(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】表示パネル、表示パネルの製造方法、及び基板
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220927BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220927BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220927BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220927BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20220927BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 338
G09F9/00 352
G09F9/30 348A
G09F9/33
H01L33/00 L
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2018221075
(22)【出願日】2018-11-27
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金谷 康弘
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-522585(JP,A)
【文献】特開2018-101785(JP,A)
【文献】特開2005-340803(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0049117(KR,A)
【文献】国際公開第2018/116814(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107807926(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S2/00
F21V8/00
G09F9/00-9/46
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
27/32
33/00-33/64
51/50
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた第2絶縁層と、
前記基板の上に設けられ表示領域に位置しそれぞれ複数色の副画素を含
む第1画素及び第2画素と、を備え、
各々の前記副画素は、
前記第1絶縁層で覆われた駆動トランジスタと、
前記第1絶縁層の上に配置され、前記駆動トランジスタに電気的に接続された導電層と、
前記第2絶縁層の上に配置され、前記導電層に電気的に接続され、前記導電層を介して前記駆動トランジスタから電流値が制御された信号が与えられる画素電極と、
前記画素電極の上に実装され、前記画素電極に電気的に接続された第1電極を含む発光素子と、を有し、
各々の前
記第1画素及び前記第2画素は、前記第2絶縁層の上に配置され前記画素電極に間隔を置いて位置し前記各々の副画素の前記導電層に重ねられた実装電極を有し
、
前記第2画素は、前記実装電極の上に実装され前記実装電極に電気的に接続された第1電極を含む第1色の追加発光素子をさらに有し、
前記発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、発光ダイオードであり、
前記第1画素において、前記実装電極は、電気的にフローティング状態に
あり、
前記第2画素において、
前記実装電極は、前記第2絶縁層の開口を通じて前記第1色の前記副画素の前記導電層に接し、前記駆動トランジスタから前記電流値が制御された信号が与えられ、
前記第1色の副画素の前記駆動トランジスタから前記電流値が制御された信号が前記第1色の副画素の前記画素電極及び前記実装電極に与えられた際、前記第1色の副画素の前記第1色の前記発光素子は発光せず、前記第1色の追加発光素子は発光する、
表示パネル。
【請求項2】
前記第2画素において、
前記実装電極は、第2色の前記副画素の前記導電層と電気的に絶縁され、第3色の前記副画素の前記導電層と電気的に絶縁されている、
請求
項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記導電層の融点は、前記実装電極の融点より高い、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記導電層は、モリブデン又はモリブデン合金で形成された金属層を含み、
前記実装電極及び前記画素電極は、アルミニウムで形成されている、
請求
項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記実装電極のうち、各々の前記導電層と対向している領域は隆起している、
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第2絶縁層、前記複数の画素電極、及び前記複数の実装電極の上に位置し、前記第2絶縁層、前記複数の画素電極、及び前記複数の実装電極を覆い、各々の前記画素電極及び前記実装電極の一部を露出させた第3絶縁層をさらに備える、
請求
項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第3絶縁層、前記複数の発光素子、及び前記追加発光素子の上に設けられ、前記複数の発光素子及び前記追加発光素子を露出させた第4絶縁層と、
前記第4絶縁層、前記複数の発光素子、及び前記追加発光素子の上に配置され、前記複数の副画素で共用された共通電極をさらに備え、
前記複数の発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、前記共通電極に電気的に接続された第2電極を含んでいる、
請求
項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第2画素において、電流は、前記第1色の副画素の前記画素電極と前記共通電極との間を、前記第1色の前記発光素子を介して流れない、
請求
項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、マイクロ発光ダイオードである、
請求
項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第2絶縁層と、前記基板の上に設けられ表示領域に位置しそれぞれ複数色の副画素を含む複数の画素と、を備え、各々の前記副画素は、前記第1絶縁層で覆われた駆動トランジスタと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記駆動トランジスタに電気的に接続された導電層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記導電層に電気的に接続され、前記導電層を介して前記駆動トランジスタから電流値が制御された信号が与えられる画素電極と、前記画素電極の上に実装され、前記画素電極に電気的に接続された第1電極を含む発光素子と、を有し、各々の前記画素は、前記第2絶縁層の上に配置され前記画素電極に間隔を置いて位置し前記各々の副画素の前記導電層に重ねられた実装電極を有するパネルを用意し、
前記パネルを用意した後、前記複数の発光素子に発光不良が生じているかどうか検査し、
前記複数の画素のうち第1画素の前記複数の発光素子に発光不良が生じていない場合、前記第1画素の前記実装電極を、電気的にフローティング状態に維持し、
前記複数の画素のうち第2画素の第1色の前記副画素の前記第1色の前記発光素子に発光不良が生じている場合、
前記第2画素の前記第1色の発光素子にレーザ光を照射し
