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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】ドラム型分離装置
(51)【国際特許分類】
   B03C 1/14 20060101AFI20220927BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
B03C1/14
B03C1/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019065536
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020163267
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000145448
【氏名又は名称】住友重機械ファインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】西澤 信也
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特公昭37-002082(JP,B1)
【文献】登録実用新案第3128527(JP,U)
【文献】特公昭37-002083(JP,B1)
【文献】米国特許第03346113(US,A)
【文献】特開2009-172590(JP,A)
【文献】実開昭60-128742(JP,U)
【文献】特開昭54-035470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C1/00-1/32
C02F1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体が混じった液体を通す液体通路と、
前記液体通路中で一部が液面上方に露出するように配置され、回転することで、外周面に吸着された磁性体を搬送する回転ドラムと、
前記回転ドラムの内方に配置された複数の磁石と、
を備え、
前記回転ドラムと液面とが交差する交差位置から液面より高い方のそれぞれの磁石の磁力よりも、前記交差位置から液面よりも低い方のそれぞれの磁石の磁力の方が大きい、
ドラム型分離装置。
【請求項2】
前記複数の磁石は、厚みの異なる複数の永久磁石を含み、
前記交差位置から高い方に配置された前記永久磁石の厚みが、前記交差位置から低い方に配置された前記永久磁石の厚みよりも小さい、
請求項1記載のドラム型分離装置。
【請求項3】
前記複数の磁石は、材質の異なる複数種類の永久磁石を含み、
前記交差位置から高い方に配置された前記永久磁石の材質の方が、前記交差位置から低い方に配置された前記永久磁石の材質よりも小さい磁力を有する、
請求項1記載のドラム型分離装置。
【請求項4】
前記回転ドラムの外周面との間に磁性体を挟んで液体を分離する絞りローラを更に備え、
前記複数の磁石は、縦断面において、前記回転ドラムの回転中心と前記絞りローラの回転中心とを結ぶ線分に対して前記回転ドラムの回転方向と反回転方向とにそれぞれずれて配置された互いに隣接する第1磁石と第2磁石とを含み、
前記線分が、前記第1磁石の中心と前記第2磁石の中心を結ぶ線分の中点よりも、前記回転方向にずれている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドラム型分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドラム型分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
研削盤などの工作機械を用いた金属加工中には、被加工材料から金属片などの磁性体が生じる。従来、このような磁性体を含んだクーラント液を導入し、クーラント液から磁性体を回収するドラム型分離装置がある(例えば特許文献1を参照)。ドラム型分離装置は、一部がクーラント液に浸るように配置された回転ドラムと、回転ドラムの内側で磁性体を回転ドラムに引き付ける磁石と、回転ドラムにより搬送された磁性体を外周面から引き剥がすスクレーパ等を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-073956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ように構成されたドラム型分離装置においては、磁石の配置及び強度によって、回転ドラムによる磁性体の搬送能力が変化する。ドラム型分離装置においては、磁性体の搬送能力を維持しつつ装置のコストを低減することが望まれており、この点において改善の余地が残されている。
【0005】
本発明は、ドラム型分離装置において液体中の磁性体の搬送能力を維持しつつ装置のコストを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るドラム型分離装置は、
磁性体が混じった液体を通す液体通路と、
前記液体通路中で一部が液面上方に露出するように配置され、回転することで、外周面に吸着された磁性体を搬送する回転ドラムと、
