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特許7146791閉塞検出を伴う非接触支持プラットフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-26
(45)【発行日】2022-10-04
(54)【発明の名称】閉塞検出を伴う非接触支持プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220927BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20220927BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/68 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019547710
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 IL2017051366
(87)【国際公開番号】W WO2018167764
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】15/458,981
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518327073
【氏名又は名称】コア フロー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ニシュリ ボアズ
(72)【発明者】
【氏名】ラウトマン ローネン
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-332418(JP,A)
【文献】特開2000-100907(JP,A)
【文献】特開2011-210985(JP,A)
【文献】特表2016-531299(JP,A)
【文献】特表2007-533153(JP,A)
【文献】特開2010-260715(JP,A)
【文献】特開2003-074468(JP,A)
【文献】特表2007-531858(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0187356(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触支持プラットフォームであって、複数の圧力ノズルと、複数の真空ノズルと、少なくとも1つの流量計と、基準導管と、制御装置と、を備え、
前記複数の圧力ノズルは、前記非接触支持プラットフォームのPVステージの外面上にあり、前記圧力ノズルは、前記圧力ノズルを通じた流体の流出を引き起こす圧力源に接続され、
前記複数の真空ノズルは、外面上の圧力ノズルが組み入れられ、前記真空ノズルを通じて流体の流入を作り出すように1つまたは複数のホースを介して真空マニホールドに接続され、
前記少なくとも1つの流量計は、絞りと、圧力トランスデューサーと、を備え、前記少なくとも1つの流量計は、前記1つまたは複数のホースの少なくとも1つのホースを介して測定流入を示す信号を発生するように構成され、前記圧力トランスデューサーは、前記絞りの上流流体圧力と前記絞りの下流流体圧力との間の差を示す信号を発生するように構成され、
前記基準導管は、前記少なくとも1つの流量計の前記絞りにほぼ等しい絞りを有し、前記圧力トランスデューサーは、前記1つまたは複数のホースのうちの前記少なくとも1つのホースにおよび基準導管に選択的に接続可能であり、
前記制御装置は、測定流入が前記複数の真空ノズルのうちの真空ノズルの閉塞を示すかどうかを決定するように信号を分析するように、および閉塞が示されるときに応答を生じさせるように、構成される、
非接触支持プラットフォーム。
【請求項2】
請求項1の非接触支持プラットフォームであって、前記複数の真空ノズルのそれぞれの真空ノズルは、別個のホースによって前記真空マニホールドに接続される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項3】
請求項2の非接触支持プラットフォームであって、それぞれの前記別個のホースは、別個の流量計を含み、前記別個の流量計は、前記別個のホースを介して測定流入を示す信号を生成するように構成される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項4】
請求項1の非接触支持プラットフォームであって、複数の真空ノズルは、単一の分岐ホースによって前記真空マニホールドに接続される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項5】
請求項4の非接触支持プラットフォームであって、前記複数の真空ノズルのそれぞれは、前記分岐ホースの枝に接続される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項6】
請求項4または5の非接触支持プラットフォームであって、前記少なくとも1つの流量計は、前記分岐ホースのトランクに位置し、前記少なくとも1つの流量計が、前記複数の真空ノズルを通る測定混合流入を示す信号を発生するように構成されるようになっている、非接触支持プラットフォーム。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項の非接触支持プラットフォームであって、前記分岐ホースは、前記分岐ホースの中間ホースブランチを含み、前記少なくとも1つの流量計は、中間ホースブランチに位置し、前記少なくとも1つの流量計が、ブランチが前記少なくとも1つの流量計の中間ホースブランチ上流に接続される前記複数の真空ノズルのモニタされる真空ノズルを通る測定混合流入を示す信号を発生するように構成されるようになっている、非接触支持プラットフォーム。
【請求項8】
請求項7の非接触支持プラットフォームであって、ブランチが前記少なくとも1つの流量計の中間ホースブランチ下流に加わる前記複数の真空ノズルのモニタされない真空ノズルには、補償構造が設けられ、前記モニタされない真空ノズルのそれぞれを通る流入を、前記モニタされる真空ノズルのそれぞれを通る流入にほぼ等しくする、非接触支持プラットフォーム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記少なくとも1つの流量計は絞りを備える、非接触支持プラットフォーム。
【請求項10】
請求項9に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記少なくとも1つの流量計は、絞りのホース上流の流圧を示す信号を発生する圧力トランスデューサーと、絞りのホース下流の流圧を示す信号を発生する圧力トランスデューサーと、を備える、非接触支持プラットフォーム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記少なくとも1つの流量計は、絞りの上流流体圧力と絞りの下流流体圧力との間の差を示す信号を発生する圧力トランスデューサーを備える、非接触支持プラットフォーム。
【請求項12】
請求項11に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記圧力トランスデューサーは、前記1つまたは複数のホースのうちの前記少なくとも1つのホースにおよび前記基準導管に選択的に接続可能である、非接触支持プラットフォーム。
【請求項13】
請求項11または12に記載の非接触支持プラットフォームであって、導管をさらに備え、前記導管に、前記圧力トランスデューサーが接続可能であり、前記導管は、前記圧力トランスデューサーにゼロ圧力差を提供するように構成される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記制御装置は、測定流入を流入の閾値と比較することによって測定流入が閉塞を示すかどうかを決定するように構成される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項15】
請求項14に記載の非接触支持プラットフォームであって、前記制御装置は、測定流入が持続する時間を最短期間と比較することによって測定流入が閉塞を示すかどうかを決定するように構成される、非接触支持プラットフォーム。
【請求項16】
非接触支持プラットフォームの1つまたは複数の真空ノズルの閉塞を検出する方法であって、前記方法は、
