(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】電源回生コンバータ及びその処理方法
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220927BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/12 A
H02M7/12 M
(21)【出願番号】P 2019133980
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松永 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】毛利 江鳴
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恒雅
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225987(JP,A)
【文献】特開2004-180427(JP,A)
【文献】特開平09-163752(JP,A)
【文献】特開2011-101473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを可変速制御するインバータと三相交流電源との間に配置され、前記モータの減速時に発生する誘導起電力を前記三相交流電源に回生する電源回生コンバータであって、
前記三相交流電源と接続される交流電源端子と、
前記交流電源端子での三相の交流電圧を検出する交流電圧検出部と、
前記交流電圧検出部で検出した前記三相の交流電圧から前記三相交流電源の位相を推定する位相推定部を有
し、
前記位相推定部は、前記三相の交流電圧の位相区間を特定し、該位相区間での電圧が三相の中間となる中間相に電流が流れていない場合に、前記三相の交流電圧から前記三相交流電源の位相を推定することを特徴とする電源回生コンバータ。
【請求項2】
請求項1に記載の電源回生コンバータであって、
前記三相交流電源と接続された前記交流電源端子での二相の電流値から三相の交流電流を検出する交流電流検出部を
有することを特徴とする電源回生コンバータ。
【請求項3】
請求項1に記載の電源回生コンバータであって、
前記位相推定部
による前記三相交流電源の位相の推定は、前記三相の交流電圧の三つの電圧差が所定以上である場合に
行われることを特徴とする電源回生コンバータ。
【請求項4】
請求項2または3に記載の電源回生コンバータであって、
前記交流電圧検出部は、前記交流電源端子での三相の交流電圧をA/D変換器を介してデジタル変換し、デジタル値の前記三相の交流電圧を検出し、
前記位相推定部は、ソフトウェア処理で実行することを特徴とする電源回生コンバータ。
【請求項5】
請求項2または3に記載の電源回生コンバータであって、
三相ブリッジ回路と、
前記三相の交流電圧から電圧振幅を演算する電圧振幅演算部とを有し、
前記位相推定部は、前記三相の交流電圧と前記三相の交流電流と前記電圧振幅と演算位相θsから推定位相θeを出力し、
前記推定位相θeから前記演算位相θsを出力し、前記位相推定部へ前記演算位相θsをフィードバックする位相演算部と、
前記演算位相θsを入力とし、入力位相に応じた6つのゲートパルス信号を生成し、前記三相ブリッジ回路へ出力する駆動信号生成部とを有することを特徴とする電源回生コンバータ。
【請求項6】
モータを可変速制御するインバータと三相交流電源との間に配置され、三相ブリッジ回路に前記三相交流電源からの電圧が印加され、前記モータの減速時に発生する誘導起電力を前記三相交流電源に回生する電源回生コンバータの処理方法であって、
前記三相ブリッジ回路に印加される前記三相交流電源からの三相の交流電圧を検出し、
前記検出した前記三相の交流電圧から前記三相交流電源の位相を推定
し、
前記三相の交流電圧の位相区間を特定し、該位相区間での電圧が三相の中間となる中間相に電流が流れていない場合に、前記三相の交流電圧から前記三相交流電源の位相を推定することを特徴とする電源回生コンバータの処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電源回生コンバータの処理方法であって、
前記三相ブリッジ回路に印加される前記三相交流電源からの二相の電流値から三相の交流電流を
検出する電源回生コンバータの処理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の電源回生コンバータの処理方法であって、
前記三相交流電源の位相の推定は、前記三相の交流電圧の三つの電圧差が所定以上である場合に
行われることを特徴とする電源回生コンバータの処理方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の電源回生コンバータの処理方法であって、
