(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20220927BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220927BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20220927BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220927BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220927BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
G09G3/20 624B
G09G3/20 641P
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H01L29/78 618B
H01L29/78 612Z
H01L27/088 E
H01L27/088 H
(21)【出願番号】P 2019540722
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(86)【国際出願番号】 IB2018056411
(87)【国際公開番号】W WO2019048966
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2017170206
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018029361
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(72)【発明者】
【氏名】楠 紘慈
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】豊高 耕平
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-309422(JP,A)
【文献】特開2013-152338(JP,A)
【文献】特開平09-319339(JP,A)
【文献】特開2015-049385(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1043673(KR,B1)
【文献】特開2008-046157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
G02F 1/133
G09F 9/30
H01L 29/786
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/32
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理部、表示部及び記憶部を有し、
前記記憶部は、補正データを有し、
前記処理部には、第1の画像信号及び前記補正データが供給され、
前記処理部は、前記第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有し、
前記処理部は、前記第1の画像信号及び前記補正データを用いて、補正信号を生成する機能を有し、
前記表示部は、画素を有し、
前記画素は、表示素子及び記憶回路を有し、
前記画素には、前記第2の画像信号及び前記補正信号が供給され、
前記記憶回路は、前記補正信号を保持する機能を有する、表示システム。
【請求項2】
処理部及び表示部を有し、
前記表示部は、第1の回路及び画素を有し、
前記第1の回路は、前記画素が有するトランジスタの電気特性に基づいた第1の信号を生成する機能を有し、
前記処理部には、第1の画像信号及び前記第1の信号が供給され、
前記処理部は、前記第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有し、
前記処理部は、前記第1の信号を用いて、補正信号を生成する機能を有し、
前記画素は、表示素子及び記憶回路を有し、
前記画素には、前記第2の画像信号及び前記補正信号が供給され、
前記記憶回路は、前記補正信号を保持する機能を有し、
前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の他方の電極は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記表示素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記第2の画像信号が供給され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記補正信号が供給される、
表示システム。
【請求項3】
請求項2において、
さらに、記憶部を有し、
前記記憶部は、補正データを有し、
前記処理部には、前記補正データが供給され、
前記処理部は、前記第1の信号及び前記補正データを用いて、前記補正信号を生成する機能を有する、表示システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一において、
前記処理部は、ニューラルネットワーク回路を有する、表示システム。
【請求項5】
請求項
1において、
前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の他方の電極は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記表示素子の一方の電極と電気的に接続されている、表示システム。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記第2の画像信号が供給され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記補正信号が供給される、表示システム。
【請求項7】
請求項
1において、
前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の一方の電極は、前記表示素子と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続されている表示システム。
【請求項8】
請求項
1において、
前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の一方の電極は、前記表示素子と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、
前記第1の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記表示素子と電気的に接続され、
前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続されている表示システム。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続されている、表示システム。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一において、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記第2の画像信号が供給され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記補正信号が供給される、表示システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一において、
前記記憶回路は、前記補正信号を前記第2の画像信号に付加することで第3の画像信号を生成する機能を有し、
前記表示素子は、前記第3の画像信号に基づいて表示する機能を有する、表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示システムに関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置(例えば、タッチセンサなど)、入出力装置(例えば、タッチパネルなど)、それらの駆動方法、またはそれらの製造方法を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。表示装置(液晶表示装置、発光表示装置など)、投影装置、照明装置、電気光学装置、蓄電装置、記憶装置、半導体回路、撮像装置、及び電子機器などは、半導体装置といえる場合がある。もしくは、これらは半導体装置を有するといえる場合がある。
【背景技術】
【0004】
近年、解像度の高い表示装置が求められている。例えば、フルハイビジョン(画素数1920×1080)、4K(画素数3840×2160もしくは4096×2160等)、さらには8K(画素数7680×4320もしくは8192×4320等)といった画素数の多い表示装置が盛んに開発されている。
【0005】
また、表示装置の大型化が求められている。例えば、家庭用のテレビジョン装置では、画面サイズが対角50インチを超えるものが主流となっている。画面のサイズが大きいほど、一度に表示可能な情報量を多くできるため、デジタルサイネージ等では更なる大画面化が求められている。
【0006】
表示装置としては、液晶表示装置や発光表示装置に代表されるフラットパネルディスプレイが広く用いられている。これらの表示装置を構成するトランジスタの半導体材料には主にシリコンが用いられているが、近年、金属酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素に用いる技術も開発されている。
【0007】
特許文献1には、トランジスタの半導体材料に非晶質シリコンを用いる技術が開示されている。特許文献2及び特許文献3には、トランジスタの半導体材料に金属酸化物を用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2001-53283号公報
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
8Kなど高解像度の映像はデータ量が多いため、放送局から受信機へデータの送信を行う際の通信負荷が大きい。また、高解像度の映像を一般に普及させるためには、撮像装置、記憶装置、通信装置などの周辺技術を整える必要もある。そのため、放送局が低解像度の映像を放送し、当該放送を受信した受信機側で解像度を高める技術が必要とされている。
【0010】
例えば、アップコンバートを行うことで、低解像度の映像を疑似的に高解像度の映像に変換することができる。しかし、アップコンバートを行う際に、膨大な量の画像データを解析して新たな画像データを生成するため、回路規模や消費電力が大きくなる問題がある。また、リアルタイムでの処理が追いつかず、表示の遅延が生じることもある。
【0011】
また、表示装置の画素数が多いほど、表示装置が有するトランジスタ及び表示素子の数が増えるため、トランジスタの特性のばらつき及び表示素子の特性のばらつきに起因する表示ムラが顕著になってしまう。
【0012】
本発明の一態様は、解像度の高い表示システムを提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、表示品位の高い表示システムを提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、消費電力が低い表示システムを提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、表示ムラが低減された表示システムを提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、大型の表示領域を有する表示システムを提供することを課題の一つとする。本発明の一態様は、高いフレーム周波数で動作可能な表示システムを提供することを課題の一つとする。
【0013】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様は、処理部及び表示部を有する表示システムである。処理部には、第1の画像信号が供給される。処理部は、第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有する。処理部は、補正信号を生成する機能を有する。表示部は、画素を有する。画素は、表示素子及び記憶回路を有する。画素には、第2の画像信号及び補正信号が供給される。記憶回路は、補正信号を保持する機能を有する。
【0015】
本発明の一態様は、処理部、表示部、及び記憶部を有する表示システムである。記憶部は、補正データを有する。処理部には、第1の画像信号及び補正データが供給される。処理部は、第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有する。処理部は、補正データに基づいた補正信号を生成する機能を有する。表示部は、画素を有する。画素は、表示素子及び記憶回路を有する。画素には、第2の画像信号及び補正信号が供給される。記憶回路は、補正信号を保持する機能を有する。
【0016】
本発明の一態様は、処理部及び表示部を有する表示システムである。処理部には、第1の画像信号が供給される。処理部は、第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有する。処理部は、第1の画像信号を用いて、補正信号を生成する機能を有する。表示部は、画素を有する。画素は、表示素子及び記憶回路を有する。画素には、第2の画像信号及び補正信号が供給される。記憶回路は、補正信号を保持する機能を有する。表示システムは、さらに、記憶部を有していてもよい。記憶部は、補正データを有する。処理部には、補正データが供給される。処理部は、第1の画像信号及び補正データを用いて、補正信号を生成する機能を有する。
【0017】
本発明の一態様は、処理部及び表示部を有する表示システムである。表示部は、第1の回路及び画素を有する。第1の回路は、第1の信号を生成する機能を有する。処理部には、第1の画像信号及び第1の信号が供給される。処理部は、第1の画像信号を用いて、第2の画像信号を生成する機能を有する。処理部は、第1の信号を用いて、補正信号を生成する機能を有する。画素は、表示素子及び記憶回路を有する。画素には、第2の画像信号及び補正信号が供給される。記憶回路は、補正信号を保持する機能を有する。表示システムは、さらに、記憶部を有していてもよい。記憶部は、補正データを有する。処理部には、補正データが供給される。処理部は、第1の信号及び補正データを用いて、補正信号を生成する機能を有する。
【0018】
処理部は、ニューラルネットワークを用いて、第2の画像信号及び補正信号のうち一方または双方を生成してもよい。
【0019】
処理部は、ニューラルネットワーク回路を有していてもよい。
【0020】
画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有していてもよい。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続される。第1の容量素子の他方の電極は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3のトランジスタのゲートと電気的に接続される。第3のトランジスタのゲートは、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続される。第2の容量素子の他方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、表示素子の一方の電極と電気的に接続される。第2のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。金属酸化物は、Inと、Znと、M(Mはアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、スズ(Sn)、ネオジム(Nd)、またはハフニウム(Hf))と、を有することが好ましい。第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の画像信号が供給される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、補正信号が供給される。
【0021】
画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、を有していてもよい。第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続される。第1の容量素子の一方の電極は、表示素子と電気的に接続される。第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続される。第1の容量素子の他方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第3のトランジスタのゲートは、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続される。第4のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、La、Ce、Sn、Nd、またはHf)と、を有することが好ましい。第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続される。第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続される。画素は、さらに、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、を有していてもよい。第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、表示素子と電気的に接続される。第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続される。第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の画像信号が供給される。第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、補正信号が供給される。
【0022】
本発明の一態様の表示システムにおいて、記憶回路は、補正信号を第2の画像信号に付加することで第3の画像信号を生成する機能を有する。本発明の一態様の表示システムにおいて、表示素子は、第3の画像信号に基づいて表示する機能を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様により、解像度の高い表示システムを提供できる。本発明の一態様により、表示品位の高い表示システムを提供できる。本発明の一態様により、消費電力が低い表示システムを提供できる。本発明の一態様により、表示ムラが低減された表示システムを提供できる。本発明の一態様により、大型の表示領域を有する表示システムを提供できる。本発明の一態様により、高いフレーム周波数で動作可能な表示システムを提供できる。
【0024】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。明細書、図面、請求項の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図18】ニューラルネットワークの構成例を説明する図。
【