流量計によって生成される信号を得ることであって、前記流量計は、PVステージの外面上の前記1つまたは複数の真空ノズルのうちの少なくとも1つの真空ノズルを、真空マニホールドに接続する、ホースに含まれ、信号は、前記ホースを介した測定流入を示す、流量計によって生成される信号を得ることであって、前記流量計は、前記ホースの絞りの両側間の圧力差を測定する圧力トランスデューサーを含む、得ることと、
基準導管の絞りの両側間の圧力差を測定するように前記圧力トランスデューサーを使用することと、
測定流入が前記複数の真空ノズルのうちの真空ノズルの閉塞を示すかどうかを決定するように分析することと、
閉塞が示されるときに応答を生じさせることと、
を含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、基準導管の絞りの両側間の圧力差を測定するように前記圧力トランスデューサーを使用することを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、信号を分析することは、ホースの測定圧力差を、前記基準導管の測定圧力差と比較することを含む、方法。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか1項に記載の方法であって、信号を分析することは、値を得るために信号を処理することと、得られた値を閾値と比較することと、を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、信号を分析することは、得られた値の持続の時間を最短期間と比較することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触支持プラットフォームに関する。具体的には、本発明は、真空ノズルの閉塞を検出するように構成される非接触支持プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触支持面は、圧力-真空(PV)ステージの表面上の圧力ノズルおよび真空ノズルの配置を含む。圧力ノズルは、PVステージからの空気の流出を引き起こすように、圧力源に接続される。真空ノズルは、真空源に接続され、空気が真空ノズルを介してPVステージに吸い込まれるようになっている。
【0003】
圧力ノズルを通じた空気の流出および真空ノズルを通じた空気の流入は、物体(例えば、平板物体)を支持することができるエアークッションを作り出すことができる。流出および流入は、物体とステージの表面との間の距離の変化に抵抗する流体スプリング効果を作り出すことができる。従って、非接触支持面は、ステージ表面からの固定距離で物体を支持することができる。ステージは、下からまたは上から物体を支持することができる。
【0004】
1つ以上のノズルを通る空気流の遮断は、エアークッションの均一性を低減し得る。従って、閉塞ノズルは、物体、または閉塞ノズル近くの物体の一部と、ステージ表面と、の間の距離に影響を与え得る。期待距離からの距離の偏差は、物体上で行われる測定または過程の品質に悪影響を与え得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の実施形態に従って、複数の圧力ノズルと、複数の真空ノズルと、少なくとも1つの流量計と、制御装置と、を含む非接触支持プラットフォームが提供される。複数の圧力ノズルは、非接触支持プラットフォームのPVステージの外面上にあり、圧力ノズルは、圧力ノズルを通じた流体の流出を引き起こす圧力源に接続される。複数の真空ノズルは、外面上の圧力ノズルが組み入れられ、真空ノズルを通じて流体の流入を作り出すように1つまたは複数のホースを介して真空マニホールドに接続される。少なくとも1つの流量計は、1つまたは複数のホースの少なくとも1つのホースを介して測定流入を示す信号を発生するように構成される。制御装置は、測定流入が複数の真空ノズルのうちの真空ノズルの閉塞を示すかどうかを決定するように信号を分析するように、および閉塞が示されるときに応答を生じさせるように、構成される。
【0006】
さらに、本発明の実施形態によると、複数の真空ノズルのそれぞれの真空ノズルは、別個のホースによって真空マニホールドに接続される。
【0007】
さらに、本発明の実施形態によると、それぞれの別個のホースは、別個の流量計を含み、別個の流量計は、別個のホースを介して測定流入を示す信号を生成するように構成される。
【0008】
さらに、本発明の実施形態によると、複数の真空ノズルは、単一の分岐ホースによって真空マニホールドに接続される。
【0009】
さらに、本発明の実施形態によると、複数の真空ノズルのそれぞれは、分岐ホースの枝に接続される。
【0010】
さらに、本発明の実施形態によると、少なくとも1つの流量計は、分岐ホースのトランクに位置し、流量計が、複数の真空ノズルを通る測定混合流入を示す信号を発生するように構成されるようになっている。
【0011】
さらに、本発明の実施形態によると、分岐ホースは、分岐ホースの中間ホースブランチを含み、少なくとも1つの流量計は、中間ホースブランチに位置し、流量計が、ブランチが流量計の中間ホースブランチ上流に接続される複数の真空ノズルのモニタされる真空ノズルを通る測定混合流入を示す信号を発生するように構成されるようになっている。
【0012】
さらに、本発明の実施形態によると、ブランチが流量計の中間ホースブランチ下流に加わる複数の真空ノズルのモニタされない真空ノズルには、補償構造が設けられ、モニタされない真空ノズルのそれぞれを通る流入を、モニタされる真空ノズルのそれぞれを通る流入にほぼ等しくする。
【0013】
さらに、本発明の実施形態によると、流量計は、絞りを含む。
【0014】
さらに、本発明の実施形態によると、流量計は、絞りのホース上流の流圧を示す信号を発生する圧力トランスデューサーと、絞りのホース下流の流圧を示す信号を発生する圧力トランスデューサーと、を含む。
【0015】
さらに、本発明の実施形態によると、流量計は、絞りの上流流体圧力と絞りの下流流体圧力との間の差を示す信号を発生する圧力トランスデューサーを含む。
【0016】
さらに、本発明の実施形態によると、非接触支持プラットフォームは、基準導管を含み、基準導管は、少なくとも1つの流量計の絞りにほぼ等しい絞りを有し、圧力トランスデューサーは、1つまたは複数のホースのうちの少なくとも1つのホースにおよび基準導管に選択的に接続可能である。
【0017】
さらに、本発明の実施形態によると、非接触支持プラットフォームは、導管を含み、導管に、圧力トランスデューサーが接続可能であり、導管は、圧力トランスデューサーにゼロ圧力差を提供するように構成される。
【0018】
さらに、本発明の実施形態によると、制御装置は、測定流入を流入の閾値と比較することによって測定流入が閉塞を示すかどうかを決定するように構成される。
【0019】
さらに、本発明の実施形態によると、制御装置は、測定流入が持続する時間を最短期間と比較することによって測定流入が閉塞を示すかどうかを決定するように構成される。
【0020】
本発明の実施形態によると、非接触支持プラットフォームの1つまたは複数の真空ノズルの閉塞を検出する方法がさらに提供され、その方法は、流量計によって生成される信号を得ることを含み、流量計は、PVステージの外面上の1つまたは複数の真空ノズルのうちの少なくとも1つの真空ノズルを、真空マニホールドに接続する、ホースに含まれ、信号は、ホースを介した測定流入を示す。その方法は、測定流入が複数の真空ノズルのうちの真空ノズルの閉塞を示すかどうかを決定するように分析することと、閉塞が示されるときに応答を生じさせることを、含む。
【0021】
さらに、本発明の実施形態によると、流量計は、ホースの絞りの両側間の圧力差を測定する圧力トランスデューサーを含み、方法は、基準導管の絞りの両側間の圧力差を測定するように圧力トランスデューサーを使用することを含む。
【0022】
さらに、本発明の実施形態によると、信号を分析することは、ホースの測定圧力差を、基準導管の測定圧力差と比較することを含む。
【0023】
さらに、本発明の実施形態によると、信号を分析することは、値を得るために信号を処理すること、および得られた値を閾値と比較することを含む。
【0024】
さらに、本発明の実施形態によると、信号を分析することは、得られた値の持続の時間を最短期間と比較することを含む。
【0025】
本発明がより良く理解され、その実用的応用が評価されるために、次の図が提供されて以下で言及される。図は、例としてのみ与えられ、発明の範囲を少しも限定しないことに、注目すべきである。同様の部品は、同様の参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】それぞれの真空ノズルが別個のホースによって真空マニホールドに接続される、閉塞検出を伴う非接触プラットフォームの例を概略的に示す。