前記三相ブリッジ回路に印加される前記三相交流電源からの三相の交流電圧をA/D変換器を介してデジタル変換し、前記三相の交流電圧はデジタル値であり、
前記位相の推定を、ソフトウェア処理で実行することを特徴とする電源回生コンバータの処理方法。
【請求項10】
請求項7または8に記載の電源回生コンバータの処理方法であって、
前記三相の交流電圧から電圧振幅を演算し、
前記位相の推定は、前記三相の交流電圧と前記三相の交流電流と前記電圧振幅と演算位相θsから推定位相θeを出力し、
前記推定位相θeから前記演算位相θsを演算し、前記推定位相θeを推定するための前記演算位相θsへフィードバックし、
前記演算位相θsを入力とし、入力位相に応じた6つのゲートパルス信号を生成し、該6つのゲートパルス信号を前記三相ブリッジ回路へ出力することを特徴とする電源回生コンバータの処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回生コンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
電源回生コンバータは、モータを可変速制御するインバータ装置と三相交流電源との間に配置され、モータの減速時に発生する誘導起電力を三相交流電源に回生する装置である。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。特許文献1には、電源回生装置は、電力変換部と、駆動制御部と、位相調整部とを備え、位相調整部は、交流電源側で検出した交流電源電圧に基づき、交流電源電圧の出力位相を、電力変換部と交流電源との間に流れる無効電流の増減に基づいて調整する点が記載されている。しかしながら、電源回生装置は、別体である電源の電圧を監視していたため、そのための配線が別途必要であり、また、その配線の誤配線や断線の可能性があり、原価の上昇や信頼性の低下をまねく可能性があった。
【0004】
これに対して、特許文献2がある。特許文献2は、電源回生コンバータが交流電源に接続する交流電源端子を有し、その交流電源端子から供給される交流電源電圧に基づき、位相検出部は、三相交流電源の電圧位相を相電圧のゼロクロス検出により検出する点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-162543号公報
【文献】特開2004-180427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小型の自立型発電機による電源では、負荷の急激な変化により、周波数変動が生じる。また、一般の商用電源であっても、系統事故等に起因する配電線ルート切り替え時には、電源電圧の位相跳躍などが発生し得る。
【0007】
特許文献2では、電源電圧の位相の検出方法として電源電圧のゼロクロスを利用した点が記載されている。しかし、電源電圧のゼロクロスは1周期の中で1相あたり2回しか発生しない。そのため、急激な位相の変化や周波数の変動の発生に対して、即時に捉え応答することができない可能性がある。その結果、ゼロクロスを利用した電源電圧位相の検出方法では、急峻な位相変動や周波数変動の発生時において、ゲート信号のON/OFFの切り替わりのタイミングが通常の適正な位置からずれる可能性がある。この場合、交流電流の跳躍が生じ、過電流保護動作や素子への過大なストレスが生じる。また、特許文献2では、電圧振幅の検出に別途全波整流回路とA/D変換器を必要としており、価格が上昇するという問題もあった。
【0008】
本発明は、急峻な位相変動や周波数変動に即座に対応可能な電源回生コンバータ及びその処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記背景技術及び課題に鑑み、その一例を挙げるならば、モータを可変速制御するインバータと三相交流電源との間に配置され、モータの減速時に発生する誘導起電力を三相交流電源に回生する電源回生コンバータであって、三相交流電源と接続される交流電源端子と、交流電源端子での三相の交流電圧を検出する交流電圧検出部と、交流電圧検出部で検出した三相の交流電圧から三相交流電源の位相を推定する位相推定部を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、急峻な位相変動や周波数変動に即座に対応可能な電源回生コンバータ及びその処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1における電源回生コンバータの構成ブロック図である。
【
図2】実施例1における三相交流電圧とゲートパルスの関係を示す図である。
【
図3】実施例1における交流電流検出部の構成図である。
【
図4】実施例1における交流電圧検出部の構成図である。
【
図5】実施例1における回生運転時の動作波形を示す図である。
【
図6】実施例1における0°≦θ≦60°の位相での電源回生コンバータの三相ブリッジにおける素子の導通状態を示す図である。