図22】半導体装置の動作例を説明するタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0027】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0028】
また、図面において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0029】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能である。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能である。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示システムについて
図1~
図17を用いて説明する。
【0031】
本実施の形態の表示システムは、補正信号を生成する機能と、外部から受信したデータを用いて画像信号を生成する機能と、当該補正信号及び当該画像信号を用いて、映像を表示する機能と、を有する。
【0032】
本実施の形態の表示システムは、処理部及び表示部を有する。処理部は、補正信号を生成する機能と、外部から受信したデータを用いて画像信号を生成する機能と、を有する。表示部は、表示素子及び記憶回路を有する。記憶回路は、補正信号を保持する機能を有する。記憶回路は、画像信号に補正信号を付加する機能を有する。補正信号は容量結合によって画像信号に付加され、表示素子に供給される。したがって、表示部では、補正信号及び画像信号を用いて、映像を表示することができる。
【0033】
表示システムでは、外部から受信したデータに対して様々な画像処理を行う。加えて、解像度のアップコンバートを行う場合、処理部で行う演算量は膨大となる。そこで、本発明の一態様の表示システムは、処理部において、補正信号と、画像信号と、を生成する。外部から受信したデータに画像処理を施して生成する画像信号は、外部から受信したデータと同等の解像度のデータを含む信号とする。そして、別途生成した補正信号を、当該画像信号に付加することで、画像のアップコンバートを行う。これにより、処理部における演算量の低減、消費電力の低減、回路規模の縮小、または表示の遅延の抑制などを実現することができる。
【0034】
処理部は、外部から受信したデータなどを用いて、リアルタイムで補正信号を生成してもよく、記録媒体に保存されている補正データを読み出し、当該補正データに基づいた補正信号を生成してもよい。外部から受信したデータによらず、補正データに基づいた補正信号を表示部に供給することで、処理部における演算量の低減を図ることができる。
【0035】
なお、補正信号は、アップコンバート以外の目的でも使用することができる。例えば、補正信号を用いて、画素が有するトランジスタの特性のばらつきに起因する表示ムラを補正することができる。このように、補正信号を用いることで、画像信号の生成に係る処理部の負荷を低減することができる。
【0036】
<表示システムの構成例1>
図1(A)に、表示システム100Aのブロック図を示す。
【0037】
表示システム100Aは、制御部151、記憶部152、処理部153、入出力部154、通信部155、及び表示部156を有する。他に、タッチセンサ、タッチセンサ制御部、バッテリ、バッテリコントローラ、受電部、アンテナ、撮像部、振動部などを有してもよい。制御部151、記憶部152、処理部153、入出力部154、通信部155、及び表示部156は、バスライン157を介して互いに電気的に接続される。
【0038】
図1(B)を用いて、表示システム100Aにおける画像信号S2と補正信号W2の生成について説明する。
【0039】
通信部155は、外部から受信したデータに基づいた画像信号S1を処理部153に供給する。処理部153は、画像信号S1に含まれるデータに対して画像処理を行い、画像信号S2を生成する。画像信号S2は、処理部153から表示部156に供給される。
【0040】
処理部153は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して画像信号S2を生成する機能を有することが好ましい。これにより、表示部156における表示品位を高めることができる。
【0041】
なお、人工知能とは、人間の知能を模した計算機である。処理部153には、例えば、人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)を用いることができる。人工ニューラルネットワークとは、ニューロンとシナプスで構成される神経網を模した回路であり、人工ニューラルネットワークは人工知能の一種である。本明細書等において「ニューラルネットワーク」と記載する場合、特に人工ニューラルネットワークを指す。
【0042】
図1(A)、
図1(B)では、処理部153は、ニューラルネットワーク159を有する例を示す。
【0043】
画像信号S1に含まれるデータに対して行う画像処理の例としては、ノイズ除去処理、階調変換処理、色調補正処理、輝度補正処理などが挙げられる。色調補正処理や輝度補正処理は、ガンマ補正などを用いて行うことができる。また、処理部153は、フレーム周波数のアップコンバートに伴うフレーム間補間処理などを実行する機能を有していてもよい。
【0044】
ノイズ除去処理としては、文字などの輪郭の周辺に生じるモスキートノイズ、高速の動画で生じるブロックノイズ、ちらつきを生じさせるランダムノイズ、解像度のアップコンバートにより生じるドットノイズなどのさまざまなノイズの除去が挙げられる。
【0045】
階調変換処理は、画像信号S1が有する画像データが示す階調を表示部156の出力特性に対応した階調へ変換する処理である。例えば階調数を大きくする場合、小さい階調数で入力された画像に対して、各画素に対応する階調値を補間して割り当てることで、ヒストグラムを平滑化する処理を行うことができる。また、ダイナミックレンジを広げる、ハイダイナミックレンジ(HDR)処理も、階調変換処理に含まれる。
【0046】
色調補正処理は、映像の色調を補正する処理である。また輝度補正処理は、映像の明るさ(輝度コントラスト)を補正する処理である。例えば、表示部156が設けられる空間の照明の種類や輝度、または色純度などに応じて、表示部156に表示される映像の輝度や色調が最適となるように補正される。
【0047】
フレーム間補間処理は、表示する映像のフレーム周波数を増大させる場合に、本来存在しないフレーム(補間フレーム)の画像を生成する処理である。例えば、ある2枚の画像の差分から2枚の画像の間に挿入する補間フレームの画像を生成する。または2枚の画像の間に複数枚の補間フレームの画像を生成することもできる。例えば画像データのフレーム周波数が60Hzであったとき、複数枚の補間フレームを生成することで、表示部156に出力される画像信号のフレーム周波数を、2倍の120Hz、4倍の240Hz、または8倍の480Hzなどに増大させることができる。
【0048】
また、処理部153には、記憶部152から補正データW1が供給される。処理部153は、補正データW1に基づいた補正信号W2を生成する。補正信号W2は、処理部153から表示部156に供給される。
【0049】
補正データW1は、事前に、人工知能を利用して生成されたデータであることが好ましい。
【0050】
当該補正データW1を用いて生成した補正信号W2を、画像信号S2に付加することで、例えば、画像のアップコンバートを行うことができる。または、画素が有するトランジスタの特性のばらつきに起因する表示ムラを補正することができる。
【0051】
図2及び
図3を用いて、本発明の一態様の表示システムにおけるアップコンバートと、比較例のアップコンバートと、について説明する。
【0052】
画像信号S1をアップコンバートせずに画像信号S2を生成し、かつ、補正信号W2も用いない場合、低解像度の画像データを高解像度の表示部156で表示しようとすると、複数の画素に同じ画像信号が供給されることになる。例えば、8K4Kの表示装置の画素数は、4K2Kの表示装置の画素数(3840×2160)の4倍である。つまり、4K2Kの表示装置の画像データを単純に8K4Kの表示装置で表示しようとすると、4K2Kの表示装置の1画素に供給される画像信号が、8K4Kの表示装置の4画素に供給されることになる。
【0053】
図3は、比較例における、上記を想定した水平垂直方向の4画素に表示される画像を説明する図である。
図3に示すように、アップコンバート前では4画素全てが画像信号S1を用いて画像を表示することになるが、アップコンバート後ではそれぞれの画素に画像信号S1a乃至S1cが供給され、解像度を向上することができる。さらに、アップコンバート後に画像処理を行うことで、より高品質な画像を表示することができる。画像処理後ではそれぞれの画素に画像信号S2a乃至S2cが供給される。
【0054】
しかし、アップコンバート後に画像処理を行うことで、演算量が増加し、処理部の消費電力の増加や、表示の遅延が発生してしまう。
【0055】
一方、本発明の一態様の表示システムでは、画像信号に、補正信号を付加することができる。そのため、
図2(A)に示すように、画像信号S1をアップコンバートせずに、画像信号S1に画像処理を行い、画像信号S2を生成する。これにより、画像処理の演算量を低減し、消費電力を低減させることができる。そして、4画素に同じ画像信号S2を供給する。
【0056】
また、各画素には、補正信号W2a乃至W2cを供給する。ここで、補正信号W2a乃至W2cを生成する方法は限定されない。
図1(B)に示すように、記憶部152に保存されている補正データW1を読み出して、当該補正データW1に基づいた補正信号W2を生成してもよい。補正信号W2の生成をリアルタイムで行わない場合、演算量の低減に伴い、消費電力が低減され、また表示の遅延を抑制でき、好ましい。または、後述するように、画像信号S1を用いてリアルタイムで補正信号W2を生成してもよい(
図4(B)などを参照)。補正信号W2の生成をリアルタイムで行う場合、アップコンバートの質を高めることができ、好ましい。この場合においても、画像信号S2の生成における演算量を低減できる。特に、画像信号S2の生成と、補正信号W2の生成と、を同時に行うことで、表示の遅延を抑制でき、好ましい。
【0057】
そして、
図2(B)に示すように、画像信号S2に各補正信号が付加され、新しい画像信号S2a乃至S2cが生成される。画像処理により生成された画像信号S2に、各補正信号が付加されることで、画素では、元の画像信号S1をアップコンバートした表示を行うことができる。
【0058】
図4(A)に、表示システム100Bのブロック図を示す。
【0059】
処理部153は、複数のニューラルネットワークを有していてもよい。表示システム100Bでは、処理部153が、ニューラルネットワーク159a及びニューラルネットワーク159bを有する。
【0060】
図4(B)、
図4(C)を用いて、表示システム100Bにおける画像信号S2と補正信号W2の生成について説明する。
【0061】
通信部155は、外部から受信したデータに基づいた画像信号S1を処理部153に供給する。処理部153は、ニューラルネットワーク159aを用いて、画像信号S1に含まれるデータに対して画像処理を行い、画像信号S2を生成する。また、処理部153は、ニューラルネットワーク159b及び画像信号S1に含まれるデータを用いて、補正信号W2を生成する。画像信号S2及び補正信号W2は、処理部153から表示部156に供給される。
【0062】
表示システム100Bでは、画像信号S1を用いて補正信号W2を生成するため、表示システム100Aに比べて、高品質なアップコンバートを実現できる。例えば、膨大な数の画像を教師データとして学習したディープニューラルネットワークを用いることで、精度の高い補正信号W2を生成することができる。
【0063】
補正信号W2により、解像度のアップコンバートに伴う画素間補間処理を行うことができる。画素間補間処理は、解像度をアップコンバートした際に、本来存在しないデータを補間する処理である。例えば、目的の画素の周囲の画素を参照し、それらの中間色を表示するようにデータを補間する。
【0064】
処理部153は、画像信号S1をアップコンバートせずに、画像信号S1に画像処理を行い、画像信号S2を生成する。これにより、リアルタイムで補正信号W2を生成する場合においても、画像処理の演算量を低減することができる。また、画像信号S2の生成と補正信号W2の生成を並行して行うことで、表示の遅延を抑制することができる。
【0065】
図4(B)には、ニューラルネットワーク159bに、画像信号S1のみが供給される例を示す。
図4(C)には、ニューラルネットワーク159bに、画像信号S1に加えて、補正データW1が供給される例を示す。画像信号S1及び補正データW1を用いて生成された補正信号W2を、画像信号S2に付加することで、例えば、画像のアップコンバートに加えて、画素が有するトランジスタの特性のばらつきに起因する表示ムラを補正することができる。
【0066】
図5(A)~
図5(F)を用いて、本実施の形態の表示システムにおける画像信号S2と補正信号W2の生成の変形例について説明する。
【0067】
画像信号S1を用いて、画像信号S2及び補正信号W2を生成する場合、
図5(A)に示すように、画像信号S2の生成にのみ、ニューラルネットワーク159を用いてもよいし、
図5(B)に示すように、補正信号W2の生成にのみ、ニューラルネットワーク159を用いてもよい。ニューラルネットワーク159を用いない信号の生成は、人工知能を利用した他の方法で行ってもよいし、人工知能を利用しない方法で行ってもよい。
図5(C)、
図5(D)に示すように、補正信号W2を、画像信号S1及び補正データW1を用いて生成する場合においても同様である。
【0068】
図5(E)、
図5(F)に示すように、1つのニューラルネットワーク159を用いて、同時に画像信号S2及び補正信号W2を生成してもよい。このとき、ニューラルネットワークの出力層からは、画像信号S2のデータと補正信号W2のデータの双方が出力される。
図5(E)におけるニューラルネットワークの入力層には、画像信号S1のデータが入力される。
図5(F)におけるニューラルネットワークの入力層には、画像信号S1のデータと補正データW1の双方が入力される。
【0069】
本発明の一態様では、画像処理によって画像信号が有するデータの解像度は変化させず、画像信号に加えて補正信号を供給した画素で新たな画像信号を生成することで、映像の解像度を高めるため、演算量の低減、消費電力の低減、回路規模の縮小、または表示の遅延の抑制などを実現することができる。そのため、高解像度または表示品位の高い表示システムを実現することができる。また、表示システムの大型化、低消費電力化を実現することができる。また、後述するように、新たな画像信号を画素で生成するための動作は少ないステップで行うことができ、画素数が多く水平期間の短い表示装置でも実現することができる。そのため、高いフレーム周波数で動作可能な表示システムを実現できる。
【0070】
次に、表示システムの構成要素について説明する。なお、以下では、表示システム100Aを例に挙げて説明するが、表示システム100Bにも同様の構成を適用できる。
【0071】
[制御部151]
制御部151(Controller)は、表示システム100A全体の動作を制御する機能を有する。制御部151は、記憶部152、処理部153、入出力部154、通信部155、及び表示部156などの動作を制御する。
【0072】
[記憶部152]
記憶部152としては、例えば、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)などの不揮発性の記憶素子が適用された記憶装置、またはDRAM(Dynamic RAM)やSRAM(Static RAM)などの揮発性の記憶素子が適用された記憶装置等を用いてもよい。また例えばハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)やソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などの記録メディアドライブを用いてもよい。
【0073】
入出力部154を介してコネクタにより脱着可能なHDDまたはSSDなどの記憶装置や、フラッシュメモリ、ブルーレイディスク、DVDなどの記録媒体のメディアドライブを記憶部152として用いることもできる。なお、記憶部152を表示システム100Aに内蔵せず、表示システム100Aの外部に置かれる記憶装置を記憶部152として用いてもよい。その場合、記憶部152は、入出力部154を介して表示システム100Aと接続される。または通信部155を介して、無線通信でデータのやりとりをする構成であってもよい。
【0074】
記憶部152には、処理部153で用いるプログラム、アルゴリズム、重み係数などが記憶されている。また、記憶部152には、表示部156に表示する映像情報などが記憶されている。また、記憶部152には、補正データW1が記憶されていてもよい。
【0075】
[処理部153]
処理部153は、表示システム100A全体の動作に関わる演算を行う機能を有し、例えば中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)などを用いることができる。
【0076】
処理部153としては、CPUのほか、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などの他のマイクロプロセッサを単独で、または組み合わせて用いることができる。またこれらマイクロプロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現してもよい。
【0077】
処理部153は、ニューラルネットワーク159(図中ではNN159とも記す)を有する。ニューラルネットワーク159はソフトウェアで構成してもよい。
【0078】
処理部153は、プロセッサにより種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、記憶部152に格納されていてもよい。
【0079】
処理部153はメインメモリを有していてもよい。メインメモリは、RAM(Random Access Memory)、などの揮発性メモリや、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリを備える構成とすることができる。
【0080】
メインメモリに設けられるRAMとしては、例えばDRAMが用いられ、処理部153の作業空間として仮想的にメモリ空間が割り当てられ利用される。記憶部152に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ等は、実行のためにRAMにロードされる。RAMにロードされたこれらのデータやプログラム、プログラムモジュールは、処理部153に直接アクセスされ、操作される。
【0081】
一方、ROMには書き換えを必要としないBIOS(Basic Input/Output System)やファームウェア等を格納することができる。ROMとしては、マスクROMや、OTPROM(One Time Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等を用いることができる。EPROMとしては、紫外線照射により記憶データの消去を可能とするUV-EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
【0082】