図1B図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の制御装置の略ブロック図である。
図2A図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の圧力トランスデューサー付きの流量計を概略的に示す。
図2B図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の圧力差トランスデューサーを有する流量計を示す。
図3A】複数の真空ノズルが分岐ホースによって真空マニホールドに接続される、閉塞検出を伴う非接触支持プラットフォームの例を概略的に示す。
図3B】中間ホースブランチを含む図3Aに示される非接触支持プラットフォームの変形の例を概略的に示す。
図4】本発明の実施形態による、非接触支持プラットフォームの閉塞検出の方法を表現するフローチャートである。
図5A】基準導管の流量測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
図5B】圧力-真空(PV)ステージの真空ノズルの真空ホースの流量測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
図5C】ゼロオフセット測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
図6】本発明の実施形態による、基準導管を有する非接触支持プラットフォームの閉塞検出の方法を表現するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次の詳細な説明では、発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的詳細が記載される。しかしながら、当業者は、発明がこれらの具体的詳細なしに実施され得ることを理解する。他の例では、周知の方法、手順、部品、モジュール、ユニットおよび/または回路は、発明を不明瞭にしないように、詳細に記載されていない。
【0028】
発明の実施形態はこれに関して限定されないが、例えば、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「確証する」、「分析する」、「確認する」、または同様のものなどの用語を使用する議論は、コンピューター、コンピューター・プラットフォーム、コンピューターシステム、または他の電子計算機の動作および/またはプロセスに言及することがあり、それは、コンピューターのレジスタおよび/またはメモリ内の物理(例えば電子)量として表されるデータを、コンピューターのレジスタおよび/またはメモリまたは動作および/またはプロセスを実行する命令を格納することができる他の情報非一時的記憶媒体(例えばメモリ)内の物理量として同様に表される他のデータに、操作および/または変換する。発明の実施形態はこれに関して限定されないが、本明細書で使用される「複数」(“plurality”および“a plurality”)という用語は、例えば、「多数の(multiple)」または「2つ以上(two or more)」を含み得る。「複数」(“plurality”または“a plurality”)という用語は、2つ以上の部品、装置、要素、ユニット、パラメーターまたは同様のものを記載するために明細書にわたって使用され得る。明示的に述べない限り、本明細書に記載される方法の実施形態は、特定の順序または順番に限定されるものではない。加えて、記載される方法の実施形態またはその要素のいくつかは、同一時点で、同時に、すなわち並行して、現れるまたは行われることができる。別段の指示がない限り、本明細書で用いられる接続詞「または」は、両立的(挙げられた選択肢のいずれかまたは全て)と理解されるべきである。
【0029】
発明のいくつかの実施形態は、コンピューターまたはプロセッサ可読媒体などの品物、または、例えばメモリ、ディスクドライブ、またはUSBフラッシュメモリなどのコンピューターまたはプロセッサ非一時的記憶媒体などの品物を含んでよく、プロセッサまたは制御装置で実行されるときに本明細書に開示される方法を実行する、例えばコンピューター実行可能命令である、命令をコード化する、含むまたは格納する。
【0030】
本発明の実施形態に従って、非接触支持プラットフォームは、圧力-真空(PV)ステージの真空ノズルを通る空気または別の流体の流入の閉塞または他の遮断を検出するように構成され得る。例えば、適切な流量計は、真空ノズルの閉塞による流入の減少を検出し得る。流量計は、制御装置に伝えられ得る信号を発生させるように構成されてよい。制御装置は、アラートを生成するように、動作を修正するように、あるいは真空ノズルの閉塞を示す信号に反応するように、構成されてよい。
【0031】
それぞれの真空ノズルは、真空源に接続される1つ以上の真空マニホールドを介して真空源に接続される。真空源は、真空エジェクタ、真空ポンプ、または別の種類の真空源を含んでよい。使用される真空源の種類は、非接触支持プラットフォームの、または非接触支持プラットフォームの特定の用途の、要求に応じて決められてよい。例えば、真空源の選択に影響を与え得る考慮すべき事柄は、真空ノズルの数、真空ノズルのそれぞれを通る望ましい流入、周囲騒音の許容レベル、または他の考慮すべき事柄を、含んでよい。
【0032】
真空ノズルは、非接触支持プラットフォームの圧力-真空(PV)ステージ上で圧力ノズルが典型的に組み入れられる。圧力ノズルは、PVステージの表面で空気または別の流体の流出を引き起こす真空源に接続され得る。典型的に、流体流出は、圧力ノズルの閉塞が比較的まれであり得るように、圧力ノズルからの異物を放出すると期待され得る。それ故に、圧力ノズルを真空源に接続するホースに、本明細書に記載される流量計も設けられてよいが、そのような流量計は、典型的な状況下で不要と考えられ得る。
【0033】
ホース、管、チューブ、導管、または他の接続(そのいずれかは、本明細書で真空ホースと称される)は、それぞれの真空ノズルを真空マニホールドに接続する。場合によっては、それぞれの真空ノズルは、別個の真空ホースによって真空マニホールドに接続されてよい。場合によっては、単一の真空ホースは、真空ノズルの一群を真空マニホールドに接続してよい。例えば、真空マニホールドに接続する単一のホースは、真空ノズルのそれぞれへの接続のために別々のブランチに枝分かれしてよい。別の例として、PVステージは、複数の(例えば、隣り合う真空ノズル)を単一の真空ホースとの接続に接続する導管を組み込んでよい。
【0034】
それぞれの真空ホースには、ホースを通じた流入を測定するために流量計が設けられる。流量計は、制御装置またはコンピューターが読み取れる信号を生成するように構成されてよい。
【0035】
真空ノズルが真空マニホールドにどのように接続されるかに応じて、測定流入は、1つ以上の真空ノズルを通る流入によって影響を受け得る。例えば、測定流入は、1つ以上の真空ノズルの障害物または閉塞によって影響を受け得る。
【0036】
それぞれの真空ノズルが別個の真空ホースによって真空マニホールドに接続される場合、それぞれの真空ホースには、別個の流量計が設けられてよい。この場合、それぞれの流量計によって測定される流入は、対応する真空ホースが接続される単一の真空ノズルを通る流入を示し得る。従って、流入の測定された減少は、1つの真空ノズルの閉塞を示し得る。この場合、比較的多くの真空ホースおよび流量計が、必要とされ得る。一方、比較的低いまたは粗い感度の流量計は、真空ノズルの部分的閉塞を検出するのに十分であり得る。それ故に、比較的簡単で安価な流量計を使用することができる。
【0037】
一方、単一のホースは、複数の真空ノズルを真空マニホールドに接続し得る。例えば、ホースは、分岐してよく、分枝してよく(例えば、多重分枝)、またはその他の方法で、ホースの一端が単一のトランク部分を形成し、ホースの他端が複数の分岐ホースを形成するように、構成されてよい。従って、ホースは、近位端の真空マニホールドの単一の開口を、遠位端の複数の真空ノズルに接続してよい。単一のホースに接続する複数の真空ノズルは、非接触支持プラットフォームのPVステージ上の隣り合う真空ノズルであってよい。流量計は、単一のホースに接続される真空ノズルの全てからの流入に共通する分岐ホースの部分に位置してよい。例えば、流量計は、ホースの分枝または分岐の近位にある真空マニホールドの近くのホースのトランク部分に位置してよい。この場合、測定流は、単一のホースに接続される真空ノズルのいずれかを通る流入の減少の影響を受け得る。ホースの1つを通じたそのような減少の検出は、真空ノズルの1つを通じた流入の変化によって引き起こされるトランク部分を通じた流入の変化を検出するのに十分な感度を有する流量計を、必要とし得る。代替的に、1つまたは加えて、1つ以上の分岐ホースに、別個の流量計が設けられてよい。
