られるために起こる。この場合、ケーブルの緩んだ端部は、所望の方向とは逆に移動し、その結果、ケーブルはループ状になって絡まるようになる。これにより、部分ケーブルハーネスを機械から取り外すことがかなり困難になり、生産を著しく混乱させる可能性がある。
【0008】
ケーブルの手動加工のために絡みを防止する解決策がある。ケーブルがその周りに敷設されているハブが、米国特許第3360135号明細書から知られている。各ケース内のケーブルの一端は、後で取り外すためにクランプされる。ケーブルの移動方向が制限されているので、ハブは、ケーブルが絡まってしまうことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第5153839号明細書
【文献】米国特許第5125154号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0182592号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2421102号明細書
【文献】米国特許第3360135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、オープンケーブルループが絡まることを防止し、したがって部分ケーブルハーネスの取り外しを大幅に簡素化することを可能にする方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は、本発明により、ケーブルを加工するための方法、および独立請求項に記載の特徴を有するケーブルを加工するための装置によって達成される。
【0012】
この方法は、以下のステップを含む:
・ループ配置面に配置されたガイド本体の上にケーブルのループを引き出すステップであって、ループは、被駆動ドグを使用して指定された長さに引き出される、ステップ、および
・ループをドグからループ配置面上に置くステップであって、ループはガイド本体の上に置かれる、ステップ。
【0013】
さらに、ケーブルを加工するための装置が提案され、この装置は以下の特徴を含む:
・少なくとも1つのガイド本体が配置されるループ配置面、および
・ケーブルのループを引き出し、前記ループをガイド本体の上に置くように設計された被駆動ドグ。
【0014】
本発明の実施形態の可能な特徴および利点は、とりわけ、本発明を限定することなく、以下に説明する概念および知見に基づいていると考えられ得る。
【0015】
例えば、ケーブルは、ケーブルの供給源から機械に供給され得る。この方法は、以下の通りに行うことができる:供給されたケーブルは、ループに成形され、必要な長さに引き出される。この目的のために、ループ引出しモジュールのドグは、ループの内側領域内に移動され、その位置から前記ドグは、ループを所望の長さに引き出す。次いで、ループはループ引出しモジュールから解放され、少なくとも1つのガイド本体からループ配置面上に垂れ下がる。1つのケーブル端部も解放され、それにより、現在開いているループの一端のみが加工機械を通って引き出される。このプロセスでは、ガイド本体による案内は、ケーブルの領域が意図された方向とは逆に変位することを防止する。動きの方向を制御することにより、小さくねじれたループが緩み、ケーブルのいかなるねじれもゆっくりと解ける。保持されたケーブル端部は、個々の加工ステーションを通過し、ケーブルの残りは後方に引っ張られる。最後に、保持されたケーブル端部の接点が、提供されたコネクタハウジング内のコネクタ取付ステーションにもって行かれる。このように加工された部分ケーブルハーネスのケーブルは、取り外されるまでケーブルトラフ上のストラットによって既知の方法で保持される。
【0016】
したがって、ケーブルが絡まることなく、コネクタに多数の接点が取り付けられ得る。したがって、部分ケーブルハーネスを機械から取り外すことは、大幅に簡素化され、生産の混乱が防止され得る。
【0017】
第1の好ましい実施形態では、ループ配置面は、ケーブルの少なくとも1つのループを置くための実質的に水平に向けられた作業面である。ケーブルを引き出すために、ドグは、開始ループに移動されるか、または開始ループは、ドグの周りに敷設される。ドグは、ループ配置面の上方で垂直に離間されるように移動される。ドグは、ケーブルとドグとの間の接触面を低減するように設計された複数の隆起部を備える。
【0018】
隆起部の曲率は、ケーブルの最小許容曲げ半径より小さくすることができる。しかし、隆起部の数および分布は、ケーブルの最小許容曲げ半径を下回らないように選択され、それによってケーブルの永久変形を防止する。