【
図7】実施例1における力行運転時の動作波形を示す図である。
【
図8】実施例1における停止時の動作波形を示す図である。
【
図9】実施例1における位相推定部の動作を示すフローチャートである。
【
図10】実施例1における電源電圧の6つの位相区間と推定位相の式を示す表である。
【
図11】実施例1における位相演算部の構成図である。
【
図12】実施例1における電源電圧の6つの位相区間と電圧振幅の式を示す表である。
【
図13】実施例2における電源電圧位相の検出に電流値を利用しない場合の電源回生コンバータの構成ブロック図である。
【
図14】実施例2における位相推定部の動作を示すフローチャートである。
【
図15】実施例3における電源回生コンバータに汎用インバータ側のダイオード整流モジュールを併用する場合の構成ブロック図である。
【
図16】実施例3における回生運転時の動作波形を示す図である。
【
図17】実施例3における力行運転時の動作波形を示す図である。
【
図18】実施例3における停止時の動作波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例における電源回生コンバータの構成例を示すブロック図である。まず、概略の動作を説明する。
図1において、電源回生コンバータ1は、三相リアクトル3を介して、三相(R相、S相、T相)の交流電圧を発生する三相交流電源2と、交流電源端子11を介して接続される。電源回生コンバータ1は、電解コンデンサ20を備えた直流部を持ち、この直流部はインバータ4の直流部と接続される。このインバータ4は直流電力と交流電力を変換する変換器部分を持ち、交流電圧をモータ5に出力することでモータ5を駆動する。電源回生コンバータ1の交流電流検出部50は、接続された二相の電流検出器の信号から三相の電流信号を生成し位相推定部52へ出力する。交流電圧検出部51は、交流電源端子11を介して接続された三相の交流電圧を検出し、位相推定部52と電圧振幅演算部54に出力する。
【0014】
電圧振幅演算部54では、三相の電圧信号の入力から電圧振幅VAを演算する。位相推定部52は、三相の交流電圧、及び、交流電流と内部演算位相θsから位相θeを推定して位相演算部53に入力する。位相演算部53では、推定位相θeから演算位相θsを出力する。駆動信号生成部55は、演算位相θsを入力とし、入力位相に応じた6つのゲートパルス信号を生成し、三相ブリッジ回路10へ出力する。
【0015】
三相ブリッジ回路10は、6個のスイッチング素子(Tr1~Tr6)と6個のダイオード(D1~D6)とで構成され、直列接続した上下ふたつの素子(以下、これを「アーム」という)を3つ並列に接続したものである。この三相ブリッジ回路10により交流電力と直流電力の変換を行う。このときの直流電力は電解コンデンサ20より供給される。
【0016】
ここで、位相推定部52、位相演算部53、電圧振幅演算部54、駆動信号生成部55は、CPUによるソフトウェア処理で実現する。すなわち、記憶装置に格納されたプログラムをCPUが実行することによりそれらの機能を実現する。
【0017】
ここで、
図2に、三相の交流電圧波形(a)と演算された電源位相θ(b)とゲートパルス信号(c)の関係を示す。
図2において、(a)は三相(R相、S相、T相)の交流電圧波形を示しており、横軸のTは電源1周期の時間であり、電源周波数が50Hzと60Hzの場合、それぞれ20msと16.7msである。(b)において、電源位相θの0点は交流電圧波形に対して任意の位置にとることができる。
図2の例では、R相電圧が最大となる点を位相の0点としている。この時、各相の相電圧(VgR、VgS、VgT)は、電源位相θを使って、相電圧の最大値をVaとすると、下記の式(1)、
VgR=Va×cos(θ-0°)
VgS=Va×cos(θ-120°)
VgT=Va×cos(θ-240°)
で表現できる。
【0018】
次に、スイッチング素子(Tr1~Tr6)の動きを説明する。
図2(c)に示すように、各相とも、相電圧が三相のうちで最大となる120°の区間において上アームスイッチがONされ、相電圧が三相のうちで最小となる120°の区間において下アームスイッチがONされる、いわゆる120°通電方式である。上記以外の区間、すなわち、電圧が三相のうちで中間となる120°の区間においては上下両アームともにOFFとなる。例えば、R相の場合、R相電圧が最大となる5T/6からT/6の区間で上アームのスイッチ(Tr1)のみがONとなり、最小となるT/3から2T/3の区間で下アームのスイッチ(Tr2)のみがONとなり、それ以外の区間は上下両アームのスイッチともにOFFとなる。
【0019】
次に、
図1に戻って、交流電流や交流電圧の検出について述べる。三相交流電流をIR、IS、ITとする。以下、上記の電圧と電流は中性点Nから流れ出る方向を正として考える。このとき三相3線式の電流の和はゼロとなるので、下記の式(2)