【0038】
流量計は、流入物が通る絞りを含んでよい。例えば、絞りは、単一のオリフィス、一連のオリフィス、または別の種類の絞りを含んでよい。圧力トランスデューサーは、絞りの両側、例えば、絞りの上流側および下流側、の流圧を測定するように構成され得る。絞りの両側間の測定差圧は、流量を示し得る。
【0039】
圧力トランスデューサーは、測定圧力または圧力差を示す電気信号を発生させるように構成されてよい。電気信号は、制御装置に伝えられ得る。例えば、圧力トランスデューサーは、ワイヤ、ケーブル、または他の接続を介して、電気信号を受け取るように構成された受信装置の適切なコネクタまたはポートに接続されてよい。受信装置は、制御装置に組み込まれてよい、または制御装置から分かれてよい。代替的にまたは加えて、圧力トランスデューサーは、制御装置によって受信可能である信号を無線で送るように構成されてよい。
【0040】
制御装置(例えば、制御装置のプロセッサ)は、受け取った信号を分析または解読するように構成されてよい。場合によっては、信号は、真空ポートを通る減少した流入を示し得る。例えば、制御装置は、所定の期間持続する流入の減少を検出するように構成されてよい。所定の期間は、流量の測定が閉塞または別の変化の後に安定化する前に、典型的に経過する期間(例えば、30秒から60秒)に対応し得る。圧力差または流量の測定変化は、閾値の変化と比較され得る。
【0041】
流量計の絞り(例えば、オリフィスまたは他の絞り)は、望ましい範囲で圧力変化が生じるように、選択されてよい。例えば、約0.1ミリバールから約0.3ミリバール、例えば約0.2ミリバールの範囲の圧力差が、測定または分析にとって有利であるということが、分かり得る。例えば、絞りは、毎分約20標準リットルの公称流量が、約10ミリバールの圧力差をもたらすときに、約19NL/分までの空気流の減少が、約9.8ミリバールの圧力差をもたらすように、選択されてよい。
【0042】
図1Aは、それぞれの真空ノズルが別個のホースによって真空マニホールドに接続される、閉塞検出を伴う非接触プラットフォームの例を概略的に示す。図1Bは、図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の制御装置の略ブロック図である。
【0043】
非接触プラットフォーム10は、PVステージ12を含み、PVステージ12は、PVステージ12の外面からほぼ固定距離で物体を支持する流体クッション(流体は空気または他の気体を典型的に含む)を形成するように構成される。典型的な物体は、シリコン基板、ガラス板、または他の薄く平たい物体などの、薄く平たい物体を含み得る。
【0044】
PVステージ12は、複数の真空ノズル14が組み入れられている圧力ノズル16を典型的に含む。圧力流出29を伴う圧力ノズル16から流出する流体、および真空流入28を伴う真空ノズル14に流入する流体は、物体の非接触支持の外面13で流体クッションを作り出し得る。
【0045】
それぞれの圧力ノズル16は、圧力ホース26によって圧力マニホールド24に接続される。例えば、それぞれの圧力ホース26は、それぞれの圧力ノズル16を、圧力マニホールド24の別のポートに別々に接続してよい。代替的にまたは加えて、1つ以上の圧力ホース26は、2つ以上の圧力ノズル16を圧力マニホールド24の単一のポートに接続する分岐ホースを含んでよい。圧力マニホールド24が圧力源(例えば、ポンプ、ブロワー、または他の圧力源)に接続され、圧力源が動作しているとき、流体は、圧力流出29で示されるようにそれぞれの圧力ノズル16から外側に流れ得る。
【0046】
典型的に、圧力流出29は、圧力ノズル16を通る圧力流出29を妨げるように圧力ノズル16での汚れまたはごみの蓄積を防ぐのに十分強いと期待され得る。
【0047】
それぞれの真空ノズル14は、真空ホース20によって真空マニホールド18に接続される。場合によっては、それぞれの真空ノズル14には、例えば、自己適応セグメント化オリフィス(SASO)ラビリンスの形の、狭窄フィンが設けられてよい。
【0048】
図示の例では、それぞれの真空ノズル14は、別個の真空ホース20によって真空マニホールド18の単一の真空ポート19に接続される。真空マニホールド18は、真空源24に接続され得る。例えば、真空源24は、真空ポンプ、真空エジェクタ、または別の真空源または吸引源を含んでよい。真空マニホールド18が真空源24に接続され、真空源24が動作しているとき、流体は、真空流入28で示されるようにそれぞれの真空ノズル14から内側に流れ得る。
【0049】
圧力流出29および真空流入28の割合は、特定の特徴を伴う流体クッションを作り出すように選択されてよい。例えば、エアークッションは、PVステージ12の外面13から特定の距離で特定の種類の物体を支持するように構成または最適化されてよい。エアークッションは、特定の流体スプリング効果を提供するように構成されてよい。
【0050】
例えば、流体が空気であるとき、真空流入28または圧力流出29の典型的な空気流は、毎分約20標準リットルから毎分約40標準リットルの範囲であってよい。(標準リットルを特徴付ける温度および圧力の値は、異なるユーザーの間でおよび異なる用途の間で異なってよい。)圧力流出29に対する真空流入28の割合は(例えば、支持される物体が、対応する真空ノズル14および圧力ノズル16をカバーしないとき)、典型的に1より大きくてよく、例えば約1.5または1より大きい別の値であってよい。(例えば、割合は、支持される物体が、対応する真空ノズル14および圧力ノズル16をカバーするとき、真空流入28が圧力流出29に等しいように、選択されてよい。)
【0051】
場合によっては、真空流入28は、ほこり、ごみ、すす、油、または環境からの他の粒子状物質を、1つ以上の真空ノズル14に吸い込み得る。その物質は、影響を受ける真空ノズル14を通る真空流入28を減少させるように影響を受ける真空ノズル14を少なくとも部分的に妨げ得る。
【0052】
図示の例では、それぞれの真空ホース20には、流量計(FM)22が設けられている。それぞれの流量計22は、真空ホース20を通る真空流入28を示す信号を生成するように構成され、真空ホース20の流体流入がその流量計22で測定される。例えば、信号は、電気ケーブルを介して伝達することができる電気信号、電磁波を介して伝達可能である電磁信号、光ファイバーを介してまたは直接(例えば、光送信機と光受信機との間の見通し線に沿って)伝達可能である光信号、または別の種類の信号、であってよい。
【0053】
制御装置30は、1つ以上の流量計22によって伝えられる信号を受信および分析するように構成されてよい。例えば、制御装置30のプロセッサ34は、流量計22によって伝えられる信号を分析するように構成されてよい。
【0054】
制御装置30のプロセッサ34は、例えば1つ以上のコンピューターの、1つ以上の処理装置を含んでよい。プロセッサ34は、データ記憶装置36に保存されるプログラム命令に従って動作するように構成されてよい。
【0055】
プロセッサ34は、データ記憶装置36と通信し得る。データ記憶装置36は、1つ以上の揮発性または不揮発性の、固定または取り外し可能な、データ記憶装置またはメモリ装置を含んでよい。データ記憶装置36は、例えば、プロセッサ34の動作のためのプログラミングされた命令、動作中のプロセッサ34による使用のためのデータまたはパラメーター、またはプロセッサ34の動作の結果、を保存するのに使用されてよい。
【0056】
例えば、プロセッサ34は、流量計22から受け取る信号を処理することができ、その流量計22によって示される流量を決定するようになっている。決定された流量は、閾値流量と比較され得る。例えば、閾値流量の値または流量の閾値の部分変化は、データ記憶装置36に保存され得る。代替的にまたは加えて、閾値流量を示す単一の値または他の値または閾値の部分変化は、データ記憶装置36に保存され得る。プロセッサ34は、流量計22から受け取る信号、または受信信号の処理の結果を、適切な閾値と比較するように構成されてよい。例えば、閾値は、例えば、較正またはセットアップ手順中、非接触支持プラットフォーム10の製造業者または設置業者によって決定されてよい。
【0057】