処理部153の演算をハードウェアによって行う場合、チャネル形成領域にシリコンまたは酸化物半導体を含むトランジスタによって構成された演算回路が好適である。例えば、チャネル形成領域にシリコン(アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、または単結晶シリコン)または酸化物半導体を含むトランジスタによって構成された演算回路が好適である。また、実施の形態2で詳述するが、処理部153で積和演算を行う場合、積和演算回路を構成するトランジスタとして、酸化物半導体を含むトランジスタが好適である。
【0083】
[入出力部154]
入出力部154としては、例えば、入力コンポーネントが接続可能な外部ポートなどが挙げられる。入出力部154は、バスライン157を介して処理部153と電気的に接続される。
【0084】
外部ポートとしては、例えば、コンピュータやプリンタなどの外部装置にケーブルを介して接続できる構成とすることができる。代表的には、USB端子などがある。また、外部ポートとして、LAN(Local Area Network)接続用端子、デジタル放送の受信用端子、ACアダプタを接続する端子等を有していてもよい。また、有線だけでなく、赤外線、可視光、紫外線などを用いた光通信用の送受信機を設けてもよい。
【0085】
[通信部155]
通信部155は、例えば制御部151からの命令に応じて表示システム100Aをコンピュータネットワークに接続するための制御信号を制御し、当該信号をコンピュータネットワークに発信する。表示システム100Aにアンテナを設けて、当該アンテナを介して通信を行ってもよい。
【0086】
通信部155によって、World Wide Web(WWW)の基盤であるインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN(Personal Area Network)、LAN、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等のコンピュータネットワークに表示システム100Aを接続させ、通信を行うことができる。また複数の異なる通信方法を用いる場合には、通信方法に応じて複数のアンテナを設けてもよい。
【0087】
通信部155には、例えば高周波回路(RF回路)を設け、RF信号の送受信を行えばよい。高周波回路は、各国法制により定められた周波数帯域の電磁信号と電気信号とを相互に変換し、当該電磁信号を用いて無線で他の通信機器との間で通信を行うための回路である。実用的な周波数帯域として数10kHz~数10GHzが一般に用いられている。高周波回路は、複数の周波数帯域に対応した回路部を有し、当該回路部は、増幅器(アンプ)、ミキサ、フィルタ、DSP、RFトランシーバ等を有する構成とすることができる。無線通信を行う場合、通信プロトコルまたは通信技術として、LTE(Long Term Evolution)、GSM(Global System for Mobile Communication:登録商標)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access:登録商標)などの通信規格、またはWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等のIEEEにより通信規格化された仕様を用いることができる。また、国際電気通信連合(ITU)が定める第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、または第5世代移動通信システム(5G)などを用いることもできる。
【0088】
また、通信部155は、表示システム100Aを電話回線と接続する機能を有していてもよい。電話回線を通じた通話を行う場合には、通信部155は、制御部151からの命令に応じて、表示システム100Aを電話回線に接続するための接続信号を制御し、当該信号を電話回線に発信する。
【0089】
通信部155は、受信した放送電波から、表示部156に出力する画像信号を生成するチューナーを有していてもよい。例えばチューナーは、復調回路と、A-D変換回路(アナログ-デジタル変換回路)と、デコーダ回路等を有する構成とすることができる。復調回路は入力された信号を復調する機能を有する。A-D変換回路は、復調されたアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有する。デコーダ回路は、デジタル信号に含まれる映像データをデコードし、画像信号を生成する機能を有する。
【0090】
また、デコーダが分割回路と、複数のプロセッサを有する構成としてもよい。分割回路は、入力された映像のデータを空間的、時間的に分割し、各プロセッサに出力する機能を有する。複数のプロセッサは、入力された映像データをデコードし、画像信号を生成する。このように、デコーダとして、複数のプロセッサによりデータを並列処理する構成を適用することで、極めて情報量の多い映像データをデコードすることができる。特にフルハイビジョンを超える解像度を有する映像を表示する場合には、圧縮されたデータをデコードするデコーダ回路が極めて高速な処理能力を有するプロセッサを有していることが好ましい。また、例えばデコーダ回路は、4以上、好ましくは8以上、より好ましくは16以上の並列処理が可能な複数のプロセッサを含む構成とすることが好ましい。またデコーダは、入力された信号に含まれる映像用の信号と、それ以外の信号(文字情報、番組情報、認証情報等)を分離する回路を有していてもよい。
【0091】
通信部155により受信できる放送電波としては、地上波、または衛星から送信される電波などが挙げられる。また通信部155により受信できる放送電波として、アナログ放送、デジタル放送などがあり、また映像及び音声、または音声のみの放送などがある。例えばUHF帯(約300MHz~3GHz)またはVHF帯(30MHz~300MHz)のうちの特定の周波数帯域で送信される放送電波を受信することができる。また例えば、複数の周波数帯域で受信した複数のデータを用いることで、転送レートを高くすることができ、より多くの情報を得ることができる。これによりフルハイビジョンを超える解像度を有する映像を、表示部156に表示させることができる。例えば、4K、8K、16K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。
【0092】
また、チューナーはコンピュータネットワークを介したデータ伝送技術により送信された放送のデータを用いて、画像信号を生成する構成としてもよい。このとき、受信する信号がデジタル信号の場合には、チューナーは復調回路及びA-D変換回路を有していなくてもよい。
【0093】
通信部155で取得した画像信号は、記憶部152に記憶することができる。
【0094】
また、入出力部154または通信部155は、補正データを取得する機能を有していてもよい。外部機器によって生成された補正データを取得し、記憶部152に記憶することができる。これにより、表示システムが有する補正データを随時更新し、表示品位を向上させることができる。
【0095】
[表示部156]
表示部156には、様々な表示装置及び表示素子を適用することができる。例えば、発光表示装置、液晶表示装置などを用いることができる。発光表示装置は、表示素子として、EL(Electro Luminescence)素子(有機EL素子、無機EL素子、または、有機物及び無機物を含むEL素子)、LED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。液晶表示装置は、表示素子として、液晶素子を用いることができる。
【0096】
【0097】
表示部156は、複数の画素10、走査線駆動回路12、及び信号線駆動回路13を有する。複数の画素10は、マトリクス状に設けられている。
【0098】
走査線駆動回路12及び信号線駆動回路13には、例えばシフトレジスタ回路を用いることができる。
【0099】
信号線駆動回路13には、処理部153から画像信号S2及び補正信号W2が供給される。処理部153は、供給された画像信号S1(及び補正データW1)を用いて、画像信号S2及び補正信号W2を生成する。
【0100】
<画素の構成例1>
次に、発光素子を有する画素の構成例及び動作例について、
図7~
図10を用いて説明する。
【0101】
【0102】
画素10aは、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ111、トランジスタ112、容量素子103、容量素子113、及び発光素子104を有する。
【0103】
トランジスタ101のソースまたはドレインの一方は、容量素子113の一方の電極と電気的に接続される。容量素子113の他方の電極は、トランジスタ111のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ111のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112のゲートと電気的に接続される。トランジスタ112のゲートは、容量素子103の一方の電極と電気的に接続される。容量素子103の他方の電極は、トランジスタ112のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、発光素子104の一方の電極と電気的に接続される。
【0104】
ここで、容量素子113の他方の電極、トランジスタ111のソースまたはドレインの一方、トランジスタ112のゲート、及び容量素子103の一方の電極が接続されるノードをノードNMとする。また、トランジスタ102のソースまたはドレインの他方及び発光素子104の一方の電極が接続されるノードをノードNAとする。
【0105】
トランジスタ101のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線126と電気的に接続される。トランジスタ111のゲートは、配線121に電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線125と電気的に接続される。トランジスタ111のソースまたはドレインの他方は、配線124と電気的に接続される。
【0106】
トランジスタ112のソースまたはドレインの他方は、電源線128(高電位)と電気的に接続される。発光素子104の他方の電極は、共通配線129と電気的に接続される。なお、共通配線129には、任意の電位を供給することができる。
【0107】
配線121、122、126は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。配線125は、画素10aに画像信号を供給する信号線としての機能を有することができる。また、配線124は、記憶回路MEMにデータを書き込むための信号線としての機能を有することができる。配線124は、画素10aに補正信号を供給する信号線としての機能を有することができる。
【0108】
トランジスタ111、トランジスタ112、及び容量素子113は、記憶回路MEMを構成する。ノードNMは記憶ノードであり、トランジスタ111を導通させることで、配線124に供給された信号をノードNMに書き込むことができる。トランジスタ111に極めてオフ電流が小さいトランジスタを用いることで、ノードNMの電位を長時間保持することができる。
【0109】
トランジスタ111には、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。これにより、トランジスタ111のオフ電流を極めて小さくすることができ、ノードNMの電位を長時間保持することができる。このとき、画素を構成するその他のトランジスタにも、OSトランジスタを用いることが好ましい。
【0110】
また、トランジスタ111に、Siをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。このとき、画素を構成するその他のトランジスタにも、Siトランジスタを用いることが好ましい。
【0111】
Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトランジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタなどが挙げられる。
【0112】
また、1つの画素は、OSトランジスタとSiトランジスタとの両方を有していてもよい。
【0113】
表示素子にEL素子または反射型の液晶素子を用いる場合はシリコン基板を用いることができ、SiトランジスタとOSトランジスタとが重なる領域を有するように形成することができる。したがって、トランジスタ数が比較的多くても画素密度を向上させることができる。
【0114】
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、または、C-Axis Aligned and A-B-plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)またはCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSなどを用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
【0115】
OSトランジスタはエネルギーギャップが大きいため、極めて小さいオフ電流を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、及び短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。
【0116】
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛及びM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、La、Ce、Sn、Nd、またはHf等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0117】
半導体層を構成する酸化物半導体がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の金属元素の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0118】
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10-9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0119】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、閾値電圧等)に応じて適切な組成の材料を用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切な値とすることが好ましい。
【0120】
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
【0121】
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
【0122】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
【0123】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0124】
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0125】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0126】
CAC-OSの構成については、実施の形態5で詳述する。
【0127】
画素10aにおいて、ノードNMに書き込まれた信号は、配線125から供給される画像信号と容量結合され、ノードNAに出力することができる。なお、トランジスタ101は、画素を選択する機能を有することができる。トランジスタ102は、発光素子104の発光を制御するスイッチとしての機能を有することができる。
【0128】
例えば、配線124からノードNMに書き込まれた信号がトランジスタ112の閾値電圧(Vth)より大きい場合、画像信号が書き込まれる前にトランジスタ112が導通し、発光素子104が発光してしまう。したがって、トランジスタ102を設け、ノードNMの電位が確定したのちにトランジスタ102を導通させ、発光素子104を発光させることが好ましい。
【0129】
すなわち、ノードNMに所望の補正信号を格納しておけば、供給した画像信号に当該補正信号を付加することができる。なお、補正信号は伝送経路上の要素によって減衰することがあるため、当該減衰を考慮して生成することが好ましい。
【0130】
図8(A)、
図8(B)に示すタイミングチャートを用いて、画素10aの動作の詳細を説明する。なお、配線124に供給される補正信号(Vp)は正負の任意の信号を用いることができるが、ここでは正の信号が供給される場合を説明する。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。
【0131】
まず、
図8(A)を用いて補正信号(Vp)をノードNMに書き込む動作を説明する。なお、アップコンバートを目的とする場合、通常は当該動作をフレーム毎に行うことが好ましい。例えば、
図4(B)、
図4(C)のように、画像信号S1を用いて補正信号W2を生成する機能を有する表示システムの場合、当該動作をフレーム毎に行う。
【0132】
図1(B)のように、画像信号S1を用いずに補正信号W2を生成する機能を有する表示システムの場合、当該動作をフレーム毎に行う必要はなく、少なくとも、画像信号S2を供給する前に1度書き込めばよい。また、適宜、リフレッシュ動作を行い、同じ補正信号W2をノードNMに書き直してもよい。
【0133】
時刻T1に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線125の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子113の他方の電極の電位は“L”となる。
【0134】
当該動作は、後の容量結合動作を行うためのリセット動作である。また、時刻T1以前は、前フレームにおける発光素子104の発光動作が行われているが、上記リセット動作によってノードNMの電位が変化し発光素子104に流れる電流が変化するため、トランジスタ102を非導通とし、発光素子104の発光を停止することが好ましい。
【0135】
時刻T2に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“H”、配線125の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ111が導通し、配線124の電位(補正信号(Vp))がノードNMに書き込まれる。
【0136】
時刻T3に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線125の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ111が非導通となり、ノードNMに補正信号(Vp)が保持される。
【0137】
時刻T4に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線125の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ101が非導通となり、補正信号(Vp)の書き込み動作が終了する。
【0138】
次に、
図8(B)を用いて画像信号(Vs)の補正動作と、発光素子104を発光させる動作を説明する。
