(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】電気コンタクトデバイス、電気接続ユニット、および電気ケーブルを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
H02G 15/02 20060101AFI20220927BHJP
H01R 13/6592 20110101ALI20220927BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20220927BHJP
H02G 1/14 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
H02G15/02
H01R13/6592
H01R43/00 B
H02G1/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018175839
(22)【出願日】2018-09-20
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】10 2017 122 048.8
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】バーグナー,バート
(72)【発明者】
【氏名】マンデル,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーメル,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】クマル,ラジェシ
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-25749(JP,A)
【文献】特開2017-147114(JP,A)
【文献】特開2009-146840(JP,A)
【文献】特開2000-92682(JP,A)
【文献】特開2009-37826(JP,A)
【文献】特開2015-226383(JP,A)
【文献】特開2017-168440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/02
H01R 13/6592
H01R 43/00
H02G 1/14
H01B 7/00
H01R 4/18
H01R 9/03
H01R 24/40
H01R 11/28
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車産業用の電気ケーブル(50
)のための、電気コンタクトデバイス(100、300
)であって、開いたクリンプ部(103;301、303)を含みまたは有し、
前記電気ケーブル(50)におけるクリンプ状態の前記電気コンタクトデバイス(100、300)では、断面がオーバル形の閉じられた前記クリンプ部(103;301、303)が、前記クリンプ部(103;301、303)によって前記電気ケーブル(50)に取り付けられ
、
前記クリンプ部(103;301、303)の互いに関連する周縁部(132、142;312、322;332、342)が、互いに相補的に、または実質的にぴったり合うように形成され、
前記クリンプ部(103;301、303)は、実質的に、1つの湾曲した壁により構成され、
前記クリンプ部(103;301、303)のクリンプフランク(130、140;310、320;330、340)が、実質的に閉じられて形成され、
前記電気コンタクトデバイス(100、300)の前記クリンプ状態で、クリンプスリット(109、309)が、前記電気コンタクトデバイス(100、300)の軸方向(Ax)に関して、互いに関連する前記クリンプフランク(130、140;310、320;330、340)間に実質的に光を通さないように形成され、および/または、
前記クリンプ状態の前記電気コンタクトデバイス(100、300)において、前記クリンプスリット(109、309)は、前記電気コンタクトデバイス(100、300)の周方向(Um)にのみ延伸していない、
ことを特徴とする電気コンタクトデバイス。
【請求項2】
前記電気コンタクトデバイス(100、300)の前記クリンプ状態における前記クリンプ部(103;301、303)の半径方向平面(Ra)に関して、
前記クリンプ部(103;301、303)の直径は、前記クリンプ部(103;301、303)の周方向(Um)において、相対的に小さい直径と相対的に大きい直径との間で実質的に連続して変化することを特徴とする、
請求項1に記載の電気コンタクトデバイス(100、300)。
【請求項3】
自動車産業用の電気ケーブル(50)のための、電気コンタクトデバイス(100、300)であって、開いたクリンプ部(103;301、303)を含みまたは有し、
前記電気ケーブル(50)におけるクリンプ状態の前記電気コンタクトデバイス(100、300)では、断面がオーバル形の閉じられた前記クリンプ部(103;301、303)が、前記クリンプ部(103;301、303)によって前記電気ケーブル(50)に取り付けられ、
前記電気コンタクトデバイス(100)はフェルール(100)として形成され、
前記フェルール(100)は、前記電気ケーブル(50)に設けることのできる1つの前記クリンプ部(100、103)として構成され、
前記クリンプ部(103)は、前記電気ケーブル(50)に、実質的にすべての断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部(103;301、303)として前記クリンプ状態で、取り付けられ、
前記フェルール(100)の実質的に長手方向延伸部(Ax)の全体は、前記電気ケーブル(50)の軸方向(Ax)に前記電気ケーブル(50)に設けられ、
前記フェルール(100)は、前記クリンプ状態で軸平面(Ax)に一定の内径を有し、および/または、
前記フェルール(100)は、長手方向側(Ax)に1つのクリンプフランク(130、140)を有することを特徴とする
、電気コンタクトデバイス(100)。
【請求項4】
自動車産業用の電気ケーブル(50)のための、電気コンタクトデバイス(100、300)であって、開いたクリンプ部(103;301、303)を含みまたは有し、
前記電気ケーブル(50)におけるクリンプ状態の前記電気コンタクトデバイス(100、300)では、断面がオーバル形の閉じられた前記クリンプ部(103;301、303)が、前記クリンプ部(103;301、303)によって前記電気ケーブル(50)に取り付けられ、
前記電気コンタクトデバイス(300)はシールドコンタクトスリーブ(300)として形成され、
前記シールドコンタクトスリーブ(300)は、絶縁クリンプ部(301)および/もしくは外部導体クリンプ部(303)およびシールドコンタクト部(305)を有し、
前記絶縁クリンプ部(301)および/もしくは前記外部導体クリンプ部(303)は、実質的にすべての断面がオーバル形の閉じられた前記クリンプ部(301、303)として前記クリンプ状態で、前記電気ケーブル(50)に取り付けられ、
前記外部導体クリンプ部(303)は、実質的にすべての断面がオーバル形に形成され、
前記シールドコンタクトスリーブ(300)のクリンプスリット(309)が、前記外部導体クリンプ部(303)で始まり、並びに/または、
開いた前記絶縁クリンプ部(301)および/もしくは開いた前記外部導体クリンプ部(303)は、1つの割けた状態の前記絶縁クリンプ部(301)および/または前記外部導体クリンプ部(303)として形成されることを特徴とする
、電気コンタクトデバイス(300)。
【請求項5】
自動車産業用の電気ケーブル(50
)のための、電気接続ユニット(10
)であって、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの電気コンタクトデバイス(100、300
