(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】能動素子を有するキーキャップ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20220927BHJP
H03M 11/14 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
G06F3/02 480
G06F3/02 F
H03M11/14
(21)【出願番号】P 2018504835
(86)(22)【出願日】2016-04-02
(86)【国際出願番号】 US2016025768
(87)【国際公開番号】W WO2017023372
(87)【国際公開日】2017-02-09
【審査請求日】2019-03-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】3958/CHE/2015
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】3959/CHE/2015
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】3961/CHE/2015
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マハジャン,アイシュワリヤー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ペンダクル,ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】サンダルサン,スカニヤー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルギーズ,レジ
【合議体】
【審判長】▲吉▼田 耕一
【審判官】林 毅
【審判官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-262420(JP,A)
【文献】特開2013-8115(JP,A)
【文献】特開2008-250259(JP,A)
【文献】特開2004-126803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/02
H03M11/14
G02F1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーのキーキャップ内の双安定ディスプレイであって、
複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスクと;
上部電極と;
複数の下部電極と;
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間の誘電体であって、前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記
複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有し、前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる、前記誘電体と;
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続と;
を備え、
前記双安定ディスプレイは、前記キーのドームの上にあり、
前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す、
双安定ディスプレイ。
【請求項2】
前記マスク、前記上部電極、前記
複数の下部電極及び前記誘電体の厚さは、約3ミリメートル未満である、
請求項1に記載の双安定ディスプレイ。
【請求項3】
前記電気接続は能動エリア内にある、
請求項1に記載の双安定ディスプレイ。
【請求項4】
前記
複数の下部電極の各々は、前記
複数の露出エリアのうちのある露出エリアに対応する、
請求項1に記載の双安定ディスプレイ。
【請求項5】
前記
複数の下部電極の各々は露出エリアに関連付けられ、前記
複数の露出エリアの可視性は、前記上部電極と前記
複数の下部電極の各々との間に差動電圧を生成することによって独立に制御される、
請求項1に記載の双安定ディスプレイ。
【請求項6】
キーのキーキャップ内に双安定ディスプレイを作成すること、
を含む方法であって、前記双安定ディスプレイが、
複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスクと、
上部電極と、
複数の下部電極と、
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間の誘電体であって、前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記
複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有し、前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる、前記誘電体と、
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続と、
を含み、前記双安定ディスプレイは、前記キーのドームの上にあり、
前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す、
方法。
【請求項7】
前記マスク、前記上部電極、前記
複数の下部電極及び前記誘電体の厚さは、約3ミリメートル未満である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電気接続は能動エリア内にある、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記
複数の下部電極の各々は、前記
複数の露出エリアのうちのある露出エリアに対応する、
請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記
複数の下部電極の各々は露出エリアに関連付けられ、前記
複数の露出エリアの可視性は、前記上部電極と前記
複数の下部電極の各々との間に差動電圧を生成することによって独立に制御される、
請求項6に記載の方法。
【請求項11】
第1ハウジングを備える電子デバイスであって:
前記第1ハウジングはキーボードを含み、該キーボードは複数のキーを含み、該複数のキーの各々はドームの上にキーキャップを含み、前記複数のキーの少なくとも一部は前記ドームの上の前記キーキャップ内に双安定ディスプレイを含み、前記双安定ディスプレイは、
複数の露出エリアを含み、第1色を有するマスクと、
上部電極と、
複数の下部電極と、
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間の誘電体であって、前記誘電体は、前記マスクの前記第1色と類似する第1誘電体色、および、前記マスクの前記
複数の露出エリアを通してユーザに可視である第2誘電体色を有し、前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に差動電圧が印加されると、前記誘電体の色の変化を生じる、前記誘電体と、
前記上部電極と前記
複数の下部電極との間に前記差動電圧を生成する電気接続と、
を含み、
前記下部電極用の粗いアートワークと前記双安定ディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠す、
電子デバイス。
【請求項12】
前記マスク、前記上部電極、前記
複数の下部電極及び前記誘電体の厚さは、約3ミリメートル未満である、
請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記電気接続は能動エリア内にある、
請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記
複数の下部電極の各々は、前記
複数の露出エリアのうちのある露出エリアに対応する、
請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記
複数の下部電極の各々は露出エリアに関連付けられ、前記
複数の露出エリアの可視性は、前記上部電極と前記
複数の下部電極の各々との間に差動電圧を生成することによって独立に制御される、
請求項11に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本開示は、2015年6月31日にインド特許庁に出願した「BI-STABLE DISPLAY」という名称の仮出願第3958/CHE/2015号、2015年6月31日にインド特許庁に出願した「KEYBOARD WITH DISPLAY EMBEDDED KEYS AND DEVICE TO SENSE BIO-SIGNALS」という名称の仮出願第3961/CHE/2015号、2015年6月31日にインド特許庁に出願した「"KEYCAP WITH ACTIVE ELEMENTS」という名称の仮出願第3959/CHE/2015号に関連し、これらは参照によってその全体が本開示に組み込まれる。
【0002】
<技術分野>
本開示は、一般に電子デバイスの分野に関し、より具体的には、能動素子(active element)を有するキーキャップに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示及びその特徴及び利点のより完全な理解を提供するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照するが、実施形態は、添付の図面の図に限定されず例として説明される。添付の図面の図では、同様の参照符号が同様の要素を示す。
【0004】
【
図1A】本開示の一実施形態による、電子デバイスの一実施形態の斜視図を示す簡略化された概略図である。
【0005】
【
図1B】本開示の一実施形態による、電子デバイスの一実施形態の斜視図を示す簡略化された概略図である。
【0006】
【
図2A】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の平面図を示す簡略化された概略図である。
【0007】
【
図2B】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の平面図を示す簡略化された概略図である。