代替的にまたは加えて、真空ノズル14(および真空ホース20)に構造および動作の点で同様または同一である、および真空源24に接続される、1つ以上の外部真空ノズルが、PVステージ12の外側に設けられてよい。例えば、外部真空ノズルは、物体の非接触支持を目的としないPVステージ12の部分(例えば、PVステージ12の側面または底面)、または他の部分に、位置してよい。位置は、外部真空ノズルを塞ぎ得る物質の流入がありそうにないように、選択され得る。外部真空ノズルを通る流入も、流量計でモニタされてよい。外部真空ノズルを通る流入を測定する流量計で発生する信号は、例えば、真空源24の(または真空マニホールド18の)操作ミスの誤った解釈と閉塞を区別することができるように、基準流入になり得る。
【0058】
例えば、流量または流量計の安定化時間と関連がある、1つ以上の制限時間または時間閾値が、データ記憶装置36に保存されてよい。例えば、流量計信号が受信されるとき、プロセッサ34は、信号が受け取られたまたは処理された時間を示す時間と共に、信号の処理から得られる値を保存するように構成されてよい。それに続く信号が受信されるとき、現在受信している信号によって示される現在得られている値は、以前に受信した信号によって示された1つ以上の以前の値と比較され得る。現在の値と、流量の減少を示す以前の値と、の値で変化が検出される場合(例えば、変化が閾値を超える)、続いて得られる値は、変化が持続するかどうかを決定するために変更値と比較され得る。変化が最短期間持続する場合、プロセッサ34は、変化を、対応する真空ノズル14の閉塞を示すと、解釈し得る。同様に、閉塞を示す低流量を示す値が、検出されてよい。最短期間にわたって繰り返し得られる値が、低流量を示し続ける場合、プロセッサ34は、その値を、対応する真空ノズル14の閉塞を示すと、解釈し得る。
【0059】
プロセッサ34が真空ノズル14の閉塞を検出するとき、適切な出力が生成され得る。例えば、プロセッサ34は、閉塞を示す出力を生成するように出力装置32を作動させ得る。出力装置32は、例えば、1つ以上の表示画面、表示ライト、スピーカー、ブザー、ベル、または可聴出力を作り出すように構成された他の装置を含んでよい。
【0060】
プロセッサ34は、閉塞を示すように出力装置32を作動させ得る。例えば、プロセッサ34は、メッセージを、1つ以上の真空ノズル14が塞がれていることを示す出力装置32のディスプレー画面に表示させ得る。メッセージは、閉塞し得る真空ノズル14の表示(例えば、PVステージ12の図に、または別の方法で)を含んでよい、またはそれを伴ってよい。
【0061】
場合によっては、プロセッサ34は、検出された閉塞を示す、および遠隔装置によって受け取られ得る、メッセージを送るように構成されてよい。例えば、遠隔装置は、非接触プラットフォーム10のまたはプロセッサ34のオペレーターと関連してよい。
【0062】
場合によっては、プロセッサ34および制御装置30は、1つ以上の真空源24、圧力源、または1つ以上のバルブを作動させるように構成されてよい。この場合、プロセッサ34は、閉塞が検出されたときに真空源24の動作を修正するように構成されてよい。例えば、制御装置30は、検出された閉塞を補う(例えば、PVステージ12によって作られる非接触支持プラットフォーム10の一様な流体クッションを維持する)ように、真空源24、、圧力源、または1つ以上のバルブの動作を修正し得る。
【0063】
PVステージ12は、モニタされる真空ノズル14(例えば、それぞれに流量計22が設けられる)と、モニタされない、および流量計22が設けられない、真空ノズル14と、を含んでよい。モニタされる真空ノズル14もモニタされない真空ノズル14も、単一の真空源24に接続されてよい。流量計22の存在は、モニタされない真空ノズル14を通るのと比べて、モニタされる真空ノズル14を通る真空流入28の割合に著しく影響を与え得る。それ故に、真空流入28がPVステージ12にわたって一様であることを確実にするために(例えば、物体が均一に支持され得るように)、モニタされない真空ノズル14は、モニタされる真空ノズル14とは異なって構成され得る。例えば、モニタされない真空ノズル14またはその真空ホース20は、異なる直径、内部構造、またはモニタされる真空ノズル14の構成とは異なるその他の構成を、有してよい。異なる構成は、モニタされない真空ノズル14を通る真空流入28が、モニタされる真空ノズル14を通る真空流入28にほぼ等しいように、構成され得る。
【0064】
流量計22は、絞りおよび1つ以上の圧力トランスデューサーを含んでよい。例えば、圧力トランスデューサーは、制御装置30に伝えられ得る電気信号を作り出すように構成されてよい。真空流入28が絞りを流れるとき、圧力トランスデューサーによって生じる信号は、絞りの上流であるポイントでの流圧と、絞りの下流であるポイントでの流圧と、の差を示し得る。流圧の差は、真空流入28の流れの割合(例えば、絞り、または別の方法による小損失によって決定される)と関連し得る。
【0065】
場合によっては、流量計22は、オリフィスの形の絞りと、絞りの流圧上流および下流を測定する別個の圧力トランスデューサーと、を含んでよい。
【0066】
図2Aは、図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の圧力トランスデューサー付きの流量計を概略的に示す。
【0067】
圧力トランスデューサーオリフィス流量計23は、真空ホース20に(または真空ホース20と直列に接続されるチューブまたはホースに)配置されるオリフィス50の形の絞りを含む。オリフィス50は、単一のオリフィス、オリフィスカスケード(例えば、互いに同軸でない一連の空間的に分離されたオリフィス)または別の種類の絞りを、表し得る。
【0068】
上流圧力トランスデューサー52は、オリフィス50の上流であるポイントでの真空流入28の流圧を示す電気信号を発生するように構成される。同様に、下流圧力トランスデューサー54は、オリフィス50の下流であるポイントでの真空流入28の流圧を示す電気信号を発生するように構成される。
【0069】
上流圧力トランスデューサー52によっておよび下流圧力トランスデューサー53によって生じる電気信号は、制御装置30に伝えられ得る。制御装置30のプロセッサ34は、上流圧力トランスデューサー52での流圧と下流圧力トランスデューサー53での流圧との間の差を示す値を生成する電気信号を処理するように構成され得る。従って、その値は、真空ホース20を通る真空流入28の流量を示し得る。得られた値は、真空ホース20の閉塞があるかどうかを決定する以前の値(例えば、真空ホース20に接続される真空ノズル14で)と比較され得る。例えば、閾値減少を超える流量の減少を示す、および最短期間(例えば、約30秒から60秒までの範囲の期間、または、例えば、真空流入28の安定化にまたは圧力トランスデューサーオリフィス流量計23による精密測定に十分である時間に対応する別の最短期間、またはその他の方法で決定された最短期間)持続する、値は、閉塞を示し得る。
【0070】
代替的にまたは加えて、上流圧力トランスデューサー52および下流圧力トランスデューサー53によって生じる電気信号、または信号の処理によって生じる値は、上記の外部真空ノズルを通る基準流入を測定する流量計の圧力トランスデューサーからの同様の信号または値と比較され得る。
【0071】
場合によっては、流量計22は、オリフィスの形の絞りと、絞りの上流と下流の流圧の差を測定する別個の差圧トランスデューサーと、を含んでよい。
【0072】
図2Bは、図1Aに示される非接触プラットフォームの閉塞検出用の圧力差トランスデューサーを有する流量計を示す。
【0073】
圧力差オリフィス流量計25は、真空ホース20に(または真空ホース20と直列に接続されるチューブまたはホースに)配置されるオリフィス50の形の絞りを含む。
【0074】
差圧トランスデューサー56は、チューブ58によって真空ホース20に接続される。チューブ58は、真空ホース20から差圧トランスデューサー56に流圧を伝えるように構成される。例えば、チューブ58は、上流開口59aで真空ホース20に開いてよい。同様に、チューブ58は、下流開口59bで真空ホース20に開いてよい。従って、オリフィス50の上流であるポイントでの真空ホース20の流圧は、差圧トランスデューサー56の一面に伝えられ得る。オリフィス50の下流であるポイントでの真空ホース20の流圧は、差圧トランスデューサー56の別の一面に伝えられ得る。
【0075】