IR+IS+IT=0 …(2)
が成立する。この関係を使うことで二相の電流値より残り一相の電流を算出することができる。
【0020】
図3は本実施例における交流電流検出部50の構成図である。
図3において、電流検出器などで得た主回路の交流電流の瞬時値に比例する信号をA/D変換器に入力し、相当する二相のデジタル値、IRとITを得ている。S相は電流検出器やA/D変換器を設けていないが、式(2)より-(IR+IT)として計算でISを求めることができる。
【0021】
次に、交流電圧について、電源回生コンバータ側の電圧と電源電圧の関係について説明する。
図4は、本実施例における交流電圧検出部51の構成例である。
図4において、電源の中性点(N)を基準として、電源電圧の各相の相電圧をVgR、VgS、VgT、電源回生コンバータの交流電源端子11(電源回生コンバータ端)での三相交流電圧をVR、VS、VTとする。そして、三相リアクトル3が三相平衡していると仮定し1相のインダクタンスをL(H)、抵抗分をR(Ω)とする。この時、電源回生コンバータ端の三相交流電圧VR、VS、VTは、電源電圧に対してリアクトルの電圧降下を考慮し下記の式(3)、
VR=VgR-(R+L×d/dt)×IR
VS=VgS-(R+L×d/dt)×IS
VT=VgT-(R+L×d/dt)×IT
で表現できる。
【0022】
上記の式(3)をすべて加え、式(1)よりVgR+VgS+VgT=0、かつ式(2)のIR+IS+IT=0を考慮するとVR+VS+VT=0が成立する。よって、リアクトルが三相平衡している場合は、電源回生コンバータ端の電圧のうち二相がわかれば残りの一相も求めることが可能となる。
【0023】
次に、交流電圧検出部51の動作について説明する。
図4において、交流電圧検出部51には電源回生コンバータ側の電圧(VR、VS、VT)が入力される。この入力電圧は基準点L(基板上のグラウンド)間に設けられた抵抗R1とR2で分圧する。ここで、基準点Lは中性点からみてVLの電圧を持つと仮定する。基準点Lから見た三相それぞれの分圧値をVmR、VmS、VmTとする。
図4ではこの分圧された電圧をボルテージフォロワへ入力している。ボルテージフォロワの出力の電圧は入力の電圧と一致し、ボルテージフォロワの出力電圧もVmR、VmS、VmTとする。ボルテージフォロワは、後段の回路のインピーダンスの影響が許容できれば無くすこともできる。分圧回路の抵抗をR1、R2とおくと、分圧比kは、k=R2/(R1+R2)で表される。その結果、
図4のLを基準とする各相の分圧電圧は、
VmR=k(VR-VL)
VmS=k(VS-VL)
VmT=k(VT-VL)
となる。この分圧された電圧(VmR、VmS、VmT)は、まず、中性点電圧VmNの出力に使用される。
【0024】
ここで、
図4のLを基準としてVmNの電圧は帆足-ミルマンの定理により、
VmN=(VmR+VmS+VmT)/6=k(VR+VS+VT-3VL)/6=-k*VL/2
となる。次に、R相とT相の分圧された電圧はオペアンプ回路を経由してA/D変換器に入力される。
このオペアンプ回路は差動増幅回路となっており、R相、T相のA/D変換器への入力電圧VadR、VadTは下記で表される。
VadR=2×VmN-VmR=-k×VL-k(VR-VL)=-kVR
VadT=2×VmN-VmT=-k×VL-k(VT-VL)=-kVT
よって、A/D変換器には基準点Lの電圧にはよらず中性点Nからの電圧VR、VS、VTを分圧(k倍)した電圧が入力される。このVadR、VadTをA/D変換し適当な係数を掛け合わせることでVRとVTのそれぞれに比例するデジタル値VdRとVdTが得られる。この比例ゲインをGとすると、
VdR=G×VR
VdT=G×VT
となり、よって、VdSはVdRとVdTにより、下記の式で表現できる。
VdS=G×VS=G×(-VR-VT)=-VdR-VdT
また、もちろんVadR、VadTと同様にVadSを生成してA/D変換して求めることも可能である。上記、
図4の回路は最小限のコストで既存の主回路を構成する基板上に追加することができる。一方、抵抗分圧の代わりに計器用変圧器等を用いてその出力をA/D変換器への入力信号とすることも可能である。
【0025】
次に、位相推定部52の動作説明のために、運転状況毎に、電源電圧(VgR、VgS、VgT)と電源回生コンバータ端電圧(VR、VS、VT)と交流電流(IR、IS、IT)の関係を説明する。以下、
図5、
図7、
図8では、電源の電圧の線間電圧実効値を200Vと仮定している。
【0026】
図5にインバータが回生運転している場合の電源回生コンバータ運転時の波形の例を示す。
図5において、(a)は電源電圧、(b)は電源回生コンバータ端電圧、(c)は交流電流を示す。このとき、電源回生コンバータ1は
図2示すTrのスイッチング動作を行っており、かつ、インバータ4は回生状態でモータを運転している。この際直流電圧は交流電圧の線間電圧の振幅以上となる。このため交流電圧の位相にかかわらずD1~D6が導通することはない。一方、Tr1~Tr6の導通は