)を含むまたは有することを特徴とする電気接続ユニット。
【請求項6】
前記電気接続ユニット(10)の前記クリンプ状態で、
前記電気接続ユニット(10)が有する2つの前記電気コンタクトデバイス(100、300)のクリンプスリット(109、309)が、前記電気接続ユニット(10)の周方向(Um)において互いにずらして配置され、および/または、
前記電気接続ユニット(10)が有する2つの前記電気コンタクトデバイス(100、300)の前記クリンプスリット(109、309)は、前記電気接続ユニット(10)の半径方向(Ra)に実質的に重ならずに配置されることを特徴とする、請求項
5に記載の電気接続ユニット(10)。
【請求項7】
自動車産業用の電気ケーブル(50)のための
、電気コネクタ(1)であって、コネクタハウジング(20)を有し、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気コンタクトデバイス(100、300)、あるいは請求項
5または
6に記載の電気接続ユニット(10)を有することを特徴とする電気コネクタ。
【請求項8】
自動車産業用の電気ケーブル(50)を組み立てる方法であって、
前記電気ケーブル(50)を組み立てるときに、前記電気ケーブル(50)における電気コンタクトデバイス(100、300)または電気接続ユニット(10)の開いたクリンプ部(103;301、303)が、前記電気ケーブル(50)における閉じられたクリンプ部(103;301、303)に変形され、
開いた前記クリンプ部(103;301、303)を閉じられた前記クリンプ部(103;301、303)に変形させるときに、断面がオーバル形の閉じられた前記クリンプ部(103;301、303)が前記電気ケーブル(50)に取り付けられ、
前記組み立てる方法の第1のステップ(I)で、断面がオーバル形のフェルール(100)が、外部電気導体(522)に電気機械的に固定され、
前記第1のステップ(I)に続く前記組み立てる方法の第2のステップ(II)で、少なくとも1つの端子(200、200)が、前記電気ケーブル(50)の少なくとも1つの内部電気導体(501、502)に電気機械的に固定され、
前記第2のステップ(II)に続く前記組み立てる方法の第3のステップ(III)で、シールドコンタクトスリーブ(300)が前記電気ケーブル(50)に機械的および/もしくは電気機械的に固定され、並びに/または、
前記組み立てる方法の前記第3のステップ(III)で、前記シールドコンタクトスリーブ(300)の、実質的にすべての断面がオーバル形の絶縁クリンプ部(301)、および/もしくは実質的にすべての断面がオーバル形の外部導体クリンプ部(303)が形成されることを特徴とする
、組み立てる方法。
【請求項9】
前記断面がオーバル形のフェルール(100)のクリンプスリット(109)とオーバル形の前記外部導体クリンプ部(303)のクリンプスリット(309)とが、前記電気接続ユニット(10)の周方向(Um)において互いにずらして配置され、
前記フェルール(100)の前記クリンプスリット(109)と前記外部導体クリンプ部(303)の前記クリンプスリット(309)とは、互いに約90°もしくは約180°ずらして配置され、および/または、
前記電気コンタクトデバイス(100、300)は請求項1から
4のいずれか一項に記載の電気コンタクトデバイスであり、前記電気接続ユニット(10)は請求項
5または
6に記載の電気接続ユニットであることを特徴とする、請求項
8に記載の組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは自動車産業用の電気ケーブル、特に2軸ケーブルのための、電気コンタクトデバイス、特に2軸コンタクトデバイス、好ましくは、フェルールまたはシールドコンタクトスリーブ;電気接続ユニット、特に2軸接続ユニット;電気コネクタ、特に小型コネクタ;電気ケーブル、特に2軸ケーブルを組み立てる方法;電気ケーブル組立体、特に2軸ケーブル組立体;および、好ましくは自動車産業用のユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気産業(電子機器、電気工学、電気機器、電力工学など)において、(電気)(相手側)コネクタとして以下に示す、多数の電気コネクタデバイスまたはそれぞれのコネクタユニット、ソケット、および/もしくはペグコネクタなどが知られている。これらは、広範囲の電流、電圧、周波数および/またはデータ転送速度で、電流、電圧、信号、および/またはデータを伝送する役割を果たす。特に自動車産業において、そのようなコネクタは、低、中、もしくは高電圧範囲および/または低、中、もしくは高電流範囲で、温暖な環境、場合により、高温の環境、汚染された環境、多湿の環境、および/または化学的に攻撃的な環境で、恒久的に、繰り返し、かつ/または、比較的長い有効寿命の後で、遅延することなく、電力、信号、および/またはデータを確実に伝送しなければならない。広範囲の用途があるため、特別に構成された多数のコネクタが周知である。
【0003】
そのようなコネクタまたはそのハウジングを、電気ケーブル、ワイヤ、ケーブルハーネスなど(電気ケーブル組立体)に取り付けることができ、あるいは、電気ユニットまたはデバイスを、(電力)電気部品、電気光学部品、もしくは電子部品、もしくはそのような機器などのハウジング、リードフレーム、プリント回路基板などに取り付けることができる。コネクタは、ケーブル、ワイヤ、またはケーブルハーネスのそれぞれに配置される場合、(フライング)(プラグ)コネクタまたはプラグまたはカップリングとしても知られる。コネクタは、電気部品、電気光学部品、または電子部品に配置される場合には、(内蔵)コネクタ、(内蔵)プラグ、または(内蔵)ソケットなどの(相手側)コネクタユニットとしても知られる。さらに、そのようなユニットのコネクタは、(プラグ)レセプタクルまたはヘッダと呼ばれることも多い。
【0004】
電気コネクタは、電気信号(電圧)および/または電力を確実に完全に伝送しなければならず、互いに対応するコネクタ(コネクタおよび相手側コネクタ)は、通常、締結またはロック配置を有して、コネクタを相手側コネクタに長期間、通常は解放可能に締結またはロックする。さらに、例えば、実際のコンタクトデバイス(通常、一体に形成される。例えば、コンタクト要素、フェルール、端子、シールドコンタクトスリーブなど)またはコンタクトユニット(通常、複数の部品で、2部で、一個片で、材料的に一個片でまたは一体に形成される)を有するまたは含む電気接続ユニットを、内部でしっかりと受けなければならない。ケーブル組立体では、このような接続ユニットは、コネクタとして、すなわちハウジングなしで、例えばフライングで設けることができる。コネクタのハウジングは、通常、例えば、FAKRA規格または異なる規格などのある規格化を受けるため、ハウジングの最も重要な寸法は、異なる製造業者間で同じ寸法を有する。
【0005】
電気コンタクトデバイス、コンタクトユニット、接続ユニット、コネクタ、および/またはケーブル組立体(ケーブルハーネスも)を改良して、特にこれらを小さくし、より費用効果の高いものにし、かつ/またはより経済的に形成することについて、努力が続けられている。高速差分信号伝送用の電磁シールド2軸ケーブルは、ケーブルに典型的な円形の断面幾何形状から逸れ、少なくとも部分的にオーバル形、例えば楕円形の断面幾何形状を有する。この場合、2軸ケーブルの2つの内部電気導体(信号)は、外部電気導体(内部電気導体の電磁シールド)、例えばシールドフィルムにより囲まれる。2軸ケーブルのシールド(
図1参照)または断面幾何形状全体(
図2~
図11参照)は、オーバル形状(2軸ケーブルの、平面、丸形、および好ましくは完全に凸状の断面幾何形状)を有する。
【0006】
