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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】紫外線硬化樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/14 20060101AFI20220927BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20220927BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20220927BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20220927BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20220927BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
C09J175/14
C09J4/02
C09J11/06
B32B27/30 A
B32B27/40
B32B27/16 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018193946
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063315
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】野依 慎太郎
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/003981(WO,A1)
【文献】特開2004-002532(JP,A)
【文献】特開2011-079888(JP,A)
【文献】特開2017-043703(JP,A)
【文献】特開2015-030752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-5/10、9/00-201/10
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリテトラメチレングリコール骨格のウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレートモノマー(B)と、ポリジメチルシロキサン(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、(B)における水酸基又はアミド結合を有する(メタ)アクリレートの比率が35重量%以上であることを特徴とする仮接着用紫外線硬化樹脂組成物。
【請求項2】
前記(B)の組成物全体に対する配合量が30~75重量%であることを特徴とする請求項1記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1または2記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物を用いたラミネートシート。
【請求項4】
少なくとも一方が透光性である2つの基材の片方に紫外線硬化樹脂を塗布して硬化後、どちらか一方の基材に紫外線硬化樹脂を塗布し、その後樹脂塗布面を貼り合わせ、透光性である基材面から紫外線照射して仮接着させ、該紫外線硬化樹脂が請求項1または2記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物であることを特徴とするラミネートシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報担持シートに代表されるラミネートシート等の貼り合わせに適した仮接着用の紫外線硬化樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隠匿状態を保持した情報の送付には封書が用いられてきたが、現在はV型またはZ型のハガキの内側に情報を記載した上で接着し、隠匿状態を保った状態で郵送できるハガキが用いられるようになり、これらは一般に情報担持シートと総称されている。
【0003】
過去に出願人は情報担持シートに用いることができる接着剤として、酢酸ビニルエマルジョンと可塑剤と脂肪酸カルシウムからなる組成物を発明している(特許文献1)。この発明は、剥離性が良好で、また剥離後は情報記載面にべたつきが残らないという特徴を有した優れたものであった。しかしながら水系の接着剤であるため、塗布後は乾燥や養生が必要という点で問題があった。
【0004】
一方、こうした問題に対応できる接着剤として、分子量と構造を特定したアクリル系オリゴマーと、2種類以上のアクリル系光重合性モノマーと、光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂が提案(特許文献2)されており、この組成物は、基材に樹脂を塗布してから光硬化し、硬化後に塗布面を貼り合わせ加圧するという方法で使用する。一方で透光性を有した基材を用いて加圧せずにラミネートをする場合、すなわち片方の基材に塗布した樹脂を硬化させた後に、どちらか一方の基材に塗布した樹脂を未硬化の状態で樹脂面同士を貼り合わせ、その後光硬化させてラミネートする場合は、貼り合わせ界面が接着固化し剥離ができなかった。そのため、このような樹脂の硬化前に貼り合わせを行い、その後に光硬化させる場合には、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許5008934号公報
【文献】特許4422820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、情報担持シートに代表されるラミネートシート等に使用することができる、接着界面での剥離が容易で、かつ剥離後の界面がべとつかない仮接着用の紫外線硬化樹脂組成物を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、ポリテトラメチレングリコール骨格のウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレートモノマー(B)と、ポリジメチルシロキサン(C)と、光重合開始剤(D)と、を含み、(B)における水酸基又はアミド結合を有する(メタ)アクリレートの比率が35重量%以上であることを特徴とする仮接着用紫外線硬化樹脂組成物を提供する。
【0008】
また、請求項2の発明は、前記(B)の組成物全体に対する配合量が30~75重量%であることを特徴とする請求項1記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物を提供する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物を用いたラミネートシートを提供する。
