(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】障害物静止状態の決定方法、障害物静止状態の決定装置、コンピュータ機器、コンピュータ記憶媒体及び車両
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220927BHJP
【FI】
G05D1/02 S
(21)【出願番号】P 2019163316
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2019-09-06
(31)【優先権主張番号】201811043093.0
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】チェン, カイ
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037641(JP,A)
【文献】特開2006-234513(JP,A)
【文献】特開2014-006123(JP,A)
【文献】特開平03-149624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0310146(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0248693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するステップと、
前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップと、
D-S証拠組合せ
における融合アルゴリズムを使用して、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を融合し、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得するステップと、
各前記状態パラメータにそれぞれ対応する前記融合された信頼度関数の割当て値の大きさ
を比較し、静止状態パラメータでの信頼度関数の割当て値の大きさが最も大きい場合に、前記障害物の
状態が静止状態
であると判断するステップとを含む障害物静止状態の決定方法。
【請求項2】
前記状態パラメータは、静止、非静止、および未知を含む請求項1に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項3】
前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップは、
速度係数と静止確率との間のマッピング関係、および前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率を計算するステップと、
各前記センサにそれぞれ対応する前記リアルタイムな静止確率、および前記センサに対応する信頼度関数の割当て規則に基づいて、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップとを含む請求項1または請求項2に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項4】
前記センサは、ミリ波レーダ、または、レーザレーダを含む請求項3に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項5】
前記速度係数と前記静止確率との間のマッピング関係は、以下の式(1)を含み、
【数1】
ただし、
vは、前記速度係数であり、
f(v)は、前記静止確率であり、
t及びsは、予め設定されたマッピングパラメータであり、
異なるセンサは、異なる値の範囲のマッピングパラメータに対応する請求項4に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項6】
前記センサがミリ波レーダである場合、tの値の範囲は(0.5,1.0)であり、sの値の範囲は(0.1,0.3)であり、
前記センサがレーザレーダである場合、tの値の範囲は(0.2,0.5)であり、sの値の範囲は(0.1,0.2)である請求項5に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項7】
各前記センサにそれぞれ対応する前記リアルタイムな静止確率、および前記センサに対応する前記信頼度関数の割当て規則に基づいて、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップは、
ミリ波レーダに対応する第1のリアルタイムな静止確率f1(v)に基づいて、前記ミリ波レーダタイプの静止状態における信頼度関数の割当て値を0に設定し、前記ミリ波レーダタイプの非静止状態おける信頼度関数の割当て値を1-f1(v)に設定し、前記ミリ波レーダの未知状態における信頼度関数の割当て値をf1(v)に設定するステップ、及び/又は、
レーザレーダに対応する第2のリアルタイムな静止確率f2(v)に基づいて、前記レーザレーダの静止状態における信頼度関数の割当て値をf2(v)に設定し、前記レーザレーダの非静止状態における信頼度関数の割当て値を1-f2(v)に設定し、前記レーザレーダの未知状態における信頼度関数の割当て値を0に設定するステップを含む請求項1から請求項6のいずれかに記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項8】
前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの少なくとも二つの前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算した後に、
前記センサによって検出して取得された前記リアルタイムな障害物速度、および歴史的な障害物速度に基づいて、前記センサの少なくとも二つの前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を更新するステップをさらに含む請求項1から請求項7のいずれかに記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項9】
前記センサによって検出して取得された前記リアルタイムな障害物速度、および前記歴史的な障害物速度に基づいて、前記センサの少なくとも二つの前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を更新するステップは、
レーザレーダを目標センサとして取得するステップと、
前記目標センサの前記リアルタイムな障害物速度、および少なくとも一つの歴史的な時点で検出された少なくとも一つの前記歴史的な障害物速度に基づいて、前記目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値を計算するステップと、
前記速度信頼性のメトリック値に基づいて、前記目標センサの少なくとも二つの前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を更新するステップとを含
み、
前記目標センサの前記リアルタイムな障害物速度、および少なくとも一つの前記歴史的な時点で検出された少なくとも一つの前記歴史的な障害物速度に基づいて、前記目標センサに対応する前記速度信頼性のメトリック値を計算するステップは、
以下の式(2)によって前記目標センサに対応する前記速度信頼性のメトリック値αを計算するステップを含み、
【数2】
ただし、
smaxは、予め設定された最大許容速度誤差であり、
vtは、現在の時点tで検出された前記リアルタイムな障害物速度であり、
vt-iは、前記現在の時点tのi個前の歴史的な時点で検出された前記歴史的な障害物速度であり、
fabs()は、絶対値を取得する関数であり、
max()は、最大値を取得する関数であり、
mean()は、平均値を取得する関数である請求項8に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項10】
前記速度信頼性のメトリック値に基づいて、前記目標センサの少なくとも二つの前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を更新するステップは、