【0139】
時刻T11に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線124の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ101が導通し、容量素子113の容量結合によりノードNMの電位に配線125の電位が付加される。すなわち、ノードNMは、画像信号(Vs)に補正信号(Vp)が付加された電位(Vs+Vp)となる。
【0140】
時刻T12に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ101が非導通となり、ノードNMの電位がVs+Vpに確定される。
【0141】
時刻T13に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線124の電位を“L”、配線126の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、ノードNAの電位はVs+Vpとなり、発光素子104が発光する。なお、厳密にはノードNAの電位は、Vs+Vpからトランジスタ112の閾値電圧(Vth)分だけ低い値となるが、ここではVthは十分に小さく無視できる値とする。
【0142】
以上が画像信号(Vs)の補正動作と、発光素子104を発光させる動作である。なお、先に説明した補正信号(Vp)の書き込み動作と、画像信号(Vs)の入力動作は連続して行ってもよいが、全ての画素に補正信号(Vp)を書き込んだのちに画像信号(Vs)の入力動作を行うことが好ましい。本発明の一態様では複数の画素に同じ画像信号を同時に供給することができるため、先に全ての画素に補正信号(Vp)を書き込むことで動作速度を向上させることができる。
【0143】
本発明の一態様の表示システムは、画素においてアップコンバートした画像を生成する構成である。当該表示システムにおいて、画素に供給する画像信号は解像度の低い画像信号であり、複数の画素に同じ画像信号を供給することがある。
図2(A)、
図2(B)に示す例では、水平垂直方向の4画素に同じ画像信号を供給する。この場合、各画素に接続される信号線のそれぞれに同じ画像信号を供給してもよいが、同じ画像信号を供給する信号線同士を電気的に接続することで、画像信号の書き込み動作を高速化することができる。
【0144】
図9は、カラー表示が行える表示部156の一部を示す図であり、同じ画像信号を供給する信号線同士がスイッチを介して電気的に接続することができる構成を表している。一般的にカラー表示が行える表示装置の画素は、R(赤)、G(緑)B(青)のそれぞれの色を発する副画素の組み合わせを有する。
図9では、水平方向に並ぶR、G、Bの3つの副画素が一つの画素を構成することになり、水平垂直方向の4画素を表している。
【0145】
ここで、
図2(A)、
図2(B)で説明したように、水平垂直方向の4画素には同じ画像信号が入力される。
図9においては、画素R1乃至R4に同じ画像信号が入力されることになる。例えば、画素R1乃至R4のそれぞれに接続され、信号線として機能する配線125[1]、125[4]に同じ画像信号を供給し、走査線として機能する配線122[1]、122[2]に順次信号を入力することで全ての画素に同じ画像信号を入力することができる。ただし、当該方法では、同じ画像信号を複数の画素に供給するにあたって、無駄が多い。
【0146】
本発明の一態様では、信号線間に設けられたスイッチによって二つの信号線を導通させること、及び走査線間に設けられたスイッチによって二つの走査線を導通させることにより4画素の同時書き込みを可能にする。
【0147】
図9に示すように、配線125[1]と配線125[4]との間に設けられたスイッチ141を導通させることで、配線125[1]または配線125[4]の一方に供給された画像信号を画素R1及び画素R2に同時に書き込むことができる。このとき、配線122[1]と配線122[2]との間に設けられたスイッチ144を導通させておくことで、画像信号を画素R3及び画素R4にも同時に書き込むことができる。すなわち、4画素の同時書き込みが可能となる。
【0148】
同様に配線125[2]と配線125[5]との間に設けられたスイッチ142、及び配線125[3]と配線125[6]との間に設けられたスイッチ143を必要に応じて導通させることで、他の4画素においても同時書き込みが可能となる。スイッチ141乃至144としては、例えば、トランジスタを用いることができる。
【0149】
4画素の同時書き込みが行えることで、書き込み時間を短縮することができ、フレーム周波数を高めることもできる。
【0150】
図10(A)に示す画素10bは、
図7に示す画素10aからトランジスタ102を省いて得た構成である。
【0151】
前述したように、トランジスタ102はノードNMに書き込む信号がトランジスタ112の閾値電圧(Vth)以上である場合に起こる不具合を解消するために設けられる。ただし、ノードNMに書き込まれる信号がVthより低い値に限定されていればトランジスタ102を省くことができる。
【0152】
図10(B)に示す画素10cは、
図7に示す画素10aが有する各トランジスタにバックゲートを設けた構成である。当該バックゲートはフロントゲートと電気的に接続されており、オン電流を高める効果を有する。また、バックゲートにフロントゲートと異なる定電位を供給できる構成としてもよい。当該構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。なお、
図10(B)においては、全てのトランジスタにバックゲートを設けた構成を図示しているが、バックゲートが設けられないトランジスタを有していてもよい。また、トランジスタがバックゲートを有する構成は、本実施の形態における他の画素にも有効である。
【0153】
<表示システムの構成例2>
図11(A)、
図11(B)を用いて、本実施の形態の表示システムにおける画像信号S2と補正信号W2の生成について説明する。
【0154】
処理部153は、表示部156から供給された信号W3を用いて、補正信号W2を生成してもよい。例えば、画素が有するトランジスタの電気特性を取得し、それに基づいた信号W3を処理部153に供給する。当該信号W3を用いて補正信号W2を生成することで、表示部156の表示ムラの抑制を実現できる。
【0155】
図11(A)には、信号W3のみを用いて補正信号W2を生成する例を示す。
図11(B)には、信号W3に加えて、記憶部152から供給された補正データW1を用いて、補正信号W2を生成する例を示す。補正データW1を用いることで、例えば、表示ムラの補正に加えて、画像のアップコンバートなども可能となる。
【0156】
【0157】
表示部156は、複数の画素10d、走査線駆動回路12、信号線駆動回路13、及び回路15を有する。複数の画素10dは、マトリクス状に設けられている。
【0158】
回路15には、例えばシフトレジスタ回路を用いることができる。回路15によって配線130を順次選択し、その出力値(信号W3)を処理部153に入力することができる。
【0159】
処理部153には、画像信号S1が供給される。さらに、処理部153には、補正データW1が供給されてもよい。また、上述の通り、処理部153には、回路15から信号W3が供給される。
【0160】
処理部153は、画像信号S2及び補正信号W2を生成する機能を有する。
【0161】
<画素の構成例2>
画素の構成例1では、記憶回路MEMを有する画素におけるアップコンバート動作を主として説明したが、当該画素では、トランジスタの特性ばらつきを補正する動作を行うこともできる。EL素子を用いた画素では、EL素子に電流を供給する駆動トランジスタの閾値電圧のばらつきが表示品位に与える影響が大きい。記憶回路MEMに駆動トランジスタの閾値電圧を補正する信号を保持させ、画像信号に付加することで表示品位を向上させることができる。
【0162】
図13は、
図12に示す画素10dの具体例を示す回路図である。画素10dは、トランジスタ112の閾値電圧(V
th)を補正する動作を行うことができる。
【0163】
画素10dは、
図7に示す画素10aにトランジスタ105及び配線130を付加して得た構成である。当該構成の画素を用いることで、トランジスタ112の閾値電圧を補正することができる。なお、当該構成の画素を用いて前述したアップコンバートの動作を行ってもよい。また、閾値電圧補正とアップコンバートの両方の動作を行ってもよい。
【0164】
トランジスタ105のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ112のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ105のソースまたはドレインの他方は、配線130と電気的に接続される。トランジスタ105のゲートは、配線122と電気的に接続される。
【0165】
配線130は、トランジスタ111の電気特性を取得するためのモニタ線としての機能を有する。また、配線130からトランジスタ111を介して容量素子109の一方の電極に特定の電位を供給することにより、画像信号の書き込みを安定化させることもできる。
【0166】
画素10dでは、初期動作として外部補正の動作を行うが、生成された補正信号は記憶回路MEMに格納される。したがって、記憶回路MEMに補正信号が保持された後は、内部補正のように動作する。
【0167】
補正信号の生成及び記憶回路MEMへの格納を
図12及び
図13を用いて説明する。
【0168】
まず、トランジスタ111を導通し、ノードNMにトランジスタ112が導通する標準電位を書き込む。トランジスタ112が出力する電流は、トランジスタ105を介して処理部153に取り込まれる。当該動作を全ての画素に対して行い、ゲートに標準電位を印加したときのトランジスタ112が出力する電流値を取得する。
【0169】
処理部153では電流値を読み取って解析し、電流値が平均値または中央値であるトランジスタを基準として各画素に格納する補正信号W2を生成する。当該補正信号W2は、信号線駆動回路13に入力され、各画素の記憶回路MEMに格納される。なお、電流値を読み取る機能を有する回路と、補正信号W2を生成する機能を有する回路は、それぞれ別であってもよい。
【0170】
以降は、アップコンバート動作と同じように画像信号に補正信号を付加した表示動作を行う。なお、トランジスタの閾値電圧は、長期に亘って大きく変動することはあるが、短期間における変動は極めて少ない。したがって、補正信号の生成及び記憶回路MEMへの格納動作は、フレームごとなどに行う必要はなく、電源投入時や動作終了時などに行えばよい。または、表示部156の動作時間を記録し、日、週、月、年などを単位とした一定期間ごとに動作を行ってもよい。
【0171】
また、処理部153に供給される画像信号S1及び補正データW1のうち一方または双方と、信号W3と、を用いて補正信号W2を生成することで、閾値電圧補正とアップコンバートの両方の動作を行うことができる。
【0172】
なお、上記ではトランジスタ112が出力する電流値を実測して補正信号W2を生成する方法を説明したが、その他の方法で補正信号W2を生成してもよい。例えば、グレースケールの表示を行い、当該表示の輝度を輝度計で読み取ったデータや当該表示の写真を読み取ったデータを元に補正信号W2を生成してもよい。当該補正信号W2の生成には、ニューラルネットワークを用いた推論を用いることが好ましい。
【0173】
<画素の構成例3>
次に、液晶素子を有する画素の構成例及び動作例について、
図14~
図17を用いて説明する。
【0174】
【0175】
画素10eは、トランジスタ131、トランジスタ132、トランジスタ145、トランジスタ146、容量素子133、容量素子134、容量素子147、及び液晶素子135を有する。
【0176】
トランジスタ131のソースまたはドレインの一方は、容量素子133の一方の電極と電気的に接続される。容量素子133の一方の電極は、容量素子134の一方の電極と電気的に接続される。容量素子134の一方の電極は、液晶素子135の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ132のソースまたはドレインの一方は、容量素子133の他方の電極と電気的に接続される。容量素子133の他方の電極は、トランジスタ146のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ146のゲートは、トランジスタ145のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ145のソースまたはドレインの一方は、容量素子147の一方の電極と電気的に接続される。
【0177】
ここで、トランジスタ131のソースまたはドレインの一方、容量素子133の一方の電極、容量素子134の一方の電極、及び液晶素子135の一方の電極が接続されるノードをノードNAとする。また、容量素子133の他方の電極、トランジスタ132のソースまたはドレインの一方及びトランジスタ146のソースまたはドレインの一方が接続されるノードをノードNRとする。また、トランジスタ146のゲート、トランジスタ145のソースまたはドレインの一方及び容量素子147の一方の電極が接続されるノードをノードNMとする。
【0178】
トランジスタ131のゲートは、配線123と電気的に接続される。トランジスタ132のゲートは配線123と電気的に接続される。容量素子147の他方の電極は、配線121に電気的に接続される。トランジスタ145のゲートは配線122に電気的に接続される。トランジスタ145のソースまたはドレインの他方は配線124と電気的に接続される。
【0179】
トランジスタ146のソースまたはドレインの他方は、電源線128(高電位)と電気的に接続される。トランジスタ132のソースまたはドレインの他方は、電源線(低電位)と電気的に接続される。容量素子134の他方の電極は、共通配線127と電気的に接続される。液晶素子135の他方の電極は、共通配線129と電気的に接続される。なお、共通配線127、129には、任意の電位を供給することができ、両者は電気的に接続されていてもよい。
【0180】
配線122、123は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。配線125は、画素10eに画像信号を供給する信号線としての機能を有することができる。また、配線121及び配線124は、記憶回路MEMを動作させるための信号線としての機能を有することができる。配線124は、画素10eに補正信号を供給する信号線としての機能を有することができる。
【0181】
トランジスタ145、トランジスタ146、及び容量素子147は、記憶回路MEMを構成する。ノードNMは記憶ノードであり、トランジスタ145を導通させることで、配線124に供給された信号をノードNMに書き込むことができる。トランジスタ145に極めてオフ電流の小さいトランジスタを用いることで、ノードNMの電位を長時間保持することができる。
【0182】
トランジスタ145には、例えば、OSトランジスタを用いることができる。これにより、トランジスタ145のオフ電流を極めて小さくすることができ、ノードNMの電位を長時間保持することができる。このとき、画素を構成するその他のトランジスタにも、OSトランジスタを用いることが好ましい。
【0183】
また、トランジスタ145に、Siトランジスタを適用してもよい。このとき、画素を構成するその他のトランジスタにも、Siトランジスタを用いることが好ましい。
【0184】
また、1つの画素は、OSトランジスタとSiトランジスタとの両方を有していてもよい。
【0185】
画素10eにおいて、ノードNMに書き込まれた信号は、配線121に適切な電位を供給することで、ノードNRに読み出すことができる。当該電位は、例えば、トランジスタ146の閾値電圧相当の電位とすることができる。この動作以前にノードNAに画像信号が書き込まれていれば、容量素子133の容量結合により、画像信号にノードNRの電位を付加して得た信号電位が液晶素子135に印加される。
【0186】
すなわち、ノードNMに所望の補正信号を格納しておけば、供給した画像信号に当該補正信号を付加することができる。なお、補正信号は伝送経路上の要素によって減衰することがあるため、当該減衰を考慮して生成することが好ましい。
【0187】
図15に示すタイミングチャートを用いて、画素10eの動作の詳細を説明する。なお、所望のタイミングにおいて、配線124には補正信号(Vp)が供給され、配線125には画像信号(Vs)が供給される。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。
【0188】
期間T1に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線123の電位を“L”とすると、トランジスタ145が導通し、ノードNMに補正信号(Vp)が書き込まれる。
【0189】
期間T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“H”とすると、トランジスタ132が導通し、ノードNRが“L”にリセットされる。また、トランジスタ131が導通し、ノードNAに画像信号(Vs)が書き込まれる。
【0190】
期間T3に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L”とすると、容量素子147の容量結合によりノードNMの電位に配線121の電位が付加される。このとき、配線121の電位をトランジスタ146の閾値電圧(Vth)とすると、ノードNMの電位はVp+Vthとなる。そして、トランジスタ146は導通し、ノードNRは、トランジスタ146のゲート電位より閾値電圧(Vth)分だけ低い電位、すなわち補正信号(Vp)に相当する電位となる。
【0191】
そして、容量素子133の容量結合により、ノードNRとノードNAの容量比に応じた電位(Vp’)が画像信号(Vs)に付加される。すなわち、ノードNAの電位は、Vs+Vp’となる。
【0192】
以上により、補正信号に由来する電位を画像信号に付加することができ、表示の補正を行うことができる。
【0193】
図16に示す画素10fは、
図14に示す画素10eに、トランジスタ136、トランジスタ137、及び配線126を付加して得た構成である。
【0194】
トランジスタ136のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ131のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ136のソースまたはドレインの他方は、液晶素子135の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ137のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ136のソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタ137のソースまたはドレインの他方は、電源線(低電位)と電気的に接続される。
【0195】
上記構成において、トランジスタ131のソースまたはドレインの一方、容量素子133の一方の電極及びトランジスタ136のソースまたはドレインの一方が接続されるノードをノードNAとする。また、トランジスタ136のソースまたはドレインの他方、容量素子134の一方の電極及び液晶素子135の一方の電極が接続されるノードをノードNBとする。
【0196】