【0008】
【
図3】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0009】
【
図4】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0010】
【
図5A】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0011】
【
図5B】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0012】
【
図6A】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0013】
【
図6B】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0014】
【
図6C】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0015】
【
図6D】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0016】
【
図6E】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0017】
【
図6F】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の正投影図を示す簡略化された概略図である。
【0018】
【
図7】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の側面ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0019】
【
図8】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の側面ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0020】
【
図9】本開示の一実施形態に関連付けられる、潜在的な動作を示す簡略化されたフロー図である。
【0021】
【
図10】本開示の一実施形態に関連付けられる、潜在的な動作を示す簡略化されたフロー図である。
【0022】
【
図11】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の側面ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0023】
【
図12】本開示の一実施形態による、キーボードの一部の実施形態の側面ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0024】
【
図13】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態の分解ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0025】
【
図14A】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0026】
【
図14B】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0027】
【
図15A】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0028】
【
図15B】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0029】
【
図16】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態の分解ブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0030】
【
図17A】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0031】
【
図17B】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0032】
【
図17C】本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示す簡略化された概略図である。
【0033】
【
図18】本開示の一実施形態に関連付けられる、潜在的な動作を示す簡略化されたフロー図である。
【0034】
【
図19】一実施形態による、ポイントツーポイント構成で配置される例示のコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【0035】
【
図20】本開示の例示的なシステムオンチップ(SOC)に関連する簡略化されたブロック図である。
【0036】
【
図21】一実施形態による例示的なプロセッサコアを示すブロック図である。
【0037】
図面の図は、本開示の範囲から逸脱することなく、その寸法を大幅に変えることができるので、必ずしもスケーリングして描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<例示の実施形態>
図1Aは、本開示の一実施形態による電子デバイス100の実施形態を示す簡略化された概略図である。電子デバイス100は、第1ハウジング102及び第2ハウジング104aを含むことができる。第2ハウジング104aは、キーボード部分106を含むことができる。キーボード部分106は複数のキー108を含むことができ、各キー108はキーキャップ110を含むことができる。1つ以上の実施形態において、電子デバイス100は、キーを含むコンピュータ、デスクトップコンピュータ、キーを含むモバイルデバイス、キーを含むタブレットデバイス、キーを含むPhablet(登録商標)、キーを含むパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、キーを含むオーディオシステム、キーを含む任意のタイプのムービープレイヤ等のように、キーボード又はキーを有する任意の適切な電子デバイスであってよい。
【0039】
図1Bに移ると、
図1Bは、本開示の一実施形態による、着脱可能な第2ハウジング104bの簡略化された概略図である。着脱可能な第2ハウジング104bは、キーボード部分106及び複数のキー108を含むことができる。各キー108はキーキャップ110を含むことができる。第2ハウジング104bは、電子デバイスと通信するキーボードであってよく(例えばスマートフォンと無線通信するスタンドアローンキーボード又はBluetooth(登録商標)キーボード、ワイヤ又はケーブルを介してコンピュータに接続されるデスクトップキーボード)、あるいは電子デバイスに物理的に取り付けられてもよい(例えば電子デバイスのシャーシに一体化されるキーボード)。
【0040】
能動素子を有するキーキャップの特定の例示的な特徴を説明する目的ために、以下の基本情報は、本開示が適切に説明され得る基礎としてみなされてよい。触覚型キーボードとは、ユーザが力を加えてキーを押すときにキーが下降(travel down)し、ユーザが加えた力が解放された後にキーが元の位置に跳ね返ってくる(strike back)、機械的キーボードである。そのようなキーボードは、ラップトップ、デスクトップキーボード、産業用制御システム、リモートコントロール、自動車及び多くの他のもの等のような様々な用途でデータ入力に使用される。触覚型キーボードは、典型的に、キー、ドーム(dome)、シザー(scissor)、スイッチ及びベースプレート(base plate)といった、異なる機能要素又はブロックから成る。ドームは、ラバー、プラスチック、シリコン又は金属ドーム、あるいは力が加えられたときに圧縮されて変形し、加えられた力が取り除かれたときにその元の形状及びサイズに戻る任意の他の同様の要素とすることができる。シザーは、キーをロックし、その動きを垂直方向のみに制限するシザー又は任意の他の同様の要素とすることができる。スイッチは、(入力を検出するために)キーが押されるときに閉じられる何らかの形のスイッチである。ベースプレートは、キーボードの構成要素の土台として機能するベースプレート又は他の同様の要素とすることができる。
【0041】
キーボードのキーキャップは、キーがユーザによって押されると上下に動く小さな機械部品である。典型的なキーキャップは、ユーザの指がキーキャップ上に載っているときに人間工学的快適性を提供するように、その上部に微妙にカーブした面を含む。また、典型的なキーキャップは、つやのある/光沢のある仕上げを防止し、指がキーを押したときにユーザの指に微妙なグリップを提供するために、微妙なテクスチャの面も含む。一部のキーキャップは、広い視野角(ほぼ180度)を提供し、かつキーの識別を可能にするために、キーキャップの最上面に(印刷又はエッチングされた)ラベルを含む。加えて、典型的なキーキャップは、キーボードサブシステムの残りの部分との機械的(通常はスナップフィット)接続を提供するために、底部側にロック機構を含むことができる。周辺部及びロック機構におけるキーキャップの厚さは、通常約2mmであり、他のエリアの厚さはしばしば約1mmである。ほとんどのキーキャップは、数百万回の操作に耐えるように設計されている。
【0042】