前記目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値M1をM1*αに更新し、前記目標センサの非静止状態における信頼度関数の割当て値M2をM2*αに更新し、前記目標センサの未知状態における信頼度関数の割当て値を1‐M1*α‐M2*αに更新する請求項
9に記載の障害物静止状態の決定方法。
【請求項11】
少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するリアルタイム障害物速度取得モジュールと、
前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する独立信頼度関数割当て値計算モジュールと、
D-S証拠組合せ
における融合アルゴリズムを使用して、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を融合し、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する融合信頼度関数割当て値計算モジュールと、
各前記状態パラメータにそれぞれ対応する前記融合された信頼度関数の割当て値の大きさ
を比較し、静止状態パラメータでの信頼度関数の割当て値の大きさが最も大きい場合に、前記障害物の
状態が静止状態
であると判断する静止状態判断モジュールとを備える障害物静止状態の決定装置。
【請求項12】
少なくとも一つのプロセッサと、
少なくとも一つのプログラムを記憶する記憶装置とを備え、
少なくとも一つの前記プログラムが少なくとも一つの前記プロセッサによって実行される場合に、少なくとも一つの前記プロセッサが、請求項1から請求項
10のいずれかに記載の障害物静止状態の決定方法を実現するコンピュータ機器。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、請求項1から請求項
10のいずれかに記載の障害物静止状態の決定方法が実現されるコンピュータ記憶媒体。
【請求項14】
車体を備える車両であって、
請求項
12に記載のコンピュータ機器と、
前記車体に設けられた少なくとも二つの前記センサとをさらに備え、
少なくとも二つの該センサは、周囲環境内の前記障害物の前記リアルタイムな障害物速度を検出する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、データ処理技術に関し、特に、障害物静止状態の決定方法、障害物静止状態の決定装置、コンピュータ機器、コンピュータ記憶媒体及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサ技術、制御システム、および人工知的技術の絶え間ない発展に伴い、無人走行車両(以下、無人車両と略する)、および地上移動ロボットが大きく発展した。無人車両の一例をとると、実際の動的環境において、無人車両は、環境感知により障害物を安定かつ正確に検出し、障害物の運動状態のタイプを認識することが必要である。これは、経路を計画して運動モデルを確立するのに大いに役立ち、無人車両の様々な知的決定行為を補助することができる。
【0003】
現在、無人車両システムでは、障害物が静止状態にいるかどうかを判断することが一つの重要な問題であり、静止状態の判断結果は後続の予測および決定制御に重要な情報を提供する。従来の方式では、主に無人車両に設けられた様々な単一センサにより出力する速度情報に基づいて、障害物が静止状態にいるか否かを決定している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、本発明を実現する過程において、従来技術に以下の欠点が存在することを見出した。すなわち、各々の単一センサ自身のハードウェアの制限の問題、および単一センサが冗長情報を含まない問題があるため、障害物の静止状態を安定かつ信頼的に判断することが困難であり、誤判断が起こしやすい。
【0005】
本発明は、アルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を同時に考慮するように、障害物静止状態の決定方法、障害物静止状態の決定装置、コンピュータ機器、コンピュータ記憶媒体及び車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様として、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するステップと、前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップと、D-S証拠組合せ技術を使用して、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を融合し、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得するステップと、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する前記融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、前記障害物の静止状態を判断するステップとを含む障害物静止状態の決定方法を提供する。
【0007】
本発明の第2態様として、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するリアルタイム障害物速度取得モジュールと、前記センサに対応する前記リアルタイムな障害物速度に基づいて、各前記センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する独立信頼度関数割当て値計算モジュールと、D-S証拠組合せ技術を使用して、各前記センサの各前記状態パラメータにおける前記信頼度関数の割当て値を融合し、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する融合信頼度関数割当て値計算モジュールと、各前記状態パラメータにそれぞれ対応する前記融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、前記障害物の静止状態を判断する静止状態判断モジュールとを備える障害物静止状態の決定装置を提供する。
【0008】
本発明の第3態様として、少なくとも一つのプロセッサと、少なくとも一つのプログラムを記憶する記憶装置とを備え、少なくとも一つの前記プログラムが少なくとも一つの前記プロセッサによって実行される場合に、少なくとも一つの前記プロセッサが、上記の障害物静止状態の決定方法を実現するコンピュータ機器を提供する。
【0009】
本発明の第4態様として、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、上記の障害物静止状態の決定方法が実現するコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0010】
本発明の第5態様として、車体を備える車両であって、上記のコンピュータ機器と、前記車体に設けられた少なくとも二つの前記センサをさらに備え、少なくとも二つの該センサは、周囲環境内の前記障害物の前記リアルタイムな障害物速度を検出する車両を提供する。
【0011】
本発明によると、取得した少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。その後、D-S証拠組合せ技術を使用して各信頼度関数の割当て値を融合して、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。最後に、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することによって、複数のセンサによって取得した障害物速度に基づいて障害物の静止状態を決定することを実現する。そして、従来の無人車両システムで障害物の静止状態を判断する際に存在する、判断結果が非安定かつ非信頼であり、また誤判断が起こし易い問題を解決して、無人車両システムで障害物静止状態を判断するためのアルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を保証し、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例1によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例2によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の実施例3によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例4によって提供される障害物静止状態の決定装置の模式図である。