小さいプラグ接続部を得るために、2軸ケーブル用の電気接続ユニット(コンタクトデバイス、コンタクトユニットなど)の電気機械インターフェースも、オーバル形の断面幾何形状を呈する。ケーブルのコンタクトデバイス(フェルール、端子、シールドコンタクトスリーブなど)のクリンプ部の断面幾何形状は、先行技術では円形断面を有する。2軸ケーブルをクリンプ(圧着)するための典型的なコンタクトデバイスも、クリンプ部に円形の断面幾何形状を有する。したがって、それにより得られる2軸ケーブル用のシールドコンタクトスリーブは、例えば、オーバル形(電気コンタクト部)から円形、および任意でオーバル形(外部導体クリンプ部)に戻る移行を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような移行は、プラグコネクタの臨界点に位置し、ここでは、2軸ケーブルの内部電気導体の比較的狭い距離が、プラグコネクタのコンタクトデバイスまたはコンタクトユニットのより幅広の区画に移行する。そのような移行により、インピーダンスにおいて、ほとんど補償不可能な不連続(
図12参照、上の曲線、先行技術)が生じるため、特に関連する2軸ケーブルの全二重モードにおいて、そのようなプラグコネクタの最大有効周波数が限定される。したがって、本発明の課題は、改良された電気コンタクトデバイスおよび/または改良された電気接続ユニットを提案することである。
【0008】
特に、本発明の課題は、改良された2軸接続ユニット(2軸コンタクトデバイス、2軸コンタクトユニットなど)、好ましくは、改良された小型2軸接続ユニットを提案することである。この場合、2軸接続ユニット、およびオプションでそれに関連するコネクタ(相手側コネクタも)を小さく構成し、簡単に形成し、かつ/または簡単に扱えるようにすべきであり、適切な製造、およびその後の適切な装着は安価であるべきである。さらに、本発明の課題は、2軸電気ケーブルを組み立てる方法を提供することである。この場合、当該方法は、柔軟なプロセス制御を用いて、例えば場合により操作者にとっても、効率的に実現可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、独立請求項に従って、好ましくは自動車産業用の電気ケーブル、特に2軸ケーブルのための、電気コンタクトデバイス、特に2軸コンタクトデバイス、好ましくは、フェルールまたはシールドコンタクトスリーブにより;電気接続ユニット、特に2軸接続ユニットにより;電気コネクタ、特に小型コネクタにより;電気ケーブル、特に2軸ケーブルを組み立てる方法により;電気ケーブル組立体、特に2軸ケーブル組立体により;ならびに、好ましくは自動車産業用のユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムにより解決される。本発明の有利なさらなる発展、追加の特徴、および/または利点が、従属請求項および以下の説明から明らかになろう。
【0010】
本発明のコンタクトデバイスは、開いたクリンプ部(例えばフェルールとして)を含み、または開いたクリンプ部(例えばシールドコンタクトスリーブ)を有し、ケーブルにおけるクリンプ状態のコンタクトデバイスでは、断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部、例えば、断面が主にまたは実質的に楕円形であるクリンプ部が、クリンプ部によってケーブルに取り付けられる。オーバル形断面とは、断面が水平で丸形であり、主にまたは実質的に完全に凸形状を有することを意味するものであり、円形およびループは除外される。これは、断面が、およそ、主に、または実質的に、2次元の「卵形」または楕円形に形成されることを意味する。ケーブルを、例えば、銅ケーブルおよび/またはアルミニウムケーブルとして形成してもよい。
【0011】
実施形態において、コンタクトデバイスのクリンプ状態におけるクリンプ部の半径方向平面に関して、クリンプ部の直径は、クリンプ部の周方向において、相対的に小さい直径と相対的に大きい直径との間で実質的に連続して変化することができる。このために、「小さい」および「大きい」という形容詞は、互いに関して(相対的に)ということが意図される。
【0012】
クリンプ部の互いに関連する周縁部を、互いに相補的に、または実質的にぴったり合うように形成することができる。さらに、クリンプ部を、実質的に1つの湾曲した壁により構成してもよい。加えて、クリンプ部のクリンプフランクを、実質的に閉じて形成してもよい。さらに、クリンプ状態のコンタクトデバイスでは、クリンプスリットを、コンタクトデバイスの軸方向に関して、互いに関連するクリンプフランク間に実質的に光を通さないように形成することができる。さらに、クリンプ状態のコンタクトデバイスでは、クリンプスリットは、コンタクトデバイスの周方向にのみ延伸していなくてよい。
【0013】
一実施形態において、コンタクトデバイスをフェルールとして形成することができる。この場合、フェルールを、ケーブルに設けることのできる1つのクリンプ部として実質的に構成することができる。さらに、クリンプ部を、実質的にすべての断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部として、クリンプ状態でケーブルに取り付けることができる。加えて、フェルールの実質的に長手方向延伸部の全体を、ケーブルの軸方向に関してケーブルに設けることができる。さらに、フェルールは、クリンプ状態で軸平面に一定の内径を有することができる。
【0014】
さらに、フェルールは、1つの長手方向側に1つのクリンプフランクを有することができる。この場合、フェルールは、互いに実質的に対向する2つのクリンプフランクを有することができる。実施形態において、フェルールは、接続ユニットの半径方向平面に、実質的にU字形またはV字形断面を有することができ、好ましくは、主にまたは実質的に簡単な材料層として形成することができる。フェルールは、好ましくは、材料的に一個片でまたは一体に形成される。
【0015】
一実施形態において、コンタクトデバイスをシールドコンタクトスリーブとして形成することができる。この場合、シールドコンタクトスリーブは、絶縁クリンプ部および/または外部導体クリンプ部およびシールドコンタクト部を有することができる。絶縁クリンプ部は、シールドコンタクトスリーブを、ケーブルの外部電気絶縁体に機械的に接続する役割を果たす。さらに、外部導体クリンプ部は、シールドコンタクトスリーブをケーブルの外部電気導体に電気機械的に接続する役割を果たす。この場合、好ましくはシールドコンタクトスリーブのすべての部分がオーバル形に形成される。絶縁クリンプ部および/または外部導体クリンプ部を、実施的にすべての断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部として、クリンプ状態でケーブルに取り付けることができる。さらに、外部導体クリンプ部は、実質的にすべての断面がオーバル形に形成されてもよい。
【0016】
さらに、シールドコンタクトスリーブのクリンプスリットが、外部導体クリンプ部で開始され得る。
【0017】
加えて、開いた絶縁クリンプ部および/または開いた外部導体クリンプ部を、1つの割けた状態の絶縁クリンプ部および/または外部導体クリンプ部として形成することができる。さらに、絶縁クリンプ部および/または外部導体クリンプ部は、任意で、互いに実質的に対向する2つのクリンプフランクを各々有することができる。外部導体クリンプ部のクリンプフランクは、任意で、移行部を介してシールドコンタクトスリーブのシールドコンタクト部に取り付けられる。さらに、絶縁クリンプ部および/または外部導体クリンプ部は、接続ユニットの半径方向平面に実質的にU字形またはV字形断面を有することができ、好ましくは主にまたは実質的に簡単な材料層として形成することができる。シールドコンタクトスリーブは、好ましくは、材料的に一個片でまたは一体に形成される。