キーボードは、従来より、ユーザ入力を収集するための受動的な機械装置のままである。キーボードに対する焦点は、キーボードをより薄く、より静かで、より低い操作圧力等にするという機械的な側面に対するものである。キーは、典型的に、そのキーで利用可能な電気接続が存在しないので、キーボードの受動的な構成要素である。一部のキーは電気接続を有するが、既存の方法(例えばワイヤ、ケーブル又はポゴピン)を使用する電気接続は、通常そのような電気接続のための十分なスペースが存在しないので重大な制限がある。例えば典型的なキーキャップの典型的な寸法は、約14mm×13.5mm×1.8mmである。キーの底面とベースプレートとの間のエアギャップは、典型的には約1.2~2.5mmである。加えて、相互接続ケーブル又はワイヤの使用は、大量生産のための組立ての観点から難しく、実現不可能である。さらに、相互接続ケーブル又はワイヤの使用は、キーが垂直運動中のときに他の構成要素と干渉する可能性がある。また、相互接続ケーブル又はワイヤの使用は、操作圧力に影響する可能性がある。例えば操作圧力が増加して、相互接続されたケーブル又はワイヤの使用と整合しないものになる可能性があるので、キーのユーザビリティに影響する。また、相互接続ケーブル/ワイヤリングの使用は、数百万回の操作に耐えるという信頼性がない。また、無線エネルギー転送ソリューションの使用は高価でもあり、電力消費を増加させる。これまでには、カスタマイズされた電気機械スイッチを作成することによって、キーへの電気的接触が試みられてきた。しかしながら、各キーの下に電気接続を作るための新たな部品の追加は、全体的な重さを増加させ、高価であり、また組立てが複雑になる可能性がある。例えば多くの現在のキーは、導電性膜ベースのスイッチのための3層PETによるドーム/シザーアセンブリを含み、簡単なスナップフィットアセンブリを必要とする。電気機械ベースの触覚スイッチは、しばしば組立てのために追加の部品と特別なツールを必要とする。さらに、追加の機械的部品は定期的にメンテナンスされなければキーをノイズに対して弱くするように思われるため、キーは入念な定期メンテナンス又は埃の定期的なクリーニングを必要とし、キーのノイズレベルを低減するために定期的な給脂を必要とする可能性がある。
【0043】
これまでのインタラクティブ又はインテリジェントなカスタマイズ可能キーボードは、典型的に、カスタム及び洗練された設計を採用する。これらのキーボードはしばしば、大幅なコストを追加するカスタムパーツ及び接続機構を利用し、これにより、そのユーザビリティを制限する。インタラクティブなカスタマイズ可能キーボードは、キーボードを使用する基本的な感覚を変えることができ、これによりその受容(acceptance)を制限する。例えばインタラクティブなカスタマイズ可能キーボードはしばしばより大きく、ディスプレイはキーの表面から視覚深度(visual depth)にあり、ディスプレイは限られた視野角と輝度を有し、表面の仕上げは従来型キーボードと似ておらず、キーはより「カチっと(clicky)」感じるか、触覚的応答は何もない等である。加えて、インタラクティブなカスタマイズ可能キーボードは、しばしばより多くのメンテナンスをエンドユーザから必要とし、比較的高い電力量を消費する。
【0044】
受容可能な電気接続がキーでは利用できないので、典型的なキーキャップは、ディスプレイやセンサのような能動素子を含まない。この理由の1つは、キーの薄い機械プロファイル、表面トポロジ、ビュー及び寿命の要件を所与として、キーの使用を損なうことなく能動素子をキーキャップの内部に埋め込むことは難しい可能性があるためである。例えばキーキャップ内にディスプレイを設計して構築する現在のプロセスは、複数の問題を有する。そのような問題の1つはゴースト発生(ghosting)である。ゴースト発生は、隣接する下部電極間の絶縁ギャップが、数サイクルの状態変化の後に予見不可能な状態(in-deterministic state)でその領域内の誘電体から離れるときに発生する可能性がある。結果として、ディスプレイ全体が周期的な全画面リフレッシュを必要とする。ゴースト発生はユーザ経験を台無しにする可能性がある。
【0045】
ゴースト発生を軽減する1つのソリューションは、ディスプレイ全体をリフレッシュすることである。しかしながら、(ディスプレイの一部とは対照的に)ディスプレイ全体をリフレッシュすることは、全体的なシステムの電力消費を増加させる。別の共通の問題は、ディスプレイの外形寸法のアスペクト比が能動ディスプレイ領域のアスペクト比と同じではないというアスペクト比の不一致である。アスペクト比の不一致は、下部電極から上部電極への接続を作成するために必要とされるエリアが能動エリアの外側にあるときに生じる可能性がある。これは、能動エリアのアスペクト比が外形寸法のアスペクト比と同じでないという状況を招き、美観並びに機械的及び工業的設計に対する制約を導入する可能性がある。また、(X及びY面内の)追加のスペースが必要とされ、このような追加のスペースは、特に特別な又は小さなディスプレイ上では必ずしも常に利用可能ではない。
【0046】
別の可能性のある課題は、上部電極接続及びエッジ(例えば誘電体を環境、熱シール等から保護するための非能動的な保護エッジ)がディスプレイに余白を追加するので、ゼロ又はほぼゼロミリメートル(mm)ベゼルのディスプレイを作ることができないことである。能動エリアはディスプレイの実際の視認可能エリアであり、誘電体が水分に触れることを防ぐために熱シール又は同様のプロセスでスタックの全ての層をラミネートするために境界が必要とされる。加えて、設計ルールの制約が、課題又は問題を導入する可能性がある。例えば隣接する下部電極(セグメント)間の絶縁ギャップは、誘電体及びベース基板に使用される材料に依存し、(下部電極上に生成されている)グラフィックアートワークの最小間隔は、絶縁ギャップによって制限される。
【0047】
インタラクティブなカスタマイズ可能キーボードの電気的インタフェースは、印刷された銀トレース(printed silver traces)(又は同等の材料)を通して下部電極への接続が引き出されるとき、問題を生じる可能性もある。これにより、トレースは、ベース基板の同じ水平面上の能動エリアの外側に伸びてテール(tail)を形成する。ディスプレイ駆動PCBがディスプレイの真下にある場合、テールの屈曲半径を許容する(X及びY平面内の)追加のエリアが必要とされる。さらに、(上部電極への電気接続を可能にするために)誘電材料を除去するプロセスは手作業であり、かなりの時間を要し、比較的大きな除去エリアを必要とする可能性がある。
【0048】
キー108は、従来型キーボードを受動デバイスからインテリジェントでインタラクティブなカスタマイズ可能デバイスに変え、同時に、上記の課題の一部を克服するように構成されることができる。一実施形態では、キー108は、従来型キーボードを、受動デバイスからディスプレイを有するインテリジェントでインタラクティブなカスタマイズ可能デバイスに変え、同時に、上記の課題の一部を克服するように構成されることができる。キーボード部分106及びキー108は、従来型キーボードと比較して、ユーザビリティ、生産性、感触又は信頼性に大きな影響を与えることなく、既存のキーボードの要素又は構成要素をわずかな変更だけで利用することができる。キーボード部分106及びキー108は、従来型キーボードと比較して、比較的にコスト追加を最小限に抑え、組立てへの影響を最小限に抑えることができる。さらに、キーボード部分106及びキー108は、従来型キーボードと比較して、追加のメンテナンスがほとんどないか又は全くなく、追加の電力消費も比較的低いものとすることができる。通常の機械的キーボードと同じ要素又はコンポーネントが使用されるので、同じシステム内で従来型のキーと能動キーが共存することができる。例えばキーボード部分106の1つの行を能動のものにすることができ、一方、キーボードの残りの部分は従来型の機械的キーを使用する。
【0049】
加えて、キーボード部分106は、従来型キーボードの感触、機能又は信頼性を損なうことなく、インタラクティブで状況にあった経験(contextual experience)を提供するインタラクティブなカスタマイズ可能キーボードを提供するように構成されることができる。キーキャップ、シリコンドーム、シザー、ベースプレート、スキャンマトリックスのような従来の機械的キーボードの基本要素は、特定の要素に対する変更により全て保持される。一例では、キーは、組込み型のセグメンテーションされた双安定電子ペーパーディスプレイ(embed segmented bi-stable e-paper display)を含むことができ、このディスプレイは、ユーザ入力に基づいてインタラクティブに、あるいは状況(画面上に表示されるコンテンツ又はアプリケーション)に応じて状態を変えることができる。
【0050】
キーボード部分106は、既存のキーボード構成要素を成分(ingredients)として使用し、類似の組立て方法を使用するように構成されることができる。加えて、キーボード部分106は、従来型キーボードの感触や機能に影響を与えず、小さなZ高さ(Z-height)のキーキャップ内にも実装することができ、ピッチや間隔のような人間工学的レイアウトの考慮事項は事実上影響を受けずに残り、キーの人間工学のために操作力若しくは移動、テクスチャ及び曲率に対する変更なしに又は最小限の変更で従来型キーボードの通りに維持することができ、従来型キーボードと比較して高さ又は重さはあまり追加されない。さらに、既存のフォームファクタを維持することができ、ディスプレイ等のインタラクティブなコンポーネントは、従来型キーボードのようにタイピング面の表面に真っ直ぐに(right)見えることができ、ほぼ180度の視野角を提供する。これはキーボードを昼光で判読可能にすることもできる。加えて、キーボード部分106は、従来型キーボードのように数百万回もの信頼性の高い操作のために構成されることができ、追加のメンテナンス又はクリーニングを必要としない。さらに、電力が取り外された後でも状態が保持されるので、消費される電力は比較的低い(状態変化の間のみ電力が消費される)。このこと及び他の要因により、キーボード部分106を実装するためにコスト追加を比較的少なくすることができる。
【0051】
加えて、ここで概説したディスプレイのような能動素子は、上述した能動的なキーキャップ問題(及び他の問題)を解決することができる。一例では、ディスプレイは、ディスプレイの最も外側の面又はユーザ側の面の上に色付きマスク(colored mask)を印刷又は一体化するように構成されることができる。一例では、典型的な1つのアートワークの代わりに2つのアートワークを用意することができる。2つのアートワークは、下部電極又はベース基板用の粗いアートワーク(coarse artwork)と、マスク又は上部レイヤー用の細かいアートワーク(fine artwork)を含むことができる。細かいアートワークは、下層にある誘電体層の設計ルールに制約されない。露出エリアの表面テクスチャとマスク印刷エリアとの間に不一致が存在しないように、つや消し又は光沢のあるオーバーコートを使用して、均一な表面テクスチャを生成することができる。誘電体は、能動エリアから除去されてもよい。さらに、レーザアブレーションを誘電体除去に使用してもよい。レーザアブレーションにより、除去プロセスをより速く行うことができ、誘電体除去エリアの寸法を大幅に小さくすることができる。一例では、誘電体除去エリアは、典型的なユーザの肉眼では気づかれない又は知覚されないほど十分に小さくすることができる。広いエリアが必要であり、そのエリアが目立つ場合、そのエリアをマスクで覆うことができる。さらに、Z軸接着剤が使用されてもよく、従来的なテールを使用する代わりに、セグメントへの電気接続を確立するためにベース基板上の導電性ビア(conductive via)又はチャネルとすることができる。