【
図5】本発明の実施例5によって提供されるコンピュータ機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面および実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。ここで記載する具体的な実施例は、ただ、本発明を理解するためのみに用いられ、本発明を限定するものではないことを理解することができる。
【0014】
なお、説明を容易にするために、本発明に関連する構造の全部ではなく一部のみを図面に示した。例示的な実施形態をより詳細に論じる前に、いくつかの例示的な実施形態がフローチャートとして描かれたプロセスまたは方法として説明されていることに留意されたい。フローチャートではさまざまな動作(またはステップ)を順序がある処理として説明したが、動作の多くは、並行して、併発にまたは同時に実施することができる。なお、それぞれの動作の順序は、再度並べ替えてもよい。動作が完了する際に、処理が終了されてもよいが、図面に含まれていない別途のステップを含んでいてもよい。処理は、方法、関数、規程、サブルーチン及びサブプログラムなどに対応されてもよい。
【0015】
実施例1
図1は、本発明の実施例1によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。本実施例は、無人車両システムで障害物静止状態を決定する情況に適用されることができ、障害物静止状態の決定方法は、障害物静止状態の決定装置によって実行される。
障害物静止状態の決定方法に用いられる障害物静止状態の決定装置は、ソフトウェア、及び/又は、ハードウェアの方式によって実現され、一般的には、車両に設けられたコンピュータ機器中に統合される。
これに応じて、
図1に示されるように、障害物静止状態の決定方法は、以下のステップS110からステップS140を含む。
【0016】
ステップS110は、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得する。
【0017】
リアルタイムな障害物速度は、センサが特定の時点で検出した障害物の速度であってもよい。
【0018】
本実施例において、障害物の静止状態を正確に決定するために、障害物の速度情報を測定して障害物が静止状態にいるか否かを、別個のセンサを使用して決定するのではなく、複数のセンサを使用して測定する。具体的には、少なくとも二つのセンサで、同一の障害物に対して、少なくとも二つのリアルタイムな障害物速度を検出することができる。
【0019】
ステップS120は、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。
【0020】
信頼度関数は、主観的な不確定現象を記述するために使用される数学的ツールである。状態パラメータは、信頼度関数における障害物状態を評価するための利用可能なパラメータである。これに応じて、信頼度関数の割当て値は、各状態パラメータに対応する数値であってもよい。なお、すべての信頼度関数の割当て値の合計は1である。
【0021】
本実施例の変形例として、状態パラメータは、静止、非静止、および未知を含んでいてもよい。
【0022】
本実施例の変形例として、状態パラメータは、静止、非静止、および未知のような三つのタイプを含んでいてもよい。
この場合、センサの信頼度関数に対応する状態パラメータは、静止、非静止、および未知の三つのタイプの中の少なくとも二つを含む必要がある。そして、静止は、障害物の静止状態を示し、非静止は、障害物の非静止状態を示し、その他に、センサ自身の干渉または誤差等の要因を考慮して、未知状態パラメータをさらに設定することによって、他の未知タイプの状態が発生される確率を反映することができる。すなわち、未知状態パラメータは、静止状態パラメータと非静止状態パラメータとの全体集合であり、三つの状態パラメータの設定は、センサの検出精度を効率的に向上させることができる。
【0023】
ステップS130は、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。
【0024】
融合された信頼度関数の割当て値は、各センサの各状態パラメータを特定の組合せ規則(例えば、Dempster組合せ規則である)に従って融合して取得した新たな信頼度関数の割当て値であってもよい。
【0025】
本実施例において、複数のセンサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を取得した後、D-S証拠組合せ技術を利用して、取得された各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合することによって、各状態パラメータにおいて最終的に利用可能の融合された信頼度関数の割当て値を取得することができる。
【0026】
ステップS140は、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断する。
【0027】
これに応じて、本実施例において、D-S証拠組合せ技術によって、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合して、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得した後に、各状態パラメータそれぞれに対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することができる。例示的に、静止と、非静止と、未知との三つの状態パラメータそれぞれに対応する融合された信頼度関数の割当て値が(0.8,0.1,0.1)であると想定した場合に、障害物の静止状態が静止であると判断することができる。
【0028】
本実施例によると、取得した少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。その後、D-S証拠組合せ技術を使用して各信頼度関数の割当て値を融合して、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。最後に、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することによって、複数のセンサによって取得した障害物速度に基づいて障害物の静止状態を決定することを実現する。そして、従来の無人車両システムで障害物の静止状態を判断する際に存在する、判断結果が非安定かつ非信頼であり、また誤判断が起こし易い問題を解決して、無人車両システムで障害物静止状態を判断するためのアルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を保証し、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度を向上させることができる。
【0029】
実施例2
図2は、本発明の実施例2によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。本実施例は、上述した実施例を基礎として具体化されたものである。本実施例において、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する具体的な実現形態を提供する。これに応じて、
図2に示されるように、本実施例に係る障害物静止状態の決定方法は、以下のステップS210からステップS240を含んでいる。
【0030】
ステップS210は、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得する。
【0031】
ステップS220は、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。
【0032】
また、ステップS220は、具体的には、以下のステップS221及びステップS222を含んでいてもよい。
【0033】
ステップS221は、速度係数と静止確率との間のマッピング関係、およびセンサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率を計算する。
【0034】
