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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/00 20060101AFI20220927BHJP
   F02M 37/10 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
F02M37/00 301L
F02M37/10 G
F02M37/10 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019110358
(22)【出願日】2019-06-13
(65)【公開番号】P2020200821
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹之内 佳代子
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 智紀
(72)【発明者】
【氏名】金澤 太一
(72)【発明者】
【氏名】土屋 徹州
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-136984(JP,A)
【文献】特開2013-209038(JP,A)
【文献】特開2010-163918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0053567(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016221140(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00
F02M 37/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内の燃料を該燃料タンクの外部へ供給する燃料供給装置であって、
前記燃料タンクの底面開口部を塞ぐ蓋部材と、
前記燃料タンク内に配置される電気部品と、
を備えており、
前記蓋部材は、前記電気部品と電気的に接続されかつ外部コネクタを下方から接続可能な電気コネクタを有しており、
前記蓋部材には、該蓋部材より下方へ延びる周壁と該周壁の下面開口部を閉鎖する底壁とを有する燃料溜め部が形成されており、
前記燃料溜め部の前記周壁は、前記電気コネクタの一側に隙間を隔てて隣接する隣接壁部を有しており、
前記燃料溜め部の前記底壁と前記隣接壁部との間の隅角部には、前記底壁より上方に位置する凹み底部と、前記隣接壁部より前記電気コネクタから離れた方向に位置する凹み壁部と、を有する凹み部が形成されている、燃料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料供給装置であって、
前記電気コネクタは、前記外部コネクタに設けられた係合部にスナップフィットにより係合される被係合部を有しており、
前記被係合部は、前記凹み壁部側とは反対側に配置されている、燃料供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料供給装置であって、
前記電気コネクタの下端位置は、前記燃料溜め部の前記底壁よりも上方に配置されている、燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、燃料供給装置に関する。詳しくは、燃料タンク内の燃料を該燃料タンクの外部へ供給する燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載された燃料供給装置がある。この燃料供給装置は、燃料タンクの底面開口部を塞ぐ蓋部材と、燃料タンク内に配置される電気部品と、を備える。蓋部材は、電気部品と電気的に接続されかつ外部コネクタを下方から接続可能な電気コネクタを有する。蓋部材には、蓋部材より下方へ延びる周壁と周壁の下面開口部を閉鎖する底壁とを有する燃料溜め部が形成されている。燃料溜め部の周壁は、電気コネクタの一側に隙間を隔てて隣接する隣接壁部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-238070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部コネクタは、蓋部材の電気コネクタに対して作業者の手や工具等により着脱されるのが一般的である。したがって、外部コネクタの着脱作業性を考慮すると、燃料溜め部の隣接壁部と電気コネクタとの間に外部コネクタの着脱用スペースとしての十分な隙間を確保する必要がある。そのため、蓋部材の小径化及び/又は燃料溜め部の高容量化が困難となっている。