【0052】
ディスプレイは、グローバルリフレッシュが必要とされないので、目に見えるゴーストを低減又は排除し、電力消費を低減するように構成されることができる。下部電極用の粗いアートワークとディスプレイの上部の細かいアートワークで、ゴースト効果を受けているエリアを隠すことができる。ゴースト効果は存在するが、ゴーストが発生するであろうエリアをマスクで隠すことができるため、ユーザには見えない。加えて、可視アートワークは誘電体層の設計ルールに依存しないので、ディスプレイは、より細かいグラフィックを可能にすることができる。また、ディスプレイは、ディスプレイをラミネートすることができる場合には、能動エリアと外部寸法の均一なアスペクト比を可能にすることができ、あるいはディスプレイがラミネートされない場合には、ゼロmmのベゼルを可能にすることができる。また、バックグラウンドセグメントがマスクを必要としないため、ドライブラインの数を1つ減らすことができる。ドライブラインを1つ減らすことは、狭い空間の制約において利点となり得る。ディスプレイは更に、ディスプレイテール及びその屈曲半径に必要なエリアの必要性を回避するように構成され得る。これは、ディスプレイが、ウェアラブルやキーボードのキーキャップのように非常に小さな用途で使用されるときに有利であり得る。
【0053】
一例では、ディスプレイのユーザ側の面にマスク層を印刷することができる。マスク上のグラフィックは、非常に細かいものとすることができ、下部電極又はベース基板に適用可能な設計ルールとは独立なものとすることができる。マスクは背景として機能し、背景セグメント(存在する場合)と同じ色を有する。マスクは、従来型キーキャップのルックアンドフィールに合うように、つや消し又は光沢仕上げを施してもよい。マスクによって露出されたままのエリアを、透明なオーバーコートでコーティングすることができる。オーバーコートの厚さは、マスクインクの厚さと同じにすることができる。透明なオーバーコートの仕上げ(光沢又はつや消し)は、マスクを印刷するために使用されるインクの仕上げと同じに維持される。
【0054】
ディスプレイは、下部電極又はベース基板上に印刷された粗いグラフィックを含むことができる。背景色が黒の場合、マスクに印刷された文字は、下部電極を白色状態に駆動することによって可視にされる。同様に、マスクで印刷された文字は、下部電極を黒色状態に駆動することによって隠れた状態に駆動され得る。下部電極によって生成されるディスプレイを、バックライトの概念のように使用することができる。露出されるエリアに塗布される透明なオーバーコートの厚さ及び仕上げの一致は、マスクに使用されるインクの厚さ及び仕上げと同じである。マスクに使用される色は、オーバーコートを通して見られる背景セグメントの有効色と同じであってもよい。これは、隠れた状態を効果的に達成することができることを保証する。
【0055】
上部電極を接続するために、誘電体を能動エリア自体から除去することができる。誘電体除去によって作られるデッド領域(dead region)をマスクによって隠すことができる。誘電体除去をレーザアブレーションによって行うことができるので、デッド領域のサイズは小さな寸法に限られ、能動エリア内のディスプレイ領域の損失を最小にする。隣接する下部電極間の絶縁ギャップもマスクによって隠すことができる。その結果、ゴースト効果はユーザに決して見えない。一例では、ベース基板(例えばPET又はFR4又はポリイミド)は導電性ビアを含むことができる。下部電極への電気接続は、Z軸接着剤を使用してPCBに対して確立され得る。
【0056】
1つ以上の実施形態では、ディスプレイを、バッテリ及び電子システムの様々なコンポーネントを含むことができるデバイスに含めることができる。これらのコンポーネントは、中央処理ユニット(CPU)、メモリ等を含んでよい。(デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、サポートチップセット等を含む)任意のプロセッサ、メモリ要素等を、特定の構成の要件、処理要求、コンピュータ設計等に基づいて適切にマザーボードに結合することができる。外部ストレージ、ビデオディスプレイ、サウンドのためのコントローラ及び周辺機器デバイス等のような他のコンポーネントは、プラグインカードとしてケーブルを介してマザーボードに取り付けられてよく、あるいはマザーボード自体に組み込まれてもよい。
【0057】
図2Aを参照すると、
図2Aは、本開示の一実施形態によるキー108の断面の側面図である。キー108は、キーキャップ110、シザー112及びドーム114を含むことができる。一例では、キーボード構造内の既存のドームにコーティングを施して、ドームを導電性にすることができる。コーティングをエッチングして、ドーム114の本体上に複数の電気経路を形成することができる。コーティング処置、操作圧力(ドームの力及びストライク応答(strike response))に影響を与えることなく、数百万回の操作にわたって導電性を保証する。
【0058】
キー108は、新しい電気機械的スイッチ設計を必要とせず、数十年にわたって証明されていて広く入手可能な、既存の成熟したキーボードの成分(existing mature ingredients of a keyboard)を再利用する。加えて、キー108は、電気的相互接続のためにいずれかの新たな追加コンポーネントを必要としない。したがって、機械的なスイッチとの干渉がない。さらに、システムは、要素の相互接続のために新たな組立てステップを追加しない。この接続は、キーボード組立ての既存のプロセスを使用して確立され、キーボードの動作圧力に影響を与えない。また、キー108は、いずれの付加的な定期メンテナンス、分解、クリーニング、再組立て及び検証も必要とせず、あるいは名目上のクリーニング(nominal cleaning)も必要としない。システムは、追加のメンテナンスを必要とせずに、数百万回の操作にわたって信頼できる電気的及び機械的機能を提供することができる。キー108システムは、比較的安価で、比較的軽く、従来型のキーの形状及びサイズと偏差がないか、比較的小さい偏差しかない。
【0059】
使用中、ドーム114は、シリコンや金属、あるいはキー108が押されたときに操作圧力を吸収し、操作圧力が取り除かれたときにキー108を元の位置へ打ち返す(strike back)ことができる任意の他の同等の要素を含むことができる。このような収縮素子(retractive element)は、滑らかな触覚運動を容易にするために、ドーム114の上端におけるキー108の下部面及びキーボードモジュールの下部の構造基盤との一貫性のある接触(consistent contact)を維持する必要がある。この構造的要件を使用して、キーキャップとシステムの残りの部分との間の電気接続を確立することができる。ドーム114の表面は、複数の電気経路を含むように変更されることができ、本明細書で説明される例示、実施形態又は設計に限定されない。
【0060】
図2Bを参照すると、
図2Bは、本開示の一実施形態によるキー108aの断面の側面図である。キー108aは、キーキャップ110、シザー112及びドーム114を含むことができる。キーキャップ110は、樹脂層146及び能動素子164を含むことができる。ドーム114を、ベース基板134上のスキャンマトリックス層132に結合することができる。
【0061】
能動素子164は、ドーム114上に広がる導電性エリア116を通してスキャンマトリックス層132に結合されるか、やり取りをすることができる。導電性エリア116は、ドーム114を導電性にするためにドーム114に塗布されるコーティングとすることができる。コーティングをエッチングして、ドーム114の本体上に複数の電気経路を形成することができ、操作圧力(ドームの力及びストライク応答)に影響を与えることなく、数百万回の操作にわたって導電性を保証することができる。
【0062】
図3を参照すると、
図3はドーム114の一例を示している。ドーム114は、1つ以上の導電性エリア116、1つ以上の非導電性エリア118及び上部分120を含むことができる。一例では、上部分120はキーキャップ110と接触することになる。各導電性エリア116は電気トレースとすることができる。非導電性エリア118は導電性エリア116を相互から絶縁することができる。
【0063】
図4を参照すると、
図4はドーム114の一例を示している。導電性エリア116と非導電性エリア118の幅は等しいものとすることができ、あるいは異なっていてもよい。一例では、ドーム114上の各導電性エリア116は、ドーム114の底部側122に塗布された導電性接着剤を使用して、システムの残りの部分に電気的に接続されることができる。異なる実施形態は、導電性エリア116の数を増加又は減少させることができ、各導電性エリア116及び非導電性エリア118の幅を変更することができる。
【0064】
図5Aを参照すると、
図5Aはドーム114の一例を示している。
図5Aに図示されるように、ドーム114は、4つの導電性エリア116a~116dと非導電性エリア118を含むことができる。導電性エリア116a~116dを作成するための堆積(deposition)を、ドーム114の本体と該ドーム114が接着(bond)される基板の上で行うことができる。例えばドーム上の導電性エリア116a~116dを、それぞれトレース124a~124dに電気的に結合させることができる。一部の例では、コーティング及びエッチングもされ得るドーム114のベース基板上に塗布される導電性接着剤を使用して、ドーム114を、システムの残りの部分に電気的に結合させることができる。エッチングをドーム114及びベース基板上で行うことができる。この例では、導電性エリア116a~116dは、非導電性エリア118に比べてかなり大きい。
【0065】
図5Bを参照すると、
図5Bはドーム114の一例を示している。
図5Bに図示されるように、ドーム114は、4つの導電性エリア116a~116dと非導電性エリア118を含むことができる。非導電性エリア118を拡張して、導電性エリア116a~116dのための電気分離を生成することができる。一例では、ドーム114及びトランスミッタシートは2つの別個の部品ではなく、単一部品の設計であり、この場合、製造中にはドームのみが最初にトランスミッタシート上に直接接着される(