【0018】
本発明の接続ユニットは、少なくとも1つの本発明のコンタクトデバイスを含み、または少なくとも1つの本発明のコンタクトデバイスを有する。この場合、少なくとも1つのコンタクトデバイスを、フェルールおよび/またはシールドコンタクトスリーブとして形成することができる。一実施形態において、接続ユニットのクリンプ状態で、接続ユニットの2つのコンタクトデバイスのクリンプスリットを、接続ユニットの周方向において互いにずらして配置することができる。この場合、好ましい角度は約90°または約270°および約180°であるが、勿論、他の角度を適用することができる。あるいはまたは加えて、接続ユニットの2つのコンタクトデバイスのクリンプスリットを、接続ユニットの半径方向に実質的に重ならずに配置してもよい。これは、2つのコンタクトデバイスのクリンプスリットが半径方向に実施的に重ならないことを意味する。
【0019】
一実施形態において、接続ユニットは、フェルールと、2つの端子(例えば、少なくとも1つのピンコンタクトデバイス、ペグコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイス、および/またはソケットコンタクトデバイスなど)と、シールドコンタクトスリーブとを含む。この場合、2つの端子をケーブルの2つの内部電気導体に接続することができる。さらに、フェルールをケーブルの外部電気導体に設けることができ、シールドコンタクトスリーブをフェルール上に設けることができる。この場合、シールドコンタクトスリーブを、フェルール上に間接的に設けても(ケーブルの外部導体をフェルール上に動かす)、あるいは、上に位置しているフェルール上に直接設けてもよい(ケーブルの外部導体をフェルール上に動かさない)。接続ユニットをケーブルに装着するときに、シールドコンタクトスリーブは、任意で、フェルールに掛止することができ、そのために、適切な掛止ユニットがシールドコンタクトスリーブおよびフェルールに設けられる。
【0020】
本発明のコネクタは、任意で、コネクタハウジングを有し、コネクタは、本発明のコンタクトデバイスまたは本発明の接続ユニットを含むまたは有する。この場合、コンタクトデバイスまたは接続ユニットは、好ましくは、コネクタハウジングに取り付けられる。本発明による組み立てる方法(以下「組立方法」ともいう。)では、ケーブルを組み立てるときに、ケーブルにおける電気コンタクトデバイスまたは電気接続ユニットの開いたクリンプ部が、ケーブルにおける閉じられた(クリンプスリットがない)クリンプ部に変形され、開いたクリンプ部を閉じられたクリンプ部に変形させるときに、好ましくはすべての断面が実質的にオーバル形の閉じられたクリンプ部がケーブルに取り付けられる。
【0021】
組立方法の一実施形態において、組立方法の第1のステップで、好ましくは実質的にすべての断面がオーバル形のフェルールを、外部電気導体に電気機械的に固定することができる。組立方法の第1のステップは任意であり、すなわちフェルールの機能を省略してもよい。これは、本発明の他のすべての実施形態にも当てはまる(上記参照)。第1のステップに任意で続く組立方法の第2のステップで、少なくとも1つの端子を、ケーブルの少なくとも1つの内部電気導体に電気機械的に固定することができる。このステップも、必要に応じて、任意であってよい。
【0022】
第2のステップに任意で続く組立方法の第3のステップで、シールドコンタクトスリーブをケーブルに機械的および/または電気機械的に固定することができる。このステップも任意であってよい。加えてまたはあるいは、組立方法の第3のステップで、シールドコンタクトスリーブの、好ましくは実質的にすべての断面がオーバル形の絶縁クリンプ部、および/または好ましくは実質的にすべての断面がオーバル形の外部導体クリンプ部を形成することができる。
【0023】
例えば、第1のステップで、ケーブルは、長手方向端部で外部絶縁体から自由にされて、ケーブルの外部絶縁体から自由にされる部分と共にフェルールに挿入され、かつ/または逆も同様である(サブステップI.1)。続いて、フェルールは、外部導体に装着されるときに塑性変形され、すなわちオーバル形にクリンプされる(サブステップI.2)。続いて、外部導体の長手方向自由端部をフェルール上の外方に動かすことができる(サブステップI.3)。さらに、続いて、ケーブルの残りの長手方向自由端部を、再びケーブルの少なくとも1つの内部絶縁体から自由にすることができる(サブステップI.4)。
【0024】
第2のステップでは、ケーブルを、少なくとも1つの長手方向端部で少なくとも1つの内部絶縁体から自由にすることができ(サブステップII.1)、このサブステップII.1はサブステップI.4と同時に行うことができる。続いて、端子をケーブルの内部電気導体に接合する(サブステップII.2)。これは、例えばクリンプ方法により行うことができる。あるいは、例えば、はんだ付け、溶接、または接着方法を使用してもよい。続いて(サブステップII.3)、接続ユニットの誘電体を、任意で、ケーブルに設けてもよい。連続するサブステップの1つで、または連続するサブステップの2つの間で誘電体をケーブルに設けることもできる。
【0025】
第3のステップでは、シールドコンタクトスリーブのクリンプフランクを、最初に予め曲げるまたは丸める(サブステップIII.1a)ことができ、これは、好ましくは、シールドコンタクトスリーブがキャリアストリップに位置したままである場合に行われる。このサブステップは任意である。続いて、任意でキャリアストリップに位置したままのシールドコンタクトスリーブに、フェルール付きケーブルと少なくとも1つの端子とから作られたサブアセンブリを装着する(サブステップIII.1b)。続いて、シールドコンタクトスリーブを、任意で、再びキャリアストリップから分離し(サブステップIII.2)、その後、シールドコンタクトスリーブを、ケーブル、フェルール、および少なくとも1つの端子から作られたサブアセンブリにクリンプすることができる(サブステップIII.3)。
【0026】
一実施形態において、オーバル形フェルールのクリンプスリットとオーバル形外部導体クリンプ部のクリンプスリットとを、接続ユニットの周方向において互いにずらして配置することができる。さらに、オーバル形フェルールのクリンプスリットとオーバル形外部導体クリンプ部のクリンプスリットとを、互いに約90°または約180°ずらして配置することができる。勿論、他の角度を代わりに使用してもよい。加えてまたはあるいは、コンタクトデバイスまたは接続ユニットを、本発明のコンタクトデバイスまたは本発明の接続ユニットとして形成することができる。
【0027】
本発明のケーブル組立体は、電気ケーブルと、電気ケーブルに少なくとも部分的に接合された電気接続ユニットとを有し、その接続ユニットのオーバル形フェルールはケーブルの外部電気導体に電気機械的に固定接続され、その接続ユニットのシールドコンタクトスリーブは、オーバル形クリンプ部により、機械的および/または電気機械的にケーブルに固定接続される。
【0028】
さらに、接続ユニットの少なくとも1つの端子を、電気機械的にケーブルの内部電気導体に固定接続することができる。ケーブルを組み立てるときに、シールドコンタクトスリーブは、少なくとも1つの開いたまたは予め丸めたクリンプフランクを有することができる。さらに、少なくとも1つの開いたまたは予め丸めたクリンプフランクを有するシールドコンタクトスリーブを、フェルール上に押し当てることができる。ケーブルにおけるクリンプ状態のシールドコンタクトスリーブでは、シールドコンタクトスリーブをフェルールに掛止させることができる。
【0029】
一実施形態において、ケーブル組立体をケーブル予備組立体として形成することができる。さらに、シールドコンタクトスリーブを、ケーブル予備組立体に関連付けることができる。さらに、接続ユニットまたは接続ユニットのコンタクトデバイスを、本発明により形成することができる。加えて、ケーブル組立体を、本発明の組立方法により作成することができる。