差圧トランスデューサー56は、オリフィス50の上流であるポイントと、オリフィス50の下流であるポイントと、の間の真空流入28の流圧の差を示す電気信号を発生するように構成される。差圧トランスデューサー56により生じる電気信号は、制御装置30に伝えられてよい。制御装置30のプロセッサ34は、上流開口59aでの流圧と下流開口59bでの流圧との間の差を示す値を生成する電気信号を処理するように構成され得る。従って、その値は、真空ホース20を通る真空流入28の流量を示し得る。得られた値は、真空ホース20の閉塞があるかどうかを決定する以前の値(例えば、真空ホース20に接続される真空ノズル14で)と比較され得る。例えば、流量の減少を示す、および最短期間(例えば、約30秒から60秒までの範囲の期間、または、例えば、真空流入28の安定化にまたは圧力差オリフィス流量計25による精密測定に十分である時間に対応する別の最短期間、またはその他の方法で決定された最短期間)持続する、値は、閉塞を示し得る。
【0076】
代替的にまたは加えて、圧力差オリフィス流量計25によって生じる電気信号、または信号の処理によって生じる値は、上記の外部真空ノズルを通る基準流入を測定する流量計の圧力差圧力トランスデューサーからの同様の信号または値と比較され得る。
【0077】
圧力トランスデューサーオリフィス流量計23に代えてまたは加えて、圧力差オリフィス流量計23、または他の種類のオリフィス流量計、流量計22は、別の種類の流量計を含んでよい。例えば、流量計22は、機械的流量計、ベンチュリ流量計、または他の種類の流量計を、含んでよい。
【0078】
別個の真空ホース20によって真空マニホールド18にそれぞれ接続される真空ノズル12に代えてまたは加えて、2つ以上の真空ノズル14が、単一の分岐ホースによって真空マニホールド18に接続されてよい。流量計22は、接続された真空ノズル14の全てから真空流入28が流れる分岐ホースの一部の流量を測定するように構成されてよい。
【0079】
図3Aは、複数の真空ノズルが分岐ホースによって真空マニホールドに接続される、閉塞検出を伴う非接触支持プラットフォームの例を概略的に示す。
【0080】
非接触支持プラットフォーム40は、PVステージ12を含み、PVステージ12は、PVステージ12の外面13からほぼ固定距離で物体を支持する流体クッションを形成するように構成される。PVステージ12は、複数の真空ノズル14が組み入れられる複数の圧力ノズル16を典型的に含む。圧力流出29を伴う圧力ノズル16から流出するおよび真空流入28を伴う真空ノズル14に流入する流体は、物体の非接触支持のために外面13で流体クッションを作り出し得る。
【0081】
真空ノズル14(PVステージ12の真空ノズル14の全部または一部を表す)は、真空ホース41によって真空マニホールド18に接続される。真空マニホールド18は、真空源24に接続されてよい。真空マニホールド18が真空源24に接続され、真空源24が動作しているとき、流体は、真空流入28で示されるようにそれぞれの真空ノズル14を通って内側に流れ得る。
【0082】
真空ホース41は、ホーストランク44によって真空マニホールド18に接続されてよい。真空ホース41は、複数の分岐ホース42に枝分かれする。真空ホース41のそれぞれの分岐ホース42は、異なる真空ノズル14に接続されてよい。
【0083】
場合によっては、分岐ホース42は、PVステージ12に組み込まれている、または別の方法でPVステージ12の内部の、導管システムを表し得る。
【0084】
真空ノズル14に接続される分岐ホース42を通る真空流入28は、全ホース流入46を形成するように真空ホース41内で合わせられてよい。全ホース流入46は、ホーストランク44を通るおよび真空マニホールド18への合わせられた全流量を表し得る。
【0085】
場合によっては、真空流入28は、ほこり、ごみ、すす、油、または環境からの他の粒子状物質を、1つ以上の真空ノズル14に吸い込み得る。その物質は、影響を受ける真空ノズル14を通る真空流入28を減少させるように影響を受ける真空ノズル14を少なくとも部分的に妨げ得る。1つの真空流入28の減少は、全ホース流入46の減少をもたらし得る。
【0086】
真空ホース41のホーストランク44には、トランク流量計48が設けられる。トランク流量計48は、全ホース流入46の流量を示す信号を生成するように構成される。例えば、信号は、電気ケーブルを介して伝達することができる電気信号、電磁波を介して伝達可能である電磁信号、光ファイバーを介してまたは直接(例えば、光送信機と光受信機との間の見通し線に沿って)伝達可能である光信号、または別の種類の信号、であってよい。トランク流量計48は、オリフィス流量計、機械的流量計、ベンチュリ流量計、または別の種類の流量計を、含んでよい。
【0087】
トランク流量計48は、真空ノズル14の1つの部分的または全体的障害または閉塞の検出を可能にするように、十分に高感度であるように構成され得る。トランク流量計48によって測定される全ホース流入46についての単一の真空ノズル14の閉塞の影響は、単一の真空ホース41の分岐ホース42に接続される真空ノズル14の数が増加するにつれて、減少する。代替的にまたは加えて、トランク流量計48(および制御装置30)は、複数の真空ノズル14の同時閉塞のみが検出されるように、構成されてよい。例えば、トランク流量計48は、約1%から2%の全ホース流入46の減少が検出可能であり得るように、構成されてよい。
【0088】
場合によっては、異なる真空ホース41の複数のホーストランク44が、真空マニホールド18に接続されてよい。例えば、真空ホース41のそれぞれの分岐ホース42は、PVステージ12の異なる領域の真空ノズル14に接続してよい。この場合、特定のホーストランク44を通る全ホース流入46の減少の検出は、PVステージ12の特定の領域の1つ以上の真空ノズル14の閉塞を示し得る。
【0089】
場合によっては、2つ以上の分岐ホース42が、中間ホースブランチを形成するようにつながってよい。中間ホースブランチは、1つ以上の他の中間ホースブランチまたは1つ以上のブランチホースに加わってよく、別の中間ホースブランチ(例えば、第1の中間ホースブランチよりも大きい流入量で)、またはホーストランク44を形成する。従って、真空ホースは、中間ホースブランチの異なるレベルが形成される構造の形態で構成され得る。中間ホースブランチのいくつかまたは全部に、流量計が設けられてよい。
【0090】
図3Bは、中間ホースブランチを含む図3Aに示される非接触支持プラットフォームの変形の例を概略的に示す。
【0091】
非接触支持プラットフォーム60の真空ホース61では、2つ以上の分岐ホース42aが、中間ホースブランチ63を形成するように接続する。中間ホースブランチ63には、中間ブランチ流量計64が設けられる。分岐ホース42aは、中間ブランチ流量計64の中間ホースブランチ63上流を形成するように加わる。モニタされる真空ノズル14aおよび分岐ホース42aを通る真空流入28aは、中間流入66を形成するように組み合わされる。
【0092】
分岐ホース42bは、中間ブランチ流量計64のホーストランク下流を形成するように中間ホースブランチ63に加わる。従って、モニタされない真空ノズル14bおよびブランチホース42bは、中間流入66に寄与しない。
【0093】
場合によっては、真空ホース61は、分岐ホース42の異なるレベルが中間ホースブランチ63を形成する構造によって形成されてよい。例えば、ホーストランク44は、2つまたは中間ホースブランチ63に分枝または分岐してよい。それぞれの中間ホースブランチ63は、2つ以上の二次中間ホースブランチに分岐してよい。分枝または分岐は、中間ホースブランチが分岐ホース42aに枝分かれするまで続いてよい。
【0094】
図示の例では、分岐ホース42aを通る流入は、中間ブランチ流量計64によってモニタされるが、分岐ホース42bを通る真空流入28bは、モニタされない。中間ブランチ流量計64の存在は、分岐ホース42aを通る真空流入28aの量にかなり影響を与え得る。一方、真空流入28bは、中間ブランチ流量計64によって影響を受けない。それ故に、確実に真空流入28aが真空流入28bにほぼ等しくなるようにするために(例えば、物体がPVステージ12から固定距離で等しく支持され得るように)、モニタされないノズル14b、分岐ホース42b、または両方が、モニタされる真空ノズル14aまたは分岐ホース42aとは異なって構成されてよい。例えば、分岐ホース28bまたはそのモニタされない真空ノズル14bは、分岐ホース42aまたはそのモニタされる真空ノズル14aとは、直径、内部構造、またはその他において、異なってよい。異なる構成は、分岐ホース62bの補償構造62によって表される。例えば、補償構造62は、絞り、または真空流入28bが真空流入28aにほぼ等しいように構成される他の構造を表し得る。