図5Aに図示される全てのトレース124a~124dがない)。次いで、組み立てられたシートを導電性コーティングでコーティングすることができる。このコーティングは、トランスミッタシート上に印刷された導電性パッドに直接接続する。コーティングの後、レーザエッチングプロセスを用いてドーム114上に電気分離を生成することができる。レーザエッチングを使用して、トランスミッタシートの底部に電気分離を生成することもできる。トランスミッタシートの底部におけるレーザエッチングのパターンは、
図5Aに図示されるトレース124a~124dのパターンと同様とすることができる。
【0066】
図6A~
図6Fを参照すると、
図6A~
図6Fはドームの異なる実施形態の例を示している。
図6A~
図6Fに図示されるように、各ドーム114a~114fは、異なる数の導電性エリア116及び/又は各導電性エリア116の異なる幅を有してよい。例えば
図6Aに図示されるように、ドーム114aは4つの比較的大きな導電性エリア116を有し、一方、
図6Eに図示されるように、ドーム114eは3つの比較的小さな導電性エリア116を有する。導電性エリアの数及び厚さは、設計上の制約及びユーザの好みによってのみ制限される。
【0067】
図7を参照すると、
図7は導電性ドームの一部の一例を示している。
図7に図示されるように、導電性ドームの一部が、第1層126、第2層128及び第3層130を含むことができる。第1層126及び第2層128を結合して導電性エリア116にすることができる。第1層126は、導電性である金属材料の薄いコーティングを含むことができる。第1層126はまた、第2層128との強い接着特性を有することもできる。第2層128は金属材料の薄いコーティングを含むことができ、この金属材料は、第1層126と同じであってもよく、第1層126とは異なる材料であってもよい。第2層は第3層130との強い接着特性を有することができる。第3層130は、ドーム114の外面を含み、シリコン又は何らかの他の同様の材料を含んでもよい。一例では、第1層126は、第3層130と接着しないか又は接着することが難しい材料であってよい。第2層128は、第1層126を第3層130へ結合することを助けるように構成されることができる。
【0068】
図8を参照すると、
図8は導電性ドームの一部の一例を示している。
図8に図示されるように、導電性ドームの一部は、複数の第1層126、複数の第2層128及び第3層130を含むことができる。複数の第1層126及び第2層128を結合して導電性エリア116bにすることができる。各第1層126は約0.1ミクロンの厚さであってもよく、各第2層128は約0.025ミクロンの厚さであってもよい。
【0069】
一例では、ドーム114の表面は、物理蒸着(physical vapor deposition)又はいずれかの他の同様のコーティング技術でコーティングされてもよい。別の例では、ニッケルチタン等の1つの材料のみを使用して、1つの層のみをコーティングする。コーティングの全体的な厚さは、蒸着に使用されるターゲット材料及びシリコンの材料組成に依存して、サブミクロンから数ミクロンまで変化し得る。
【0070】
図9を参照すると、
図9は、本開示に関連し得るフロー900の可能な動作を示す例示のフローチャートである。902において、処理されるドームを取得又は識別する。904において、ドームがその上に配置されることになる(又は配置されるべき)基板を取得又は識別する。906において、ドームを基板上に配置する。一例では、接着剤を使用してドームを基板上に配置する。908において、ドームと基板との間の結合を硬化し、成熟させる。910において、整列及び配向マーク(alignment and orientation marks)を基板上に配置する。912において、ドーム及び基板アセンブリをクリアにするか又はクリーニングする。914において、ドーム及び基板アセンブリを薄膜蒸着装置(thin film deposition equipment)に移動させる。916において、蒸着装置のクリーニングチャンバ内でドーム及び基板アセンブリを焼く。918において、ドーム及び基板アセンブリを蒸着チャンバに移動させる。920において、蒸着のためのターゲット材料、電力、圧力及び持続時間を選択する。922において、ドーム及び基板の表面上で薄膜蒸着を実行する。924において、システムは、全ての層が堆積(deposit)されたかどうかを判断する。全ての層が堆積されていない場合、システムは920に戻り、蒸着のためのターゲット材料、電力、圧力及び持続時間を再び選択する。全ての層が堆積された場合、926のように、ドーム及び基板アセンブリを薄膜蒸着装置から除去する。
【0071】
図10を参照すると、
図10は、本開示に関連し得るフロー1000の可能な動作を示す例示のフローチャートである。1002において、ドーム及び基板アセンブリを取得(又は配置)し、薄膜蒸着でコーティングする。1004において、エッチング装置(例えばレーザエッチング装置)に接着剤をスプレーして、ドーム及び基板アセンブリをエッチング装置に固定する。1006において、ドーム及び基板アセンブリがエッチング装置内に配置される。一例では、ドーム及び基板アセンブリは、(
図9に示すフロー900のように)基板上に作成されたマークを使用して整列及び配向される。1008において、基板をレーザカットして各ドームを分離する。一例では、各ドームに関連付けられる基板の部分も切断される。別の例では、単一部品の設計では、基板は切断されず、基板上に電気分離を生成するためにエッチングされるだけである。1010において、各ドームの向きがエッチングパターンの通りに設定される。一例では、エッチングパターンはレーザエッチングパターンであってよい。1012において、1回以上のエッチングのパス(pass)を実行して薄膜蒸着を除去する。1014において、システムは、エッチングパターンが完全に作成されたかどうかを判断する。エッチングパターンが完全に作成されていなかった場合、システムは1010に戻り、各ドームの向きをエッチングパターンの通りに設定する。レーザエッチングパターンが完全に生成された場合、1016のように、ドーム上に作成された各パッチに沿った導電性について、1つ以上のドームを検査する。1018において、ドーム上に作成された全ての経路の間の電気分離について、1つ以上のドームを検査する。1020において、ベース基板は、組立てに必要とされる最終形状ごとに切断される。
【0072】
図11を参照すると、
図11は、本開示の一実施形態によるキーボード(例えばキーボード106)の一部の断面の側面図である。一例では、キーボード(例えばキーボード106)の一部は、ドーム114、導電性エリア116a及び116b、スキャンマトリックス層132及びベース基板134を含むことができる。スキャンマトリックス層132は、分離領域136、サポート層138、トレーシング140、絶縁コーティング142及びスキャンマトリックス144を含むことができる。分離領域136は、ある導電性エリア(例えば導電性エリア116a)上の信号又は通信を、別の導電性エリア(例えば導電性エリア116b)上の信号又は通信から、及びシステムの残りの部分から分離することができる。バイアス148は、導電性エリア116a及び116bとトレーシング140との間の通信経路を提供することができる。トレーシング140は、トランスミッタボード又はホストコントローラボード内のもののように、信号及び通信をプロセッサに伝達することを可能にすることができる。サポート層138は、基材とすることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルを含むことができる。スキャンマトリックス144は、スキャンマトリックストレースを含むことができる。
【0073】
図12を参照すると、
図12は、キーボード部分106の一例を図示している。キーボード部分106は、キーキャップ110、ドーム114、シザー150、通信経路152、トランスミッタシート154、ベースプレート156、トランスミッタボード158、コントローラボード160及びホスト接続162を含むことができる。キーキャップ110は、能動素子164(例えばディスプレイ、双安定ディスプレイ、電子インクディスプレイ等)を含むことができる。ロック機構166を使用してシザー150をベースプレート156に結合することができる。一例では、トランスミッタシート168は、トレーシング140と同様であり、キーキャップ110とトランスミッタボード158又はコントローラボード160との間で信号及び通信を伝達することを可能にすることができる。トランスミッタボード158は、キーキャップ110内の能動素子164を制御するように構成されることができる。コントローラボード160は、トランスミッタボード158への通信を制御又は送信するように構成されることができる。一例では、コントローラボード160は、トランスミッタボード158へ通信することができるロジック又は命令を含むことができ、トランスミッタボードは、能動素子164に機能又はアクションを実行させるためのドライバとして機能することができる。ホストインタフェース162は、第2ハウジング104の様々な電子装置(例えばメインマザーボード)と通信するように構成されることができる。一例では、トレーシング140をトランスミッタシート上で行って、ドーム114上の各導電性経路をトランスミッタボード158の出力に接続することができる。トランスミッタシートは複数の穴を含む可能性があるので、トランスミッタシート上にトレースをルーティングするためにスペース制約が存在する可能性がある。複数の穴は、下にあるベースプレートからロック機構が突出することを可能にすることができる。異なる電極で常に同じ差動電圧信号を搬送するドライブラインを組み合わせることによって、限られたエリア内のトレーシングを最適化することができる。電極が異なるキーに属するときにも最適化を行うことができる。
【0074】
図13を参照すると、