【0010】
また、請求項4の発明は、少なくとも一方が透光性である2つの基材の片方に紫外線硬化樹脂を塗布して硬化後、どちらか一方の基材に紫外線硬化樹脂を塗布し、その後樹脂塗布面を貼り合わせ、透光性である基材面から紫外線照射して仮接着させ、該紫外線硬化樹脂が請求項1または2記載の仮接着用紫外線硬化樹脂組成物であることを特徴とするラミネートシートの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の組成物は、接着界面での剥離が容易で、かつ剥離後の界面がべとつかない仮接着用の紫外線硬化樹脂組成物であり、情報担持シートに代表されるラミネートシート等に用いる接着剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の紫外線硬化樹脂組成物の構成は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレートモノマー(B)と、ポリジメチルシロキサン(C)と、光重合開始剤(D)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
【0013】
本発明に使用されるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、硬化皮膜を構成する主要成分の1つで、耐摩耗性、低温での柔軟性に優れるポリテトラメチレングリコール(以下PTMG)骨格を有する光反応性の樹脂である。(メタ)アクリロイル基の数は2~6が好ましく、2~4が更に好ましい。例えば、2官能のウレタン(メタ)アクリレートの場合は、PTMGとジイソシアネートを付加反応して得られる化合物に、水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを縮合反応させたものが、4官能のウレタン(メタ)アクリレートの場合は、PTMGとジイソシアネートとの反応物に、水酸基を有する2官能(メタ)アクリレートを縮合反応させたものが例示できる。
【0014】
前記(A)の重量平均分子量(以下Mw)は、1,000~30,000が好ましく、1,500~10,000が更に好ましく、2,000~6,000が特に好ましい。1,000以上とすることで充分な凝集力を確保することができ、30,000以下とすること扱いやすい粘度にコントロールしやすくできる。なおMwは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、スチレンジビニルベンゼン基材の充填剤を用いたカラムでテトラハイドロフラン溶離液を用いて、標準ポリスチレン換算の分子量を測定、算出した。
【0015】
組成物全体に対する(A)の配合量としては、15~60重量%が好ましく、18~55重量%が更に好ましい。15重量%以上とすることで充分な凝集力を確保でき、60重量%以下とすることで扱いやすい粘度にコントロールしやすくできる。
【0016】
本発明に使用される(メタ)アクリレートモノマー(B)は、(A)と同様に硬化皮膜を構成する主要成分であり、硬化性向上と反応性希釈剤として配合する。特に(A)との相溶性が良好な点で、極性基または/及び極性骨格を有することが好ましく、少なくとも(B)におけるそれらの配合比率は35重量%以上であり、40重量%以上が好ましく、45重量%以上が更に好ましい。35%未満では(A)との相溶性が低下して白化し、また粘度が高くなり塗布性が悪くなるため不可である。
【0017】
前記(B)の極性基または/及び極性骨格としては、例えば水酸基、アミド結合、エーテル骨格等
を挙げることができる。水酸基を有する(B)としては、具体的には2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが、アミド結合を有する(B)としては、具体的には(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリルロイルモルフォリン等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、低粘度、(A)との相溶性の点で4-ヒドロキシブチルアクリレート(以下4-HBA)、皮膚刺激性及び蒸気圧が低いアクリロイルモルフォリンが特に好ましい。
【0018】
またポリエーテル骨格を有する(B)としては、具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、硬化物の凝集力が高い点でポリテトラメチレングリコールジアクリレートが特に好ましい。
【0019】
前記(B)の組成物全体に対する配合量は30~75重量%が好ましく、35~72重量%が更に好ましい。30重量%以上とすることで充分な硬化性を確保することができ、75重量%以下とすることで作業性に適した粘度にコントロールすることが可能となる。
【0020】
本発明に使用されるポリジメチルシロキサン(C)は、硬化皮膜間の密着性を低下させ界面剥離しやすくすると同時に、剥離界面のべとつきを抑える役割で配合する。(C)の側鎖や主鎖は変性されていてもよく、例えばポリエーテル変性、ポリエステル変性が例示でき、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では分子の極性を高くして(A)との相溶性を向上させることができる点で、ポリエチレンオキサイド変性、ポリエステル変性が特に好ましい。また分子内にアクリル官能基を有する場合は、(A)および(B)と反応してポリマー内に(C)を取り込むことができる。
【0021】
前記(C)の組成物全体に対する配合量は0.1~12重量%が好ましく、0.5~10重量%が更に好ましい。0.1重量%以上とすることで充分な剥離性を確保することができ、12重量%以下とすることで充分な硬化性を確保することが可能となる。市販のポリジメチルシロキサン(C)としてはBYK-UV3500、BYK-UV3570(商品名:ビックケミ-ジャパン社製)、TEGO Glide ZG400(商品名:Evonik社製)などが挙げられる。
【0022】
本発明に使用される光重合開始剤(D)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α-ヒドロキシアセトフェノン系として1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン及び1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、黄変しにくいα-ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましく、市販品としてはIrgacure184(商品名:BASFジャパン社製)、Omnirad184(商品名:iGM社製)などがある。