、
前記レーザ光を照射することにより、前記第2画素の前記第1色の発光素子にダメージを与え、前記第2画素の前記第1色の発光素子を破損させ、
前記第2画素の前記実装電極の上に前記第1色の追加発光素子を実装し、前記追加発光素子の第1電極を前記実装電極に電気的に接続し、
前記第2画素において、前記実装電極のうち、前記第1色の前記副画素の前記導電層が重ねられた領域にレーザ光を照射し、前記実装電極を前記第1色の前記副画素の前記導電層に短絡させ、前記実装電極を前記第1色の前記副画素の前記駆動トランジスタに電気的に接
続し、
前記発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、発光ダイオードである、
表示パネルの製造方法。
【請求項11】
前記第2絶縁層、前記複数の画素電極、及び前記複数の実装電極の上に位置し、前記第2絶縁層、前記複数の画素電極、及び前記複数の実装電極を覆い、各々の前記画素電極及び前記実装電極の一部を露出させる開口を有する第3絶縁層を形成し、かつ、前記追加発光素子を実装し、かつ、前記第2画素において、前記実装電極を前記第1色の前記副画素の前記導電層に短絡させた後、
前記第3絶縁層、前記複数の発光素子、及び前記追加発光素子の上に設けられ、前記複数の発光素子及び前記追加発光素子を露出させた第4絶縁層をさらに形成する、
請求
項10に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項12】
前記第4絶縁層、前記複数の発光素子、及び前記追加発光素子の上に、前記複数の副画素で共用される共通電極を形成し、
前記共通電極を、前記複数の発光素子及び前記追加発光素子のそれぞれの第2電極に電気的に接続させる、
請求
項11に記載の表示パネルの製造方法。
【請求項13】
1つの画素内において、第1色マイクロ発光ダイオードと、第2色マイクロ発光ダイオードと、第3色マイクロ発光ダイオードと、前記第1色マイクロ発光ダイオードが実装される第1電極と、前記第2色マイクロ発光ダイオードが実装される第2電極と、前記第3色マイクロ発光ダイオードが実装される第3電極と、第4電極と、第1無機絶縁膜と、前記第1電極と接続される第1配線と、前記第2電極と接続される第2配線と、前記第3電極と接続さる第3配線と、を備え、
前記第1色マイクロ発光ダイオード、前記第2色マイクロ発光ダイオード、前記第3色マイクロ発光ダイオードは、それぞれ異なる色であり、
前記第4電極は電気的にフローティング状態にあり、
前記第1無機絶縁膜の第1面は、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、及び前記第4電極に接し、
前記第1無機絶縁膜の前記第1面と対向する第2面は、前記第1配線、前記第2配線、及び前記第3配線に接し、
前記第1配線、前記第2配線、及び前記第3配線は、それぞれ前記第4電極に向かって引き出され、
前記第4電極に向かって延びる前記第1配線の先端、前記第2配線の先端、及び前記第3配線の先端は、それぞれ前記第4電極に重畳し、
前記第4電極は、前記第1配線、前記第2配線、及び前記第3配線とそれぞれ前記第1無機絶縁膜によって絶縁されている、
基板。
【請求項14】
前記第4電極は、第1方向において前記第2電極に隣合い、前記第1方向に垂直な第2方向において前記第1電極に隣合い、
前記第3電極は、前記第1方向において前記第1電極に隣合い、前記第2方向において前記第2電極に隣合う、
請求
項13に記載の基板。
【請求項15】
前記第1電極、前記第2電極、及び前記第3電極は、第1方向において間隔を置いて並び、
前記第4電極は、前記第1方向と垂直な第2方向において、前記第1から前記第3電極のうち少なくともに一つの電極と対向する、
請求
項13に記載の基板。
【請求項16】
さらに、前記第1から前記第4電極を覆う第2無機絶縁膜を備え、
前記第2無機絶縁膜は、前記画素内において、第1開口部、第2開口部、第3開口部、及び第4開口部を有し、
前記第1色マイクロ発光ダイオードは、前記第1開口部を介して前記第1電極と接続し、
前記第2色マイクロ発光ダイオードは、前記第2開口部を介して前記第2電極と接続し、
前記第3色マイクロ発光ダイオードは、前記第3開口部を介して前記第3電極と接続し、
前記第4開口部は前記第4電極を露出し、
前記第4電極には前記第1色から前記第3色マイクロ発光ダイオードのいずれも接続されていない、
請求
項13に記載の基板。
【請求項17】
前記第1無機絶縁膜の前記第1面は、前記第1電極から前記第4電極のそれぞれが離れた位置において、前記第2無機絶縁膜と接している、
請求
項16に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示パネル、表示パネルの製造方法、及び基板に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルとして、自発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いたLED表示パネルが知られている。近年では、より高精細な表示パネルとして、マイクロLEDと称される微小な発光ダイオードをアレイ基板に実装した表示パネル(以下、マイクロLED表示パネルと称する)が開発されている。
マイクロLEDディスプレイは、従来の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイと異なり、表示領域に、チップ状の多数のマイクロLEDが実装されて形成されるため、高精細化と大型化の両立が容易であり、次世代の表示パネルとして注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-10309号公報
【文献】特開2018-41752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態は、リペアを容易に行うことが可能な表示パネル、表示パネルの製造方法、及び基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る表示パネルは、
基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第2絶縁層と、前記基板の上に設けられ表示領域に位置しそれぞれ複数色の副画素を含む第1画素及び第2画素と、を備え、
各々の前記副画素は、前記第1絶縁層で覆われた駆動トランジスタと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記駆動トランジスタに電気的に接続された導電層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記導電層に電気的に接続され、前記導電層を介して前記駆動トランジスタから電流値が制御された信号が与えられる画素電極と、前記画素電極の上に実装され、前記画素電極に電気的に接続された第1電極を含む発光素子と、を有し、
各々の前記第1画素及び前記第2画素は、前記第2絶縁層の上に配置され前記画素電極に間隔を置いて位置し前記各々の副画素の前記導電層に重ねられた実装電極を有し、
前記第2画素は、前記実装電極の上に実装され前記実装電極に電気的に接続された第1電極を含む第1色の追加発光素子をさらに有し、
前記発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、発光ダイオードであり、
前記第1画素において、前記実装電極は、電気的にフローティング状態にあり、
前記第2画素において、
前記実装電極は、前記第2絶縁層の開口を通じて前記第1色の前記副画素の前記導電層に接し、前記駆動トランジスタから前記電流値が制御された信号が与えられ、