前記回転ドラムの内方に配置された複数の磁石と、
を備え、
前記回転ドラムと液面とが交差する交差位置から液面より高い方のそれぞれの磁石の磁力よりも、前記交差位置から液面よりも低い方のそれぞれの磁石の磁力の方が大きい構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体中の磁性体の搬送能力を維持しつつ装置のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るドラム型分離装置を示す図である。
図2】永久磁石の配置の一例を示す図である。
図3】永久磁石の配置の詳細を説明する図である。
図4】回転ドラム、絞りローラ及び磁石の配置関係を説明する図である。
図5】ドラム内の永久磁石の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るドラム型分離装置を示す図である。図2は、永久磁石の配置の一例を示す図である。本明細書において、単に周方向、軸方向、径方向といったときには、回転ドラム20の周方向、軸方向、径方向をそれぞれ意味する。
【0011】
本実施形態のドラム型分離装置1は、工作機械から送られたクーラント液を流す液体通路10と、金属片などの磁性体kを外周面に吸着して搬送する回転ドラム20と、回転ドラム20内で回転ドラム20の外周面に沿うように配置された磁石30と、磁石30を支持する支持体40と、回転ドラム20との間に磁性体kを挟んでクーラント液を分離する絞りローラ50と、回転ドラム20により搬送された磁性体kを回転ドラム20から引き剥がして回収する回収部60と、これらを収容するハウジング70と、回転ドラム20を回転駆動する図示略のモータと、絞りローラ50と回転ドラム20との間の隙間量又は接触圧力を調整可能な図示略の調整機構とを有する。
【0012】
液体通路10は、水平方向に延設され、一方にクーラント液を導入する導入口11を有し、他方にクーラント液を導出する導出口12を有する。導入口11に近い方を上流、導出口12に近い方を下流と呼ぶ。液体通路10は、回転ドラム20の外周面に沿った断面円弧状(断面はクーラント液の流れ方向に沿った縦断面)の流路枠15を有する。流路枠15は、回転ドラム20の下方に配置される。液体通路10には通路上端までクーラント液が浸らないように液面L0が設定されている。
【0013】
回転ドラム20は、液体通路10内で、一部が液面L0の上方に露出するように配置される。回転ドラム20の回転中心軸は水平方向を向く。回転ドラム20は、モータにより回転駆動される。回転方向は、上流側の外周面が上方へ回動し、下流側の外周面が下方へ回動する向きである。
【0014】
絞りローラ50は、液面L0よりも高い位置で、回転ドラム20に接触又は近接し、回転自在に配置されている。絞りローラ50の回転中心軸は、回転ドラム20の回転中心軸と平行である。
【0015】
回収部60は、液面L0よりも高い位置で磁性体kを回転ドラム20からそぎ落とすスクレーパ61と、そぎ落とされた磁性体kを回収ボックス63まで送るシュート62とを備える。スクレーパ61の先端部は、回転ドラム20の回転中心軸よりも上方かつ下流側で回転ドラム20の外周面に接触又は近接するように配置されている。
【0016】
支持体40は、回転ドラム20の外周面に沿った円筒状又は円柱状の形態を有し、回転ドラム20の内側に固定されている。
【0017】
磁石30は、互いに磁力の異なる3組の永久磁石31、32、33を含む。複数の磁石30は、図1及び図2に示すように、例えば周方向及び軸方向に間隔を開けて配列され、かつ、径方向に磁極を向けて配置されている。磁極はN極とS極とが周方向に沿って順に反転するように並べられている。3組の永久磁石31、32、33は、同一素材の磁石であり、径方向に見たときの面積がほぼ同一である。3組の永久磁石31、32、33は、厚みが異なることで、互いに磁力が異なる。すなわち、磁石30の中で、最も磁力の小さい永久磁石31は、厚みが最も薄い。次に磁力の小さい永久磁石32は、厚みが次に薄い。最も磁力の大きな永久磁石33は、厚みが最も厚い。
【0018】
図3は、永久磁石の配置の詳細を説明する図である。
【0019】
ここでは、3組の永久磁石31、32、33の配置を、軸方向に見て、回転ドラム20の回転方向における角度範囲を用いて説明する。最も磁力の小さい永久磁石31は、絞りローラ50と回転ドラム20とが対向する位置P1からスクレーパ61の先端位置P2までの角度範囲W1内に配置される。次に磁力の大きい永久磁石32は、回転ドラム20と液面L0との上流側の交差位置P0から絞りローラ50の対向位置P1までの角度範囲W2に配置される。絞りローラ50側において、永久磁石32は角度範囲W2に一部が重なっていればよい。最も磁力の大きい永久磁石33は、回転ドラム20と液面L0との上流側の交差位置P0から液面L0よりも低い搬送区間に渡る角度範囲W3に配置される。永久磁石31、32、33は、厚みが違う分、回転ドラム20の外周面までの距離が異なり、永久磁石31が最も遠く、永久磁石33が最も近い。角度範囲W2は本発明に係る第1角度範囲の一例に相当し、角度範囲W3は本発明に係る第2角度範囲の一例に相当する。