【0005】
本明細書が開示する技術の課題は、電気コネクタに対する外部コネクタの着脱作業性を向上しつつ、蓋部材の小径化及び/又は燃料溜め部の高容量化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術は次の手段をとる。
【0007】
第1の手段は、燃料タンク内の燃料を該燃料タンクの外部へ供給する燃料供給装置であって、前記燃料タンクの底面開口部を塞ぐ蓋部材と、前記燃料タンク内に配置される電気部品と、を備えており、前記蓋部材は、前記電気部品と電気的に接続されかつ外部コネクタを下方から接続可能な電気コネクタを有しており、前記蓋部材には、該蓋部材より下方へ延びる周壁と該周壁の下面開口部を閉鎖する底壁とを有する燃料溜め部が形成されており、前記燃料溜め部の前記周壁は、前記電気コネクタの一側に隙間を隔てて隣接する隣接壁部を有しており、前記燃料溜め部の前記底壁と前記隣接壁部との間の隅角部には、前記底壁より上方に位置する凹み底部と、前記隣接壁部より前記電気コネクタから離れた方向に位置する凹み壁部と、を有する凹み部が形成されている、燃料供給装置である。
【0008】
第1の手段によると、燃料溜め部の底壁と隣接壁部との間の隅角部に形成された凹み部の凹み壁部と電気コネクタとの間に、隣接壁部と電気コネクタとの間の隙間よりも大きな隙間が形成されている。これにより、燃料溜め部の凹み壁部と電気コネクタとの間の隙間を外部コネクタの着脱用スペースとして確保することができる。このため、電気コネクタに対する外部コネクタの着脱作業性を向上することができる。また、燃料溜め部の隣接壁部と電気コネクタとの間の隙間を小さくすることによって、蓋部材の小径化及び/又は燃料溜め部の高容量化を図ることができる。
【0009】
第2の手段は、第1の手段の燃料供給装置であって、前記電気コネクタは、前記外部コネクタに設けられた係合部にスナップフィットにより係合される被係合部を有しており、前記被係合部は、前記凹み壁部側とは反対側に配置されている、燃料供給装置である。
【0010】
第2の手段によると、電気コネクタに対する外部コネクタの脱着に要するスペースを燃料溜め部の凹み壁部と電気コネクタとの間の隙間に含めなくて済む。したがって、燃料溜め部の凹み壁部と電気コネクタとの間の隙間を低減することができる。
【0011】
第3の手段は、第1又は2の手段の燃料供給装置であって、前記電気コネクタの下端位置は、前記燃料溜め部の前記底壁よりも上方に配置されている、燃料供給装置である。
【0012】
第3の手段によると、電気コネクタの下端位置が燃料溜め部の底壁より下方へ突出しない。このため、電気コネクタの下端と他部品との干渉を抑制することができる。これにより、燃料供給装置の搭載性を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に開示の技術によると、電気コネクタに対する外部コネクタの着脱作業性を向上しつつ、蓋部材の小径化及び/又は燃料溜め部の高容量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態にかかる燃料供給装置を示す斜視図である。
図2】燃料供給装置を下方から見上げた斜視図である。
図3】蓋部材を示す正面図である。
図4】蓋部材を示す底面図である。
図5】蓋部材を示す平面図である。
図6図5のVI-VI線矢視断面図である。
図7図5のVII-VII線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本明細書に開示の技術を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態の燃料供給装置は、自動二輪車等の車両に搭載されるものであり、燃料タンク内の液体燃料を燃料タンクの外部すなわち内燃機関(エンジン)へ供給するものである。また、燃料供給装置は、車両の燃料タンクの底部に装着されるいわゆる底付けタイプ(下付けタイプ)のものである。
【0016】
(燃料供給装置の概要)
図1は燃料供給装置を示す斜視図、図2は同じく下方から見上げた斜視図、図3は蓋部材を示す正面図である。燃料供給装置に係る方位を図に矢印で示すとおりに定める。燃料供給装置の上下方向は、車両の燃料タンクに搭載された状態での重力方向いわゆる天地方向に対応する。また、燃料供給装置の前後左右方向は特定するものではない。燃料タンク10(図3参照)は、例えば金属製の中空状容器である。図3に示すように、燃料タンク10の底板部11には円形孔状の底面開口部12が形成されている。燃料タンク10内には、例えば液体燃料としてのガソリンが貯留されている。