速度係数は、リアルタイムな障害物速度に対応する係数であってもよく、リアルタイムな静止確率は、障害物の特定の時点に対応される静止確率である。
【0035】
本実施例において、速度係数と静止確率との間のマッピング関係に基づいて各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を計算することができる。具体的には、まず、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に対応する速度係数を、速度係数と静止確率との間のマッピング関係中に代入することによって、各センサそれぞれに対応するリアルタイムな静止確率を取得することができる。
【0036】
本実施例の変形例として、速度係数と静止確率との間のマッピング関係は、以下の式(1)を含んでいてもよい。
【数1】
ただし、vは、速度係数であり、
f(v)は、静止確率であり、
t及びsは、予め設定されたマッピングパラメータである。
異なるセンサは、異なる値の範囲のマッピングパラメータに対応される。
【0037】
本実施例において、vは、センサの速度係数である独立変数であり、tは、速度係数の閾値であり、vがtより小さい場合に、戻る静止確率が1であり、静止状態であると完全に信頼することを説明し、vがt以上である場合に、静止確率の値がvの増加につれて次第に減少し、静止状態の確率が次第に減少されることを説明する。sは、制御確率が速度につれて下落する比例値であり、sの値が大きいほど、速度値の下落につれて確率値が減少する速度が遅い。t及びsは、いずれも、予め設定されたマッピングパラメータであり、定数であってもよく、その具体的な数値は、実際の必要によって設定してもよく、本発明の実施例は、t及びsの具体的な数値に対して限定しない。また、センサの性質と種類が異なる場合、異なる値の範囲のマッピングパラメータに対応させる必要がある。
【0038】
本実施例の変形例として、センサは、ミリ波レーダ、または、レーザレーダを含んでいてもよい。
センサがミリ波レーダである場合、tの値の範囲は(0.5,1.0)であり、sの値の範囲は(0.1,0.3)であり、センサがレーザレーダである場合、tの値の範囲は(0.2,0.5)であり、sの値の範囲は(0.1,0.2)である。
【0039】
ミリ波レーダは、ミリ波バンドで作業して探測するレーダであり、レーザレーダは、レーザビームを発射して目標の位置、速度等の特徴量を探測するレーダシステムである。本質的には、レーザレーダとミリ波レーダとは、いずれも、エコーイメージングを利用して被探測物体を構築する。しかし、レーザレーダは、自然光または熱放射の影響をより受けやすく、自然光が強い場合や放射領域の場合に、レーザレーダははるかに弱くなる。また、レーザレーダの製造コストが高く、プロセスレベルに対する要求もより高い。これに対し、ミリ波レーダは、耐干渉能力はより強いが、距離と精度の問題が厳しいし、且つ、車両走行環境において、複数の帯域が混在する環境にいるため、ミリ波への影響が非常に大きい。ミリ波は、より遠いところに対する探測能力の極めて制限されている。このように、レーザレーダは、ミリ波レーダよりも精度と安定性が高い。
【0040】
本実施例において、異なるセンサに異なる値の範囲のマッピングパラメータが対応されることを考慮して、選択可能に、センサがミリ波レーダである場合、tの値の範囲は(0.5,1.0)であり、sの値の範囲は(0.1,0.3)であってもよい。
センサがレーザレーダである場合、tの値の範囲は(0.2,0.5)であり、sの値の範囲は(0.1,0.2)であってもよい。当然ながら、センサが他のタイプのセンサである場合、t及びsの値の範囲は、事前に適応的に設定することができる。
【0041】
ステップS222は、各センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率、およびセンサに対応する信頼度関数の割当て規則に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。
【0042】
信頼度関数の割当て規則は、リアルタイムな静止確率に基づいて各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を計算するために制定した規則であってもよい。なお、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を合理的に計算することができる任意の規則は、いずれも、信頼度関数の割当て規則として利用でき、本発明の実施例は情報関数割の当て規則の具体的な内容に対して限定しない。
【0043】
本実施例において、センサに対応する予め制定した信頼度関数の割当て規則を利用して、計算して取得された各センサそれぞれに対応するリアルタイムな静止確率に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算することができる。
【0044】
本実施例の変形例として、各センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率、およびセンサに対応する信頼度関数の割当て規則に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップは、ミリ波レーダに対応する第1のリアルタイムな静止確率f1(v)に基づいて、ミリ波レーダタイプの静止状態における信頼度関数の割当て値を0に設定し、ミリ波レーダタイプの非静止状態における信頼度関数の割当て値を1-f1(v)に設定し、ミリ波レーダの未知状態における信頼度関数の割当て値をf1(v)に設定するステップ、及び/又は、レーザレーダに対応する第2のリアルタイムな静止確率f2(v)に基づいて、レーザレーダの静止状態における信頼度関数割当て値をf2(v)に設定し、レーザレーダの非静止状態における信頼度関数の割当て値を1-f2(v)に設定し、レーザレーダの未知状態における信頼度関数の割当て値を0に設定するステップを含んでいてもよい。
【0045】
第1のリアルタイムな静止確率は、ミリ波レーダにより計算して取得されたリアルタイムな静止確率であり、第2のリアルタイムな静止確率は、レーザレーダにより計算して取得されたリアルタイムな静止確率である。
【0046】
本実施例において、ミリ波レーダの精度と安定性がより低いことを考慮すると、ミリ波レーダにより計算して取得されたリアルタイムな静止確率の信頼性も相対的に低い。このため、ミリ波レーダに対して制定した信頼度関数の割当て規則は、ミリ波レーダにより計算して取得された第1のリアルタイムな静止確率f1(v)をミリ波レーダの未知状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値とし、1-f1(v)をミリ波レーダの非静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値とすることであってもよい。これに応じて、ミリ波レーダの静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値を0に設定する。レーザレーダの精度と安定性がより高いことを考慮すると、レーザレーダにより計算して取得されたリアルタイムな静止確率の信頼性も相対的に高い。このため、レーザレーダに対して制定した信頼度関数の割当て規則は、計算して取得された第2のリアルタイムな静止確率f2(v)を直接レーザレーダの静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値とし、1-f2(v)をレーザレーダの非静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値とする。これに応じて、レーザレーダの未知状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は、0である。
【0047】