【0020】
<動作>
続いて、ドラム型分離装置1の動作について説明する。ドラム型分離装置1においては、回転ドラム20が回転駆動された状態で、クーラント液が液体通路10に流される。クーラント液が回転ドラム20と流路枠15との間を通過すると、クーラント液に含まれる磁性体kが磁石30(永久磁石33)に引き付けられて回転ドラム20の外周面に吸着される。角度範囲W3に配置された永久磁石33は強い磁力を発生させるため、クーラント液の流れに逆らって磁性体kを回転ドラム20へ吸着させることができる。
【0021】
吸着された磁性体kは、回転ドラム20の回転によって搬送され、液面L0の上に移動する。角度範囲W3(液面L0下)の永久磁石33と、角度範囲W2(液面L0上)の永久磁石32との差により、液面L0を境に上方区間の磁力は下方区間の磁力よりも弱い。液面L0よりも下ではクーラント液の抵抗力に抗して磁性体kを引き付ける必要があり、これを可能とする大きな磁力が設定される。液面L0より上では、クーラント液の抵抗力に抗する磁力が必要なく、吸着した磁性体kを絞りローラ50の箇所まで搬送可能な磁力があればよい。このため、液面L0よりも上の磁力を、液面L0よりも下の磁力よりも低くすることで、磁性体kの搬送能力を維持しつつ、磁力を弱めた分、コストを低減できる。
【0022】
回転ドラム20に吸着され液面L0を超えた磁性体kは、その後、回転ドラム20と絞りローラ50との間に進入することで、磁性体kに付着しているクーラント液の多くが分離される。さらに、磁性体kは回転ドラム20に吸着されたまま、絞りローラ50の位置からスクレーパ61の位置まで搬送される。そして、磁性体kは、スクレーパ61により回転ドラム20からそぎ落とされて回収される。
【0023】
絞りローラ50からスクレーパ61の位置まで移動する間、中程度の磁力の永久磁石32が配置された角度範囲W2から小さい磁力の永久磁石31が配置された角度範囲W1へ、磁性体kが移動する。さらに、磁性体kは、永久磁石31が配置された角度範囲W1から、永久磁石が配置されていないスクレーパ61の方へ移動する。このように、磁力が強い位置から弱い位置へ移動するとき、磁力の差が大きいと、磁力の弱い方へ磁性体kが進まずに、強い磁力によって磁性体kが吸着され、磁力の強い方で磁性体kが堆積してしまう場合がある。
【0024】
しかしながら、本実施形態では、液面L0よりも上方の角度範囲W2に配置される永久磁石32が、クーラント液中で強く磁性体kを引き付ける必要のある角度範囲W3の永久磁石33よりも、磁力が小さく設定されている。したがって、絞りローラ50を超えた箇所の永久磁石32とスクレーパ61に近い位置の永久磁石31との磁力差を小さくすることができる。それゆえ、絞りローラ50を超えてスクレーパ61でそぎ落とされるまでの角度範囲において、磁力が差が急激にならず、これにより磁性体kの堆積による、磁性体kの停滞を抑制することができる。これらの結果、磁性体kは効率的に回収される。
【0025】
(変形例)
図5は、ドラム内の永久磁石の変形例を示す図である。
【0026】
上述した実施形態では、磁石30から回転ドラム20の外周面に及ぼされる磁力の大きさを、角度範囲W1~W3ごとに異ならせるために、角度範囲W1~W3に配置する永久磁石31、32、33の厚みを異ならせている。しかし、磁力の大きさを異ならせる手段は、これに限られない。例えば、永久磁石の材質(例えば、フェライトとネオジムなど)を異ならせることで、磁力の大きさを異ならせてもよい。また、個々の永久磁石の磁力は同一にしつつ、永久磁石と回転ドラム20の外周面との距離を異ならせることで、磁力の大きさを異ならせてもよい。
【0027】
さらに、永久磁石は表面積が大きいと中央部分の磁束密度が低下するという性質を有する。したがって、図5の永久磁石35、36に示すように、径方向から見た面積と単位面積当たりの配置個数と厚みとを異ならせることで、回転ドラム20の外周面に及ぼされる磁力の大きさを、角度範囲ごとに異ならせるようにしてもよい。この場合、径方向から見た面積が小さく、単位面積当たりの配置個数の多く、厚みの厚い永久磁石36を、角度範囲W3(図3)に配置し、径方向から見た面積が大きく、単位面積当たりの配置個数が少なく、厚みが薄い永久磁石35を、角度範囲W2に配置すればよい。径方向から見た面積が小さく、単位面積当たりの配置個数の多く、厚みの厚い永久磁石36の方が、回転ドラム20の外周面に大きな磁力を及ぼすことができる。その他、上述した磁力の大きさを異ならせる手段のうち、2つ以上の手段が複合的に用いられてもよい。
【0028】
以上のように、本実施形態のドラム型分離装置1によれば、磁石30から回転ドラム20の外周面に及ぼされる磁力が、液面との交差位置P0から上方よりも、交差位置P0から下方の方が大きい。すなわち、クーラント液の抵抗力に抗して磁性体kを引き付ける必要がある液面L0よりも下において大きな磁力を維持しつつ、クーラント液の抵抗力に抗する磁力が必要ない液面L0よりも上において、磁力が小さく設定されている。したがって、磁性体kの搬送能力を維持しつつ、液面L0よりも上において磁力を弱めた分、ドラム型分離装置1のコスト(部品コストなどの装置自体のコスト)を低減できる。