図2の指令に従いTrが導通する。ある位相に対して、上下アームともに導通していない相が存在するが、この場合、その相の電流は0となる(95で示す点線内を参照)。
【0027】
図6にインバータが回生運転時の三相ブリッジ回路の素子の導通状態と電流の状況を示す。
図6ではR相が最大となる位相を0として、0°<θ<60°(T/6)の場合を示している。スイッチング素子もダイオードも導通していない部分は、わかりやすさのため×印を置き配線を省略している。位相θが0°<θ<60°の場合、
図6に示すようにTr1とTr6が導通しIS=0で一定となる。その結果、式(3)のVSにIS=0とdIs/dt=0を代入することでVgS=VSとなり、S相は電源電圧と電源回生コンバータ側電圧が一致する。
【0028】
以上より、
図5に例が示されるような回生運転時は、電圧が三相の中間となる相(以降、中間相と称す)の電流は0となる。このとき電圧は電源側と電源回生コンバータ端で同一となる。また、Trのスイッチの切り替わりが発生する瞬間は急峻な電流変化が発生しており、この瞬間は電源側と電源回生コンバータ端の電圧は一致しない。
【0029】
次に、
図7にインバータが力行運転している場合の電源回生コンバータ運転時の波形の例を示す。
図7においても、
図5と同様に、(a)は電源電圧、(b)は電源回生コンバータ端電圧、(c)は交流電流を示す。このとき、電源回生コンバータは
図2に示すTrのスイッチング動作を行っており、かつ、インバータは力行状態でモータを運転している。この際、直流電圧は線間電圧振幅の波高値よりも低くなる。Tr1~Tr6は回生運転と同じく
図2の指令に従い導通する。D1~D6は回生運転時とは異なり、線間電圧の瞬時値が直流電圧を超える位相で導通する。結果、上下アームともに導通していない相であっても、必ずしも電流は0とはならない。例えば、T/6からT/3の時間の電源電圧はR相が中間相となるが、本区間先頭において、D2とD5が導通しておりR相に電流が流れている。結果、本区間の先頭では電源電圧と電源回生コンバータ端電圧は一致しない。しかし、残りの部分は電流が0となり電源電圧と電源回生コンバータ端電圧は一致する。以上より、
図7に例が示されるようなインバータが力行運転している場合の電源回生コンバータ運転時は、電圧が三相の中間となる相であっても、電流が0とはならない領域が存在する(96で示す点線内を参照)。ただし、電流が0となっている相の電圧は電源側と電源回生コンバータ端で一致する。また、中間の相の電流が0となっていないとき、三相のうちの二相の電圧が一致している。
【0030】
次に、
図8に電源回生コンバータ停止時の波形の例を示す。
図8においても、
図5と同様に、(a)は電源電圧、(b)は電源回生コンバータ端電圧、(c)は交流電流を示す。電源回生コンバータ停止時、インバータは、力行運転は可能であるが、一方、回生運転は、直流電圧が上昇してしまい過電圧等の保護動作等をまねくので、通常の運転状態では発生しない。この
図8では時間とともに直流側の負荷の消費が次第に小さくなっている。
【0031】
電源回生コンバータが停止中である場合、スイッチングの指令を出しておらず、Tr1~Tr6は導通していない。しかし、D1~D6は力行運転時と同様に線間電圧の瞬時値が直流電圧を超える位相で導通する。よって、インバータが力行運転して直流電力が消費されている状態や、電源投入直後の主回路コンデンサの電圧が低い状態では、大きな電流が流れ、導通時間が長くなる。インバータが停止している場合は、直流電力の消費が少なく、ダイオードの導通時間は短くなる。
図8(c)は主回路コンデンサが充電されていく際の電流波形を示しており、電圧の低い状態だった0からT/6の電流値の方が、ある程度充電された5T/6からTまでの電流値よりも大きい。
【0032】
中間相の電流と電圧については、コンデンサ電圧の低いT/6からT/3の領域では中間相であるR相に電流が流れており、結果、電源電圧と電源回生コンバータ側電圧は一致しない。しかし、コンデンサがある程度充電され、直流電力の負荷消費の小さい2T/3から5T/6の領域では、中間相であるR相に電流は流れておらず、結果、電源電圧と電源回生コンバータ側電圧は一致している。
【0033】
以上より、
図8に例が示されるようなインバータが力行運転している場合の電源回生コンバータ停止時は、電圧が三相の中間となる相であっても、電流が0とはならない領域が存在する(97で示す点線内を参照)。ただし、電流が0となっている相の電圧は電源側と電源回生コンバータ端で同一となる。
【0034】
次に位相推定部52の動作を説明する。位相推定部52では、
図1に示すように、電源回生コンバータ端の電圧(VR、VS、VT)、交流電流(IR、IS、IT)、電圧振幅(VA)、演算位相(θs)を入力として、電源回生コンバータ端の電圧から推定される推定位相(θe)を出力する。