すなわち、ミリ波レーダのリアルタイムな障害物速度に対してマッピングすることによって取得した第1のリアルタイムな静止確率を、未知状態および非静止状態の二つの状態パラメータに割当てしてもよい。レーザレーダのリアルタイムな障害物速度に対してマッピングによって取得した第2のリアルタイムな静止確率を、静止状態および非静止状態の二つの状態パラメータに割当てしてもよい。例示的に、ミリ波レーダの場合、計算して取得された第1のリアルタイムな静止確率f1(v)が0.2である場合、対応する静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0であり、非静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0.8であり、未知状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0.2である。レーザレーダの場合、計算して取得された第2のリアルタイムな静止確率f2(v)が0.2である場合、対応する静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0.2であり、非静止状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0.8であり、未知状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値は0である。
【0048】
ステップS230は、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。
【0049】
具体的には、従来のD-S証拠融合技術における様々な融合アルゴリズムによって、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合することによって、最終的に取得された融合された信頼度関数の割当て値が複数のセンサによって検出された複数のリアルタイムな障害物速度を同時に参照するようにしてもよい。
【0050】
ステップS240は、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断する。
【0051】
上述した技術案を使用すると、速度係数と静止確率との間のマッピング関係、およびセンサに対応する信頼度関数の割当て規則を利用して、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算することができ、さらに、D-S証拠組合せ技術を使用して各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得し、最終的に各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することによって、無人車両システムで障害物静止状態を判断するためのアルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を保証し、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度を向上させることができる。
【0052】
実施例3
図3は、本発明の実施例3によって提供される障害物静止状態の決定方法のフローチャートである。本実施例は、上述した実施例を基礎として具体化されたものである。本実施例において、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算した後の具体的な実現形態を提供する。これに応じて、
図3に示されるように、本実施例に係る障害物静止状態の決定方法は、以下のステップS310からステップS350を含んでいる。
【0053】
ステップS310は、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得する。
【0054】
ステップS320は、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。
【0055】
ステップS330は、センサによって検出して取得されたリアルタイムな障害物速度、および歴史的な障害物速度に基づいて、センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新する。
【0056】
また、歴史的な障害物速度は、現在リアルタイムな障害物速度の時点の前に測定した障害物速度であってもよい。
【0057】
本実施例において、障害物の速度変化が通常には連続されていることを考慮し、すなわち、障害物の速度が急に変わらなく、通常にはリアルタイムな障害物速度と歴史的な障害物速度との間に関連関係が存在する。このため、障害物の歴史的な障害物速度を利用して、計算して取得されたセンサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を校正更新することによって、センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値の精度を保証する。
【0058】
これに応じて、ステップS330は、具体的には、以下のステップS331からステップS333を含んでいてもよい。
【0059】
ステップS331は、レーザレーダを目標センサとして取得する。
【0060】
なお、ミリ波レーダの精度と安定性がよくないため、検出された歴史的な障害物速度の正確度の信頼性も高くないので、ミリ波レーダの歴史的な障害物速度を利用して更新した各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値も信頼的ではない。このため、本実施例は、レーザレーダのみを目標センサとし、歴史的な障害物速度を利用して各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新する。
【0061】
ステップS332は、目標センサのリアルタイムな障害物速度、および少なくとも一つの歴史的な時点で検出された少なくとも一つの歴史的な障害物速度に基づいて、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値を計算する。
【0062】
速度信頼性のメトリック値は、各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値に対する校正更新に用いられることができる。
【0063】
本実施例において、リアルタイムな障害物速度と少なくとも一つの歴史的な障害物速度との間の関係を利用して、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値を計算することができる。また、歴史的な障害物速度は、五つ選択してもよく、具体的な数は、実際の必要性によって選択することができ、本発明の実施例これに対して限制しない。
【0064】
本実施例の変形例として、目標センサのリアルタイムな障害物速度、および少なくとも一つの歴史的な時点で検出された少なくとも一つの歴史的な障害物速度に基づいて、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値を計算するステップは、以下の式(2)によって目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値αを計算するステップを含んでいてもよい。
【数2】
ただし、
s
maxは、予め設定された最大許容速度誤差であり、
v
tは、現在の時点tで検出されたリアルタイムな障害物速度であり、
v
(t‐i)は、現在の時点tのi個前の歴史的な時点で検出された歴史的な障害物速度であり、
fabs()は、絶対値を取得する関数であり、
max()は、最大値を取得する関数であり、
mean()は、平均値を取得する関数である。
【0065】
また、smaxは、予め設定された最大許容速度誤差であってもよい。選択可能に、smaxは0.4に設定されてもよく、その具体的な数値は、目標センサの検出の感度と精度に基づいて適当に設定してもよく、本実施例はこれに対して限定しない。wは、歴史的な時間ウィンドウの長さである。
【0066】
具体的な一例において、wを2に設定すると、目標センサが現在の時点tで検出したリアルタイムな障害物速度v
tを取得した後に、これに応じて、目標センサによって現在の時点tの1個前の時点で検出された歴史的な障害物速度v
t-1、および目標センサによって現在の時点tの2個前の時点で検出された歴史的な障害物速度v
t-2を取得し、
【数3】
および
【数4】
をそれぞれ計算した後に、
mean(A1、A2)によって、A1、A2に対応する平均値を計算する。
【0067】
上式から分かるように、歴史的な障害物速度とリアルタイムな障害物速度との間の差値が予め設定された最大許容速度誤差よりも小さい場合、現在リアルタイムな障害物速度の誤差は無視できると見なされる。そうでないと、歴史的な障害物速度とリアルタイムな障害物速度との間の差異が大きいほど、取得された目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値が低く、目標センサによって測定して取得された信頼度関数の割当て値の信頼性が低いことを示す。