【0023】
前記(D)の配合量は、光硬化成分100重量部に対して0.5~10重量部が好ましく、3~8
重量部が更に好ましい。この範囲で配合することにより、組成物を効率的に硬化させることが可能と
なる。
【0024】
本発明の組成物には、性能を損なわない範囲で、必要により可塑剤、酸化防止剤顔料、染料、光安定剤、光増感剤、消泡剤、増粘剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、有機微粒子及び濡れ性調整剤等の各種添加剤が含まれていても良い。
【0025】
本発明をラミネートシートで使用する方法は、少なくとも一方が透光性である2つの基材の片方に本発明の樹脂組成物を塗布して光硬化後、どちらか一方の基材へ同様に樹脂組成物を塗布し、その後樹脂塗布面同士を貼り合わせ、透光性である基材面から紫外線照射して一体硬化させる。この方法であれば、従来必要とされた、貼り合わせ後の加圧工程が不要となり、簡便にラミネート加工が可能となる。
【0026】
本発明で用いる基材としては、紙、木材、布、金属箔、プラスチックフィルム、プラスチックシート、プラスチックラミネート紙、プラスチックラミネート布などを挙げることができるが、少なくとも貼り合わせる基材の片方は透光性でなければならない。透光性のあるプラスチックシートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルが例示できるが、透光性があればプラスチックに限られるものではない。
【0027】
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって、特にこれらに限定するものではない。なお表記が無い場合は、室温は25℃相対湿度65%の条件下で測定を行った。また配合量は重量部を示し、実施例5は参考例として記載する。
【実施例
【0028】
実施例1
遮光ビンに、前記(A)としてSUA-023(商品名:亜細亜工業社製、PTMG骨格ウレタンアクリレート、2官能、Mw2600)を、前記(B)の極性モノマーとしてACMO(商品名:KJケミカルズ社製、アクリロイルモルフォリン)を、非極性モノマーとしてNOAA(商品名:大阪有機化学工業社製、ノルマルオクチルアクリレート)を、前記(C)としてTEGOGlide ZG-400(商品名:Evonik社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)を、光重合開始剤(D)としてOmnirad184(商品名:iGM社製、1-ヒドロキシシクロヘキシルケトン)を表1に示す量入れ、撹拌脱泡機を用いて均一になるまで撹拌し実施例1の樹脂組成物を調整した。
【0029】
実施例2~10
実施例1で用いた材料の他、前記(A)としてSX56-21(商品名:亜細亜工業、PTMG骨格ウレタンアクリレート、4官能、Mw4300)を、前記(B)の極性モノマーとして4-HBA(商品名:大阪有機化学工業社製、4-ヒドロキシブチルアクリレート)及びM-240(商品名:東亜合成社製、PEG#200ジアクリレート)を、非極性モノマーとしてライトアクリレートL-A(商品名:共栄社化学社製、ラウリルアクリレート)を、前記(C)としてBYK-UV3570(商品名:アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン)及びBYK-UV3500(商品名:アクリル基含有ポリエ-テル変性ポリジメチルシロキサン)を用い、表1記載の配合にて撹拌脱泡機を用いて均一になるまで撹拌し実施例2~10の樹脂組成物を調製した。
【0030】
比較例1~5
実施例で用いた材料の他、イソシアヌレート系ウレタンアクリレートとしてRUA-051(商品名:亜細亜工業社製、3官能)を、非極性モノマーとしてISTA(商品名:大阪有機化学工業社製、イソステアリルアクリレート)を用い、表1記載の配合にて撹拌脱泡機を用いて均一になるまで撹拌し比較例1~5の樹脂組成物を調製した。
【0031】
表1
【0032】
評価方法は以下の通りとした。
【0033】
粘度:東機産業製のE型粘度計RE-215Rを用い、コーン角3°R17.65で25±1℃、回転数500mPs・s以下は10rpm、500mPs・s超は20rpmで測定した。
【0034】
硬化性:上記紫外線硬化樹脂組成物をPETフィルムA4300(商品名:東洋紡社製、厚さ75μm)に、膜厚が10μmとなるよう塗布し、フュージョンUVシステムジャパン製の無電極UV照射装置F300S/LC-6Bを用い、Hバルブで出力1300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2で紫外線硬化させ、その後指触で表面べとつきを確認し、べとつき無しを○、有りを×とした。
【0035】
全光線透過率:JISK7361-1に準拠し、東洋精機製作所製のヘイズメーターHaze-gard2を用いて測定し、評価は91%以上を○、91%未満を×とした。測定サンプルは上記硬化性評価で使用したサンプルと同様のものを用いた。
【0036】
ヘーズ:JISK7361-1に準拠し、東洋精機製作所製のヘイズメーターHaze-gard2を用いて測定し、評価は1%未満を○、1%以上を×とした。測定サンプルは上記硬化性評価で使用したサンプルと同様のものを用いた。
【0037】
剥離強度:PETフィルムA4300(商品名:東洋紡社製、厚さ75μm)に、膜厚が10μmとなるよう塗布し,上記硬化性評価で使用したサンプルと貼り合わせた後、フュージョンUVシステムジャパン製の無電極UV照射装置F300S/LC-6Bを用い、Hバルブで出力1300mW/cm2、積算光量300mJ/cm2で紫外線硬化させた。硬化させたサンプルを150*25mmのサイズに切り出した。Techno Graph製の引張り試験機TGI-1kNを用い、クロスヘッドスピード300mm/min.で環境温度23℃における、T字剥離強度を測定し、材料破壊で剥離強度が10N/25mmより大きい場合を×、0.1~10N/25mmの剥離強度で接着面同士が界面剥離している場合を○とした。
【0038】
実施例の評価結果を表2に示す。
表2
【0039】
実施例の樹脂組成物は、硬化性、全光線透過率、ヘーズ、剥離強度のいずれも良好であった。
【0040】
一方、(C)が未配合の比較例1は剥離ができず、(B)の極性モノマー比率が低い、或いは未配合の比較例2~4は相溶性が低く液が白化し、PTMG骨格でないウレタンアクリレートを配合した比較例5も同じく白化し、いずれも本願発明に適さないものであった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の組成物は、接着界面での剥離が容易で、かつ剥離後の界面がべとつかない仮接着用の紫外線硬化樹脂組成物であり、情報担持シートに代表されるラミネートシート等に用いる接着剤として有用である。