【0017】
図1に示すように、燃料供給装置20は、蓋部材22、燃料ポンプ24、燃料フィルタ26、ポンプケース28、プレッシャレギュレータ30、センダゲージ32等がモジュール化されてなる。蓋部材22は、樹脂製で、燃料タンク10の底面開口部12を塞ぐように底板部11に取り付けられている(図3参照)。
【0018】
図3に示すように、蓋部材22の主体をなす蓋板部34は円板状に形成されている。蓋板部34の上面には、短円筒状の嵌合筒部35が同心状に形成されている(図5図7参照)。嵌合筒部35の左側部は、周方向に断続的に形成されている(図1参照)。蓋部材22は、例えばポリアセタール樹脂(POM)からなる樹脂製である。図4は蓋部材を示す底面図、図5は同じく平面図、図6図5のVI-VI線矢視断面図、図7図5のVII-VII線矢視断面図である。
【0019】
蓋部材22は、燃料タンク10に底面開口部12を閉鎖するように装着されている。すなわち、嵌合筒部35を燃料タンク10の底面開口部12内に嵌合した状態で、蓋板部34の外周部が燃料タンク10の底板部11に固定金具、ボルト等の固定手段を介して固定されている。
【0020】
図4に示すように、蓋板部34には、燃料吐出ポート38、第1電気コネクタ40及び第2電気コネクタ50が設けられている。燃料吐出ポート38は、蓋板部34の後端部を上下方向に貫通する円管状に形成されている。燃料吐出ポート38の下端部は後方に向けて屈曲されている(図1参照)。燃料吐出ポート38の下端部には、エンジンにつながる燃料供給配管が接続される。
【0021】
第1電気コネクタ40は、蓋板部34の前端部の左寄りの位置に配置されている。第1電気コネクタ40には、2極の端子41がインサート成形されている(図5及び図6参照)。第2電気コネクタ50は、蓋板部34の左端部に配置されている。第2電気コネクタ50には、3極の端子51がインサート成形されている(図5参照)。
【0022】
蓋板部34の右部には、燃料を貯留可能な上面を開口するカップ状の燃料溜め部60が形成されている(図6及び図7参照)。図7に示すように、燃料溜め部60は、蓋板部34から下方へ延びる異形筒状の周壁62と、周壁62の下面開口部を塞ぐ平板状の底壁64とを有する(図3参照)。図4に示すように、周壁62は、蓋板部34において燃料吐出ポート38及び両電気コネクタ40,50を除いた残余の部分に形成されている(図5参照)。
【0023】
図5に示すように、蓋板部34の上面側には、右方を開口するC形筒状の連結壁部70が同心状に形成されている。連結壁部70は、蓋板部34と燃料溜め部60の底壁64とに跨るように形成されている。
【0024】
図1に示すように、燃料ポンプ24は、連結壁部70内に縦置き状に配置されている(図3参照)。燃料ポンプ24は、略円柱状の電動式燃料ポンプからなる。燃料ポンプ24の上面側にはコネクタ接続部24aが設けられている。コネクタ接続部24aと蓋部材22の第2電気コネクタ50とは電気配線25を介して電気的に接続されている(図2参照)。
【0025】
図2に示すように、第2電気コネクタ50のコネクタハウジング52には、制御装置(ECU)につながる第2外部コネクタ56のコネクタハウジング57が後方斜め左方から着脱可能に接続されるようになっている。コネクタハウジング52の基端部にはポンプコントローラ54が設けられている。
【0026】
図1に示すように、燃料フィルタ26は、樹脂製の不織布からなる濾材により中空袋状に形成されたフィルタ部材26aを有する。フィルタ部材26aの外形は略縦長四角形板状に形成されている。フィルタ部材26a内には、フィルタ部材26aの内部容積を確保する内骨部材が配置されている。フィルタ部材26aは燃料ポンプ24の右側面に沿うように配置されている。燃料フィルタ26は、フィルタ部材26aの内部空間が燃料ポンプ24の燃料吸入口と連通するように燃料ポンプ24に接続されている。フィルタ部材26aの下端部は、燃料溜め部60内に収容されている(図5参照)。
【0027】
ポンプケース28は、樹脂製で、ケース部72と配管部73とブラケット部74とを有する。ケース部72は、縦型円筒状に形成されている。ケース部72は、燃料ポンプ24に上方から被せるようにして蓋部材22の連結壁部70(図3参照)に嵌合されかつ連結壁部70にスナップフィットにより取り付けられている。