【0035】
図9は位相推定部52の動作例を示すフローチャートである。
図9において、まず、電源の位相によって各相の相電圧の大小関係が入れ替わる。この大小関係の入れ替わりは60°毎に発生し、0°から360°までの全位相を六つの区間に分割する。また、
図2に示したTr1からTr6の導通状態もこの領域で変化する。これを位相区間とし
図10に示す。
【0036】
図5、
図7、
図8で示したように、中間の相の電圧は特定な条件を除き電源回生コンバータ端の電圧と電源電圧が一致する。よって、電源回生コンバータ端の電圧から電源電圧の位相を推定するために、位相区間を特定し、その区間の中間相の電圧を考える。この位相区間を特定するために、後段の位相演算部53から入力される演算位相(θs)を使う。位相演算部53の動作は後述するが、この演算位相(θs)は、起動時や電源擾乱時になどにおける過渡応答時を除き、ほぼ正確な電源電圧の位相を検出している。よって、
図10の表に示した位相の範囲をもとに位相区間が特定可能となる。ステップS10において位相区間を特定したら、次に、ステップS11において、位相区間の端部かを判断する。すなわち、
図5の説明にて示した通り、位相区間の境界は急激な電流変化により電圧跳躍が発生する。この領域は演算位相(θs)が区間端部、すなわち、位相区間の境界の近傍かどうかで判定可能である。そして、位相区間の端部であった場合は、ステップS12で自身の演算位相(θs)を推定位相(θe)として処理を終了する。これによって、
図5の各区間の境界で発生している不連続な電圧値での位相推定を避けることができる。
【0037】
ステップS11で位相区間の端部でない場合は、ステップS13において、各区間で決まる中間相の電流が0かどうかを判定する。中間相の電流が0でなければ、ステップS12で自身の演算位相(θs)を推定位相(θe)として処理を終了する。
【0038】
中間相の電流が0であれば、前記したように、その相の電源電圧と電源回生コンバータ端電圧は一致している。このとき、式(1)から逆三角関数を用いて位相を算出することができる。例えば、位相区間1の場合、Sが中間相となるのでS相の電流ISが0かどうかを判定する。もし、IS=0の場合は、VgS=VSが成立しこれを(1)式のS相の式に代入する。すると、
VS=VAcos(θ-120°)
となる。これを、θについて解くと、
θ=cos-1(VS/VA)+120°
上記の解は2つ得られるが、区間1の0°≦θ<60を満足するものを推定位相とする。
【0039】
このように、電源電圧に一致する中間の相は60°毎に常時入れ替わるものの、特定の条件を除き常に連続して存在する。この中間の相の電圧信号から位相を推定することが可能である。あるいは、マイコンによる離散処理の場合は任意の周期で演算が可能である。
【0040】
従って、上記のように、位相区間から推定位相を算出した
図10に従い、ステップ14から16において、位相区間を判断し、ステップ17から19において、その位相区間に応じた推定位相を出力し処理を終了する。
【0041】
なお、インバータが力行で運転されている場合など、位相推定が不可能な領域が存在する。ただし、これは各区間端部のせいぜい一部の領域であり、後述のように現在の位相と周波数から演算される位相を出力することで、電源が定常状態であれば適切に位相同期を保持可能である。このように、電源回生コンバータの運転/停止にかかわらず、電源との位相同期を可能とする。特に、電源回生コンバータが運転中はインバータの運転状態の如何にもかかわらない。
【0042】
図11は位相演算部53のブロック構成図である。位相演算部53は推定された推定位相(θe)を入力として、電源位相に一致する演算位相(θs)を算出するブロックである。この制御ブロックでは、内部に周波数(ω)と位相(θs)を保持しているが、この周波数(ω)と演算位相(θs)は電源の周波数と位相に一致するように位相同期処理が行われている。本ブロックでは、まず、演算位相(θs)と推定位相(θe)が比較され、差分(誤差)が比例積分補償機(PI)に入力される。このときこの比例積分補償機(PI)の出力は周波数となっている。演算位相(θs)と推定位相(θe)が一致している場合は、比例積分補償機(PI)への入力は0となり、現状の周波数(積分値)が維持される。演算位相(θs)と推定位相(θe)にずれがある場合は、差分が比例積分補償機(PI)に入力され、その結果、ずれが小さくなる方向に周波数が調整される。例えば、推定位相(θe)が演算位相(θs)よりも大きい場合は、正の差分(誤差)により、周波数が大きくなる。逆に、推定位相(θe)が演算位相(θs)よりも小さい場合は、負の差分(誤差)により、周波数が小さくなるように補正がかかる。演算位相(θs)は現在の位相に周波数と時間に比例する増分値を加えることで、次の位相が決定される。このようにして、このブロックの周波数(ω)と演算位相(θs)は電源の周波数と位相に一致する値へと収束する。