また、トランジスタ136のゲートは、配線126と電気的に接続される。トランジスタ137のゲートは、配線121と電気的に接続される。配線126は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。
【0197】
画素10eでは、画像信号を入力した後に補正信号を付加する動作を行うため、液晶素子135の動作が段階的となることがある。そのため、液晶素子135の応答特性によってはその動作が視認され、表示品位を低下させる場合がある。
【0198】
画素10fでは、トランジスタ136を非導通とした状態において、ノードNAに画像信号を供給し、補正信号を付加させる。その後、トランジスタ136を導通してノードNBに補正した画像信号を供給する。したがって、液晶素子135の動作は段階的にならず、表示品位の低下を防ぐことができる。
【0199】
図17に示すタイミングチャートを用いて、画素10fの動作の詳細を説明する。なお、適切なタイミングにおいて、配線124には補正信号(Vp)が供給され、配線125には画像信号(Vs)が供給される。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。
【0200】
期間T11に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線123の電位を“L”とすると、トランジスタ145が導通し、ノードNMに補正信号(Vp)が書き込まれる。なお、配線126の電位は、前フレームの動作から引き続き期間T11では“H”となっている。
【0201】
期間T12に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“H”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ132が導通し、ノードNRが“L”にリセットされる。また、トランジスタ131が導通し、ノードNAに画像信号(Vs)が書き込まれる。また、トランジスタ136が非導通になることからノードNBの電位は引き続き保持され、表示は継続される。
【0202】
期間T13に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L”、配線126の電位を“L”とすると、容量素子147の容量結合によりノードNMの電位に配線121の電位が付加される。このとき、配線121の電位をトランジスタ146の閾値電圧(Vth)とすると、ノードNMの電位はVp+Vthとなる。そして、トランジスタ146は導通し、ノードNRは、トランジスタ146のゲート電位より閾値電圧(Vth)分だけ低い電位、すなわち補正信号(Vp)に相当する電位となる。
【0203】
そして、容量素子133の容量結合により、ノードNRとノードNAの容量比に応じた電位(Vp’)が画像信号(Vs)に付加される。すなわち、ノードNAの電位は、Vs+Vp’となる。また、トランジスタ137が導通することにより、ノードNBの電位は“L”にリセットされる。
【0204】
期間T14に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L”、配線126の電位を“H”とすると、ノードNAの電位がノードNBに分配され、ノードNBの電位は、(Vs+Vp’)’となる。
【0205】
以上により、補正信号に由来する電位を画像信号に付加することができ、表示の補正を行うことができる。
【0206】
以上のように、本実施の形態の表示システムは、処理部及び表示部を有し、処理部は、画像信号及び補正信号を生成することができ、表示部は、画素に設けられた記憶回路で、当該補正信号を保持することができる。そして、表示部は、当該補正信号及び当該画像信号を用いて、映像を表示することができる。例えば、補正信号を画像信号に付加することで画像の解像度を変換することができる。画像処理で生成する画像信号に含まれるデータの解像度は、外部から入力されたデータの解像度から変更しなくてよいため、当該画像処理の演算量を低減し、消費電力を低減させることができる。
【0207】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0208】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明したニューラルネットワークに用いることが可能な半導体装置の構成例について説明する。
【0209】
図18(A)に示すように、ニューラルネットワークNNは入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLはそれぞれ、1または複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともでき、ディープニューラルネットワークを用いた学習は深層学習と呼ぶこともできる。
【0210】
入力層ILの各ニューロンには入力データが入力され、中間層HLの各ニューロンには前層または後層のニューロンの出力信号が入力され、出力層OLの各ニューロンには前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
【0211】
図18(B)に、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力x
1と、前層のニューロンの出力x
2が入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力x
1と重みw
1の乗算結果(x
1w
1)と出力x
2と重みw
2の乗算結果(x
2w
2)の総和x
1w
1+x
2w
2が計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x
1w
1+x
2w
2+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=h(a)が出力される。
【0212】
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx1w1+x2w2)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。積和演算をハードウェアによって行う場合は、積和演算回路を用いることができる。この積和演算回路としては、デジタル回路を用いてもよいし、アナログ回路を用いてもよい。積和演算回路にアナログ回路を用いる場合、積和演算回路の回路規模の縮小、または、メモリへのアクセス回数の減少による処理速度の向上及び消費電力の低減を図ることができる。
【0213】
積和演算回路は、チャネル形成領域にシリコン(単結晶シリコンなど)を含むトランジスタ(「Siトランジスタ」ともいう)によって構成してもよいし、チャネル形成領域に金属酸化物の一種である酸化物半導体を含むトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう)によって構成してもよい。特に、OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、積和演算回路のメモリを構成するトランジスタとして好適である。なお、SiトランジスタとOSトランジスタの両方を用いて積和演算回路を構成してもよい。以下、積和演算回路の機能を備えた半導体装置の構成例について説明する。
【0214】
<半導体装置の構成例>
図19に、ニューラルネットワークの演算を行う機能を有する半導体装置MACの構成例を示す。半導体装置MACは、ニューロン間の結合強度(重み)に対応する第1のデータと、入力データに対応する第2のデータの積和演算を行う機能を有する。なお、第1のデータ及び第2のデータはそれぞれ、アナログデータまたは多値のデジタルデータ(離散的なデータ)とすることができる。また、半導体装置MACは、積和演算によって得られたデータを活性化関数によって変換する機能を有する。
【0215】
半導体装置MACは、セルアレイCA、電流源回路CS、カレントミラー回路CM、回路WDD、回路WLD、回路CLD、オフセット回路OFST、及び活性化関数回路ACTVを有する。
【0216】
セルアレイCAは、複数のメモリセルMC及び複数のメモリセルMCrefを有する。
図19には、セルアレイCAがm行n列(m,nは1以上の整数)のメモリセルMC(MC[1,1]乃至MC[m,n])と、m個のメモリセルMCref(MCref[1]乃至MCref[m])を有する構成例を示している。メモリセルMCは、第1のデータを格納する機能を有する。また、メモリセルMCrefは、積和演算に用いられる参照データを格納する機能を有する。なお、参照データはアナログデータまたは多値のデジタルデータとすることができる。
【0217】
メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WD[j]、及び配線BL[j]と接続されている。また、メモリセルMCref[i]は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WDref、配線BLrefと接続されている。ここで、メモリセルMC[i,j]と配線BL[j]間を流れる電流をIMC[i,j]と表記し、メモリセルMCref[i]と配線BLref間を流れる電流をIMCref[i]と表記する。
【0218】
メモリセルMC及びメモリセルMCrefの具体的な構成例を、
図20に示す。
図20には代表例としてメモリセルMC[1,1]、MC[2,1]及びメモリセルMCref[1]、MCref[2]を示しているが、他のメモリセルMC及びメモリセルMCrefにも同様の構成を用いることができる。メモリセルMC及びメモリセルMCrefはそれぞれ、トランジスタTr11、トランジスタTr12、容量素子C11を有する。ここでは、トランジスタTr11及びトランジスタTr12がnチャネル型のトランジスタである場合について説明する。
【0219】
メモリセルMCにおいて、トランジスタTr11のゲートは配線WLと接続され、ソースまたはドレインの一方はトランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線WDと接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの一方は配線BLと接続され、ソースまたはドレインの他方は配線VRと接続されている。容量素子C11の第2の電極は、配線RWと接続されている。配線VRは、所定の電位を供給する機能を有する配線である。ここでは一例として、配線VRから低電源電位(接地電位など)が供給される場合について説明する。
【0220】
トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、ノードNMとする。また、メモリセルMC[1,1]、MC[2,1]のノードNMを、それぞれノードNM[1,1]、NM[2,1]と表記する。
【0221】
メモリセルMCrefも、メモリセルMCと同様の構成を有する。ただし、メモリセルMCrefは配線WDの代わりに配線WDrefと接続され、配線BLの代わりに配線BLrefと接続されている。また、メモリセルMCref[1]、MCref[2]において、トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、及び容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、それぞれノードNMref[1]、NMref[2]と表記する。
【0222】
ノードNMとノードNMrefはそれぞれ、メモリセルMCとメモリセルMCrefの保持ノードとして機能する。ノードNMには第1のデータが保持され、ノードNMrefには参照データが保持される。また、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、MC[2,1]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMC[1,1]、IMC[2,1]が流れる。また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]、MCref[2]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMCref[1]、IMCref[2]が流れる。
【0223】
トランジスタTr11は、ノードNMまたはノードNMrefの電位を保持する機能を有するため、トランジスタTr11のオフ電流は小さいことが好ましい。そのため、トランジスタTr11としてオフ電流が極めて小さいOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、ノードNMまたはノードNMrefの電位の変動を抑えることができ、演算精度の向上を図ることができる。また、ノードNMまたはノードNMrefの電位をリフレッシュする動作の頻度を低く抑えることが可能となり、消費電力を削減することができる。
【0224】
トランジスタTr12は特に限定されず、例えばSiトランジスタまたはOSトランジスタなどを用いることができる。トランジスタTr12にOSトランジスタを用いる場合、トランジスタTr11と同じ製造装置を用いて、トランジスタTr12を作製することが可能となり、製造コストを抑制することができる。なお、トランジスタTr12はnチャネル型であってもpチャネル型であってもよい。
【0225】
電流源回路CSは、配線BL[1]乃至BL[n]及び配線BLrefと接続されている。電流源回路CSは、配線BL[1]乃至BL[n]及び配線BLrefに電流を供給する機能を有する。なお、配線BL[1]乃至BL[n]に供給される電流値と配線BLrefに供給される電流値は異なっていてもよい。ここでは、電流源回路CSから配線BL[1]乃至BL[n]に供給される電流をIC、電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICrefと表記する。
【0226】
カレントミラー回路CMは、配線IL[1]乃至IL[n]及び配線ILrefを有する。配線IL[1]乃至IL[n]はそれぞれ配線BL[1]乃至BL[n]と接続され、配線ILrefは、配線BLrefと接続されている。ここでは、配線IL[1]乃至IL[n]と配線BL[1]乃至BL[n]の接続箇所をノードNP[1]乃至NP[n]と表記する。また、配線ILrefと配線BLrefの接続箇所をノードNPrefと表記する。
【0227】
カレントミラー回路CMは、ノードNPrefの電位に応じた電流I
CMを配線ILrefに流す機能と、この電流I
CMを配線IL[1]乃至IL[n]にも流す機能を有する。
図19には、配線BLrefから配線ILrefに電流I
CMが排出され、配線BL[1]乃至BL[n]から配線IL[1]乃至IL[n]に電流I
CMが排出される例を示している。また、カレントミラー回路CMから配線BL[1]乃至BL[n]を介してセルアレイCAに流れる電流を、I
B[1]乃至I
B[n]と表記する。また、カレントミラー回路CMから配線BLrefを介してセルアレイCAに流れる電流を、I
Brefと表記する。
【0228】
回路WDDは、配線WD[1]乃至WD[n]及び配線WDrefと接続されている。回路WDDは、メモリセルMCに格納される第1のデータに対応する電位を、配線WD[1]乃至WD[n]に供給する機能を有する。また、回路WDDは、メモリセルMCrefに格納される参照データに対応する電位を、配線WDrefに供給する機能を有する。回路WLDは、配線WL[1]乃至WL[m]と接続されている。回路WLDは、データの書き込みを行うメモリセルMCまたはメモリセルMCrefを選択するための信号を、配線WL[1]乃至WL[m]に供給する機能を有する。回路CLDは、配線RW[1]乃至RW[m]と接続されている。回路CLDは、第2のデータに対応する電位を、配線RW[1]乃至RW[m]に供給する機能を有する。
【0229】
オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至BL[n]及び配線OL[1]乃至OL[n]と接続されている。オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至BL[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流量、及び/または、配線BL[1]乃至BL[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流の変化量を検出する機能を有する。また、オフセット回路OFSTは、検出結果を配線OL[1]乃至OL[n]に出力する機能を有する。なお、オフセット回路OFSTは、検出結果に対応する電流を配線OLに出力してもよいし、検出結果に対応する電流を電圧に変換して配線OLに出力してもよい。セルアレイCAとオフセット回路OFSTの間を流れる電流を、Iα[1]乃至Iα[n]と表記する。
【0230】
オフセット回路OFSTの構成例を
図21に示す。
図21に示すオフセット回路OFSTは、回路OC[1]乃至OC[n]を有する。また、回路OC[1]乃至OC[n]はそれぞれ、トランジスタTr21、トランジスタTr22、トランジスタTr23、容量素子C21、及び抵抗素子R1を有する。各素子の接続関係は
図21に示す通りである。なお、容量素子C21の第1の電極及び抵抗素子R1の第1の端子と接続されたノードを、ノードNaとする。また、容量素子C21の第2の電極、トランジスタTr21のソースまたはドレインの一方、及びトランジスタTr22のゲートと接続されたノードを、ノードNbとする。
【0231】
配線VrefLは電位Vrefを供給する機能を有し、配線VaLは電位Vaを供給する機能を有し、配線VbLは電位Vbを供給する機能を有する。また、配線VDDLは電位VDDを供給する機能を有し、配線VSSLは電位VSSを供給する機能を有する。ここでは、電位VDDが高電源電位であり、電位VSSが低電源電位である場合について説明する。また、配線RSTは、トランジスタTr21の導通状態を制御するための電位を供給する機能を有する。トランジスタTr22、トランジスタTr23、配線VDDL、配線VSSL、及び配線VbLによって、ソースフォロワ回路が構成される。
【0232】
次に、回路OC[1]乃至OC[n]の動作例を説明する。なお、ここでは代表例として回路OC[1]の動作例を説明するが、回路OC[2]乃至OC[n]も同様に動作させることができる。まず、配線BL[1]に第1の電流が流れると、ノードNaの電位は、第1の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位となる。また、このときトランジスタTr21はオン状態であり、ノードNbに電位Vaが供給される。その後、トランジスタTr21はオフ状態となる。
【0233】
次に、配線BL[1]に第2の電流が流れると、ノードNaの電位は、第2の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位に変化する。このときトランジスタTr21はオフ状態であり、ノードNbはフローティング状態となっているため、ノードNaの電位の変化に伴い、ノードNbの電位は容量結合により変化する。ここで、ノードNaの電位の変化をΔVNaとし、容量結合係数を1とすると、ノードNbの電位はVa+ΔVNaとなる。そして、トランジスタTr22の閾値電圧をVthとすると、配線OL[1]から電位Va+ΔVNa-Vthが出力される。ここで、Va=Vthとすることにより、配線OL[1]から電位ΔVNaを出力することができる。