【0028】
配管部73は、横通路部73aと縦通路部73bとを有するエルボ管状に形成されている。横通路部73aはケース部72の上端部において前後方向に延びている。横通路部73aには、燃料ポンプ24の燃料吐出口が接続されている。縦通路部73bは、横通路部73aの後端部から下方へ延びており、蓋部材22の燃料吐出ポート38に接続されている。ブラケット部74は、配管部73の上部から左方へ延びている(図2参照)。
【0029】
プレッシャレギュレータ30は、ポンプケース28の横通路部73aの前端部に組込まれている。横通路部73aには、プレッシャレギュレータ30を抜け止めするキャップ76がスナップフィットにより取り付けられている。プレッシャレギュレータ30は、配管部73内の燃料の圧力を調整しかつ余剰燃料を燃料タンク10内に吐出する。
【0030】
センダゲージ32は、ゲージ本体32aとアーム32bとフロート32cとを有する。ゲージ本体32aは、ポンプケース28のブラケット部74の後側に取り付けられている。ゲージ本体32aの後側にはアームホルダ32dが水平軸回りに回動可能に設けられている。アーム32bの基端部はアームホルダ32dに取り付けられている。フロート32cはアーム32bの先端部に取り付けられている。ゲージ本体32aのコネクタ接続部32eと蓋部材22の第1電気コネクタ40とは電気配線33を介して電気的に接続されている(図2参照)。センダゲージ32は、燃料タンク10内の燃料の残量すなわち液面の位置を検出する液面検出装置である。
【0031】
図2に示すように、第1電気コネクタ40のコネクタハウジング42には、制御装置(ECU)につながる第1外部コネクタ46のコネクタハウジング47が下方から着脱可能に接続されるようになっている。
【0032】
(燃料供給装置20の作動)
外部からの駆動電力の供給により燃料ポンプ24が駆動される。すると、燃料タンク10内の燃料が燃料フィルタ26を介して燃料ポンプ24に吸入されて加圧される。燃料ポンプ24からポンプケース28の配管部73内に吐出された加圧燃料は、蓋部材22の燃料吐出ポート38からエンジンへ供給される。また、配管部73内の加圧燃料は、プレッシャレギュレータ30により調圧される。
【0033】
(第1電気コネクタ40)
図2に示すように、第1電気コネクタ40は、蓋部材22の下面側に一体成形により形成されたコネクタハウジング42を有する。図4に示すように、コネクタハウジング42は、前側壁42a、後側壁42b、左側壁42c及び右側壁42dを有する丸みを帯びた略角筒状に形成されている。コネクタハウジング42は、上下方向に延在する軸線に直交する下端面42eを有する(図3参照)。コネクタハウジング42の下端面42eは本明細書でいう「下端」に相当する。
【0034】
図6に示すように、左側壁42cの外側面の中央部には係合突起43が突出されている(図4参照)。係合突起43は、上下方向を長くしかつ下側から上方へ向かって突出量が次第に大きくなる台形状に形成されている。係合突起43は本明細書でいう「被係合部」に相当する。
【0035】
(第1外部コネクタ46)
図2に示すように、第1外部コネクタ46は、樹脂製の外部コネクタハウジング47を有する。外部コネクタハウジング47は、第1電気コネクタ40のコネクタハウジング42を相対的に挿入可能に形成されている。外部コネクタハウジング47の左側部には、左右方向へ弾性変形いわゆる撓み変形可能な弾性係合片48が形成されている(図6参照)。弾性係合片48は、上下方向に延びる帯板状で、その下端部が外部コネクタハウジング47に片持ち状に接続されている。弾性係合片48の上端部には、係合突起43と係合可能な係合孔49が形成されている。弾性係合片48は本明細書でいう「係合部」に相当する。
【0036】
第1電気コネクタ40のコネクタハウジング42を第1外部コネクタ46の外部コネクタハウジング47に挿入すると、弾性係合片48の弾性変形を利用して係合突起43が係合孔49に係合する。これにより、第1電気コネクタ40に第1外部コネクタ46がスナップフィットにより取り付けられる。また、第1電気コネクタ40から第1外部コネクタ46を取り外すときは、弾性係合片48を撓ませることにより係合突起43に対する係合孔49の係合を解除した状態で、外部コネクタハウジング47をコネクタハウジング42から抜き外せばよい。なお、弾性係合片48を撓ませるには、マイナスドライバ、目打ち等の工具等が用いられる。
【0037】
(本実施形態の特徴的構成)