【0095】
制御装置30のプロセッサ34は、非接触支持プラットフォーム10または40のPVステージ12の真空ノズル14の閉塞検出の方法を実行するように、構成されてよい。
【0096】
図4は、本発明の実施形態による、非接触支持プラットフォームの閉塞検出の方法を表現するフローチャートである。
【0097】
当然のことながら、本明細書で言及されるフローチャートに関して、フローチャートのブロックで表される個別動作への示された方法の分割は、便宜上および明確さのためだけに選択された。個別動作への示された方法の代替の分割が、同等の結果で可能である。個別動作への示された方法のそのような代替の分割は、示された方法の他の実施形態を表すと理解されるべきである。
【0098】
同様に、当然のことながら、別段の指示がない限り、本明細書で言及されるフローチャートのブロックで表される動作の実行の示された順序は、便宜上および明確さのためだけに選択された。示された方法の動作は、代替の順序、または同時に、同等の結果で実行され得る。示された方法の動作のそのような並べ換えは、示された方法の他の実施形態を表すと理解されるべきである。
【0099】
閉塞検出方法100は、制御装置30によって、例えば、非接触支持プラットフォーム(例えば、非接触支持プラットフォーム10または40)の制御装置30の制御装置34によって、実行され得る。閉塞検出方法100は、継続的に実行され得る、所定の間隔で実行され得る、または所定のイベント(例えば、システム起動、または別のイベント)に応答して実行され得る。実行は、非接触支持プラットフォームのオペレーターによって開始されてよい。
【0100】
信号は、流量計、例えば、流量計22またはトランク流量計48、から得られ得る(ブロック110)。例えば、制御装置30は、有線または無線接続で流量計によって送信される信号を受信し得る。信号は、流量計の1つ以上の圧力トランスデューサー、または別の方法によって生成され得る。
【0101】
得られた信号は、信号が真空ノズル14の閉塞を示すかどうかを判断するように処理され得る(ブロック120)。例えば、流量計の圧力トランスデューサーから受信される信号は、流量を示す値を生成するように処理され得る。値は、現在の流量が閉塞を示すかどうかを決定するために、閾値とまたは以前に測定された値と比較され得る。同様に、値は、値が所定の最短期間変わらないままである(例えば、所定の許容範囲で)場合に限り、閉塞を示すと解釈され得る。
【0102】
場合によっては、閉塞は、真空ノズル14を通る流入が、外部真空ノズルを通る基準流入未満であると決定されるときに、示されるように決定され得る。この場合、真空ノズル14を通るおよび外部ノズルを通る真空流入の同様の減少は、動作、または1つ以上の真空源24、真空マニホールド18、または両方の流入に共通する他の構造が不良であり得ることを示すと解釈され得る。
【0103】
閉塞が示されない場合、信号は、流量計から得られ続け得る(ブロック110)。
【0104】
閉塞が示される場合、制御装置30は、応答を生じさせ得る(ブロック130)。例えば、応答は、非接触支持プラットフォームのオペレーターに分かる信号を生じさせることを含み得る。代替的にまたは加えて、応答は、非接触支持プラットフォームの動作を修正することを含み得る。
【0105】
場合によっては、閉塞検出を伴う非接触支持プラットフォームは、1つ以上の基準導管を含んでよい。基準導管は、流量計が装備されている、PVステージの真空ノズルに接続される真空ホース(または、場合によっては、PVステージの圧力ノズルに接続される圧力ホース)と同様に作られ得る。例えば、基準導管は、PVステージの真空ノズルと同じ寸法を有する真空ノズルを有してよく、PVステージの真空ノズルに接続される真空ホースのオリフィスと同様の絞りオリフィスを含んでよい。単一の差圧トランスデューサー(または類似のデバイス)は、基準導管にも真空ホースにも選択的に接続されてよい。差圧測定値の比較は、非接触支持プラットフォームシステムの制御装置が、実際の閉塞か、差圧トランスデューサーのドリフトまたは他の誤りかを区別することができるようにし得る。
【0106】
例えば、非接触支持プラットフォームの真空および圧力ノズルは、PVステージの表面にわたって繰り返される1つ以上のパターンで配置され得る。パターンのそれぞれの種類では、流入(または、場合によっては、流出)は、パターンの1つ以上のゾーンでモニタされ得る。例えば、ゾーンで1つ以上の真空ノズルに接続する真空ホースは、流量測定用に構成され得る。異なるパターンまたはゾーンのノズルが互いに異なる場合には、それぞれの種類のノズルのために異なる基準導管が設けられ得る。
【0107】
図5Aは、基準導管の流量測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
【0108】
非接触支持プラットフォーム70は、PVステージ12、基準導管78、および制御ハウジング71に接続される真空ホース20を含む。真空ホース20および基準導管78には、ほぼ同一のオリフィス50および真空ノズル14が設けられる。2種類以上の真空ノズル14がある場合、追加の基準導管78が設けられてよい。
【0109】
図示の例では、制御ハウジング71は、制御装置30、バルブ74および76、および差圧トランスデューサー56を含む。場合によっては、真空ノズル14を含む基準導管78は、少なくとも部分的に制御ハウジング71内に入れられてもよい。典型的に、単一の制御ハウジング71は、1つ以上の追加の真空ホースへの接続を制御する接続のためのバルブを含み得る。非接触支持プラットフォーム70が2種類以上の真空ホースまたは真空ノズルを含む場合では、追加のバルブが、対応する追加の基準導管への接続を制御するように設けられ得る。場合によっては、追加の差圧トランスデューサーが、複数の差圧の平行測定を可能にするように設けられ得る。
【0110】
場合によっては、図示の例では制御ハウジング71が収容していると示される1つ以上の部品は、別個のハウジング、または非接触支持プラットフォーム70の他の部分または近くに収容されてよい。
【0111】
制御ハウジング71、および特に差圧トランスデューサー56は、様々なホース、導管、または様々な接続導管(例えば、ホースまたは他の種類の管または導管)を介して非接触支持プラットフォーム70の他の導風構造に、接続してよい。例えば、真空ホースコネクタ導管86は、制御ハウジング71を真空ホース20に接続するように構成されてよい。基準コネクタ導管72は、制御ハウジング71を基準導管78に接続するように構成されてよい。均圧導管82は、制御ハウジング71を真空マニホールド18に接続するように構成されてよい。
【0112】
制御装置30は、バルブ74および76の動作を制御してよい。バルブ74は、差圧トランスデューサー56をバルブ76または均圧導管82に接続するように動作してよい。例えば、バルブ76がバルブ74を介して差圧トランスデューサー56に、または基準コネクタ導管84を介して基準導管78に、または真空ホースコネクタ導管86を介して真空ホース20に、接続されるときに、バルブ76はバルブ74に接続するように動作してよい。例えば、バルブ74および76の一方または両方は、3/2(3ポート2位置を示す)ソレノイドバルブ、例えば、パイロット動作型ソレノイドバルブまたは直動ソレノイドバルブ、または別の種類のバルブを、含んでよい。
【0113】
1つ以上の基準コネクタ導管84、真空ホースコネクタ導管86、および均圧導管82は、プロテクションバルブ72を含んでよい、またはそれに接続されてよい。それぞれのプロテクションバルブ72は、ソレノイドバルブ、または、真空マニホールド18(または真空マニホールド18に接続される真空ホース20または基準導管78)と差圧トランスデューサー56との間の空気流を妨げるように閉じられ得る他の種類のバルブを、含んでよい。例えば、1つ以上のプロテクションバルブ72は、メンテナンス中、例えば、圧力が真空マニホールド18に加えられるときに、閉じられ得る。そのような圧力は、均圧導管82に達することができるならば、均圧導管82の動作を損ない得る、またはそれに影響を与え得る。プロテクションバルブ72は、制御装置30によって、またはその他の方法で、作動されてよい。
【0114】
制御装置30は、差圧トランスデューサー56からの差圧データを受け取ってよい。制御装置30は、受け取った差圧データを、例えば、バルブ74および76の現在の状態に従って、分析することができ、差圧トランスデューサー56のゼロオフセット、基準流量、またはPVステージ12からの真空流を決定することができる。受け取った差圧データの分析は、PVステージ12の真空ノズル14または真空ホース20が閉塞しているかどうかを決定し得る。