【0030】
本発明のユニット、本発明のモジュール、本発明の器具、本発明の装置、本発明の設備、または本発明のシステムは、本発明のコンタクトデバイス、本発明の接続ユニット、本発明のコネクタ、および/または本発明の電気ケーブル組立体を有する。加えてまたはあるいは、ユニット、モジュール、器具、装置、設備、またはシステムは、本発明の組立方法により作成される電気ケーブル組立体を有することができる。
【0031】
コンタクトデバイスまたは接続ユニットで、本発明により、オーバル形から円形への移行、および任意でオーバル形に戻る移行、を完全に避けることができるため、コネクタの周波数性能が大きく向上する(
図12参照、下の曲線、本発明)。シミュレーションにより、本発明を適用するだけで約50%(すなわち6GHzから9GHz)向上することがわかっている。さらに、接続ユニット、コネクタハウジング、コネクタのための、このように電気接続部用の設置空間を小さくできることが有利である。
【0032】
以下で、縮尺通りでない添付の概略図面を参照しながら、例示的な実施形態を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。同一の、一義的な、もしくは同様の設計および/または機能を有する部分、要素、構造部品、ユニット、線図、および/または構成要素は、図面の説明(下記参照)、参照番号のリスト、特許請求の範囲、および図面の図において同じ参照番号で示される。本発明の例示的な実施形態、または構成要素、線図、ユニット、構造部品、要素、またはその部分に対して、可能な代替案、定常状態および/または運動学的反転、組合せなどは、本発明の説明(上記参照)で説明されず、図面に示されず、かつ/または確定的でないが、参照番号のリストおよび/または図面の説明からさらに推測することができる。
【0033】
本発明において、機構(部分、要素、構造部品、ユニット、構成要素、機能、変数など)を正である、すなわち存在すると構成しても、負である、すなわち存在しないと構成してもよく、負の機構は、それが存在しないことが本発明により重要であるとみなされない場合には、機構として明記されない。本明細書(説明、参照番号のリスト、特許請求の範囲、図面)の機構を、特定の方法で適用できるだけでなく、異なる方法で(分離、要約、置換、追加、一意性、省略など)適用してもよい。特に、参照番号および関連する機構を使用することにより、または機構および関連する参照番号を使用することにより、特許請求の範囲および/または説明における特徴を置換、追加、または省略することができる。さらに、請求項における特徴を、結果としてさらに詳細に説明および/または特定することができる。
【0034】
本明細書の機構を((ほとんど知られていない)先行技術を考慮して)、任意の機構として解釈してもよい。すなわち、各機構を、任意の、恣意の、または好ましい機構として、すなわち拘束力のない機構として理解することができる。したがって、機構を、任意でその周辺を含めて例示的な実施形態から切り離し、この機構を一般化された本発明の概念に転換することができる。例示的な実施形態に機構(負の機構)がないことは、その機構が本発明に関して任意であることを示す。さらに、機構についての種類の用語の場合、その機構の一般的な用語もこれと並行して読まれ得る(任意で、亜属、部分などへのさらなる階層的分類)。これにより、例えば同一の効果および/または等価物を考慮して、ある機構またはこの機構を一般化することができる。図面は単に例示的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】2つの内部電気導体の電磁シールドに円形の外側幾何形状およびオーバル形の内側幾何形状を有する、2軸ケーブルの第1の実施形態の2次元断面図である。
【
図2】2つの内部電気導体の電磁シールドにオーバル形の外側幾何形状およびオーバル形の内側幾何形状を有する2軸ケーブルの第2の実施形態の、後方に破断された斜視図である。
【
図3】後方に破断された2軸ケーブルの第2の実施形態の、外部電気絶縁体のない長手方向端部を上から斜めに見た斜視図である。
【
図4】本発明のフェルールが、2軸ケーブルの、外部絶縁体のない長手方向端部の後部に設けられ、かつ/または長手方向端部の後部がフェルールに設けられる、
図3と同様の斜視図である。
【
図5】フェルールと2軸ケーブルの長手方向端部の後部との間にクリンプ接続部を形成するときの、非常に単純化して示す2つのクリンプ工具の2次元断面図である。
【
図6】フェルールが2軸ケーブルの長手方向端部の後部に固定して設けられ、2軸ケーブルの残りの長手方向自由端部がフェルールから突出する、
図4と同様の斜視図である。
【
図7】2軸ケーブルの外部導体の残りの長手方向自由端部がフェルール上に動き、2軸ケーブルの2つの電気的に絶縁された内部電気導体がそこから突出する、
図6と同様の斜視図である。
【
図8】2つの端子のためのクリンプ方法を省略するときに、本発明のシールドコンタクトスリーブ(正面を破断して示す)が2軸ケーブルの長手方向自由端部に設けられる、
図7と同様の斜視図である。
【
図9】
図8の本発明のシールドコンタクトスリーブが、2軸ケーブルとのクリンプ接続により、2軸ケーブルの長手方向自由端部に設けられる、
図8と同様の斜視図である。
【
図10】接続ユニットが、フェルールおよびシールドコンタクトスリーブの外部導体クリンプ部の領域で示される、本発明の2軸電気ケーブル組立体の2次元断面図である。
【
図11】コネクタおよびコネクタに嵌合し相手側コネクタハウジングを有する相手側コネクタとしての本発明の接続ユニットを有する、本発明の電気プラグ接続部の斜視中央断面図である。
【
図12】上の曲線が先行技術によるプラグ接続部を表し、下の曲線が本発明のシールドコンタクトスリーブによるプラグ接続部を表す、2つの電気プラグ接続部のインピーダンスプロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下で、本発明について、最初に全般的に、次に自動車産業用の4つの電気コンタクトデバイス100、200、200、300を有する2軸電気接続ユニット10、特に小型2軸電気接続ユニット10の変形例の実施形態の例示的な実施形態を用いてより詳細に説明する。さらに、本発明について、2軸電気ケーブル50の組立方法の変形例の実施形態の例示的な実施形態を用いてさらに詳細に説明する。本発明の理解に必要な本発明の主題の、空間的な部分のみが図面に示される。
【0037】
本発明について、好ましい例示的な実施形態を用いてより厳密に説明しより詳細に図示するが、本発明は、開示された例示的な実施形態によって限定されるものではなく、より基本的な性質を持つものである。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、その他の変形形態を例示的な実施形態および/または上記(本発明の説明)から引き出すことができる。したがって、本発明を、自動車産業または自動車産業以外、例えば電子機器、電気工学、または電力工学産業などにおける他のコネクタ、接続ユニット、コンタクトデバイス、またはケーブル(ケーブルハーネス)に適用することができる。この場合、本発明を、例えば、コンピュータおよび(家庭用)電子機器産業における接続ユニット、コンタクトデバイス、またはケーブルに適用することができる。
【0038】
さらに、コネクタおよび相手側コネクタ、接続ユニットおよび相手側接続ユニット、ピン-/ペグ-/タブコンタクトデバイス、ならびにソケットコンタクトデバイスという用語は、同義語として、すなわち、任意で互いにそれぞれ入れ替え可能であると解釈すべきである。次に、図面を用いる本発明の説明は、本発明の電気(プラグ)接続部0、本発明の電気コネクタ1、コネクタハウジング20、接続ユニット10、2軸ケーブル50など(