【0068】
ステップS333は、速度信頼性のメトリック値に基づいて、目標センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新する。
【0069】
これに応じて、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値が取得された後に、取得した速度信頼性のメトリック値に基づいて、目標センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新することができる。
【0070】
本実施例の変形例として、速度信頼性のメトリック値に基づいて、目標センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新するステップは、目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値M1をM1*αに設定し、目標センサの非静止状態における信頼度関数の割当て値M2をM2*αに設定し、目標センサの未知状態における信頼度関数の割当て値を1-M1*α-M2*αに設定するステップを含んでいてもよい。
【0071】
これに応じて、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値が取得された後に、目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値M1、および目標センサの非静止状態における信頼度関数の割当て値M2をそれぞれM1*αおよびM2*αに設定してもよい。静止状態、非静止状態、および未知状態の三つの状態パラメータに対応する信頼度関数の割当て値の合計が1であるので、目標センサの未知状態における信頼度関数の割当て値を1-M1*α-M2*αに設定する。
【0072】
例示的に、信頼度関数の割当て値を更新する前に、目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値が0.2であると想定すると、非静止状態における信頼度関数の割当て値は0.8であり、未知状態における信頼度関数の割当て値は0である。速度信頼性のメトリック値αが0.7である場合、更新後の目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値は0.14であり、非静止状態における信頼度関数の割当て値は0.56であり、未知状態における信頼度関数の割当て値は0.3である。
【0073】
ステップS340は、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。
【0074】
ステップS350は、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断する。
【0075】
上述した技術案を使用すると、センサによって検出して取得されたリアルタイムな障害物速度、および歴史的な障害物速度に基づいて、センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新することによって、リアルタイムな障害物速度の精度を効率的に向上させて、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度をもう一層向上させることができる。
【0076】
実施例4
図4は、本発明の実施例4によって提供される障害物静止状態の決定装置の模式図である。
図4に示されるように、障害物静止状態の決定装置は、リアルタイム障害物速度取得モジュール410と、独立信頼度関数割当て値計算モジュール420と、融合信頼度関数割当て値計算モジュール430と、静止状態判断モジュール430とを備える。
リアルタイム障害物速度取得モジュール410は、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得する。
独立信頼度関数割当て値計算モジュール420は、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。
融合信頼度関数割当て値計算モジュール430は、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合
された信頼度関数の割当て値を取得する。
静止状態判断モジュール440は、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合
された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断する。
【0077】
本実施例によると、取得した少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。その後、D-S証拠組合せ技術を使用して各信頼度関数の割当て値を融合して、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。最後に、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することによって、複数のセンサによって取得した障害物速度に基づいて障害物の静止状態を決定することを実現する。そして、従来の無人車両システムで障害物の静止状態を判断する際に存在する、判断結果が非安定かつ非信頼であり、また誤判断が起こし易い問題を解決して、無人車両システムで障害物静止状態を判断するためのアルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を保証し、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度を向上させることができる。
【0078】
本実施例の変形例として、状態パラメータは、静止、非静止、および未知を含んでいてもよい。
【0079】
本実施例の変形例として、独立信頼度関数割当て値計算モジュール420は、速度係数と静止確率との間のマッピング関係、およびセンサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率を計算するための静止確率計算実施ユニットと、各センサにそれぞれ対応するリアルタイムな静止確率、およびセンサに対応する信頼度関数の割当て規則に基づいて、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するための信頼度関数割当て値計算ユニットとを備えていてもよい。
【0080】
本実施例の変形例として、センサは、ミリ波レーダ、または、レーザレーダを含んでいてもよい。
【0081】
本実施例の変形例として、速度係数と静止確率との間のマッピング関係は、以下の式(1)を含んでいてもよい。
【数1】
ただし、
vは、速度係数であり、
f(v)は、静止確率であり、
t及びsは、予め設定されたマッピングパラメータである。
異なるセンサは、異なる値の範囲のマッピングパラメータに対応される。
【0082】
本実施例の変形例として、センサがミリ波レーダである場合、tの値の範囲は(0.5,1.0)であり、sの値の範囲は(0.1,0.3)であり、センサがレーザレーダである場合、tの値の範囲は(0.2,0.5)であり、sの値の範囲は(0.1,0.2)であってもよい。
【0083】
本実施例の変形例として、信頼度関数割当て値計算ユニットは、具体的には、ミリ波レーダに対応する第1のリアルタイムな静止確率f1(v)に基づいて、ミリ波レーダタイプの静止状態における信頼度関数の割当て値を0に設定し、ミリ波レーダタイプの非静止状態における信頼度関数の割当て値を1-f1(v)に設定し、ミリ波レーダの未知状態における信頼度関数の割当て値をf1(v)に設定するか、及び/又は、レーザレーダに対応する第2のリアルタイムな静止確率f2(v)に基づいて、レーザレーダの静止状態における信頼度関数の割当て値をf2(v)に設定し、レーザレーダの非静止状態における信頼度関数の割当て値を1-f2(v)に設定し、レーザレーダの未知状態における信頼度関数の割当て値を0に設定してもよい。
【0084】