図13は、本開示の一実施形態による能動素子164aの実施形態を示す簡略化された平面図である。能動素子164aは、透明基板170a、上部電極172、誘電体174、導電性接着剤176及びベース基板178を含むことができる。一例では、導電性接着剤は上部電極172の上部側と底部側に配置されてもよい。透明基板170aは、マスク180及び露出エリア182aを含むことができる。星形プロファイルが露出エリア182aとして示されているが、このプロファイルはほぼ任意の形状、数字、文字、記号等とすることができる。ベース基板178は、下部電極184a及び上部電極接続エリア186を含むことができる。上部電極接続エリア186は、電気経路188を使用して上部電極172に結合されることができる。一例では、下部電極184aと露出エリア182aとの間に1対1(1:1)又は1対n(1:n)のマッピングが存在することができる。例えば記号「!」と数字「1」が常に同時に表示又は非表示にされている場合、これらは双方ともマスク180上の独立した(接続されていない)細かいアートワークであり得るが、これらを、下部電極184a上の1つの(接続された)粗いアートワークによって制御することができる。「細かいアートワーク」という用語は、露出エリア182aと同様の特徴又は要素を説明するために使用されることがあり、「粗いアートワーク」という用語は、下部電極と同様の特徴又は要素を説明するために使用されることがある。
【0075】
能動素子164aは、双安定ディスプレイであってよい。双安定という用語は、ディスプレイの電源が除去された後であっても、ディスプレイ上にコンテンツを保持するディスプレイの能力を指す。能動素子164aは、コンピュータ、モバイルデバイス、タブレットデバイス(例えばi-Pad(登録商標))、Phablet(登録商標)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、オーディオシステム、任意のタイプのムービープレイヤ等のように、ディスプレイを有する任意の適切な電子デバイスシステムと共に使用されてよい。一例では、上部電極172、誘電体174、マスク180及び下部電極184aの厚さは、約3ミリメートル未満である。
【0076】
上部電極172は、上部電極であってよく、ユーザ側に面している可能性もある。上部電極172は、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明な導電性材料を含むことができる。誘電体174の色は、ユーザ側の面から見て、差動電圧が電極にまたがって印加されるときに変化し得る。電気泳動ディスプレイ(elnk)、エレクトロクロミックディスプレイ、フォトニックディスプレイのような様々なタイプの双安定ディスプレイが存在する。ディスプレイは、誘電体層に使用される材料に基づいて異なり、全てが能動素子164aに含まれ得る。
【0077】
図13に図示されるように、マスク180上の画像182aは上部電極接続エリア186まで、したがって電気経路188まで広がらないので、いずれのゴースト効果も可視ではない。ベース基板178は、PETフィルム、ポリイミドフィルム、FR4等を含むことができる。接続経路188は、誘電体材料を除去することによって生成されることができ、ベース基板178から上部電極172への接続を可能にするように構成されることができる。電気経路188は、上部電極172とベース基板178との間の通信を可能にするように構成されることができる。
【0078】
図14Aを参照すると、
図14Aは、本発明の一実施形態による、ディスプレイ(例えば能動素子164a)を含むキー(例えばキー108)の一部の実施形態のブロック図を示している。
図14Aは、ラミネーション186を有するディスプレイの例を示す。ユーザがディスプレイを見るとき、ラミネーション186、マスク180及び露出エリア182aが、ユーザに対して可視であり得る。電気経路118a及び全てのゴースト効果がマスク180によって隠されるので、電気経路188a及び全てのゴースト効果が可視でないことに留意されたい。
【0079】
図14Bを参照すると、
図14Bは、本発明の一実施形態による、ディスプレイ(例えば能動素子164a)を含むキー(例えばキー108)の一部の実施形態のブロック図を示している。ユーザがディスプレイを見るとき、マスク180及び露出エリア182aがユーザに対して可視であり得る。
図14Aに図示されるラミネーション186がなくても、電気経路118a及び全てのゴースト効果がマスク180によって隠されるので、電気経路188a及び全てのゴースト効果が可視ではないことに留意されたい。
【0080】
図15Aを参照すると、
図15Aは、本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示している。
図15Aは、誘電体層がマスク180と同じ色でないか又は同じ色に近くないときの例を示す。
図15Aでは、露出エリア182aはユーザに可視である。
【0081】
図15Bを参照すると、
図15Bは、本開示の一実施形態による、キーの一部の実施形態のブロック図を示している。
図15Bは、誘電体層がマスク180と同じ色又は同じ色に近いときの例を示す。
図15Bでは、露出エリア182aはユーザに可視でない。
【0082】
一例では、誘電体174は、上部電極172(第1導体)と下部電極184a(第2導体)との間にサンドイッチされる。差動電圧が上部電極172と下部電極184aとの間で生成されると、差動電圧を使用して誘電体の状態を変化させ、誘電体に異なる色を作らせることができる。一例では、第1差動電圧は、露出エリア182aが白又は(例えば
図15Aに示されるように)マスク180の色と対照的な色に見えるように、誘電体174を白色に見せることができる。第2差動電圧が上部電極172と下部電極184aにまたがって印加されると、誘電体174の色は、黒色に見えるかマスク180と一致するように変化し、露出エリア182aはユーザに可視でなくなり、ユーザは、(例えば
図15Bに示されるように)露出エリア182aの可視の指示が全く見えなくなるか、非常にわずかな指示又はトレースしか見えなくなるであろう。なお、誘電体膜(dielectric mater)174の色は黒色以外の色を含んでいてもよく、単色(solid color)が使用されてもよく、2色以上の異なる色が使用されてもよいことに留意されたい。
【0083】
図16を参照すると、
図16は、本開示の一実施形態による能動素子164bの実施形態を示す簡略化された平面図である。能動素子164bは、透明基板170b、上部電極172、誘電体174、導電性接着剤176及びベース基板178を含むことができる。ベース基板178は、下部電極184b~184d及び上部電極接続エリア186を含むことができる。上部電極接続エリア186は、電気経路188を使用して上部電極172に結合されることができる。
【0084】
透明基板170bは、マスク180と、露出エリア182b、182c及び182dを含むことができる。数字の「3」のプロファイルが露出エリア182bとして示されているが、プロファイルはほぼ任意の形状、数字、文字、記号等とすることができる。ドル記号(「$」)プロファイルが露出エリア182cとして示されているが、プロファイルはほぼ任意の形状、数字、文字、記号等とすることができる。スピーカ又は音量プロファイルが露出エリア182dとして示されているが、プロファイルはほぼ任意の形状、数字、文字、記号等とすることができる。一例では、露出エリア182bは下部電極184bに対応することができ、露出エリア182cは下部電極184cに対応することができ、露出エリア182dは下部電極184dに対応することができる。マスク上の露出エリアが小さい場合、下部電極上の粗い形状も小さくすることができる。例えば底部基板上に、実際の電極を有していない大きな非能動エリアが存在することがある。これは、より少ない材料を使用することでコストを節約し、かつ導電性を必要とするエリアを減少させることでノイズ/EMI/EMCピックアップを減少させることを助けることができる。一例では、上部電極172、誘電体174、マスク180及び下部電極184b~184dの厚さは、約3ミリメートル未満である。
【0085】
図17Aを参照すると、
図17Aは、本開示の一実施形態による能動素子164cの実施形態を示す簡略化された平面図である。
図17Aは、第1差動電圧が、上部電極172と下部電極184bとの間に、下部電極184bの上であるが露出エリア182bの下にある誘電体174のエリア内で生成されるときの例を示す。これは、誘電体174の色が白色に見えるかマスク180の色と幾らか対照的な色になり、露出エリア182bがユーザに可視なものになり得るように、誘電体174の色を変化させることができる。加えて、第2差動電圧が上部電極172と下部電極184c及び184dとの間に生成され、これにより、誘電体174の色が黒色に見えるように又はマスク180に一致するように変化し、露出エリア182c及び182dはユーザに可視ではなくなり、ユーザは、露出エリア182c及び182dの可視の指示が全く見えなくなるか、非常にわずかな指示又はトレースしか見えなくなるであろう。
【0086】
図17Bを参照すると、
図17Bは、本開示の一実施形態による能動素子164dの実施形態を示す簡略化された平面図である。
図17Bは、第1差動電圧が、上部電極172と下部電極184cとの間に、下部電極184cの上であるが露出エリア182cの下にある誘電体174のエリア内で生成されるときの例を示す。これは、誘電体174の色が白色に見えるかマスク180の色と幾らか対照的な色になり、露出エリア182cがユーザに可視なものになり得るように、誘電体174の色を変化させることができる。加えて、第2差動電圧が上部電極172と下部電極184b及び184dとの間に生成され、これにより、誘電体174の色が黒色に見えるように又はマスク180に一致するように変化し、露出エリア182b及び182dはユーザに可視ではなくなり、ユーザは、露出エリア182b及び182dの可視の指示が全く見えなくなるか、非常にわずかな指示又はトレースしか見えなくなるであろう。
【0087】
図17Cを参照すると、
図17Cは、本開示の一実施形態による能動素子164eの実施形態を示す簡略した平面図である。
図17Cは、第1差動電圧が、上部電極172と下部電極184dとの間に、下部電極184dの上であるが露出エリア182dの下にある誘電体174のエリア内で生成されるときの例を示す。これは、誘電体174の色が白色に見えるかマスク180の色と幾らか対照的な色になり、露出エリア182dがユーザに可視なものになり得るように、誘電体174の色を変化させることができる。加えて、第2差動電圧が上部電極172と下部電極184b及び184cとの間に生成され、これにより、誘電体174の色が黒色に見えるように又はマスク180に一致するように変化し、露出エリア182b及び182cはユーザに可視ではなくなり、ユーザは、露出エリア182b及び182cの可視の指示が全く見えなくなるか、非常にわずかな指示又はトレースしか見えなくなるであろう。