【0043】
次に、電圧振幅演算部54の動作を説明する。位相推定部52と同様に区間を特定し、その区間で与えられる電源電圧に注目する。この時、この信号を微分することで傾きが得られる。例えば、区間1の場合に成立しているVSの式は、θ=ωtとすると、
VS=Va×cos(ωt-120°)
dVS/dt=-ωVasin(ωt-120°)
△Tの時間でVSの変化が△Vだったとすると、
△V/△T=-ωVa×sin(ω(t+△T)-120°)
△V/△T=-ωVa×sin(θ+△Tω-120°)
ここで、簡単のためVSのゼロクロスにて演算を行うことを考える。区間1の場合は、θ=π/6の地点でゼロクロスが発生するのでθ=30°を代入して、
△V/△T=-ωVa×sin(30°+△Tω-120°)
よって、
△V/△T=ωVa×cos(△Tω)
ここで、△Tが十分小さければ、cos(△Tω)=1と近似できるので、
△V/△T=ωVa、よって、Va=△V/(△Tω)となる。
【0044】
他の区間に対しても同様の演算を行うことで
図12に示す振幅の演算式が得られる。上記の式中のωは位相演算部で保持されているものを使えばよい。cos(△Tω)=1の誤差は、電源が50Hzの場合、1msだと4.9%、400μsの場0.8%程度となる。このように、ゼロクロス点での検出に限定すれば上記のように簡潔な演算で振幅を求められる。
【0045】
このように、本実施例によれば、電源回生コンバータ端の三相交流電圧の瞬時電圧に比例する信号をA/D変換器へ入力することで電源電圧信号を検出し、CPUによるソフトウェア処理で、三角関数を用いた位相推定を行う。その結果、連続的な位相検出を可能として電源との位相同期が得られ、連続的な電圧監視が可能となり、電源位相跳躍や周波数擾乱に対して早い応答が可能となる。同時に、追加の全波整流回路等を必要とせず、交流電圧振幅を検出可能とする。さらに、二相の交流電圧のみで各相の交流電圧振幅を推定でき、交流電圧振幅は三相個別に求めることができ、電源電圧の不平衡状態も把握することが可能である。また、リアクトルを介して電源に接続される電源回生コンバータにおいて、交流電源電圧の検出を電源回生コンバータの交流電源端子に入力された電源に基づき行うため、別体である電源の電圧を監視する場合に必要となる配線が不要となる。その結果、線材や端子台といった部品の削減、および、誤配線や断線故障の可能性がなくなることによる信頼性の向上を可能とする。
【実施例2】
【0046】
本実施例では、電源電圧位相の検出に電流値を利用しない例について説明する。
【0047】
図13は、本実施例における電源回生コンバータの構成例を示すブロック図である。
図13において、
図1と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。
図13において
図1と異なる点は、交流電流検出部50がなく、交流電流入力が不要である位相推定部56を有する点である。
【0048】
図14は、本実施例における位相推定部56の動作を説明するフローチャートである。
図14において、
図9と同じ構成は同じ符号を付し、その説明は省略する。本実施例における位相推定部56は、位相推定部52とは異なり電流の入力を必要としない。
【0049】
まず、ステップS20で、入力である電源回生コンバータ端電圧の三相電圧から三つの電圧差に着目する。すなわち、三つの電圧差のいずれかが一定値を下回る場合は、中間相に電流が流れていると判断する。そしてその場合は、ステップS12で自身の演算位相(θs)を推定位相として出力し処理を終了する。この時の閾値としては、電圧検出の誤差等を考慮し、例えば、定格の交流電圧の数%程度とすればよい。
【0050】
三つの電圧差のいずれも一定値以上の差がある場合は、ステップS21からステップS23で、電圧が他の二つの間となる中間相を特定し、この中間相がどの相かによって、推定位相を決定する。すなわち、中間相の電圧は電源の電圧に一致しているので、
図9でのステップS17からS19と同様に、式(1)を利用することで位相の推定が可能となる。なおステップS17からS19の推定位相の決定にあたっては、二つの解のうち、現在の演算位相(θs)に近い値を選択する。
【0051】
位相推定部52と位相推定部56との違いについて説明する。各位相区間のほぼ中央部では、電源回生コンバータやインバータの運転状態に依らず、電源側の電圧(VgR、VgS、VgT)と電源回生コンバータ端の電圧(VR、VS、VT)との大小関係は一致し、かつ、選択される中間相に電流も流れていないことから位相推定部52と位相推定部56の動作に違いはない。一方、各区間の境界では、運転状態によっては電源側の電圧(VgR、VgS、VgT)と電源回生コンバータ端の電圧(VR、VS、VT)とで大小の関係が一致しない。この時の両者の動作の違いを考慮する。
【0052】
まず、