前記第1色の副画素の前記駆動トランジスタから前記電流値が制御された信号が前記第1色の副画素の前記画素電極及び前記実装電極に与えられた際、前記第1色の副画素の前記第1色の前記発光素子は発光せず、前記第1色の追加発光素子は発光する。
【0006】
また、一実施形態に係る表示パネルの製造方法は、
基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第2絶縁層と、前記基板の上に設けられ表示領域に位置しそれぞれ複数色の副画素を含む複数の画素と、を備え、各々の前記副画素は、前記第1絶縁層で覆われた駆動トランジスタと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記駆動トランジスタに電気的に接続された導電層と、前記第2絶縁層の上に配置され、前記導電層に電気的に接続され、前記導電層を介して前記駆動トランジスタから電流値が制御された信号が与えられる画素電極と、前記画素電極の上に実装され、前記画素電極に電気的に接続された第1電極を含む発光素子と、を有し、各々の前記画素は、前記第2絶縁層の上に配置され前記画素電極に間隔を置いて位置し前記各々の副画素の前記導電層に重ねられた実装電極を有するパネルを用意し、
前記パネルを用意した後、前記複数の発光素子に発光不良が生じているかどうか検査し、
前記複数の画素のうち第1画素の前記複数の発光素子に発光不良が生じていない場合、前記第1画素の前記実装電極を、電気的にフローティング状態に維持し、
前記複数の画素のうち第2画素の第1色の前記副画素の前記第1色の前記発光素子に発光不良が生じている場合、前記第2画素の前記第1色の発光素子にレーザ光を照射し、前記レーザ光を照射することにより、前記第2画素の前記第1色の発光素子にダメージを与え、前記第2画素の前記第1色の発光素子を破損させ、前記第2画素の前記実装電極の上に前記第1色の追加発光素子を実装し、前記追加発光素子の第1電極を前記実装電極に電気的に接続し、前記第2画素において、前記実装電極のうち、前記第1色の前記副画素の前記導電層が重ねられた領域にレーザ光を照射し、前記実装電極を前記第1色の前記副画素の前記導電層に短絡させ、前記実装電極を前記第1色の前記副画素の前記駆動トランジスタに電気的に接続し、
前記発光素子及び前記追加発光素子は、それぞれ、発光ダイオードである。
【0007】
また、一実施形態に係る基板は、
1つの画素内において、第1色マイクロ発光ダイオードと、第2色マイクロ発光ダイオードと、第3色マイクロ発光ダイオードと、前記第1色マイクロ発光ダイオードが実装される第1電極と、前記第2色マイクロ発光ダイオードが実装される第2電極と、前記第3色マイクロ発光ダイオードが実装される第3電極と、第4電極と、第1無機絶縁膜と、前記第1電極と接続される第1配線と、前記第2電極と接続される第2配線と、前記第3電極と接続さる第3配線と、を備え、前記第1色マイクロ発光ダイオード、前記第2色マイクロ発光ダイオード、前記第3色マイクロ発光ダイオードは、それぞれ異なる色であり、前記第4電極は電気的にフローティング状態にあり、前記第1無機絶縁膜の第1面は、前記第1電極、前記第2電極、前記第3電極、及び前記第4電極に接し、前記第1無機絶縁膜の前記第1面と対向する第2面は、前記第1配線、前記第2配線、及び前記第3配線に接し、前記第1配線、前記第2配線、前記第3配線は、それぞれ前記第4電極に向かって引き出され、前記第4電極に向かって延びる前記第1配線の先端、前記第2配線の先端、及び前記第3配線の先端は、それぞれ前記第4電極に重畳し、前記第4電極は、前記第1配線、前記第2配線、及び前記第3配線とそれぞれ前記第1無機絶縁膜によって絶縁されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、上記実施形態の副画素を示す等価回路図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した表示パネルを示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示した画素のレイアウトを示す平面図であり、各種配線と、画素電極と、実装電極とを示す図である。
【
図6】
図6は、上記実施形態の第1画素及び第2画素を示す平面図であり、画素電極と、実装電極と、発光素子と、第1導電層とを示す図である。
【
図7】
図7は、
図6の線VII-VIIに沿った表示パネルを示す断面図であり、第1画素を示す図である。
【
図8】
図8は、
図6の線VIII-VIIIに沿った表示パネルを示す断面図であり、第2画素を示す図である。
【
図9】
図9は、上記実施形態に係る表示装置の製造方法を説明するための図であり、発光素子にレーザ光を照射している状態を示す図である。
【
図10】
図10は、
図9に続き、上記製造方法を説明するための図であり、実装電極の上に追加発光素子を実装した状態を示す図である。
【
図11】
図11は、
図10に続き、上記製造方法を説明するための図であり、実装電極にレーザ光を照射している状態を示す図である。
【
図12】
図12は、上記実施形態の変形例に係る表示装置の第1画素及び第2画素を示す平面図であり、画素電極と、実装電極と、発光素子と、第1導電層とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、一実施形態に係る表示装置1の構成を示す斜視図である。
図1は、本実施形態に係る表示装置1の構成を示す斜視図である。
図1は、第1方向Xと、第1方向Xに垂直な第2方向Yと、第1方向X及び第2方向Yに垂直な第3方向Zによって規定される三次元空間を示している。なお、第1方向X及び第2方向Yは、互いに直交しているが、90°以外の角度で交差していてもよい。また、本実施形態において、第3方向Zを上と定義し、第3方向Zと反対側の方向を下と定義する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、第1部材から離れて位置していてもよい。
【0011】
以下、本実施形態においては、表示装置1が自発光素子であるマイクロ発光ダイオード(以下、マイクロLED(Light Emitting Diode)と称する)を用いたマイクロLED表示装置である場合について主に説明する。
【0012】
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル2、第1回路基板3、及び第2回路基板4等を備えている。なお、表示パネル2を基板と称する場合もある。
表示パネル2は、一例では矩形の形状を有している。図示した例では、表示パネル2の短辺EXは、第1方向Xと平行であり、表示パネル2の長辺EYは、第2方向Yと平行である。第3方向Zは、表示パネル2の厚さ方向に相当する。表示パネル2の主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX-Y平面に平行である。表示パネル2は、表示領域DA、及び表示領域DA以外の非表示領域NDAを有している。非表示領域NDAは、端子領域MTを有している。図示した例では、非表示領域NDAは、表示領域DAを囲んでいる。
【0013】
表示領域DAは、画像を表示する領域であり、例えばマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
端子領域MTは、表示パネル2の短辺EXに沿って設けられ、表示パネル2を外部装置などと電気的に接続するための端子を含んでいる。
【0014】
第1回路基板3は、端子領域MTの上に実装され、表示パネル2と電気的に接続されている。第1回路基板3は、例えばフレキシブルプリント回路基板である。第1回路基板3は、表示パネル2を駆動する駆動ICチップ(以下、パネルドライバと表記)5などを備えている。なお、図示した例では、パネルドライバ5は、第1回路基板3の上に実装されているが、第1回路基板3の下に実装されていてもよい。又は、パネルドライバ5は、第1回路基板3以外に実装されていてもよく、例えば第2回路基板4に実装されていてもよい。第2回路基板4は、例えばフレキシブルプリント回路基板である。第2回路基板4は、第1回路基板3の例えば下方において第1回路基板3と接続されている。