【0234】
電位ΔVNaは、第1の電流から第2の電流への変化量、抵抗素子R1の抵抗値、及び電位Vrefに応じて定まる。ここで、抵抗素子R1の抵抗値と電位Vrefは既知であるため、電位ΔVNaから配線BLに流れる電流の変化量を求めることができる。
【0235】
上記のようにオフセット回路OFSTによって検出された電流量、及び/または電流の変化量に対応する信号は、配線OL[1]乃至OL[n]を介して活性化関数回路ACTVに入力される。
【0236】
活性化関数回路ACTVは、配線OL[1]乃至OL[n]、及び、配線NIL[1]乃至NIL[n]と接続されている。活性化関数回路ACTVは、オフセット回路OFSTから入力された信号を、あらかじめ定義された活性化関数に従って変換するための演算を行う機能を有する。活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、softmax関数、ReLU関数、閾値関数などを用いることができる。活性化関数回路ACTVによって変換された信号は、出力データとして配線NIL[1]乃至NIL[n]に出力される。
【0237】
<半導体装置の動作例>
上記の半導体装置MACを用いて、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。以下、積和演算を行う際の半導体装置MACの動作例を説明する。
【0238】
図22に半導体装置MACの動作例のタイミングチャートを示す。
図22には、
図20における配線WL[1]、配線WL[2]、配線WD[1]、配線WDref、ノードNM[1,1]、ノードNM[2,1]、ノードNMref[1]、ノードNMref[2]、配線RW[1]、及び配線RW[2]の電位の推移と、電流I
B[1]-I
α[1]、及び電流I
Brefの値の推移を示している。電流I
B[1]-I
α[1]は、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、MC[2,1]に流れる電流の総和に相当する。
【0239】
なお、ここでは代表例として
図20に示すメモリセルMC[1,1]、MC[2,1]及びメモリセルMCref[1]、MCref[2]に着目して動作を説明するが、他のメモリセルMC及びメモリセルMCrefも同様に動作させることができる。
【0240】
[第1のデータの格納]
まず、時刻T01-時刻T02の期間において、配線WL[1]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位(GND)よりもVPR-VW[1,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。また、配線RW[1]、及び配線RW[2]の電位が基準電位(REFP)となる。なお、電位VW[1,1]はメモリセルMC[1,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。また、電位VPRは参照データに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[1,1]の電位がVPR-VW[1,1]、ノードNMref[1]の電位がVPRとなる。
【0241】
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],0は、次の式で表すことができる。ここで、kはトランジスタTr12のチャネル長、チャネル幅、移動度、及びゲート絶縁膜の容量などで決まる定数である。また、VthはトランジスタTr12の閾値電圧である。
【0242】
【0243】
また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],0は、次の式で表すことができる。
【0244】
【0245】
次に、時刻T02-時刻T03の期間において、配線WL[1]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位が保持される。
【0246】
なお、前述の通り、トランジスタTr11としてOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、トランジスタTr11のリーク電流を抑えることができ、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位を正確に保持することができる。
【0247】
次に、時刻T03-時刻T04の期間において、配線WL[2]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位よりもVPR-VW[2,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。なお、電位VW[2,1]はメモリセルMC[2,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[2,1]及びメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[2,1]の電位がVPR-VW[2,1]、ノードNMref[2]の電位がVPRとなる。
【0248】
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],0は、次の式で表すことができる。
【0249】
【0250】
また、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],0は、次の式で表すことができる。
【0251】
【0252】
次に、時刻T04-時刻T05の期間において、配線WL[2]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[2,1]及びメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[2,1]及びノードNMref[2]の電位が保持される。
【0253】
以上の動作により、メモリセルMC[1,1]、MC[2,1]に第1のデータが格納され、メモリセルMCref[1]、MCref[2]に参照データが格納される。
【0254】
ここで、時刻T04-時刻T05の期間において、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流を考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流が供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、MCref[2]へ排出される。電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICref、配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,0とすると、次の式が成り立つ。
【0255】
【0256】
配線BL[1]には、電流源回路CSからの電流が供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、MC[2,1]へ排出される。また、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに電流が流れる。電流源回路CSから配線BL[1]に供給される電流をIC,0、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,0とすると、次の式が成り立つ。
【0257】
【0258】
[第1のデータと第2のデータの積和演算]
次に、時刻T05-時刻T06の期間において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となる。このとき、メモリセルMC[1,1]、及びメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11には電位VX[1]が供給され、容量結合によりトランジスタTr12のゲートの電位が上昇する。なお、電位VX[1]はメモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]に供給される第2のデータに対応する電位である。
【0259】
トランジスタTr12のゲートの電位の変化量は、配線RWの電位の変化量に、メモリセルの構成によって決まる容量結合係数を乗じて得た値となる。容量結合係数は、容量素子C11の容量、トランジスタTr12のゲート容量、及び寄生容量などによって算出される。以下では便宜上、配線RWの電位の変化量とトランジスタTr12のゲートの電位の変化量が同じ、すなわち容量結合係数が1であるとして説明する。実際には、容量結合係数を考慮して電位VXを決定すればよい。
【0260】
メモリセルMC[1,1]及びメモリセルMCref[1]の容量素子C11に電位VX[1]が供給されると、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。
【0261】
ここで、時刻T05-時刻T06の期間において、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],1は、次の式で表すことができる。
【0262】
【0263】
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[1,1]=IMC[1,1],1-IMC[1,1],0増加する。
【0264】
また、時刻T05-時刻T06の期間において、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],1は、次の式で表すことができる。
【0265】
【0266】
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[1]=IMCref[1],1-IMCref[1],0増加する。
【0267】
また、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、MCref[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,1とすると、次の式が成り立つ。
【0268】
【0269】
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流ICが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、MC[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,1とすると、次の式が成り立つ。
【0270】
【0271】
そして、式(E1)乃至(E10)から、電流Iα,0と電流Iα,1の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
【0272】
【0273】
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]とVX[1]の積に応じた値となる。
【0274】
その後、時刻T06-時刻T07の期間において、配線RW[1]の電位は基準電位となり、ノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位は時刻T04-時刻T05の期間と同様になる。
【0275】
次に、時刻T07-時刻T08の期間において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となり、配線RW[2]の電位が基準電位よりもVX[2]大きい電位となる。これにより、メモリセルMC[1,1]、及びメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[1]が供給され、容量結合によりノードNM[1,1]及びノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。また、メモリセルMC[2,1]、及びメモリセルMCref[2]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[2]が供給され、容量結合によりノードNM[2,1]及びノードNMref[2]の電位がそれぞれVX[2]上昇する。
【0276】
ここで、時刻T07-時刻T08の期間において、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],1は、次の式で表すことができる。
【0277】
【0278】
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[2,1]=IMC[2,1],1-IMC[2,1],0増加する。
【0279】
また、時刻T07-時刻T08の期間において、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],1は、次の式で表すことができる。
【0280】
【0281】
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[2]=IMCref[2],1-IMCref[2],0増加する。
【0282】
また、配線BL[1]及び配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、MCref[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,2とすると、次の式が成り立つ。
【0283】
【0284】
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流ICが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、MC[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,2とすると、次の式が成り立つ。
【0285】
【0286】
そして、式(E1)乃至(E8)、及び、式(E12)乃至(E15)から、電流Iα,0と電流Iα,2の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
【0287】
【0288】
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]と電位VX[1]の積と、電位VW[2,1]と電位VX[2]の積と、を足し合わせた結果に応じた値となる。
【0289】
その後、時刻T08-時刻T09の期間において、配線RW[1]、RW[2]の電位は基準電位となり、ノードNM[1,1]、NM[2,1]及びノードNMref[1]、NMref[2]の電位は時刻T04-時刻T05の期間と同様になる。
【0290】
式(E11)及び式(E16)に示されるように、オフセット回路OFSTに入力される差分電流ΔIαは、第1のデータ(重み)に対応する電位VWと、第2のデータ(入力データ)に対応する電位VXの積の項を有する式から算出することができる。すなわち、差分電流ΔIαをオフセット回路OFSTで計測することにより、第1のデータと第2のデータの積和演算の結果を得ることができる。
【0291】
なお、上記では特にメモリセルMC[1,1]、MC[2,1]及びメモリセルMCref[1]、MCref[2]に着目したが、メモリセルMC及びメモリセルMCrefの数は任意に設定することができる。メモリセルMC及びメモリセルMCrefの行数mを任意の数iとした場合の差分電流ΔIαは、次の式で表すことができる。
【0292】
【0293】
また、メモリセルMC及びメモリセルMCrefの列数nを増やすことにより、並列して実行される積和演算の数を増やすことができる。
【0294】
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。なお、メモリセルMC及びメモリセルMCrefとして
図20に示す構成を用いることにより、少ないトランジスタ数で積和演算回路を構成することができる。そのため、半導体装置MACの回路規模の縮小を図ることができる。
【0295】
半導体装置MACをニューラルネットワークにおける演算に用いる場合、メモリセルMCの行数mは一のニューロンに供給される入力データの数に対応させ、メモリセルMCの列数nはニューロンの数に対応させることができる。例えば、
図18(A)に示す中間層HLにおいて半導体装置MACを用いた積和演算を行う場合を考える。このとき、メモリセルMCの行数mは、入力層ILから供給される入力データの数(入力層ILのニューロンの数)に設定し、メモリセルMCの列数nは、中間層HLのニューロンの数に設定することができる。
【0296】
なお、半導体装置MACを適用するニューラルネットワークの構造は特に限定されない。例えば半導体装置MACは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、オートエンコーダ、ボルツマンマシン(制限ボルツマンマシンを含む)などに用いることもできる。
【0297】
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、ニューラルネットワークの積和演算を行うことができる。さらに、セルアレイCAに
図20に示すメモリセルMC及びメモリセルMCrefを用いることにより、演算精度の向上、消費電力の削減、または回路規模の縮小を図ることが可能な集積回路を提供することができる。
【0298】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0299】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示システムに用いることができる表示装置について
図23~
図25を用いて説明する。
【0300】
<画素の構成例>
図23(A)~
図23(E)を用いて、画素200の構成例を説明する。
【0301】
画素200は、複数の画素210を有する。複数の画素210は、それぞれ、副画素として機能する。それぞれ異なる色を呈する複数の画素210によって1つの画素200が構成されることで、表示部では、フルカラーの表示を行うことができる。
【0302】
図23(A)、
図23(B)に示す画素200は、それぞれ、3つの副画素を有する。
図23(A)に示す画素200が有する画素210が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、及び青(B)である。
図23(B)に示す画素200が有する画素210が呈する色の組み合わせは、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)である。
【0303】
図23(C)~
図23(E)に示す画素200は、それぞれ、4つの副画素を有する。
図23(C)に示す画素200が有する画素210が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)である。白色を呈する副画素を用いることで、表示部の輝度を高めることができる。
図23(D)に示す画素200が有する画素210が呈する色の組み合わせは、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)である。
図23(E)に示す画素200が有する画素210が呈する色の組み合わせは、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)、白(W)である。
【0304】