図10および
図11参照)の軸方向または長手方向Ax(長手方向軸Ax、軸平面Ax、更にプラグイン方向S)、半径方向Ra(半径方向平面Ra)、および周方向Um(接平面Um)に関連する。
【0039】
この場合、(プラグ)接続部0は、コネクタ1(接続ユニット10およびコネクタハウジング20(
図11に破線で示す)、またはコネクタ(
図11に実際に示す))、および相手側コネクタとしての接続ユニット10を有することができ、相手側コネクタを本発明のコネクタ(接続ユニットおよびコネクタハウジング、またはコネクタとしての接続ユニット)として形成してもよい。特にRFまたはHFプラグ接続部0(RF(無線周波)、HF(高周波))についてのFAKRA規格(FAKRA(自動車エキスパートグループ))に従って、2軸ケーブル50用のコネクタ1を、例えば、ピンコネクタ、ペグコネクタ、タブコネクタ、ソケットコネクタ、ハイブリッド(プラグ)コネクタ、(フライング)カップリング、(内蔵)プラグ、(内蔵)ソケット、プラグレセプタクル、ソケットレセプタクル、ヘッダ、インターフェースなどとして形成することができる。
【0040】
一般に、本発明は、クリンプ部(103;301、303)を有するコンタクトデバイス(100、300;例えば
図4、
図6、
図8、および
図10参照)を提案しており、クリンプ部(103;301、303)は、ケーブル(50)、特に2軸ケーブル(50)におけるコンタクトデバイス(100、300)の少なくともクリンプ状態(すなわち閉じられたクリンプ部(103;301、303))で、断面に、すなわち少なくとも部分的に幾何学的オーバル形状またはオーバル形状を有する。閉じられたクリンプ部(103;301、303)の実質的全体が、好ましくは、実質的にすべての断面に幾何学的オーバル形状またはオーバル形状を有する。
【0041】
この場合、コンタクトデバイス(100)をクリンプ部(フェルール103)として実質的に形成する(を含む)ことができ、またはコンタクトデバイス(300)は、1つのクリンプ部(301/303)もしくは複数のクリンプ部(絶縁クリンプ部301、外部導体クリンプ部303)を有することができる。クリンプ部(103;301、303)を、薄いオーバル形リング部として、またはさらには、薄い円形リング部として、部分的に開いた状態(非クリンプ状態)に形成することができる。ここでは、開いたクリンプ部(103;301、303)全体の断面をU字形またはV字形に形成することができる。この場合、2つの外側脚部(すなわちU字、V字の左右)が、この外側脚部の接続部(下方)と比べて相対的に長くまたは相対的に短く形成される。
【0042】
図1および
図2はそれぞれ2軸電気ケーブル50を示し、いずれに対しても本発明の電気接続ユニット10(
図10および
図11参照)がクリンプ可能である。2軸ケーブル50は、(内側から)第1の内部絶縁体511または第1の誘電体511によって囲まれる第1の内部電気導体501と、第2の内部絶縁体512または第2の誘電体512によって囲まれる第2の内部電気導体502とを含む。2つの内部電気導体501、502(信号)は、2軸ケーブル50内に並んで、特に互いに平行に取り付けられる。各内部電気導体は、例えば、アルミニウムもしくは銅から作られたストランドまたはワイヤを含む。
【0043】
好ましくは、2つの内部絶縁体511、512は、導電性の、または電気的に絶縁されたフィルム520、および/または電磁シールド522(例えばシールド導体522、編組ワイヤ522、編組線522)としての外部電気導体522により、密接して、すなわち少ない遊びで囲まれる。外部導体522は、好ましくはアルミニウムまたは銅を有する。2軸ケーブル50の外部絶縁体530は、フィルム520および/または外部導体522の半径方向Ra外側に配置される。
【0044】
接続ユニット10は、ここでは、1つのフェルール100(コンタクトデバイス100)、2つの端子200、200(コンタクトデバイス200、200)、およびシールドコンタクトスリーブ300(コンタクトデバイス300)を有する。2つの端子200、200とシールドコンタクトスリーブ300との間に、電気絶縁体400または誘電体400が配置され、これは、複数の部品で、2部で、一個片で、材料的に一個片で、または一体に形成することができる。勿論、1つのフェルール100、1つのコンタクトデバイス100/300のみにより、あるいは1つまたは複数のコンタクトデバイスにより他の方法で(上記参照)、そのような接続ユニット10を構成することができる。
【0045】
フェルール100(
図4参照)としてのコンタクトデバイス100は、この場合、(第1の)電気(小型)2軸コンタクトデバイス100として形成される。この場合、フェルール100は、装着前は、周方向Umに開いて、または部分的に閉じて、例えば割かれたように形成される。フェルール100は、好ましくは全体的に塑性変形可能、すなわちクリンプ可能であり(クリンプスリーブ100)、好ましくは一個片で、材料的に一個片でまたは一体に形成される。この場合、フェルール100を1つのみの装着部100として軸方向Axに形成することができる。フェルール100を、例えば、押圧クランプ100、圧力スリーブ100、クランプリング100、リング取付具100、または網状端部スリーブ100(それぞれクリンプスリット109を有する(下記参照))と呼ぶこともできる。
【0046】
端子200(
図11参照)としてのコンタクトデバイス200は、この場合、(第2の)電気(小型)2軸コンタクトデバイス200として形成される。この場合、端子200は、好ましくは部分的に塑性変形可能、すなわちクリンプ可能であり(端子200は部分的にクリンプスリーブとして形成される)、好ましくは一個片で、材料的に一個片でまたは一体に形成される。勿論、クリンプ不能な端子200を使用し、これを例えば接着、はんだ付け、溶接などすることもできる。端子200を、ピンコンタクトデバイス、ペグコンタクトデバイス、タブコンタクトデバイス、ソケットコンタクトデバイス(
図11参照)などとして形成することができる。
【0047】
例えばインピーダンスコンタクトスリーブ300とも呼ばれる、シールドコンタクトスリーブ300(
図8参照)としてのコンタクトデバイス300は、この場合、(第3の)電気(小型)2軸コンタクトデバイス300として形成される。この場合、シールドコンタクトスリーブ300は、好ましくは部分的に塑性変形可能、すなわちクリンプ可能であり(シールドコンタクトスリーブ300は部分的にクリンプスリーブ301、303として形成される)、好ましくは一個片で、材料的に一個片でまたは一体に形成される。シールドコンタクトスリーブ300は、この場合、絶縁クリンプ部301、外部導体クリンプ部303、および相手側コネクタのシールドコンタクト部との電気接触のための電気シールドコンタクト部305に分割される。
【0048】
以下で、
図3~
図10を用いて、本発明の接続ユニット100を有する
図1または
図2の2軸ケーブル50を組み立てるための構成および実質的に3段階(ステップI、II、およびIII)の組立方法について、さらに詳細に説明する。この場合、
図3~
図7は、フェルール100を4つ、あるいはそれ以上のサブステップ(I.1~I.4)で装着することに関する組立方法の第1のステップIを示し、2軸ケーブル予備組立体5と呼ばれる2軸ケーブル5が、第1のステップIの最後に得られる。第2のステップIIおよびその結果(2つの端子200を有する2軸ケーブル予備組立体5)は、
図11の本発明の全体図以外には図示されない。
図8および
図9は、組立方法の第3のステップIII(2つ、あるいはそれ以上のサブステップIII.1、III.2)(結果は2軸ケーブル完全組立体5)を示す。
【0049】