【0019】
この場合、ケーブルの最小許容曲げ半径は、ケーブルが損傷されることなく曲げられ得る最小半径である。接触面を低減することにより、ケーブルがより少ない摩擦でドグの周りを摺動することが可能になる。これは、対応して選択された面によって確実に支援される。ドグはさらに、ケーブルのための送り込み形状を有する。例えば、ケーブルが鋭いエッジに擦れないように、送り込み形状は、送り込み領域および送り出し領域として設計され得る。
【0020】
ドグは、ドライブによってガイド本体上方に移動される。ループをガイド本体の上に置くために、ドグは、ループから上方に移動される。
【0021】
ガイド本体は、実質的に円筒形であり、ケーブルの最小許容曲げ半径よりも大きい半径を有する。ガイド本体端部の輪郭は、ループ配置面と一致しており、その結果、ケーブルを閉じ込めることはできない。ガイド本体は、その上端部に先端またはリッジの形態のテーパを有する。先端またはリッジは、好ましくは丸みを帯びている。テーパは、ガイド本体が比較的狭いループを貫通することを可能にする。ケーブルが置かれると、重力により、ケーブルは、ドグから下方にガイド本体の先端からループ配置面上に垂れ下がる。この場合、ガイド本体の先端は、ループの中心軸に向けられる。さらに、ガイド本体の先端は、ガイド本体の中心軸から横方向にずれるように配置される。この目的のために、ガイド本体は、傾斜して切断される。傾斜した切断の結果、高い堅牢性を有する細長い先端のタイプが生じる。この場合、ガイド本体の上面は、直角に対して非直角、例えば10°から85°の間、好ましくは30°から70°の間の角度で配置される。
【0022】
したがって、ループの一方の側は、ガイド本体の傾斜面の上で横方向に摺動し、一方でループの他方の側は、ループ配置面上に実質的に垂直に下方に垂れ下がる。ガイド本体は、ループ配置面に磁気的に固定される。
【0023】
したがって、ガイド本体は、ループ配置面に沿って異なる位置に可逆的かつ調整可能に固定され得る。したがって、ループの異なる長さを簡単に設定することが可能である。
【0024】
異なる範囲のループ長さは、別のガイド本体によって同時に対応され得る。この目的のために、ガイド本体は、互いに後方に、ループ配置面の長手方向に相互に離間されるように配置される。
【0025】
保持されたケーブル端部が前方に加工ステーションに搬送されると、ケーブルループの半分がガイド本体をまわって引き出され、ループ配置面から取り外される。これにより、隣接するケーブル端部が望ましくない方向に引っ張られるのを防ぐ。同時に、ケーブルのねじれを緩めることができる。
【0026】
第2の好ましい実施形態では、ループ配置面は輪郭付けされる。この場合、ループ配置面の傾斜またはスロープは平坦であることができるか、または僅かに、ケーブルがその重力のために1つの場所に留まる程度であることができる。これにより、隣接するケーブルが互いに引きずられる危険性が低減される。
【0027】
さらに好ましい実施形態は、ケーブルとドグとの間の摩擦を最小限にする少なくとも1つの回転可能なローラを有するドグを備える。単一のローラが使用される場合、ローラの半径はケーブルの最小許容曲げ半径よりも大きい。複数のローラまたはガイドローラを使用することにより、ケーブルとドグとの間の摩擦をさらに低減し、オーバーランする傾向を小さくすることができる。したがって、ケーブルは可能な限り保護される。この場合、例えば、送り込み形状は、傾斜されおよび/または丸みを帯びている。さらに、送り込み形状は、例えば、漏斗状にすることもできる。この送り込み形状の結果、引き出されたとき、ケーブルは、破損することなくドグの周りを移動することができる。ループを置くために、ドグはループから外に移動される。例えば、ドグは、ループが開いたままになっている間に戻され得る。その後、ループはガイド本体から垂れ下がる。
【0028】
本発明の可能な特徴および利点のいくつかは、異なる実施形態を参照して本明細書に説明されることに留意されたい。当業者であれば、本発明のさらなる実施形態をもたらすために、方法および装置の特徴を適切に組み合わせ、適合させ、または交換することができることを認識する。
【0029】
本発明の実施形態が、添付の図を参照して以下に説明されるが、図または説明は本発明を限定するものとして解釈されることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置を示す図である。