図3に示すように、蓋部材22の燃料溜め部60の周壁62は、その前端部において第1電気コネクタ40の右側に隙間S1を隔てて隣接する隣接壁部80を有する。隣接壁部80は、蓋板部34に対する周壁62の垂下高さの約半分の垂下高さを有する。隙間S1を「第1隙間S1」という。
【0038】
燃料溜め部60の底壁64と隣接壁部80との間の隅角部には、前方を開口する略長方形状の凹み部82が形成されている。凹み部82は、凹み底部82aと凹み壁部82bと凹み側部82cとを有する。凹み底部82aは、水平板状で凹み部82の天井側に配置されている(図6及び図7参照)。凹み底部82aは、底壁64より上方に位置されている。また、凹み底部82aは、嵌合筒部35と連結壁部70との間に配置されている(図5参照)。
【0039】
凹み壁部82bは、凹み部82の右側において立壁状に形成されている(図6参照)。凹み壁部82bは、隣接壁部80よりも第1電気コネクタ40から離れた方向(右方)に位置されている。第1電気コネクタ40と凹み壁部82bとの間には、第1隙間S1よりも大きい隙間S2が形成されている。隙間S2を「第2隙間S2」という。また、凹み側部82cは、凹み部82の後側において立壁状に形成されている(図7参照)。
【0040】
第1電気コネクタ40のコネクタハウジング42の下端面42eの高さ位置は、燃料溜め部60の底壁64よりも上方に配置されている(図6参照)。第1電気コネクタ40は本明細書でいう「電気コネクタ」に相当する。第1外部コネクタ46は本明細書でいう「外部コネクタ」に相当する。センダゲージ32は本明細書でいう「電気部品」に相当する。
【0041】
(本実施形態の特徴的構成による利点)
前記燃料供給装置20によると、燃料溜め部60の底壁64と隣接壁部80との間の隅角部に形成された凹み部82の凹み壁部82bと第1電気コネクタ40との間に、隣接壁部80と第1電気コネクタ40との間の第1隙間S1よりも大きな第2隙間S2が形成されている。これにより、第2隙間S2を第1外部コネクタ46の着脱用スペースとして確保することができる。このため、第1電気コネクタ40に対する第1外部コネクタ46の着脱作業性を向上することができる。また、燃料溜め部60の隣接壁部80と第1電気コネクタ40との間の第1隙間S1を小さくすることによって、蓋部材22の小径化及び/又は燃料溜め部60の高容量化を図ることができる。
【0042】
また、第1電気コネクタ40が有する係合突起43が、凹み壁部82b側とは反対側に配置されている。したがって、第1電気コネクタ40に対する第1外部コネクタ46の脱着に要するスペースを燃料溜め部60の凹み壁部82bと第1電気コネクタ40との間の第2隙間S2に含めなくて済む。したがって、第2隙間S2を低減することができる。
【0043】
また、第1電気コネクタ40の下端位置は、燃料溜め部60の底壁64よりも上方に配置されている。したがって、第1電気コネクタ40の下端位置が燃料溜め部60の底壁64より下方へ突出しない。このため、第1電気コネクタ40の下端と他部品との干渉を抑制することができる。これにより、燃料供給装置20の搭載性を向上することができる。
【0044】
[他の実施形態]
以上、本明細書に開示の技術の実施形態について説明したが、その他各種の形態で実施可能である。例えば、本明細書に開示の技術は、自動二輪車、自動車等の燃料供給装置20に限らず、種々の燃料供給装置20に適用してもよい。また、凹み部82の形成位置及び形状は、対象とする電気コネクタに対する位置に応じて変更してよい。また、外部コネクタを下方から接続可能な電気コネクタは、センダゲージ32に以外の電気部品、例えば燃料ポンプと接続されてもよい。また、電気コネクタの被係合部の位置は、対象とする外部コネクタの係合部の位置位置に応じて変更してよい。また、外部コネクタ側の係合部として係合突起43を配置し、電気コネクタ側の被係合部として弾性係合片48を配置してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 燃料タンク
12 底面開口部
20 燃料供給装置
22 蓋部材
32 センダゲージ(電気部品)
40 第1電気コネクタ(電気コネクタ)
42 コネクタハウジング
42e 下端面(下端)
43 係合突起(被係合部)
46 第1外部コネクタ(外部コネクタ)
48 弾性係合片(係合部)
60 燃料溜め部
62 周壁
64 底壁
80 隣接壁部
82 凹み部
82a 凹み底部
82b 凹み壁部
S1 第1隙間
S2 第2隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7