図3に示す(第1の)サブステップI.1では、2軸ケーブル50がその長手方向自由端部で外部絶縁体530から自由にされて(剥離されて)いるため、外部導体522の長手方向端部が露出している。続いて(
図4~
図6)、フェルール100が自由外部導体522の後部に締結、特にクリンプされる((第2の)サブステップI.2)。2軸ケーブル50におけるフェルール100のクリンプ状態が
図6に示される。
【0050】
この場合、好ましくは、この自由外部導体522の後部が、フェルール用のキャリアストリップ150(
図4の破線)に位置する関連するフェルール100に挿入され、続いて、このフェルールがクリンプされる(サブステップI.2)。その後、フェルール100をキャリアストリップ150から分離することができる。最初にフェルール100をキャリアストリップ150から分離し、その後、フェルール100を自由外部導体522の後部上に動かして、フェルール100を自由外部導体522にクリンプすることもできる。フェルール100を2軸ケーブル50に組み合わせるときに、フェルール100および自由外部導体522の後部が互いに向かって動く、ハイブリッド型も可能である。
【0051】
この場合、接続ユニット100またはフェルール100を周方向Umに装着する前に、塑性変形可能な、特に一体のフェルール100が、好ましくは軸方向Axに完全に開いて形成され、クリンプフランク130、140として形成される2つの装着機構130、140を有する。各クリンプフランク130、140は周縁部132、142を有する。互いに関連する2つの周縁部132、142は、好ましくは、相補的に、または互いに実質的にぴったり合うように形成されて、クリンプ状態のフェルール100では、クリンプスリット109が、接続ユニット100またはフェルール100の軸方向Axにおいて、装着されたフェルール100のクリンプフランク130、140間に実施的に光を通さないように形成される(
図6参照)。
【0052】
さらに、フェルール100の実質的全体を塑性変形させるときに、少なくとも1つの掛止ユニット、特に掛止突起をフェルール100に形成することができる。さらに、あるいはまたは加えて、フェルール100を塑性変形させるときに、リブまたは別の構造などの少なくとも1つの他のユニットをフェルール100に取り付けてもよい。これにより、フェルール100と、その外側に設けることのできる、外部導体522および/またはシールドコンタクトスリーブ300の端部524(
図7)との改良された電気コンタクト挙動が得られる。任意により、電気的に非導電性のフェルール100を使用してもよい。
【0053】
フェルール100またはクリンプフランク130、140は、クリンプ部103として構成され、クリンプ部103は、本発明によれば、実質的にすべての断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部103としてクリンプ状態(
図6)で、2軸ケーブル50に取り付けられる。この場合、
図5は、フェルール100またはそのクリンプ部103のクリンプ状態を、2つのクリンプ工具90、例えばクリンプ機械により確立する様子を示す。クリンプ部103は、クリンプされる前に、既におよそオーバル形の断面幾何形状を有していてもよいし、クリンプ中にのみその形状を得てもよい。
【0054】
図6~
図7に示す任意の(第3の)サブステップI.3では、フェルール100の下で突出したままである外部導体522の自由端部524を、好ましくは、フェルール100上の外側に動かす(軸方向の軸Axの周りに延びるU字形断面を有する、外部導体522の自由移動端部524。
図10参照)。したがって、サブステップI.3を省略する場合には(省略可能である)、フェルール100を導電性材料から作ることが好ましい。さらに、ここでは、外部導体522の自由端部をフェルール100の自由端部に軸方向Axに実質的に一致させることが好ましい。
【0055】
図示しない(第4の)サブステップI.4では、移動端部524の自由端部で突出する、2軸ケーブル50の2つの長手方向自由端部が、好ましくは、長手方向端部領域で露出される(結果は
図7参照)。これは、2つの長手方向端部が移動端部524で突出し、この長手方向端部が自由端部から始まって、最初にそれぞれ裸の内部電気導体501、502を含み、さらに内部絶縁体511、512をそれぞれ備えた内部電気導体501、502を奥に含むことを意味する。このサブステップI.4では、端子200、200を内部電気導体501、502に設けることができ、かつ内部電気導体501、502間の間隙が、接続ユニット10内で、さほど急ではなく拡大され得る程度まで、内部電気導体501、502がそれぞれの内部絶縁体511、512から自由にされる。
【0056】
組立方法の第2のステップIIは、図面に示されず、省略されている。第2のステップIIでは、この場合、ソケットコンタクトユニット200、200(
図11参照)として形成される端子200、200が、内部電気導体501、502(長手方向端部領域)に設けられる。第2のステップIIの最後に、フェルール100および端子200、200を含む2軸ケーブル50を有する、サブアセンブリと呼ぶこともできる2軸ケーブル(予備)組立体5が得られる。
【0057】
細長い、特に一体に構成された端子200、200はそれぞれ、後端部に装着部、例えばクリンプ部を有する。各端子200、200は、前端部に、この場合ソケットコンタクト部として設計される電気コンタクト部を有する。勿論、ピンコンタクト部、ペグコンタクト部、タブコンタクト部などを使用してもよい。加えて、それぞれの端子200、200は、クリンプ部とコンタクト部との間に移行部を有することができる。さらに、それぞれの端子200、200は、それぞれの端子200、200を定位置にロックするための掛止ユニットを、好ましくは移行部に有することができる。
【0058】
第2のステップIIで、最初に、それぞれの端子200、200を、端子用のキャリアストリップから分離する。次に、それぞれのクリンプ部を、関連する内部電気導体501、502の関連する長手方向自由端部領域へ動かし、または関連する内部電気導体501、502の関連する長手方向自由端部領域とクリンプ部とを互いに向かって動かし、関連する内部電気導体501、502の関連する長手方向端部領域は、それぞれのクリンプ部の基礎に置かれる。続いて、それぞれのクリンプ部を関連する内部電気導体501、502にクリンプする。
【0059】
これは、逆に行うことができ、すなわち、それぞれのクリンプ部を関連する内部電気導体501、502にクリンプすることができ、それぞれの端子200、200はキャリアストリップに配置されたままとする。これによって得られる2軸ケーブル(予備)組立体5は、その後、すなわちそれに続いてのみ、キャリアストリップから分離される。勿論、クリンプ方法の代わりに、異なる方法を適用してもよく、その場合、それぞれの端子200、200は、対応した異なる形(クリンプ部の代わりに、接着部、はんだ付け部、溶接部など)で構成される。
図7は、端子200、200のない2軸ケーブル(予備)組立体5を示す。
【0060】
さらに、
図8~
図10は、組立方法の第3のステップIIIを示し、
図7の2軸ケーブル(予備)組立体5がさらに組み立てられている。これにより、フェルール100、端子200、200、およびシールドコンタクトスリーブ300を含む2軸ケーブル50を有する2軸ケーブル(完全)組立体5が得られる。電気コネクタ1(コネクタハウジングなし)を含むまたは有する2軸ケーブル完全組立体5を、さらなる動作なしで相手側コネクタ1(
図11)にプラグ接続できるように取り付けてもよい。あるいは、2軸ケーブル完全組立体5のコネクタ1を、主に、かつ任意でさらに補助的にコネクタハウジング20(任意で、
図11に破線で示す)に掛止させてもよい。
【0061】