図2】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置のガイド本体を示す図である。
図3】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置のドグおよびガイド本体を示す図である。
図4】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置用のドグを示す図である。
図5】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置用のローラの形態のドグを示す図である。
図6】一実施形態による、ケーブルを加工するための装置用の複数のローラを有するドグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図は概略的なものであり、縮尺通りではない。同一の参照符号は、異なる図面において同一の特徴、または同一の効果を有する特徴を指す。
【0032】
図1は、一実施形態による、ケーブル102を加工するための装置100を示す。
【0033】
この場合、装置100は、ケーブルハーネス加工機の構成要素である。装置100は、ループ配置面104と、その上に配置された複数のガイド本体106とを備える。ガイド本体106は、ループ配置面104から上方に突出している。ガイド本体106は、円形の断面積を有する。モータ駆動ドグ108が、ループ配置面104の上方に配置される。ドグ108は、引出し方向に線形に移動可能になるように装着される。ドグ108は、ケーブル102のループ110を所望の長さまで引き出し、前記ループをガイド本体106の少なくとも1つの上に、そしてループ配置面104上に置くように設計される。
【0034】
引出しプロセスのために、ドグ108は、前記ドグの駆動機構(ここでは図示せず)によってケーブル繰り出し機構112に向かって移動される。そこでは、ドグ108は、開始ループに移動されるか、または開始ループがドグ108の周りに敷設される。ドグ108は、その後駆動機構によって引出し方向に移動され、それによってループ110を引き出す。
【0035】
ループ110は、ケーブル102の2つの端部が一緒になって所望のケーブル長をもたらすときに十分な長さになる。ループ110が十分な長さになったとき、すなわち、ドグ108が所望のケーブル長によって決定される位置に移動されたとき、ドグ108は、ループ110をガイド本体106の少なくとも1つの上、そしてループ配置面104上に置く。この目的のために、ドグ108は、駆動機構によってループ110から引き出される。ケーブル102がドグ108からループ配置面104上に垂れ下がるように、ドグ108を駆動機構によって引出し方向とは逆の方向に移動させることも同様に可能である。
【0036】
ループ110が所望の長さにあるとき、ケーブルの供給源に連結されたループ110の端部は、ケーブル繰り出し機構112において取り外される。こうして前記の端部は解放される。
【0037】
ケーブルハーネス加工機でさらに加工されるために、ケーブル102はガイド本体106をまわって取り外される。取り外されると、ケーブル102の緩んだ端部が弛緩する。残りのねじれは、ガイド本体106によってケーブル102から取り除かれる。
【0038】
図2は、円筒状の主要部分を有するガイド本体106を示す。ガイド本体は、実質的に図1のガイド本体の1つに対応する。先端を形成するために、ガイド本体106の頂部は傾斜して切断される。傾斜された切断の結果として、ガイド本体106は、その上面に、一方の側において傾斜する連続面200を備え、この上をケーブルは、ガイド本体106の上に置かれたときに横方向に摺動する。先端は、円筒形の横方向面に対して横方向にずらされるように配置される。
【0039】
図3は、一実施形態によるケーブル102を加工するための装置のドグ108およびガイド本体106を示す。ガイド本体106およびドグは、実質的に図1および図2の図に対応する。ドグ108は、摩擦低減表面形状を付加的に有する。この目的のために、ドグ108は、例えばドグ108の湾曲に対して横断方向に向けられたリブの形態の、ケーブル102に対して横断方向に向けられた複数の隆起部300を備え、このリブ上にケーブル102が載り、このリブは、ループ面に対する接触表面を低減する。ケーブル102は、隆起部300間のドグ108に接触せず、したがって摩擦を引き起こすことができない。隆起部300の実施形態およびその表面特性は、加工されるケーブル102の特性に依存する。