1つの画素として機能させる副画素の数を増やし、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、及び黄などの色を呈する副画素を適宜組み合わせることにより、中間調の再現性を高めることができる。よって、表示品位を高めることができる。
【0305】
また、本発明の一態様の表示装置は、さまざまな規格の色域を再現することができる。例えば、テレビ放送で使われるPAL(Phase Alternating Line)規格及びNTSC(National Television System Committee)規格、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、プリンタなどの電子機器に用いる表示装置で広く使われているsRGB(standard RGB)規格及びAdobe RGB規格、HDTV(High Definition Television、ハイビジョンともいう)で使われるITU-R BT.709(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector Broadcasting Service(Television) 709)規格、デジタルシネマ映写で使われるDCI-P3(Digital Cinema Initiatives P3)規格、UHDTV(Ultra High Definition Television、スーパーハイビジョンともいう)で使われるITU-R BT.2020(REC.2020(Recommendation 2020))規格などの色域を再現することができる。
【0306】
また、画素200を1920×1080のマトリクス状に配置すると、いわゆるフルハイビジョン(「2K解像度」、「2K1K」、または「2K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。また、例えば、画素200を3840×2160のマトリクス状に配置すると、いわゆるウルトラハイビジョン(「4K解像度」、「4K2K」、または「4K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。また、例えば、画素200を7680×4320のマトリクス状に配置すると、いわゆるスーパーハイビジョン(「8K解像度」、「8K4K」、または「8K」などともいう)の解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することができる。画素200を増やすことで、16Kや32Kの解像度でフルカラー表示可能な表示装置を実現することも可能である。
【0307】
本発明の一態様の表示装置が有する表示素子としては、無機EL素子、有機EL素子、LED等の発光素子、液晶素子、電気泳動素子、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子等が挙げられる。
【0308】
<表示装置の構成例>
次に、
図24及び
図25を用いて、表示装置の構成例について説明する。
【0309】
図24に、カラーフィルタ方式が適用されたトップエミッション構造の発光表示装置の断面図を示す。
【0310】
図24に示す表示装置は、画素部562及び走査線駆動回路564を有する。
【0311】
画素部562において、基板202上には、トランジスタ251a、トランジスタ446a、及び発光素子170等が設けられている。走査線駆動回路564において、基板202上には、トランジスタ201a等が設けられている。
【0312】
トランジスタ251aは、第1のゲート電極として機能する導電層221と、第1のゲート絶縁層として機能する絶縁層211と、半導体層231と、ソース電極及びドレイン電極として機能する導電層222a及び導電層222bと、第2のゲート電極として機能する導電層223と、第2のゲート絶縁層として機能する絶縁層225と、を有する。半導体層231は、チャネル形成領域と低抵抗領域とを有する。チャネル形成領域は、絶縁層225を介して導電層223と重なる。低抵抗領域は、導電層222aと接続される部分、及び、導電層222bと接続される部分を有する。
【0313】
トランジスタ251aは、チャネルの上下にゲート電極を有する。2つのゲート電極は、電気的に接続されていることが好ましい。2つのゲート電極が電気的に接続されている構成のトランジスタは、他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示装置を大型化、または高精細化して配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することが可能である。また、回路部の占有面積を縮小できるため、表示装置の狭額縁化が可能である。また、このような構成を適用することで、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
【0314】
導電層223上には絶縁層212及び絶縁層213が設けられており、その上に、導電層222a及び導電層222bが設けられている。トランジスタ251aの構造は、導電層221と導電層222aまたは導電層222bとの物理的な距離を離すことが容易なため、これらの間の寄生容量を低減することが可能である。
【0315】
表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート構造またはボトムゲート構造のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
【0316】
トランジスタ251aは、半導体層231に、金属酸化物を有する。金属酸化物は、酸化物半導体として機能することができる。
【0317】
トランジスタ446a及びトランジスタ201aは、トランジスタ251aと同様の構成を有する。本発明の一態様において、これらのトランジスタの構成が異なっていてもよい。駆動回路部が有するトランジスタと画素部562が有するトランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。駆動回路部が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、画素部562が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
【0318】
トランジスタ446aは、絶縁層215を介して、発光素子170と重なる。トランジスタ、容量素子、及び配線等を、発光素子170の発光領域と重ねて配置することで、画素部562の開口率を高めることができる。
【0319】
発光素子170は、画素電極171、EL層172、及び共通電極173を有する。発光素子170は、着色層205側に光を射出する。
【0320】
画素電極171及び共通電極173のうち、一方は、陽極として機能し、他方は、陰極として機能する。画素電極171及び共通電極173の間に、発光素子170の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層172に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層172において再結合し、EL層172に含まれる発光物質が発光する。
【0321】
画素電極171は、トランジスタ251aが有する導電層222bと電気的に接続される。これらは、直接接続されてもよいし、他の導電層を介して接続されてもよい。画素電極171は、画素電極として機能し、発光素子170ごとに設けられている。隣り合う2つの画素電極171は、絶縁層216によって電気的に絶縁されている。
【0322】
EL層172は、発光性の物質を含む層である。
【0323】
共通電極173は、共通電極として機能し、複数の発光素子170にわたって設けられている。共通電極173には、定電位が供給される。
【0324】
発光素子170は、接着層174を介して着色層205と重なる。絶縁層216は、接着層174を介して遮光層206と重なる。
【0325】
発光素子170には、マイクロキャビティ構造を採用してもよい。カラーフィルタ(着色層205)とマイクロキャビティ構造との組み合わせにより、表示装置からは、色純度の高い光を取り出すことができる。
【0326】
着色層205は特定の波長域の光を透過する有色層である。例えば、赤色、緑色、青色、または黄色の波長域の光を透過するカラーフィルタなどを用いることができる。着色層205に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
【0327】
なお、本発明の一態様の表示装置は、カラーフィルタ方式に限られず、塗り分け方式、色変換方式、または量子ドット方式等を適用してもよい。また、本発明の一態様の表示装置は、トップエミッション構造に限られず、ボトムエミッション構造等を適用してもよい。
【0328】
遮光層206は、隣接する着色層205の間に設けられている。遮光層206は隣接する発光素子170からの光を遮光し、隣接する発光素子170間における混色を抑制する。ここで、着色層205の端部を、遮光層206と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層206としては、発光素子170からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料、または、顔料もしくは染料を含む樹脂材料等を用いてブラックマトリクスを形成することができる。なお、遮光層206は、走査線駆動回路564などの画素部562以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるため好ましい。
【0329】
基板202と基板203は、接着層174によって貼り合わされている。
【0330】
導電層565は、導電層255及び接続体242を介して、FPC162と電気的に接続される。導電層565は、トランジスタが有する導電層と同一の材料及び同一の工程で形成されることが好ましい。本実施の形態では、導電層565が、ソース電極及びドレイン電極として機能する導電層と同一の材料及び同一の工程で形成される例を示す。
【0331】
接続体242としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)及び異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0332】
図25に、縦電界方式が適用された透過型液晶表示装置の断面図を示す。
【0333】
図25に示す表示装置は、画素部562及び走査線駆動回路564を有する。
【0334】
画素部562において、基板202上には、トランジスタ446d、及び液晶素子180等が設けられている。走査線駆動回路564において、基板202上には、トランジスタ201d等が設けられている。
図25に示す表示装置では、着色層205が基板203側に設けられている。なお、着色層205を基板202側に設けてもよい。着色層205を基板202側に設けることで、基板203側の構成を簡素化することができる。
【0335】
トランジスタ446dは、ゲート電極として機能する導電層221と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211と、半導体層231と、ソース電極及びドレイン電極として機能する導電層222a及び導電層222bと、を有する。トランジスタ446dは、絶縁層217及び絶縁層218に覆われている。
【0336】
トランジスタ446dは、半導体層231に、金属酸化物を有する。
【0337】
液晶素子180は、画素電極181、共通電極182、及び液晶層183を有する。液晶層183は、画素電極181と共通電極182との間に位置する。配向膜208aは画素電極181に接して設けられている。配向膜208bは共通電極182に接して設けられている。画素電極181は、絶縁層215、絶縁層218、及び絶縁層217に設けられた開口を介して、トランジスタ446dが有する導電層222bと電気的に接続される。
【0338】
液晶層183と接する配向膜を設けることが好ましい。配向膜は、液晶層183の配向を制御することができる。
【0339】
バックライトユニット552からの光は、基板202、画素電極181、液晶層183、共通電極182、着色層205、及び基板203を介して、表示装置の外部に射出される。バックライトユニット552の光が透過するこれらの層の材料には、可視光を透過する材料を用いる。
【0340】
遮光層206と、共通電極182と、の間、及び着色層205と、共通電極182と、の間には、オーバーコート207が設けられている。オーバーコート207は、着色層205、遮光層206等に含まれる不純物が液晶層183に拡散することを抑制できる。
【0341】
基板202と基板203は、接着層209によって貼り合わされている。基板202、基板203、接着層209に囲まれた領域に、液晶層183が封止されている。
【0342】
表示装置の画素部562を挟むように、偏光板204a及び偏光板204bが配置されている。偏光板204aよりも外側に配置されたバックライトユニット552からの光は偏光板204aを介して表示装置に入射する。このとき、画素電極181と共通電極182の間に与える電圧によって液晶層183の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板204bを介して射出される光の強度を制御することができる。また、入射光は着色層205によって特定の波長領域以外の光が吸収されるため、射出される光は例えば赤色、青色、または緑色を呈する光となる。
【0343】
導電層565は、導電層255及び接続体242を介して、FPC162と電気的に接続される。
【0344】
本発明の一態様の液晶表示装置は、縦電界方式に限られず、横電界方式であってもよい。横電界方式の液晶表示装置には、例えば、FFS(Fringe Field Switching)モードが適用された液晶素子を用いてもよい。
【0345】
<半導体層について>
本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いる半導体材料の結晶性は特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0346】
トランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む金属酸化物などであり、例えば、後述するCAC-OSなどを用いることができる。
【0347】
シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい金属酸化物を用いたトランジスタは、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。
【0348】
半導体層に好適な金属酸化物の詳細については、実施の形態5を参照できる。
【0349】
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えばシリコンを用いることができる。シリコンとして、特にアモルファスシリコンを用いることが好ましい。アモルファスシリコンを用いることで、大型の基板上に歩留り良くトランジスタを形成でき、量産性を高めることができる。
【0350】
また、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどの結晶性を有するシリコンを用いることもできる。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
【0351】
また、1つの表示装置が、それぞれ半導体層の材料が異なる2種類以上のトランジスタを有していてもよい。
【0352】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0353】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で例示した表示システムに適用可能な半導体装置について説明する。以下で例示する半導体装置は、記憶装置として機能することができる。当該半導体装置は、例えば、表示システムが有する記憶部に用いることができる。
【0354】
本実施の形態では、酸化物半導体を用いた記憶装置の一例として、DOSRAM(登録商標)について説明する。なお、「DOSRAM」の名称は、Dynamic Oxide Semiconductor Random Access Memoryに由来する。DOSRAMとは、メモリセルが、1T1C(1トランジスタ1容量)型セルであり、かつ書込みトランジスタが、酸化物半導体が適用されたトランジスタである記憶装置のことである。
【0355】
図26を用いて、DOSRAM1000の積層構造例について説明する。DOSRAM1000は、データの読み出しを行うセンスアンプ部1002と、データを格納するセルアレイ部1003とが積層されている。
【0356】
図26に示すように、センスアンプ部1002には、ビット線BL、SiトランジスタTa10、Ta11が設けられている。SiトランジスタTa10、Ta11は、単結晶シリコンウエハに半導体層をもつ。SiトランジスタTa10、Ta11は、センスアンプを構成し、ビット線BLに電気的に接続されている。
【0357】
セルアレイ部1003は複数のメモリセル1001を有する。メモリセル1001は、トランジスタTw1及び容量素子C1を有する。セルアレイ部1003において、2個のトランジスタTw1は半導体層を共有する。半導体層とビット線BLとは図示しない導電体により電気的に接続されている。
【0358】
図26に示すような積層構造は、トランジスタ群を有する回路を複数積層して構成される様々な半導体装置に適用できる。
【0359】
図26中の金属酸化物、絶縁体、導電体等は、単層でも積層でもよい。これらの作製には、スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE法)、パルスレーザアブレーション法(PLA法)、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、原子層堆積法(ALD法)などの各種の成膜方法を用いることができる。なお、CVD法には、プラズマCVD法、熱CVD法、有機金属CVD法などがある。
【0360】
ここでは、トランジスタTw1の半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体)で構成されている。ここでは、半導体層が3層の金属酸化物層で構成されている例を示している。半導体層は、In、Ga、及びZnを含む金属酸化物で構成されることが好ましい。
【0361】
ここで、金属酸化物は、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損と結合する元素を添加されることで、キャリア密度が増大し、低抵抗化する場合がある。例えば、金属酸化物を用いた半導体層を選択的に低抵抗化することで、半導体層にソース領域またはドレイン領域を設けることができる。
【0362】
なお、金属酸化物を低抵抗化する元素としては、代表的には、ホウ素、またはリンが挙げられる。また、水素、炭素、窒素、フッ素、硫黄、塩素、チタン、希ガス等を用いてもよい。希ガスの代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、及びキセノン等がある。当該元素の濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)などを用いて測定することができる。