【0015】
上記したパネルドライバ5は、例えば第2回路基板4を介して制御基板(図示せず)と接続されている。パネルドライバ5は、例えば制御基板から出力される映像信号に基づいて複数の画素PXを駆動することによって表示パネル2に画像を表示する制御を実行する。
【0016】
なお、表示パネル2は、斜線を付して示す折り曲げ領域BAを有していてもよい。折り曲げ領域BAは、表示装置1が電子機器等の筐体に収容される際に折り曲げられる領域である。折り曲げ領域BAは、非表示領域NDAのうち端子領域MT側に位置している。折り曲げ領域BAが折り曲げられた状態において、第1回路基板3及び第2回路基板4は、表示パネル2と対向するように、表示パネル2の下方に配置される。
【0017】
図2は、表示装置1を示す回路図である。
図3は、本実施形態の副画素SPを示す等価回路図である。なお、
図2において、各種の配線の全てについて図示していない。
図2及び
図3に示すように、表示パネル2は、樹脂基板、ガラス基板等の光透過性を有する絶縁性の絶縁基板(基板)20、表示領域DAにて絶縁基板20の上にマトリクス状に配列された複数の画素PX、及び各種配線、走査線駆動回路YDR1、YDR2、及び信号線駆動回路XDRを備えている。
【0018】
各種配線は、複数本の第1走査線Sgaと、複数本の第2走査線Sgbと、複数本の第3走査線Sgcと、複数本の第4走査線Sgdと、複数本の映像信号線VLと、複数本の高電位電源線SLaと、複数本のリセット配線Sgrと、複数本の初期化配線Sgiと、を有している。
【0019】
本実施形態において、第1走査線Sga、第3走査線Sgc、及び第4走査線Sgdは、走査線駆動回路YDR1に接続され、第1方向Xに延出して設けられている。第2走査線Sgbは、走査線駆動回路YDRに接続され、第1方向Xに延出して設けられている。映像信号線VLは、信号線駆動回路XDRに接続され、第2方向Yに延出して設けられている。高電位電源線SLa、リセット配線Sgr、及び初期化配線Sgiは、第2方向Yに延出して設けられている。表示パネル2は、高電位Pvddに固定される高電位電源線SLaだけでなく、低電位Pvssに固定される低電位電源線SLbも有している。高電位電源線SLaは高電位電源に接続され、低電位電源線SLbは低電位電源に接続されている。
【0020】
走査線駆動回路YDR1は、第1走査線Sga、第3走査線Sgc、及び第4走査線Sgdを駆動するように構成されている。走査線駆動回路YDR2は、第2走査線Sgbを駆動するように構成されている。信号線駆動回路XDRは、映像信号線VLを駆動するように構成されている。走査線駆動回路YDR1、YDR2及び信号線駆動回路XDRは、非表示領域NDAにて絶縁基板20の上に形成され、パネルドライバ5とともに駆動部7を構成している。
【0021】
各々の画素PXは、複数の副画素SPを有している。各々の副画素SPは、発光素子10と、発光素子10に駆動電流を与える画素回路と、を含んでいる。発光素子10は、例えば自己発光素子であり、本実施形態では、マイクロ発光ダイオード(以下、マイクロLED(Light Emitting Diode)と称する)である。本実施形態の表示装置1は、マイクロLED表示装置である。
【0022】
各副画素SPの画素回路は、電圧信号からなる映像信号Vsigに応じて発光素子10の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、駆動トランジスタDRT、保持容量Cs、及び補助容量Cadを有している。保持容量Cs及び補助容量Cadは、キャパシタである。補助容量Cadは発光電流量を調整するために設けられる素子であり、場合によっては不要となる場合もある。
【0023】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、TFT(薄膜トランジスタ)により構成されている。本実施形態において、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、同一導電型、例えばNチャネル型のTFTにより構成されている。なお、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTの一以上は、Pチャネル型のTFTにより構成されていてもよい。その場合、Nチャネル型のTFTとPチャネル型のTFTを同時に形成してもよい。リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、及び出力スイッチBCTは、スイッチとして機能すればよく、TFTで構成されていなくともよい。
【0024】
本実施形態に係る表示装置1において、駆動トランジスタDRT及び各スイッチをそれぞれ構成したTFTは全て同一工程、同一層構造で形成され、半導体層に多結晶シリコンを用いたトップゲート構造の薄膜トランジスタである。なお、半導体層は、非晶質シリコン、酸化物半導体など、多結晶シリコン以外の半導体を利用してもよい。
【0025】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、及び駆動トランジスタDRTは、それぞれ、第1端子、第2端子、及び制御端子を有している。本実施形態では、第1端子をソース電極、第2端子をドレイン電極、制御端子をゲート電極としている。
【0026】
画素PXの画素回路において、駆動トランジスタDRT及び出力スイッチBCTは、高電位電源線SLaと低電位電源線SLbとの間で発光素子10と直列に接続されている。高電位電源線SLa(高電位Pvdd)は例えば10Vの電位に設定され、低電位電源線SLb(低電位Pvss)は、例えば1.5Vの電位に設定されている。
【0027】
出力スイッチBCTにおいて、ドレイン電極は高電位電源線SLaに接続され、ソース電極は駆動トランジスタDRTのドレイン電極に接続され、ゲート電極は第2走査線Sgbに接続されている。これにより、出力スイッチBCTは、第2走査線Sgbに与えられる制御信号BGによりオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御される。出力スイッチBCTは、制御信号BGに応答して、発光素子10の発光時間を制御する。
【0028】
駆動トランジスタDRTにおいて、ドレイン電極は出力スイッチBCTのソース電極に接続され、ソース電極は発光素子10の一方の電極(ここでは陽極)に接続されている。発光素子10の他方の電極(ここでは陰極)は、低電位電源線SLbに接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号Vsigに応じた電流量の駆動電流を発光素子10に出力する。
【0029】
画素スイッチSSTにおいて、ソース電極は映像信号線VLに接続され、ドレイン電極は駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続され、ゲート電極は信号書き込み制御用ゲート配線として機能する第3走査線Sgcに接続されている。画素スイッチSSTは、第3走査線Sgcから供給される制御信号SGによりオン、オフ制御される。そして、画素スイッチSSTは、制御信号SGに応答して、画素回路と映像信号線VLとの接続、非接続を制御し、映像信号線VLから映像信号Vsigを画素回路に取り込む。
【0030】