【0088】
能動素子164は、双安定ディスプレイであってよい。双安定という用語は、ディスプレイ用の電源が除去された後であっても、ディスプレイがコンテンツをディスプレイ上に保持する能力を指す。「セグメント化された(segmented)」という用語は、例えば
図16及び
図17A~
図17Cに図示されるように、ドットマトリックスディスプレイに代わるディスプレイの形態を指す。セグメント化されたディスプレイを、予め定義された形状又はセグメント(例えば露出エリア182a~182d)の集合で構築することができる。ランタイムに、各セグメントを可視状態又は非表示状態のいずれかに駆動して、画面上に表示できる最終的な画像を構成することができる。セグメント化されたディスプレイの概念は、電卓で使用される7つのセグメントディスプレイと同様である。
【0089】
図18を参照すると、
図18は、双安定ディスプレイに関連し得るフロー1800の可能な動作を示す例示のフローチャートである。1802において、色付きマスクが双安定ディスプレイの最外面の上に一体化される。1804において、背面(又は下部)電極のための粗いアートワークを準備する。例えば背面(又は下部)電極はベース基板178であってもよい。1806において、マスクのための細かいアートワークを準備する。1808において、つや消し又は光沢のあるオーバーコートが色付きマスクに塗布される。1810において、誘電体を能動エリアから除去する。1812において、双安定ディスプレイのセグメントへの電気接続を確立するために、テールの代わりにz軸接着剤及び導電層を使用する。
【0090】
図19を参照すると、
図19は、一実施形態によるポイントツーポイント(PtP)構成で配置されるコンピューティングシステム1900を図示している。特に、
図19は、プロセッサ、メモリ及び入出力デバイスが複数のポイントツーポイントインタフェースによって相互接続されるシステムを示す。一般に、電子デバイス100のネットワーク要素のうちの1つ以上が、コンピューティングシステム1900と同じ又は類似の方法で構成されてもよい。
【0091】
図19に図示されるように、システム1900は幾つかのプロセッサを含んでよいが、明確性のために、そのうちの2つのプロセッサ1970及び1980のみが図示されている。2つのプロセッサ1970及び1980が図示されているが、システム1900の実施形態は、そのようなプロセッサを1つだけ含んでもよいことが理解されよう。プロセッサ1970及び1980は各々、プログラムの複数のスレッドを実行するための1組のコア(すなわち、プロセッサコア1974a及び1974bと、プロセッサコア1984a及び1984b)を含むことができる。コアは、命令コードを実行するように構成されてよい。各プロセッサ1970、1980は少なくとも1つの共有キャッシュ1971、1981を含むことができる。共有キャッシュ1971、1981は、プロセッサコア1974及び1984のような、プロセッサ1970、1980の1つ以上のコンポーネントによって利用されるデータ(例えば命令)を格納することができる。
【0092】
プロセッサ1970及び1980は各々、メモリ要素1932及び1934と通信するための統合メモリコントローラロジック(MC)1972及び1982も含むことができる。メモリ要素1932及び/又は1934は、プロセッサ1970及び1980によって使用される様々なデータを格納することができる。代替実施形態では、メモリコントローラロジック1972及び1982は、プロセッサ1970及び1980とは別個の個別のロジック(discreet logic)であってもよい。
【0093】
プロセッサ1970及び1980は、任意のタイプのプロセッサであってよく、それぞれポイントツーポイントインタフェース回路1978及び1988を使用してポイントツーポイント(PtP)インタフェース1950を介してデータを交換することができる。プロセッサ1970及び1980は各々、ポイントツーポイントインタフェース回路1976、1986、1994及び1998を使用して、個々のポイントツーポイントインタフェース1952及び1954を介して制御ロジック1990とデータを交換することができる。制御ロジック1990は、インタフェース回路1992を使用して高性能グラフィックスインタフェース1939を介して高性能グラフィックス回路1938とデータを交換することができる。インタフェース回路1992は、PtPインタフェース回路とすることができる。代替実施形態では、
図19に図示されるPtPリンクのいずれか又は全てを、PtPリンクではなくマルチドロップバスとして実装することができる。
【0094】
制御ロジック1990は、インタフェース回路1996を介してバス1920と通信することができる。バス1920は、バスブリッジ1918及びI/Oデバイス1916のように、その上で通信する1つ以上のデバイスを有することができる。バス1910を介して、バスブリッジ1918は、キーボード/マウス1912(又はタッチスクリーン、トラックボール等の他の入力デバイス)、通信デバイス1926(モデム、ネットワークインタフェースデバイス又はコンピュータネットワーク1960を通して通信することができる他のタイプの通信デバイス等)、オーディオI/Oデバイス1914及び/又はデータストレージデバイス1928のような他のデバイスと通信することができる。データストレージデバイス1928は、プロセッサ1970及び/又は1980によって実行され得るコード1930を格納することができる。代替実施形態では、バスアーキテクチャのいずれかの部分を、1つ以上のPtPリンクで実装することができる。
【0095】
図19に示されるコンピュータシステムは、本明細書で議論される様々な実施形態を実装するために利用され得るコンピュータシステムの実施形態の概略図である。
図19に示されるシステムの様々な構成要素が、システムオンチップ(SoC)アーキテクチャで又は任意の他の適切な構成で組み合わされてよいことが認識されよう。例えば本明細書で開示される実施形態は、スマートセルラー電話やタブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、ポータブルゲームデバイス等のようなモバイルデバイスを含むシステムに組み込まれることも可能である。少なくとも一部の実施形態では、これらのモバイルデバイスはSoCアーキテクチャを備えてもよいことが認識されよう。
【0096】
図20を参照すると、
図20は、本開示の例示的なSOC 2000に関連する簡略化されたブロック図である。本開示の少なくとも1つの実施例は、本明細書で議論される能動素子の特徴を有するキーキャップを含むことができる。例えばこのアーキテクチャは、任意のタイプのタブレット、スマートフォン(Android(登録商標)フォン、iPhones(登録商標)、iPad(登録商標)Google Nexus(登録商標)、Microsoft Surface(登録商標)を含む)、パーソナルコンピュータ、サーバ、ビデオ処理コンポーネント、ラップトップコンピュータ(任意のタイプのノートブックを含む)、Ultrabook(登録商標)システム、任意のタイプのタッチ対応型入力装置等の一部とすることができる。
【0097】
図20のこの例では、SOC 2000は、複数のコア2006-2007、L2キャッシュコントロール2008、バスインタフェースユニット2009、L2キャッシュ2010、グラフィックス処理ユニット(GPU)2015、相互接続2002、ビデオコーデック2020及び液晶ディスプレイ(LCD)I/F2025を含んでよい。このLCD I/F2025は、MIPI(mobile industry processor interface)/HDMI(登録商標)(high- definition multimedia interface:高精細マルチメディアインタフェース)リンクに関連付けられてよい。
【0098】
SOC 2000はまた、加入者識別モジュール(SIM)I/F2030、ブート読取専用メモリ(ROM)2035、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)コントローラ2040、フラッシュコントローラ2045、シリアル周辺機器インタフェース(SPI)マスタ2050、適切な電力コントロール2055、動的RAM(DRAM)2060及びフラッシュ2065も含んでよい。加えて、1つ以上の実施形態は、1つ以上の通信機能、インタフェース、並びにBluetooth(登録商標)2070、3Gモデム2075、全地球測位システム(GPS)2080及び802.11 Wi-Fi 2085の例のような機能を含む。
【0099】
動作中、
図20の例は、比較的低い電力消費と共に処理能力を提供し、様々なタイプ(例えばモバイルコンピューティング、ハイエンドデジタルホーム、サーバ、無線インフラストラクチャ等)の演算を有効にすることができる。加えて、このようなアーキテクチャは、任意の数のソフトウェアアプリケーション(例えばAndroid(登録商標)、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)プレイヤ、Java(登録商標)Platform Standard Edition(Java SE)、JavaFX、Linux(登録商標)、Microsoft(登録商標)Windows Embedded、Symbian及びUbuntu等)を有効にすることができる。少なくとも1つの実施形態では、コアプロセッサは、結合された低レイテンシレベル2キャッシュを有するアウトオブオーダーのスーパースカラ・パイプラインを実装してもよい。
【0100】
図21は、一実施形態によるプロセッサコア2100を示す。プロセッサコア2100は、マイクロプロセッサ、組込みプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ又はコードを実行する他のデバイス等のような、任意のタイプのプロセッサのためのコアであってよい。
図21では、1つのプロセッサコア2100のみが図示されているが、プロセッサは、代わりに、
図21に図示されるプロセッサコア2100を2つ以上含んでもよい。例えばプロセッサコア2100は、