【0040】
この場合、ケーブル102の最小許容曲げ半径が、ケーブル102が塑性変形する半径よりも小さくならないように、隆起部300の分布および数が選択される。さらに、隆起部300の輪郭は、ケーブル絶縁材料の変位が最小限に低減されるように選択される。ドグ108は、ループ110が引き出されている間に前記ケーブル自体の振動によって引き起こされるケーブル102への損傷を最小限にするために、各側に送り込み領域をさらに含む。
【0041】
ガイド本体106の先端は、ループ110の中心軸114と位置合わせされる。したがって、ループ110の一方の側は、ガイド本体106の傾斜面上を横切って摺動し、ループ110の2つの側面は、ガイド本体106の異なる側に載るようになる。
【0042】
図4は、一実施形態によるケーブルを加工するための装置用のドグ108を示す。ドグ108は、実質的に図3のドグに対応する。ドグ108は、実質的に半円筒状の主要部400を含む。その横方向面の湾曲部分には8個の隆起部300が配置されている。隆起部は、主要部400の長手方向軸と平行に向けられている。
【0043】
図5は、一実施形態による、ケーブルを加工するための装置用のローラの形態のドグ108を示す。ドグ108は、例えば、図1のドグとして使用され得る。この場合、ドグ108は、回転軸500を中心に回転可能になるように装着されたケーブルシーブ502を備える。ケーブルシーブ502は、ケーブルを横方向に案内するための周辺溝を含む。ドグ108は、さらに、送り込み形状504を有する。送り込み形状504は、ケーブル滑車502の両側に隣接し、ケーブルシーブ502と共に回転軸500の周りを回転することができる。送り込み形状504は、ケーブルシーブ502から突出する傾斜したカラーとして両側に設計される。送り込み形状504は、ケーブルが回転軸500に対して垂直に延びていなくても、ケーブルがケーブルシーブ502から滑り落ちることを防止する。
【0044】
換言すれば、この場合、単一のガイドローラが、非常に柔らかく接着性のある絶縁材料を有するケーブルのためのドグ108を形成する。
【0045】
図6は、一実施形態による、ケーブルを加工するための装置のための複数のローラ600を有するドグ108を示す。ドグ108は、図4のドグに実質的に対応する。これとは対照的に、この場合、ドグ108は、隆起部の代わりに4つの回転可能に装着されたローラ600を備える。ローラ600は、ベースプレート602およびカバープレート604の凹部内に装着される。ローラ600は円筒形であり、その分布および数は、ケーブル1020の最小許容曲げ半径が不足しないように選択される。ベースプレート602およびカバープレート604は、実質的に半円形であり、半円形に配置されたローラ600を越えて突出する。少なくともベースプレート602は、送り込み形状504を有する。この場合、送り込み形状504は、半円形の周囲面取りとして設計される。
【0046】
換言すれば、ドグ108は、ローラ600を僅かにオーバーランさせる回転慣性モーメントが小さいローラ群600を備える。したがって、ケーブルに作用する力は、著しく低減され、これは、非常に小さい断面積および薄い絶縁材を有する敏感なケーブルの場合に重要である。
【0047】
最後に、「備える」などの表現は他の要素またはステップを排除するものではなく、「1つ(a)」または「1つ(one)」などの表現は複数を排除しないことに留意されたい。
【0048】
上述の実施形態のうちの1つを参照して説明した特徴またはステップは、上述した他の実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用されてもよいことにも留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定的であるとみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0049】
100 装置
102 ケーブル
104 ループ配置面
106 ガイド本体
108 ドグ
110 ループ
112 ケーブル繰り出し機構
114 中心軸
200 連続面
300 隆起部
400 主要部
500 回転軸
502 ケーブルシーブ、ケーブル滑車
504 送り込み形状
600 ローラ
602 ベースプレート
604 カバープレート
1020 ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6