【0115】
制御装置30は、PVステージ12の1つ以上の基板センサ80からのデータを受け取るように構成されてよい。基板センサ80は、近接センサ、画像センサ、またはPVステージ12の1つ以上の真空ノズル14が基板によって覆われることを示すように構成された別の種類のセンサを、含んでよい。例えば、制御装置30は、1つ以上の真空ノズル14が基板によって覆われるときに、例えば、空気流が基板の存在によって影響を受け得るときに、真空ホース20を通るまたは基準導管78を通る空気流を測定するのを回避するように、構成されてよい。
【0116】
図5Aに示されている例では、バルブ74は、差圧トランスデューサー56がバルブ76に接続されるような状態にあり、均圧導管82から切り離されている。バルブ76は、バルブ74が基準コネクタ導管84に接続されるような状態にあり、真空ホースコネクタ導管86から切り離されている。従って、差圧トランスデューサー56は、基準導管78(オリフィス50と真空ノズル14との間のポイントでの)と真空マニホールド18との間の差圧を測定し得る。差圧の測定値は、基準導管78の空気流量を示し得る。測定値、または測定値から導き出される値は、基準値として、例えば、制御装置30のデータ記憶装置36に、保存され得る。
【0117】
基準導管78の真空ノズル14は、基準導管78の閉塞がありそうにないように、構成され得る(例えば、スクリーンまたはフィルタによって保護される、または様々な種類のごみを作り出すプロセスから十分離れて配置される)。それ故に、基準導管78が差圧トランスデューサー56に接続されるときの差圧測定の変化は、差圧トランスデューサー56のドリフトまたは応答の他の変化を示し得る。(真空センサまたは他の種類のセンサが、真空源24の変化を示すように提供され得る。)従って、差圧トランスデューサー56が基準導管78に接続されるときに得られる微分または空気流値は、差圧トランスデューサー56が真空ホース20に接続されるときに得られる値に対する基準値となり得る。
【0118】
図5Bは、圧力-真空(PV)ステージの真空ノズルの真空ホースの流量測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
【0119】
図示の例では、バルブ74は、差圧トランスデューサー56がバルブ76に接続されるような状態にあり、均圧導管82から切り離されている。バルブ76は、バルブ74が真空ホースコネクタ導管86に接続されるような状態にあり、基準コネクタ導管84から切り離されている。従って、差圧トランスデューサー56は、真空ホース20(オリフィス50と真空ノズル14との間のポイントでの)と真空マニホールド18との間の差圧を測定し得る。差圧の測定値は、真空ホース20の空気流量を示し得る。測定値、結果として生じる空気流量、または差圧の測定値から導き出される別の値は、記憶される基準値を用いて修正され得る。
【0120】
図5Cは、ゼロオフセット測定用の構成の、基準導管を有する非接触支持プラットフォームを概略的に示す。
【0121】
図示の例では、バルブ74は、差圧トランスデューサー56が均圧導管82に接続されるような状態にあり、バルブ76から切り離されている。従って、差圧トランスデューサー56の両側は、真空マニホールドに接続され、圧力差はゼロになる見込みである。この場合、差圧の測定値は、差圧トランスデューサー56のゼロオフセット値を示し得る。結果として生じるゼロオフセット値は、例えば、制御装置30のデータ記憶装置に、記憶され得る。ゼロオフセット値は、例えば、真空ホース20のまたは基準導管78の空気流に接続されるときになされる測定を処理または修正するのに利用され得る。
【0122】
図6は、本発明の実施形態による、基準導管を有する非接触支持プラットフォームの閉塞検出の方法を表現するフローチャートである。
【0123】
閉塞検出方法200は、制御装置30によって、例えば、基準導管78を有する非接触支持プラットフォーム70の制御装置30のプロセッサ34によって、実行され得る。閉塞検出方法200は、継続的に実行され得る、所定の間隔で実行され得る、または所定のイベント(例えば、システム起動、または別のイベント)に応答して実行され得る。実行は、非接触支持プラットフォームのオペレーターによって開始されてよい。
【0124】
信号は、基板センサから感知され得る(ブロック210)。
【0125】
基板が感知される場合(ブロック220)ゼロオフセットのみが測定され得る(ブロック240)。例えば、差圧トランスデューサー56は、ゼロオフセットを測定するために均圧導管82に接続され得る。測定は、測定変動が閾値レベル以下に減少するまで、または別の基準が満たされるまで、所定時間続いてよい。
【0126】
場合によっては、例えば、ゼロオフセットが最近測定された場合には、別のゼロオフセット測定を行わずに、制御装置30は、基板センサが基板の存在を示さないまで待機してよい(ブロック210に戻る)。場合によっては、例えば、1つ以上の基準(例えば、以前のゼロオフセット測定、または測定サイクルが始まってから経過した時間)のとき、ゼロオフセット測定が、基板が存在しないときになされてよい。
【0127】
基板が感知されない場合(ブロック220)、差圧トランスデューサー56は、基準導管78に接続され得る(ブロック230)。基準測定は、測定変動が閾値レベル以下に減少するまで、または別の基準が満たされるまで、所定時間続いてよい。
【0128】
差圧トランスデューサー56による測定は、基準値を得るのに利用され得る(ブロック240)。例えば、基準値は、その後の圧力または真空ホースの空気流測定が比較され得る基準値として記憶され得る。
【0129】
差圧トランスデューサー56は、真空ホース20などの、圧力または真空ホースに接続されてよい(ブロック250)。ホース測定は、測定変動が閾値レベル以下に減少するまで、または別の基準が満たされるまで、所定時間続いてよい。
【0130】
測定ホース値は、基準値およびゼロオフセット値と共に、ホースを通る空気流を示す値を生成するように分析され得る(ブロック260)。例えば、基準値は、差圧トランスデューサー56による測定のドリフトと無関係である空気流値を算出するために利用され得る。
【0131】
ホース測定は、閉塞が示されるかどうかを決定するように分析され得る(ブロック270)。例えば、ホース測定と基準測定との間の差は、閉塞が示されるかどうかを決定するように閾値と比較され得る。
【0132】
閉塞が示される場合、応答が生じ得る(ブロック280)。例えば、応答は、非接触支持プラットフォームのオペレーターに分かる信号を生じさせることを含み得る。代替的にまたは加えて、応答は、非接触支持プラットフォームの動作を修正することを含み得る。
【0133】
閉塞が示されない場合、差圧トランスデューサー56を使用する測定が、続き得る(ブロック210に戻る)。
【0134】
基準値、ゼロオフセットの測定、およびホース測定は、任意の順序で行われてよいことが、指摘され得る。場合によっては、順序は、固定されてよい、および所定回数繰り返されてよい。
【0135】
閉塞検出方法200は、例えば異なるゾーンの、PVステージ12の複数の異なるホースについて、またはノズルの異なるパターンについて、(例えば、差圧トランスデューサーおよびバルブの異なる配置によって)順番に繰り返されてよい、または同時に実行されてよい。
【0136】
様々な実施形態が、本明細書に開示される。特定の実施形態の特徴が、他の実施形態の特徴と組み合わせられてよい。従って、ある実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせであり得る。発明の実施形態の前述の説明は、解説および説明を目的として提示された。網羅的であること、または発明を開示された正確な形に限定することを意図するものではない。当業者には当然のことながら、多くの改良、変化、置換、変更および均等物が、上記の教示を踏まえると可能である。従って、添付の「特許請求の範囲」は、発明の真の趣旨の範囲内にある全てのそのような改良および変更をカバーするよう意図されていることが、理解されるべきである。
【0137】
発明の特定の特徴が本明細書に示されて説明されたが、多くの改良、置換、変更および均等物が、当業者に思い当たる。従って、添付の「特許請求の範囲」は、発明の真の趣旨の範囲内にある全てのそのような改良および変更をカバーするよう意図されていることが、理解されるべきである。

図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6