図19のプロセッサ1970及び1980に関連して図示及び説明されるプロセッサコア1974a、1974b、1984a及び1984bの実施形態を表す。プロセッサコア2100は、シングルスレッドコアであってもよく、少なくとも1つの実施形態では、プロセッサコア2100は、コアごとに2つ以上のハードウェアスレッドコンテキスト(又は論理プロセッサ)を含んでもよいという点でマルチスレッド化されてもよい。
【0101】
図21はまた、一実施形態によるプロセッサコア2100に結合されるメモリ2102も図示している。メモリ2102は、当業者に公知であるか、さもなければ利用可能であるような多種多様なメモリ(メモリ階層の様々なレイヤを含む)のいずれかであってよい。メモリ2102はコード2104を含んでよく、コード2104は、プロセッサコア2100によって実行される1つ以上の命令であってよい。プロセッサコア2100は、コード2104によって示される命令のプログラムシーケンスに従うことができる。各命令は、フロントエンドロジック2106に入り、1つ以上のデコーダ2108によって処理される。デコーダは、その出力として、所定のフォーマットの固定幅のマイクロオペレーションのようなマイクロオペレーションを生成してもよく、あるいは元のコード命令を反映する他の命令、マイクロ命令又は制御信号を生成してもよい。フロントエンドロジック2106はまた、レジスタリネーミングロジック2110及びスケジューリングロジック2112も含み、これらは一般にリソースを割り当て、実行のために命令に対応するオペレーションをキューに入れる。
【0102】
プロセッサコア2100は、一組の実行ユニット2116-1~2116-Nを有する実行ロジック2114も含むことができる。一部の実施形態は、特定の機能又は機能のセットに専用の複数の実行ユニットを含んでよい。他の実施形態は、1つの実行ユニットのみ又は特定の機能を実行することができる1つの実行ユニットを含んでもよい。実行ロジック2114は、コード命令によって指定されるオペレーションを実行する。
【0103】
コード命令によって指定されたオペレーションの実行の完了後、バックエンドロジック2118は、コード2104の命令をリタイアさせることができる。一実施形態では、プロセッサコア2100は、アウトオブオーダー実行を許容するが、命令のインオーダーリタイアメント(in order retirement)を要求する。リタイヤメントロジック2120は、様々な公知の形式(例えばリオーダバッファ等)をとってよい。このようにして、プロセッサコア2100は、コード2104の実行の間に、少なくともデコーダによって生成される出力、レジスタリネーミングロジック2110によって利用されるハードウェアレジスタ及びテーブル、並びに実行ロジック2114によって修正される任意のレジスタ(図示せず)に関して変換される。
【0104】
図21には図示されていないが、プロセッサは、プロセッサコア2100を有するチップ上の他の要素を含んでもよく、そのうちの少なくとも一部は、
図19を参照して図示及び説明された。例えば
図19に図示すように、プロセッサは、プロセッサコア2100と共にメモリ制御ロジックを含んでもよい。プロセッサは、I/O制御ロジックを含んでもよく、かつ/又はメモリ制御ロジックと統合されたI/O制御ロジックを含んでもよい。
【0105】
本明細書で概説した仕様、寸法及び関係の全て(例えば高さ、幅、長さ、材料等)は、例及び教示の目的のためだけに提供されているものに過ぎないことに留意することが必須である。これらのデータの各々は、本開示の精神又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、大幅に変更されてもよい。仕様は1つの非限定的な例にのみ当てはまり、したがって、これらはそのように解釈されるべきである。上記の説明では例示の実施形態が説明されている。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、そのような実施形態に様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、説明及び図面は、限定的な意味ではなく例示的なものとみなされるべきである。
【0106】
本開示は、特定の配置及び構成に関連して詳細に説明されているが、これらの例示の構成及び配置は、本開示の範囲から逸脱することなく大幅に変更されてもよい。さらに、特定のニーズ及び実装に基づいて、特定のコンポーネントを組み合わせ、分離、排除又は追加してもよい。加えて、本開示は、通信プロセスを容易にする特定の要素及び動作に関連して説明されているが、これらの要素及び動作は、本開示の意図される機能を達成する任意の適切なアーキテクチャ、プロトコル及び/又はプロセスによって置き換えられてよい。
【0107】
多数の他の変更、代替、変形、変更及び修正が当業者に確認されてもよく、本開示は、添付の特許請求の範囲内に入る全てのそのような変更、代替、変形、変更及び修正を包含することが意図される。特許請求の範囲を解釈する際に、米国特許商標庁(USPTO)、加えて本出願について発行される任意の特許の全て読者を支援するために、本出願人は、(a)特定の請求項において「means for(のための手段)」又は「step for(ためのステップ)」という語が具体的に使用されていない限り、出願人は、添付の請求項のうちのいずれかが、出願日に存在する35U.S.C第112条第6項を行使するように意図しておらず、(b)明細書内のいずれかの記載によって、さもなければ添付の特許請求の範囲に反映されない方法で本開示を限定するようには意図していない。
【0108】
他の付記及び例
例A1は、1つ以上の露出エリアを含むマスクと、上部電極と、1つ以上の下部電極と、上部電極と1つ以上の下部電極との間の誘電体と、上部電極と1つ以上の下部電極との間に差動電圧を生成する電気接続とを備える、ディスプレイである。
【0109】
例A2において、例A1に係る主題は、異なる電圧が印加されると誘電体の材料の色が変化する場合を任意選択で含むことができる。
【0110】
例A3において、例A1-A2のいずれか1つに係る主題は、ディスプレイが双安定ディスプレイである場合を任意選択で含むことができる。
【0111】
例A4において、例A1-A3のいずれか1つに係る主題は、マスク、上部電極、1つ以上の下部電極及び誘電体の厚さが約3ミリメートル未満である場合を任意選択で含むことができる。
【0112】
例A5において、例A1-A4のいずれか1つに係る主題は、電気接続が能動エリア内にある場合を任意選択で含むことができる。
【0113】
例A6において、例A1-A5のいずれか1つに係る主題は、1つ以上の下部電極の各々が1つ以上の露出エリアからある露出エリアに対応する場合を任意選択で含むことができる。
【0114】
例A7において、例A1-A6のいずれか1つに係る主題は、1つ以上の下部電極の各々が露出エリアに関連付けられ、1つ以上の露出エリアの可視性(visibility)が、上部電極と1つ以上の下部電極の各々との間に差動電圧を生成することによって独立に制御される場合を任意選択で含むことができる。
【0115】
例M1は、ディスプレイを作成することを含む方法であって、この場合、ディスプレイは、1つ以上の露出エリアを含むマスクと、上部電極と、1つ以上の下部電極と、上部電極と前記1つ以上の下部電極との間の誘電体と、上部電極と1つ以上の下部電極との間に差動電圧を生成する電気接続とを含む。
【0116】
例M2において、例M1に係る主題は、異なる電圧が印加されると誘電体の材料の色が変化する場合を任意選択で含むことができる。
【0117】
例M3において、例M1-M2のいずれか1つに係る主題は、ディスプレイが双安定ディスプレイである場合を任意選択で含むことができる。
【0118】
例M4において、例M1-M3のいずれか1つに係る主題は、マスク、上部電極、1つ以上の下部電極及び誘電体の厚さが約3ミリメートル未満である場合を任意選択で含むことができる。
【0119】
例M5において、例M1-M4のいずれか1つに係る主題は、電気接続が能動エリア内にある場合を任意選択で含むことができる。
【0120】
例M6において、例M1-M5のいずれか1つに係る主題は、1つ以上の下部電極の各々が1つ以上の露出エリアからある露出エリアに対応する場合を任意選択で含むことができる。
【0121】
例AA1において、電子デバイスは第1ハウジングを含むことができ、第1ハウジングはキーボードを含む。キーボードはキーを含み、各キーはキーキャップを含み、各キーキャップの少なくとも一部が、1つ以上の露出エリアを含むマスクと、上部電極と、1つ以上の下部電極と、上部電極と1つ以上の下部電極との間の誘電体と、上部電極と1つ以上の下部電極との間に差動電圧を生成する電気接続とを含む。
【0122】
例AA2において、例AA1に係る主題は、異なる電圧が印加されると誘電体の材料の色が変化する場合を任意選択で含むことができる。
【0123】
例AA3において、例AA1-AA2のいずれか1つに係る主題は、ディスプレイが双安定ディスプレイである場合を任意選択で含むことができる。
【0124】
例AA4において、例AA1-AA3のいずれか1つに係る主題は、マスク、上部電極、1つ以上の下部電極及び誘電体の厚さが約3ミリメートル未満である場合を任意選択で含むことができる。
【0125】
例AA5において、例AA1-AA4のいずれか1つに係る主題は、電気接続が能動エリア内にある場合を任意選択で含むことができる。
【0126】
例AA6において、例AA1-AA5のいずれか1つに係る主題は、1つ以上の下部電極の各々が1つ以上の露出エリアからある露出エリアに対応する場合を任意選択で含むことができる。
【0127】
例AA7において、例AA1-AA6のいずれか1つに係る主題は、1つ以上の下部電極の各々が露出エリアに関連付けられ、1つ以上の露出エリアの可視性が、上部電極と1つ以上の下部電極の各々との間に差動電圧を生成することによって独立に制御される場合を任意選択で含むことができる。
【0128】
例X1は、例A1-A7又はM1-M7のいずれかに記載される方法を実施するか装置を実現するためのマシン読取可能命令を含む、マシン読取可能記憶媒体である。例Y1は、例示の方法M1-M7のいずれかを実行するための手段を備える装置である。例Y2において、例Y1に係る主題は、方法を実行するための手段がプロセッサ及びメモリを備えることを任意選択で含むことができる。例Y3において、例Y2に係る主題は、メモリがマシン読取可能命令を備えることを任意選択で含むことができる。