図7の力行運転時の各区間の開始端については、中間相に電流が残っており結果、二相の電圧が等しくなっている。結果、位相推定部56は演算位相(θs)を出力する。位相推定部52の場合は、VT<VR≦VSという条件で正しく区間2を判別するが、中間相に電流が流れているために、結局、演算位相(θs)を出力する。このため、位相推定部56と位相推定部52の出力は一致する。
【0053】
次に
図8の停止時のT/6の直後(区間2の開始部分)を考える。電源回生コンバータ端の電圧は電源電圧とは大小関係が異なり、VT<VS<VRとなっている。位相推定部52の場合は、区間2を判別するが、中間相に電流が流れているために、結局、演算位相(θs)を出力する。位相推定部56は大小関係から区間1と判定するが、中間相の電圧はやはり電源の電圧と一致しているため、式(1)による推定は可能である。このとき、式(1)の二つの解のうち正しい位相は区間2の開始部分となり、区間1の位相範囲を超えるため注意が必要である。
図14のフローチャートに示すように、現在位相θsに近いものを選択するか、或は、区間1の位相区間を30°程度広げた領域に存在するものを選択すればよい。本条件では、位相推定部56と位相推定部52の動作は若干異なるものの、どちらも、電源が定常状態であれば適切に位相同期を保持可能である。
【実施例3】
【0054】
本実施例では、電源回生コンバータに汎用インバータ用ダイオードモジュールをあわせて利用する例について説明する。
【0055】
図15は、本実施例における、電源回生コンバータに汎用インバータのダイオードモジュールを併用する場合の構成ブロック図である。
【0056】
図15に示すように、汎用インバータのダイオードモジュール6は電源回生コンバータ1に接続される三相リアクトル3の電源2側に接続される。この汎用インバータのダイオードモジュール6は力行での電力変換しかできず、回生方向の電流が流れることはない。ここで、汎用インバータ用
のダイオードモジュール6を通して供給される力行方向の電流の一部は、電源回生コンバータ1の回生方向の電流として電源側に回生されてしまう。この電流を、以下、循環電流と呼ぶ。
【0057】
本実施例での電流波形を
図16、
図17、
図18に示す。
図16は回生運転時の動作波形を示す図、
図17は力行運転時の動作波形を示す図、
図18は停止時の動作波形を示す図である。
図16、
図17、
図18の何れも、
図5と同様に、(a)は電源電圧、(b)は電源回生コンバータ端電圧、(c)は交流電流を示す。
【0058】
図16の回生運転時の電流波形(c)は、上記循環分の電流増加が発生するが、実施例1の回生運転時の電流波形である
図5(c)とほぼ同じ波形となる。そのため、実施例1や実施例2と同じ処理が利用可能である。
【0059】
図17の力行運転時の電流電流(c)は、上記循環電流のため、インバータが力行している場合においても、電源回生コンバータ1部分に流れる電流は回生方向となる。そのため、実施例1の力行運転時の電流波形である
図7(c)とは一致せず、むしろ、
図5の回生運転時の電流波形(c)に近くなる。また、
図16から
図18で示される通り、本実施例における電源回生コンバータに汎用インバータのダイオードモジュールが組み合わさった場合は、中間の相に電流が流れていないことがわかる。
【0060】
図18(c)はインバータが力行運転している時で、電源回生コンバータは運転をしていない場合の電流波形である。この場合、電源回生コンバータ側に回生方向の電流が流れることはない。ただし、インバータの力行方向の電力の大部分は汎用インバータのダイオードモジュールから供給されが、ごく小さい力行方向の電流が電源回生コンバータ側にも発生している。結果、実施例1の
図8(c)の力行電力が小さくなった部分と同様の波形となる。
【0061】
このように、本実施例の構成であっても、特に位相推定処理を考えた場合、前記の実施例と同様となることがわかる。実施例1の位相同期を行う場合は、この場合中間に選択された相に電流は流れないことにより、位相推定部52のフローチャート上の中間に選択された相の電流の有無判定は常に無しと判定される。ただし、位相推定動作に問題はなく当該フローチャートに従い実施例1と同様の位相同期が可能である。
【0062】
また、実施例2の位相同期も
図16、
図17、
図18に示される波形に対して同様に可能である。また、実施例1で示した振幅演算も
図16、
図17、
図18に示される波形に対して同様に適応できる。
【0063】
以上、実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1:電源回生コンバータ、2:三相交流電源、3:三相リアクトル、4:インバータ、5:モータ、6:ダイオードモジュール、10:三相ブリッジ回路、11:交流電源端子、20:電解コンデンサ、50:交流電流検出部、51:交流電圧検出部、52、56:位相推定部、53:位相演算部、54:電圧振幅演算部、55:駆動信号生成部。