本実施形態の変形例として、障害物静止状態の決定装置は、センサによって検出して取得された前記リアルタイムな障害物速度、および歴史的な障害物速度に基づいて、センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新するための信頼度関数割当て値更新モジュールをさらに備えていてもよい。
【0085】
本実施形態の変形例として、信頼度関数割当て値更新モジュールは、レーザレーダを目標センサとして取得する目標センサ取得ユニットと、目標センサのリアルタイムな障害物速度、および少なくとも一つの歴史的な時点で検出された少なくとも一つの歴史的な障害物速度に基づいて、目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値を計算する速度信頼性メトリック値計算ユニットと、速度信頼の性メトリック値に基づいて、目標センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を更新するための信頼度関数割当て値更新ユニットとを備えていてもよい。
【0086】
本実施例の変形例として、速度信頼性メトリック値計算ユニットは、具体的には、以下の式(2)によって目標センサに対応する速度信頼性のメトリック値αを計算してもよい。
【数2】
ただし、
s
maxは、予め設定された最大許容速度誤差であり、
v
tは、現在の時点tで検出されたリアルタイムな障害物速度であり、
v
t―iは、現在の時点tのi個前の歴史的な時点で検出された歴史的な障害物速度であり、
fabs()は、絶対値を取得する関数であり、
max()は、最大値を取得する関数であり、
mean()は、平均値を取得する関数である。
【0087】
本実施形態の変形例として、信頼度関数割当て値更新ユニットは、具体的には、目標センサの静止状態における信頼度関数の割当て値M1をM1*αに設定し、目標センサの非静止状態における信頼度関数の割当て値M2をM2*αに設定し、目標センサの未知状態における信頼度関数の割当て値を1-M1*α-M2*αに設定する。
【0088】
上述した障害物静止状態の決定装置は、本発明の任意の実施例によって提供される障害物静止状態の決定方法を実行することができ、障害物静止状態の決定方法を実行するための該当する機能モジュールと有益な効果を有する。本実施例において詳細に説明しなった技術的詳細については、本発明の任意の実施例によって提供される障害物静止状態の決定方法を参照することができる。
【0089】
実施例5
図5は、本発明の実施例5によって提供されるコンピュータ機器の構成模式図である。
図5は、本発明の実施形態の実現に適当なコンピュータ機器512のブロック図を示した。
図5に示されるコンピュータ機器512は一例に過ぎず、本発明の実施例の機能および使用範囲に対していかなる限制をもたらしてはいけない。
【0090】
図5に示されるように、コンピュータ機器512は、汎用計算装置の形で具体化されている。コンピュータ機器512は、構成要素として、少なくとも一つのプロセッサまたは処理ユニット516、メモリ528、システム構成要素(メモリ528と処理ユニット516とを含む)を接続するバス518を備えるが、これらに限定されない。
【0091】
バス518は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート、プロセッサ、又は多様なバス構造のいずれかのバス構造を使用するローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のうちの少なくとも一つを表す。例えば、これらのアーキテクチャは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(Industry Standard Architecture、以下ISAと略する)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture、以下MCAと略する)バス、拡張ISAバス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(Video Electronics Standards Association、以下VESAと略する)ローカルバス、及びペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnection、以下PCIと略する)バスを含むが、これらに限定されない。
【0092】
コンピュータ機器512は、通常、複数種類のコンピュータシステム読み取り可能な媒体を含む。これらの媒体は、揮発性媒体及び不揮発性媒体、リムーバブル媒体及びノンリムーバブル媒体を含む、コンピュータ機器512によってアクセスして取得された任意の使用可能な媒体であってもよい。
【0093】
メモリ528は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、以下RAMと略する)530及び/又はキャッシュメモリ532のような揮発性メモリの形態のコンピュータシステム読み取り可能な媒体を含んでいてもよい。コンピュータ機器512は、他のリムーバブル/ノンリムーバブル、揮発性/不揮発性コンピュータシステム記憶媒体をさらに含んでもよい。例だけとするが、ストレージシステム534は、ノンリムーバブル、不揮発性磁気媒体(
図5に図示せず、通常「ハードディスクドライブ」と称される)に対して読み出し及び書き込みをするために用いることができる。
図5に示されていないが、リムーバブル不揮発性磁気ディスク(例えば、「フロッピーディスク」)に対して読み出し及び書き込みをするための磁気ディスクドライブ、及びリムーバブル不揮発性光学ディスク(例えば、シーディーロム(Compact Disc Read Only Memory、以下CD-ROMと略する)、ディーブイディーロム(Digital Video Disc Read Only Memory、以下DVD-ROMと略する)又は他の光学媒体)に対して読み出し及び書き込みをするための光ディスクドライブを提供することができる。これらの場合、各ドライブは、少なくとも一つのデータメディアインターフェイスを介してバス518に接続することができる。メモリ528は、本発明の各実施例に記載の機能を実行するように構成される1セットの(例えば、少なくとも1つ)プログラムモジュールを有する少なくとも1つのプログラム製品を含んでもよい。
【0094】
1セットの(少なくとも一つ)プログラムモジュール526を有するプログラム/ユーティリティ536は、例えば、メモリ528に記憶されてもよく、このようなプログラムモジュール526は、オペレーティングシステム、少なくとも一つのアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含むが、これらに限定されない。これらの例のそれぞれ又はある組み合わせには、ネットワーキング環境の実装が含まれる可能性がある。プログラムモジュール526は、通常、本発明に記載の実施例における機能及び/又は方法を実行する。
【0095】
コンピュータ機器512は、少なくとも一つの外部デバイス514(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ524など)と通信することができ、また、ユーザが当該コンピュータ機器512とインタラクションすることを可能にする少なくとも一つのデバイスと通信することができ、及び/又は、当該コンピュータ機器512が少なくとも一つの他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイス(例えば、ネットワークカード、モデムなど)と通信することもできる。そのような通信は、入力/出力(I/O)インターフェース522を介して行うことができる。また、コンピュータ機器512は、ネットワークアダプタ520を介して、少なくとも一つのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、以下LANと略する)、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network、以下WANと略する)、及び/又はパブリックネットワーク、例えば、インターネット)と通信することができる。図に示すように、ネットワークアダプタ520は、バス518を介してコンピュータ機器512の他のモジュールと通信する。なお、図示されていないが、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長化処理ユニット、外部ディスクドライブアレイ、RAIDシステム、テープドライバ、及びデータバックアップストレージシステムなどを含むが、これらに限定されない他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールをコンピュータ機器512と組み合わせて使用することができる。