組立方法の第3のステップIIIは、シールドコンタクトスリーブ300を装着することに関する。細長い、特に一体に構成されたシールドコンタクトスリーブ300は、この場合、クリンプスリーブ300として形成される。この場合、シールドコンタクトスリーブ300は、後端部に、装着部301、特に絶縁クリンプ部301を有し、この部分は、互いに対向した、(絶縁)クリンプフランク310、320として形成される2つの装着機構310、320を含む。この場合、(絶縁)クリンプフランク310、320を、開いた、割けた、曲げられた、かつ/または予め丸められた状態で形成することができる。さらに、(絶縁)クリンプフランク310、320を、第3のステップIIIの範囲内で曲げる、または予め丸めることができる。
【0062】
前端部で、シールドコンタクトスリーブ300は、相手側コネクタに電気的に接触するシールドコンタクト部305(
図11のみ)を有する。シールドコンタクトスリーブ300は、絶縁クリンプ部301とシールドコンタクト部305との間に、装着部303、特に外部導体クリンプ部303を有し、この部分は、互いに対向した、(導体)クリンプフランク330、340として形成される2つの装着機構310、320を含む。この場合、(導体)クリンプフランク330、340を、開いた、割けた、曲げられた、かつ/または予め丸められた状態で形成することができる。外部導体クリンプ部303の(導体)クリンプフランク330、340は、好ましくは、絶縁クリンプ部301の(絶縁)クリンプフランク310、320に移行し、または、クリンプフランク310、320はクリンプフランク330、340に移行する。
【0063】
好ましくは、シールドコンタクトスリーブ300の絶縁クリンプ部301および外部導体クリンプ部303のみが、少なくとも部分的に塑性変形可能である。この場合、好ましくは4つのクリンプフランク310、320、330、340のみが設けられる。各クリンプフランク310、320、330、340は、好ましくは、周縁部312、322、332、342を有し、互いに関連する周縁部312、322;332、342は、好ましくは、互いに相補的に、または互いに実質的にぴったり合うように形成されて、クリンプスリット309を、シールドコンタクトスリーブ300の軸方向Axにおいて(
図11参照)、装着されたシールドコンタクトスリーブ300のクリンプフランク310、320、330、340間に実質的に光を通さないように形成することができるようにする(
図9参照)。シールドコンタクトスリーブ300は、好ましくは、クリンプスリット309の始まりが、クリンプされていないシールドコンタクトスリーブ300内で既に見えており、クリンプ中にのみ現れるのではないように形成される。
【0064】
シールドコンタクトスリーブ300は、好ましくはスリーブ状に構成された、シールドコンタクト部305と外部導体クリンプ部303との間に移行部を有することができる。さらに、シールドコンタクトスリーブ300は、特に外部導体クリンプ部303に、フェルール100を定位置にロックするための掛止ユニットを有することができる。さらに、誘電体400をシールドコンタクトスリーブ300内に設けるまたは取り付けることができる。誘電体400は、端子200、200に対してシールドコンタクトスリーブ300を電気的に絶縁するように機能し、さらに好ましくは、シールドコンタクトスリーブ300、したがって接続ユニット10内で端子200、200を支持するかつ/または中心に置くように機能する。
【0065】
以下で、組立方法の第3のステップIIIについてさらに詳細に説明する。(第1の)サブステップIII.1では、最初に形成され、(予め)曲げられかつ/または予め丸められたクリンプフランク310、320、330、340を有するシールドコンタクトスリーブ300と、第2のステップIIにより得られた2軸ケーブル(予備)組立体5またはサブアセンブリとを対にする。シールドコンタクトスリーブ300は、第2のコンタクトデバイス300のキャリアストリップに留まることができる。クリンプフランクが(予め)曲げられまたは予め丸められる場合、絶縁クリンプフランク310、320のみを予め曲げるまたは予め丸めることが好ましい。これは、2軸ケーブル50の(予め)組み立てられた関連する長手方向自由端部が、関連するシールドコンタクトスリーブ300の後方からその内部へ動くことを意味する。
【0066】
次の(第2の)サブステップIII.2では、クリンプフランク310、320、330、340は、好ましくは、クリンプ機械内で完全に閉じられ、すなわちクリンプされ、フェルール100をシールドコンタクトスリーブ300に掛止させることができる。この場合、クリンプ部301、303は、シールドコンタクトスリーブ300を定位置に、好ましくは2軸ケーブル50またはその外部絶縁体530上、及び、フェルール100上または外部導体522の移動端部524上の両方にロックする。これで、シールドコンタクトスリーブ300を、キャリアストリップから取り外すことができるようになる。勿論、最初にシールドコンタクトスリーブ300をキャリアストリップから取り外し、次にそれを2軸ケーブル(予備)組立体5またはサブアセンブリと対にし、続いて、それをクリンプしてもよい。
【0067】
シールドコンタクトスリーブ300は、部分的にクリンプ部301、303として構成され、または2つのクリンプ部301、303を有し、このクリンプ部301、303は、本発明によれば、実質的にすべての断面がオーバル形の閉じられたクリンプ部301、303であるクリンプ状態(
図9、
図10)で、2軸ケーブル50(
図2による2軸ケーブル)に取り付けられる。この場合、絶縁クリンプ部301は、好ましくは、外部導体クリンプ部303よりも大きい直径を有する。それぞれのクリンプ部301、303は、クリンプ前に既におよそオーバル形の断面幾何形状を有していてもよいし、クリンプ中にのみ、その形状を得ることができてもよい。
図1による2軸ケーブルを使用する場合は、クリンプ状態の絶縁クリンプ部301は、実質的にすべての断面に円形の幾何形状を有する。
【符号の説明】
【0068】
0 電気(プラグ)接続部
1 電気(小型)(2軸)コネクタ
5 (2軸)ケーブル(予備/完全)組立体
10 電気接続ユニット
20 コネクタハウジング(任意)
50 電気(2軸)ケーブル
90 クリンプ工具
100 (第1の)電気(小型)(2軸)コンタクトデバイス(任意で接続ユニット)、フェルール
103 (閉じられた:オーバル形)クリンプ部
109 (閉じられた)クリンプスリット
130 (第1の)クリンプフランク
132 周縁部
140 (第2の)クリンプフランク
142 周縁部
150 キャリアストリップ
200 (第2の)電気(小型)(2軸)コンタクトデバイス(任意で接続ユニット)、端子
300 (第2の/第3の)電気(小型)(2軸)コンタクトデバイス(任意で接続ユニット)、シールドコンタクトスリーブ
301 (閉じられた:オーバル形)(絶縁)クリンプ部
303 (閉じられた:オーバル形)(外部導体)クリンプ部
305 電気(シールド)コンタクト部
309 コンタクトデバイス300の(閉じられた)クリンプスリット
310 (第1の)(絶縁)クリンプフランク
312 周縁部
320 (第2の)(絶縁)クリンプフランク
322 周縁部
330 (第1の)(導体)クリンプフランク
332 周縁部
340 (第2の)(導体)クリンプフランク
342 周縁部
400 誘電体
501 (第1の)内部電気導体(信号)
502 (第2の)内部電気導体(信号)
511 (第1の)内部絶縁体
512 (第2の)内部絶縁体
520 フィルム
522 外部電気導体(電磁シールド)
524 外部導体522の((自由)移動)端部
530 外部絶縁体
Ax 軸方向/長手方向、軸平面
Ra 半径方向、半径方向平面
Um 周方向、接平面
S 接続ユニット10のプラグイン方向