【0029】
さらに、本実施形態のドラム型分離装置1によれば、液面L0の下方よりも小さな磁力が及ぼさされる角度範囲は、回転ドラム20と液面L0との交差位置P0から絞りローラ50との対向位置P1までの角度範囲W2である。このような角度範囲W2の磁力が、液面L0の下方の角度範囲W3の磁力よりも小さくされることで、液面L0を超える前後から絞りローラ50によりクーラント液が分離されるまで、磁性体kが回転ドラム20の外周面から脱離してしまうことを抑制できる。
【0030】
さらに、本実施形態のドラム型分離装置1によれば、角度範囲W2に配置される永久磁石32の厚みが、角度範囲W3に配置される永久磁石33の厚みよりも小さい。これにより、上述した磁力の差を発生させることができ、さらに、厚みの差を利用することで、回転ドラム20の外周面に及ぼされる磁力を容易に設計値に調整することができる。
【0031】
また、本実施形態の変形例に示したように、角度範囲W2に配置される永久磁石と、角度範囲W3に配置される永久磁石との材質を異ならせても、上述した磁力の差を発生させることができる。また、本実施形態の変形例に示したように、永久磁石35、36の径方向から見た面積、単位面積当たりの配置個数及び厚みを異ならせることで、上述した磁力の差を発生させることができる。
【0032】
図4は、回転ドラム、絞りローラ及び磁石の配置関係を説明する図である。図4において、永久磁石32a、32bの磁束を一点鎖線で示す。
【0033】
絞りローラ50に近くに配置された互いに隣接する一対の磁石32a、32bは、軸方向に垂直な縦断面において、回転ドラム20の回転中心軸と絞りローラ50の回転中心軸とを結ぶ線分A1に対してずれて配置されている。一方の磁石32aは、線分A1よりも回転ドラム20の回転方向にずれて配置され、他方の磁石32bは、線分A1よりも回転ドラム20の反回転方向にずれて配置されている。そして、線分A1は、磁石32aの中心点と磁石32bの中心点とを結ぶ線分の中点よりも、回転方向にずれている。言い換えれば、磁石32aの中心と線分A1との距離L1は、磁石32bの中心と線分A1との距離L2よりも小さい。
【0034】
このような配置によれば、絞りローラ50と回転ドラム20との最接近点P10よりも絞りローラ50の反回転側の範囲H1において、磁束の向きが横に寝る。すなわち、磁束の向きが、絞りローラ50の周方向成分の方が絞りローラ50の径方向成分よりも大きい向きとなる。さらに、最接近点P10よりも絞りローラ50の回転方向側の範囲H2において、磁束の向きが立つ。すなわち、磁束の向きが、絞りローラ50の径方向成分の方が絞りローラ50の周方向成分よりも大きい向きとなる。磁性体kは短い針状であるため、絞りローラ50の外周面に磁性体kが刺さって、絞りローラ50に磁性体kが付着してしまう恐れがある。しかし、上記のような磁束の向きによれば、磁性体kが絞りローラ50と回転ドラム20との間に進入する際には、磁性体kが寝る方向に揃い、磁性体kが絞りローラ50に刺さりにくい。さらに、磁性体kが絞りローラ50と回転ドラム20との間から送り出される際には、磁性体kが縦向きに強く引っ張られるため、絞りローラ50に刺さった磁性体kを、絞りローラ50から離脱させやすい。したがって、これらの作用により、絞りローラ50に磁性体kが刺さって付着してしまうことが抑制される。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、磁石として永久磁石を示した。しかし、磁石として電磁石を適用してもよく、その場合、電流、巻き線の巻回数、ヨークの大きさ又は配置などを異ならせることで、回転ドラムの外周面に及ぼされる磁力の大きさを変えることができる。また、上記の実施形態では、複数の永久磁石が隙間を開けて配列された構成を一例にとって説明したが、磁石は、連続する1つの永久磁石から構成されていてもよい。また、複数の永久磁石が隙間を設けずに配列された構成としてもよい。また、上記の実施形態では、液面L0が予め設定されている構成を一例にとって説明したが、液面L0が変動する構成であってもよい。その場合、液面L0の変動に連動させて磁石の配置を変化させる機構が付加されてもよい。また、本装置は個体と液体とを分離する装置であるため、クーラント液以外に真水等の液体を用いても良い。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 ドラム型分離装置
10 液体通路
11 導入口
12 導出口
20 回転ドラム
30 磁石
31~33、35、36 永久磁石
32a 永久磁石(第1磁石)
32b 永久磁石(第2磁石)
40 支持体
50 絞りローラ
60 回収部
61 スクレーパ
62 シュート
70 ハウジング
k 磁性体
L0 液面
P0 回転ドラムと液面との上流側の交差位置
W2 角度範囲(第1角度範囲)
W3 角度範囲(第2角度範囲)
図1
図2
図3
図4
図5