初期化スイッチISTにおいて、ソース電極は初期化配線Sgiに接続され、ドレイン電極は駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続され、ゲート電極は第1走査線Sgaに接続されている。初期化スイッチISTは、第1走査線Sgaから供給される制御信号IGによりオン、オフ制御される。そして、初期化スイッチISTは、制御信号IGに応答して、画素回路と初期化配線Sgiとの接続、非接続を制御する。画素回路と初期化配線Sgiとを初期化スイッチISTにて接続することにより、初期化配線Sgiから初期化電位(初期化電圧)Viniを画素回路に取り込むことができる。
【0031】
リセットスイッチRSTは、駆動トランジスタDRTのソース電極とリセット配線Sgrとの間に接続されている。リセットスイッチRSTのゲート電極はリセット制御用ゲート配線として機能する第4走査線Sgdに接続されている。上記のように、リセット配線Sgrは、リセット電源に接続され、定電位であるリセット電位Vrstに固定される。リセットスイッチRSTは、第4走査線Sgdを通して与えられる制御信号RGに応じて、導通状態(オン)又は非導通状態(オフ)に切替えられる。リセットスイッチRSTがオン状態に切替えられることにより、駆動トランジスタDRTのソース電極の電位をリセット電位Vrstにリセットすることができる。
【0032】
保持容量Csは、駆動トランジスタDRTのゲート電極とソース電極との間に接続されている。補助容量Cadは、駆動トランジスタDRTのソース電極と定電位の配線としての高電位電源線SLaとの間に接続されている。
【0033】
一方、
図2に示すパネルドライバ5は、走査線駆動回路YDR1、YDR2及び信号線駆動回路XDRを制御する。パネルドライバ5は外部から供給されるデジタル映像信号及び同期信号を受け取り、垂直走査タイミングを制御する垂直走査制御信号、および水平走査タイミングを制御する水平走査制御信号を同期信号に基づいて発生する。
【0034】
そして、パネルドライバ5は、これら垂直走査制御信号及び水平走査制御信号をそれぞれ走査線駆動回路YDR1、YDR2及び信号線駆動回路XDRに供給するとともに、水平及び垂直走査タイミングに同期してデジタル映像信号及び初期化信号を信号線駆動回路XDRに供給する。
【0035】
信号線駆動回路XDRは、水平走査制御信号の制御により各水平走査期間において順次得られる映像信号をアナログ形式に変換し階調に応じた映像信号Vsigを複数の映像信号線VLに供給する。パネルドライバ5は、高電位電源線SLaを高電位Pvddに固定し、リセット配線Sgrをリセット電位Vrstに固定し、初期化配線Sgiを初期化電位Viniに固定する。なお、高電位電源線SLaの電位、リセット配線Sgrの電位、及び初期化配線Sgiの電位は、信号線駆動回路XDRを介して設定されてもよい。
【0036】
走査線駆動回路YDR1、YDR2には、パネルドライバ5よりスタートパルス信号STV、クロック信号CKVなどが与えられる。
走査線駆動回路YDR1、YDR2は、図示しないシフトレジスタ、出力バッファ等を含み、スタートパルス信号STVを順次次段のシフトレジスタに転送し、出力バッファを介して各行の副画素SPに4種類の制御信号、すなわち、制御信号IG,BG,SG,RGを供給する。これにより、第1走査線Sga、第2走査線Sgb、第3走査線Sgc、及び第4走査線Sgdは、それぞれ制御信号IG,BG、SG、RGにより駆動される。
【0037】
次に、
図4を参照して、駆動トランジスタDRT、リセットスイッチRST、画素電極PE、実装電極SE、発光素子10、低電位電源線SLb、共通電極CEなどについて説明する。
図4は、
図1に示した表示パネル2を示す部分断面図である。なお、
図4では、表示パネル2を、表示面、すなわち光出射面が上方を向き、背面が下方を向くように描いている。
【0038】
図4に示すように、表示パネル2は、絶縁基板20と、絶縁基板20の上に設けられた絶縁層21,22,23,24,25,26と、複数の画素PXと、を備えている。複数の画素PXは、絶縁基板20の上に設けられ、表示領域DAに位置し、複数色の副画素SPを含んでいる。
【0039】
絶縁基板20としては、主に、石英、無アルカリガラス等のガラス基板、またはポリイミド等の樹脂基板を用いることができる。絶縁基板20の材質は、TFTを製造する際の処理温度に耐える材質であればよい。絶縁基板20が可撓性を有する樹脂基板である場合、表示装置1をシートディスプレイとして構成することができる。樹脂基板としては、ポリイミドに限らず、他の樹脂材料を用いてもよい。なお、絶縁基板20にポリイミドなどを用いる場合、絶縁基板20を有機絶縁層又は樹脂層と称した方が適当な場合があり得る。
【0040】
絶縁層21は、絶縁基板20上に設けられている。絶縁層21の上に、各種のTFTが形成されている。表示領域DAにおいて、絶縁層21の上に駆動トランジスタDRT、リセットスイッチRSTなどが形成され、非表示領域NDAにおいて、絶縁層21の上に走査線駆動回路YDRを構成するTFTなどが形成されている。駆動トランジスタDRTなどのTFTは、半導体層SCと、ゲート電極GEと、第1電極E1と、第2電極E2と、を備えている。
【0041】
半導体層SCは、絶縁層21の上に配置されている。絶縁層22は、絶縁層21及び半導体層SCの上に設けられている。ゲート電極GEは、絶縁層22の上に配置され、半導体層SCのチャネル領域と対向している。絶縁層23は、絶縁層22及びゲート電極GEの上に設けられている。第1電極E1及び第2電極E2は、絶縁層23の上に配置されている。第1電極E1及び第2電極E2は、それぞれ絶縁層22及び絶縁層23に形成されたコンタクトホールを通り、対応する半導体層SCに電気的に接続されている。
【0042】
本実施形態において、絶縁層22の上に、導電層CLが形成されている。駆動トランジスタDRTの第1電極E1は、対応する半導体層SCだけではなく、導電層CLにも電気的に接続されている。リセットスイッチRSTの第2電極E2は、対応する半導体層SCだけではなく、導電層CLにも電気的に接続されている。そのため、駆動トランジスタDRT及びリセットスイッチRSTは、導電層CLを介して電気的に接続されている。
非表示領域NDAにおいて、低電位電源線SLbは、絶縁層23の上に配置されている。絶縁層24は、絶縁層23、第1電極E1、第2電極E2、及び低電位電源線SLbの上に設けられている。絶縁層24は、第1絶縁層として機能している。
【0043】
導電層としての第1導電層CL1及び第2導電層CL2は、絶縁層24の上に配置されている。第1導電層CL1は、絶縁層24に形成されたコンタクトホールを通り第1電極E1に電気的に接続されている。第2導電層CL2は、絶縁層24に形成されたコンタクトホールを通り第2電極E2に電気的に接続されている。
【0044】
絶縁層25は、絶縁層24、第1導電層CL1、及び第2導電層CL2の上に設けられている。絶縁層25は、第2絶縁層として機能している。絶縁層25の厚みは、100乃至200nmくらいである。画素電極PE及び実装電極SEは、絶縁層25の上に配置されている。画素電極PEは、絶縁層25に形成されたコンタクトホールCHを通り第1導電層CL1に電気的に接続されている。実装電極SEは、第1導電層CL1に重ねられている。実装電極SEのうち、各々の導電層CL1(各々の副画素の導電層)と対向している領域は隆起している。例えば、実装電極SEは、50乃至100nmくらい隆起している。実装電極SEは、電気的にフローティング状態にある。
【0045】
ここで、絶縁層21,22,23,24,25,26は、無機絶縁材料又は有機絶縁材料で形成されている。本実施形態において、絶縁層21,22,23,25,26は、無機絶縁材料として、シリコン酸化物(SiO2)、シリコン窒化物(SiN)などの材料で形成されている。例えば、絶縁層25は、SiNで形成されている。絶縁層24は、有機絶縁材料として、例えば感光性アクリルで形成されている。