【0096】
処理ユニット516は、メモリ528に記憶されているプログラムを実行することにより、多様な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、前述した実施例に係る方法を実現する。
【0097】
すなわち、処理ユニットがプログラムを実行する際に、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するステップと、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップと、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得するステップと、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断するステップとが実現される。
【0098】
コンピュータ機器によると、取得した少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算する。その後、D-S証拠組合せ技術を使用して各信頼度関数の割当て値を融合して、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得する。最後に、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて障害物の静止状態を判断することによって、複数のセンサにより取得した障害物速度に基づいて障害物の静止状態を決定することを実現する。そして、従来の無人車両システムで障害物の静止状態を判断する際に存在する、判断結果が非安定かつ非信頼であり、また誤判断が起こし易い問題を解決して、無人車両システムで障害物静止状態を判断するためのアルゴリズムモジュールの独立性、および整個統合システムの機能的完全性を保証し、無人車両システムの障害物静止状態に対する判断の安定性、信頼性、および精度を向上させることができる。
【0099】
実施例6
本発明の実施例6は、コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムがコンピュータプロセッサによって実行されると、本発明の上述した任意の実施例に記載の障害物静止状態の決定方法を実行する。障害物静止状態の決定方法は、少なくとも二つのセンサによって同一の障害物を検出して取得されたリアルタイムな障害物速度を取得するステップと、センサに対応するリアルタイムな障害物速度に基づいて、各センサの少なくとも二つの状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値をそれぞれ計算するステップと、D-S証拠組合せ技術を使用して、各センサの各状態パラメータにおける信頼度関数の割当て値を融合し、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値を取得するステップと、各状態パラメータにそれぞれ対応する融合された信頼度関数の割当て値に基づいて、障害物の静止状態を判断するステップとを含む。
【0100】
本実施例のコンピュータ記憶媒体は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能な媒体の任意の組み合わせを使用してもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、または、半導体のシステム、装置またはデバイス、または、任意の以上の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な一例(非網羅的リスト)は、少なくとも一つのワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯用コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または、上記の任意の適切な組み合わせを含む。本明細書では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムを含むかまたは記憶されている任意の有形の媒体であってもよい。プログラムは、命令実行システム、装置、または、デバイスによって使用されるか、または、これらと結合して使用されてもよい。
【0101】
コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを搬送する、ベースバンドで伝播されるかまたは搬送波の一部として伝播されるデータ信号を含んでいてもよい。このような伝播されるデータ信号は、電磁信号、光信号、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されず、さまざまな形態を使用してもよい。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、また、命令実行システム、装置またはデバイスによって使用されるまたはそれらと結合して使用するためのプログラムを送信、伝播、または、移送することができる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよい。
【0102】
コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれたプログラムコードは、無線、ワイヤ、光ファイバケーブル、無線周波(RF:Radio Frequency)など、またはこれらの任意の適切な組合せを含むがこれらに限定されず、任意の適切な媒体によって送信することができる。
【0103】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、少なくとも一つのプログラミング言語、またはそれらの組み合わせで書くことができ、プログラミング言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語を含み、さらに、「C」言語または類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語も含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ、部分的にユーザのコンピュータ、単独のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ、部分的にリモートコンピュータで、または全体的にリモートコンピュータまたはサーバで実行されることができる。リモートコンピュータの場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または、外部コンピュータに接続することができる(例えばインターネットサービスプロバイダを使用してインターネットに接続する)。
【0104】
実施例7
上述した各実施例を基礎として、本発明の実施例は、車体を備える車両を提供する。車両は、本発明の任意の実施例に記載のコンピュータ機器と、車体に設けられた少なくとも二つのセンサとをさらに備え、少なくとも二つのセンサは、周囲環境内の障害物のリアルタイムな障害物速度を検出する。
【0105】
本実施例の変形例として、センサは、ミリ波レーダ、およびレーザレーダを含んでいてもよい。
【0106】
上記は、本発明のより好ましい実施例および運用された技術原理のみであることに気づかなければならない。当業者であれば、本発明はここに記載の特定の実施例に限定されず、当業者にとっては本発明の保護範囲を離脱しない範囲において、いろんな明らかな変化、再度の調整および切り替えを行うことができることが理解できる。したがって、上記の実施例を通じて本発明をより詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の思想を離脱しない前提下で、もっと多い他の等価の実施例を含むことができるが、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。