【0363】
特に、ホウ素、及びリンは、アモルファスシリコン、または低温ポリシリコンの製造ラインの装置を使用することができるため、好ましい。既存の設備を転用することができ、設備投資を抑制することができる。
【0364】
選択的に低抵抗化した半導体層を有するトランジスタは、例えば、ダミーゲートを用いることで形成することができる。具体的には、半導体層上にダミーゲートを設け、当該ダミーゲートをマスクとして用い、上記半導体層を低抵抗化する元素を添加するとよい。つまり、半導体層のダミーゲートと重畳していない領域に、当該元素が添加され、低抵抗化した領域が形成される。なお、当該元素の添加方法としては、イオン化された原料ガスを質量分離して添加するイオン注入法、イオン化された原料ガスを質量分離せずに添加するイオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いることができる。
【0365】
導電体に用いられる導電材料には、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイド、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属、または上述した金属を成分とする金属窒化物(窒化タンタル、窒化チタン、窒化モリブデン、窒化タングステン)等がある。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることができる。
【0366】
絶縁体に用いられる絶縁材料には、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケートなどがある。なお、本明細書等において、酸化窒化物とは、酸素の含有量が窒素よりも多い化合物であり、窒化酸化物とは、窒素の含有量が酸素よりも多い化合物のことをいう。
【0367】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0368】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層に用いることができる金属酸化物について説明する。なお、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いる場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と読み替えてもよい。
【0369】
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC-OS(c-axis-aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、及び非晶質酸化物半導体などがある。
【0370】
また、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層には、CAC-OS(Cloud-Aligned Composite oxide semiconductor)を用いてもよい。
【0371】
なお、本発明の一態様で開示されるトランジスタの半導体層は、上述した非単結晶酸化物半導体またはCAC-OSを好適に用いることができる。また、非単結晶酸化物半導体としては、nc-OSまたはCAAC-OSを好適に用いることができる。
【0372】
なお、本発明の一態様では、トランジスタの半導体層として、CAC-OSを用いると好ましい。CAC-OSを用いることで、トランジスタに高い電気特性または高い信頼性を付与することができる。
【0373】
以下では、CAC-OSの詳細について説明する。
【0374】
CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC-OSまたはCAC-metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSまたはCAC-metal oxideに付与することができる。CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
【0375】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
【0376】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
【0377】
また、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC-OSまたはCAC-metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
【0378】
すなわち、CAC-OSまたはCAC-metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
【0379】
CAC-OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状またはパッチ状ともいう。
【0380】
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種または複数種が含まれていてもよい。
【0381】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0382】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0383】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)O3(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0384】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c-axis aligned crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0385】
一方、CAC-OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0386】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0387】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0388】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0389】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0390】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0391】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0392】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0393】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0394】
ここで、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0395】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0396】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、大きなオン電流(Ion)、及び高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0397】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、さまざまな半導体装置に最適である。
【0398】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0399】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、
図27を用いて説明する。
【0400】
本実施の形態の電子機器は、本発明の一態様の表示システムを有する。これにより、電子機器の表示部は、高品質な映像を表示することができる。具体的には、大型の表示装置または高精細化された表示装置で、良好な表示品位を実現できる。
【0401】
本実施の形態の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、2K、4K、8K、16K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。また、表示部の画面サイズは、対角20インチ以上、対角30インチ以上、対角50インチ以上、対角60インチ以上、または対角70インチ以上とすることができる。
【0402】
本発明の一態様の表示システムを用いることができる電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。また、本発明の一態様の表示システムは、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、VR(Virtual Reality)機器、AR(Augmented Reality)機器などにも好適に用いることができる。
【0403】
本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
【0404】
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
【0405】
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
【0406】
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
【0407】
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
【0408】
さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画または動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部または電子機器に内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能等を有することができる。なお、本発明の一態様の電子機器が有する機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0409】
図27(A)に、テレビジョン装置1810を示す。テレビジョン装置1810は、表示部1811、筐体1812、スピーカ1813等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
【0410】
テレビジョン装置1810は、リモコン操作機1814により、操作することができる。
【0411】
テレビジョン装置1810が受信できる放送電波としては、地上波、または衛星から送信される電波などが挙げられる。また放送電波として、アナログ放送、デジタル放送などがあり、また映像及び音声、または音声のみの放送などがある。例えばUHF帯(約300MHz~3GHz)またはVHF帯(30MHz~300MHz)のうちの特定の周波数帯域で送信される放送電波を受信することができる。また例えば、複数の周波数帯域で受信した複数のデータを用いることで、転送レートを高くすることができ、より多くの情報を得ることができる。これによりフルハイビジョンを超える解像度を有する映像を、表示部1811に表示させることができる。例えば、4K、8K、16K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。
【0412】
また、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介したデータ伝送技術により送信された放送のデータを用いて、表示部1811に表示する画像を生成する構成としてもよい。このとき、テレビジョン装置1810にチューナーを有さなくてもよい。
【0413】
図27(B)は円柱状の柱1822に取り付けられたデジタルサイネージ1820を示している。デジタルサイネージ1820は、表示部1821を有する。
【0414】
表示部1821が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部1821が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
【0415】
表示部1821にタッチパネルを適用することで、表示部1821に静止画または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0416】
図27(C)はノート型のパーソナルコンピュータ1830を示している。パーソナルコンピュータ1830は、表示部1831、筐体1832、タッチパッド1833、接続ポート1834等を有する。
【0417】
タッチパッド1833は、ポインティングデバイスや、ペンタブレット等の入力手段として機能し、指やスタイラス等で操作することができる。
【0418】
また、タッチパッド1833には表示素子が組み込まれている。
図27(C)に示すように、タッチパッド1833の表面に入力キー1835を表示することで、タッチパッド1833をキーボードとして使用することができる。このとき、入力キー1835に触れた際に、振動により触感を実現するため、振動モジュールがタッチパッド1833に組み込まれていてもよい。
【0419】
図27(D)に携帯情報端末の一例を示す。
図27(D)に示す携帯情報端末1840は、筐体1841、表示部1842、操作ボタン1843、外部接続ポート1844、スピーカ1845、マイク1846、カメラ1847等を有する。
【0420】
携帯情報端末1840は、表示部1842にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部1842に触れることで行うことができる。
【0421】
また、操作ボタン1843の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部1842に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
【0422】
また、携帯情報端末1840の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末1840の向き(縦か横か)を判断して、表示部1842の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部1842を触れること、操作ボタン1843の操作、またはマイク1846を用いた音声入力等により行うこともできる。
【0423】
携帯情報端末1840は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末1840は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
【0424】
図27(E)、
図27(F)に、携帯情報端末1850を示す。携帯情報端末1850は、筐体1851、筐体1852、表示部1853、表示部1854、及びヒンジ部1855等を有する。
【0425】
筐体1851と筐体1852は、ヒンジ部1855で連結されている。携帯情報端末1850は、
図27(E)に示すように折り畳んだ状態から、
図27(F)に示すように筐体1851と筐体1852を開くことができる。
【0426】
例えば表示部1853及び表示部1854に、文書情報を表示することが可能であり、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部1853及び表示部1854に静止画像や動画像を表示することもできる。
【0427】
このように、携帯情報端末1850は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
【0428】
なお、筐体1851及び筐体1852には、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
【0429】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0430】
MEM:記憶回路、S1:画像信号、S2:画像信号、W1:補正データ、W2:補正信号、W3:信号、10:画素、10a:画素、10b:画素、10c:画素、10d:画素、10e:画素、10f:画素、12:走査線駆動回路、13:信号線駆動回路、15:回路、100A:表示システム、100B:表示システム、101:トランジスタ、102:トランジスタ、103:容量素子、104:発光素子、105:トランジスタ、109:容量素子、111:トランジスタ、112:トランジスタ、113:容量素子、121:配線、122:配線、123:配線、124:配線、125:配線、126:配線、127:共通配線、128:電源線、129:共通配線、130:配線、131:トランジスタ、132:トランジスタ、133:容量素子、134:容量素子、135:液晶素子、136:トランジスタ、137:トランジスタ、141:スイッチ、142:スイッチ、143:スイッチ、144:スイッチ、145:トランジスタ、146:トランジスタ、147:容量素子、151:制御部、152:記憶部、153:処理部、154:入出力部、155:通信部、156:表示部、157:バスライン、159:ニューラルネットワーク、159a:ニューラルネットワーク、159b:ニューラルネットワーク、162:FPC、170:発光素子、171:画素電極、172:EL層、173:共通電極、174:接着層、180:液晶素子、181:画素電極、182:共通電極、183:液晶層、200:画素、201a:トランジスタ、201d:トランジスタ、202:基板、203:基板、204a:偏光板、204b:偏光板、205:着色層、206:遮光層、207:オーバーコート、208a:配向膜、208b:配向膜、209:接着層、210:画素、211:絶縁層、212:絶縁層、213:絶縁層、215:絶縁層、216:絶縁層、217:絶縁層、218:絶縁層、221:導電層、222a:導電層、222b:導電層、223:導電層、225:絶縁層、231:半導体層、242:接続体、251a:トランジスタ、255:導電層、446a:トランジスタ、446d:トランジスタ、552:バックライトユニット、562:画素部、564:走査線駆動回路、565:導電層、1000:DOSRAM、1001:メモリセル、1002:センスアンプ部、1003:セルアレイ部、1810:テレビジョン装置、1811:表示部、1812:筐体、1813:スピーカ、1814:リモコン操作機、1820:デジタルサイネージ、1821:表示部、1822:柱、1830:パーソナルコンピュータ、1831:表示部、1832:筐体、1833:タッチパッド、1834:接続ポート、1835:入力キー、1840:携帯情報端末、1841:筐体、1842:表示部、1843:操作ボタン、1844:外部接続ポート、1845:スピーカ、1846:マイク、1847:カメラ、1850:携帯情報端末、1851:筐体、1852:筐体、1853:表示部、1854:表示部、1855:ヒンジ部