半導体層SCは、ポリシリコンとして低温ポリシリコンで形成されている。但し、半導体層SCは、アモルファスシリコン、酸化物半導体など、ポリシリコン以外の半導体で形成されていてもよい。
【0046】
ゲート電極GE及び導電層CLは、同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成されている。ゲート電極GE及び導電層CLは、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。例えば、ゲート電極GE及び導電層CLは、MoW(モリブデン・タングステン)で形成されている。
【0047】
第1電極E1、第2電極E2、及び低電位電源線SLbは、同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成さている。第1電極E1、第2電極E2、及び低電位電源線SLbも、上記金属材料や、上記合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。例えば、第1電極E1、第2電極E2、及び低電位電源線SLbは、それぞれTATで形成されている。上記TATとは、三層積層構造(Ti系/Al系/Ti系)を有し、Ti、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる下層と、Al、Alを含む合金などAlを主成分とする金属材料からなる中間層と、Ti、Tiを含む合金などTiを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。
【0048】
ここではトップゲート型のTFTを例として説明しているが、TFTはボトムゲート型のTFTであってもよい。
駆動トランジスタDRTなどのスイッチは、絶縁層24で覆われている。
【0049】
第1導電層CL1及び第2導電層CL2は、同層に位置し、同一の導電材料として上記金属材料、上記合金、透明導電材料などで形成されている。第1導電層CL1及び第2導電層CL2は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。本実施形態において、第1導電層CL1及び第2導電層CL2は、それぞれMAMで形成されている。上記MAMとは、三層積層構造(Mo系/Al系/Mo系)を有し、Mo、Moを含む合金などMoを主成分とする金属材料からなる下層と、Al、Alを含む合金などAlを主成分とする金属材料からなる中間層と、Mo、Moを含む合金などMoを主成分とする金属材料からなる上層と、を有している。そのため、第1導電層CL1及び第2導電層CL2は、それぞれ、モリブデン又はモリブデン合金で形成された金属層を含んでいる。
【0050】
画素電極PE及び実装電極SEは、同層に位置し、同一の導電材料として金属で形成されている。画素電極PE及び実装電極SEは、それぞれ、単一の導電層、三層積層構造、又は二層積層構造を有している。本実施形態において、画素電極PE及び実装電極SEは、Alで形成されている。なお、画素電極PE及び実装電極SEは、透明導電材料で形成されていてもよい。
第1導電層CL1の融点は、実装電極SEの融点より高い方が望ましい。
【0051】
各々の画素PXは、実装電極SEを有している。実装電極SEは、絶縁層25の上に配置され、画素電極PEに間隔を置いて位置している。画素電極PEは、第1導電層CL1に電気的に接続され、第1導電層CL1を介して駆動トランジスタDRTから電流値が制御された信号が与えられる。
【0052】
絶縁層26は、絶縁層25、画素電極PE、及び実装電極SEの上に設けられている。絶縁層26は、第3絶縁層として機能している。図示しないが、絶縁層26は、複数の画素電極PE及び複数の実装電極SEの上に位置し、複数の画素電極PE及び複数の実装電極SEを覆い、複数の発光素子10を露出させている。絶縁層26は、画素電極PEの表面の一部を露出させ画素電極PEに発光素子10を実装するための開口と、実装電極SEの表面の一部を露出させる開口と、を有している。
【0053】
絶縁層26の上記開口の大きさは、発光素子10の実装工程における実装ずれ量等を考慮し、発光素子10よりも一回り大きめのサイズである。例えば、発光素子10が実質的に10μm×10μmの実装面積である場合、上記開口は実質的に20μm×20μmは確保されることが好ましい。
【0054】
表示領域DAにおいて、画素電極PEの上に発光素子10が実装されている。発光素子10は、第1電極としての陽極ANと、第2電極としての陰極CAと、光を放出する発光層LIと、を有している。発光素子10は、第1色、第2色、及び第3色の発光色を有するものがそれぞれ用意されており、陽極ANは、対応する画素電極PEに電気的に接続され、固定されている。本実施形態において、第1色は赤色(R)であり、第2色は緑色(G)であり、第3色は青色(B)である。
【0055】
発光素子10の陽極ANと画素電極PEとの間の接合は、両者の間で良好な導通が確保でき、かつ、絶縁基板20から絶縁層26までの積層構造を破損しないものであれば特に限定されるものではない。例えば低温溶融のはんだ材料を用いたリフロー工程や、導電ペーストを介して発光素子10を画素電極PE上に載せた後に焼成結合する等の手法、あるいは画素電極PEの表面と、発光素子10の陽極ANとに同系材料を用い、超音波接合等の固相接合の手法を採用することができる。発光素子10は、画素電極PEに電気的に接続されている陽極ANの反対側に陰極CAを有している。
【0056】
発光素子10が実装された後、絶縁層25、画素電極PE、実装電極SE、及び絶縁層26の上に、素子絶縁層31が設けられている。素子絶縁層31は、第4絶縁層として機能している。素子絶縁層31は、発光素子10の間の空隙部に充填され、樹脂材料で形成されている。素子絶縁層31は、発光素子10のうち陰極CAの表面を露出させている。
【0057】
共通電極CEは、少なくとも表示領域DAに位置し、素子絶縁層31及び複数の発光素子10の上に配置され、複数の画素の発光素子10を覆っている。共通電極CEは、複数の陰極CAの共通電極CE側の表面と素子絶縁層31の上に配置され、複数の陰極CAに接触し、複数の陰極CAと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の副画素SPで共用されている。
【0058】
共通電極CEは、非表示領域NDAに延在し、非表示領域NDAにおいて、低電位電源線SLbに電気的に接続されている。共通電極CEは、素子絶縁層31、絶縁層26、絶縁層25、及び絶縁層24に形成されたコンタクトホールを通り低電位電源線SLbにコンタクトしている。そのため、共通電極CEは、低電位電源線SLbの電位と同一の定電位に保持され、低電位電源線SLbと全ての発光素子10の陰極CAとを電気的に接続している。
【0059】
共通電極CEは、発光素子10からの出射光を取り出すために、透明電極として形成する必要があり、透明導電材料として例えばITOを用いて形成される。一方、発光素子10の側壁部分が保護膜等で絶縁されている場合は、必ずしも樹脂材料等で間隙を充填する必要はなく、樹脂材料は、陽極ANと、陽極ANから露出した画素電極PEの表面と、実装電極SEの表面とを少なくとも絶縁できればよい。この場合、発光素子10の陰極CAまで達しないような膜厚で素子絶縁層31を形成し、続けて上記共通電極CEを形成する。共通電極CEが形成される表面には発光素子10の実装に伴う凹凸の一部が残存しているが、共通電極CEを形成する材料が段切れすることなく連続的に覆うことができればよい。
【0060】
上記のように、表示パネル2は、絶縁基板20から共通電極CEまでの構造を有している。本実施形態に係る発光素子10を表示素子として用いる表示装置1は、例えば以上のように構成されている。なお、必要に応じて、共通電極CEの上にカバーガラスなどのカバー部材やタッチパネル基板等が設けられてもよい。
【0061】
次に、画素PXのレイアウトについて説明する。
図5は、
図1に示した画素PXのレイアウトを示す平面図であり、各種配線と、画素電極PEと、実装電極SEとを示す図である。
図5に示すように、各々の画素PXは、複数の副画素SPを有している。本実施形態において、各々の画素PXは、第1色の副画素SPa、第2色の副画素SPb、及び第3色の副画素SPcの3色の副画素SPを有している。副画素SPaは画素電極PEaを有し、副画素SPbは画素電極PEbを有し、副画素SPcは画素電極PEcを有している。
【0062】
画素電極PEaは、第2方向Yに実装電極SEと隣り合っている。画素電極PEbは、第1方向Xに実装電極SEと隣り合っている。画素電極PEcは、第1方向Xに画素電極PEaと隣り合い、第2方向Yに画素電極PEbと隣り合っている。平面視において、画素電極PEaのサイズは、画素電極PEb及び画素電極PEcの各々のサイズより大きい。実装電極SEのサイズは、画素電極PEaのサイズと実質的に同一であり、画素電極PEb及び画素電極PEcの各々のサイズより大きい。
【0063】
実装電極SEは、発光素子10を実装するための第1領域R1と、後述するリペアの際に実装電極SEと第1導電層CL1とを接続するための第2領域R2を有している。第2領域R2において、実装電極SEは、同一画素PXの3個の第1導電層CL1に重ねられている。画素電極PEは、第1領域R1と、第1導電層CL1と電気的に接続するための第3領域R3と、を有している。
【0064】
次に、表示パネル2の複数の画素PXのうち、第1画素PX1及び第2画素PX2について説明する。
図6は、本実施形態の第1画素PX1及び第2画素PX2を示す平面図であり、画素電極PEと、実装電極SEと、発光素子10と、第1導電層CL1とを示す図である。
図7は、
図6の線VII-VIIに沿った表示パネル2を示す断面図であり、第1画素PX1を示す図である。
図8は、
図6の線VIII-VIIIに沿った表示パネル2を示す断面図であり、第2画素PX2を示す図である。
図6に示すように、表示パネル2の複数の画素PXは、第1画素PX1、第2画素PX2などを含んでいる。
【0065】
図6及び
図7に示すように、第1画素PX1において、画素電極PEaの上に第1色の発光素子10aが実装され、画素電極PEbの上に第2色の発光素子10bが実装され、画素電極PEcの上に第3色の発光素子10cが実装されている。第1画素PX1の発光素子10は、全て正常な発光素子である。そのため、第1画素PX1において、実装電極SEは、副画素SPaの第1導電層CL1a、副画素SPbの第1導電層CL1b、及び副画素SPcの第1導電層CL1cに電気的に接続されていない。実装電極SEは、電気的にフローティング状態にある。画素電極PEaは第1導電層CL1aに接続され、画素電極PEbは第1導電層CL1bに接続され、画素電極PEcは第1導電層CL1cに接続されている。なお、第1導電層CL1aを第1配線、第1導電層CL1bを第2配線、第1導電層CL1cを第3配線と、それぞれ称する場合がある。実装電極SEの上に追加発光素子は実装されていない。なお、第1導電層CL1cの幅Wは、2μmくらいである。
【0066】
絶縁層25は、画素電極PEa及び実装電極SEに接する第1面25aと、第1面25aと対向し第1導電層CL1aに接する第2面25bと、を有している。図示しないが、第1面25aは、画素電極PEb及び画素電極PEcにも接している。図示しないが、第2面25bは、第1導電層CL1b及び第1導電層CL1cにも接している。
第1導電層CL1a、第1導電層CL1b、及び第1導電層CL1cは、それぞれ実装電極SEに向かって引き出されている。実装電極SEに向かって延びる第1導電層CL1aの先端、第1導電層CL1bの先端、及び第1導電層CL1cの先端は、それぞれ実装電極SEに重畳している。第1画素PX1の実装電極SEは、第1導電層CL1a、第1導電層CL1b、及び第1導電層CL1cとそれぞれ絶縁層25によって絶縁されている。
絶縁層26は、第1画素PX1内において、画素電極PEaを露出する第1開口部OP1、及び実装電極SEを露出する第4開口部OP4を有している。発光素子10aは第1開口部OP1を介して画素電極PEaに接続されている。
図示しないが、絶縁層26は、第1画素PX1内において、画素電極PEbを露出する第2開口部、及び画素電極PEcを露出する第3開口部をさらに有している。発光素子10bは上記第2開口部を介して画素電極PEbに接続されている。発光素子10cは上記第3開口部を介して画素電極PEcに接続されている。
絶縁層25の第1面25aは、画素電極PEa、画素電極PEb、画素電極PEc、及び実装電極SEのそれぞれが離れた位置において、絶縁層26に接している。
【0067】
図6及び
図8に示すように、一方、第2画素PX2において、画素電極PEaの上に第1色の発光素子10aが実装され、画素電極PEbの上に第2色の発光素子10bが実装され、画素電極PEcの上に第3色の発光素子10cが実装されている。第2画素PX2において、発光素子10b,10cは正常な発光素子であるが、第1色の発光素子10aは正常な発光素子ではない。第2画素PX2において、電流は、画素電極PEaと共通電極CEとの間を、発光素子10aを介して流れない。なお、第2画素PX2の発光素子10aにダメージが与えられ、発光素子10aに陰極CAが存在しない場合もあり得る。
そのため、第2画素PX2は、点灯しない発光素子10aと同一色の発光素子として、第1色の追加発光素子11aをさらに有している。第2画素PX2に追加発光素子11aを設けることにより、第2画素PX2にて発光色として第1色が不足する事態を回避することができる。
【0068】
追加発光素子11aは、マイクロLEDである。追加発光素子11aは、第1電極としての陽極ANと、第2電極としての陰極CAと、光を放出する発光層LIと、を有している。追加発光素子11aは第2画素PX2の実装電極SEの上に実装され、追加発光素子11aの陽極ANは実装電極SEに電気的に接続されている。
【0069】
第2画素PX2において、実装電極SEは、絶縁層25の開口Hを通じて第1色の副画素SPaの導電層CL1aに接している。第2画素PX2において、実装電極SEは、第1導電層CL1bと電気的に絶縁され、第1導電層CL1cと電気的に絶縁されている。実装電極SEは、第1色の副画素SPaの駆動トランジスタDRTに電気的に接続され駆動トランジスタDRTから電流値が制御された信号が与えられる。第2画素PX2において、第1色の副画素SPaの駆動トランジスタDRTから電流値が制御された信号が第1色の副画素SPaの画素電極PEa及び実装電極SEに与えられた際、発光素子10aは発光せず、追加発光素子11aは発光する。
本実施形態において、実装電極SEを副画素SPaの駆動トランジスタDRTに電気的に接続するため、第2画素PX2において、実装電極SEを第1導電層CL1aに短絡させている。
【0070】
上記のように第2画素PX2の追加発光素子11aを考慮すると、素子絶縁層31は、さらに追加発光素子11aを露出させている。共通電極CEは、さらに追加発光素子11aの上に配置されている。追加発光素子11aの陰極CAは、さらに共通電極CEに電気的に接続されている。
【0071】
なお、複数の画素PXに、第2画素PX2以外に、点灯しない発光素子10を有する画素PXが存在している場合、第2画素PX2と同様に構成されていればよい。言い換えると、点灯しない発光素子10を有する画素PXに、第1色、第2色、又は第3色の追加発光素子11が付加され、実装電極SEを、点灯しない発光素子10を有する副画素SPの第1導電層CL1に接続させればよい。
本実施形態の表示装置1は、上記のように構成されている。
発光素子10がマイクロ発光ダイオードである場合、発光素子10aを第1色マイクロ発光ダイオード、発光素子10bを第2色マイクロ発光ダイオード、発光素子10cを第3色マイクロ発光ダイオードと、それぞれ称する場合がある。また、画素電極PEaを第1電極、画素電極PEbを第2電極、画素電極PEcを第3電極、実装電極SEを第4電極と、それぞれ称する場合がある。
【0072】
次に、上記表示装置1の製造方法について説明する。ここでは、表示装置1の製造方法のうち、表示パネル2の製造方法について説明する。
図9は、本実施形態に係る表示装置1の製造方法を説明するための図であり、発光素子10aにレーザ光を照射している状態を示す図である。
図10は、
図9に続き、上記製造方法を説明するための図であり、実装電極SEの上に追加発光素子11aを実装した状態を示す図である。
図11は、
図10に続き、上記製造方法を説明するための図であり、実装電極SEにレーザ光を照射している状態を示す図である。
【0073】
図9に示すように、表示パネル2の製造方法が開始されると、まず、絶縁基板20から絶縁層26までの積層構造を有するパネルPNLを用意する。パネルPNLは、表示パネル2のベースとなる構造体である。パネルPNLは、絶縁基板20、絶縁層25、複数色の副画素SPを含む複数の画素PX、及び絶縁層26などを備えている。各々の副画素SPは、駆動トランジスタDRT、第1導電層CL1、画素電極PE、及び発光素子10を有している。この時点で、全ての画素PXの実装電極SEは、電気的にフローティング状態にある。パネルPNLは、追加発光素子11、素子絶縁層31、及び共通電極CEを有していない。
【0074】
上記のようにパネルPNLを用意した後、複数の発光素子10に発光不良が生じているかどうか検査する。検査する際、各々の発光素子10の陰極CAにプローブを当てるなどし、発光素子10を電気的に検査する。発光素子10に発光不良が生じているかどうかの判断は、例えば目視にて行うことができるが、センサを利用して機械的に判断することも可能である。なお、発光素子10の発光不良とは、発光素子10が全く点灯しない場合だけではなく、発光素子10から放出される光の輝度レベルが閾値未満となる場合も含んでいる。以下、複数の画素PXのうち第1画素PX1及び第2画素PX2に注目する。
【0075】
複数の画素PXのうち第1画素PX1の複数の発光素子10に発光不良が生じていないと判断した場合、第1画素PX1の実装電極SEを、電気的にフローティング状態に維持する(
図6)。
【0076】
一方、複数の画素PXのうち第2画素PX2の発光素子10aに発光不良が生じている場合、第2画素PX2の発光素子10aにレーザ光を照射し、発光素子10aにダメージを与え、発光素子10aを破損させる。その際、発光素子10aに陰極CAが存在しなくなる場合があり得る。発光不良の発光素子10aを介して画素電極PEaと共通電極CEとの間を電流が流れない方が望ましい。これにより、追加発光素子11aを流れる電流量の低下を抑制することができる。
【0077】
図10に示すように、続いて、第2画素PX2の実装電極SEの上に第1色の追加発光素子11aを実装し、追加発光素子11aの陽極ANを実装電極SEに電気的に接続する。
【0078】
図11に示すように、次いで、第2画素PX2において、実装電極SEのうち、副画素SPaの第1導電層CL1aが重ねられた領域にレーザ光を照射する。上述したように、実装電極SEの隆起のパターンに基づいて、レーザ光を照射する位置を決定することができる。これにより、実装電極SEを副画素SPaの第1導電層CL1aに短絡させることができる。そのため、実装電極SEを副画素SPaの駆動トランジスタDRTに電気的に接続することができる。
【0079】
なお、本実施形態の製造工程の順番と異なり、実装電極SEにレーザ光を照射して実装電極SEを第1導電層CL1に短絡させた後、追加発光素子11aを実装してもよい。この場合、発光素子10aへのレーザ光の照射と、実装電極SEへのレーザ光の照射とを連続して行うことができる。例えば、同一のレーザを用いてレーザ光の照射を行うことができるため、製造時間の短縮に寄与することができる。
【0080】
図8に示すように、続いて、絶縁層26、複数の発光素子10、及び追加発光素子11の上に、素子絶縁層31を形成する。素子絶縁層31は、複数の発光素子10、及び追加発光素子11を露出させている。次いで、素子絶縁層31、複数の発光素子10、及び追加発光素子11の上に、共通電極CEを形成する。これにより、共通電極CEは、複数の発光素子10及び追加発光素子11aのそれぞれの陰極CAに電気的に接続され、複数の画素PXの複数の副画素SPで共用される。これにより、表示パネル2の製造方法が終了する。
【0081】
上記のように構成された一実施形態に係る表示装置1及び表示装置1の製造方法によれば、画素PXは単個の実装電極SEを備えている。そのため、各々の副画素SPが単個の実装電極SEを備えている場合と比較して画素PXの高精細化に寄与することができる。発光不良の発光素子10は、表示パネル2から取り外してもよいが、画素電極PEの上に載せたままにしてもよい。これにより、発光不良の発光素子10を表示パネル2から取り外す手間を省くことができる。
上記のことから、リペアを容易に行うことが可能な表示装置1及び表示装置1の製造方法を得ることができる。
【0082】
(一実施形態の変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図12は、上記実施形態の変形例に係る表示装置1の第1画素PX1及び第2画素PX2を示す平面図であり、画素電極PEと、実装電極SEと、発光素子10と、追加発光素子11aと、第1導電層CL1とを示す図である。
【0083】
図12に示すように、各々の画素PXの画素電極PEa,PEb,PEc(発光素子10a,10b,10c)は、第1方向Xに並べられ、第2方向Yに延在し、ストライプ状(縦ストライプ状)に配置されていてもよい。各々の画素PXにおいて、実装電極SEは、画素電極PEa,PEb,PEcのグループに対し、第2方向Yに隣り合い、第1方向Xに延在している。実装電極SEは、第2方向Yにおいて、画素電極PEa,PEb,PEcのうち少なくとも一つの電極と対向している。
【0084】
なお、画素電極PEa,PEb,PEc及び実装電極SEの位置関係は、本変形例の位置関係に限定されるものではなく、種々変形可能である。画素電極PEa,PEb,PEcのうちの任意の一の画素電極PEと、実装電極SEと、を第1導電層CL1にて接続可能であれば、上記位置関係は、特に限定されるものではない。
上記のように構成された変形例に係る表示装置1及び表示装置1の製造方法においても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
本発明の実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…表示装置、2…表示パネル、PNL…パネル、20…絶縁基板、H…開口、
21,22,23,24,25,26…絶縁層、CH…コンタクトホール、
31…素子絶縁層、SLa…高電位電源線、SLb…低電位電源線、
PX,PX1,PX2…画素、SP,SPa,SPb,SPc…副画素、
RST…リセットスイッチ、SST…画素スイッチ、IST…初期化スイッチ、
BCT…出力スイッチ、DRT…駆動トランジスタ、SC…半導体層、
GE…ゲート電極、E1…第1電極、E2…第2電極、Cs…保持容量、
Cad…補助容量、CL1…第1導電層、PE,PEa,PEb,PEc…画素電極、
SE…実装電極、10,10a,10b,10c…発光素子、
11,11a…追加発光素子、AN…陽極、CA…陰極、LI…発光層、
CE…共通電極、DA…表示領域、NDA…非表示領域、X…第1方向、Y…第2方向、
Z…第3方向。